JP2733856B2 - 内燃エンジン及び変速機の連動制御装置 - Google Patents

内燃エンジン及び変速機の連動制御装置

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JP2733856B2
JP2733856B2 JP1139695A JP13969589A JP2733856B2 JP 2733856 B2 JP2733856 B2 JP 2733856B2 JP 1139695 A JP1139695 A JP 1139695A JP 13969589 A JP13969589 A JP 13969589A JP 2733856 B2 JP2733856 B2 JP 2733856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は内燃エンジン及び変速機の連動制御装置に関
し、特に吸気弁または排気弁の弁作動状態を切換可能な
弁作動機構を備えた内燃エンジンを搭載した車輌におけ
る連動制御装置に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 自動変速機(AT)を備えた車輌において、走行条件の
選択により自動変速機の変速特性を変更するよう制御す
ることは一般に行われており、例えば変速機のシフトパ
ターンとしてノーマルパターン、スポーツパターンなど
所要のパターンを用意してこれらを使い分けるようにす
ることは従来から行われてきているところである。
また、車輌のエンジン出力制御においても、過給機付
内燃エンジンでは、過給機の過給圧を可変することによ
り出力を可変可能であり、かような出力制御も知られて
いる。
しかるに、上記制御は、基本的に独自に行われ、相互
に関連性を有さずしてなされるときは、走行条件に対応
し常に適切なエンジン出力制御及び変速制御を確保、維
持することは期待できない。即ち、前記自動変速機の変
速特性の変更に関しては、自動変速機の変速特性のみを
変更するものであり、従って、エンジンの出力特性は何
ら変化はない。かかる場合、エンジン出力特性は、その
走行条件に最適なものとならない場合は多い。また、前
記のエンジン出力制御においても、そのエンジン仕様の
有する基本特性そのものを変える制御ではなく、過給圧
の可変により出力を可変にするに留まる。
しかして、内燃エンジンには、吸気弁または排気弁系
の特性を可変し得る可変弁作動機構付のものがある。該
弁作動機構は、エンジン回転数の低回転域ではこれに適
した低速用切換状態とし、高速回転になると自動的に高
速用切換状態に切換えることにより、低速域から高速域
に亘る広範囲で高い出力を引き出せるように弁作動状態
を切換えることができるものであり、本出願人は、先
に、吸気弁と排気弁の少なくとも一方のバルブタイミン
グを低回転領域に適した低速バルブタイミング(低速V/
T)と高回転領域に適した高速バルブタイミング(高速V
/T)とに切換自在とし、運転状態に応じた最適なバルブ
タイミングを設定するようにバルブタイミングを切換え
るバルブタイミング切換制御について提案(特願昭63−
192239号等)しているが、エンジン及び変速機制御にあ
たり、このような可変V/T機構に基づくエンジン出力制
御に変速制御を適切に組合せ、連動せしめれば、燃費性
能の一層の向上が期待できる。
本発明は、上記の点に着目してなされたものであり、
その目的とするところは、車輌の内燃エンジン並びに変
速機の制御において、走行条件により最適なエンジン出
力特性制御及び最適な変速制御を行わしめ得るように
し、もって燃費を向上せることのできる改良された内燃
エンジン及び変速機の連動制御装置を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本発明は、吸気弁と排気弁の
少なくとも一方の弁作動状態を低回転領域に適した低速
切換状態と高回転領域に適した高速切換状態との少なく
とも2つの状態に切換可能な弁作動機構を有する内燃エ
ンジンと、該エンジンを搭載した車輌に用いられる変速
機との連動制御装置であって、前記変速機の変速特性を
決定する変速特性決定手段と、前記弁作動機構の切換状
態を制御する弁作動機構制御手段と、前記変速特性決定
手段と前記弁作動機構制御手段のいずれか一方の状態に
応じて他方を制御する連動制御手段とを備え、前記変速
特性決定手段は、燃費性能を重視して自動変速を行うよ
うに設定されたエコノミーモードと、動力性能を重視し
て前記エコノミーモードと比べ高エンジン回転または高
車速で自動変速を行うように設定されたパワーモードと
に前記変速特性を切換える内燃エンジン及び変速機の連
動制御装置において、前記弁作動機構制御手段は、前記
エコノミーモードの場合、前記低速切換状態から高速切
換状態への切換えを禁止して該低速切換状態を保持する
低速切換状態保持状態と、前記パワーモードの場合、前
記低速切換状態から前記高速切換状態への切換えを許容
する切換許容状態とを切換え制御することを特徴とする
ものである。
尚、本明細書でいう弁作動状態の切換えとは、バルブ
タイミングあるいはバルブタイミングとバルブリフト量
の両方を切換えることをいう。
(実施例) 以下本発明の実施例を添付図面に基づいて詳述する。
第1図は本発明が適用される制御装置の全体の構成図
であり、同図中1は各シリンダに吸気弁と排気弁とを各
1対に設けたDOHC直列4気筒エンジンである。
エンジン1の吸気管2の途中にはスロットルボディ3
が設けられ、その内部にはスロットル弁3′が配されて
いる。スロットル弁3′にはスロットル弁開度(θTH
センサ4が連結されており、当該スロットル弁3′の開
度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニッ
ト(以下「ECU」という)5に供給する。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3′との間
且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒
毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプ
に接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該
ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御され
る。
エンジン1の各気筒毎に設けられた点火プラグ22は駆
動回路21を介してECU5に接続されており、ECU5により点
火プラグ22の点火時期θigが制御される。
また、ECU5の出力側には、後述するバルブタイミング
切換制御を行なうための電磁弁23が接続されており、該
電磁弁23の開閉作動がECU5により制御される。
一方、スロットル弁3′の直ぐ下流には管7を介して
吸気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられており、こ
の絶対圧センサ8により電気信号に変換された絶対圧信
号は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温
(TA)センサ9が取付けられており、吸気温TAを検出し
て対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(Tw)セ
ンサ10はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水
温)Twを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供
給する。エンジン回転数(Ne)センサ11及び気筒判別
(CYL)センサ12はエンジン1のカム軸周囲又はクラン
ク軸周囲に取付けられている。エンジン回転数センサ11
はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクラ
ンク角度位置でパルス(以下「TDC信号パルス」とい
う)を出力し、気筒判別センサ12は特定の気筒の所定の
クランク角度位置で信号パルスを出力するものであり、
これらの各信号パルスはECU5に供給される。
三元触媒14はエンジン1の排気管13に配置されてお
り、排気ガス中のHC,CO,NOx等の成分の浄化を行う。排
気ガス濃度検出器としてのO2センサ15は排気管13の三元
触媒14の上流側に装着されており、排気ガス中の酸素濃
度を検出してその検出値に応じた信号を出力しECU5に供
給する。
また、エンジン1の出力軸には後述する自動変速機19
が接続されている。
自動変速機19の制御については、既知の如く、そのク
ラッチ部を制御する油圧制御装置及び該変速機用油圧制
御装置を作動させる電磁弁等で行わせることができ、EC
U5は後述のようにエンジン負荷と車速乃至エンジン回転
数とにより決定される変速マップに基づき変速信号、即
ちシフト信号を制御信号として上記作動用電磁弁に出力
し、変速機用油圧制御装置が当該電磁弁の動作に応じて
自動変速機19を駆動させることにより変速段(シフト
段)が選択されることになる。エンジン1の駆動力は、
自動変速機19の出力軸を介して車輌の図示しない駆動輪
に伝達される。
上記ECU5には更に車速センサ16、自動変速機のシフト
位置を検出するギヤ位置センサ17及び後述するエンジン
1の給油路(第2図(b)の48)内の油圧を検出する油
圧センサ18が接続されており、これらのセンサの検出信
号がECU5に供給される。
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧
レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタ
ル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5a、中央
演算処理回路(以下「CPU」という)5b、CPU5bで実行さ
れる各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶
手段5c、前記燃料噴射弁6、駆動回路21及び電磁弁23に
駆動信号を供給する出力回路5d等から構成される。
CPU5bは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づい
て、排気ガス中の酸素濃度に応じたフィードバック制御
運転領域やオープンループ制御運転領域等の種々のエン
ジン運転状態を判別するとともに、エンジン運転状態に
応じ、次式(1)に基づき、前記TDC信号パルスに同期
する燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを演算する。
TOUT=Ti×K1+K2…(1) ここに、Tiは基本燃料量、具体的にはエンジン回転数
Neと吸気管内絶対圧PBAとに応じて決定される基本燃料
噴射時間であり、このTi値を決定するためのTiマップと
しては、低速バルブタイミング用(TiLマップ)と高速
バルブタイミング用(TiHマップ)の2つのマップが記
憶手段5cに記憶されている。
K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて
演算される他の補正係数及び補正変数であり、エンジン
運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸特
性の最適化が図られるような所定値に決定される。
CPU5bは、更にエンジン回転数Neと吸気管内絶対圧PBA
とに応じて点火時期θigを決定する。この点火時期決定
用のθigマップとして前記Tiマップと同様に、低速バル
ブタイミング用(θigLマップ)と高速バルブタイミン
グ用(θigHマップ)の2つのマップが記憶手段5cに同
様に記憶されている。
CPU5bは更に後述する第4図に示す手法により、バル
ブタイミングの切換指示信号を出力して電磁弁23の開閉
制御を行なう。
CPU5bは上述のようにして算出、決定した結果に基づ
いて、燃料噴射弁6、駆動回路21、および電磁弁23を駆
動する信号を、出力回路5dを介して出力する。
更にまた、CPU5bは、本実施例では、エンジン負荷パ
ラメータとしてのスロットル弁開度(θTH)センサ4か
ら供給されるパラメータ信号の値、車速センサ16から供
給されるパラメータ信号の値に基づいてシフト段を決定
し、自動変速機19を制御する。
また、本実施例では、使用変速機は自動変速機であ
り、かつバルブタイミング切換えは低回転領域に適した
低速バルブタイミングと高回転領域に適した高速バルブ
タイミングとの2態様であるが、かかるバルブタイミン
グによるエンジン出力制御と組合せるシフトモードの切
換えについては、比較的低車速で変速を行うように設定
されたいわゆるエコノミーモード(第5図(A))のも
のと、比較的高車速で変速を行うように設定されたいわ
ゆるパワーモード(第5図(B))のものとに切換えら
れる。
エコノミーモードは燃費重視の、またパワーモードは
動力性能重視のモードであり、自動変速機19のこのよう
な燃費、動力性能重視の変速特性を決定する切換手段
は、シフトレバーによる。具体的には、例えばシフトレ
ンジで変速特性が異なるDレンジとS(スポーツ)レン
ジの選択によって切換えられる。なお、切換えの手段に
ついては、シフトレバーではなくスイッチを用いること
もでき、例えばDレンジでスイッチの切換えによってエ
コノミーモード、パワーモードの切換えをすることもで
きる。
シフトパターンは記憶手段5cに記憶されており、バル
ブタイミング制御との組合せは、バルブタイミングが上
記低速バルブタイミングに保持される運転状態では前述
の燃費重視のパターンがシフトモードの切換えに連動す
るよう組み合わされ、また、動力性能重視のパターンの
バルブは低速バルブタイミングと高速バルブタイミング
との切換えを許容する運転状態と組み合わされる。即
ち、AT車の場合においては、例えばシフトレバーによる
レンジに基づき、Dレンジ時にはバルブタイミングを低
速バルブタイミング固定とし、Sレンジ時に低速バルブ
タイミングと高速バルブタイミングとの切換えコントロ
ールとすることができる。
高速バルブタイミングと低速バルブタイミングの切換
えは、本例では、以下のようにロッカアーム及びカム選
択によりこれを行う構成を採用している。
第2図は、エンジン1の各気筒の吸気弁40を駆動する
吸気弁側動弁装置30を示すが、排気弁側にも基本的にこ
れと同じ構成の動弁装置が設けられている。この動弁装
置30は、エンジン1のクランク軸(図示せず)から1/2
の速度比で回転駆動されるカムシャフト31と、各気筒に
それぞれ対応してカムシャフト31に設けられる高速用カ
ムシャフト34及び低速用カム32,33と、カムシャフト31
と平行にして固定配置されるロッカシャフト35と、各気
筒にそれぞれ対応してロッカシャフト35に枢支される第
1駆動ロッカアーム36、第2駆動ロッカアーム37及び自
由ロッカアーム38と、各気筒に対応した各ロッカアーム
36,37,38間にそれぞれ設けられる連結切換機構39とを備
える。
第2図(b)において、連結切換機構39は、第1駆動
ロッカアーム36及び自由ロッカアーム38間を連結可能な
第1切換ピン41と、自由ロッカアーム38及び第2駆動ロ
ッカアーム37間を連結可能な第2切換ピン42と、第1及
び第2切換ピン41,42の移動を規制する規制ピン43と、
各ピン41〜43を連結解除側に付勢する戻しばね44とを備
える。
第1駆動ロッカアーム36には、自由ロッカアーム38側
に開放した有底の第1ガイド穴45がロッカシャフト35と
平行に穿設されており、この第1ガイド穴45に第1切換
ピン41が摺動可能に嵌合され、第1切換ピン41の一端と
第1ガイド穴45の閉塞端との間に油圧室46が画成され
る。しかも第1駆動ロッカアーム36には油圧室46に連通
する通路47が穿設され、ロッカシャフト35には給油路48
が設けられ、給油路48は第1駆動ロッカアーム36の揺動
状態に拘らず通路47を介して油圧室46に常時連通する。
自由ロッカアーム38には、第1ガイド穴45に対応する
ガイド孔49がロッカシャフト35と平行にして両側面間に
わたって穿設されており、第1切換ピン41の他端に一端
が当接される第2切換ピン42がガイド孔49に摺動可能に
嵌合される。
第2駆動ロッカアーム37には、前記ガイド孔49に対応
する有底の第2ガイド穴50が自由ロッカアーム38側に開
放してロッカシャフト35と平行に穿設されており、第2
切換ピン42の他端に当接する円盤状の規制ピン43が第2
ガイド穴50に摺動可能に嵌合される。しかも第2ガイド
穴50の閉塞端には案内筒51が嵌合されており、この案内
筒51内に摺動可能に嵌合する軸部52が規制ピン42に同軸
にかつ一体に突設される。また戻しばね44は案内筒51及
び規制ピン43間に嵌挿されており、この戻しばね44によ
り各ピン41,42,43が油圧室46側に付勢される。
かかる連結切換機構39では、油圧室46の油圧が高くな
ることにより、第1切換ピン41がガイド孔49に嵌合する
とともに第2切換ピン42が第2ガイド穴50に嵌合して、
各ロッカアーム36,38,37が連結される。また油圧室46の
油圧が低くなると戻しばね44のばね力により第1切換ピ
ン41の第2切換ピン42との当接面が第1駆動ロッカアー
ム36及び自由ロッカアーム38間に対応する位置まで戻
り、第2切換ピン42の規制ピン43との当接面が自由ロッ
カアーム38及び第2駆動ロッカアーム37間に対応する位
置まで戻るので各ロッカアーム36,38,37の連結状態が解
除される。
前記ロッカシャフト35内の給油路48は、切換弁24を介
してオイルポンプ25に接続されており、該切換弁24の切
換動作により給油路48内の油圧、従って前記連結切換機
構39の油圧室46内の油圧が高低に切換えられる。この切
換弁24は前記電磁弁23に接続されており、該切換弁24の
切換動作は、ECU5により電磁弁23を介して制御される。
上述のように構成されたエンジン1の吸気側動弁装置
30は以下のように作動する。尚、排気側動弁装置も同様
に作動する。
ECU5から電磁弁23に対して開弁指令信号が出力される
と、該電磁弁23が開弁作動し、切換弁24が開弁作動して
給油路48の油圧が上昇する。その結果、連結切換機構39
が作動して各ロッカアーム36,38,37が連結状態となり、
高速用カム34によって、各ロッカアーム36,38,37が一体
に作動し、一対の吸気弁40が、開弁期間とリフト量を比
較的大きくした高速バルブタイミングで開閉作動する。
一方、ECU5から電磁弁23に対して閉弁指令信号が出力
されると、電磁弁23、切換弁24が閉弁作動し、給油路48
の油圧が低下する。その結果、連結切換機構39が上記と
逆に作動して、各ロッカアーム36,38,37の連結状態が解
除され、低速用カム32,33によって夫々対応するロッカ
アーム36,37が作動し、一対の吸気弁40が、開弁期間と
リフト量を比較的小さくした低速バルブタイミングで作
動する。
第3図は本発明に係るバルブタイミング制御によるエ
ンジン出力の特性を示す図であり、バルブタイミングが
夫々低速バルブタイミング、高速バルブタイミングに制
御されている場合のエンジン回転数Neとエンジン出力
(PS)との関係を示してある。
エンジン回転数NPLは低速バルブタイミング(V/T)で
ピークパワーが得られるエンジン回転数であり、エンジ
ン回転数NPHは高速バルブタイミング(V/T)でピークパ
ワーが得られるエンジン回転数である。同図において、
既述した燃費重視の例えばエコノミーモードあるいはD
レンジの場合は後述のようにバルブタイミングは実線の
出力特性を呈する低速バルブタイミングに固定、保持さ
れる。即ち、低速バルブタイミングから高速バルブタイ
ミングへの切換えを禁止する低速バルブタイミング保持
状態となることになる。また、動力性能重視のパワーモ
ードあるいはSレンジの場合は低速バルブタイミング及
び高速バルブタイミング切換コントロール、即ち、低速
バルブタイミングと高速バルブタイミングとの切換えを
許容する切換許容状態に制御され、この場合は、エンジ
ン出力の特性は運転状態に応じて前記の実線のものと破
線の出力特性を呈する高速バルブタイミングのものとに
切換えられることとなる。
ここに、同図のように、低速バルブタイミング、高速
バルブタイミングでパワーピークの回転数が変わってく
る。本連動制御は、可変バルブタイミングエンジンのこ
のような低速バルブタイミング及び高速バルブタイミン
グ出力特性を利用する。
制御の基本は、エンジン出力及び変速特性制御装置と
して、走行条件を選択できる選択手段、その選択に応じ
てエンジン出力を変更させる変更手段、及び本実施例の
ような自動変速機(AT)付車輌に関しては、変速特性を
変更させる変更手段を有する構成を採用する。
即ち、AT車の場合の連動制御では、バルブタイミング
及びバルブリフト量を可変とする可変V/Tエンジンの各
々のバルブタイミング及びバルブリフト量において発生
するエンジン出力特性を基本としたエンジン出力制御及
び、その出力制御と組合せた自動変速機の変速制御を行
うものであって、走行条件を選択することにより、その
走行条件に最適なエンジン出力特性及び最適な変速特性
が得られるようにし、大きなエンジン出力を必要としな
い走行条件時の燃料消費率を低減させると共に、いかな
る走行条件時にも最適な燃費性能を得るようにするもの
である。
走行条件により最適なエンジン出力特性及び最適な変
速特性(AT車)を与えて燃費を向上せるために、第3図
に示した低速バルブタイミング及び高速バルブタイミン
グの出力特性を利用し、シフトモードの切換えに連動し
て、低速バルブタイミング固定制御、低速バルブタイミ
ングと高速バルブタイミングとの切換制御との組合せを
行うようにし、これにより走行条件に最適な変速特性及
びエンジン出力特性が得られ、最適な燃費性能が得られ
るものである。
以下、自動変速機付車輌即ちオートマチック車(AT)
の場合につき、第4図、第5図をも参照して更に具体的
に説明する。
第4図は、前記したような構成を用い、シフトモード
の切換えに連動する低速バルブタイミング固定、低速バ
ルブタイミング及び高速バルブタイミング切換の連動制
御を含めて示すバルブタイミングの切換制御のためのプ
ログラムのフローチャートである。
本プログラム例では、オートマチック車でのDレンジ
とSレンジ時で変速特性を持替えるようにした場合に適
用した例を示してある。なお、本プログラムはTDC信号
パルス発生毎にこれと同期して実行される。
先ず、ステップS1は、ECU5に各種センサから正常に信
号が入力されているか否か、又は他の制御系で異常が既
に発生しているか否か、即ちフェールセーフすべきか否
かを判別する。
具体的には吸気管内絶対圧(PBA)センサ8、気筒判
別(CYL)センサ12、エンジン回転数(TDC)センサ11、
エンジン水温センサ10、車速センサ16からの出力の異
常、点火時期制御信号出力及び燃料噴射制御出力の異
常、バルブタイミング制御用電磁弁23へ通電される電流
量の異常、バルブタイミング制御用電磁弁23の開閉に応
じた、切換弁24内にあって給油路48に連通する出口ポー
ト(図示せず)の正常な油圧変化が油圧センサ18内の油
圧スイッチで所定時間経過後も確認できないという異常
等を検出してフェールセーフすべきエンジンの運転状態
であると判別する。なお、気筒判別(CYL)センサ及びT
DCセンサのうちの一方に異常があるときには他方の出力
で該一方の出力の代用をはかる。
ステップS1の答が肯定(Yes)、即ちフェールセーフ
すべきときには後述のステップS33に進み、否定(No)
のときにはステップS2以下へ進む。
ステップS2乃至S10はエンジン出力を減少可能な状態
にあるか否かを判別するステップである。これらステッ
プの一つに、エコノミーモード,Dレンジのときに燃費の
よい低速バルブタイミング固定とするように、また、動
力性能重視のパワーモード,Sレンジのときに低速バルブ
タイミングと高速バルブタイミングとの切換え制御とな
るようにするための変速機のモード判別のステップが含
まれている。
先ず、ステップS2ではエンジンが始動中か否かをエン
ジン回転数Ne等により判別する。ステップS3はディレー
タイマの残り時間tSTが0になったか否かを判別するス
テップであり、tSTを始動中に所定時間(例えば5秒)
にセットし(ステップS4)、始動後計時動作を開始する
ようにした。
ステップS5はエンジン水温Twが所定の設定温度Tw
1(例えば60℃)より低いか否か、即ち暖機が完了した
か否かを判別するステップS6は車速Vが極低速の設定車
速V1(ヒステリシス付きで例えば8km/5km)より低いか
否かを判別するステップ、S7は前述した変速機のモード
判別、即ちエコノミーモード,Dレンジか否かを判別する
ステップ、S8は当該エンジン搭載車がマニアル車(MT)
か否かを判別するステップ、S9はオートマチック車(A
T)の場合にシフトレバーがパーキング(P)レンジや
ニュートラル(N)レンジになっているか否かを判別す
るステップ、S10はNeが前記下限値Ne1以上か否かを判別
するステップであり、フェールセーフ中(ステップS1の
答が肯定(Yes))、始動中(ステップS2の答が肯定(Y
es))及び始動後ディレータイマの設定時間tST経過前
(ステップS3の答が否定(No))、暖機中即ち低水温時
(ステップS5の答が肯定(Yes))、停車中や徐行中
(ステップS6の答が肯定(Yes))、エコノミーモード,
Dレンジであるとき即ち燃費重視の場合(第5図
(A))のとき(ステップS7の答が肯定(Yes))、
P、Nレンジであるとき(ステップS9の答が肯定(Ye
s))、及びNe<Ne1のときは(ステップS10の答が否定
(No))、後述するように電磁弁23を閉弁してバルブタ
イミングを低速バルブタイミングに保持する。
従って、例えば、エンジン水温Twが所定温度Tw1より
低い運転状態のときには、バルブタイミングは低速バル
ブタイミングに固定されることになり、また、第5図
(A)に示すように、シフトパターンが燃費重視のエコ
ノミーモードでは、シフトモードの切換えに連動して、
バルブタイミングは第3図に示したようなエンジン出力
特性の低速バルブタイミングに固定されることになる。
即ち、ステップS7の答が肯定(Yes)の場合、後述の
ステップS31,S30の処理を経て低速バルブタイミング固
定制御が実行、維持される(ステップS31での答が、否
定(No)、肯定(Yes)のいずれもときにも同様であ
る)。
第5図に示す変速マップの一例は、図示のようにスロ
ットル弁開度θTHと車速Vによって変速特性が決定され
る例を示している。上記第5図(A)及び(B)のマッ
プにおいて、エコノミーモードとパワーモードとでは、
後者の同図(B)のパワーモードのシフトパターンは、
図で示される如く、前者のものに比し高車速側で自動変
速を行うようにポイントがずらされている。即ち、車速
ラインを高車速ラインにずらしてある。
上記エコノミーモードの場合は、できだけ早くアップ
シフトをさせ、これよりパワーモードのときに比べ燃費
性能についてはこれを上げることができるものである。
一方、パワーモードの場合は、動力性能重視であって、
できるだけ低速でも牽引し得るように、即ち速く走行せ
んと運転者が思ったときには1速でも走行できるように
するものである。従って、これらとバルブタイミング制
御とを関連付けて、エコノミーモードが採られていた
(選択)ならば、燃費重視ということであることから、
前述の如く低速バルブタイミングに固定することとして
いる。即ち、もし、高速バルブタイミングであればこれ
は燃料を多く消費し燃費が低下するので、これへの切換
えは禁止し低速バルブタイミング固定とするのである。
しかして、変速特性をパワーモードにするというと
き、即ち運転者が加速を要望する等の場合には(前記ス
テップS7,9の答が否定(No))、後述するごとく、これ
に応えられるよう低速バルブタイミング、高速バルブタ
イミングの切換えを行えるように、即ち、切換えを許容
するものである。
以上のようにして、シフトモードの切換えに連動し
て、可変バルブタイミングでの低速バルブタイミング及
び高速バルブタイミングの出力特性を利用し、走行条件
により、低速バルブタイミング固定制御、各バルブタイ
ミング切換制御の2つの態様で切換え、これらのエンジ
ン出力制御との組合せにより、走行条件に最適な変速特
性及びエンジン出力特性が得られ、最適な燃費性能を得
ることができる。
上記第5図の例では、エンジン負荷パラメータとして
スロットル弁開度と、他のパラメータの一つとしての車
速とにより決定される変速特性に基づいて変速を行うよ
うにしているが、上記他のパラメータの例としては、エ
ンジン回転数を適用してもよく、この場合において変速
特性は、上記例に準じ、各シフトパターンにつき比較的
低、高エンジン回転数で変速を行うようにしてもよい。
第4図に戻り、前記ステップS7でその答が否定(N
o)、即ちパワーモード,Sレンジであると判別され、前
記ステップS8,S9を介し前記ステップS10に進んだ場合に
おいて、当該ステップS10でNe≧Ne1が成立すると判別さ
れたときは、ステップS11でTiLマップとTiHマップとを
検索し、現時点でのNe、PBAに応じたTiLマップのTi値
(以下TiLと記す)とTiHマップのTi値(以下TiHと記
す)とを求め、次にステップS12でAT車及びMT車に応じ
て設定したTVTテーブルからNeに応じたTVTを読み出し、
ステップS13でこのTVTと前回ループのTOUTとを比較し
て、TOUT≧TVTが成立するか否か、即ち混合気をリッチ
化する高負荷状態か否かを判別する。その答が否定(N
o)、即ちTOUT<TVTが成立するときには、ステップS14
に進んでNeが前記上限値Ne2以上か否かの判別を行な
う。ステップS14の答が否定(No)、即ちNe<Ne2が成立
するときには、ステップS15に進み、前記ステップS11で
求めたTiLとTiHとを比較する。その結果、TiL>TiHが成
立するときには、後述のステップS16でセットされたデ
ィレータイマのタイマ値tVTOFFが零か否かを判別し(ス
テップS17)、この答が肯定(Yes)ならばステップS18
で電磁弁23の閉弁指令、即ち低速バブタイミングへの切
換指令を出す。又、前記ステップS13,S14,S15の夫々の
ステップでTOUT≧TVT、Ne≧Ne2、TiL≦TiHのいずれかが
成立するときには、前記電磁弁開弁ディレータイマのタ
イマ値をtVTOFF(例えば3秒)にセットしてスタートし
て(ステップS16)、ステップS19で電磁弁23の開弁指
令、即ち高速バブタイミングへの切換指令を出す。
前記ステップS18で閉弁指令を出したときには、ステ
ップS20で油圧センサ18内の油圧スイッチがオンしたか
否か、即ち給油路48の油圧が低圧になったか否かを判別
する。この答が肯定(Yes)、即ち、油圧スイッチがオ
ンしたときには、ステップS22で低速バルブタイミング
切換ディレータイマの残り時間tLVTが0になったか否か
を判別する。ステップS22の答が肯定(Yes)即ち、tLVT
=0になったときには、ステップS24で高速バルブタイ
ミング切換ディレータイマの残り時間tHVTを設定時間
(例えば0.1秒)にセットし、次にステップS26で燃料の
噴射制御ルーチンで使用するTiマップと点火時期マップ
としてそれぞれTiLマップと低速バルブタイミング用点
火時期マップ(θigLマップ)とを選択する処理を行な
い、続くステップS28でレブリミッタ値NHFCを低速バル
ブタイミング用の値NHFC1とする処理を行う。
一方、前記ステップS19で開弁指令を出したときに
は、ステップS21で油圧センサ18内の油圧スイッチがオ
フしたか否か、即ち給油路48の油圧が高圧になったか否
かを判別する。その答が肯定(Yes)、即ち、油圧スイ
ッチがオフしたときは、ステップS23で高速バルブタイ
ミング切換ディレータイマの残り時間tHVTが0になった
か否かを判別する。ステップS23の答が肯定(Yes)、即
ちtHVT=0になったときには、ステップS25で低速バル
ブタイミング切換ディレータイマの残り時間tLVTを設定
時間(例えば0.2秒)にセットし、次にステップS27で燃
料の噴射制御ルーチンで使用するTiマップと点火時期マ
ップとして夫々TiHマップと高速バルブタイミング用点
火時期マップ(θigHマップ)とを選択する処理を行な
い、続くステップS29でNHFCを高速バルブタイミング用
の値NHFC2とする処理を行う。
ところで、上記した両切換ディレータイマtHVT,tLVT
の設定時間は、電磁弁23が開閉されてから切換弁24が切
換わり、給油路48の油圧が変化して全シリンダの連結切
換機構39の切換動作が完了するまでの応答遅れ時間に合
わせて設定されており、電磁弁23の開から閉への切換
時、油圧センサ18内の油圧スイッチがオンするまでは、
プログラムはS20→S23→S25→S27→S29の順に進み、オ
ン後も全シリンダの連結切換機構39が低速バルブタイミ
ング側に切換わるまでは、S20→S22→S27→S29の順に進
み、又電磁弁23や切換弁24の故障等で閉弁指令が出され
ても切換弁24が閉じ側に切換わらず、いつまでたっても
油圧センサ18内の油圧スイッチがオンしないときも、上
記と同様にS20→S23→S25→S27→S29の順に進み、結局
全シリンダの連結切換機構39が低速バルブタイミング側
に切換わらない限り、燃料の噴射制御は高速バルブタイ
ミングに適合したものに維持される。電磁弁23の閉から
開への切換時も、上記と同様にして、全シリンダの連結
切換機構39が高速バルブタイミング側に切換わらない限
り、燃料の噴射制御は低速バルブタイミングに適合した
ものに維持される。
一方、前記ステップS2の答が肯定(Yes)、又は前記
ステップS3の答が否定(No)、又は前記ステップS5,S6
の答が肯定(Yes)のとき、即ち、始動中及び始動後設
定時間経過前、暖機中即ち低水温時、停車中又は徐行中
のときには、ステップS30に進んで電磁弁23の閉弁指令
を出し、ステップS30からS24→S26→S28の順に進む。
このように低速バルブタイミングと高速バルブタイミ
ングとに切換可能な内燃エンジンにおいて、エンジン水
温が低い時、従ってエンジンオイルの粘性が高いときに
は、例えば軸受等エンジンの各部のフリクションが高い
ことから、低回転領域に適した低速バルブタイミングに
固定するように制御し、これにより、エンジンの保護を
も図る。
既に述べたように、ステップS7での判別においてエコ
ノミーモード,Dレンジの場合、更に、前記ステップS9で
の判別においてN、Pレンジの場合は、ステップS31に
進んで前回ループでTiHマップを選択したか否かを判別
し、又前記ステップS10においてNe<Ne1が成立するとき
も前記ステップS31に進む。ステップS31の答が肯定(Ye
s)のとき、即ち前回ループTiHマップを選択していると
きは、前記電磁弁開弁ディレータイマのタイマ値tVTOFF
を零にして(ステップS32)、ステップS18に進み、ステ
ップS31の答が否定(No)のとき、即ち前回TiHマップを
使用していないとき、換言すれば全シリンダの連結切換
機構39が高速バルブタイミング側に切換えられていない
ときには、上記と同様にS30→S24→S26→S28の順に進
み、油圧センサ18内の油圧スイッチとは係りなく低速バ
ルブタイミングに適合した燃料の噴射制御を行なう。こ
れは油圧センサ18内の油圧スイッチが断線等によりオフ
しっぱなしになったときの対策である。
ところで、上記したNHFC1はNe2より高く設定されてお
り、通常はNeがNHFC1に上昇する前にバルブタイミング
が高速バルブタイミングに切換わって、NHFCの値がN
HFC2に切換えられるため、NHFC1での燃料カットは行な
われない。これに対し、ステップS2〜S9からステップS3
0に進む運転状態では、空吹し等によりNeがNe2を上回っ
ても低速バルブタイミングに保持されるため、NHFC1
の燃料カットが行なわれる。又低速バルブタイミングか
ら高速バルブタイミングに切換わっても、tHVTが0にな
るまで、即ち連結機構39が実際に高速バルブタイミング
側に切換るまでは、NHFC1での燃料カットが行なわれ
る。
また、前記ステップS1の答が肯定(Yes)、即ちフェ
ールセーフ中のときには、電磁弁23の閉弁指令を出し
(ステップS33)、フェールセーフ処理を実行して(ス
テップS34)、前記ステップS28に進み、本制御プログラ
ムを終了する。ここにおいて、上記フェールセーフ処理
では、既述したようなエンジン水温が低い時と同様の低
速バルブタイミングへ固定制御を行わせるようにするこ
ともできる。
なお、上記説明においては、連動制御の一の要素であ
るシフトモードの切換えと、他の要素であるバルブタイ
ミングについての制御とで、前者に応じて後者を制御す
るようにしたが、これは逆でも可能である。即ち、上記
例でいえば、バルブタイミングが低速バルブタイミング
固定となる条件(低水温、バルブタイミングフェールセ
ーフなど)には、たとえパワーモードが選択されていた
としても、前記の燃費性能の観点から、これを強制的に
エコノミーモードとするような連動制御、即ちエコノミ
ーモードに自動で切換えるようにしてもよい。本発明に
従う連動制御は、このような態様での適用も妨げない。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
前記実施例では、AT車の連動制御の場合について述べ
たが、変速機として手動変速機を用いるマニアル車(M
T)にも同様に適用できる。
MT車の場合には、走行条件でエンジン出力を可変でき
るようにする手段としての選択スイッチ(SEL SW)を設
ける。該走行条件選択スイッチ(SEL SW)は、モードス
イッチとして運転者が手動で切換え操作可能なスイッチ
であって、当該スイッチ(SEL SW)の切換状態(切換位
置)は、例えば前記実施例での可変バルブタイミング機
構付エンジン搭載車の例でいえば、低速バルブタイミン
グ固定の態様と、低速バルブタイミング及び高速バルブ
タイミング切換可能の態様との2つの制御態様に合わせ
て、2つとすることができ、走行条件選択スイッチ(SE
L SW)と連動してこれら制御態様を切換える。
即ち、その選択スイッチ(SEL SW)は、運転者自身
が、自己の意思によって、バルブタイミングを低速バル
ブタイミングに固定のものとしてしまうか、それともバ
ルブタイミングを低・高バルブタイミング切換可能の状
態のものにするかを、選択するのに用いるものである。
運転者が自分で上記のいずれかを選ぶと、例えば走行条
件選択スイッチ(SEL SW)切換え位置を低速バルブタイ
ミング固定側のモードの位置にすると、かかる状態で
は、前述した燃費重視のエコノミーモードに相当するも
のとなり、低速バルブタイミング及び高速バルブタイミ
ング切換可能側のモードの位置にすれば、これは動力性
能重視のパワーモードに相当するものとなる。
選べるモードは、かようにエコノミー及びパワーの種
類に限らず、後述もするように、適用する可変バルブタ
イミング機構付エンジンの特性に応じ例えばエコノミー
(燃費重視)、ノーマル(燃費重視と動力性能重視との
中間のモードのもの)、パワー(動力性能重視)という
ように3種類以上としてもよい。
本実施例では、このように走行条件選択スイッチ(SE
L SW)を別途備え、また、エンジン出力を可変するため
の選択できるモードとしてエコノミーモード,パワーモ
ードを有し、そのモードスイッチとしてのスイッチ(SE
L SW)の運転者による切換えによって、運転者がエコノ
ミーモード側を選んでいるエコノミーモード選択時は低
速バルブタイミング固定、パワーモード側を選んでいる
パワーモード選択時は低速バルブタイミング及び高速バ
ルブタイミングコントロールとする。即ち、前記と同
様、低速バルブタイミング及び高速バルブタイミングの
出力特性(第3図)を利用するものであって、走行条件
により、低速バルブタイミング固定(エコノミーモード
側)、低速バルブタイミングと高速バルブタイミングと
の切換制御(パワーモード側)を切換える。
MT車の場合の連動制御は、次のような点に着眼してい
る。
即ち、選択スイッチ(SEL SW)が運転者によりエコノ
ミーモード側の切換状態に切換えられているときは、低
速バルブタイミングに固定されるところ、このように固
定された場合のバルブタイミングでのエンジン出力特性
は第3図に実線で示すものであり、該特性ではエンジン
回転数Ne上昇に伴ないパワーが早めに頭うちになる。従
って、運転者はマニュアルシフトでチェンジしていくと
き、それだけ早目にシフト操作を行っていくことにな
る。
選択スイッチ(SEL SW)がパワーモード側の切換状態
に選択されているとき、即ちバルブタイミングにつき
低、高切換許容の状態の場合は、そのときのエンジンの
出力の特性は既述した如く第3図の実線(低速V/T)、
破線(高速V/T)で示すものであることから、エンジン
をより高回転まで回転させるように運転することが可能
となる(シフトにあたっても、運転者がもうシフトしな
ければいけないと思うその時点でのエンジン回転数も変
わってくる)。
換言すれば、運転者が走行条件選択スイッチ(SEL S
W)をどちらの切換状態にしておくかによって、運転者
自身がシフトチェンジの際、早目にシフトしていくとい
う操縦のし方を採らせ得るかどうか、その基準が変わる
こととなる(運転者はマニュアルで変速しているけれど
も、バルブタイミングに関しては、スイッチ(SEL SW)
により固定(低速V/T)か切換可能状態(低速V/T、高速
V/T)かのモードに決められていまい、従って、運転者
自身の変速をしなければいけないと感じる認識点も同時
に変わってき、結果的にマニュアルシフトについての条
件も変わってくる)。
以下、更に具体的に説明するに、MT車の場合の連動制
御装置は、第1図において、自動変速機19が手動変速機
に変わっていると共に、ECU5に対しては上記走行条件選
択スイッチ(SEL SW)からのその切換状態信号が供給さ
れ、ECU5が当該切換状態を検出、監視する構成とするこ
とができる。
選択スイッチ(SEL SW)についての監視、切換状態の
判断は、第4図のプログラムにおいて、判別ステップS7
はこれを選択スイッチ(SEL SW)の切換状態判別につい
てのものに置き替えることによって行うことができ、そ
の判別での結果でステップS31以下へ進むか(低速V/T固
定)、ステップS8を介してステップS10へ進むか(低速V
/T、高速V/Tコントロール)するようにプログラムを組
むことができる。
上記において、各々の切換状態選択時、連動制御装置
は、運転者をして、下記のような操縦法を採らしめるこ
とが可能となる。
今、運転者が加速等で早く走行したいと思って走行条
件選択スイッチ(SEL SW)を低速V/T、高速V/Tコントロ
ールのパワーモード側の切換状態に切換えているとすれ
ば、かかる状態においては、運転者がシフトすべきと感
じるエンジン回転数Neはエンジン出力の特性が第3図の
実線(低速V/T)のものに固定の場合に比し、より高回
転のものとなる。この場合は、動力性能重視の場合であ
り、運転者がアクセルペダルを踏み込んでももうそれ以
上エンジン回転数が上がらないことを知ればアップシフ
トをしていくところ、この場合、出力特性が第3図の実
線に固定のときと比較して、バルブタイミングが実線の
出力特性を呈する低速バルブタイミングと破線の出力特
性を呈する高速バルブタイミングに切換えられることか
ら、より高い回転数でアップシフトをしていくようにさ
せることができ、従って、できるだけ高回転数でも引っ
張れるようになり、動力性能重視の運転に応じられる。
また、運転者が走行条件選択スイッチ(SEL SW)を上
記の切換状態ではなくエコノミーモード側の切換状態に
切換えているときは、次のようになる。
即ち、この場合の選択は燃費重視のものであるが、か
かる選択時には、低速バルブタイミングに固定となり
(ステップS31以下の処理が実行される)、従ってエン
ジン出力特性は第3図の実線のものとなり、この場合は
ピークパワーが下がってき、上記の動力性能重視の場合
に比べ、運転者はそれだけ早め早めにシフトするように
なる。
この場合において、シフトすべきとの認識について
は、エンジン回転数の音をきく、あるいはタコメータを
みたりするなどして容易にそのタイミングを認識でき
る。このようにして、運転者はエンジン回転数の音の変
化や、タコメータの指針表示などによってそのときの運
転状態を知り、走行条件選択スイッチ(SEL SW)が上記
エコノミーモード側の切換状態に切換えられているとき
には、運転者自身が早め早めにシフト操作していくよう
になることから、燃費を上げられることとなる。
以上により、MT車の場合にも、本連動制御は適用で
き、走行条件選択スイッチ(SEL SW)との連動により、
走行条件に最適なエンジン出力特性が得られ、最良な燃
費性能が得られる。
以上ではエンジン出力制御につき、第3図に示した例
のものを述べたが、これに限らない。
例えば、バルブタイミングが3種類のもの(低速、中
速、高速V/T等)ならば、MT車の場合、選択用のモード
は3つになる。
更に、過給機(ターボチャージャー,スーパチャージ
ャー)、可変吸気(管路切換,共鳴過給)、可変圧縮、
更に高速V/T機構などとの組合せにより、多段階出力制
御を行うこともできる。
また、バルブ休止、A/Fリーン化、シフトインジケー
タなどとの組合せにより、更に燃費性能を向上させた制
御を行うこともできる。
(発明の効果) 本発明によれば、吸気弁と排気弁の少なくとも一方の
弁作動状態を低回転領域に適した低速切換状態と高回転
領域に適した高速切換状態との少なくとも2つの状態に
切換可能な弁作動機構を有する内燃エンジンと、該エン
ジンを搭載した車輌に用いられる変速機との連動制御装
置であって、前記変速機の変速特性を決定する変速特性
決定手段と、前記弁作動機構の切換状態を制御する弁作
動機構制御手段と、前記変速特性決定手段と前記弁作動
機構制御手段のいずれか一方の状態に応じて他方を制御
する連動制御手段とを備え、前記変速特性決定手段は、
燃費性能を重視して自動変速を行うように設定されたエ
コノミーモードと、動力性能を重視して前記エコノミー
モードと比べ高エンジン回転または高車速で自動変速を
行うように設定されたパワーモードとに前記変速特性を
切換える内燃エンジン及び変速機の連動制御装置におい
て、前記弁作動機構制御手段は、前記エコノミーモード
の場合、前記低速切換状態から高速切換状態への切換え
を禁止して該低速切換状態を保持する低速切換状態保持
状態と、前記パワーモードの場合、前記低速切換状態か
ら前記高速切換状態への切換えを許容する切換許容状態
とを切換え制御するので、走行条件により最適なエンジ
ン出力特性制御及び最適な変速制御を行わしめることが
可能であり、燃費の向上を図ることができる。すなわ
ち、パワーモードでは動力性能を重視しつつ燃料の消費
を抑えることができ、エコノミーモードでは燃費性能を
より一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る内燃エンジンと自動変
速機の連動制御装置を適用した車輌の制御装置の全体構
成図、第2図はエンジンの動弁装置及びその制御系を示
す図、第3図はバルブタイミング制御によるエンジン出
力の特性の一例を示す図、第4図はシフトモードの切換
えに連動する低速バルブタイミング固定、低速バルブタ
イミング及び高速バルブタイミング切換の連動制御を含
めて示すバルブタイミングの切換制御のためのプログラ
ムの一例を示すフローチャート、第5図はエコノミーモ
ード、パワーモードの各シフトパターンの一例を示す図
である。 1……内燃エンジン、4……スロットル弁開度センサ、
5……電子コントロールユニット(ECU)、6……燃料
噴射弁、11……エンジン回転数センサ、16……車速セン
サ、19……自動変速機、23……電磁弁、24……切換弁、
30……動弁装置、40……吸気弁又は排気弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // F16H 59:74

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気弁と排気弁の少なくとも一方の弁作動
    状態を低回転領域に適した低速切換状態と高回転領域に
    適した高速切換状態との少なくとも2つの状態に切換可
    能な弁作動機構を有する内燃エンジンと、該エンジンを
    搭載した車輌に用いられる変速機との連動制御装置であ
    って、 前記変速機の変速特性を決定する変速特性決定手段と、 前記弁作動機構の切換状態を制御する弁作動機構制御手
    段と、 前記変速特性決定手段と前記弁作動機構制御手段のいず
    れか一方の状態に応じて他方を制御する連動制御手段と
    を備え、 前記変速特性決定手段は、燃費性能を重視して自動変速
    を行うように設定されたエコノミーモードと、動力性能
    を重視して前記エコノミーモードと比べ高エンジン回転
    または高車速で自動変速を行うように設定されたパワー
    モードとに前記変速特性を切換える内燃エンジン及び変
    速機の連動制御装置において、 前記弁作動機構制御手段は、前記エコノミーモードの場
    合、前記低速切換状態から高速切換状態への切換えを禁
    止して該低速切換状態を保持する低速切換状態保持状態
    と、前記パワーモードの場合、前記低速切換状態から前
    記高速切換状態への切換えを許容する切換許容状態とを
    切換え制御することを特徴とする内燃エンジン及び変速
    機の連動制御装置。
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