JP2733204B2 - 雑音吸収具 - Google Patents

雑音吸収具

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JP2733204B2
JP2733204B2 JP29311594A JP29311594A JP2733204B2 JP 2733204 B2 JP2733204 B2 JP 2733204B2 JP 29311594 A JP29311594 A JP 29311594A JP 29311594 A JP29311594 A JP 29311594A JP 2733204 B2 JP2733204 B2 JP 2733204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電線に取り付けること
により該電線に流れる雑音電流を吸収する雑音吸収具に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の雑音吸収具として、
例えば、実公平5−37453号公報に開示されている
ように、環状体を軸方向に半割した形状の一対の磁性体
と、これら一対の磁性体を開閉環可能に保持するため
に、該一対の磁性体を収納可能な中空環状体を軸方向に
半割した形状の一対のケース部からなる保持ケースとか
らなり、更に、保持ケースを開環状にした際に、ケース
部から磁性体が脱落することを防止するために、磁性体
には溝を設け、ケース部には、この溝と係合する係合突
起を設けたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この雑音吸収
具のケース部に設けられた係合突起は、磁性体に形成さ
れた溝に係合させるために、磁性体を収納する空間に向
けて突設されているため、ケース部に磁性体を挿入する
際には、磁性体と接触して押圧され、変形したり破損し
たりするという問題があった。
【0004】また、磁性体を確実に保持するために、大
きな突起を設けると、ケース部への磁性体の挿入が困難
になるため、あまり大きな突起を設けることができなか
った。また更に、ケース部に保持される磁性体は、通
常、焼結により製造されるため、焼結すると焼結前より
縮んでしまうのであるが、原料に含まれる水分量等の条
件により縮み方が一定しないため、精度よく製造するこ
とが難しく、例えば、小さ目にできると、突起との係合
が浅くなってしまうため脱落しやすくなり、逆に、大き
目にできるとケース部への挿入が困難になる。このた
め、丁度よい大きさのものをより分けて使用しなければ
ならず手間を要すると共に、無駄が多いという問題があ
った。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するために、
磁性体の大きさに多少の変動があっても、磁性体をケー
スに挿入し易く、しかも挿入された磁性体は脱落しにく
い雑音吸収具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、環状体を開環状に
半割した形状の一対の磁性体と、該一対の磁性体を収納
可能な中空環状体を開環状に半割し、該半割した夫々に
ついて二つの半割面及び該二つの半割面の間の内周面を
開口とした一対のケース部、及び該一対のケース部を開
閉環可能に連結するヒンジ部からなる保持ケースと、を
備え、上記磁性体を収納した上記保持ケースを閉じるこ
とにより環状として電線に取り付け、該電線に流れる雑
音電流を吸収する雑音吸収具において、上記ケース部
に、上記ヒンジ部が形成された付近の側壁の一部を、弾
性変位が可能なように舌片状に形成した可変位壁と、該
可変位壁から上記磁性体を収納する空間に向けて突出
し、上記ケース部に収納された上記磁性体が脱落するこ
とを防止する係合突起と、上記可変位壁の外壁面に、上
記保持ケースが開環状に保持されている時には、上記ヒ
ンジ部により連結された他方のケース部に当接して当該
可変位壁の外側方向への変位を規制する突部と、を設
け、上記磁性体には、上記係合突起と係合する凹部を設
けたことを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の雑音吸収具において、上記ヒンジ部は、一方の
ケース部に支軸、他方のケース部に該支軸を回動可能に
支持する軸受孔を形成した少なくとも一対の継手からな
り、上記可変位壁が、上記ケース部に形成された自継手
からみて、対になるケース部に形成された他継手が配置
される側に形成され、更に、当該可変位壁の外壁面に
は、自継手と共に他継手を挟持する位置に上記突部が形
成されていることを特徴とする。
【0008】
【作用および発明の効果】上記のように構成された請求
項1に記載の雑音吸収具においては、一対のケース部を
開環状態とし、一対の磁性体を夫々開口部から挿入して
ケース部に収納する。このとき、夫々の磁性体に形成さ
れた凹部を、保持ケースに形成された係合突起と係合さ
せて、保持ケース内で各磁性体を固定する。そして、一
対の磁性体を収納した保持ケースを開環状態にしたま
ま、その開放側から磁性体の内周面に電線を沿わせ、保
持ケースを閉じることによって電線に雑音吸収具を取り
付ける。すると、一対の磁性体は組み合わされ、電線を
挿通させた状態で環状になり、電線の外周において磁性
体による閉磁路が形成される。
【0009】ここで、ケース部に磁性体を挿入する際に
は、磁性体を収納する空間に向けて突出された係合突起
と磁性体とが接触するのであるが、係合突起は、可変位
壁に形成されており、磁性体に接触すると外側、即ち磁
性体を収納する空間への突出量が小さくなる方向に変位
するため、磁性体の挿入を妨げることがなく、また、磁
性体が所定位置まで収納されると、係合突起に対応する
位置に、磁性体の凹部が位置するため、可変位壁に付勢
された係合突起が、凹部に嵌まり込んで磁性体を保持す
る。
【0010】従って、本発明によれば、係合突起が、磁
性体と接触すると磁性体を収納する空間への突出量が小
さくなる方向に変位するため、磁性体をケース部に挿入
する時の妨げになることがなく、容易に磁性体をケース
部に挿入できるだけでなく、磁性体を挿入する時に係合
突起に無理な力が加えられることがないため、係合突起
が破損することがない。
【0011】また、係合突起が磁性体を収納する空間へ
の突出量が小さくなる方向に変位することにより、係合
突起の高さを大きくしても、磁性体をケース部に挿入す
ることができる。これにより、係合突起と凹部とを深く
係合させることができ、磁性体をケース部内に確実に保
持できる。
【0012】更に、係合突起の高さを大きくできること
により、収納される磁性体が多少小さ目であっても、脱
落することがなく、従来の雑音吸収具に比べ、広い範囲
の大きさの磁性体を収納することができ、従って、製造
した磁性体を使用可能な大きさか否かで分別する手間を
軽減することができると共に、使用可能な磁性体が増え
ることになるため、製造した磁性体を無駄なく使用する
ことができる。
【0013】また、本発明の雑音吸収具においては、可
変位壁が、ヒンジ部が形成された付近の側壁に形成さ
れ、しかも、可変位壁の外壁には突部が設けられてい
る。そして、保持ケースが開環状に保持されている時
に、可変位壁を外側方向へ変位させようとすると、突部
が、対になるケース部の側壁に当接し、可変位壁が必要
以上に変位することを防止する。
【0014】従って、本発明によれば、保持ケースが開
環状に放置されたとしても、ケース部に保持された磁性
体が脱落しにくい。即ち、保持ケースを開環状にした場
合に、可変位壁は、外部の何ものかに接触したとしても
必要以上に外側に変位することがなく、また、そもそも
可変位壁は、保持ケースを構成する一対のケース部の互
いに対向する側壁に位置し、外部のものが接触しにくい
構造となっているため、ケース部に保持された磁性体
は、脱落しにくいのである。
【0015】また、このように、一度ケース部に挿入さ
れた磁性体は脱落しにくいため、電線への取付作業等も
効率よく行なうことができる。次に、請求項2に記載の
雑音吸収具においては、突部は、保持ケースを開環状に
した時に、可変位壁の変位を規制するだけでなく、ケー
ス部の自継手に形成された支軸を、対になるケース部の
他継手に形成された軸受孔に挿入して一対のケース部を
揺動自在に連結した時に、自継手と共に他継手を挟持
し、軸受孔から支軸が脱落することを防止する。
【0016】従って、本発明によれば、軸受孔から支軸
が脱落することを防止するための構成を、新たに設ける
必要がなく、構成を簡単にできる。
【0017】
【実施例】以下に本発明の第1実施例を図面と共に説明
する。図1は第1実施例の雑音吸収具を分解し、各部の
構成を示した斜視図である。また、図2および図3は、
雑音吸収具を構成する保持ケースのケース部を示してお
り、図2(a)はその平面図、図2(b)は左側面図、
図2(c)は右側面図、図2(d)は正面図、図3
(a)は底面図、図3(b)は背面図である。
【0018】図1ないし図3に示すように、雑音吸収具
2は、外周が8角形で内周が円形のリングを、8角形の
対向する一対の辺の中点を結ぶ位置で、軸方向に二分割
した形状の一対のフェライトコア4,4と、フェライト
コア4,4を夫々収納する一対のケース部6,6からな
る保持ケース8とからなる。
【0019】なお、一対のフェライトコア4,4および
一対のケース部6,6は、夫々全く同じ形状をしている
ので、以下夫々の構成については、一方のフェライトコ
ア4およびケース部6についてのみ説明する。まず、フ
ェライトコア4は、その中央部に電線を挿通するための
断面半円形の電線挿通溝10が、一対の分割面4a,4
aに挟まれて形成されており、更に、夫々の分割面4
a,4aに隣接する両外側面4b,4bには、夫々一条
の係合溝12,12が形成されている。なお、フェライ
トコア4が本発明における磁性体に相当し、また、係合
溝12,12が凹部に相当する。
【0020】一方、ケース部6は、軸方向両端に位置す
る対向壁部14,14に、半円形の切欠部16,16が
夫々形成されており、更にその切欠部16,16には、
複数の歯18が夫々突設されている。なお、この切欠部
16は、ケース部6を閉じた時に、ケース部6に収納さ
れるフェライトコア4の電線挿通溝10と共に、断面が
略円形の電線挿通部を構成する。
【0021】そして、ケース部6にフェライトコア4を
収納した際に、フェライトコア4の外側面4b,4bに
夫々対向する一対の側壁部20,22には、フェライト
コア4に形成された一対の係合溝12,12と夫々係合
して、フェライトコア4が、ケース部6から脱落するこ
とを防止する係合突起24,26が夫々突設されてい
る。また、側壁部20,22には、係合突起24,26
が形成された両側付近の壁厚を薄くしてなる薄肉部20
a,22aが形成されている。更に、側壁部20,22
に夫々隣接する斜壁部36,37には、係合突起24,
26の下部に相当する位置に孔36a,37aが形成さ
れている。
【0022】また、一対の側壁部20,22のうち、一
方の側壁部20の外壁には、保持ケース8を形成する際
に対になるケース部6を揺動自在に連結するためのヒン
ジ部28が形成されている。このヒンジ部28は、支軸
30aが突設された雄継手30と、対になるケース部6
の支軸30aを回動可能に支持する軸受孔32aが形成
された雌継手32と、雌継手32の軸受孔32aに、対
になるケース部6の支軸30aを挿通した時に、雌継手
32と共に、対になるケース部6の雄継手30を挟持
し、軸受孔32aから対になるケース部6の支軸30a
が脱落することを防止する突部34とからなる。
【0023】更に、側壁部20から該側壁部20に隣接
する斜壁部36にかけて、一対の切込み38を形成する
ことにより、雄継手30と雌継手32に挟まれた部分に
板ばね状の可変位壁40が形成されている。なお、係合
突起24および突部34は、この可変位壁40上に形成
されている。
【0024】次に、他方の側壁部22の外壁には、ヒン
ジ部28により連結された一対のケース部6,6を閉じ
た状態に保持するための係止フック42と、対になるケ
ース部6に形成された係止フック42が係止される係止
爪44とが形成されている。更に、ケース部6の底壁部
48には、コの字形の一対の溝50が形成され、溝50
により3方向を囲まれた部分には、夫々付勢爪52が形
成されている。この付勢爪52は、その先端部分が、フ
ェライトコア4を収納する空間へ向けて突設されてお
り、ケース部6に収納されたフェライトコア4を、ケー
ス部6の開口部に向けて付勢する。
【0025】なお、各ケース部6は、合成樹脂により夫
々一体成形され、係止フック42,可変位壁40、付勢
爪52等には、適度な弾性が与えられている。次に、上
記のように構成された雑音吸収具2の組立方法を図4な
いし図6に基づいて説明する。
【0026】なお、図4は、一対のケース部6,6を連
結して保持ケース8が組み立てられ、更に、一方のケー
ス部6に、フェライトコア4が挿入された状態を示すも
のである。まず、一対のケース部6,6を連結して、保
持ケース8を組み立てる時の動作について図5に沿って
説明する。なお、図5では、各ケース部6,6のヒンジ
部28付近のみが示されている。
【0027】まず、図5(a)に示すように、ケース部
6,6を、雄継手30が相手側ケース部6の可変位壁4
0に互いに対向するように配置し、雄継手30と可変位
壁40とが互いに接触する位置まで近づける。その後、
図5(b)に示すように、雄継手30の支軸30aが、
互いに相手ケース部6の雌継手32の軸受孔32aに挿
通される方向、即ち、上側のケース部6は左方向(X方
向)、下側のケース部6は右方向(Y方向)に移動させ
る。すると、雄継手30と、相手ケース部の可変位壁4
0に形成された突部34とが接触し、ケース部6,6の
移動に伴って、可変位壁40は、夫々ケース部6,6の
内側方向(Z方向)に変位する。
【0028】そして、図5(c)に示すように、雄継手
30が突部34を乗り越えると、可変位壁40の弾性に
より、突部34は元の位置に復帰し、雌継手32と共に
相手ケース部の雄継手30を挟持し、雄継手30の支軸
30aを雌継手32の軸受孔32aに挿入した状態で保
持する。
【0029】これにより、一対のケース部6,6は、支
軸30aを中心として互いに揺動自在に連結され、保持
ケース8が組み立てられる。次に、この保持ケース8
に、フェライトコア4を収納する時の動作について図6
に沿って説明する。なお、図6では、図5と同様に、ヒ
ンジ部28付近のみが示されている。
【0030】先ず図6(a)は、ケース部6にフェライ
トコア4が収納されていないときの、状態を表してい
る。なお、突部34の高さは、その先端と、相手側ケー
ス部6の可変位壁40との間隔が、係合突起24の高さ
と同じ程度となるように形成されている。
【0031】次に、図6(b)に示すように、ケース部
6にフェライトコア4を収納しようとすると、フェライ
トコア4の外壁と、フェライトコア4を収納する空間に
向けて突設された係合突起24とが接触するが、可変位
壁40は、係合突起24が側壁部20から突出しない位
置まで変位し、この状態でフェライトコア4は、ケース
部6に挿入される。
【0032】そして、図6(c)に示すように、フェラ
イトコア4が所定の位置に収納されると、係合突起24
に対応する位置には、係合溝12が位置するため、可変
位壁40の弾性で係合突起24が元の位置に復帰するこ
とにより、係合突起24と係合溝12とが係合し、フェ
ライトコア4がケース部6に保持される。
【0033】同様に、もう一方のケース部6にもフェラ
イトコア4を挿入することにより、雑音吸収具2の組立
が終了する。次に、このように組み立てられた雑音吸収
具2の使用方法について説明する。まず、ケース部6の
切欠部16、及びフェライトコア4の電線挿通溝10に
より形成される電線挿通部に電線を配置して、保持ケー
ス8を閉じる。閉じた時に、各ケース部6に形成された
係止フック42と係止爪44とが互いに係止されること
で、保持ケース8は閉じた状態に保持される。また、ケ
ース部6の底壁部48に夫々形成された付勢爪52が、
フェライトコア4の分割面4aを互いに密着させる方向
に付勢するため、フェライトコア4は、がたつくことが
なく、強固に閉環状態に保持される。更に、電線挿通部
を構成する切欠部16には、電線挿通部に向けて歯18
が突出しており、電線挿通部に配置された電線に歯18
が押し付けられることにより、保持ケース8は、電線の
外周部に確実にクランプされる。
【0034】このようにして、フェライトコア4を収納
した保持ケース8(即ち雑音吸収具2)が外嵌された電
線では、電線の周囲に閉環状に保持されたフェライトコ
ア4により雑音電流が吸収されるため、電線に接続され
る機器の誤動作等が防止される。
【0035】以上説明したように、本実施例の雑音吸収
具2においては、フェライトコア4の係合溝12に係合
してフェライトコア4がケース部6から脱落することを
防止する係合突起24が、可変位壁40に設けられお
り、この可変位壁40に設けられた係合突起24は、ケ
ース部6にフェライトコア4を挿入する際に、フェライ
トコア4と接触すると、フェライトコア4を収納する空
間に突出しない位置まで外側に変位する。
【0036】従って、本実施例によれば、係合突起24
が、ケース部6にフェライトコア4を挿入する時の妨げ
になることがなく、フェライトコア4をケース部6に容
易に挿入することができ、また、この時、係合突起24
に無理な力が加えられることがないので、係合突起24
が破損したり変形したりすることを防止できる。
【0037】また、このように係合突起24が変位する
ので、係合突起24の高さをを大きくしても、フェライ
トコア4をケース部6に挿入することができる。更に、
係合突起24の高さを大きくできるので、係合突起24
と係合溝12とをより深く係合させることができ、確実
にフェライトコア4をケース部6内に保持することがで
きる。
【0038】また更に、フェライトコア4は、焼結して
作成されるため、原料に含まれる水分量等により、焼結
後のサイズにばらつきが生じるのであるが、係合突起2
4を大きくできるので、ケース部6に収納可能なフェラ
イトコア4のサイズの範囲が大きく、多少小さいもので
も脱落することなく保持できる。従って、製造したフェ
ライトコア4を使用可能な大きさか否かで分別する手間
を軽減することができると共に、使用可能なフェライト
コア4が増えることになるため製造したフェライトコア
4を無駄なく使用することができる。
【0039】また、本実施例においては、雌継手32と
共に対になるケース部6の雄継手30を挟持し、雄継手
30の支軸30aが雌継手32の軸受孔32aから脱落
することを防止する突部34が、内壁に係合突起24を
有する可変位壁40の外壁に設けられている。そして、
保持ケース8が開環状にされている時には、対になるケ
ース部6の側壁20に当接することにより、可変位壁4
0が必要以上に変位することを防止している。また、こ
の可変位壁40は、連結されるケース部6に対向する壁
面に形成され、しかも、一対の継手30,32の間に形
成されているため、外部のものと接触しにくい。従っ
て、可変位壁40が、誤って外部のものに接触する等し
て変位してしまい、フェライトコア4が脱落してしまう
ようなことが非常に起こりにくく、保持ケース8が開環
状に放置されていても、確実にフェライトコア4をケー
ス部6内に保持することができる。
【0040】また更に、本実施例によれば、保持ケース
8を構成する一対のケース部6,6が、全く同じ形状を
しているため、ケース部6の製造は、鋳型が一つあれば
よく、安価に製造できると共に、製造されたケース部6
は、1箇所に保存できるので保存の手間も削減できる。
【0041】また、ヒンジ部28が雄継手30と雌継手
32とを接続することにより構成されているので、繰り
返し開閉しても劣化することがなく、ヒンジ部28が薄
板で形成されているものに比べ、長期に渡って安定して
使用することができる。次に、第2実施例の雑音吸収具
について説明する。図7は第2実施例の雑音吸収具を分
解し、各部の構成を示した斜視図である。また、図8お
よび図9は、雑音吸収具を構成する保持ケースのケース
部を示しており、図8(a)はその平面図、図8(b)
は左側面図、図8(c)は右側面図、図8(d)は正面
図、図9(a)は底面図、図9(b)は背面図である。
【0042】なお、第1実施例では、フェライトコア4
を付勢するために、ケース部6の底壁部48に付勢爪5
2を設けたが、ケース部6とは別体に設けられた金属製
の板ばねによりフェライトコア4を付勢する構成にして
いる点以外は、全く同じ構成をしているので、この第1
実施例と相違する点についてのみ説明する。また、図に
おいて、第1実施例と同じ構成部分については、同じ符
号を使用する。
【0043】即ち、第2実施例の雑音吸収具62は、第
1実施例と同様のフェライトコア4,4と、第1実施例
と略同様な一対のケース部66,66からなる保持ケー
ス68と、フェライトコア4をケース部66に挿入する
際に、ケース部66とフェライトコア4との間に挿入さ
れる金属製の板ばね70,70とからなる。
【0044】板ばね70は、湾曲した形状に形成され、
その中央部には、一対の嵌合孔72,72が形成されて
いる。一方、ケース部66の底壁部74には、第1実施
例の付勢爪52(図1ないし図3参照)の変わりに、板
ばね70に形成された嵌合孔72,72に嵌合し、板ば
ね70が移動しないように保持するための一対の突起7
6,76が設けられている。
【0045】そして、ケース部66にフェライトコア4
を挿入する際には、板ばね70の嵌合孔72,72をケ
ース部66の突起76,76に嵌合させることにより、
板ばね70をケース部66に装着してから、フェライト
コア4を挿入する。なお、図8(a)に示す平面図は、
板ばね70が装着された状態を表している。
【0046】これにより、ケース部66,66に板ばね
70,70と共にフェライトコア4,4を挿入して、保
持ケース68を閉じると、フェライトコア4,4は、そ
の当接面4aが互いに密着する方向により強力に付勢さ
れる。従って、本実施例の雑音吸収具62によれば、電
線挿通部に挿通された電線に流れる雑音電流をより確実
に吸収することができる。
【0047】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様で実
施することができる。例えば、上記実施例では、ヒンジ
部6を構成する突部34を、雌継手32と共に相手ケー
ス部6の雄継手30を挟持する位置に設けたが、雄継手
30と共に相手ケース部6の雌継手32を挟持する位置
に設けてもよい。この場合、突部34が設けられる位置
に、可変位壁40を設け、当然、係合突起24も、この
可変位壁40上に設ける。
【0048】上記実施例では、一対のケース部6,6
は、全く同じ形状に形成されているが、違う形状であっ
てもよい。例えば、雄継手30に突設される支軸30a
の長さを変えて形成してもよく、この場合、支軸30a
を軸受孔32aに挿入する際に、同時に挿入するのでは
なく、一方ずつ挿入することになるので、組立が容易に
なる。
【0049】また、一方のケース部6には雄継手30だ
けを形成し、他方のケース部6には雌継手32だけを形
成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の雑音吸収具2各部の構成を示す
斜視図である。
【図2】 第1実施例のケース部6の正面、平面、側面
を示す説明図である。
【図3】 第1実施例のケース部6の底面、背面を示す
説明図である。
【図4】 第1実施例のケース部6を組み立てた状態を
表す斜視図である。
【図5】 第1実施例のケース部6を連結する際の、ヒ
ンジ部28の動作を示す説明図である。
【図6】 第1実施例のケース部6にフェライトコア4
を収納する際の、係合突起24の動作を示す説明図であ
る。
【図7】 第2実施例の雑音吸収具62各部の構成を示
す斜視図である。
【図8】 第2実施例のケース部66の正面、平面、側
面を示す説明図である。
【図9】 第2実施例のケース部66の底面、背面を示
す説明図である。
【符号の説明】
2,62…雑音吸収具 4…フェライトコア 6,
66…ケース部 8,68…保持ケース 10…電線挿通溝 12…
係合溝 14…対向壁部 16…切欠部 18…歯 2
0,22…側壁部 24,26…係合突起 28…ヒンジ部 30…雄
継手 32…雌継手 34…突部 36,37…斜壁部 40…可変位壁
42…係止フック 44…係止爪 48,74…底壁部 50…溝
52…付勢爪 70…板ばね 72…嵌合孔 76…突起

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状体を開環状に半割した形状の一対の
    磁性体と、 該一対の磁性体を収納可能な中空環状体を開環状に半割
    し、該半割した夫々について二つの半割面及び該二つの
    半割面の間の内周面を開口とした一対のケース部、及び
    該一対のケース部を開閉環可能に連結するヒンジ部から
    なる保持ケースと、 を備え、上記磁性体を収納した上記保持ケースを閉じる
    ことにより環状として電線に取り付け、該電線に流れる
    雑音電流を吸収する雑音吸収具において、 上記ケース部に、 上記ヒンジ部が形成された付近の側壁の一部を、弾性変
    位が可能なように舌片状に形成した可変位壁と、 該可変位壁から上記磁性体を収納する空間に向けて突出
    し、上記ケース部に収納された上記磁性体が脱落するこ
    とを防止する係合突起と、 上記可変位壁の外壁面に、上記保持ケースが開環状に保
    持されている時には、上記ヒンジ部により連結された他
    方のケース部に当接して当該可変位壁の外側方向への変
    位を規制する突部と、 を設け、 上記磁性体には、上記係合突起と係合する凹部を設けた
    ことを特徴とする雑音吸収具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の雑音吸収具において、 上記ヒンジ部は、一方のケース部に支軸、他方のケース
    部に該支軸を回動可能に支持する軸受孔を形成した少な
    くとも一対の継手からなり、 上記可変位壁が、上記ケース部に形成された自継手から
    みて、対になるケース部に形成された他継手が配置され
    る側に形成され、更に、当該可変位壁の外壁面には、自
    継手と共に他継手を挟持する位置に上記突部が形成され
    ていることを特徴とする雑音吸収具。
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