JP2731948B2 - 新規オリゴ糖とその製造法及び利用 - Google Patents

新規オリゴ糖とその製造法及び利用

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、生体内におけるビフィズス菌に対して優れ
た増殖作用を有し、また、食物繊維、乳糖ならばにラク
チュロースと併用して摂取した場合、顕著な便秘改善作
用を示す新規なオリゴ糖とその製造法及び利用に関す
る。
従来の技術的背景 近年、生体内における有用菌として知られているビフ
ィズス菌の増殖を促進する物質(以下ビフィズス菌増殖
因子と称する)について多くの研究がなされており、そ
の増殖因子としてオリゴ糖が注目されている。
このようなオリゴ糖としてガラクトシルラクチュロー
スの増殖活性が報告されており、その製造法として、ラ
クチュロースにβ−ガラクトシダーゼを反応させてガラ
クトース転移反応を行わせる方法が提案されている特開
昭63-94987)。すなわち、この方法によると、下記式で
表わされるオリゴ糖が得られる。
β−D−ガラクトピラノシル−(1→6)−β−D−ガ
ラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクトース 本発明者は、ビフィズス菌増殖作用を有するオリゴ糖
について検討した結果、ラクチュロースにβ−グルコシ
ダーゼを作用させることにより、上記増殖作用に加えて
便秘改善にも利用し得る新規オリゴ糖を見出し、本発明
をなすに至つた。
発明が解決しようとする課題 したがつて、本発明は、ビフィズス菌増殖作用に加え
てさらに便秘改善作用も有する新規オリゴ糖とその製造
法、さらにはこれらの作用を利用したビフィズス菌増殖
促進組成物及び便秘改善組成物を提供することを課題と
する。
課題を解決するための手段 本発明に係るオリゴ糖は、下記の式(I)及び(II)
で表わされる。
O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−O−β
−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクト
ース(I) O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−O−β
−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−O−β−D−
ガラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクトース
(II) 次に、これらのオリゴ糖の物性値を示す。
(イ)分子量 式(I)……504 式(II)……666 (ロ)色調 乾燥、粉末化したものはいずれも白色を呈する。
(ハ)酸性、塩基性及び中性の区別 いずれも中性を示す。
(ニ)溶解性 いずれも水に可溶性であるが、ベンゼン、クロロホル
ム、アセトンに難溶である。
(ホ)呈色反応 硝酸銀反応 陰性(−) アンスロン硫酸反応 陽性(+) ニンヒドリン反応 陰性(−) ビュレット反応 陰性(−) (ヘ)構成糖 本発明に係るオリゴ糖をそれぞれ0.5N-HC1により100
℃の温度で2時間加水分解して得られる生成糖のモル比
は、ガラクトース:フラクトース=2:1であることから
2分子のガラクトースと1分子のフラクトースから成る
オリゴ糖と、ガラクトース:フラクトース=3:1である
ことから3分子のガラクトースと1分子のフラクトース
から成るオリゴ糖であることが確認し得る。
(ト)構成糖及びオリゴ糖の結合態様 本発明に係るオリゴ糖をそれぞれ高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)もしくは活性炭カラムクロマトグラフ
ィーにより分離精製した後、常法によりメチル化分析し
た結果、表1に示す結合態様が確認された。
(チ)β−配位 本発明に係るオリゴ糖は、β−ガラクトシダーゼの作
用によりガラクトースとフラクトースを生成することか
ら、β配置であることが確認し得る。
上記(イ)乃至(チ)に示した物性に鑑み、本発明に
係るオリゴ糖は前記式(I)及び(II)でそれぞれ表わ
されるものであると同定し得る。
次に、本発明に係るオリゴ糖の製造方法について説明
する。
本オリゴ糖は、ラクチュロースもしくはラクチュロー
ス含有物にβ−グルコシダーゼを作用させて、ラクチュ
ロース分子中のガラクトース残基に転移反応を行わせる
ことにより得ることができる。
ここで出発物質として用いるラクチュロースもしくは
ラクチュロース含有物としては市販のラクチュロースま
たはラクチュロースシロップなどのラクチュロース含有
物を例示し得る。
また、これらの出発物質に作用させるβ−グルコシダ
ーゼの起源について特に限定されるものではなく、スィ
ートアーモンドから得られた市販のβ−グルコシダーゼ
を例示できる。更に、高純度に精製された酵素ばかりで
なく、粗酵素を用いる事もできる。
本発明では、出発物質としてラクチュロースもしくは
ラクチュロース含有物を5〜80重量%のラクチュロース
濃度に調整した溶液を用い、β−グルコシダーゼを1〜
1000単位/mlの酵素濃度で添加し、pH3〜8、10〜60℃の
温度で1時間乃至数日間、酵素反応を行うことが好まし
い。
上記の酵素反応によりガラクトース転移反応が起り、
ガラクトシルラクチュロースが生成する。このようにし
て生成したガラクトシルラクチュロースは、90℃以上の
温度で1〜5分間加熱して酵素を失活させた後、通常起
われるオリゴ糖の分離、精製法に従って、効率よく調整
することができる。
上述のようにして得られるオリゴ糖は、既に言及した
ごとく、生体内のビフィズス菌に対して優れた増殖作用
を有し、また食物繊維や乳糖等と併用して摂取すると顕
著な便秘改善作用を示すので、ビフィズス菌増殖促進剤
及び便秘改善剤の有効成分として利用することが可能で
ある。
次に、本発明に係るオリゴ糖のビフィズス菌に対する
増殖促進効果及び便秘改善効果を試験した結果を示す。
ビフィズス菌に対する増殖試験 試験方法 10匹を1群とするカニクイサルを供試動物として用
い、その各々に乳糖を5重量%添加した市販育児用粉乳
を5週間与えた後、本発明による糖アルコール(粉末形
態)を5重量%添加した育児用粉乳を更に3週間与え、
その間各サルの糞便を採取して便中のビフィズス菌の割
合を測定した。結果は添付の図面に示すとおりである。
図にみられるとおり、乳糖を添加して与えた期間中の
糞便中のビフィズス菌を割合に比べ、本発明によるオリ
ゴ糖を添加して与えた期間中の糞便中のビフィズス菌の
割合は著しく上昇している。
すなわち、本発明によるオリゴ糖は生体内におけるビ
フィズス菌の増殖促進に極めて優れた効果を奏するもの
であり、また、人間の腸管内に生育する種々のビフィズ
ス菌、例えばビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィ
ドバクテリウム・ブリーベ、ビフィドバクテリウム・ビ
フィダム、ビフィドバクテリウム・アトレスセンティ
ス、ビフィドバクテリウム・インファンティス等の広範
囲な種類のビフィズス菌に対して高い増殖活性を示すこ
とが認められる。
したがって、本発明によるオリゴ糖は、粉乳、発酵乳
のごとき乳製品に配合したり、また、整腸剤のような薬
剤の成分として添加して用いることができる。
因に、本発明によるオリゴ糖を2重量%添加した乳飲
料を調製し、これを健康成人30名に投与したところ、こ
れらの糞便中の全菌数に占めるビフィズス菌の比率の増
加は、乳糖を2重量%を添加した乳飲料を同様に投与し
た場合に比較して約2倍であることが認められた。
便秘改善試験 試験方法: 上記により得たオリゴ糖粉末を、日常的に便秘ぎみを
訴える健康な老人20名を4名づつの5つのグループに分
け、試験区No.1乃至No.5として、下記割合の量を投与し
た。試験区 オリゴ糖投与量(g) No.1 5 No.2 4 No.3 3 No.4(対照区) 2 No.5(対照区) 0 なお、各試験区ともに、上記量のオリゴ糖をそれぞれ
1日1回の割合で2週間投与して、投与前の2週間と投
与中の2週間における排便回数及び各排便毎の糞便の硬
さを官能的に評価した。
結果は表2に示すとおりである。
表2にみられるとおり、本発明によるオリゴ糖を投与
したグループでは3g以上の投与において排便回数の顕著
な増加と糞便の軟化が認められた。因に、対照区では排
便回数の増加及び糞便の軟化はほとんど認められなかっ
た。
上述したとおり、本発明によるオリゴ糖の単独投与に
より顕著な便秘改善の効果が認められるようになる。そ
して、このような効果は、ヒト小腸微絨毛に存在するβ
−ガラクトシダーゼが大きいため、本発明によるオリゴ
糖は小腸で分解されずに大腸まで到達し、その結果、大
腸内の浸透圧が高くなって糞便を軟化して便秘を改善す
るものと推定される。
発明の効果 以上述べたとおり、本発明に係るオリゴ糖は、ビフィ
ズス菌に対して優れた増殖促進効果を示し、さらに、便
秘改善効果についても排便回数の増加及び糞便の軟化を
もたらすという優れた効果を示す。
以下に実施例を示して本発明によるオリゴ糖の調製に
ついて具体的に説明する。
実施例 オリゴ糖の調製 ラクチュロース10kgを温水15kgに溶解した溶液にクエ
ン酸を加えてpHを5.0に調製したものに、β−グルコシ
ダーゼ50,000単位を加え、40℃の温度で10時間反応させ
た。得られた反応混合液を105℃の温度で2秒間加熱し
て酵素を失活させた。
次いで、この反応混合液2kgを活性炭−セライト(2:
1)のカラム(φ20cm×50cm)に通してラクチュロース
と転移オリゴ糖を吸着させた。次いで、15kgの水をカラ
ムに通して単糖と未吸着のラクチュロースを溶出し、除
去した後、5%エタノール20kgをカラムに通して吸着し
たラクチュロースを完全に溶出し、除去した。
次に、40%エタノール10kgをカラムに通して得られた
溶出液を減圧濃縮後、凍結乾燥してオリゴ糖95重量%以
上を含む粉末100gを得た。
【図面の簡単な説明】
添付図は、本発明によるオリゴ糖のビフィズス菌に対す
る増殖試験をカニクイサルについて行った結果を示した
ものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−O−β
    −D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクト
    ース(I)で表わされるオリゴ糖。
  2. 【請求項2】式(II) O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→3)−O−β
    −D−ガラクトピラノシル−(1→3)−O−β−D−
    ガラクトピラノシル−(1→4)−D−フラクトース
    (II)で表わされるオリゴ糖。
  3. 【請求項3】ラクチュロース又はラクチュロース含有物
    にβ−グルコシダーゼを作用させてガラクトース転移反
    応を行わせることを特徴とする式(I)及び式(II)を
    有するオリゴ糖を製造する方法。
  4. 【請求項4】式(I)及び式(II)を有するガラクトシ
    ルラクチュロースから成るオリゴ糖を活性成分として含
    有するビフィドバクテリウム菌の増殖促進組成物。
  5. 【請求項5】式(I)及び式(II)を有するガラクトシ
    ルラクチュロースから成るオリゴ糖を活性成分として含
    有する便秘改善組成物。
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