JP2730825B2 - ヘム鉄含有液状食品の製造方法 - Google Patents

ヘム鉄含有液状食品の製造方法

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JP2730825B2
JP2730825B2 JP4102254A JP10225492A JP2730825B2 JP 2730825 B2 JP2730825 B2 JP 2730825B2 JP 4102254 A JP4102254 A JP 4102254A JP 10225492 A JP10225492 A JP 10225492A JP 2730825 B2 JP2730825 B2 JP 2730825B2
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誠 中原
敏夫 天野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘム鉄を含有する液状
食品の製造方法に関し、更に詳細にはヘム鉄に起因する
黒い凝集物の発生を有効に防止し得、外観の良好なヘム
鉄含有液状食品を得ることができるヘム鉄含有液状食品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品の鉄分を強化のためにヘム鉄
を利用することは知られており、また、ヘム鉄に起因す
る生臭み・金属味等を防止する技術として種々の提案が
なされている(特開昭63−294761号、特開平1
−157359号、特開平4−30779号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、カレー
等の塩、澱粉及び油脂を含有する液状食品にヘム鉄を添
加することを試みた。ところが、得られた液状食品には
黒い凝集物が数多く点在しており、外観が極めて悪く、
商品価値が著しく損なわれるとの問題点に遭遇した。こ
うした問題点は、上記液状食品を加熱殺菌とりわけ加圧
加熱殺菌した場合に特に顕著であった。
【0004】本発明は、外観の良好なヘム鉄含有液状食
品の製造方法の提供を目的とする。
【0005】本発明者等は、上記問題点を解決するため
に鋭意研究を行った。その結果、以下の知見を得た。す
なわち、塩濃度が高い程、ヘム鉄は互いに吸着し凝集化
する傾向にあるが、凝集したヘム鉄を澱粉及び油脂等と
共に加熱すると、油脂は澱粉の糊化により粘度が高くな
った液状食品中に分散された状態になり、この液状食品
中に分散された油脂に凝集したヘム鉄が吸着されること
により、肉眼で分かる程大きな黒い凝集物が液状食品中
に数多く見られることになるのである。
【0006】本発明者等は、上記知見を基に更に研究開
発を行い、ヘム鉄、塩、澱粉及び油脂を含有する液状食
品を製造するに当たって、予めヘム鉄を乳化剤溶液と混
合することにより、上記問題点を解決することができる
との知見を得た。
【0007】尚、従来、ヘム鉄の凝集に関しては、pH
5以下の領域での凝集を防止するために、アルギン酸プ
ロピレングリコールエステル、又はこれとショ糖脂肪酸
エステルとを添加する技術について特開平2−1424
57号に開示がある。これは一見本発明と類似するよう
に思われるが、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ルを必須の要件であるとする点で本発明と異なるばかり
でなく、明細書に示された第1表にショ糖脂肪酸エステ
ルの単独使用では凝集が防止出来ないことが開示されて
おり、本発明を教示、示唆するものではない。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の要旨は、ヘム鉄、塩、澱粉及び油脂を含有す
る液状食品を製造するに当たって、予めヘム鉄を乳化剤
溶液と混合することを特徴とするヘム鉄含有液状食品の
製造方法にある。以下、本発明の内容について詳細に説
明する。
【0009】先ず、本発明のヘム鉄は、ヘモグロビンの
酵素分解物であり、鉄分を例えば0.05〜5重量%を
含むものである。その製造方法としては、例えば動物血
液の赤血球を溶血、変性し、例えばアルカラーゼのよう
な蛋白質分解酵素によりヘモグロビンを酵素分解し、ヘ
ム鉄を含む画分を取り出して乾燥することにより得られ
る。ヘム鉄を含む画分を取り出すには例えば10000
ダルトンの限外濾過により、ヘム鉄を含まない画分を濾
過する方法と酵素分解終了後pHを蛋白質の等電点近く
まで下げ、沈降したヘムを含む画分を遠心分離機により
補集する方法等がある。
【0010】また、本発明のヘム鉄としては、キトサン
で処理したものを使用することが好ましい。その製造方
法としては、ヘモグロビン分解物として得られるヘム鉄
の水懸濁液に、キトサン水溶液を添加し、撹き混ぜなが
らpHを調整して、懸濁状態で得られるヘム鉄を、フィ
ルタープレス等で分離する方法等がある。また、本発明
のヘム鉄の形態としては、粉末、顆粒、液体等があり、
特に制限されない。
【0011】本発明の対象となる食品は、塩、澱粉及び
油脂を含有する液状食品であれば、特に制限されず、例
えばカレー、ハヤシ、シチュー、スープ、マーボー豆
腐、酢豚等があり、その他にもミートソース、デミグラ
ソース、カレーソース等の各種ソース類、田楽みそ、加
工みそ、トウバンジャン、テンメンジャン、みそ汁の
素、丼物用ソース、回鍋肉用ソース等があるが、中でも
カレー、カレーソースに特に有効である。
【0012】塩の量は、特に制限されないが、対象とな
る液状食品の具材を除いた液状部分の0.1重量%以上
更には0.5重量%以上である場合、前記した黒い凝集
物の問題が顕著になるので特に有効である。尚、上記塩
を食品に含有させるための原料は特に制限されず、食塩
の他、例えば醤油、みそ、ウスターソース等を使用する
こともできる。
【0013】澱粉の量も、特に制限されないが、対象と
なる液状食品の具材を除いた液状部分の1重量%以上更
には3重量%以上である場合、前記した黒い凝集物の問
題が顕著になるので特に有効である。また、上記澱粉を
食品に含有させるための原料は、特に制限されず、例え
ば小麦粉、米粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯
澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉等が例示できる。
【0014】また、油脂の量も、特に制限されないが、
対象となる液状食品の具材を除いた液状部分の1重量%
以上更には6重量%以上である場合、黒い凝集物の問題
が顕著になり特に有効である。また、原料として使用で
きる油脂の種類は、特に制限されず、例えばコーン油、
大豆油、ナタネ油、ゴマ油、コメ油、サフラワー油、ヤ
シ油、パーム核油、カカオ油、ヒマワリ油、綿実油等の
植物性油脂、バター、ヘット、ラード等の動物性油脂の
1種又は2種以上を適宜選択して使用する。
【0015】上記以外にも例えばシナモン、ガーリッ
ク、セージ、タイム、クローブ、ローレル、ジンジャ
ー、カルダモン、オレガノ、ナツメグ、メース、レッド
ペッパー、ホワイトペッパー、ブラックペッパー等の香
辛料、ショ糖、果糖、ブドウ糖、乳糖等の甘味料の他、
果実ペースト、野菜ペースト、水、着香料、着色料、調
味料等を適宜使用することができる。
【0016】また、具材としては、キャベツ、レタス、
シュンギク、ゴボウ、ニンジン、セロリ、玉葱、長ネ
ギ、フキ、カリフラワー、ブロッコリー等の野菜類、ジ
ャガイモ、サツマイモ等のイモ類、大豆、小豆、エンド
ウ豆等の豆類、豆腐等の大豆加工品、鮭、アサリ、カ
ニ、イカ、タコ等の魚介類、牛肉、豚肉、鶏肉等の蓄肉
類等を例示し得、それらの1種又は2種以上を適宜選択
して使用することができる。
【0017】本発明においては、上記した原料からヘム
鉄、塩、澱粉及び油脂を含有する液状食品を製造するに
当たって、予めヘム鉄を乳化剤溶液と混合することが重
要である。この要件を満足するかぎり、ヘム鉄と乳化剤
溶液の混合物と他の原料との混合時期は特に制限されな
い。
【0018】乳化剤溶液は、乳化剤を水又は油脂に溶解
したものである。使用し得る乳化剤としては、例えばシ
ョ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン
等があるが、中でも親水性のものが好ましく、HLB9
以上ものが良い。乳化剤溶液の濃度は、特に制限されな
いが0.01〜5重量%好ましくは0.1〜2重量%で
あることが望ましい。また、ヘム鉄と乳化剤との割合
は、100:1〜1:100好ましくは20:1〜1:
10であることが望ましい。
【0019】次に、得られたヘム鉄含有液状食品に、必
要により加圧加熱殺菌等の加熱殺菌処理を施す。加圧加
熱殺菌処理を施したものは、黒い凝集物の問題が顕著に
なり、特に有用である。また、加熱殺菌処理の他に冷凍
処理や乾燥処理等を施しても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ヘム鉄、塩、澱粉及び
油脂を含有する液状食品を製造するに当たって、予めヘ
ム鉄を乳化剤溶液と混合することにより、外観の良好な
ヘム鉄含有液状食品を得ることができる。
【0021】
【実施例】
実施例1 玉葱300重量部、ショウガ50重量部、ニンニク30
重量部をみじん切りにした後、バター125重量部で3
0分間炒めた。これに、カレー粉50重量部、小麦粉1
30重量部をバター100重量部で20分間炒めて得た
小麦粉ルー、ブイヨン2000重量部、リンゴ(すりお
ろしたもの)200重量部、トマト(みじん切りにした
もの)210重量部、チャツネ200重量部、食塩20
重量部、具材として牛肉(予めバターで炒めたもの)8
50重量部、玉葱(予めバターで炒めたもの)1000
重量部、ニンジン(10分間ボイルしたもの)300重
量部、ジャガイモ(10分間ボイルしたもの)850重
量部、更にヘム鉄4重量部とショ糖脂肪酸エステル(H
LB15)水溶液(濃度0.4%)100重量部との混
合物を添加混合し、弱火で沸騰するまで煮込んだ。得ら
れたカレーを200gずつレトルトパウチ(ポリエチレ
ンテレフタレート/ナイロン/アルミニウム/無延伸ポ
リプロピレン)に充填密封し、121°C、20分間の
条件で加圧加熱殺菌処理を施した。得られたレトルトカ
レーを5分間熱湯で加温した後、パウチを開封し、カレ
ーを皿に注ぎ出した。得られたカレーは、ヘム鉄に起因
する黒い凝集物の発生が有効に防止されたものであり、
良好な外観を呈するものであった。尚、使用したヘム鉄
は、ヘモグロビン分解物として得られたヘム鉄の水懸濁
液に、キトサン水溶液を添加し、撹き混ぜながらpHを
調整して、懸濁状態で得られるヘム鉄を、フィルタープ
レス等で分離することにより製造されたものである。
【0022】比較例1 ショ糖脂肪酸エステル溶液100重量部の代わりに、水
100重量部を使用することの他は、実施例1と全く同
様な方法でカレーを得た。得られたカレーは、ヘム鉄に
起因する黒い凝集物が点在するものであり、不良な外観
を呈するものであった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘム鉄、塩、澱粉及び油脂を含有する液
    状食品を製造するに当たって、予めヘム鉄を乳化剤溶液
    と混合することを特徴とするヘム鉄含有液状食品の製造
    方法。
JP4102254A 1992-03-26 1992-03-26 ヘム鉄含有液状食品の製造方法 Expired - Lifetime JP2730825B2 (ja)

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