JP2726833B2 - プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、手差しによるカット紙
および連続紙を選択的に使用して印字可能なプリンタに
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、このようなプリンタとしては、例
えば、カット紙をプリンタ内部の印字ヘッドとプラテン
との間の印字部へ手差し給紙するためのカット紙用開口
部と、ファンホールド紙のような連続紙を前記印字部へ
送る連続紙送り手段とを有し、手差しによるカット紙お
よび連続紙を選択的に使用して印字できるように構成し
たものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、カット紙用開口部がカット紙および連続紙
のいずれを使用する場合にも常に開いているので、すな
わち連続紙を使用して印字する場合にもカット紙用開口
部が開いているので、プリンタ内部で発生する音が連続
紙を使用した印字中にカット紙用開口部から外部に漏れ
てしまうという問題点がある。

【０００４】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、連続紙を使用した印字中にプリン
タ内部で発生する音が外部に漏れるのを少なくしたプリ
ンタを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、カット紙をプリンタ内部の印字ヘッドと
プラテンとの間の印字部へ手差し給紙するためのカット
紙用開口部と、手差し給紙時に前記カット紙を前記開口
部に案内するとともにプリンタケースの一部との間で前
記開口部を形成する手差し給紙用ガイド板と、連続紙を
前記印字部へ送る連続紙送り用トラクタとを有し、手差
しによるカット紙および連続紙を選択的に使用して印字
可能なプリンタにおいて、前記ガイド板は、前記開口部
を形成する下降位置と、前記開口部を塞ぐ上昇位置とに
変位可能に前記プリンタケースに支持されており、前記
トラクタは、前記ガイド板の下方に位置し、かつ前記連
続紙を前期印字部へ送る第１の位置と当該第１の位置よ
りも下方に位置する第２の位置とに変位可能に前記プリ
ンタケースに支持されており、前記ガイド板の下面は、
前記トラクタを前記第１の位置に変位させたときに当該
変位に連動して前記ガイド板が前記上昇位置に変位し、
前記トラクタを前記第２の位置に変位させたときに当該
変位に連動して前記ガイド板が前記下降位置に変位する
ように前記トラクタの一部に直接係合しているものであ
る。

【０００６】

【作用】トラクタが第１の位置に変位すると、手差し給
紙用ガイド板が上昇位置に変位してプリンタケースの一
部との間の開口部を塞ぎ、連続紙の給紙を可能にし、ト
ラクタが第２の位置に変位すると、ガイド板が下降位置
に変位してカット紙用開口部が開き、カット紙の手差し
給紙を可能にする。

【０００７】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。

【０００８】図１は本発明の一実施例に係るプリンタを
示している。同図に示すように、このプリンタは、プリ
ンタケース１と、カット紙をプリンタ内部の印字ヘッド
２とプラテン３との間の印字部４へ自動給紙するカット
シートフィーダ５と、両側縁に沿って送り孔が整列する
耳部があるファンホールド紙（以下、単に連続紙とい
う）を印字部４へ送るトラクタ６と、カット紙を印字部
４へ手差し給紙するための手差し給紙口として作用する
とともに自動給紙時に印字済みのカット紙を外部に排出
するための排紙口として作用するカット紙用開口部７と
を有し、カットシートフィーダ５により自動給紙される
カット紙、手差しによるカット紙および連続紙を選択的
に使用して印字可能なものである。

【０００９】前記印字ヘッド２は、キャリッジ８上に載
置されており、キャリッジ８と共にキャリッジガイド軸
８ａ，８ａにより案内されて図１の紙面に垂直な方向に
往復動可能である。

【００１０】また、プリンタは、手差し給紙時にはカッ
ト紙を前記カット紙用開口部７に案内するガイド部材と
なり、自動給紙時には印字済みのカット紙を受けるトレ
イとなる排紙トレイ（手差し給紙用ガイド板）９を有し
ている。この排紙トレイ９は、その先端部９ａとプリン
タケース１の一端部（一部）１ａとの間で前記開口部７
を形成可能である。

【００１１】排紙トレイ９は、支軸９ｂによりプリンタ
ケース１に回動自在に支持されている。排紙トレイ９
は、その先端部９ａがプリンタケース１の一端部１ａか
ら離れて前記手差し給紙口として作用するカット紙用開
口部７を形成するとともに手差し給紙時にカット紙を前
記開口部７に案内する下降位置（図２に示す位置）と、
先端部９ａが前記一端部１ａから更に離れて前記排紙口
として作用するカット紙用開口部７を形成するとともに
自動給紙時に印字済みのカット紙を受ける自動給紙位置
（図１に示す位置）と、先端部９ａが前記一端部１ａに
当接してカット紙用開口部７を塞ぐ上昇位置（図３に示
す位置）との間で回動可能である。

【００１２】前記カットシートフィーダ５は、図１に示
すように、プリンタケース１の取付部１ｂに着脱自在に
取り付けられている。このカットシートフィーダ５に
は、カット紙を載せるホッパプレート５ａと、カットシ
ートフィーダ５内部に配置され、ホッパプレート５ａ上
に装填されたカット紙を１枚ずつ下方へ取りだしてフィ
ーダ出口５ｂからプリンタ内部へ送り出すピッキングロ
ーラ５ｃと、ホッパプレート５ａをピッキングローラ５
ｃ側へ付勢するばね５ｄとが設けられている。そして、
図２に示す手差し給紙時および図３に示す連続紙使用時
に、カットシートフィーダ５をプリンタケース１の前記
取付部１ｂから外した場合には、プリンタケース１に取
り付け可能な不図示のカバーにより取付部１ｂを覆うよ
うになっている。

【００１３】プリンタケース１の内部には、図１に示す
ように、カットシートフィーダ５による自動給紙時に前
記ピッキングローラ５ｃにより送られるカット紙を印字
ヘッド２とプラテン３との間の印字部４へ送る一対の給
紙ローラ１０ａ，１０ｂと、自動給紙時に前記印字部４
で印字された印字済みのカット紙をカット紙用開口部７
から排紙トレイ９上に排出させる一対の排紙ローラ１１
ａ，１１ｂと、紙送りモータ１２とが設けられている。

【００１４】また、プリンタケース１の内部には、図１
に示すように、プラテン３の両側に位置する左右の水平
ガイド板２０，２１と、前記一対の排紙ローラ１１ａ，
１１ｂ付近で左側ガイド板２０と共同してカット紙およ
び連続紙を案内するガイド板２２と、前記印字部４付近
で左右の水平ガイド板２０，２１と共同してカット紙お
よび連続紙を案内するガイド板２３と、右側ガイド板２
１と共同して前記一対の給紙ローラ１０ａ，１０ｂ付近
でカット紙および連続紙を案内するガイド部２４ａを有
し、印字済みの連続紙をプリンタケース１の連続紙用第
１排紙口１ｃへ向けて斜め上方へ案内するガイド部材２
４とが設けられている。

【００１５】前記右側水平ガイド板２１の下方には、プ
リンタケース１に支軸２５ａにより回動自在に支持され
た切換え爪２５が配置されている。この切換え爪２５
は、その一部が右側水平ガイド部材２１の開口部２１ａ
から上方へ突出しており、一対の給紙ローラ１０ａ，１
０ｂにより図１の右方へ送られる印字済みの連続紙を前
記ガイド部材２４側へ向けて前記第１排紙口１ｃから排
出させる第１切換位置と、前記開口部２１ａから上方へ
突出しておらず、前記印字済みの連続紙がプリンタケー
ス１の連続紙用第２排紙口１ｄへ向かって移動するのを
許す第２切換位置との間で回動可能である。

【００１６】前記トラクタ６は、図１に示すように、支
軸６ａによりプリンタケース１に回動自在に支持されて
いる。このトラクタ６は、その先端側上端部６ｂが前記
排紙トレイ９の下面と係合して排紙トレイ９を前記下降
位置へ変位させて開口部７を開く第２の位置（図２に示
す位置）と、上端部６ｃが前記下面と係合して排紙トレ
イ９を更に下降した前記自動給紙位置へ変位させる位置
（図１に示す位置）と、先端側上端部６ｂが前記下面と
係合して排紙トレイ９を前記上昇位置へ変位させて開口
部７を塞ぐ第１の位置（図３に示す位置）との間で回動
可能である。

【００１７】トラクタ６には、連続紙の両側縁にある前
記送り孔に係合して連続紙を図３の右方へ送る不図示の
回転爪と、プリンタケース１の連続紙用給紙口１ｅから
挿入された（または、プリンタ内部に装填された）連続
紙を回転爪へ案内する入口側案内部６ｄと、回転爪によ
り送られる連続紙を前記一対の排紙ローラ１１ａ，１１
ｂの間へ向けて案内する出口側案内部６ｅとが設けられ
ている。トラクタ６が前記第１の位置にあるとき、前記
出口側案内部６ｅの先端が排紙ローラ１１ａ，１１ｂの
間へ向くようになっている（図３を参照）。

【００１８】前記ピッキングローラ５ｃは、自動給紙時
に、前記送りモータ１２（または別のモータ）からの駆
動力により図１の矢印方向に回転するようになってい
る。送りモータ１２の回転は、その出力側ギヤ３０およ
び中間ギヤ３１を介して前記給紙ローラ１０ａと一体の
ギヤ３２および前記排紙ローラ１１ａと一体のギヤ３３
にそれぞれ伝達されるようになっている。また、送りモ
ータ１２の回転は、出力側ギヤ３０，中間ギヤ３１，ギ
ヤ３３，このギヤ３３と噛合した中間ギヤ３４、および
トラクタ６が図３に示す前記第１の位置にあるときにの
み中間ギヤ３４と噛合する前記回転爪と一体のギヤ３５
を介して回転爪に伝達されるようになっている。

【００１９】そして、前記送りモータ１２は、図１に示
す自動給紙時には、前記ピッキングローラ５ｃ，給紙ロ
ーラ１０ａおよび排紙ローラ１１ａをそれぞれ同図に示
す矢印方向へ回転させるとともに、図３に示す連続紙の
使用時には、前記回転爪と一体のギヤ３５，排紙ローラ
１１ａおよび給紙ローラ１０ａをそれぞれ同図に示す矢
印へ回転させるように、不図示の電子制御部により制御
される。また、送りモータ１２は、図２に示す手差し給
紙時には、手差しされたカット紙への印字が完了するま
では排紙ローラ１１ａおよび給紙ローラ１０ａを同図に
示す矢印方向へ回転させ、印字完了後に両ローラ１０
ａ，１１ａを逆転させるように、前記電子制御部により
制御される。

【００２０】さらに、前記トラクタ６は、不図示の操作
パネル上に設けられた操作釦、例えば、手差し給紙，自
動給紙および連続紙をそれぞれ選択する操作釦の押圧操
作により自動的に、または手動により、前記３つの位置
の間で回動するようになっている。また、前記切換え爪
２５も、自動的にまたは手動により前記２つの位置の間
で回動するようになっている。

【００２１】次に、上記構成を有する一実施例の作用を
説明する。

【００２２】トラクタ６が図２に示す第２の位置に変位
すると、トラクタ６の先端側上端部６ｂが排紙トレイ９
の下面に係合して排紙トレイ９を図２に示す下降位置へ
変位させる。これによって、排紙トレイ９の先端部９ａ
がプリンタケース１の一端部１ａから離れて前記手差し
給紙口として作用するカット紙用開口部７が形成される
とともに、排紙トレイ９が手差しされるカット紙を前記
開口部７に案内することができるようになる。この状態
で、カット紙を排紙トレイ９上に置いて手差しすると、
このカット紙が前記開口部７を通り、図２の矢印方向に
回転する排紙ローラ１１ａ，１１ｂおよび給紙ローラ１
０ａ，１０ｂにより同図の右方へ送られて前記印字部４
で印字され、印字完了後に逆転する排紙ローラ１１ａ，
１１ｂおよび給紙ローラ１０ａ，１０ｂにより同図の左
方へ送られ、前記開口部７から排紙トレイ９上に排出さ
れる。

【００２３】カットシートフィーダ５をプリンタケース
１に取り付けた状態でトラクタ６が図１に示す位置に変
位すると、トラクタ６の上端部６ｃが排紙トレイ９の下
面に係合して排紙トレイ９を図１に示す自動給紙位置へ
変位させる。これによって、排紙トレイ９の先端部９ａ
がプリンタケース１の一端部１ａから更に離れて前記排
紙口として作用するカット紙用開口部７が形成されると
ともに、排紙トレイ９が印字済みのカット紙を受けるこ
とができるようになる。この状態で、印字開始のための
不図示の操作釦を操作すると、カットシートフィーダ５
に装填されたカット紙が１枚ずつピッキングローラ５ｃ
により取り出され、この取り出されたカット紙が給紙ロ
ーラ１０ａ，１０ｂにより印字部４へ送られて印字さ
れ、印字済みのカット紙が排紙ローラ１１ａ，１１ｂに
より送られて前記開口部７から排紙トレイ９上に排出さ
れる。

【００２４】カットシートフィーダ５をプリンタケース
１の取付部１ｂから取り外し、かつプリンタケース１に
前記不図示のカバーを取り付けて前記取付部１ｂを塞い
だ状態で、トラクタ６が図３に示す第１の位置に変位す
ると、トラクタ６の先端側上端部６ｂが排紙トレイ９の
下面に係合して排紙トレイ９を図３に示す上昇位置へ変
位させる。これによって、排紙トレイ９の先端部９ａが
プリンタケース１の一端部１ａに当接してカット紙用開
口部７が塞がれる。

【００２５】この状態で、印字開始のための不図示の操
作釦を操作すると、前記開口部７が塞がれた状態で連続
紙の印字が行なわれる。従って、連続紙を使用した印字
中にプリンタ内部で発生する音が前記開口部７から外部
に漏れることがなく、この印字中にプリンタ内部で発生
する音が外部に漏れるのが少なくなる。

【００２６】なお、上記一実施例では、排紙トレイ９を
支軸９ｂによりプリンタケース１に前記３つの位置の間
で回動自在に支持させているが、排紙トレイ９をプリン
タケース１に上下動可能に支持させ、この上下動により
排紙トレイ９が前記３つの位置の間で変位するように構
成してもよい。

【００２７】また、上記一実施例では、前記トラクタ６
を支軸６ａによりプリンタケース１に前記３つの位置の
間で回動自在に支持させているが、トラクタ６をプリン
タケース１に上下動可能にまたは水平方向へ移動可能に
支持させ、この上下動または水平移動により前記３つの
位置の間で変位するように構成してもよい。

【００２８】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
トラクタが第１の位置に変位すると、手差し給紙用ガイ
ド板が上昇位置に変位してプリンタケースの一部との間
のカット紙用開口部を塞ぎ、トラクタが第２の位置に変
位すると、手差し給紙用ガイド板が下降位置に変位して
カット紙用開口部が開かれる。このようにトラクタの位
置の変位に連動してガイド板が変位するようにガイド板
をトラクタに直接係合さ せて構成しているので、両者の
伝達のための何等の機構も必要とせず、簡単な構成とす
ることができる。

【００２９】従って、開口部を塞いだ状態で連続紙を使
用するので、印字中にプリンタ内部で発生する音が外部
に漏れるのを少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るプリンタを示す縦断面
図で、自動給紙されるカット紙を使用する状態を示す図
である。

【図２】図１と同様の縦断面図で、手差しによるカット
紙を使用する状態を示す図である。

【図３】図１と同様の縦断面図で、連続紙を使用する状
態を示す図である。

【符号の説明】

１ プリンタケース １ａ プリンタケースの一端部（一部） ２ 印字ヘッド ３ プラテン ４ 印字部 ６ トラクタ ７ カット紙用開口部 ９ 手差し給紙用ガイド板

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カット紙をプリンタ内部の印字ヘッドと
   プラテンとの間の印字部へ手差し給紙するためのカット
   紙用開口部と、手差し給紙時に前記カット紙を前記開口
   部に案内するとともにプリンタケースの一部との間で前
   記開口部を形成する手差し給紙用ガイド板と、連続紙を
   前記印字部へ送る連続紙送り用トラクタとを有し、手差
   しによるカット紙および連続紙を選択的に使用して印字
   可能なプリンタにおいて、 前記ガイド板は、前記開口部を形成する下降位置と、前
   記開口部を塞ぐ上昇位置とに変位可能に前記プリンタケ
   ースに支持されており、 前記トラクタは、前記ガイド板の下方に位置し、かつ前
   記連続紙を前記印字部へ送る第１の位置と当該第１の位
   置よりも下方に位置する第２の位置とに変位可能に前記
   プリンタケースに支持されており、 前記ガイド板の下面は、前記トラクタを前記第１の位置
   に変位させたときに当該変位に連動して前記ガイド板が
   前記上昇位置に変位し、前記トラクタを前記第２の位置
   に変位させたときに当該変位に連動して前記ガイド板が
   前記下降位置に変位するように前記トラクタの一部に直
   接係合している ことを特徴とするプリンタ。