JP2725225B2 - 移動式クラッシャ - Google Patents

移動式クラッシャ

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JP2725225B2
JP2725225B2 JP36079391A JP36079391A JP2725225B2 JP 2725225 B2 JP2725225 B2 JP 2725225B2 JP 36079391 A JP36079391 A JP 36079391A JP 36079391 A JP36079391 A JP 36079391A JP 2725225 B2 JP2725225 B2 JP 2725225B2
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和樹 蔵成
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は岩石等を採取し破砕する
ために使用する自走式の移動式クラッシャに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来,砕石やコンクリート用骨材ならび
にアスファルト用骨材の製造用として,岩石の採掘現場
や切羽の直近に移動し,採掘された岩石をその場で破砕
し,得られた砕石をそのまま移送する移動式クラッシャ
が使用されていた。図6は移動式クラッシャ1のひとつ
の実施例を示し,キャタピラ2aによる無限軌道によっ
て走行するクローラ2のフレーム3上に原料ホッパ10
より受入れた岩石を破砕するクラッシャ30を積載し,
ディーゼルエンジン4の出力を回転軸4aおよびチエン
ホイル5を介して油圧ポンプ6ならびに油圧モータ7を
駆動する。クラッシャ30は,図7に示すように,固定
破砕板35と前後にスイングする可動破砕板36との間
に岩石を投入挟圧して破砕するジョークラッシャを使用
し,油圧モータ7よりVベルト,Vプーリおよび偏心回
転軸33を介して可動破砕板36をスイングする。破砕
された破砕産物は排出路30Aよりベルトコンベヤ40
によって機外へ排出され,後続のベルトコンベヤほかの
輸送機によって移送される。8はオペレータ室である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた従来の移動
式クラッシャにおいては,岩石を原料ホッパ10へショ
ベルローダで投入した場合,岩石は採掘現場や切羽で採
取したままであり,約700mm程度の大塊であるから
大きな衝撃荷重が原料ホッパ10の直下に配置されたク
ラッシャ30の破砕部に加わり,機器を損傷したり寿命
が短くなる等の不具合を生じる。また,供給岩石の中に
は採掘現場の発破の際に混入する土砂分や既に20〜3
0mm程度に破砕された細粒が大塊岩石とともにクラッ
シャ30に供給されるので,クラッシャ破砕産物に土砂
分が混入したり,細粒を大塊とともに供給することによ
って不必要な破砕作業が行なわれる等の不具合があっ
た。また,破砕産物を輸送するダンプトラックなどの輸
送車の発着に伴って,原料岩石を受入れるグリズリ付振
動フィーダを停止したり運転したりするオペレータが必
要であり,かつ,破砕産物が破砕されてダンプトラック
へ供給されるためのタイムラグが生じるから輸送効率が
悪かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の移動式クラッシャにおいては、走行自在
なクローラの上に、供給された岩石を受入れる原料ホッ
パと、供給岩石を大塊と細粒に選別しつつ移送するグリ
ズリ付振動フィーダと、該大塊を破砕するクラッシャ
と、破砕産物の輸送機と、該輸送機の排出端下部に配置
され下部に開閉自在なゲートを備え上部に原料レベル計
を設けて破砕産物を貯蔵する製品ホッパとを搭載し、か
つ、前記細粒から土砂分を除去して篩上産物を前記輸送
機へ排出する振動篩と該土砂分を輸送する補助輸送機と
を備え、前記製品ホッパの下部側方に破砕産物を受入れ
て輸送する輸送車輌の存否を検出するセンサを配設する
とともに、該センサの受信信号に応じて前記製品ホッパ
のゲートを開閉する指令信号を発信する制御装置を備
え、前記グリズリ付振動フィーダ、クラッシャ、輸送
機、製品ホッパのゲート、振動篩、補助輸送機の駆動用
動力装置としてディーゼルエンジンおよび油圧ユニット
を備えた構成とした。
【0005】
【作用】本発明の移動式クラッシャにおいては、原料ホ
ッパに投入された岩石は堅牢なグリズリ付振動フィーダ
(別名グリズリフィーダともいう)に落下し、ここで細
粒や土砂分は予め除去されたうえ大塊のみグリズリ付振
動フィーダの移送作用により、その下流にあるクラッシ
ャに定量供給されるから、必要以上に大きな衝撃荷重や
積載荷重がクラッシャに加わることがなく機器の保護上
有利である。また、予めグリズリを通過した細粒と土砂
分は振動篩へ供給されて細粒と土砂分に分けられ、土砂
分は補助輸送機へ別途排出されるとともに篩上の細粒は
クラッシャ下の輸送機に合流される。予めゲートの閉じ
られた製品ホッパへ貯蔵された破砕産物はダンプトラッ
ク等の輸送車輌が製品ホッパ下へ待機状態になった時点
で、この存在をセンサでキャッチした信号に基づいて制
御装置より製品ホッパのゲートへ指令信号を発信してゲ
ートを開き、貯蔵された破砕産物はダンプトラックへ積
込まれる。一方、運転中製品ホッパの貯蔵量が満量にな
ると原料レベル計から満量信号が制御装置へ入りグリズ
リ付振動フィーダやクラッシャほかの機器が順次停止す
る。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例について図面に基づいて
詳細に説明する。図1〜図5は本発明に係る実施例を示
し,図1は移動式クラッシャの全体側面図,図2はホッ
パおよびグリズリ付振動フィーダの平面図,図3はホッ
パ部の要部側面図,図4はクラッシャの縦断面図,図5
は移動式クラッシャの正面図である。図において,1は
移動式クラッシャ,2はクローラ,2aはキャタピラ,
3はフレーム,10は原料ホッパ,20はグリズリ付振
動フィーダ(別名グリズリフィーダ),30はクラッシ
ャ(本実施例ではジョークラッシャ),40は輸送機
(メインコンベヤ),50は振動篩(別名サンドセパレ
ータ),60は補助輸送機(別名サイドコンベヤ),7
0はディーゼルエンジン,80は燃料タンク,82は油
タンク,100は製品ホッパ,110は原料レベル計,
120はセンサである。このほか,油圧モータを含む油
圧ユニット(図示せず)がディーゼルエンジン70と連
動してフレーム3上に設置される。
【0007】移動式クラッシャ1はエンドレスのキャタ
ピラ2aによって走行するクローラ2のフレーム3の上
に,柱脚10a,10bを介して原料ホッパ10および
その下側に配設されるグリズリ付振動フィーダ20が積
載され,グリズリ付振動フィーダ20は,図2および図
3に示すように,長手方向に適当間隔離間した並列のグ
リズリバー20aが多段に配列され,全体が下流に向け
て水平または下流側に向かってやや上側に傾斜してお
り,駆動モータ20bにより下流側に積載物を移送する
高速微小振動を与えられるよう構成される。グリズリ付
振動フィーダ20の下側にはシュート21がありグリズ
リバー20a間を通過した細粒および土砂分を受入れて
細粒と土砂分を選別する,たとえば,10mmの網目を
もつ振動篩50が配設され,振動篩50の下方には篩下
を集めて移動式クラッシャ1の側面に突出する補助輸送
機60へ落下するためのシュートが設けられる。一方,
振動篩50の篩上の細粒は,後述する輸送機40へ落下
するようシュートが設けられる。グリズリ付振動フィー
ダ20の下流の直近にはクラッシャ30が配設され,ク
ラッシャ30の破砕産物は下側から移動式クラッシャ1
の長手方向下流側に向かって傾斜して立上る輸送機(メ
インコンベヤ)40へ落下するようシュートが設けられ
る。そのほか,ディーゼルエンジン70とディーゼルエ
ンジン70の燃料油である軽油を貯蔵する燃料タンク8
0および油圧機器の作動油を貯蔵する油タンク82が下
流側フレーム3上に固設される。クラッシャ30の上部
両側には点検用の踊場92が設置され,階段90を介し
て作業員が昇降できるようになっている。
【0008】図4はクラッシャ(ジョークラッシャ)3
0を示し,ケーシング31に固定した固定ジョー32と
偏心回転軸33に上部が取付けられた固定破砕板35と
スイングジョー34に取付けられた可動破砕板36とで
岩石を破砕する。33aはフライホイール(はずみ車)
である。スイングジョー34の下部にはトグルプレート
37がトグルプレート37をフレーム31へ取付けた支
持杆38に連結される。39は,トグルプレート37を
支持杆38と離脱させないためスイングジョー34の下
端を図4の右側方向へ引張る圧縮コイルばねである。な
お,原料ホッパ10とグリズリ付振動フィーダ20とを
一体化して,グリズリ付振動フィーダ20の最頂部に傾
斜した側壁を設けても良い。
【0009】輸送機40の排出端下部には製品ホッパ1
00が配設され、製品ホッパ100下部の開口部には左
右一対のゲート102、102が水平軸回りに回動し開
閉できるように油圧シリンダまたは油圧モータによって
開閉操作できるよう構成される。製品ホッパ100の上
部には製品ホッパ100内へ貯蔵される破砕産物の原料
レベルを検出する原料レベル計110が装備され、製品
ホッパ100の満量時には制御装置140へ指令信号を
発してゲート102、102を閉じるようになってい
る。一方、製品ホッパ100下にダンプトラック130
が待機状態になったことを検出するセンサ120が製品
ホッパ100の下部側方空間に、輸送機40からサポー
ト122を介して設置され、図1のように空量のダンプ
トラック130が後退し停止するとゲート102、10
2に制御装置140を介して開操作信号を発信する。制
御装置140はクローラ上の任意の位置に設置する。原
料レベルが満量の場合には破砕産物の製品ホッパ100
への供給を止めなければならないので、原料レベル計1
10が満量状態を確認したときにはグリズリ付振動フィ
ーダ、クラッシャ、輸送機を順次停止するようインター
ロック指令を制御装置140へ入力しておく。
【0010】以上のように構成された本発明の移動式ク
ラッシャの作動について説明する。移動式クラッシャ1
の前方先端(図1では右側)を採掘現場に向け,ディー
ゼルエンジン70を始動して各機器の始動を確認した
後,原料ホッパ10へ採取した岩石をショベルローダ等
の運搬機械により供給する。原料ホッパ10へ供給され
た岩石はグリズリ付振動フィーダ20でクラッシャ30
へ移動されながら,グリズリバー20a間を細粒および
土砂分が通過し,振動篩50によって細粒と土砂分に選
別され,細粒はメインコンベヤ40へ,土砂分はサイド
コンベヤ60へ各々移送される。グリズリ付振動フィー
ダ20によりクラッシャ30へ入った岩石は,破砕され
て規定のサイズにセットされた細粒となってメインコン
ベヤ40により,製品ホッパ100へ貯蔵され,その後
ダンプトラックやそれ以外の輸送車輌で搬送される。す
なわち,ダンプトラック130が指定位置(製品ホッパ
下)へ停止し,空荷のとき製品ホッパ100のゲート1
02が開き,破砕産物が落下する。やがて荷台が製品で
ほぼ満量近くなり,トラック運転手がダンプトラック1
30を発進すると,センサ120がこの動きを感知して
ゲート102に閉指令を発し,製品の供給は停止する。
【0011】以上のようにして,本発明の移動式クラッ
シャでは,採掘現場や切羽で採取された岩石をクラッシ
ャで破砕するに際して,前もってグリズリ付振動フィー
ダで細粒や土砂分を除去するので,不純物の大塊のみの
破砕が実施されるから高品質の骨材を生産できる。ま
た,破砕の必要のない細粒はクラッシャに送られる前に
グリズリバーの下を通過して予め除外されており,不純
物の土砂分を除去されたうえクラッシャの破砕産物と後
に合流するので,生産効率が良く,不必要な微粒子の生
成が防止できる。また,製品ホッパやセンサを設けたの
でダンプトラック等への製品の供給,搬出が自動的に実
施することができる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の移動式ク
ラッシャは以上のように構成されているので,下記に記
した優れた効果を発揮する。 クラッシャ,コンベヤ,グリズリ付振動フィーダ,
振動篩およびこれらの動力源となるディーゼルエンジン
や油圧ユニットをクローラ上に搭載し,各機器を軽量コ
ンパクトに配設し,自走できるようになっており,如何
なる採掘現場にも移動可能である。 不純物を取除いた骨材を生産できるとともに,生産
効率が高い。 各機器はディーゼルエンジンによる油圧モータ駆動
であるため,電源が一切不要で定期的に燃料油を補給す
るだけで毎日走行や破砕ができる。 原料岩石のローディング方法は,パワーショベル,
ユンボ,ダンプトラック等任意に自由に選択でき,特別
のローディング機器が不要である。 製品搬送用のダンプトラック等輸送車輌への積込開
始,積込終了等の製品供給,停止等の操作が自動的に行
なわれ,そのためのオペレータが不要であり省力化でき
るとともに,輸送効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る移動式クラッシャの全体
側面図である。
【図2】本発明の実施例に係るホッパおよびグリズリ付
振動フィーダの平面図である。
【図3】本発明の実施例に係るホッパ部の要部側面図で
ある。
【図4】本発明の実施例に係るクラッシャの縦断面図で
ある。
【図5】本発明の実施例に係る移動式クラッシャの正面
図である。
【図6】従来の移動式クラッシャの全体側面図である。
【図7】従来の移動式クラッシャに搭載されるクラッシ
ャ(ジョークラッシャ)の側面図である。
【符号の説明】
1 移動式クラッシャ 2 クローラ 2a キャタピラ 3 フレーム 10 原料ホッパ 20 グリズリ付振動フィーダ(グリズリフィーダ) 20a グリズリバー 20b 駆動モータ 21 シュート 30 クラッシャ 31 ケーシング 32 固定ジョー 33 偏心回転軸 33a フライホイール 34 スイングジョー 35 固定破砕板 36 可動破砕板 37 トグルプレート 38 支持杆 39 圧縮コイルばね 40 輸送機(メインコンベヤ) 42 油圧シリンダ 50 振動篩(サンドセパレータ) 60 補助輸送機(サイドコンベヤ) 70 ディーゼルエンジン 80 燃料タンク 82 油タンク 90 階段 92 踊場 100 製品ホッパ 102 ゲート 110 原料レベル計 120 センサ 122 サポート 130 ダンプトラック 140 制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行自在なクローラの上に、供給された
    岩石を受入れる原料ホッパと、供給岩石を大塊と細粒に
    選別しつつ移送するグリズリ付振動フィーダと、該大塊
    を破砕するクラッシャと、破砕産物の輸送機と、該輸送
    機の排出端下部に配置され下部に開閉自在なゲートを備
    え上部に原料レベル計を設けて破砕産物を貯蔵する製品
    ホッパとを搭載し、かつ、前記細粒から土砂分を除去し
    て篩上産物を前記輸送機へ排出する振動篩と該土砂分を
    輸送する補助輸送機とを備え、前記製品ホッパの下部側
    方に破砕産物を受入れて輸送する輸送車輌の存否を検出
    するセンサを配設するとともに、該センサの受信信号に
    応じて前記製品ホッパのゲートを開閉する指令信号を発
    信する制御装置を備え、前記グリズリ付振動フィーダ、
    クラッシャ、輸送機、製品ホッパのゲート、振動篩、補
    助輸送機の駆動用動力装置としてディーゼルエンジンお
    よび油圧ユニットを備えた移動式クラッシャ。
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