JP2723985B2 - 側面吹出型空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、床置側面空気吹出し型空気調和機に係り、
特に、吹出し角度による室内空気混合方式および、該空
気混合を実現する為の送風装置、また、該空気調和機を
用いた空気調和システムの構成に関する。

〔従来の技術〕

室内の空気調和を目的とする空気調和機において、従
来は、空気調和機の前面あるいは、上面および下面から
の空気吹出しが一般的であった。しかし、最近では、天
井埋込カセット型のように、天井から、四方の壁面に向
けて空気を吹出すタイプのものが多くなっている。な
お、この種の装置として関連するものには例えば、実開
昭56−152225号、特公昭62−57900号、実公昭61−17294
号、実公昭62−40274号等が挙げられる。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術のうち、前面吹出しの方法を採る空気調
和機の場合、空気調和機の吹出し前面か、あるいは、吹
出し口の前方から左右に広がる扇形の範囲で、直接空気
調和の効果を得られるに過ぎず、広い室内を均一の温・
湿度条件にする為に、室内の四方の壁面からの影響につ
いて配慮がされておらず、冬期暖房時に人体が壁床面か
らの冷感を受けるという問題点があった。

また、上面あるいは下面吹出しの方法を採る空気調和
機では、天井面・床面を短時間で冷・暖房時に目的温度
に近づけることができるが、吹出し方向にない側面の壁
面の影響について配慮されておらず、この面からの冷感
を受け易いという問題があった。

天井埋込カセット型の場合、天井面に本体設置目的の
開口部を用意しなければならない。

本発明の目的は、省工事据付可能な床置型空気調和機
において側面吹出し時に、室内空気の混合を効果的に行
うことにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、空気調和機の左右側面か
ら、据付壁面に沿って並行に左右に吹出すのに際し、上
下方向に互違いの方向に固定した傾斜角度で吹出す様、
一方が上向きの時、他方は下向きとなる吹出し流路構造
としたものである。

また、室内空気の混合方式に、使用する条件に合わ
せ、変更が可能となる様、常にその角度が左右で互違い
になる様にした羽根板を設けて吹出し角度に変化を持た
せる様にしたものである。

さらに、上下方向に互違いに固定した傾斜角度での吹
出しが可能となるようなファンケーシングを、空気調和
機の上下複数か所に設置したものである。

一方、複数台の空気調和機を同一の室内で使用する場
合において、効果的な循環空気の混合を実現するため
に、上記空気調和機を含めて、空気調和システムとした
ものである。

〔作用〕

空気調和機の左右側面に設けられた吹出し口は本体の
据付けられる壁面に沿って空気流を吹出しこれにより、
室内の空気流は壁面に沿って構成される。ここで、左右
の吹出し空気は、上下方向で互違いに角度を持って流れ
るため、本体に対し、傾斜した流れとなる。したがっ
て、室内の壁面に沿って、一方は斜め下向きに、他方は
斜め上向きに流れ、結果として、水平方向のみならず、
上下方向でも、空気の循環がおこり、室内で渦状の混合
がおこる。

さらに、斜め吹出しの角度を羽根板により変化させる
実施例では、空気調和機を使用する人の好みや、室内の
環境条件によって、室内空気の混合条件を変えることが
できる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図乃至第７図により説
明する。

第１図は、本発明の空気吹出口を持つ空気調和機を示
し、縦長の本体１の上下部分に左右側面吹出しを可能と
するファン６とケーシング３からなる送風装置が、熱交
換器２をはさんで２台設置されている。各ケーシング３
と、本体１は、空気吹出口５により接続されている。ま
た、熱交換器２の設置されている本体内の空間は空気吸
込口４と接続している。本体１内を通過する空気流は、
空気吸込口４から熱交換２を通り、ファン６によりケー
シング３を通って空気吹出口５から吹出される。

第２図は、ファン６とケーシング３、空気吹出口５へ
の接続口51を示している。ケーシング３の中央に開口し
ているファン吸込口41からファン６により左右に吹分け
られた空気流は、ケーシング３の扇形部分で、主流に上
下方向の傾斜がつき、本体１の空気吹出口５では、上下
約10゜の範囲に分布した空気流が得られる。

第３図は、本発明の空気吹出口５を持つ空気調和機に
よる室内の空気流路を概略したものを示す。。この図で
は、空気調和機の本体1aに対して向って右側の上下吹出
口からは、吹出角度、下方10゜で、向って左側の上下吹
出口からは吹出角度、上方10゜で吹出している。右側上
下吹出の空気流は、左側中央の空気吸込口４に向け、ま
た、左側上下吹出の空気流は、右側中央の空気吸込口４
に向けて第３図に示すように流れる。従って、部屋の上
下の空気混合が効率よく起り、また本体1aの前面に立つ
人に直接風が当らず周囲から風を当てることができる。

さらに、第３図中に示すように対向する壁面に本発明
の一実施例である本体1a,1bを設置した場合、本体1a,1b
を中心とした半室内で一方の本体は下方吹出、他方は上
方吹出となり、互違いの吹出となり、室内循環空気の混
合が効率良くおこる。

第４図は、上下の空気吹出口５から空気吸込口４への
空気流を本体１の表面から見た場合を模式的に示してい
る。

第５図は、空気吹出口５に、上下方向に吹出角度を変
更可能な羽根板8aを取付けた実施例を、壁面に平行に、
ケーシング３を断面にして示したもの。羽根板8aの角度
は任意に変更できるが、この時左右の羽根板8aで互違い
の方向となる様にすることで効率よい空気混合が期待で
きる。

同様に第６図は、空気吹出口５に、壁面から手前に吹
出角度を変更可能な羽根板8bを取付けた場合を示す。

この場合も前出の羽根板8a同様、一方が前面に大きな
吹出角度を取る場合、他方は小さな吹出角度となる様、
互違いに吹出している。

第７図は、第５図，第６図で示した羽根板8a,8bを常
に左右で吹出す空気流の角度が互違いになる様にするた
めの構造である。吹出し角度が左右で互違いになる為に
は、羽根板8a,8bは常に平行である必要から、その運転
に際して、両端に回転軸で羽根板8a,8bに連結する連結
９を利用する。

〔発明の効果〕

本発明によれば、吹出し空気が、水平方向に対して、
傾斜しているので、室内循環空気を効率良く混合でき室
内の垂直方向での温湿度分布ムラを解消でき、短時間に
快適な調温調湿した室内を実現する効果がある。

また、羽根板の採用により上記傾斜角度に変化を設け
ることができ、空気調和機を使用する人の好みや、使用
環境条件にあわせ運転に変化を設けることができる。

さらに、複数台の空気調和機を同一室内で運転する空
気調和システムに、本発明による空気調和機を含むこと
により、室内循環空気を効率良く混合でき垂直方向の温
湿度分布むらを解消することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の空気調和機の縦断面図。第
２図は、本発明の一実施例の送風装置の外観図。第３図
は、第１図の空気調和機を室内に据付けて運転した時の
室内の空気流の模式図。第４図は、第３図の空気流の正
面図。第５図は、第２図の送風装置に風向制御用羽根板
を付けた場合の縦断面図。第６図は、第２図の送風装置
に羽根板を付けた場合の横断面図。第７図は、羽根板の
連動を示す外観図。 １……本体、２……熱交換器、３……ケーシング、４…
…空気吸込口、５……空気吹出口、６……ファン、７…
…水受け、8a・8b……羽根板、９……連結棒、41……フ
ァン吸込口、51……吹出接続口。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜出 信正 静岡県清水市村松390番地 株式会社日 立製作所清水工場内 (72)発明者 黒田 重昭 静岡県清水市村松390番地 株式会社日 立製作所清水工場内 (72)発明者 南方 留美 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 平２−169935（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−96329（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−156817（ＪＰ，Ｕ)

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体両側面の中央部に吸込口、その上下部
   に吹出口を設け、本体内中央部に熱交換器、上下部に夫
   々両吹出の送風機を配設し、送風機の両側の吹出口は左
   右互違いの斜め上下方向に開口し、てなることを特徴と
   する側面吹出型空気調和機。
2. 【請求項２】吹出し空気の流路系に、壁面に沿って上下
   方向に手動かまたは、自動で方向を変えることのできる
   羽根板を設けたことを特徴とする請求項１記載の側面吹
   出型空気調和機。
3. 【請求項３】請求項２記載の空気調和機において、壁面
   に対し鉛直方向に、手動または自動で方向を変えられる
   羽根板を設けたことを特徴とする側面吹出型空気調和
   機。
4. 【請求項４】請求項２または３記載の空気調和機におい
   て、羽根板の方向が常に、左右の羽根が互違いの方向を
   向くように形成された方向制御用の羽根板を有する側面
   吹出型空気調和機。