JPH11264201A - 建物の換気構造 - Google Patents

建物の換気構造

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JPH11264201A
JPH11264201A JP6657398A JP6657398A JPH11264201A JP H11264201 A JPH11264201 A JP H11264201A JP 6657398 A JP6657398 A JP 6657398A JP 6657398 A JP6657398 A JP 6657398A JP H11264201 A JPH11264201 A JP H11264201A
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JP
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floor
air
building
air supply
exhaust passage
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JP6657398A
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Morinobu Aragaki
守信 新垣
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SHINYOU KK
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SHINYOU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷暖房時においても換気による熱損失を少なく
することのできる建物の換気構造を提供し、屋内環境の
快適化、冷暖房エネルギーの節約を図る。 【解決手段】建物の外壁30と内壁37との間に、外気
を屋内に導入する給気通路63と、屋内空気を床下2
7、29に排出する排気通路64とを、それぞれの通気
方向を互いに対向させるとともに、伝熱板62を介して
接触するように並設し、給気通路63内を通過する外気
と排気通路64内を通過する屋内空気との間に、前記伝
熱板62を介して熱交換を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の換気構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の建物は、建築工法の進歩やアルミ
サッシュの普及などにより高気密化が進み、その弊害と
して、換気不十分よる結露の発生、カビやダニの繁殖、
またそれらに起因するアレルギー性疾患の増加などの問
題が生じている。さらに、最近では、建材から発生する
ホルムアルデヒドなどの室内有害物質が、いわゆる「新
築病」の原因となることや、発ガン性を有することも指
摘されている。そのため、建物、特に住宅においては、
建物内の換気が極めて重要な課題となっている。
【0003】そこで、従来より、窓の開放によらずとも
建物内を定常的に換気しうるものとして、いわゆる壁換
気構造と呼ばれる換気構造が提案され、実施されてい
る。これは、建物の外壁と内壁との間に空気層を設け、
この空気層を屋外及び屋内に連通させ、風や屋内外の気
温差により空気層内に生じる自然気流によって、屋内外
の空気を交換するものである。また、前記空気層に給気
又は排気のためのファン(送風機)を接続し、強制的に
換気を行うものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の換気構造によれば、夏季には、冷房された屋内空気
が排出されて替わりに暑い外気が流入し、屋内の気温が
急激に上昇する。また、冬季には、暖房された屋内空気
が排出されて替わりに冷たい外気が流入し、屋内の気温
が急激に低下する。そのため、冷暖房効率が悪化し、屋
内の快適性が損なわれる。これを補うには、冷暖房設備
の容量を大きくしたり運転時間を長くすることが必要に
なるので、冷暖房コストが上昇し、さらに省エネルギー
にも反することになる。
【0005】そこで、本発明は、夏季又は冬季など冷暖
房時においても、換気による熱損失を少なくすることの
できる建物の換気構造を提供し、もって、屋内環境の快
適化並びに冷暖房エネルギーの節約を図ることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の建物の換気構造は、建物
の外壁と内壁との間に、外気を屋内に導入する給気通路
と、屋内空気を排出する排気通路とが、それぞれの通気
方向を互いに対向させるとともに、伝熱板を介して接触
するように並設され、前記給気通路内を通過する外気
と、前記排気通路内を通過する屋内空気との間に、前記
伝熱板を介して熱交換が行われることを特徴としてい
る。
【0007】また、請求項2に記載の建物の換気構造
は、建物屋内の天井面に沿って、外気を屋内に導入する
給気通路と、屋内空気を排出する排気通路とが、それぞ
れの通気方向を互いに対向させるとともに、伝熱板を介
して接触するように並設され、前記給気通路内を通過す
る外気と、前記排気通路内を通過する屋内空気との間
に、前記伝熱板を介して熱交換が行われることを特徴と
している。
【0008】さらに、請求項3に記載の建物の換気構造
は、前記伝熱板が、熱伝導性素材からなる薄板が波板状
又は襞状に形成されたことを特徴としている。
【0009】さらに、請求項4に記載の建物の換気構造
は、前記給気通路及び前記排気通路のそれぞれ伝熱板に
対向する内側面には、気流方向に直交する波状の起伏が
それぞれ形成され、これらの起伏が前記給気通路内及び
前記排気通路内の各気流に渦流を発生させることを特徴
としている。
【0010】さらに、請求項5に記載の建物の換気構造
は、前記給気通路又は前記排気通路の少なくともいずれ
か一方に送風機が接続され、この送風機の運転により強
制的に換気が行われることを特徴としている。
【0011】さらに、請求項6に記載の建物の換気構造
は、前記排気通路が床下に連通されるとともに、当該階
に設けられた収納室又は間仕切り壁の内部の空気層が、
それらの下部を当該階の床下に、それらの上部を屋根裏
又は当該階の上階の床下に連通され、前記排気通路から
排出される屋内空気が、前記当該階の床下から、前記収
納室又は前記間仕切り壁の内部を経由して、前記屋根裏
又は前記当該階の上階の床下まで循環した後に屋外に排
出されることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
【0013】図1には、本発明の建物の換気構造を備え
る2階建ての住宅1の縦断面を示している。この住宅1
は、鉄筋コンクリートからなる布基礎21の上方に外壁
30が立設され、最上部には小屋組により支持された屋
根40が設けられたものである。住宅1の1階には、居
室51、52、及び収納室53が設けられ、居室51と
居室52との間には間仕切り壁54が設けられている。
また、2階には、居室55、56、及び収納室57が設
けられ、居室55と居室56との間には間仕切り壁58
が設けられている。
【0014】図2には、前記住宅1の1階外壁30付近
の断面構造を拡大して示している。布基礎21の上端に
取り付けられた土台22の屋内側の側面には、短尺の根
太受木23が添設され、その上に床根太24及び床板材
25が設けられている。また、隣り合う床根太24間に
は床断熱材26が取り付けられている。
【0015】外壁30は、土台22上に立設された外壁
パネル31により形成されている。外壁パネル31は、
縦横の枠材32及び枠材32の内側に縦方向に配置され
た複数本の縦胴縁33(図3参照)からなるパネル枠体
と、その外側に取り付けられた構造用合板34及び外装
材35から形成されている。構造用合板34の背面に
は、パネル枠体の縦胴縁33により区切られた壁断熱材
36が貼着されている。外壁パネル31の屋内側には、
居室の内壁37を形成する内壁材38が取り付けられて
いる。また、外壁パネル31の壁断熱材36と内壁材3
8との間には、外壁パネル31の縦の枠材32又は縦胴
縁33によって区切られた縦長の空隙Sが形成されてい
る。
【0016】前記縦長の空隙Sの一部には、伝熱板62
によって区画された表裏2層の通気層からなる給排気熱
交換装置61が組み込まれている。2層の通気層のうち
外壁30側は、外気を屋内に導入するための給気通路6
3となされ、内壁37側は、屋内空気を屋外などに排出
するための排気通路64となされている。
【0017】給気通路63は、その下部が、外壁30の
屋外側に設けられた外気導入口71を通じて屋外に連通
している。また、その上部が、1階の天井81裏に配設
された天井裏給気管72に接続され、天井81に設けら
れた屋内給気口73を通じて居室51内に連通してい
る。
【0018】一方、排気通路64は、その下部が、土台
22の屋内側上部の一角を切り欠いて設けられた床下排
気口74を通じて1階の床下27に連通している。ま
た、その上部が、1階の天井81裏に配設された天井裏
排気管75に接続され、天井81に設けられた屋内吸出
口76を通じて居室51内に連通している。図3には、
屋内側から、内壁材38を外して給排気熱交換装置61
を見た状態を示している。
【0019】天井裏給気管72には、外気を屋内側に送
り込むための給気ファン77(送風機)が設置され、一
方、天井裏排気管75には、屋内空気を排出するための
排気ファン78(送風機)が設置されている。これらの
運転により、外気が、外気導入口71から給気通路63
内に流入し、天井裏給気管72を経由して、屋内給気口
73から居室51内に供給される。同時に、居室51内
の屋内空気が、屋内吸出口76から吸出され、天井裏排
気管75及び排気通路64を経由して、床下排気口74
から1階の床下27に排出されることとなる。なお、天
井81に設けられた屋内給気口73及び屋内吸出口76
は、換気効率を高めるため、互いの水平位置を極力遠ざ
けるように、例えば天井81の対角付近に配置されてい
る。
【0020】前記した給排気熱交換装置61は、図1に
示すように、住宅1の2階部分における反対側の外壁3
0にも組み込まれている。ここでは、外気は、外気導入
口71から給気通路63内に流入し、2階の天井82裏
に配設された天井裏給気管72を経由して、屋内給気口
73から居室55内に供給される。同時に、居室55内
の屋内空気は、屋内吸出口76から吸出されて、2階の
天井82裏に配設された天井裏排気管75、さらに排気
通路64を経由し、2階胴差28の屋内側上部の一角を
切り欠いて設けられた床下排気口74を通じて2階の床
下29に排出されることとなる。
【0021】給排気熱交換装置61の給気通路63と排
気通路64とを区画する伝熱板62は、熱伝導性素材か
らなる薄板で、給気通路63と排気通路64との接触面
全体にわたって配置されている。伝熱板62は、上下方
向に連続して折曲する波板状又は襞状に形成され、給気
通路63及び排気通路64の立面投影面積よりも相当大
きな表面積を有するものとなされている。なお、熱伝導
性素材とは、例えば銅板、アルミニウム板、亜鉛鉄板、
ステンレス板その他の金属板や、硬質塩化ビニル樹脂製
の薄板など、熱伝導率が高く、かつ成形容易で、建材と
して利用可能な各種素材である。
【0022】また、給気通路63及び排気通路64のそ
れぞれ伝熱板62に対向する内側面は、上下方向に連続
して折曲する波板状に形成され、その素材には、前記し
た伝熱板62と同様の素材、又はポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂など伝熱
板62よりも断熱性の高い素材が用いられている。その
形状は、前記した伝熱板62の形状とはやや異なり、給
気通路63内及び排気通路64内の各気流を屈曲させて
小さい渦流を発生させるような突出部65が、複数個、
反復的に形成されている。
【0023】前記のように構成された給排気熱交換装置
61の作用により、給気通路63から屋内に導入される
外気と排気通路64から1階又は2階の床下27、29
に排出される屋内空気との間には、以下のように熱交換
が行われる。
【0024】すなわち、例えば夏季において屋内が冷房
されている場合、給気通路63内に下方から流入する暑
い外気と、排気通路64内に上方から流入する冷房され
た屋内空気が、伝熱板62を隔ててすれちがう。そし
て、外気が上昇し、屋内空気が下降する間に、伝熱板6
2の給気通路63側表面に接する外気から、伝熱板62
の排気通路64側表面に接する屋内空気に徐々に熱が伝
達され、外気と屋内空気との温度差が小さくなる。こう
して、熱を放出して冷やされた外気が、天井裏給気管7
2を経由し、屋内給気口73から居室51、55内に供
給されることとなる。
【0025】反対に、冬季においては、排気通路64内
に上方から流入する暖房された屋内空気が、給気通路6
3内に下方から流入する冷たい外気に対して、伝熱板6
2を介し熱を伝達する。そして、居室51、55内に
は、屋内空気の熱を吸収して暖められた外気が供給され
ることとなる。
【0026】伝熱板62は波板状又は襞状に形成されて
いるので、外気と屋内空気とは、給気通路63、排気通
路64の高さ寸法よりも相当長い距離にわたって接触す
る。また、給気通路63及び排気通路64のそれぞれ伝
熱板62に対向する内側面には複数個の突出部65が形
成されているので、給気通路63内及び排気通路64内
の各気流は渦を巻きながら繰り返し攪拌され、伝熱板6
2の表裏に近接する一部の空気のみならず、各気流全体
に対して均等に熱交換が行われる。そのため、居室5
1、55内に供給される外気は、給気通路63及び排気
通路64の断面積を極端に小さくせずとも、実用上充分
な程度に昇温又は降温される。ちなみに、この実施の形
態においては、外壁パネル31の枠体の厚さPを12c
m程度、そして、給排気熱交換装置61の厚さQを8〜
10cm程度、給排気熱交換装置61の幅を40〜50
cm程度としている。こうして、一定の換気量を確保し
ながら、同時に、冷暖房時の換気による熱損失を少なく
し、冷暖房負荷を軽減させることができる。
【0027】なお、外気の吸入及び屋内空気の吸出のた
めに運転される給気ファン77及び排気ファン78は、
例えば2ワット/時程度の小型のもので充分であり、一
般的な換気設備の消費電力を超えることはない。また、
気象条件によっては、いずれか一方のみの運転とした
り、いずれも停止して屋外の風まかせの換気としてもよ
い。給気ファン77及び排気ファン78の運転操作用ス
イッチを居室51、55の内部などに設けるのも便利で
ある。
【0028】また、ここでは図示していないが、外壁3
0の屋外側に設ける外気導入口71には、雨の吹き込み
を防ぐための雨除けカバー、昆虫類や微細ゴミの侵入を
防ぐための防虫・防塵フィルタなどを設けるのが好まし
い。さらに、外気と屋内空気との熱交換により伝熱板6
2の表裏に結露が発生する可能性があるので、外気導入
口71及び床下排気口74に水抜きパイプや水受け皿な
どを設けるのも好適である。
【0029】次に、この住宅1における建物内全体の換
気経路について説明する。前記したように、外気は、1
階の給排気熱交換装置61を通じて1階の居室51に供
給され、この居室51に隣接する他の居室にも一部流入
する。これと入れ替わりに、1階の居室51内の屋内空
気は、1階の給排気熱交換装置61を経由して1階の床
下27に排出される。同様に、2階の給排気熱交換装置
61を通じて2階の居室55にも外気が供給され、この
居室55内の空気は2階の給排気熱交換装置61を経由
して2階の床下29に排出される。1階の床下27に
は、通常、布基礎21の立上がり部分に床下換気口91
が設けられるので、この床下換気口91を開放すれば、
1階の床下27の空気は屋外に排出され、1階の床下2
7が換気されることになる。ただし、この住宅1では、
床下換気口91は開閉式となされ、通常時は閉鎖されて
いる。また、1階に設けられた収納室53及び間仕切り
壁54のそれぞれ下部及び上部には通風部92が設けら
れ、収納室53内及び間仕切り壁54内の空気層が1階
の床下27と2階の床下29とに連通されている。その
ため、1階の床下27の空気は、1階の給排気熱交換装
置61から排出される空気により加圧され、収納室53
内及び間仕切り壁54内を押し上げられて2階の床下2
9に流出する。さらに、2階に設けられた収納室57及
び間仕切り壁58のそれぞれ下部及び上部にも通風部9
2が設けられ、収納室57内及び間仕切り壁58内の空
気層が2階の床下29と屋根裏41(小屋裏)とに連通
されている。そして、1階の床下27から2階の床下2
9に押し上げられた空気と、2階の給排気熱交換装置6
1から2階の床下29に排出された空気が合流し、2階
の収納室57内及び間仕切り壁58内を上昇して、屋根
裏41に達する。屋根40の軒天には、屋根裏41の空
気を屋外に排出するための軒天換気口93が設けられて
おり、住宅1内を循環して屋根裏41に達した空気は、
この軒天換気口93から屋外に排出される。
【0030】一般に、建物内に設けられる押入れや納戸
などの収納室は、常時閉め切られることが多いので、湿
気がこもりがちになってカビやダニの発生を招きやす
い。また、間仕切り壁の内部も気密空間に近いので、気
象条件や冷暖房によって結露が生じ、木軸が腐食するお
それがある。さらに、床下も、換気が充分でないと結露
や白蟻の発生を招くおそれがある。しかし、この住宅1
は、前記換気経路を流れる空気によって、床下27、2
9、収納室53、57、間仕切り壁54、58の内部を
常時積極的に換気するため、部材の腐食やカビ、ダニ、
白蟻などの繁殖を予防して建物の耐久性を高め、また、
屋内環境を常に快適に維持することができる。
【0031】ところで、前記した給排気熱交換装置61
を組み込んで構成する建物の換気構造は、外壁の内側に
厚さ数cm以上の空気層を確保し得るものであれば、建
築構法を問わずに適用可能である。鉄骨又は木造軸組構
法による大壁造、ツーバイフォー構法を含む木造枠組壁
構法、木造パネル構法などには特に適するが、鉄筋コン
クリート造でも、構造壁と内壁とを離隔することにより
適用可能となる。ただし、鉄骨造や木造において、壁面
の軸組内に筋違いや横胴縁が設けられるときは、これら
を避ける位置に給排気熱交換装置61を組み込むことが
必要になる。
【0032】続いて、本発明の他の実施の形態について
説明する。図4及び図5には、本発明の建物の換気構造
を備える中高層集合住宅の一つの住戸10の縦断面を示
している。なお、前記の実施の形態と同一機能の部位、
部材には同一の符号を付している。
【0033】この住戸10は、鉄筋コンクリートにより
躯体が形成され、外壁30の内側に、内壁材38が壁断
熱材36を介して設けられている。床面は、床スラブ2
0との間に空隙を設けて敷設された床板材25により形
成され、天井81は、断熱性仕上げ材を天井スラブ80
に直接吹き付けることにより形成されている。住戸10
内には、居室51及び収納室53が設けられている。
【0034】天井81の下面には、戸境壁39に沿って
梁形のダクト83が設けられ、このダクト83内に給排
気熱交換装置61が水平に収容されている。この給排気
熱交換装置61の給気通路63は、外壁30側に設けら
れた外気導入口71及び居室51側に設けられた屋内給
気口73に連通し、一方、排気通路64は、居室51側
に設けられた屋内吸出口76及び収納室53内に設けら
れた縦排気管79に連通している。給気通路63と排気
通路64は、それぞれ中間部に連結パイプ66が接続さ
れて水平距離を延伸されるとともに、伝熱板62により
区画され、給気通路63を上側にして並設されている。
さらに、給気通路63内には外気導入口71近傍に給気
ファン77が設けられ、排気通路64内には屋内吸出口
76近傍に排気ファン78が設けられている。また、縦
排気管79の下端は床下27に開放されている。
【0035】この住戸10内では、給排気熱交換装置6
1の作用により、外気導入口71から給気通路63に流
入する外気と、屋内吸出口76から排気通路64に流入
する屋内空気との間に熱交換が行なわれる。そして、排
気通路64から縦排気管79を経由して床下27に排出
された屋内空気は、床下27の反対側に流れ、屋外排気
管94から屋外に排出される。
【0036】一般に、鉄筋コンクリート造による集合住
宅は、戸建て住宅よりも気密性が高く、結露や室内有害
物質などが問題視されることも多い。加えて、その構造
上、換気用の大きな通気空間を外壁の内部に設けること
も困難である。しかし、本発明の建物の換気構造によれ
ば、給排気熱交換装置61が天井81の下面に水平に配
置されるので、外壁30には最小限の通気孔を設けるの
みで良好な換気を行うことができる。しかして、本発明
は、集合住宅においても特に有効な換気構造となる。
【0037】また、集合住宅の階高が低い場合、住戸の
天井は、通常、直塗り又は吹き付け仕上げとなされるた
め、天井裏を設けて配管類を配設することができない。
そこで、前記の実施の形態では、図5にその断面を示す
ように、給排気熱交換装置61を断面矩形のダクト83
内に収容し、戸境壁39に沿って天井81の下面に取り
付け、ダクト83には梁形に見せかけた化粧仕上げを施
している。給排気熱交換装置61は、その高さが給気通
路63と排気通路64とを重ねた寸法に規定されるが、
いずれも数cm程度の高さに納まるので、コンパクトに
形成することができる。そのため、上記のように、居室
51内の美観に配慮した施工を行うことも容易となる。
【0038】
【発明の効果】本発明の建物の換気構造によれば、給気
通路を通じて屋内に導入される外気と、排気通路を通じ
て屋内から排出される屋内空気との間に、伝熱板を介し
て熱交換が行われ、屋内空気との温度差を小さくされた
外気が屋内に供給されるので、冷暖房時においても換気
による熱損失が低減し、屋内環境の快適性が維持される
とともに、冷暖房コストが節約される。
【0039】さらに、請求項1に記載の建物の換気構造
によれば、給気通路、排気通路及び伝熱板が外壁と内壁
との間に配置されるので、屋内空間が換気設備によって
制約を受けることなく有効に利用される。
【0040】また、請求項2に記載の建物の換気構造に
よれば、給気通路、排気通路及び伝熱板が屋内の天井面
に沿って配置されるので、集合住宅においても容易に実
施され、屋内空間が有効に利用される。
【0041】また、請求項3又は請求項4に記載の建物
の換気構造によれば、外気と屋内空気との間の熱交換効
率が向上し、換気による熱損失がさらに低減する。
【0042】また、請求項5に記載の建物の換気構造に
よれば、屋外の気象条件にかかわらず、常時屋内の換気
を行うことができる。
【0043】また、請求項6に記載の建物の換気構造に
よれば、屋内空気が、床下に排出され、さらに収納室又
は間仕切り壁の内部を経由した後に屋外に排出されるの
で、居室だけでなく床下や、収納室、間仕切り壁の内部
も充分に換気され、屋内の居住性及び建物の耐久性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建物の換気構造を備える2階建ての住
宅の縦断面図である。
【図2】前記住宅の1階外壁付近の構造を示す縦断面図
である。
【図3】給気通路及び排気通路を屋内側から重ねて見た
状態を示す立面図である。
【図4】本発明の建物の換気構造を備える集合住宅の一
つの住戸の縦断面図である。
【図5】前記住戸の別方向の部分縦断面図である。
【符号の説明】
27、29 床下 30 外壁 37 内壁 42 屋根裏 53、57 収納室 54、58 間仕切り壁 62 伝熱板 63 給気通路 64 排気通路 65 起伏 77、78 送風機 81、82 天井

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の外壁と内壁との間に、外気を屋内
    に導入する給気通路と、屋内空気を排出する排気通路と
    が、それぞれの通気方向を互いに対向させるとともに、
    伝熱板を介して接触するように並設され、 前記給気通路内を通過する外気と、前記排気通路内を通
    過する屋内空気との間に、前記伝熱板を介して熱交換が
    行われることを特徴とする建物の換気構造。
  2. 【請求項2】 建物屋内の天井面に沿って、外気を屋内
    に導入する給気通路と、屋内空気を排出する排気通路と
    が、それぞれの通気方向を互いに対向させるとともに、
    伝熱板を介して接触するように並設され、 前記給気通路内を通過する外気と、前記排気通路内を通
    過する屋内空気との間に、前記伝熱板を介して熱交換が
    行われることを特徴とする建物の換気構造。
  3. 【請求項3】 伝熱板は、熱伝導性素材からなる薄板が
    波板状又は襞状に形成されたことを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の建物の換気構造。
  4. 【請求項4】 給気通路及び排気通路のそれぞれ伝熱板
    に対向する内側面には、気流方向に直交する波状の起伏
    がそれぞれ形成され、これらの起伏が前記給気通路内及
    び前記排気通路内の各気流に渦流を発生させることを特
    徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の建物
    の換気構造。
  5. 【請求項5】 給気通路又は排気通路の少なくともいず
    れか一方に送風機が接続され、この送風機の運転により
    強制的に換気が行われることを特徴とする請求項1、請
    求項2、請求項3又は請求項4に記載の建物の換気構
    造。
  6. 【請求項6】 排気通路が床下に連通されるとともに、
    当該階に設けられた収納室又は間仕切り壁の内部の空気
    層が、それらの下部を当該階の床下に、それらの上部を
    屋根裏又は当該階の上階の床下に連通され、 前記排気通路から排出される屋内空気が、前記当該階の
    床下から、前記収納室又は前記間仕切り壁の内部を経由
    して、前記屋根裏又は前記当該階の上階の床下まで循環
    した後に屋外に排出されることを特徴とする請求項1、
    請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の建
    物の換気構造。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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