JP2720051B2 - 高濃度無機塩類水溶液の吸収剤 - Google Patents

高濃度無機塩類水溶液の吸収剤

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JP2720051B2 JP63270477A JP27047788A JP2720051B2 JP 2720051 B2 JP2720051 B2 JP 2720051B2 JP 63270477 A JP63270477 A JP 63270477A JP 27047788 A JP27047788 A JP 27047788A JP 2720051 B2 JP2720051 B2 JP 2720051B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高濃度無機塩類水溶液の吸収剤に関する。
さらに詳しくは、両性吸水性樹脂を必須成分とする高濃
度無機塩類水溶液の吸収剤に関する。
[従来の技術] 従来、多量の水を吸収して膨潤、ゲル化する、いわゆ
る吸水性樹脂としては、架橋ポリアクリル酸塩、デンプ
ン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デ
ンプン−ポリアクリル酸塩グラフト重合体の架橋物、酢
酸ビニル−メタクリル酸メチル共重合体のケン化物、イ
ソブチレン−無水マレイン酸の架橋物、架橋カルボキシ
メチルセルロースなど数多くの高分子化合物が知られて
いる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記の吸水性樹脂は何れもがカルボキ
シル基を有するアニオン性高分子電解質であるため、脱
イオン水や蒸留水に対しては高い吸収能を示すものの、
無機塩類水溶液に対しては吸収能が低下する。特に、Mg
2+イオン、Ca2+イオン、Al3+イオン等の多価金属イオン
を高濃度に含有した水溶液に対しては、イオン架橋によ
り不溶化が進行して吸収能が極端に低下するか、あるい
は全く吸収能を示さなくなる。
このように、生理食塩水、人工尿、海水などの低濃度
塩類水溶液と塩類の飽和溶解度に近い程度の高濃度塩類
水溶液とでは、その吸収性能に大きな違いがある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、高濃度無機塩類水溶液中においても優
れた吸収能を有し、該水溶液をゲル化することのできる
吸収剤について鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、両性吸水性樹脂、または両性吸水性
樹脂と下記カチオン性吸水性樹脂を主剤とすることを特
徴とする高濃度無機塩類水溶液の吸収剤である。
カチオン性吸水性樹脂:第四級アンモニウム塩基を有
するカチオン性ビニル単量体(A)、共重合性架橋剤
(C)および必要により非イオン性水溶性ビニル単量体
(D)の重合体からなる吸水性樹脂。
本発明においてカチオン性吸水性樹脂としては、第四
級アンモニウム塩基を有するカチオン性ビニル単量体
(A)、共重合性架橋剤(C)および必要により非イオ
ン性水溶性ビニル単量体(D)の重合体からなるカチオ
ン性の吸水樹脂が挙げられる。
両性吸水性樹脂としては、例えば、第四級アンモニウ
ム塩基を有するカチオン性ビニル単量体(A)、カルボ
キシル基および/またはスルホン基を有するアニオン性
ビニル単量体(B)、共重合性架橋剤(C)および必要
により非イオン性水溶性ビニル単量体(D)の重合体、
またはそのアルカリ化合物で中和して部分的にアルカリ
塩基とした両性の吸水性樹脂などが挙げられる。
第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性ビニル単
量体(A)としては、ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレートとアルキルハライドまたはジアルキル
硫酸との反応物[例えば、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマ
イド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウムメチルサルフェート、(メタ)アクリロイル
オキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
など];ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートとアルキルハライドまたはジアルキル硫酸
との反応物[例えば、(メタ)アクリロイルオキシヒド
ロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メ
タ)アクリロイルオキシヒドロキシエチルトリメチルア
ンモニウムメチルサルフェートなど];ジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリルアミドとアルキルハライド
またはジアルキル硫酸との反応物[例えば、トリメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミドの塩化物、な
ど];ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリルアミドとアルキルハライドまたはジアルキル硫酸
との反応物[例えば、トリメチルアミノヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリルアミドの塩化物、ジエチルメチルア
ミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化
物など];N−アルキルビニルピリジニウムハライド[例
えば、N−メチル−2−ビニルピリジニウムクロライ
ド、N−メチル−4−ビニルピリジニウムクロライドな
ど]、トリアルキルアリルアンモニウムハライド[例え
ば、トリメチルアリルアンモニウムクロライドなど]等
が挙げられる。
カルボキシル基を有するアニオン性ビニル単量体
(B)としては、不飽和モノまたはポリカルボン酸
[(メタ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタ
クリル酸をいう。以下同様の記載を用いる。)クロトン
酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸な
ど]、それらの無水物[無水マレイン酸など]などが挙
げられる。
スルホン基を有するアニオン性ビニル単量体(B)と
しては、脂肪族または芳香族ビニルスルホン酸[ビニル
スルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルトルエ
ンスルホン酸、スチレンスルホン酸など]、(メタ)ア
クリルスルホン酸[(メタ)アクリル酸スルホエチル、
(メタ)アクリル酸スルホプロピルなど]、(メタ)ア
クリルアミドスルホン酸[2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸など]などが挙げられる。
これらカルボキシル基および/またはスルホン基を有
するアニオン性ビニル単量体は水溶性塩として使用して
もよい。これらの塩としては、アルカリ金属(ナトリウ
ム、カリウム、リチウムなどの塩)、アルカリ土類金属
塩(カルシウム、マグネシウムなどの塩)、アンモニウ
ム塩およびアミン塩(メチルアミン、トリメチルアミン
などのアルキルアミンの塩;トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミンなどのアルカノールアミンの塩など)
およびこれらの二種以上が挙げられる。これらの内で好
ましいものは、ナトリウム塩およびカリウム塩である。
共重合性架橋剤(C)としては(1)少なくとも2個
の重合性二重結合を有する化合物および(2)1個の重
合性二重結合を有しかつカチオン性ビニル単量体および
/またはアニオン性ビニル単量体の官能基と反応しうる
基を少なくとも1個有する化合物が挙げられる。
(1)の化合物の例としては、例えば、N,N−メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、ポリオール類[エチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレン
グリコールなど]のジ−またはポリ−(メタ)アクリル
酸エステル、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、テ
トラアリロキシエタン、ジアリル化合物[ジアリルフタ
レート、ジアリルアジペートなど]等が挙げられる。
(2)の化合物の例としては、第四級アンモニウム塩
基および/またはカルボキシル基、スルホン基と反応性
の基、例えばヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基な
どを含有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
具体例としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
共重合性架橋剤(C)の内で好ましいものは(1)の
化合物である。特に好ましいものは、N,N−メチレンビ
スアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレートお
よびテトラアリロキシエタンである。
非イオン性水溶性ビニル単量体(D)としては、例え
ばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチ
レン、イソブチレンなどがあげられる。
本発明において、必要により両性吸水性樹脂と併用さ
れるカチオン性吸水性樹脂において、(A)の量は、
(A),(C)および必要により使用される(D)の合
計モル量に基づいて通常60〜99.99%、好ましくは90〜9
9.9%である。(A)の量が60%未満では得られた樹脂
は高濃度無機塩類水溶液に対する吸収・ゲル化力が低下
する。
(C)の量は、(A),(C)および必要により使用
される(D)の合計モル量に基づいて通常0.01〜10%、
好ましくは0.1〜5%である。(C)の量が0.01%未満
では得られた樹脂は吸水時のゲル強度が小さくゾル状と
なり、高濃度無機塩類水溶液を安定に吸収・ゲル化する
ことができない。一方、10%を越えると逆にゲル強度が
過大となりすぎて吸収・ゲル化力が低下する。
必要により併用される(D)の量は、(A),(C)
および(D)の合計モル量に基づいて通常0〜30%、好
ましくは0〜10%である。(D)の量が30%を越えると
得られた樹脂は高濃度無機塩類水溶液に対する吸収・ゲ
ル化力が低下する。
本発明における両性吸水性樹脂において、カチオン性
ビニル単量体(A)とアニオン性ビニル単量体(B)の
モル比は、要求される吸収性能、吸水ゲルの強度などの
条件により種々変化しうるが、通常(A):(B)=8
5:15〜15:85であり、好ましくは(A):(B)=70:30
〜30:70である。
共重合性架橋剤(C)の量は、(A),(B)および
必要により使用される(D)の合計モル量に対して通常
0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。共重合性架
橋剤の量が0.01%未満では得られた樹脂は吸水時のゲル
強度が小さくゾル状となり、高濃度無機塩類水溶液に安
定に吸収・ゲル化することができない。一方、10%を越
えると逆にゲル強度が過大となり濃厚無機塩類水溶液に
対する吸収・ゲル化力が低下する。
必要により併用される非イオン性水溶性ビニル単量体
(D)の量は、(A),(B),(C)および(D)の
合計モル量に基づいて通常30%以下、好ましくは10%以
下である。
これらビニル単量体および共重合性架橋剤を重合する
方法は、従来から知られている方法でよく、例えば、こ
れらの水性溶液または水性分散液をラジカル重合触媒を
用いて重合する方法、有機溶媒を使用した逆相懸濁重合
や逆相乳化重合による方法および放射線、電子線、紫外
線などを照射する通常の方法などが挙げられる。
本発明において、必要によりアルカリ化合物を添加し
てカルボキシル基および/またはスルホン基を中和し、
部分的にアルカリ塩基とすることができる。
またカルボキシル塩基および/またはスルホン酸塩基
を有する単量体を重合して樹脂を得てもよい。
アルカリ化合物としては、例えば、アルカリ金属水酸
化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、重
炭酸ナトリウムなど)、アミン類(トリメチルアミン、
ジエタノールアミンなど)、アンモニアなどが挙げられ
る。これらの内で好ましいものは、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムおよび重炭酸ナトリウムである。
中和度はカルボキシル基および/またはスルホン基の
通常90モル%以下、好ましくは50〜80モル%である。カ
ルボキシル基および/またはスルホン基の中和度が90モ
ル%を越えると得られた樹脂のPHが高くなり、取扱い作
業中における人体の皮膚に対する安全性が懸念される。
上記吸水性樹脂を、該樹脂中の官能基と反応しうる基
を少なくとも2個有する化合物でさらに架橋せしめるこ
とにより、より高いゲル強度を有し、高濃度無機塩類水
溶液吸収ゲルの安定性により優れた吸水性樹脂を製造す
ることができる。
この化合物としては、エポキシ基、水酸基、イソシア
ナート基などの反応性の基を少なくとも2個有する化合
物およびイオン架橋を形成し得る多価金属化合物などが
挙げられる。
この架橋の方法については特に限定はなく、従来から
公知の方法でよい。
次いで重合体を通常の方法で乾燥、粉砕し、必要によ
り希望の粒度に調整して本発明における吸水性樹脂とす
る。
該吸水性樹脂の形状については特に制限はなく、粉粒
状、フレーク状、パール状、繊維状などのいすれの形状
であってもよい。
本発明における吸水性樹脂に増量剤または添加剤とし
て、水溶性有機質粉末[例えば天然多糖類、セルロース
誘導体、デンプン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリエ
チレンオキシドなど];無機質粉末[例えばバーミキュ
ライト、パーライト、ベントナイト、シリカ、ゼオライ
ト、活性炭など];繊維状物[例えばパルプ、合成また
は天然短繊維、ガラス繊維など];従来のアニオン性ま
たは非イオン性吸水性樹脂[例えば架橋ポリアクリル酸
塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体架橋物、デ
ンプン−アクリル酸塩共重合体架橋物、酢酸ビニル−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アク
リル系繊維状吸水性樹脂、架橋ポリエチレンオキシドな
ど]等を少量配合することができる。その他、増粘剤、
界面活性剤、消臭剤、芳香剤、防腐・防カビ剤、着色剤
なども必要により添加することができ、これらの添加量
については特に限定はなく、通常併用されている量でよ
い。
本発明において無機塩類の例としては、ハロゲン化塩
[例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウ
ム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩
化マンガン、塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化スズ、臭
化カリウム、臭化カルシウム、ヨウ化カリウムなど]、
硝酸塩[例えば、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、
硝酸ニッケル、硝酸鉛など]、炭酸塩[例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素カリウムなど]、重炭酸塩[例え
ば、重炭酸ナトリウムなど]、硫酸塩[例えば、硫酸ナ
トリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸
アルミニウム、硫酸銅など]、リン酸塩[例えば、リン
酸アンモニウム、リン酸ナトリウムなど]、ミョウバ
ン、塩素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、次亜塩素酸ナ
トリウム、過塩素酸ナトリウム、過リン酸石灰、重過リ
ン酸石灰、五酸化リンなどが挙げられる。
これらの内で好ましいものは、無水あるいは結晶水を
もつ塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウ
ム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、五酸化リンなどの潮
解性無機塩である。
これら無機塩類の水溶液の濃度は、無機塩類の種類や
使用目的により異なるので一概に限定することはできな
いが、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上から
飽和溶解度までの範囲である。ここで、高濃度無機塩類
水溶液は必ずしも透明な溶解状態である必要はなく、高
濃度無機塩類水溶液と未溶解の無機塩類が共存する状態
あるいは無機塩類が潮解を始めて液状化する初期の状態
であってもよい。
本発明の吸収剤の使用形態については特に限定はな
く、例えば、(1)吸収剤を高濃度無機塩類水溶液中に
添加する方法、(2)吸収剤と無機塩類とをあらかじめ
混合しておき、その後水を添加する方法、(3)水を吸
収した吸収剤に無機塩類を混合する方法、(4)吸収剤
と無機塩類を混合しておき、無機塩類の潮解水を吸収剤
に吸収させてゲル化させる方法、(5)吸収剤をあらか
じめ2枚のシート状物(例えば、紙、不織布、合成樹脂
フィルなど)でサンドイッチして、シート状態で使用す
る方法、(6)上記シート状物に吸収剤を単に接着また
は塗布して使用する方法、(7)吸収剤と熱可塑性樹脂
またはゴム類とを混練し、所望の形状に成形して使用す
る方法、(8)ウレタンフォームなどの発泡体中に吸収
剤を分散状態で存在させて使用する方法等の種々の使用
形態が可能である。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。実施例、参考例およ
び比較例中の部および%は各々重量部および重量%であ
る。
実施例1、2、参考例1、2および比較例1〜3 実施例1 アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムク
ロライド72部、アクリル酸28部、N,N−メチレンビスア
クリルアミド0.5部および水400部を開閉可能な密閉容器
に仕込み、窒素雰囲気下で液温を15℃とした後、0.5%
の過硫酸アンモニウム水溶液1部および0.5%の亜硫酸
水素ナトリウム水溶液1部を添加して重合させたところ
発熱とともにゲル状となった。重合開始から5時間後に
密閉容器を開き、生成したゲル状含水架橋重合体を取り
出した。このゲルをニーダーで細断した後、120℃の熱
風で乾燥し、32〜145メッシュの粒度に粉砕して両性吸
水性樹脂Iを得た。これを本発明の吸収剤とした。
実施例2 実施例1において、アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド72部およびアクリル酸28部
に代えて、N−メチル2−ビニルピリジニウムクロライ
ド43部および2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸57部を使用する以外は実施例1と同様の方法
で両性吸水性樹脂IIを得た。これを本発明の吸収剤とし
た。
参考例1 実施例1において、アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド72部およびアクリル酸28部
に代えて、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモ
ニウムクロライド100部を使用し、かつN,N−メチレンビ
スアクリルアミドの量を0.8部とする以外は実施例1と
同様の方法でカチオン性吸水性樹脂IIIを得た。
参考例2 実施例1において、アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド72部およびアクリル酸28部
に代えて、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアン
モニウムクロライド85部およびアクリルアミド15部を使
用し、かつN,N−メチレンビスアクリルアミドの量を1
部とする以外は実施例1と同様の方法でカチオン性吸水
性樹脂IVを得た。参考例1、2で得られたカチオン性吸
水性樹脂を両性吸水性樹脂と併用して、本発明の吸収剤
として用いられる。
比較例1 実施例1において、アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド72部およびアクリル酸28部
に代えて、アクリルアミド25部およびアクリル酸75部を
使用する以外は実施例1と同様の方法で吸収剤Vを得
た。
比較例2 市販アニオン性吸水性樹脂「アクアリックCA」(日本
触媒化学工業(株)、架橋ポリアクリル酸ナトリウ
ム)。
比較例3 市販アニオン性吸水性樹脂「スミカゲルS−50」(住
友化学工業(株)、酢酸ビニル−メタクリル酸メチル共
重合体のケン化物)。
試験例1 1)吸収量 実施例、参考例および比較例中の各種無機塩類水溶液
に対する吸収量は次の操作により測定した。即ち、250
メッシュのナイロン製ティーバッグにサンプル1gを入
れ、大過剰の試験液中に60分間浸漬した後15分間垂直に
吊して水切りしてサンプルの増加重量を測定し、この値
を吸収量とした。
実施例、参考例および比較例の吸収量の測定結果をそ
れぞれ第1表、第2表に示す。
2)吸湿量 実施例1、参考例1で得られた吸水性樹脂のそれぞれ
30gに無水塩化カルシウム100gを混合して吸湿剤を作製
し、ガラスビーカーに入れ、25℃、相対湿度85%の恒温
恒湿槽に10日間静置した後、増加重量を求めて吸湿量を
調べた。この結果および10日後の吸湿剤の状態を第3表
に示す。
なお比較として、比較例2および3の市販吸水性樹脂
を同量使用した場合の結果、およびブランクとして無水
塩化カルシウム100gのみの場合の結果を第3表に併記し
た。
[発明の効果] 本発明の高濃度無機塩類水溶液の吸収剤を使用した場
合、次のような効果を奏する。
(1)1価の高濃度無機塩類水溶液のみならず、高濃度
の多価無機塩類水溶液に対しても高い吸収能を有し、こ
れら水溶液をゲル化することができる。
(2)特に、10重量%以上から飽和溶解度までの範囲の
濃度の無機塩類水溶液に対し、従来のアニオン性吸水性
樹脂では得られない高い吸収・ゲル化力を示す。
(3)潮解性無機塩類と併用して使用することにより、
潮解性無機塩類が吸湿により液状化するのを防止するこ
とができる。
以上の効果を奏することから本発明の吸収剤は、塩化
カルシウム、五酸化リン等の潮解性塩類を用いた乾燥剤
における潮解液の吸収剤;硝酸アンモニウム等の水溶解
による吸熱反応を利用した急冷剤、保冷剤等の濃厚塩溶
液の吸収剤;塩サケ、漬物など塩蔵食品のドリップ吸収
剤;ケミカルカイロにおける高濃度塩水の吸収剤;アル
カリ電池のゲル状陰極用ゲル化剤;ゲル状爆薬のゲル化
剤;ペースト状肥料のゲル化剤;産業廃棄物やヘドロな
ど高濃度の電解質を含んだ含水物のゲル化剤;セメント
打設後に発生する高アルカリ性ブリージング水の吸収
剤;海水に対しても高い膨潤力を要求される土木用シー
リング剤や海底ケーブル用止水剤の用途など、高濃度無
機塩類水溶液の吸収・保水・ゲル化を必要とするあらゆ
る場面に有効である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両性吸水性樹脂、または両性吸水性樹脂と
    下記カチオン性吸水性樹脂を主剤とすることを特徴とす
    る高濃度無機塩類水溶液の吸収剤。 カチオン性吸水性樹脂:第四級アンモニウム塩基を有す
    るカチオン性ビニル単量体(A)、共重合性架橋剤
    (C)および必要により非イオン性水溶性ビニル単量体
    (D)の重合体からなる吸水性樹脂。
  2. 【請求項2】該両性吸水性樹脂が、第四級アンモニウム
    塩基を有するカチオン性ビニル単量体(A)、カルボキ
    シル基および/またはスルホン基を有するアニオン性ビ
    ニル単量体(B)、共重合性架橋剤(C)および必要に
    より非イオン性水溶性ビニル単量体(D)の重合体、ま
    たはそのアルカリ化合物による中和物からなる吸水性樹
    脂である請求項1記載の吸収剤。
  3. 【請求項3】両性吸水性樹脂において、(A)と(B)
    とのモル比が85:15〜15:85である請求項2記載の吸収
    剤。
  4. 【請求項4】無機塩類が、潮解性無機塩類である請求項
    1〜3のいずれか一項記載の吸収剤。
  5. 【請求項5】潮解性塩類を用いた乾燥剤における潮解液
    の吸収剤、水溶解による吸熱反応を利用した急冷剤もし
    くは保冷剤の濃厚塩溶液の吸収剤、塩蔵食品のドリップ
    吸収剤、ケミカルカイロにおける高濃度塩水の吸収剤、
    アルカリ電池のゲル状陰極用ゲル化剤、ゲル化爆薬のゲ
    ル化剤、ペースト状肥料のゲル化剤、高濃度の電解質を
    含んだ含水物のゲル化剤、セメント打設後に発生する高
    アルカリ性ブリージング水の吸収剤、土木用シーリング
    剤または海底ケーブル用止水剤である請求項1〜4のい
    ずれか記載の吸収剤。
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