JP2716503B2 - ヒト呼吸系シンシチウムウイルスの糖蛋白類の免疫原性セグメントを含有するキメラ糖蛋白類 - Google Patents

ヒト呼吸系シンシチウムウイルスの糖蛋白類の免疫原性セグメントを含有するキメラ糖蛋白類

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ヒト呼吸系シンシチウムウイルス(syncyt
ial virus)、HRSVに対するウイルス特異的免疫応答を
調製するのに有用な新規キメラ糖蛋白類をコード付けす
るDNA組成物に関する。該DNA組成物は該糖蛋白について
コード付けする構造遺伝子ならびに該構造遺伝子を含有
する発現および複製プラスミドを包含する。前記DNA組
成物で形質転換した宿主細胞、該糖蛋白類から造ったワ
クチン類および該ワクチン類での接種によってヒトを保
護する方法もまた本発明の一部である。
背景 HRSVは1956年に発見され、世界中で見い出されてい
る。それは、特に幼児および年少の子供で上部気道病お
よび下部気道病を引き起こす。急性気道病をもつ入院し
た年少子供の約30パーセントは呼吸系シンシチウムウイ
ルスに感染している。年長の子供および成人では、該病
気はより穏やかである。幼児では、このひどい病気はし
ばしば入院を必要とする。
呼吸系シンシチウムウイルスでの感染は気道のすべて
の部分に及び、通常、発熱、咳き、鼻水、および疲労を
伴い、臨床的には気管支炎、細気管支炎、肺炎、クルー
プ、またはウイルス感染と診断される。年長の子供およ
び成人においては、該ウイルスは、一般に、上部気道に
おける複製に限定される。幼児は、該ウイルスが肺まで
拡大すると、ひどくなる。肺の損傷は永久的なものにな
りかねない。
呼吸系シンシチウムウイルスでの初感染は一生のうち
早期、通常、4才前に起こる。子供では、このウイルス
によって引き起こされる病気は毎年少なくとも1回は起
こる傾向にあり、かなりはっきりと確認できる数カ月間
の集団発生となる。流行病は、一般に3〜5カ月間と、
はっきりと限局性である。家族を調べると、幼学年の子
供は頻繁に該ウイルスを家に持ち帰り、家族の他の者よ
りも年少の者にひどく感染させる。該感染の臨床的結果
は最初の経験時が最もひどく、免疫的に経験した年長の
者ではより穏やかである。
呼吸系シンシチウムウイルスの二次的影響は不顕性感
染からひどい肺炎および死亡までの範囲があり得る。気
道の炎症はほとんどの徴候の原因である。ほとんどの場
合における完全な回復は抗体の生産とともに1ないし3
週間内で起こり、該生産は生涯持続させるようである。
米国においては、1才の幼児の約30パーセントおよび5
才の子供の95パーセントが循環呼吸系シンシチウムウイ
ルス抗体を有する。抗体をもつ年長幼児、子供、および
成人における再感染は、風邪の形態でかなり穏やかな上
部気道病である。
細胞培養におけるウイルスの低収率がHRSVの研究を妨
げてきたにもかかわらず、該ウイルスはかなり研究され
た。HRSVは10の支配的モノシストロニックメッセンジャ
ーへ転写されるRNAのマイナス一本鎖を含有するパラミ
クソウイルスである。該メッセンジャーは単離され、in
vitroにて翻訳されている。産物はゲル電気泳動、ペプ
チド・マッピングおよび免疫沈殿により、ウイルス粒子
から単離された構造蛋白と同様であることが特色とされ
ている。該構造蛋白は主要なヌクレオキャプシド蛋白
(N;分子量約42000)、ヌクレオキャプシド・リン蛋白
(P;分子量約34000)、大きなヌクレオキャプシド蛋白
(L;分子量約200000)、エンベロープマトリックス蛋白
(M;分子量約26000)、マトリックス糖蛋白(約22000)
および2種のエンベロープ糖蛋白、融合糖蛋白(F;分子
量約68000ないし70000)および第2のメチオニン欠乏糖
蛋白(G;分子量約84000ないし90000)を包含する。加え
て、約9500ダルトンのウイルスにコード付けされた蛋白
および他の小さな蛋白が感染細胞中に存在することが知
られている。コリンズら(Collins,et al)、HRSVの10
番目のmRNAの同定およびポリペプチド類の10のウイルス
遺伝子への帰属(Identification of a tenth mRNA of
HRSV and assignment of polypeptides to the 10 vira
l genes)、ジャーナル・オブ・バイロロジー(J.of Vi
rol.)、49:572〜578(1984)およびそこで引用された
文献。さらに、HRSVの分子生物学を記載する研究は:
(1)コリンズら(Collins,et al)、F糖蛋白につい
ての遺伝子配列を開示する「ヒト呼吸系シンシチウムウ
イルスの融合(F)糖蛋白をコード付けする遺伝子のヌ
クレオチド配列(Nucleotide Sequence of the gene en
coding the fusion(F) glycoprotein of human resp
iratory syncytial virus)」、プロシーディングズ・
オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、81:7683〜7687(1984年1
2月);(2)コリンズら(Collins,et al)、1A蛋白に
ついての遺伝子配列を開示する「ヒト呼吸系シンシチウ
ムウイルスの1A蛋白遺伝子:mRNAのヌクレオチド配列お
よび関連ポリシストロニック転写物(The 1A Protein G
ene of Human Respiratory Syncytial Virus:Nucleotid
e Sequence of the RNA and a Related Polycistronic
Transcript)」、バイロロジー(Virology)、141:283
〜291(1985);(3)コリンズら(Collins,et al)、
22K蛋白についての遺伝子配列を開示する「ヒト呼吸シ
ンシチウムウイルスのエンベロープ−結合22K蛋白:mRNA
のヌクレオチド配列および関連多重転写物(The Envelo
pe−Associated 22K Protein of Human Respiratory Sy
ncytial Virus:Nucleotide Sequence of the mRNA and
a Related Polytranscript)」、ジャーナル・オブ・バ
イロロジー(J.of Virol.)、54(No.l):65〜71(1985
年4月);(4)ウェルツら(Wertz,et al)、G糖蛋
白についての遺伝子配列を開示する「ヒト呼吸系シンシ
チウムウイルスのG蛋白遺伝子のヌクレオチド配列は異
常タイプのウイルス膜蛋白を明らかにする(Nucleotide
sequence of the G Protein gene of human respirato
ry syncytial virus reveals an unusual type of vira
l membrane protein)」、プロシィーデングズ・オブ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.N
atl.Acad.Sci.)USA、82:4075〜4079(1985年6月);
および(5)∞蛋白についての遺伝子配列を開示する
「呼吸系シシチウムウイルスの主要ヌクレオキャプシド
蛋白mRNAについての正しい配列(Correct Sequence for
the Major Nucleocapsid Protein mRNA of Respirator
y Syncytial Virus)」、バイロロジー(Virology)、1
46:69〜77(1985)を含む。
HRSVのFおよびG糖蛋白は他のパラミキソウイルスに
おける同様の片われを有する。HRSVと同様に、他のパラ
ミキソウイルスは細胞膜の融合に関連するF糖蛋白を有
する。ピイ・ダブリュー・チョピンおよびエイ・シェイ
ド(P.W.Choppin and A.Scheid)、レブ・インフェクト
・ディズ(Rev.Infect.Dis.)2:40〜60(1980);メル
ツら(Merz.et al)、ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンタル・メディシン(J.Exp.Med.)151:275〜288(198
0)。活性なパラミキソウイルスF蛋白は2個のジスル
フィド連結サブユニットF1およびF2よりなり、該サブユ
ニットは細胞プロテアーゼによる特異的内部切断によっ
て不活性前駆体(F。)から生じる。シェイドおよびシ
ョピン(Scheid and Choppin)、バイロロジー(Viro
l.)80:54〜66(1977)。ほとんどのパラミキソウイル
スについての第2の主要糖蛋白はHN蛋白と呼ばれ、これ
らのウイルスの血球凝集素およびノイラミニダーゼ活性
に関する。HRSV G蛋白は前記酵素活性を有しないが、G
およびNH両糖蛋白はウイルスの付着に関する。また、こ
れらの糖蛋白は、アミノ末端に異常な疎水性シグナル/
アンカー領域を有する点で構造的に似ている。ウェルツ
ら(Wertz,et al)、PNAS82:4075〜4079(1985);エラ
ンゴら(Elango,et al)、ジャーナル・オブ・バイロロ
ジー(J.Virol.)57:481〜489(1986)。
HRSVと戦う入手可能な効果的ワクチンはない。HRSVに
対する効果的なワクチンを得ようとする多くの試みがな
されてきた。フリーデワルドら(Friedewald,et al)、
はジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・ア
ソーシエーション(Journal of the American Medical
Association)、204:690〜694(1968年5月20日)、ウ
シ胚腎臓組織培養での呼吸系シンシチウムウイルスの増
殖を記載している。34℃または28℃で増殖させたウイル
スは感染症または菌力が減少しなかった。26℃で増殖さ
せたHRSVは、成人についての感染性の減少に関係する
が、成人における感染の防止に用いることができるとは
考えられなかった。というのは、該ウィルスは限定され
た感染性しか有さず、免疫原性に乏しかったからであ
る。
キムら(Kim,et al)は、ペディアトリックス(Pedia
trics)、48:745〜755(1971年11月)、26℃で増殖させ
たウイルスから調製した不活化呼吸系シンシチウムウイ
ルスワクチンは6月令ないし13才までの幼児おらび子供
で高レベルの血清抗体の発生を刺激したが、感染を防止
しなかったことを開示している。
マックイントッシュら(McIntosh,et al)は、ペディ
アトリック・リサーチ(Pediatric Research)、8:689
〜696(1974)、2種の実験的呼吸系シンシチウムウイ
ルス生ワクチン、1つは26℃で増殖させたウイルスから
調製したものおよびもう1つは32℃ではよく増殖するが
37℃またはそれ以上では全く増殖しない温度感受性突然
変異体から調製したものを記載している。第1のワクチ
ンはワクチン接種と攻撃との間の間隔が4カ月以上であ
る場合は感染から保護しないので不満足なものであっ
た。第2のワクチンは何人かのワクチン接種者でその温
度感受性を明らかに喪失した点でこれまた不満足なもの
であった。
クレイグヘッド(Craighead)は、ジャーナル・オブ
・インフェクシャス・ディジーズ(Journal of Infecti
ous Disease)、131:749〜753(1975年6月)、1966年
に行われた試験について記載しているが、その実験では
数グループの研究者が、組織培養にて増殖させ、ホルム
アルデヒド処理し、ミョウバン沈殿させたウイルスが幼
児および年少の子供で試験されてい。野生型ウイルスに
対する引き続いての暴露に際し、ワクチン受容者は気道
病のパターンが強調された。クレイグヘッドはホルムア
ルデヒド処理ウイルスでの免疫化は該病気を促進したと
結論している。
ライトら(Wright,et al)は、ジャーナル・オブ・ペ
ディアトリックス(Journal of Pediatrics)、88:931
〜936(1976年6月)、温度感受性の呼吸系シンシチウ
ム弱毒性ワクチンの幼児における評価を記載している。
このワクチンはすべての血清陰性幼児を感染させるのに
充分な高レベルで投与した場合、軽い上部気道病を引き
起こしたものの、用量を低下させると許容されるレベル
の感染性を達成できなかった。また、該ウイルスはある
ワクチンツでの温度感受性の喪失の証拠があるので遺伝
的にも不安定であった。このワクチンでは天然の病気の
増強作用の証拠はなく、再感染がワクチン接種者間で起
こった。
米国特許第4122167号および第4145252号はヒト二倍体
肺腺維芽細胞を介して系列的継代によってウイルス粒子
を弱毒化する方法を記載しており、米国特許第4517304
号は培養で増殖させた罹患細胞の細胞膜上で免疫原生的
に活性なHRSV蛋白を生産する方法を開示している。次い
で、これらの細胞を宿主に注射して免疫応答を誘導す
る。
組換体ワクシニアウイルス発現系はHRSVのGおよびF
糖蛋白を別々に発現することが知られている。ボールら
(Ball,et al)、組換体ワクシニアウイルスベクターか
らのヒト呼吸系シンシチウムウイルスの主要G糖蛋白の
発現(Expression of the Major Glycoprotein G of Hu
man Respiratory Syncytial Virus from Recombinant V
accinia Virus Vectors)、P.N.A.S.,USA、83:246〜250
(1986)およびオルムステッドら(Olmsted,et al)、
組換体ワクシニアウイルスによる呼吸系シンシチウムウ
イルスのF糖蛋白の発現:宿主の免疫性に対するFおよ
びG糖蛋白の個々の寄与の比較(Expression of the F
Glycoprotein of Respiratory Syncytial Virus by a R
ecombinant Vaccinia Virus:Comparison of the Indivi
dual Contributions of the F and G Glycoiproteins t
o HostImmuniy)、P.N.A.S.,USA、83:7462〜7466(198
6)。また、これらの2種の糖蛋白は哺乳動物で生きたH
RSVウイルス攻撃に対して免疫保護を誘導することが証
明されている。スコットら(Scott,et al)、組換体ワ
クシニアウイルスベクターから発現されたヒト呼吸系シ
ンシチウムウイルス糖蛋白Gはマウスを生きたウイルス
攻撃から保護する(Human Respiratory Syncytial Viru
s Glucoprotein G Expressed from Recombinant Vaccin
ia Virus Vector Protects Mice Against Live−virus
Challenge)、ジャーナル・オブ・バイロロジー(Journ
al of Virology)、67:607〜613(1986);ワルシュら
(Walsh,et al)、ウイルス感染からコトンラットを保
護するための呼吸系シンシチウムウイルスの糖蛋白サブ
ユニットを用いる免疫化(Immunization with Glycopro
tein Subunits of Respiratory Syncytial Virus to Pr
otect Cotton Rats Against Viral Infection)、ジャ
ーナル・オブ・インフェクシァス・ディジージズ(Jour
nal of Infectious Diseases)、1198〜1204(1987);
ウェルツら(Wertz,et al)、組換体ワクシニアウイル
スベクターからのヒト呼吸系シンシチウムウイルスの融
合蛋白の発現およびワクチン接種マウスの保護(Expres
sion of the Fusion Protein of Human Respiratory Sy
ncytial Virus from Recombinant Vaccinia Virus Vect
ors and Protection of Vaccinated Mice)、ジャーナ
ル・オブ・バイロロジー(Journal of Virology)、293
〜301(1987);エランゴら(Elango,etal)、RV G糖蛋
白を発現する組換体ワクシニアウイルスでコトンラット
を免疫化することによって誘導されたヒト呼吸系シンシ
チウムウイルス(RSV)感染に対する耐性(Resistance
to Human Respiratory Syncytial Virus(RSV)Infecti
on Induced by Immunization of Cotton Rats with a R
ecombinant Vaccinia Virus Expressing the RSV G Gly
coprotein)、プロシーディングズ・オブ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.S
ci.)、USA、1906〜1910(1986)。
発明の要約 本発明は、シグナル配列およびヒト呼吸系シンシチウ
ムウイルス糖蛋白FおよびG双方からの少なくとも1つ
の免疫原生断片よりなるポリペプチドを含む。この蛋白
のワクチンとしての使用、HRSV−関連病を防止する方法
および組成法を用いるこの蛋白の製法もまた本発明の一
部である。
詳細な記載 以下に定義する語は本明細書中で用いるものである。
「細胞培養」なる語句は、細胞をもとの植物または動物
の体外で生きた状態で保つ、多細胞の植物または動物い
ずれか由来の細胞を増殖させる封じ込めをいう。「下
流」なる語は発現方向により進行した配列をいい;例え
ば、コーディング領域は開始コドンの下流にある。「微
生物」なる語は細菌、放線菌および酵母のごとき単細胞
原核生物および真核生物を共にいう。「オペロン」なる
語は遺伝子の発現および調節の完全な単位をいい、構造
遺伝子、調節遺伝子および調節遺伝子産物によって認識
されるDNA中の制御要素を包含する。「プラスミド」な
る語は自律性で自己複製する染色体外環状DNAをいい、
発現および非発現両タイプを包含する。組換体微生物ま
たは細胞培養について、それらを発現プラスミドの宿主
と記載する場合、「発現プラスミド」なる語句は染色体
外環状DNAおよび宿主染色体に組み込まれたDNAを共に包
含する。プラスミドを宿主細胞によって維持する場合、
プラスミドは自律性構造としてか、あるいは宿主ゲノム
に組み込まれた一部として、有糸***間に細胞において
安定に複製される。「プロモーター」なる語は転写開始
用RNAポリメラーゼを結合させることに関与するDNA領域
をいう。「DNA配列」なる語はヌクレオチド塩基、アデ
ノシン、チミジン、シトシンおよびグアノシンよりなる
一本または二本鎖DNA分子をいう。「実質的に純粋」な
る語は、所望の組換体キメラ糖蛋白以外のパラミキソウ
イルス蛋白を含有しない蛋白の組成物をいう。実質的に
純粋な蛋白は低濃度の宿主細胞成分で汚染しているかも
知れないが、該蛋白は複製パラミキソウイルスによって
産生された構造および非構造ウイルス蛋白汚染を欠く。
「適当な宿主」なる語は、組換体プラスミドに適合し、
かつ該プラスミドが複製され、そのゲノムに取り込ま
れ、発現されるのを可能とする細胞培養または微生物を
いう。「上流」なる語は発現と反対方向に進行する配列
をいい;例えば、細菌プロモーターは転写ユニットから
上流にあり、開始コドンはコーディング配列から上流に
ある。
本発明は、種々の公知方法によって達成できる一連の
分子遺伝操作を含む。該操作は蛋白のcDNAを得、該cDNA
をイー・コリ(E.coli)中でクローニングし、および複
製し、所望のcDNAを適当な宿主中で発現させることに要
約できる。以下の記載は、蛋白を発現するに利用できる
種々の方法を詳しく述べるものであり、続いて好ましい
方法の特別の例を記載する。個々のポリペプチド、糖蛋
白FGについての特別の配列および塩基のナンバリング位
置はチャート9に示す。
一般に、本発明で必要な命名法および一般的な実験室
的手法はマニアティスら(Maniatis et al)、モレキュ
ラー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル
(Molecular Cloning A Laboratory Manual)、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Sprin
g Harbor Laboratory)、コールド・スプリング・ハー
バー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク、1982(マ
ニアティス(Maniatis))中に見い出すことができる。
すべてのイー・コリ(E.coli)株はグルコースを含む
ルリア・ブロス(LB)、ディフコの抗生物質培地#2お
よびグルコースおよび酸加水分解カゼインアミノ酸を補
足したM9培地上で増殖させる。耐抗生物質株をマニアテ
ィスに記載された薬剤濃度で維持した。形質転換は、ロ
ウェカンプおよびフィルテル(Rowekamp and Firte
l)、ディベロップメンタル・バイオロジー(Dev.Bio
l.)、79:409〜418(1980)に記載されている方法に従
って行った。
すべての酵素は製造業者の指示に従って使用した。グ
ルンステインおよびワリス(Grunstein and Wallis)、
メソッズ・イン・エンザイモロジー(Metods in Enzymo
logy)、68:379〜388に記載されているごとくに形質転
換体を分析した。
ハイブリダイゼーションの後、プローブを取り出し、
保存し、フィルターを、0.1%SDS、0.2xSSC中、各400ml
で5回とりかえて計3時間洗浄する。フィルターを充分
に風乾し、セットし、コダック(Kodak)X−OMAT ARフ
ィルムおよびデュポン・クロネックス・ライトネニング
・プラス増感スクリーン(Dupont Cronex Lightnening
Plus intensifying screens)を用い、−70で16時間オ
ートラジオグラフィーに付す。
プラスミドの配列決定についは、精製したプラスミド
DNAをマニアティスに記載されているごとくに調製す
る。コリンズ及びウェルツ(Collins and Wertz)、ジ
ャーナル・オブ・バイロロジー(J.Virol.)、54:65〜7
1(1985)によって記載されている変法とともにマキサ
ム及びギルバート(Maxam and Gilbert)の化学配列決
定法によって、末端標識DNA断片を調製し分析する。
ヌクレオチドのサイズはキロベース(kb)または塩基
対(bp)いずれかで表す。これらはアガロースゲル電気
泳動から見積ったものである。
蛋白を発現させる最初の工程では、cDNAクローンから
蛋白についてコード付けするDNA配列を得る。次いで、
この配列を、遺伝子の転写を指示でき、転写体の効果的
な翻訳が可能な発現プラスミドにクローニングする。蛋
白をコード付けするcDNAを得るためのライブラリー法
は、一般に、マニアティス、特にコリンズおよびウェル
ツ(Collins and Wertz)、HRSVのゲノムによってコー
ド付けされる9種のポイA化RNAのcDNAクローニングお
よび転写マッピング(cDNA Cloning and Transcription
al Mapping of Nine Polyadenylated RNAs Encoded by
the Genome of HRSV)、プロシーディングズ・オブ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Nat
l.Acad.)USA、80:3208〜3212(1983)、RSV G糖蛋白を
発現する組換体ワクシニアウイルスでコトンラットを免
疫化することによって誘導されるヒト呼吸系シンシチウ
ムウイルス(RSV)感染に対する耐性(Resistance to H
uman Respiratory Syncytial Virus(RSV)Infection I
nduced by Immunizaiton of Cotton Rats with a Recom
binant Vaccinia Virus Expressing the RSV G Glycopr
otein)、プロシーディングズ・オブ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sc
i.)USA、1906〜1910(1986)およびオルムステッド・
アール・エイら(Olmsted R.A.et al)、組換体ワクシ
ニアウイルスによる呼吸系シンシチウムウイルスのF糖
蛋白の発現:FおよびG糖蛋白の宿主免疫化に対する個々
の寄与の比較(Expresson of the F Glycoprotein of R
espiratory Syncytial Virus by a Recombinant Vaccin
ia Virus:Comparison of the Individual Contribution
of the F and G glycoproteins to Host Immunity)、
プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、7462
〜7466(1986)に記載されている。
dGTPのホモポリマー・トラクトが切断部位における
3′末端に酵素によって付加されたPstI切断のpBR322に
cDNAを挿入することによってクローンを調製する。dGTP
のホモポリマー・トラクトは、マニアティスによって記
載されている方法に従って、cDNA分子の3′末端に酵素
により付加する。理想的には、dCTPまたはdGTPの10〜30
残基を付加してクローニング効率を最大化する。該cDNA
およびプラスミドを一緒にアニールし、イー・コリ(E.
coli)に形質転換する。遺伝子配列の各部に相補的な標
識したウイルスcDNAまたはオリゴヌクレオチドのプロー
ブによって全長cDNAを含有するクローンを検出し、続い
て制限酵素分析し、DNA配列を決定する。
ニードハム−バンデバンターら(Needham−VanDevant
er,et al)、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl
eic Acids Res.)、12:6159〜6168(1984)に記載され
ているごとく、自動合成器を用い、最初ボーケージおよ
びカルザース(Beaucage and Caruthers)、テトラヘド
ロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、22(20):18
59〜1862(1981)によって記載された固相ホスホルアミ
デイトトリエステル法に従い、オリゴヌクレオチドを化
学的に合成する。オリゴヌクレオチドの精製は、ペアソ
ンおよびレグニェ(Person and Regnier)、ジャーナル
・オブ・クロマトグラフィー(J.Chrom.)、255:137〜1
49(1983)に記載されているごとき天然アクリルアミド
ゲル電気泳動またはアニオン交換HPLCいずれかによる。
合成オリゴヌクレオチドの配列は、マキサム及びギル
バート(Maxam and Gilbert)、グロスマンおよびモル
デイブ(Grossman and Moldave)編、アカデミック・プ
レス(Academic Press)、ニューヨーク、メソッズ・イ
ン・エンザイモロジー(Methods In Enzymology)、65:
499〜560(1680)の化学分解法を用いて確認できる。
原核生物系においてクローン化遺伝子の高レベル発現
を達成するには、少なくとも、mRNA転写を指示する強力
なプロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部
位、および転写ターミネーターを含有する発現ベクター
を構築することが必須である。この目的に適した調節領
域の例は、ヤノフスキー、ケレイ、およびホルン(Yano
fsky,Kelley,and Horn)、ジャーナル・オブ・バクテリ
オロジー(J.Bacteriol.)、158:1018〜1024(1984)に
よって記載されているイー・コリ(E.coli)のプロモー
ターおよびオペレーター領域ならびにヘルスコビィッツ
およびハーゲン(Herskowitz and Hagen)、アン・レブ
・ジェネット(Ann.Rev.Genet.)、14:399〜445(180)
によって記載されているファージラムダ(PL)の左側プ
ロモーターである。
イー・コリで産生される蛋白は、システイン残基の存
在のため、および適当な翻訳後修飾を欠くために、適当
には折りたたまれない。イー・コリからの精製の間に、
発現された蛋白をまず変性し、次いで復元しなければな
らない。これは、イー・コリ産生蛋白を塩酸グアニジン
に溶解し、すべてのシステイン残基をβ−メルカプトエ
タノールで還元することによって達成される。次いで、
該蛋白をゆっくりとした透析またはゲル濾過いずれかに
よって復元する。米国特許第4511503号 蛋白の検出はラジオイムノアッセイ。またはウェスタ
ンブロッティング法もしくは免疫沈殿のごとき当該分野
で公知の方法によって行う。イー・コリからの精製は米
国特許第1544503号に記載される方法によって行うこと
ができる。
酵母における異種蛋白の発現はよく知られ、記載され
ている。酵母遺伝学における方法(Methods in Yast Ge
netics)、シーマンら(Scherman,et al)、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Ha
rbor Laboratory)(1982)は酵母において蛋白を産生
するための種々の方法を記載するよく知られた文献であ
る。
酵母における遺伝子の高レベル発現については、原核
生物におけるごとく遺伝子を強力なプロモーター系に接
続し、また酵母遺伝子から効果的な転写停止/ポリA配
列を供することが必須である。有用なプロモーターの例
はGAL1,10、ジョンストンおよびデイビス(Johnston an
d Davis)、モレキュラー・アンド・セリュラー・バイ
オロジー(Mol.and Cell.Biol.)、4:1440〜1448(198
4)、ADH2、ラッセルら(Russell)、ジャーナル・オブ
・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、25
8:2674〜2682(1983)、PHO5、EMBOJ、6:675〜680(198
2)、およびMFα1を包含する。Lue−2、URA−3、Trp
−1、またはHis−3のごとき選択マーカーをもつマル
チコピープラスミド・プロモーターも望ましい。該MFα
1プロモーターが好ましい。該MFα1プロモーターはα
接合型の宿主において構成的であるが、a接合型をもつ
ジプロイドまたは細胞では働かない。しかしながら、そ
れは、SIR座の1つにおいてts突然変異を有する宿主中
で温度を上昇させるかまたは低下させることによって調
節できる。35℃におけるかかる突然変異がα型細胞に与
える影響はa接合型についてコーディングする通常サイ
レントな遺伝子を作動開始させることにある。一方、サ
イレントなa接合型遺伝子の発現はMFα1プロモーター
を作動停止させる。増殖温度を27℃まで低下させると全
プロセスが逆行する。すなわち、a接合型を作動停止さ
せ、MFα1を作動開始させる。ヘルスコウィッツおよび
オーシマ(Herskowitz and Oshima)、酵母サッカロミ
セス属の分子生物学(The Molecular Biology of the Y
east Saccharomyces)、ストラセルン、ジョーンズ、お
よびブローチ(Strathern,Johns,and Broach)編、コー
ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー、コールド
・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、181〜209(19
82) ポリA配列はADH1、MFα1、またはTPIのような、高
度に発現されたいずれかの遺伝子の3′−末端配列によ
って供される。アルバーおよびカワサキ(Alber and Ka
wasaki)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・アンド・
アプライド・ジェネティクス(J.of Mol.and Appll.Gen
et.)、1:419〜434(1982)。
YEp5、YEp13、YEp24のような多数の酵母発現プラスミ
ドをベクターとして用いることができる。注目する遺伝
子を前記いずれかのプロモーターに連結し、次いで、種
々の酵母宿主における発現用のプラスミドに結ぶことが
できる。これらのプラスミドは、ボートステインら(Bo
tstein,et al)、ジーン(Gene)、8:17〜24(1979);
ブローチら(Broach,et al)、ジーン(Gene)、8:121
〜133(1979)の文献に詳細に記載されている。
酵母細胞を形質転換するには2種の手法を用いる。1
の場合においては、ザイモリアーゼ、リティカーゼまた
はグルスラーゼを用いて酵母細胞をプロトプラストに変
換し、続いてDNAおよびポリエチレングリコール(PEG)
を添加する。次いで、該PEG処理プロトプラストを選択
した条件下、3%アガール培地中で再生する。この方法
の詳細は、ベッグズ(Beggs)、ネイチャー(Nature)
(London)、275:104〜109(1978);およびヒンネンら
(Hinnen,et al)、プロシーディングズ・オブ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.)USA、75:1929〜1933(1978)による論文に記
載されている。第2の手法は細胞壁の除去を含まない。
代わりに、細胞を塩化リチウムまたは酢酸リチウムおよ
びPEGで処理し、選択したプレート上に乗せる。イトー
ら(Ito,et al)、ジャーナル・オブ・バクテリオロジ
ー(J.Bact.)、153:163〜168(1983)。
cDNAは宿主細胞培養を形質転換するのに使用する種々
の発現ベクターに結ぶことができる。該ベクターは、す
べて、形質転換すべき宿主細胞に適合する、蛋白の転写
および翻訳を開始するための遺伝子配列を含有する。
加えて、該ベクターは、好ましは、ジヒドロ葉酸還元
酵素またはメタロチオネインのごとき形質転換宿主細胞
の選択用表現型特性を供するためのマーカーを含有す
る。さらに、複製ベクターはレプリコン含有し得る。
蛋白の産生に有用な細胞培養の例は昆虫または哺乳動
物起源のものである。哺乳動物細胞懸濁液を用いること
もできるが、哺乳動物細胞系はしばしば細胞の単層形態
となろう。哺乳動物細胞系の例はVEROおよびHeLa細胞、
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞糸、WI38、BH
K、COS−7またはMDCK細胞系を包含する。
前記したごとく、宿主細胞を形質転換するのに用いる
ベクターは、好ましくは、蛋白遺伝子配列の転写および
翻訳を開始するための遺伝子配列を含有する。これらの
配列を発現制御配列という。宿主細胞が哺乳動物たまは
昆虫起源のものでもある場合、有用な発現制御配列は、
例えば、SV−40プロモーター、サイエンス(Scienc
e)、222、254〜527(1983)、CMV I.E.プロモーター、
プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)81:659〜6
63(1984)、メタロチオネインプロモーター、ネイチャ
ー(Nature)、296、39〜42(1982)またはバクロウイ
ルスポリヘドリンプロモーター(昆虫細胞)、バイロロ
ジー(Virol.)、131、561〜565(1983)から得られ
る。発現制御配列を含有するプラスミドまたは複製もし
くは組込みDNA物質は酵素を用いて切断し、要すればま
たは望ましくはサイズを調整し、当該分野で公知の方法
によって蛋白をコード付けするcDNAと結ぶ。
高等動物宿主細胞を用いる場合の酵母に関しては、公
知哺乳動物遺伝子からのポリAまたは転写停止配列がベ
クター中に組み込まれる必要がある。停止配列の例には
ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリA配列がある。
加えて、宿主細胞中で複製を制御するための遺伝子配
列を、ウシ乳頭腫ウイルスタイプのベクター、サベリア
−カンポ(Saveria−Campo)、「ウシ乳頭腫ウイルスDN
A:真核生物クローニングベクター」、第II巻、実際的ア
プローチ(Bovine papilomavirus DNA:a eukaryotic cl
oning vector A practical approach)」、ディ・エヌ
・エイ・クローニグ(DNA Cloning)、グローバー(Glo
ver)編、アイ・アール・エル・プレス(RL Press)、
アーリントン、バージニア州、213〜238(1985)に見い
出されるごときベクターに組み込むことができる。
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で蛋白を
発現するのに有用で好ましい発現ベクターは、各々、イ
ー・コリ(E.coli)およびCHO細胞中でアンピシリン耐
性およびジヒドロ葉酸還元酵素をマーカーとして利用す
る、CHOおよびイー・コリ両細胞中で複製するシャトル
ベクターpSVCOW7である。また、プラスミドpSVCOW7はCH
O細胞中での発現に必要なウシ成長ホルモンからのポリ
A配列を供する。プラスミドpSVCOW7を切断し、ウイル
スプロモーターおよびcDNAを挿入する。
昆虫細胞中で蛋白を発現するための組織体バクロウイ
ルスを形成するのに有用な好ましい発現ベクターはpAc3
73である。スミスら(Smith,et al)、モレキュラー・
アンド・セリュラー・バイオロジー(Mol.Cel.Biol.)
3:2156〜2165(1683)。該プラスミドはアンピシリン耐
性を利用してイー・コリ細胞中で複製し、遺伝子の発現
用バクロウイルスポリヘドリン遺伝子からの真核生物プ
ロモターおよびポリAシグナルを供する。プラスミドpA
c373を切断し、cDNAを該プロモーターに隣接して挿入す
る。この新しいプラスミドをリン酸カルシウム沈殿法に
よって、バクロウイルス(アウトグラファ・カリフォル
ニカ(Autographa californica)核多角体ウイルス)DN
Aと共に昆虫細胞に共トランスフェクトする。同種組換
えによってcDNAを含有するpAc373ポリヘドリン遺伝子が
残存するウイルスポリヘドリン遺伝子を置き換えた組換
体バクロウイルスは、プローブとして32−P−標識cDNA
を用い、ドットブロットハイブリダイゼーション法によ
って検出する。サマーズおよびスミス(Summers and Sm
ith)、バクロウイルスベクターおよび昆虫細胞培養法
のマニュアル(A Manual of Methods for Baclovirus V
ectors and Insect Cell Culture Procedures)、テキ
サスA&M大学、カレッジ・ステーション(College St
ation)、テキサス州、29〜30(1986)。cDNAのポリヘ
ドリン遺伝子への挿入によりこの閉塞形成蛋白の合成が
防止されるので、組換体バクロウイルスに感染した昆虫
細胞はそれらの閉塞−陰性形態によって分化させること
もできる。
蛋白発現用ウシ乳頭腫ウイルス(BPV)と組み合わせ
る好ましい発現ベクターはpTFW9である(プラスミドpTF
W9はブダペスト条約によって寄託した。プラスミドpTFW
9をイー・コリ宿主中で維持し、1986年、11月17日に米
国、イリノイ州、ノーザン・リージョナル・リサーチ・
センター(Northern Regional Research Center)に寄
託し、受託番号NRRL B−18141が付与された)。該プラ
スミドはアンピシリン耐性を利用してイー・コリ中で複
製し、遺伝子の発現用マウス・メタロチオネインプロモ
ーターおよびSV40ポリアデニレーションシグナルを供す
る。プラスミドpTFW9を切断し、cDNAをプロモーターに
隣接して挿入する。次いで、この新しいプラスミドを切
断してBPVの挿入を可能とする。リン酸カルシウム沈殿
法によって組換体を動物細胞にトランスフェクトし、形
質転換した細胞のフォーカスを選択する。
宿主細胞はコンピテントであるか、または種々の方法
によってトランスフェクションのためにコスピテントと
する。動物細胞にDNAを導入するいくつかのよく知られ
た方法がある。これらは、リン酸カルシウム沈殿法、受
容細胞とDNAを含有する細菌プロトプラストとの融合
法、DNAを含有するリポソームを用いる受容細胞の処理
法、および細胞へDNAを直接入れるマイクロインジェン
ション法を含む。トランスフェクトした細胞を当該分野
でよく知られた方法によって培養する。細胞培養および
ウイルス学におけく生物化的方法(Biological Methods
in Cell Culture and Virology)、クチラー、ドーウ
ェン、ハッチンソン・アンド・ロス・インコーポレイテ
ッド(Kuchler,Dowen,hutchinson and Ross,Inc.)、
(1977)。よく知られた機械的または酵素的方法によっ
て、前記真核生物発現系の1つで発現された組換体糖蛋
白を宿主細胞系の破砕により生じた細胞懸濁液から単離
する。細胞から分泌されるように設計した蛋白は細胞を
破砕することなく培地から単離される。糖蛋白の精製に
は、まず、糖蛋白に特異的に結合するレンチル・レクチ
ンカラムに細胞質画分を適用するのが有利である。次い
で、溶出した糖蛋白を抗体を含有するアフィニティーカ
ラムに適用する。
典型的な糖蛋白は3つの領域に分けることができる。
アミノ末端にはシグナル配列と呼ばれる疎水性領域があ
る。アミノ酸のこの配列は糖蛋白を細胞膜へ輸送する暗
号である。輸送に続き、該シグナル配列は切断によって
除去される。該シグナル配列から下流には成熟糖蛋白の
細胞外ドメインがある。これは抗体に接近できるので、
糖蛋白の免疫原性部分である。糖蛋白のカルボキシ末端
には、糖蛋白を細胞膜中に保持する疎水性アンカー領域
がある。それがアミノ末端シグナル配列およびカルボキ
シ末端アンカー配列をもつ点でHRSV Fは典型的な糖蛋白
である。コリンズら(Collins,et al)、PNAS81:7683〜
7687(1984)。しかしながら、該HRSV G糖蛋白は、その
アミノ末端がシグナルおよびアンカー両領域として働く
ので正常でない。ウェルツら(Wertz,et al)、PNAS82:
4075〜4079(1985)。
糖蛋白は細胞から周囲培地へ分泌されるように設計で
きる。これは、アンカー領域の転写前に糖蛋白の早期停
止を引き起こすことによって達成される。ラスキーら
(Lasky,et al)、バイオテクノロジー(Biotechnolog
y)、2:527〜532(1984)。早期停止はユニバーサル翻
訳ターミネーターオリゴヌクレオチドを遺伝子DNAの適
当な部位に挿入することによって達成できる。これらの
オリゴヌクレオチドは商業的に入手可能である。また、
早期停止はリーディングフレームを変化させ、かくして
翻訳停止コドンを生じさせることによっても達成でき
る。
以下に記載するキメラ糖蛋白はHRSV Gの細胞外ドメイ
ンに連結したHRSV Fのシグナルおよび細胞外ドメインよ
りなり、FGという。G糖蛋白の大部分の細胞外ドメイン
はDdeI(ヌクレオチド位置302)およびFoKI(ヌクレオ
チド位置850)制限酵素部位間にわたるコーディング領
域内に含まれる。この配列は糖蛋白のシグナル/アンカ
ー領域についてコード付けしない。F糖蛋白の細胞外ド
メインの大部分はNsiI(ヌクレオチド位置1479)制限酵
素部位に先立つコーディング領域内に含まれる。この配
列はシグナル領域および大部分の抗原領域についてコー
ド付けするが、糖蛋白のアンカー領域についてはコード
付けしない。
G糖蛋白配列をF糖蛋白に挿入するには、HRSV gpGを
含有するプラスミドG−16をDdeIおよびFoKIで消化し、
クレノーポリメラーゼで平滑末端とする。次いで、550b
p断片をアガロース電気泳動によって単離する。HRSV gp
F遺伝子を含有するプラスミドpGPF−4をNsiIで消化し
た。末端をT4 DNAポリメラーゼで平滑とし、細菌アリカ
リ性ホスファターゼで脱リン酸化した。次いで、G−16
からの550bp断片をpGPF−4プラスミドに結び、イー・
コリHB101に形質転換した。形質転換から単離したクロ
ーンpGPFG−1の1つは、マキサム−ギルバート配列決
定法により正しい結合を有することが確認される。
真核生物発現ベクター中に正しく位置させる場合、前
記FG遺伝子は、細胞表面へ輸送され、そして培地中へ分
泌されるキメラ糖蛋白を発現するように設計される。
前記制限酵素部位はFおよびG糖蛋白の関連領域の大
部分の発現を可能とするので選択した。しかしながら、
糖蛋白の他の部分は、これらの遺伝子の融合についての
コーディング配列FおよびG内の他の制限酵素部位を選
択することによって発現できる。例えば、制限酵素Ale
I、HincIIまたはHinfIを用いてgpG遺伝子の5′末端を
切断できる。制限酵素HphI、MboIIまたはXhoIIを用いて
gpG遺伝子の3′末端を切断できる。該酵素を、1つの
酵素が各群からのものである2種の酵素の組合で用いて
免疫原性蛋白断片を得ることができる。gpF遺伝子につ
いて、HinfIII、HincII、AvaII、SspIまたはHphI制限酵
素をNsiIの代わりに用いることができる。リンカーオリ
ゴヌクレオチドを付加して結合領域のリーディングフレ
ームを正しくすることができる。2つの可能なフレーム
シフトを修正できる2種のオリゴヌクレオチドは商業的
に入手可能なSalIリンカー である。また、糖蛋白にアンカー領域が所望される場
合、リンカーオリゴヌクレオチドを第2の結合に付加し
てgpFアンカーの合成を可能とする。種々の配列の挿入
または欠失によるFG融合蛋白の発現のために別法を設計
することができる。蛋白についての主要な評価基準はシ
グナル配列および2種の糖蛋白の免疫学的に重要な領域
の保持である。
CHO、BPV、またはバクロウイルス発現ベクターへのFG
遺伝子の挿入はすでに述べた通りである。
FGキメラ糖蛋白は個々の糖蛋白の発現に利益をもたら
す。FGは単一の蛋白であるから、FおよびG糖蛋白を分
離するのと比較して精製労力および試薬は半分が必要な
のにすぎない。また、FGキメラ糖蛋白は培地中に分泌さ
れ、精製は容易である。F糖蛋白はアンカー領域配列の
前での切断によって分泌糖蛋白に設計できる。しかしな
がら、HRSV G糖蛋白はそのアミノ末端にシグナル/アン
カー領域を含有する。従って、この糖蛋白の切断により
分泌形は生じない。該シグナル/アンカー領域は外来性
糖蛋白からのシグナル配列で置き換えることができる
が、これにより外来蛋白配列が可能なワクチンに導入さ
れることになろう。
HRSV FおよびG糖蛋白は、ワクシニアウイルス発現系
を用いて発現され、これらの組換体ウイルスはHRSV感染
からコトンラットを保護するのにワクチンとして使用さ
れてきた。オルムステッドら(Olmsted,et al)、PNAS8
3:7462〜7466(1986)。F糖蛋白を発現するワクシニア
ウイルスはかなり免疫原生であり、G糖蛋白を発現する
ワクシニアウイルスよりも良好な保護を与えた。オルム
ステッドら(Olmsted,et al)、前掲。両ウイルスでの
ワクチン接種はF単独よりもすぐれた付加効果は有しな
いようである。オルムステッドら(Olmsted,et al)、
前掲。対照的に、分泌されたFG糖蛋白はより免疫原生
で、F糖蛋白の分泌形よりも良好な保護を与える。ま
た、FG糖蛋白でのコトンラットをワクチン接種すること
により、中和比に対して、免疫酵素法によって測定して
より高いパーセンテージの中和抗体が得られる。
FGおよび切形F(Ft)の免疫原生を比較する実験を企
画した。組換体糖蛋白はSDS−PAGEゲルでの電気泳動に
付した蛋白のコーマシーブルー染色によって、CoA(糖
蛋白に結合するレクチン)精製抽出物中に検出できなか
ったので(恐らくは蛋白の1%以下)、糖蛋白の等量を
決定するのに間接法を用いた。SDS−PAGEゲル上での電
気泳動に付した35S−メチオニン標識蛋白を含有するオ
ートラジオグラフィーのデンシトメーター追跡を用いて
試料中のFGおよびFtの相対量を決定した(FGおよびFtは
同数のメチオニンを含有する)。次いで、免疫酵素法に
よってこれらの同一試料を検定し、本発明者らの免疫酵
素法において等量のFGはFtの3倍以上反応すると測定さ
れた。次いで、ワクチン接種用に調製した試料中のFGま
たはFtの量を免疫酵素法によって測定し、前記比に従っ
て補正した。実験群はFG、Ft(高用量)、Ft(低用
量)、およびgp50(陰性対照)であった。フロインドア
ジュバントにてコトンラットを、用量当たり全蛋白500
μgで3回ワクチン接種した。FG群における特異的糖蛋
白の量は低用量Ft群と等量である。高用量Ft群にはより
特異的な糖蛋白を3回摂取させた。この実験からのデー
タの要約を以下に示す。
前記実験はフロインドアジュバント中のFGの粗製調製
物を用いるキメラFG糖蛋白の有効性を証明するものであ
る。高力価の中和抗体を誘導し、コトンラットをRSV攻
撃から保護するFGの有効性を証明するために、ヒト用に
許容されるアジュバント(ミョウバン)中に処方したFG
のより精製した調製物を用いて実験を行った。カチオン
交換および単クローン抗体アフィニティーカラムを含む
2工程手法を用いてFGを50%の均質度まで精製した。レ
ンチルレクチンクロマトグラフィー、続いての単クロー
ン抗体アフィニティーカラムによってFt糖蛋白を50%均
質度まで精製した。ミョウバン(2.5mgミョウバン/用
量)に吸着したこれらの糖蛋白でコトンラットを2回ワ
クチン接種した。ラットの1の群を陽性対照として生RS
Vで鼻孔内ワクチン接種した。ラットの1の群を陰性対
照としてミョウバン(alm)アジュバントでワクチン接
種した。各群からのラットを血清および中和抗体につい
て試験した。ラットをRSVで攻撃し、肺をウイルスにつ
いて検定した。
チャート1〜6におけるプラスミドおよび断片を表す
に用いる約束はプラスミドおよびそれらの断片の通常の
環状標示と同様である。環状図とは異なり、チャート上
の単一線図は環状および直線状二本鎖DNAを共に表わ
し、開始または転写は左から右(5′から3′)に起こ
る。星印(*)はプラスミドの環状形態を完成させるた
めのヌクレオチドの架橋を表す。断片は星印を有しな
い。何故ならば、それらは二本鎖DNAの直線状片だから
である。エンドヌクレアーゼ制限部位は直線の上方に示
す。遺伝子マーカーは直線の下方に示す。プラスミドま
たは断片を表す図表の下方に現れる棒線を用いてDNA上
の2地点間の塩基対数を表す。マーカー間の相対的スペ
ースは現実の距離を表すものではなく、示したDNA配列
上のそれらの相対的位置を示すだけである。
実施例 実施例1 F糖蛋白遺伝子からのG−Cテールの除去 F糖蛋白の最大発現を得るには、cDNAをプラスミドpB
R322に挿入するのに用いるG−CヌクレオチドをcDNAの
5′末端(元のmRNAに対して)から除去しなければなら
ない。gpFGcDNAをCHO細胞、pSVCOW7(後記)についての
好ましい発現ベクターに都合よく挿入するためには、蛋
白コーディング配列より上流にBamHI部位を供する必要
がある。これを達成するために、F糖蛋白のcDNAをpUC1
2(PLファルマシア・ラブズ(Pharmacia Labs)、ピス
カッタウェイ(Piscataway)、ニュージャージー州)に
挿入する。F糖蛋白についての全配列を含有するcDNAク
ローンF5−25の合成法は記載されている。コリンズら
(Collins, et al)、ヒト呼吸系シンシチウムウイルス
の融合(F)糖蛋白をコード付けする遺伝子のヌクレオ
チド配列(Nucleotide of human respiratory syncytia
l virus)、ジャーナル・オブ・バイロロジー(J.Viro
l.)、81:7683〜7687(1984年12月)。
A.pGPF2の構築−チャート1 F糖蛋白のcDNAには両側にPstI部位がある(チャート
1)。しかしながら、内部Pst部位もある。そこで、プ
ラスミドpF5−25をPstIで部分的に消化し、断片1(1.9
kb)をゲルから単離する。断片1を、予めPstIで消化し
たプラスミドpUC12(ベセスダ・リサーチ・ラボラトリ
ーズ(Bethesda Res.Lads.)、ロックビル(Rockvill
e)、ミシガン州)に結ぶ。pUC12中のXbaI部位に隣接す
るgpF遺伝子の5′末端をもつプラスミドを選択し、pGP
F2(4.6kb)と命名する。この向きを、ほぼ400bpの断片
を生じるNsiIおよびHindIIIでの切断によって確認す
る。
B.pGPF3およびpGPF4の構築−チャート2 cDNAの5′末端からG−Cヌクレオチドを除去するた
めに、pGPF2をXbaIで開き、細菌アルカリ性ホスファタ
ーゼで端部を処理して断片3を得る。次いで、XbaIおよ
びPstI部位間で小片を切断除去するSalIで断片3を処理
し、クレノー酵素で処理して平滑末端とする。クレノー
酵素での処理の後、5′ホスフェートが必要で、3′突
出末端を残すラムダエキソヌクレアーゼで断片3を消化
する。gpFの上流の端部での5′ホスフェートの除去の
ため、該エキソヌクレアーゼはgpF配列に向けて下流を
消化するであろう。G/Cテール領域を越えてリーダー配
列までヌクレオチドを除去させるため該エキソヌクレア
ーゼに充分な時間を与える。リーダー配列の最初の15塩
基対を含有する合成配列を断片3にハイブリダイズさ
せ、失った塩基をクレノー酵素で満たし、T4リガーゼで
端部を結んでpGPF3(4.6kb)を得、これをイー・コリに
形質転換し、その配列を確認する。
cDNAの3′末端からG−Cヌクレオチドを除去するた
めに、pGPF3をHindIIIで開き、G−Cヌクレオチド全体
を消化するのに充分な時間エキソヌクレアーゼBal 31で
処理する。クレノー酵素で末端を平滑とし、BamHIでの
消化によってベクターDNAからcDNAクローンを遊離す
る。該cDNA断片をゲルから単離し、予めBamHIおよびHin
cII(HincIIは平滑末端に適合する)で消化したプラス
ミドpUC12に結んでpGPF4を得る。該プラスミドをイー・
コリに形質転換し、Bal31で充分に消化した適当なクロ
ーンを配列決定法によって同定する。別法として、G−
Cヌクレオチドから上流に唯一の部位を有する制限酵素
で消化することによってG−Cヌクレオチドを除去する
こともできる。gpFについては、かかる酵素はHaeIIIで
ある。HaeIIIはF遺伝子の通常の翻訳停止シグナルより
上流を切断するので、HaeIIIでの消化の後に、ユニバー
サル翻訳停止オリゴヌクレオチド(ニューイングランド
・バイオラブズ(New England Biolabs))をF cDNAに
結ぶ。次いで、該DNAをBamHIで処理し、pPGF−4を精製
させるについて前記したごとくに処理する。
実施例2 HRSVキメラFG糖蛋白遺伝子の構築−チャート3 HRSV G糖蛋白についての全コーディング領域を含有す
るクローンG2B−13は記載されている(ウェルツら(Wer
tz,et al)、ヒト呼吸系シンシチウムウイルスG蛋白遺
伝子のヌクレオチド配列はウイルス膜蛋白の異常タイプ
を明らかにする(Nucleotide sequence of the G prote
in gene of human respiratory synsytial virus revea
ls an unusual type of viral membrane protein)、PN
AS、82:4075〜4079(198))。G糖蛋白cDNAを含有する
クローンG2B−16をDdeIおよびFoKIで消化し、イー・コ
リDNAポリメラーゼ(クレノー断片)で平滑末端とす
る。次いで、該DNAを1.5%アガロースゲルでの電気泳動
に付す。G遺伝子の関連領域を含有する550bp断片(断
片4)をゲルから切り出し、該DNAをアガロースから精
製する。
B.G cDNA断片のHRSV F糖蛋白遺伝子への挿入 プラスミドpGPF4(チャート2)をNsiIで消化する。T
4DNAポリメラーゼで平滑末端とし、次いで、細菌アルカ
リ性ホスファターゼで脱リン酸化する。次いで、G cDNA
の550bp断片をプラスミドpGPF4に結んでキメラFG遺伝子
(pGPFG−1)を得る。該プラスミドをイー・コリHB101
に形質転換する。クローンを単離し、875bpおよび186bp
の結合断片を生じるHinfIでの消化によってF遺伝子内
のGcDNAの正しい向きについて選択する。正しい向きの
G断片により、HinfI消化に際し、650bpおよび400bpの
結合断片が生じるであろう。次いで、適当な向きのクロ
ーンの結合領域をマキサム−ギルバート配列決定法によ
って正しいことを確認する。
前記実施例により、G糖蛋白の免疫原生領域に結合し
たF糖蛋白のシグナルおよび免疫原生領域を含有するキ
メラ糖蛋白についてコード付けする遺伝子が生じる。第
2の結合(GからF)はフレームシフトおよび翻訳停止
を引き起こすので、糖蛋白中にはアンカー領域は存在し
ないであろう。
実施例3 HRSVキメラFG糖蛋白のリーディングブレームを
調節するためのDNAオリゴヌクレオチドリンカーの使用
−チャート4 もし実施例2で示した以外の制限酵素をFおよびG遺
伝子を連結させるのに用いるならば、FおよびG間の第
1の結合でフレームシフトが生じ、糖蛋白の初期の翻訳
停止となりかねない。これは、正しいリーディングフレ
ームを保持するオリゴヌクレオチドリンカーを用いるこ
とによって克服できる。
A.HRSV G糖蛋白遺伝子の調製 G糖蛋白cDNAを含有するクローンプラスミドG2B−16
をHphIで消化し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端とす
る。
(ニュー・イングランド・バイオラブズ(New England
Biolabs))をDNAの末端に結ぶ。該DNAをSalIで消化
し、1.5%アガロース電気泳動に付す。G遺伝子の関連
領域を含有する410bp断片(断片5)をゲルから切り出
し、該DNAをアガロースから精製する。
B.G cDNA断片のHRSV F糖蛋白遺伝子への挿入 プラスミドpGPF4をNsiIで消化し、T4 DNAポリメラー
ゼで末端を平滑とする。前記で示したSalIリンカーをpG
PF4DNAの末端に結ぶ。該DNAをSalIで消化し、1%アガ
ロース電気泳動に付す。4.4kb断片をゲルから切り出
し、該DNAをアガロースから精製する。該4.4kbp GPF4 D
NA断片および410bp G断片を一緒に結んでpGPFG−2を形
成し、イー・コリHB101に形質転換する。クローンを単
離し、768bpおよび220bpの結合断片を生じるHinfIでの
切断によってF遺伝子内のG cDNAの正しい向きについて
選択する。F断片の正しくない向きにより、HinfI消化
に際して555bpおよび430bpの結合断片を生じるであろ
う。次いで、このクローンの結合断片をマキサム−ギル
バート配列決定法によって正しいことを確認する。
前記実施例により、実施例2におけると同様のキメラ
FG糖蛋白についてコード付けする遺伝子が生じる。本実
施例で生じるキメラ糖蛋白は実施例2で生じたキメラよ
りもG糖蛋白の免疫原生領域が少ない。2の糖蛋白の他
の領域を含有するキメラ糖蛋白は「詳細な記載」の節に
リストした酵素を用いて実施例2および3に記載したご
とくに生成させることができる。
実施例4 種々の長さのキメラFG糖蛋白についてコード付
けする遺伝子を生成するためのDNAオリゴヌクレオチド
の使用−チャート5 FおよびG糖蛋白の種々の領域を含有するキメラFG糖
蛋白についてコード付けする遺伝子は制限酵素およびオ
リゴヌクレオチドの組合せを用いることによって生成で
きる。この手法により、FおよびG糖蛋白をそれらのア
ミノ酸骨格のいずれの所望の地点において連結すること
も可能となり、同様に、宿主免疫系によって認識される
エピトープを含有させるための領域の組み込みまたは除
去が可能となる。所望ならば、個々のアミノ酸を変化さ
せることもできる。オリゴヌクレオチドは所望連結地点
から都合よい制限酵素部位までのDNA配列に対応させて
合成する。糖蛋白遺伝子をその制限酵素で消化し、オリ
ゴヌクレオチドを該制限酵素部位で遺伝子に結んで所望
の長さのDNA断片を得る。容易に結べるように末端を制
限酵素に適合させてオリゴヌクレオチドを合成する。
A.HRSV F糖蛋白遺伝子の調製 プラスミドpGPF4をNsiIで消化し、オリゴヌクレオチ
ド1(cDNAヌクレオチド1483〜1519)またはオリゴヌク
レオチド1および2の混合物いずれかに結ぶ。オリゴヌ
クレオチド1および2(cDNAオリゴヌクレオチド1483〜
1564)はキメラ遺伝子に組み込まれた糖蛋白F DNAを、
F糖蛋白のアンカーコーディング領域のすぐ前のDNA配
列まで延長する。これらの2のオリゴヌクレオチドにお
けるDNA配列は、さらに、F糖蛋白で見い出されるエピ
トープについてコード付けし得る。括弧は、末端オリゴ
ヌクレオチドであると仮定した場合に包含されるオリゴ
ヌクレオチド1の3′末端上のヌクレオチドを囲ったも
のである。示したヌクレオチドはHindIII制限酵素部位
についてコード付けする。もしオリゴヌクレオチド2も
包含されるならば、オリゴヌクレオチド1上の示したヌ
クレオチドは排除されてオリゴヌクレオチド1の3′末
端とオリゴヌクレオチド2の5′末端とを結ぶのが可能
となる。また、オリゴヌクレオチド2の3′末端はHind
III部位を含有する。
オリゴヌクレオチドを結んだ後、該DNAをHindIII(F
遺伝子の3′末端のオリゴヌクレオチドおよびpUC12プ
ラスミドのポリリンカー領域におけるHindIII部位)で
消化し、該プラスミドを再度結ぶ。該DNAをイー・コリH
B101に形質転換し、F遺伝子に連結したオリゴヌクレオ
チドを含有するクローンを単離する(pGPF5)。該クロ
ーンにおけるオリゴヌクレオチドの存在は該クローンと
32P−標識オリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーショ
ンによって確認できる。
B.糖蛋白G cDNAのF糖蛋白遺伝子への挿入 クローンG2B−16をHinfIおよびXhoIIで消化する。ヌ
クレオチド位置377ないし654からのcDNA領域を表す277b
p断片をゲル精製する。続いて、G cDNAの隣接領域を表
すオリゴヌクレオチドをG断片の各末端に結ぶ。これら
のオリゴヌクレオチドにおけるDNA配列は、さらに、G
糖蛋白で見い出されるエピトープについてコード付けし
得る。個々のオリゴヌクレオチドを唯一のエピトープを
含有し得る領域を組み込むよう設計した。G cDNAの5′
末端に結んだオリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチド
3(cDNAヌクレオチド297〜377)またはオリゴヌクレオ
チド4(cDNAオリゴヌクレオチド213〜377)に連結した
オリゴヌクレオチド3いずれかよりなり得る。G cDNAの
3末端に結んだオリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチ
ド5(cDNAヌクレオチド654〜714)、オリゴヌクレオチ
ド5−6(cDNAヌクレオチド654〜774)、オリゴヌクレ
オチド5−6−7(cDNAヌクレオチド654〜843)、また
はオリゴヌクレオチド5−6−7−8(cDNAヌクレオチ
ド654〜912)よりなり得る。括弧は、末端オリゴヌクレ
オチドのみに包含されるヌクレオチドを囲む。例えば、
囲んだヌクレオチドはもしオリゴヌクレオチド6が付加
されるならばオリゴヌクレオチド5には包含されない。
これらの囲んだヌクレオチドはHindIII部位についてコ
ード付けし、オリゴヌクレオチド5、6、7、および8
の場合は転写停止コドンについてコード付けする。囲ん
だヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの適合末端間で結
ぶのを可能とするためにさらなるオリゴヌクレオチドを
付加する場合は包含されない。例えば、オリゴヌクレオ
チド3の5′末端は、括弧で囲まれたヌクレオチドがオ
リゴヌクレオチド3に包含されない場合はオリゴヌクレ
オチド4の3′末端に適合する。
オリゴヌクレオチドをG cDNA断片に結ぶのに続き、該
DNAをHindIIIで消化し、拡大されたG cDNA断片(断片
7)をゲル精製する。次いで、新しいG cDNA断片を、予
めHindIIIで消化した本実施例のA節で調製したFクロ
ーン(pGPF−5)に結ぶ。該DNAをイー・コリHB01に形
質転換し、F遺伝子内に正しい向きのG遺伝子を含有す
るクローンを単離する(pGPFG−3)。向きは適当な制
限酵素での消化によって決定する。キメラ遺伝子の新し
く合成した領域をマキサム−ギルバート配列決定法によ
って正しいことを確認する。次いで、該クローンを以下
に記載するごとくに種々の発現ベクターに入れる。
C.オリゴヌクレオチド類 実施例5 アンカー領域を含有するHRSVキメラFG糖蛋白遺
伝子の構築 実施例2、3および4はアンカー領域を含まず、した
がって発現細胞の培地に分泌されるキメラFG糖蛋白につ
いてコード付けする遺伝子の合成を説明するものであ
る。アンカー領域を含有するキメラFG糖蛋白についてコ
ード付けする遺伝子は合成できる。アンカー領域はほと
んどのウイルス糖蛋白と同様にキメラ糖蛋白の細胞膜中
への保持を引き起こす。アンカー領域は、FおよびG両
糖蛋白からのキメラ分子の免疫原生領域が細胞外流体に
突き出るように、糖蛋白のカルボキシ末端上に位置させ
得る。後記する遺伝子は、アミノ末端からカルボキシ末
端にかけてHRSV Fの細胞外領域、HRSV Gの細胞外領域、
およびHRSV Fのアンカー領域の順序のそれらの領域から
なるキメラー糖蛋白についてコード付けする。
A.G cDNA断片のHRSV F糖蛋白遺伝子への挿入 クローンG2B−16をDdeIおよびFoKIで消化する。次い
で、以下のオリゴヌクレオチド: を該DNAの末端に結ぶ、結ぶのに続き、該DNAをNsiIで消
化し、G cDNAの550bp断片(断片8)をゲル精製する。
次いで、該550bp断片をNsiI消化のpGPF4に結ぶ。該DNA
をイー・コリHB101に形質転換する。クローンを単離
し、実施例2記載したごとくに正しい向きについて選択
する。次いで、適当な向きのクローンの結合領域をマキ
サム−ギルバート配列決定法によって正しいことを確認
する。このクローン(pGPFG−4)は以下に記載するご
とく種々の発現ベクターに入れることができる。
実施例6 HRSVキメラGF糖蛋白遺伝子の構築 HRSV F糖蛋白の細胞外領域の一部をG糖蛋白のカルボ
キシ末端に位置させることができる。このキメラ糖蛋白
はアミノ末端からカルボキシ末端にかけてGのアミノ末
端からのシグナル/アンカー領域、Gの細胞外領域の大
部分、およびFの細胞外領域の順序のそれらの領域から
なる。
A.HRSV G糖蛋白遺伝子の調製−チャート7 発現用のクローンG2B−16を調製するには、cDNAクロ
ーニングで用いたG−Cテールを除去し、適合する制限
酵素部位をその末端に位置させなければならない。クロ
ーンG2B−16をNlaIIIおよびFoKIで消化する。N1aIIIはc
DNA遺伝子配列の位置18で切断し、FoKIは位置846で切断
する。次いで、以下のオリゴヌクレオチド: を該cDNA断片に結ぶ。オリゴヌクレオチド11をNlaIII部
位に結び、該cDNA断片の5′末端上にBamHI制限酵素部
位を生じる。オリゴヌクレオチドをFoKIに結んでcDNA断
片の3′末端にSalI制限酵素部位を生じる。該DNAを1.5
%アガロースゲルにて電気泳動に付す。850bp GcDNA断
片(断片9)をゲルから切り出し、該DNAをアガロース
から精製する。次いで、G cDNAを、予めBamHIおよびSal
Iで消化したpUC12に結んだpGPG−1を得る。該プラスミ
ドをイー・コリHB101に形質転換し、プラスミドDNAを単
離する。
B.F cDNA断片のHRSV G糖蛋白遺伝子への挿入−チャート
8 クローンF5−25をXhoIIおよびNsiIで消化する。XhoII
はF cDNA遺伝子配列の位置446を切断し、NsiIは位置148
3を切断する。次いで、以下のオリゴヌクレオチド: を該DNA断片に結ぶ。オリゴヌクレオチド13をXhoII部位
に結ぶと、該cDNA断片の5′末端にSalI制限酵素部位を
生じる。オリゴヌクレオチド14をNsiI部位に結ぶと該cD
NA断片の3′末端にSalI制限酵素部位および翻訳停止コ
ドンを生じる。次いで、該DNAをSalIで消化し、960bp F
cDNA断片(断片10)をゲル精製する。次いで、F cDNA
断片を、SalIで消化したpGPG−1に結ぶ。該プラスミド
をイー・コリHB101に形質転換する。クローンを単離
し、1.8kb断片を生じるBamHIおよびNsiIでの消化によっ
てG遺伝子内のF cDNAの正しい向きについて選択する。
正しい向きにより、850bp断片が生成する。次いで、適
当な向きのクローンの結合領域をマキサム−ギルバート
配列決定法によって正しいことを確認する。このクロー
ン(PGPGF−1)は以下に記載するごとく種々の発現ベ
クターに入れることができる。
実施例7 CHO細胞におけるHRSVのキメラFG糖蛋白の発現 A.pSVCOW7の構築 (アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection)から入手可能で
あるか、またはエス・サブラマニら(S.Subramani,et a
l)、「シミアンウイルス40におけるマウス・ジヒドロ
葉酸還元酵素相補的デオキシリボ核酸の発現(Expressi
on of the Mouse Dihydrofolate Reductase Complement
ary Deoxyribonucleic Acid in Simian Virus 40)」、
モレキュラー・アンド・セリュラー・バイオロジー(Mo
lecular and Cellular Biology)、2:854〜864(1981年
9月)の手法に従って調製される)出発プラスミドpSV2
dhfrをBamHIおよびEcoRIで消化して、アンピシリン耐性
遺伝子、SV40複製開始点、およびdhfr遺伝子を含有する
5.0kb断片を得る。pSV2dhfrを切断してゲノミック・ウ
シ成長ホルモン遺伝子、すなわちBGH gDNAの3′末端を
含有する2.1kb断片を得るのに用いたのと同一の制限エ
ンドヌクレアーゼで消化したプラスミドpλGH2R2からp
SVCOW7の第2の部分を得る。プラスミドpλGH2R2は、
イリノイ州、ペオリアのノーザン・リージョナル・リサ
ーチ・ラボラトリーズ(Northern Regional Research L
aboratories)に寄託された(NRRL B−15154)イー・コ
リHB101宿主から公に入手可能である。該5.0kg断片およ
び該2.1kg断片を結んでpSVCOW7(7.1kb)を得る。
B.pGPFG−IE−PAの構築 実施例2〜6で構築した遺伝子はCHO細胞でのキメラ
糖蛋白の発現に用いることができる。プラスミドpGPFG
−1を以下の実施例で用いる。特に断りのない限り、他
のキメラ遺伝子はpGPFG−1について記載したごとくに
処理する。2工程にてpGPFG−IE−PAの構築体を得る。
まず、pGPFG1からのgpFGcDNAをpSVCOW7に挿入してpGPFG
−PAを得、次いで、サイトメガロウイルスの即時型プロ
モーターを挿入してHRSV−様蛋白の転写を開始させてpG
PFG−IEPAを得る。
工程1.プラスミドpSVCOW7をEcoRIおよびPvuIIで切断
し、BGH遺伝子の3′のほとんどのエクソンのPvuII部位
から3′末端の下流のEcoRI部位まで伸びるウシ成長ホ
ルモンのポリA配列を含有する断片11(600bp)を単離
する。BGHポリA配列の詳しい記載については以下の文
献を参照されたい:(1)BGHゲノミックDNAの同定およ
びキャラクタライゼーションが開示されている、1984年
6月27日に公開された欧州特許出願0112012号:(2)
ウォイチック・アール・ピイら(Woychick,R.P.et a
l)、「正確なポリAについてのウシ成長ホルモン遺伝
子の3′フランキング領域の要件(Requirement for th
e 3′ Flanking Region of the Bovine Growth Hormone
Gene for Accurate Polyadenylation)」、プロシーデ
ィングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA 81:3944〜3948
(1984年7月);およびヌクレオチド配列AATAAAはBGH
遺伝子の3′末端から11ないし30ヌクレオチド上流
(5′末端に向けて)の位置におけるポリアデニレーシ
ョンを特徴付けることを開示する、デイ・アール・ヒッ
グズら(D.R.Higgs,et al)、ネイチャー(Nature)、3
06:398〜400(1983年12月24日)およびそこで引用され
た文献。
pSVCOW7の第2試料をEcoRIおよびBamHIで切断して断
片12(5.8kb)を得る。別法として、断片12はベセスダ
・リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research Labo
ratories)から入手可能な親プラスミドpSV2dhfrからの
EcoRI/BamHI断片から得ることもできる。断片12はpBR32
2からの複製開始点およびイー・コリでのプラスミドの
選択を可能とするイー・コリで発現されるアンピシリン
耐性遺伝子を含有する。また、該断片は、哺乳動物細胞
での発現を可能とする構築体中にマウス・ジヒドロ葉酸
還元酵素cDNAを含有する。スブラマニら(Subramani,et
al)、モレキュラー・アンド・セリュラー・バイオロ
ジー(Mol.Cell.Biol.)1:854〜864(1981)。
プラスミドpGPFG1をHindIIIで切断し(pGPFG−3をHp
aIで消化し)、クレノー酵素で処理し、BamHIで再切断
して断片13(2.2kb)を得、これをゲル単離する。BamHI
部位はFGmRNAの5′非翻訳配列についてコード付けする
cDNAのすぐ上流にあり、HindIII部位はgpFG cDNAの3′
末端近くのPstI部位を数塩基対越えたpUC12ベクター中
にある(pGPFG−3のHpaII部位はFG cDNAの3′末端か
ら95bpのところにある)。
断片11、12および13を結んでpGPFG−PA(8.6kb)を得
るが、これはイー・コリおよびCHO細胞を行き来できる
複製ベクターである。プラスミドpGPFG−PAをイー・コ
リに形質転換する。
工程2.工程2においては、ヒト・サイトメガロウイルス
からの即時型遺伝子プロモーター(CMV I.E.プロモータ
ー)を挿入することによってpGPFG−PAを発現プラスミ
ドpGPFG−IE−PAに変換する。該CMV I.E.プロモーター
はCMVゲノムのPstI消化から得られる。主要即時型遺伝
子(CMV I.E.)を含有するヒト・サイトメガロウイルス
(CMV)ゲノムの領域の制限エンドヌクレアーゼ切断地
図はスティンスキーら(Stinski,et al)、ジャーナル
・オブ・バイロロジー(J.Virol.)、46:1〜14、1983;
ステンベクグら(Stenberg,et al)、ジャーナル・オブ
・バイロロジー(J.Virol.)、49:190〜199、1984;およ
びトムセンら(Thomsen,et al)、プロシーディングズ
・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、81−659〜663、1984に詳
細に記載されている。
該スティンスキーおよびトムセンの文献は、主要即時
型遺伝子についてのプロモーターを含有する2.0キロベ
ースのPstI断片を記載している。この2.0kbPstI断片を
単離し、Sau3AIで消化すると、産物のうちに760塩基対
断片が得られる。この760塩基対断片は、そのサイズ、
および断片内のSacI切断部位およびBalI切断部位の存在
によって他の産物と区別できる。その便利な同定のため
に、このSau3AI断片の利用は、本明細書中に記載するCM
V I.E.プロモーターの好ましい使用方法である。
プラスミドpGPFG−PAをBamHIで切断し、CMV即時型プ
ロモーターを含有するSau3AI断片を適合するBamHI部位
に結ぶ。プロモーターからの転写によりHRSV−様蛋白に
ついてのmRNAが合成されるような向きであるCMVプロモ
ーター断片を含有するプラスミドはプラスミドのSacIで
の切断によって同定できる。得られたプラスミドをpGPF
G−IE−PAと命名するが、これはcDNAの5′末端にCMV
I.E.プロモーターを、および3′末端にBGHポリAシグ
ナルを有する。該プラスミドをCHO細胞へのトランスフ
ェクションまでイー・コリ中で維持する。
C.トランスフェクションおよびCHO細胞の培養 グラハムら(Graham,et al)、「マクロ分子の活性哺
乳動物細胞への導入(Introduction of Nacromolecules
into Viable Mammalian Cells)」、アラン・アール・
リス・インコーポレイテッド(Alan R.Liss Inc.)、ニ
ューヨーク、1980、3〜25頁に記載されているDNAの細
胞へのトランスフェクションについてのリン酸カルシウ
ム法を用い、プラスミドpGPFG−IE−PAをジヒドロ葉酸
還元酵素(dhfr)欠損チャイニーズハムスター卵巣(CH
O)細胞にトランスフェクトする。用いる細胞系は、コ
ロンビア大学のエル・チェイシン(L.Cahsin)から元々
入手可能であり、かつプロシーディングズ・オブ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.
Acad.Sci.)USA77:4216〜4220(1980)に詳細に記載さ
れている突然変異体DXB−11である。トランスフェクシ
ョンについての前記方法は、トランスフェクトしたプラ
スミドを取り込む細胞はもはやdhfr欠損ではなく、ダル
ベッコウの修正イーグル培地+プロリン中で増殖すると
いう事実に基づくものである。
キメラ糖蛋白がアンカー領域を含まない場合は、分泌
されるキメラFG蛋白を発現するCHO細胞からの上清を低
速遠心によて清澄化する。上澄をコンカナバリンA(ま
たはレンチルレクチン)カラムに適用する。前記緩衝液
におけるα−D−メチルグリコシドの直線グラジエント
(0〜0.5M)で十分に洗浄した後、該糖蛋白を溶出させ
る。溶出した糖蛋白を0.1%トリトン(Triton)X−100
を含有するPBSに対して透析し、アフィニティーカラム
に適用する。該アフィニティーカラムは、公知技術によ
ってセファロース4Bビーズ(ファルマシア(Pharmaci
a)、ピスカッタウェイ(Piscataway)、ニュージャー
ジー州)に連結された対HRSVの多クローンまたは単クロ
ーン抗体いずれかよりなる。カラムを透析緩衝液で洗浄
し、HRSV FG糖蛋白を0.1Mグリシン(pH2.5)および0.1
%トリトンX−100を含有するPBSで溶出させる。糖蛋白
を生理食塩水に対して透析し、SDS−PAGEゲル上の電気
泳動によって純度をチェックする。
キメラ糖蛋白がアンカー領域を含有する場合は、該糖
蛋白を発現するCHO細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)
で洗浄し、次いで、0.1%トリトンX−100および1.0%
デオキシコール酸ナトリウムを含有するPBS中で溶解す
る。核をペレット化した後、細胞質抽出物をコンカナバ
リンAカラムに適用し、分泌糖蛋白について前記したご
とくに精製する。
実施例8 ウシ乳頭腫ウイルス(BPV)を用いるHRSV GP
FGの発現 A.イー・コリ中での複製に適した転写不可能発現カセッ
トを含有するクローニングベクターの構築 pTFW8およびpTFW9の構築により、BPVを用いてHRSV蛋
白を発現するための便利な出発物質が提供される。寄託
したプラスミドの転写ターミネーターはHRSV蛋白の発現
を阻止し、単一工程での切り出しおよび結びによって除
去しなければならない。
1.PTFW8の構築 プラスミドpdBPV−MMTneo(342−12)は、モレキュラ
ー・アンド・セリュラー・バイオロジー(Mol.and Cel
l.Biol.)、3巻(11号):2110〜2115(1983)に記載さ
れており、米国、メリーランド州、ベセスダ、ナショナ
ル・キャンサー・インスティテュート(National Cance
r Institute)のピーター・ホーレイ(Peter Howley)
から入手できる。プラスミドpdBPV−MMTneo(342−12)
は3つの部分:唯一のBamHI部位で開いた完全なBPV−1
ゲノム(100%);pML2(pBR322の「ポイズン−マイナス
(poison−minus)」誘導体);ならびにマウス・メタ
ロチオネインI遺伝子プロモーター、Tn5のネオマイシ
ンホスホトランスフェラーゼII遺伝子、およびシミアン
ウイルス40の初期領域転写プロセッシングシグナルより
なる転写カセットからなる。まず、プラスミドpdBPV−M
MTneo(342−12)をBamHIで消化して、単離かつ後の挿
入のために保存したBPV配列を除去する。T4リガーゼを
用いて残存する断片を再度結んでpMMpro.nptII(6.7k
b)を得る。BPVゲノムの除去により、残存するプラスミ
ド中に唯一の制限部位を生じさせることによって後の遺
伝子操作が容易となる。組換が完了すると、BPVゲノム
を置き換える。
プラスミドpMMpro.nptIIをBglIIで消化し、唯一の制
限部位を含有する合成DNA断片14を挿入し、T4リガーゼ
を用いて結び、pTFW8(6.7kb)を得る。プラスミドpTFW
8は、マウスメタロチオネインI遺伝子プロモーターお
よびネオマイシン耐性遺伝子間の唯一の制限部位の挿入
を除いてpMMpro.nptIIと同一である。
2.pTFW9の構築 プラスミドpTWF9はメタロチオネインI遺伝子プロモ
ーターおよびネオマイシン耐性遺伝子間に挿入されたフ
ァージラムダからの転写ターミネーターTIを含有する。
該転写ターミネーターは米国、メリーランド州、ベセス
ダのナショナル・キャンサー・インスティテュート(Na
tional Cancer Institute)のドナルド・コート(Donal
d Court)氏から入手できる。該転写ターミネーター
は、TIがグアネロスら(Guarenos et al)、PNAS、79:2
38〜242(1982)に記載されているsib3突然変異を担持
する以外は、ジーン(Gene)、28:343〜350(1984)に
記載されているpUS6と同一であるpKG 1800sib3中にて供
給される。ファージラムダの通常の感染過程の間、TI
ーミネーターは、PLからのバクテリオファージλ int遺
伝子発現の抑制、およびPIに由来するint遺伝子転写の
停止にて機能する。AluIおよびPvuIを用いて該ターミネ
ーターを断片15(1.2kb)としてpKG1800sib3から切り出
し、これをゲル単離し、断片のいずれかの末端にXhoIリ
ンカーを位置させる。該リンカーは米国、マサチューセ
ッツ州、ベバレイ(Beverly)、ニュー・イングランド
・バイオラブズ(New England Biolabs)から入手可能
である。次いで、XhoI相補末端と結合したターミネータ
ー断片を、予めXhoIで消化したpTWF8に挿入する。プラ
スミドpTWF9はブダペスト条約に従って寄託した。プラ
スミドpTWF9をイー・コリ宿主中で維持するが、これは1
986年11月17日に米国、イリノイ州、ペオリア、ノーザ
ン・リージョナル・リサーチ・センターに寄託し、NRRL
B−18141の受託番号が付された。
B.pTFW/GPFGの構築 実施例2〜6で構築した遺伝子はBPVを用いるキメラ
糖蛋白の発現で用いることができる。プラスミドpGPFG
−1を本実施例で用いる。特に断りのない限り、他のキ
メラ遺伝子はpGPFG−1について記載したごとくに処理
する。pTWF/GPFGを構築するには、pTWF1をBamHIおよびH
indIIIで消化する(pGPFG−3はBamHIおよびHpaIIで消
化する)。その末端をクレノー酵素で平滑とし、合成Bg
lIIリンカー(ニュー・イングランド・バイオラブズ)
をクローンの末端に結ぶ。該DNAをBglIIで消化し、断片
16(2.2kb)とする。次いで、gpFG遺伝子(2.2kg)を含
有する断片16をゲルから単離する。精製した断片を、予
めBglIIで消化したpTFW6に結んでpTFW/GPFG(10.1kb)
を得る。
C.pTFE−GPFGの原核生物発現ベクターへの変換 実施例8Aの工程aにおいてHamHIで切り出した100%完
全なBPV−1ゲノムを再挿入することによってプラスミ
ドpTFW/GPFGを原核生物発現ベクターに変換する。プラ
スミドpTFW/GPFGをBamHIで切断し、BPV−1無傷ゲノ
ム、7.9kb断片を挿入してpTFW/GPFG/BPV*(18.0kb)を
得、これを原核生物細胞による糖蛋白FGの産生が所望さ
れるまでイー・コリ中で複製する。
D.マウスC127細胞におけるgpFGの発現 マウスC127細胞へのトランスフェクションに先立ち、
pTFW/GPFG/BPV*をXhoIで消化してTIターミネーターを
切り出し、T4 DNAリガーゼで再び結ぶ。得られたプラス
ミドpTFW/GPFG/BPV(16.9kb)は、今や、培地中に分泌
されるgpFGの高レベル発現を指令する。C127細胞はアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手可
能であり、10%胎児ウシ血清を含有するダルベッコウの
修正最小必須培地で増殖させる。C127細胞の培地中での
gpFG蛋白の濃度は抗−RSV抗体および125I−標識蛋白で
のウェスタン・ブロット実験で測定する。
HRSV gpFGを実施例7に記載したごとくに培地または
細胞から精製する。
実施例9 バクロウイルスを用いるHRSV GPFGの発現 以下の実施例は昆虫細胞培養での糖蛋白の発現に関す
る。すべての手順は、カレッジ・オブ・アグリカルチャ
ー(College of Agriculture)、テキサス・アグリカル
チュラル・エクスペリメンタル・ステイション(Texas
Agricultural Experiment Station)、テキサス・アグ
リカルチュラル・エクステンション・サービス(Texas
Agricultural Extension Service)、テキサス州によつ
て1986年に発行されたサマーズ・エム・デイおよびスミ
ス・ジイ・イー(Summers,M.D.and Smith)、バクロウ
イルスベクター類および昆虫細胞培養法のマニュアル
(A Manual for Bacrovirus Vectors and Insect Cell
Culture Procedures)に詳細に記載されている。出発プ
ラスミドpAc373(7.1kb)はオートグラファ・カリフォ
ルニカ核多角体ウイルス(AcNPV)についてのポリヘド
ロンプロモーターからすぐ下流の唯一のBamHI部位を有
する一般的なバクロウイルス発現ベクターである。該ポ
リヘドロン蛋白はウイルス感染およびin vitroでの複製
にとって必須でないマトリックス蛋白である。該プラス
ミドは、テキサス77843、カレッジ・ステーション(Col
lege Station)、テキサスA&M大学、昆虫学講座のマ
ックス・サマーズ(Max Summers)教授から入手でき、
モレキュラー・アンド・セリュラー・バイオロジー(Mo
lecular and Cell.Biology)、3(12):2156〜2165(1
983)に詳細に記載されている。
A.pAcGPFGの構築 実施例2〜6で構築した遺伝子をバクロウイルスをも
いるキメラ糖蛋白の発現に用いることができる。プラス
ミドpGPFG−1を本実施例で用いる。特に断りのない限
り、他のキメラ遺伝子をpGPFG−1について記載したご
とくに処理する。プラスミドpGPFG1をHindIIIで消化し
(pGPFG−3はHpaIIで消化する)、クレノー酵素で末端
を平滑とする。合成BamHIリンカー(ニュー・イングラ
ンド・バイオラブズ)を該DNAの末端に結ぶ。該DNAをBa
mHIで消化し、gpFG遺伝子を含有する断片17(2.2kb)を
ゲルから単離する。精製した断片を、予めBamHIで消化
したpAc373に結ぶ。
B.エス・フルギペルダ(S.Frugiperda)のトランスフェ
クションおよび培養 pAcGPFGのgpFG cDNAインサートをエス・フルギペルダ
における共トランスフェクションによって天然AcNPV DN
Aで組み換える。エス・フルギペルダ(SF9;ATCC CRL171
1)をディフコ(Difco)ラクトアルブミン加水分解物お
よび酵母分解物を補足したグレース培地(ジブコ・ラブ
(Gibco Lab.)、リボニア(Livonia)、ミシガン州481
50)、10%胎児ウシ血清で培養する。該細胞を各々1μ
g/mlおよび2μg/mlにてAcNPV DNAおよびpAcGPFGで共ト
ランスフェクトする。培地を収集し、低速遠心によって
細胞物質を除去することによってウイルス粒子を得る。
次いで、ウイルス含有培地を用いてエス・フルギペルダ
を感染させる。天然ウイルスDNAおよび糖蛋白FGについ
てコード付けするcDNAで組み換えたDNA双方を包含する
これらのウイルス粒子を用いてエス・フルギペルダを引
き続いて感染させ、ポリヘドロン蛋白の代わりにHRSV蛋
白を発現するいくらかの細胞を得る。組換体ウイルスの
精製はエス・フルギペルダ細胞を含有する96−ウェル組
織培養プレートにおける一連の制限希釈平板培養(limi
ted dilution plating)によって達成される。ニックト
ランスレーションによって32−P−dCTPで標識したpGPF
G1をプローブとして用いるドットブロットハイブリダイ
ゼーションによって、組換体ウイルスを含有するウェル
を検出する。充分に純粋ならば、該組換体ウイルスはそ
の唯一の閉塞−陰性プラーク形態によって検出される。
組換体バクロウイルス感染細胞で合成されたHRSV蛋白は
抗−RSV抗体および125I−標識蛋白A(アメルスハム・
コーポレーション(Amersham Corp.)でのウェスタンブ
ロット法によって検出される。
該HRSV蛋白を実施例7に記載したごとくに培養培地ま
たは細胞から精製する。
実施例10 天然多角体リーダー配列を含有するpAcGPFG
の構築 実施例8に記載したプラスミドpAc373は多角体リーダ
ーの−8位にBamHIリンカー配列を含有するので、外来
性遺伝子の挿入が容易である。しかしながら、多角体リ
ーダー配列のこの破壊は天然多角体リンカーで可能なよ
りも低レベルの挿入遺伝子の発現に導きかねない。以下
に記載するのは天然多角体リーダー配列をHRSV FG遺伝
子の開始コドンに連結する方法である。実施例2〜6で
構築した遺伝子をキメラ糖蛋白の発現用の本実施例で用
いることができる。プラスミドpGPFG−1を本実施例で
用いる。他のキメラ遺伝子はpGPFG−1について記載し
たごとくに処理する。
A.pAcGPFG−2の調製 プラスミドpAcGPGF(実施例8)をEcoRIおよびPstIで
消化する。EcoRIは多角体リーダー配列を−93位で切断
するが、PstIはHRSV FGコーディング配列を該FGコーデ
ィング配列の+50、636、および+1701位で、およびFG
遺伝子の3′末端に隣接するpUC12ポリリンカー領域で
切断する。該DNAを1%アガロースゲルにて電気泳動に
付し、主として該プラスミドpAc373を含有する大きな断
片(9.8kb)をゲルから精製する。
0位(開始コドンのヌクレオチドA)から+50位(Ps
tI切断部位)のFG遺伝子に連結した−93位(EcoRI切断
部位)から−1位の多角体クーダー配列よりなるオリゴ
ヌクレオチドを合成し、組み立てる。この配列の長さの
ため、該DNAをいくつかのオリゴヌクレオチドとして合
成し、次いで、これらを一緒に結ぶ。無傷オリゴヌクレ
オチドを前記調製の該9.8kb断片に結ぶ。該DNAをイー・
コリHB01に形質転換する。新しいプラスミド(pAcGPFG
−2)を含有するクローンを単離し、新しく合成した領
域をマキサム−ギルバート配列決定法によって正しいこ
とを確認する。
B.pAcGPFG−2へのFG遺伝子の挿入 プラスミドpGPFG−1(実施例2)をPstIで部分的に
消化する。PstIはFGコーディング配列の+50、+636、
および+1701位で、およびFG遺伝子の3′末端に隣接す
るpUC12ポリリンカー領域で切断する。該DNAを1.2%ア
ガロースゲルにて電気泳動に付す。ほぼ無傷のFG遺伝子
(pUC12ポリリンカーにおけるFG位置+50ないしPstI部
位)に対応する2.2kb断片を該ゲルから精製する。次い
で、該2.2kb断片を、予めPstIで消化したプラスミドpAc
GPFG−2に結ぶ。該DNAをイー・コリHB101に形質転換す
る。クローンを単離し、2.3kb断片を生じるEcoRIおよび
SspIでの消化によってFG遺伝子の正しい向きをチェック
する。前記遺伝子を実施例8に記載したごとくにHRSVキ
メラFG糖蛋白の発現用のバクロウイルスゲノムに挿入す
る。
実施例11 ワクチンの調製 免疫原はよく知られた手法によってワクチン投与形態
に調製できる。該ワクチンは、筋肉内、皮下または鼻孔
内投与できる。筋肉内注射のごとき非経口投与について
は、免疫原を適当な担体と組み合わせることができる。
例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫
酸アルミニウムカリウム(alum)、硫酸ベリリウム、シ
リカ、カオリン、カーボン、油中水型エマルジョン、水
中油型エマルジョン、ムラミルジペプチド、細菌エンド
トキシン、リピドX、コリネバクテリウム・パルバム
(Corynebacterium parvum)(プロピオノバクテリウム
・アクネス(Propionobacterium acnes))、ボルデテ
ラ・ペルトゥシス(Bordetella pertussis)、ポリリボ
ヌクレオチド、アルギン酸ナトリウム、ラノリン、リソ
レクチン、ビタミンA、サポニン、リポソーム、レバミ
ソール、DEAE−デキストラン、プロックコポリマーまた
は他の合成アジュバントのごとき種々のアジュバントま
たは免疫調節剤とともにまたはそれ無しで、水、生理食
塩水または緩衝液中にて投与できる。かかるアジュバン
トは種々の源から商業的に入手可能である。例えばメル
ク・アジュバント(Merk Adjuvant)65(メルク・アン
ド・カンパニー・インコーポレイテッド(Merk and Com
any,Inc.)、ラウェイ(Rahway)、ニュージャージー
州)。
免疫原およびアジュバントの割合は、両者を有効量で
存在させる限り、広い範囲にわたって変更できる。例え
ば、水酸化アルミニウムはワクチン混合物の約0.5%の
量(Al2O3ベース)で存在させることができる。用量ベ
ース当たりでは、免疫原の濃度は患者体重1kg当たり約
0.015μgないし約1.5mgの範囲とできる。好ましい用量
範囲は約1.5μg/kgないし約0.15mg/kg患者体重である。
ヒトにおける適当な用量サイズは約0.1〜1ml、好ましく
は約0.1mlである。従って、例えば、筋肉内注射につい
ての用量は0.5%水酸化アルミニウムと混合した免疫原
を含有する0.1mlよりなる。
ワクチンは妊婦または子供をもつ年令の婦人に投与で
きて、母児抗体を刺激できる。該女性には、必要に応じ
て再度ワクチン接種できる。幼児には、母児抗体の枯渇
の後2ないし3カ月令にてワクチン接種でき、免疫系の
成熟の後、必要に応じて、好ましくは6ないし9カ月令
にて再度ワクチン接種できる。ワクチン接種しなかった
母親から生まれた赤ん坊には2ないし3カ月令にてワク
チン接種できる。また、該ワクチンは年のいったまたは
衰弱した患者のごとき他の罹患集団においても有用であ
る。
また、該ワクチンを他の病気のための他のワクチンと
組み合わせて多価ワクチンを得ることもできる。また、
抗生物質のごとき他の薬剤と組み合わせることもでき
る。
チャート1 pGPF2の組み立て (a)プラスミドpF5−25をPstIで切断し、断片1(1.9
kb)をゲル単離する。
(b)プラスミドpUC12(2.7kb)をPstIで切断して断片
2を得、これをゲル単離する。
(c)断片1および2を結んでpGPF2(4.6kb)を得、こ
れをイー・コルに形質転換する。
AmpR=アンピシリン耐性 T=グアノシン/シトシン・テール F=糖蛋白F チャート2 pGPF3およびpGPF4の構築 (a)プラスミドpGPF2をXbaIで切断し、細菌アルカリ
性ホスファターゼで処理し、SalIで再切断し、クレノー
酵素で処理して断片3を得る。
(b)ランダムエキソヌクレアーゼを用いて断片3をSa
lI部位から下流を消化し、残存する3′テールを、GpF
cDNAの以下の配列: を有するリーダー配列の5′部分に相補的な合成オリゴ
ヌクレオチドにハイブリダイズする。
(c)合成オリゴヌクレオチドから下流のcDNA3′の一
本鎖部分をクレノー酵素を用いて満たし、T4リガーゼを
用いて末端を結んでpGPF3(4.6kb)を得る。
(d)プラスミドpGPF3をHindIIIで切断し、Bal 31で処
理してgpF cDANAの3′末端のG−Cヌクレオチドテー
ルを消化する。gpF cDNAをBamHIで切断し(1.7kb)、ゲ
ルから単離し、PUC12のBamHI/HincII消化物に再度結ん
でpGPF4(4.4kb)を得る。
AmpR=アンピシリン耐性 T=グアノシン/シトシン・テール F=糖蛋白F チャート3 キメラFG糖蛋白遺伝子の構築 (a)プラスミドG2B−16をDdeIおよびFoKIで消化し、
クレノー酵素で末端を平滑とする。該DNAを1.5%アガロ
ースゲルにて電気泳動に付し、断片4(550bp)をアガ
ロースから精製する。
(b)プラスミドpGPF−4(チャート2)をNsiIで消化
する。T4 DNAポリメラーゼで末端を平滑とし、細菌アル
カリ性ホスファターゼで脱リン酸化する。次いで、断片
4を該プラスミドに結んでpGPFG−1(5.0kb)を得る。
AmpR=アンピシリン耐性 TcR=テトラサイクリン耐性 T=グアノシン/シトシン・テール G=G糖蛋白についてのDNA配列 F=F糖蛋白についてのDNA配列 Term=翻訳停止シグナル チャート4 FGのリーディングフレームを調製するためのリンカーの
使用 (a)プラスミドG2B−16をHphIで消化し、T4 DNAポリ
メラーゼで末端を平滑とする。SalIリンカーをcDNAの末
端に結ぶ。該DNAをSalIで消化し、断片5(410bp)をゲ
ル精製する。
(b)プラスミドGPF4(チャート2)をNsiIで消化し、
T4 DNAポリメラーゼで末端を平滑とする。SalIリンカー
をcDNAの末端に結ぶ。該DNAをSalIで消化し、プラスミ
ド(4.4kb)をゲル単離する。次いで、断片5を該ゲル
精製GPF4に結んでpGPFG−2を得る。
AmpR=アンピシリン耐性 TcR=テトラサイクリン耐性 T=グアニジン/シトシン・テール F=F糖蛋白についてのDNA配列 G=G糖蛋白についてのDNA配列 L=SalIリンカー Term=翻訳停止シグナル チャート5 種々の長さのFG遺伝子を生じさせるためのオリゴヌクレ
オチドの使用 (a)オリゴヌクレオチドAはオリゴヌクレオチド1
(36bp)よりなるか、またはオリゴヌクレオチド1およ
び2を一緒に結ぶ(81bp)。オリゴヌクレオチドBはオ
リゴヌクレオチド3(80bp)よりなるか、またはオリゴ
ヌクレオチド3および4を一緒に結ぶ(164bp)。オリ
ゴヌクレオチドCはオリゴヌクレオチド5(60bp)から
なるか、またはオリゴヌクレオチド5および6を一緒に
結ぶ(120bp)か、あるいはオリゴヌクレオチド5、
6、および7を一緒に結ぶか(189bp)、あるいはオリ
ゴヌクレオチド5、6、7、および8を一緒に結ぶ(25
8bp)。オリゴヌクレオチドA、B、およびCをゲル精
製する。
(b)プラスミドGPF−4をNsiIで消化し、オリゴヌク
レオチドAをNsiI部位に結ぶ。該DNAをHindIIIで消化
し、該プラスミドを再度結んでpGPF−5を得る。
(c)プラスミドG2B−16をHinfIおよびXhoIIで消化
し、断片6(277bp)をゲル単離する。
(d)オリゴヌクレオチドBおよびCを結んで断片6を
得る。該DNAをHindIIIで消化し、断片7をゲル精製する
(断片7の長さはオリゴヌクレオチドBおよびCないに
含有されるオリゴヌクレオチドに応じて417bpから700bp
まで変わる)。
(e)プラスミドGPF−5をHindIIIで消化し、細菌アル
カリ性ホスホファターゼで脱リン酸化する。次いで、断
片7をpGPF−5のHindIII部位に結んでpGPFG−3を得
る。
AmpR=アンピシリン耐性 F=F糖蛋白のDNA配列 G=G糖蛋白のDNA配列 A=オリゴヌクレオチドA B=オリゴヌクレオチドB C=オリゴヌクレオチドC Term=翻訳停止シグナル チャート6 アンカー領域を含有するFG遺伝子の構築 (a)プラスミドG2B−16をDdeIおよびFoKIで消化す
る。オリゴヌクレオチド9および10を該DNAの末端に結
ぶ。該DNAをNsiIで消化し、断片8(550bp)をゲル単離
する。
(b)プラスミドGPF−4をNsiIで消化し、断片8を該N
siI部位に結んでpGPFG−4を得る。
AmpR=アンピシリン耐性 TcR=テトラサイクリン耐性 T=グアノシン/シトシン・テール F=F糖蛋白についてのDNA配列 G=G糖蛋白についてのDNA配列 9=オリゴヌクレオチド9 10=オリゴヌクレオチド10 A=F糖蛋白のアンカー領域についてコード付けするDN
A配列 Term=翻訳停止シグナル チャート7 GFキメラ遺伝子の構築用G遺伝子の調製 (a)プラスミドG2B−16をNlaIIIおよびFoKIで消化す
る。オリゴヌクレオチド11および12を該DNAの末端に結
び、断片9(850bp)をゲル単離する。
(b)プラスミドpUC12をBamHIおよびSalIで消化し、細
菌アルカリ性ホスファターゼで脱リン酸化する。断片9
を該プラスミドに結んでpGPG−1を得る。
AmpR=アンピシリン耐性 TcR=テトラサイクリン耐性 T=グアノシン/シトシン・テール G=G糖蛋白についてのDNA配列 11=オリゴヌクレオチド11 12=オリゴヌクレオチド12 チャート8 G cDNAのpGPG−1への挿入 (a)プラスミドF5−25をXhoIIおよびNsiIで消化す
る。オリゴヌクレオチド13および14を該DNAの末端に結
ぶ。該DNAをSalIで消化し、断片10(960bp)をゲル単離
する。
(b)PGPF−1をSalIで消化し、細菌アルカリ性ホスフ
ァターゼで脱リン酸化する。次いで、断片10を該プラス
ミドに結んでpGPGF−1を得る。
AmpR=アンピシリン耐性 TcR=テトラサイクリン耐性 T=グアノシン/シトシン・テール G=G糖蛋白についてのDNA配列 F=F糖蛋白についてのDNA配列 11=オリゴヌクレオチド11 12=オリゴヌクレオチド12 13=オリゴヌクレオチド13 14=オリゴヌクレオチド14 Term=翻訳停止シグナル チャート9 糖蛋白FG
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12P 21/02 C12N 5/00 B (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:92)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シグナル配列およびヒト呼吸系シンシチウ
    ムウイルス糖蛋白FおよびG双方からの少なくとも1つ
    の免疫原生断片よりなることを特徴とするポリペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】シグナル配列およびヒト呼吸系シンシチウ
    ムウイルス糖蛋白FおよびG双方からの少なくとも1つ
    の免疫原性断片よりなることを特徴とするヒト・ワクチ
    ン。
  3. 【請求項3】ヒト呼吸系シンシチウムウイルスからヒト
    を保護する医薬品を調製するための、シグナル配列およ
    びヒト呼吸系シンシチウムウイルス糖蛋白FおよびG双
    方からの少なくとも1つの免疫原性断片よりなるワクチ
    ンの使用。
  4. 【請求項4】シグナル配列およびヒト呼吸系シンシチウ
    ムウイルス糖蛋白FおよびG双方からの少なくとも1つ
    の免疫原性断片からなるポリペプチドを発現できるDNA
    配列を含有する適当な宿主よりなる発現系。
  5. 【請求項5】ヒト呼吸系シンシチウムウイルス糖蛋白F
    およびG双方からの少なくとも1つの免疫原性断片から
    なることを特徴とするポリペプチド。
  6. 【請求項6】ヒト呼吸系シンシチウムウイルス糖蛋白F
    およびG双方からの少なくとも1つの免疫原性断片より
    なることを特徴とするヒト・ワクチン。
  7. 【請求項7】ヒト呼吸系シンシチウムウイルスからヒト
    を保護する医薬品を調製するための、ヒト呼吸系シンシ
    チウムウイルス糖蛋白FおよびG双方からの少なくとも
    1つの免疫原性断片よりなるワクチンの使用。
JP63509171A 1987-12-23 1988-10-31 ヒト呼吸系シンシチウムウイルスの糖蛋白類の免疫原性セグメントを含有するキメラ糖蛋白類 Expired - Lifetime JP2716503B2 (ja)

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