JP2716429B2 - 車輛用の圧力媒体で操作されるブレーキ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、特許請求の範囲第１項の上位概念に記載の
形式の、車輛用の圧力媒体で操作される、特に空気力式
のブレーキ装置に関する。 従来の技術 ABS・ブレーキ装置とも呼ばれる公知の液力式のブレ
ーキ装置のばあい、各ホイールブレーキシリンダに、電
子調整装置内で生ぜしめられる切換え信号によって切換
えられる３ポート３位置方向制御電磁弁として構成され
た圧力制御弁が、配属されている。制動作用を導入する
ことによって、前記電磁弁は圧力形成位置に切換えられ
るので、ブレーキペダルを介して制御されたブレーキ圧
力がブレーキシリンダ内で形成される。センサは車輪回
転数を検出しかつ適当な電気的なセンサ信号を電子調整
装置に与える。電子調整装置はこのセンサ信号を、電磁
弁の圧力維持位置又は圧力形成位置又は圧力減少位置に
切換える切換え信号に変換する。調整のために多数の切
換え動作を必要とするこのようなブレーキシステムは液
力式のブレーキのためにはほぼ許容できる。これに対し
て空気力式のブレーキのばあい、電磁弁の極めて頻繁に
行われる切換え動作に基づき、比較的多量の空気が消費
される。この場合このような調整装置においては、圧力
制御のために検出された車輪速度のみが利用されひいて
はロック傾向に関連してもしくはロック傾向の消減に関
連してツー・ポジション（ステップ）・調整装置の形式
で圧力が形成又は減少されることによって、多くの切換
え動作が生じる。また空気力式のブレーキのばあい圧力
減少の際に生ずる騒音は大きくひいては煩わしいものと
なる。 発明が解決しようとする課題 従って本発明の課題は公知のブレーキ装置から出発し
て、最初の切換え動作の際に既にブレーキ圧力を目標値
に極めて近い値に調節できひいては、スリップ限界もし
くは減速限界で作業しひいては車輪不安定状態が生じて
いる間目標値を中心としたブレーキ圧力振動を生ぜしめ
る公知の調整装置のばあいに必要であるような多くの切
換え動作を行わずに済むように、ブレーキ装置を改良す
ることにある。 このばあい所要の弁切換えによるこのようなブレーキ
圧力振動に基づき、不都合な騒音が発生しかつ空気力式
のブレーキのばあい多量の空気が消費される。それとい
うのも、空気力式のブレーキのばあい圧力減少時に圧力
空気が大気中に放出されるからである。 課題を解決するための手段 前記課題は本発明によれば、特許請求の範囲第１項の
特徴部分に記載の構成の本発明によるブレーキ装置によ
って解決された。 実施例 第１図で概略的に図示された自動車の空気力式のブレ
ーキ装置は貯蔵タンク10を有していて、この貯蔵タンク
は空気圧縮器11から圧力調整弁12を介して貯蔵空気によ
つてシステム圧力p_Sysで充填される。貯蔵タンク10に
は、この場合３ポート３位置方向制御電磁弁として構成
されている圧力制御弁13を介してブレーキシリンダ14が
接続されていて、該ブレーキシリンダのブレーキピスト
ン15は機械的なブレーキロツド16を介して自動車の車輪
のブレーキシユー17に作用している。ブレーキシリンダ
14内でブレーキ圧力を制御するばあいブレーキピストン
15が移動させられる。これによつてブレーキロツド16を
介してブレーキシユー17が車輪のブレーキドラム18に圧
着される。 概略的に示したブレーキ装置において明瞭にするため
にブレーキシユー17を有する単一のブレーキドラム18だ
けが図示されている。周知のように各車輪にはブレーキ
シリンダと圧力制御弁とが配属されているので、貯蔵タ
ンク10には全体としてそれぞれ１つの圧力制御弁13とブ
レーキシリンダ14とを有する４つのブレーキ回路部分が
接続される。時として後輪のブレーキシリンダを単一の
圧力制御弁に接続することができる。このばあい３つの
ブレーキ回路部分が設けられる。 貯蔵タンク10の出口部にはシステム圧力P_Sysを検出す
る圧力センサ19がかつ各ブレーキシリンダ14にはブレー
キシリンダ内の実際ブレーキ圧力を検出する圧力センサ
20が配置されている。圧力センサ19,20は圧力・入力信
号を適当な電気的な出力信号に変換し、この出力信号は
電子調整装置21に供給される。更に電子調整装置21には
圧力変換器22の出力部が接続されていて、この圧力変換
器は常用ブレーキのブレーキペタル23に連結されていて
かつブレーキペダル23の位置を電気的なブレーキ圧力信
号p_Bremsに変換する。更に電子調整装置には制動過程時
に考慮すべき、自動車の動的特性値に関する別の測定信
号、例えば車輪回転数ｎ又は軸荷重Ｌを供給できる。前
記測定信号は適当なセンサによつて検出されかつ通常制
動パラメータと呼ばれる。 圧力制御弁13は自体周知でありかついわゆるABS・弁
と呼ばれる。圧力制御弁13は一方では貯蔵タンク10にか
つ他方ではブレーキシリンダ14に接続されていてしかも
附加的に排気出口を有している。３つの切換え位置のう
ち中央の切換え位置はブレーキシリンダ14内で制御され
るブレーキ圧力を維持するために用いられ、このために
この切換え位置では弁流入部および弁流出部が密に閉鎖
される。圧力制御弁の外側の一方の切換え位置ではブレ
ーキシリンダ14は貯蔵タンク10に接続され、これにより
ブレーキシリンダ14内の圧力は最大システム圧力p_Sysに
まで形成することができ、かつ、外側の他方の切換え位
置ではブレーキシリンダ14は弁入口部を閉鎖した状態で
排気出口に接続され、これによりこの切換え位置でブレ
ーキシリンダ内の圧力はブレーキシリンダを完全に排気
するまで減少させられる。 圧力制御弁13を切換えるために圧力制御弁の磁気コイ
ル131,132のそれぞれ一方が電子調整装置21から励磁電
流を供給される。このために電子調整装置21は切換え信
号発生器24を有していて（第２図参照）、この切換え信
号発生器は所定の調節又は切換え時間t_ein中に圧力制御
弁13の両磁気コイル131,132の一方に、圧力制御弁13が
基本位置“圧力維持”から圧力形成位置又は圧力減少位
置に切換えられるかに応じて、切換え信号をかける。切
換え時間t_einは計算ユニツト25によつて与えられる。こ
の計算ユニツト25には第１のアナログ・デジタル変換器
（A/D・変換器）26を介してブレーキシリンダ14内の実
際ブレーキ圧力を表わす、圧力センサ20から供給される
実際圧力信号ｐおよび第２のアナログ・デジタル変換器
27を介して制御された目標ブレーキ圧力を表わす電気的
な目標圧力信号p_sollが供給される。目標圧力信号p_soll
は目標ブレーキ圧力・設定装置28によつて電気的なブレ
ーキ圧力信号p_Brems、車輪回転数ｎおよび軸荷重Ｌに関
連して生ぜしめられ、これはすでに述べたように、ブレ
ーキペダル23の位置、車輪回転数および軸荷重のための
尺度を成す。 計算ユニツト25は記憶装置29と計算機構30と切換え接
点311,312を備えた切換えスイツチ31とを有している。
記憶装置29内には圧力形成のための第１の圧力・時間関
数および圧力減少のための第２の圧力・時間関数がデジ
タルの支持値として記憶されている。両圧力・時間関数
はそれぞれ圧力制御弁を完全に励磁した状態で圧力制御
弁13とブレーキシリンダ14とこれらを接続するブレーキ
導管とから成る調整区間における時間的な圧力経過を現
わしている。この圧力・時間関数は第３図で圧力形成
“形成”および圧力減少“減少”のために図示されてい
る。記憶装置29の入力部にかけられる、実際圧力信号ｐ
と目標圧力信号p_sollとの瞬間値の各対偶のために、記
憶装置29内で記憶された圧力・時間関数に相応して記憶
装置の両出力部291,292にはそれぞれ圧力形成のために
および圧力減少のために適用される切換え時間ｔ′_ein
がかけられる。このことは第３図の線図で図示されてい
る。両圧力・時間関数は計算ユニツト25の学習段階で捕
足されかつ記憶される。このために入口側で貯蔵タンク
10のシステム圧力p_Sysによつて負荷される圧力制御弁13
は時点ｔ＝０で圧力形成位置にかつブレーキシリンダ14
内でシステム圧力p_Sysに達した後で圧力減少位置に切換
えられる。時間的な圧力経過は所定の時間間隔で検出さ
れかつ検出値は支持値として検出時間に関連して記憶装
置内に記憶される。 計算機構30は矢張り切換え時間ｔ^＊ _einを計算し、こ
の切換え時間は短い切換え時間に該当しかつ圧力制御弁
13の動的特性を考慮している。この切換え時間ｔ^＊ _ein
は圧力形成に関しては次の計算公式： ｔ^＊ _ein＝c_p（ｐ）・（ｐ−p_soll）＋c_T（ｐ）・Ｔ ＋c_s・p_Sys＋c_o（ｐ） によりかつ圧力減少に関しては次の計算公式： ｔ^＊ _ein＝ｃ′_ｐ（ｐ）・（ｐ−p_soll）＋ｃ′（ｐ）
・Ｔ ＋ｃ′_ｓ・p_Sys＋ｃ′_ｏ（ｐ） により計算され、このばあいＴは圧力制御弁13の磁気コ
イルの温度であり、かつ、フアクタc_p,c′_p,c_T,c′_T,
c_o,c′_ｏはブレーキシリンダ14内の圧力レベルに関連し
ていて、このことはカツコ内に示したｐによつて表わさ
れている。適当な計算作業を実施するために計算機構30
には実際圧力信号ｐ、目標圧力信号p_soll、圧力センサ1
9から発せられる電気的な圧力信号p_Sysおよび圧力制御
弁13の磁気コイル131,132の温度に相応する電気的な信
号Ｔが供給される。フアクタｃ（ｐ）は計算機構30内に
記憶された支持値から場合によつては補間法を用いて規
定される。計算機構30の出力部301,302には、計算機構
の入力部にかけられる実際圧力信号ｐと目標圧力信号p
_sollとの瞬間値の各対偶のために圧力形成もしくは圧力
減少に該当する切換え時間ｔ^＊ _einがかけられる。 切換えスイツチ31は切換え位置に応じて記憶装置29の
出力部291,292および計算機構30の出力部301,302を計算
ユニツト25のそれぞれ１つの出力部32,33に接続するの
で、出力部32には圧力形成又は圧力減少に適用される静
的な切換え時間ｔ′_einがかつ出力部33には圧力形成又
は圧力減少に適用される動的な切換え時間ｔ^＊ _einがか
けられる。切換えスイツチ31は符号検出器34によつて制
御され、この符号検出器34は実際圧力信号と目標圧力信
号との瞬間値との差の符号を検出しかつ符号に応じて切
換えスイツチ31の切換え接点311,312を一方の切換え位
置又は他方の切換え位置に切換える。符号検出器はコン
パレータ35として構成されていて、このコンパレータの
反転した入力部は目標圧力・設定装置28の出力部にかつ
反転してない入力部は電子調整装置21の実際圧力信号入
力部36に接続されている。コンパレータの出力部は切換
えスイツチ31の制御入力部に接続されていて、前記切換
えスイツチは当然電気的なスイツチであるが、本実施例
では機械的なスイツチとして概略的に示されている。目
標圧力信号p_sollの瞬間値が実際圧力信号ｐの瞬間値よ
りも大きいばあいには、切換え接点311,312は第２図で
図示された位置をとる。反対に目標圧力信号p_sollの瞬
間値が実際圧力信号ｐの瞬間値よりも小さいばあいには
（所要の圧力減少の特性を示す）、切換えスイツチの切
換え接点311,312は別の切換え位置に切換えられる。 電子調整装置21は更に選択装置37を有していて、この
選択装置は実際圧力信号ｐと目標圧力信号p_sollとの瞬
間値の差の値に関連して、計算ユニツト25の出力部32に
かけられる静的な切換え時間ｔ′_ein又は計算ユニツト2
5の出力部33にかけられる動的な切換え時間ｔ^＊ _einを圧
力制御弁13用の切換え信号を発生させるための切換え信
号発生器24に供給する。選択装置37は差形成器38と差形
成器に後置された値形成器39と値形成器の出力部に接続
されたコンパレータ40とコンパレータ40によつて制御さ
れる選択スイツチ41とから成つている。差形成器38は一
方では電子調整装置21の実際圧力信号入力部36にかつ他
方では目標ブレーキ圧力・設定装置28の出力部に接続さ
れている。コンパレータ40の反転した入力部には、例え
ば20ミリバール乃至200ミリバールである圧力設定値p
_vorがかけられる。コンパレータ40の出力部は電気的な
選択スイツチ41の制御入力部に接続されていて、該選択
スイツチ自体は制御に応じて計算ユニツト25の出力部32
又は33を切換え信号発生器24の入力部に接続する。目標
圧力信号p_sollと実際圧力信号ｐとの瞬間値の差の値が
設定値p_vorよりも大きいか又は小さいかに応じて切換え
時間t_einとして計算ユニツト25の出力部32における静的
な切換え時間ｔ′_ein又は計算ユニツト25の出力部33に
おける動的な切換え時間ｔ^＊ _einが圧力制御弁13の切換
え時間を規定するために利用される。 切換え信号発生器24は第２図の実施例では２つのnpn
トランジスタ42,43から成つていて、該トランジスタの
エミツタは互いに接続されていてかつ電流測定器44を介
してアースに接続されている。トランジスタ42,43の両
コレクタは圧力制御弁13の両磁気コイル131もしくは132
のそれぞれ１つを介して直流電圧源45の陽極に接続され
ている。パワートランジスタとして構成されたトランジ
スタ42,43の制御部又はベースは切換え接点313を介して
時間制御部材46に接続されていて、該時間制御部材は入
力部に切換え時間t_einのデジタル値が到達している間コ
ンスタントな制御電圧を生ぜしめ、この制御電圧は切換
え接点313の位置に応じてトランジスタ42又は43に接続
される。切換え接点313は切換えスイツチ31の一部であ
りかつ切換えスイツチの両方の別の切換え接点311,312
と同期的に切換えられる。切換えスイツチ31は目標圧力
信号p_sollと実際圧力信号ｐとの瞬間値の差に関連して
符号検出器35によつて切換えられるので、切換え接点31
3を介して圧力形成もしくは圧力減少に適用される圧力
制御弁13の磁気コイル131もしくは132が制御される。電
流測定器44の測定値は圧力制御弁13のそれぞれ接続され
た磁気コイル131もしくは132の温度Ｔの尺度である。そ
れというのもそれぞれの磁気コイル131もしくは132を通
つて流れる電流は磁気コイル131もしくは132の抵抗に比
例していてかつ抵抗は温度によつて変るからである。電
流測定器44の測定値はすでに述べたように計算機構30に
供給される。 前述のブレーキ装置の作用形式は次の通りである。 ブレーキペダル位置および車輪回転数および必要であ
れば軸荷重に基づき目標圧力・設定装置28が目標圧力信
号p_sollを生ぜしめる。圧力センサ20からはブレーキシ
リンダ14内で生ずる実際ブレーキ圧力に比例した実際圧
力信号ｐが電子調整装置21の実際圧力信号入力部36にか
けられる。差形成器38は実際圧力信号ｐと目標圧力信号
p_sollとの瞬間値によつて圧力差Δｐを形成し、この圧
力差により値形成器39が値を生ぜしめる。圧力差｜Δp|
の値が設定値p_vorよりも大きいと、選択スイツチ41は第
２図で示された位置をとる。この位置においては計算ユ
ニツト25の出力部32が時間制御部材46の入力部に接続さ
れる。 符号検出器35は実際圧力信号ｐと目標圧力信号p_soll
とを比較する。目標圧力信号p_sollの瞬間値が実際圧力
信号ｐの瞬間値よりも大きいばあいには、切換え接点31
1,312は第２図で示された位置をとる。記憶装置29にか
けられる目標圧力信号p_sollと実際圧力信号ｐとの瞬間
値によつて第３図による圧力形成に適用される圧力・時
間関数から静的な切換え時間ｔ′_einが求められかつ記
憶装置29の出力部291と切換え接点311と選択スイツチ41
とを介して切換え時間t_einとして時間制御部材46に送ら
れる。時間制御部材46内では切換え時間t_ein中にコンス
タントな制御電圧が生ぜしめられ、この制御電圧は切換
え接点313を介してトランジスタ42にかけられる。トラ
ンジスタ42は制御されかつ圧力形成のために磁気コイル
131に励磁電流を供給する。圧力制御弁13は圧力形成位
置に切換えられかつブレーキシリンダ14内でブレーキ圧
力が制御される。 値形成器39から引渡される差力差｜Δp|の値が設定値
p_vorよりも小さいばあいには、コンパレータ40の出力信
号が選択スイツチ41を別の切換え位置に切換える。この
切換え位置では計算ユニツト25の出力部33が時間制御部
材46に接続される。目標圧力信号p_sollの瞬間値が依然
として実際圧力信号ｐの瞬間値よりも大きいばあいに
は、計算機構30は実際圧力信号ｐと目標圧力信号p_soll
とのかけられた瞬間値によつて圧力形成のために適用さ
れる計算公式に従つて動的な切換え時間ｔ^＊ _einを計算
し、この切換え時間は計算機構30の出力部301と切換え
接点312と選択スイツチ41とを介して切換え時間t_einと
して時間制御部材46にかけられる。上述と同じ形式で矢
張り切換え時間t_ein中にトランジスタ42が制御される。 これに対して目標圧力信号p_sollの瞬間値が実際圧力
信号ｐの瞬間値よりも小さいばあいには、符号検出器35
が切換えスイツチ31を別の切換え位置に切換える。切換
え接点311は計算ユニツト25の出力部32を記憶装置29の
出力部292に接続しかつ切換え接点312は計算ユニツト25
の出力部33を計算機構30の出力部302に接続しかつ切換
え接点313は時間制御部材46をトランジスタ43のベース
に接続する。選択スイツチ41が依然として計算ユニツト
25の出力部33を時間制御部材46に接続しているばあいに
は、今や実際圧力信号ｐと目標圧力信号p_sollとのかけ
られた瞬間値によつて計算機構30内で動的な切換え時間
ｔ^＊ _einが圧力減少のために適用される計算公式に従つ
て求められる。この動的な切換え時間ｔ^＊ _einは計算機
構30の出力部302と切換え接点312と選択スイツチ41とを
介して切換え時間t_einとして時間制御部材46にかけられ
る。切換え時間t_ein中にトランジスタ43は時間制御部材
46によつて制御され、これによつて圧力減少に適用され
る圧力制御弁13の磁気コイル132が直流電圧源45に接続
される。圧力制御弁13は圧力減少用の切換え位置に切換
えられかつブレーキシリンダ14内で制御されるブレーキ
圧力が減少される。 本発明は空気力式のブレーキ装置の図示の実施例に限
定されるものではない。従つて圧力媒体として圧力空気
の代りに、液体、例えば油圧を使用することもできる。 発明の効果 本発明によるブレーキ装置の利点は、ブレーキ圧力が
調整される圧力変化に関連して連続的に与えられるとい
うことにある。圧力制御弁は、弁特性に基づき所望のブ
レーキ圧力を調節するために必要である限りでのみ圧力
形成位置又は圧力減少位置に切換えられる。これによつ
て圧力制御弁の第１の切換え動作によつてすでにブレー
キ圧力を目標値に極めて近い圧力値に調節できるので、
ブレーキ圧力を正確に調整するために最小数の切換え動
作を必要とする。最小数の切換え動作によつて空気力式
のブレーキ装置のばあい騒音が減少されると共に空気消
費量がわずかにされる。これによつてブレーキ装置は、
車輪回転数用のセンサが所定の目標ブレーキ圧力に相応
して修正される連続的なABS・調整方式を使用するため
の最良の前提をもたらす。 更に本発明の実施態様に記載の措置によつて本発明に
よるブレーキ装置の有利な構成が得られる。 本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第２項から
得られる。圧力・時間関数を受取るために、入力側でブ
レーキ装置のシステム圧力p_Sysによつて負荷される圧力
制御弁は時点ｔ＝０で圧力形成位置にかつホイールブレ
ーキシリンダ内でシステム圧力p_Sysに達した後で圧力減
少位置に切換えられる。時間的な圧力経過は計算ユニツ
トの記憶装置において例えば支持値として記憶される。 更に本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第３項
からも得られる。この実施態様によつて、圧力制御弁と
ホイールブレーキシリンダとこれらを接続する圧力導管
とから成る調整区間の静的な挙動が関連させられる粗調
整の他に、圧力制御弁の動的特性を考慮する精密調整に
おいて切換え時間が求められる。この切換え時間は目標
ブレーキ圧力と実際ブレーキ圧力との圧力差に関連して
いるばかりでなく、圧力制御弁の磁気コイルの温度、ホ
イールブレーキシリンダ内の圧力レベルおよび貯蔵タン
クの圧力レベル、つまりシステム圧力p_Sysにも関連して
いる。これらすべての値はセンサによつて検出されかつ
調節又は切換え時間t_einを求めるために電子調整装置の
計算ユニツト内で処理される。 更に本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第４項
から得られる。選択装置によつて目標ブレーキ圧力と実
際ブレーキ圧力との発生する圧力差は少なくとも２つの
カテゴリーに分割、つまり設定値の上側に位置しかつ圧
力制御弁の長い切換え時間を必要とするカテゴリーと設
定値の下側に位置しかつ圧力制御弁の極めて短かい切換
え時間のみを必要とするカテゴリーとに分割される。こ
れによつて、圧力制御弁の動的特性は長い切換え時間t
_einのばあい無視できるが、短い切換え時間のばあい極
めて重要であるという事実が考慮される。 更に有利な実施態様は特許請求の範囲第５項から得ら
れる。符号検出器によつて、ホイールブレーキシリンダ
内でブレーキ圧力が形成又は減少させられねばならない
かが確認される。圧力形成および圧力減少のために異な
る特性曲線および計算公式が考慮されねばならないの
で、符号検出器の出力信号によつて切換え時間を計算す
るために利用される特性曲線もしくは計算公式が選択さ
れる。

【図面の簡単な説明】 図面は本発明の実施例を示すものであつて、第１図は自
動車用の空気力式のブレーキ装置の概略図、第２図は第
１図のブレーキ装置の電子調整装置のブロツク回路図、
第３図は第２図の電子調整装置の計算ユニツト内で記憶
された圧力・時間関数の線図である。 10……貯蔵タンク、11……空気圧縮器、12……圧力調整
弁、13……圧力制御弁、14……ブレーキシリンダ、15…
…ブレーキピストン、16……ブレーキロツド、17……ブ
レーキシユー、18……ブレーキドラム、19,20……圧力
センサ、21……電子調整装置、22……圧力変換器、23…
…ブレーキペダル、24……切換え信号発生器、25……計
算ユニツト、26,27……アナログ・デジタル変換器、28
……目標ブレーキ圧力設定装置、29……記憶装置、30…
…計算機構、32,33,291,292,301,302……出力部、34…
…符号検出器、35,40……コンパレータ、36……実際圧
力信号入力部、37……選択装置、38……差形成器、39…
…値形成器、41……選択スイツチ、42,43……トランジ
スタ、44……電流測定器、46……時間制御部材、131,13
2……磁気コイル、311,312……切換え接点

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マツテイアス・フオルケルト ドイツ連邦共和国フアイヒンゲン・ア ン・デア・エンツ・フリートリツヒシユ トラーセ 20 (56)参考文献 特開 昭52−143392（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−136038（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．ブレーキシリンダ（14）に配属された、圧力形成、
   圧力減少および圧力維持のための３つの切換え位置を有
   する少なくとも１つの圧力制御弁（13）と、この圧力制
   御弁を切り換える電子調整装置（21）とを備えた、車両
   用の圧力媒体で操作されるブレーキ装置において、前記
   電子調整装置（21）が、 ブレーキペダル位置、車輪スリップ、軸荷重等のような
   運転パラメータに関連した目標ブレーキ圧力（p_soll）
   を電気的な目標圧力信号として設定するための装置と、 ブレーキシリンダ（14）内で制御される実際ブレーキ圧
   力（P_ist）を検出しかつ電気的な実際圧力信号（P_ist）
   として電子調整装置（21）に供給する少なくとも１つの
   圧力センサ（20）と、 圧力制御弁（13）の切換え時間（ｔ′_ein）を計算する
   計算ユニット（25）と、 切換え時間中に圧力制御弁を圧力形成位置又は圧力減少
   位置に切換える切換え信号を生ぜしめる切換え信号発生
   器（24）とを有しており、 前記計算ユニット（25）内に、圧力形成および圧力減少
   のための圧力・時間関数が記憶されていて、これら圧力
   ・時間関数が、圧力形成もしくは圧力減少のために圧力
   制御弁（13）を開放した状態で圧力制御弁（13）とブレ
   ーキシリンダ（14）とこれらを接続するブレーキ導管と
   から成る調整区間における時間的な圧力経過を表してお
   り、 前記計算ユニット（25）が、実際圧力信号と目標圧力信
   号と記憶された圧力・時間関数の１つとから圧力制御弁
   （13）の切換え時間（ｔ′_ein）を規定しかつ規定され
   た切換え時間（ｔ′_ein）を切換え信号発生器（24）に
   放出するようになっていることを特徴とする、車両用の
   圧力媒体で操作されるブレーキ装置。 ２．圧力・時間関数が、計算ユニット（25）の学習段階
   で自動的に補足されて記憶される、特許請求の範囲第１
   項記載のブレーキ装置。 ３．計算ユニット（25）が、第２の切換え時間（ｔ^＊
   _ein）を計算するための計算機構（30）を有していて、
   この計算機構（30）に、目標圧力信号（p_soll）および
   実際圧力信号（P_ist）と、圧力制御弁（13）の温度に相
   応する電気的な温度信号（Ｔ）と、ブレーキ装置のシス
   テム圧力を表す電気的なシステム圧力信号（p_Sys）とが
   供給されるようになっており、これら信号の瞬間値から
   それぞれ第２の切換え時間（ｔ^＊ _ein）が圧力形成に関
   し第１の計算公式： ｔ^＊ _ein＝c_p（ｐ）・（ｐ−p_soll）＋c_T（ｐ）・Ｔ＋c_s
   ・p_Sys＋c_o（ｐ） によりかつ圧力減少に関し第２の計算公式： ｔ^＊ _ein＝ｃ′_ｐ（ｐ）・（ｐ−p_soll）＋ｃ′（ｐ）・
   Ｔ＋ｃ′_ｓ・p_Sys＋ｃ′_ｏ（ｐ）により計算されるよう
   に、計算機構（30）が構成されていて、このばあい、
   c_p,c′_p,c_T,c′_T,c_o,c′_ｏは圧力形成および圧力減少の
   際のブレーキシリンダ内の圧力レベルの関連したファク
   タであり、更に、電子調整装置（21）が、選択装置（3
   7）を有していて、この選択装置が、実際圧力信号（P
   _ist）と目標圧力信号（p_soll）との瞬間値の差の値に関
   連して第１の切換え時間（ｔ′_ein）又は第２の切換え
   時間（ｔ^＊ _ein）を、切換え信号を生ぜしめるために切
   換え信号発生器（24）に供給するようになっている、特
   許請求の範囲第１項又は第２項記載のブレーキ装置。 ４．選択装置（37）が、実際圧力信号（P_ist）および目
   標圧力信号（p_soll）を供給される差形成器（38）と、
   この差形成器に後置された値形成器（39）と、この値形
   成器に後置された、設定値（p_vor）を有する比較装置
   （40）と、選択スイッチ（41）とを有していて、この選
   択スイッチ（41）が、値形成器（39）の出力信号が設定
   値（p_vor）以上であるばあい第１の切換え時間（ｔ′
   _ein）をかつ値形成器（39）の出力信号が設定値
   （p_vor）以下であるばあい第２の切換え時間
   （ｔ^＊ _ein）を切換え信号発生器（24）の入力部にかけ
   るように、比較装置（40）によって制御されるようにな
   っている、特許請求の範囲第３項記載のブレーキ装置。 ５．電子調整装置（21）が、符号検出器（35）を有して
   いて、この符号検出器が、実際圧力信号（P_ist）と目標
   圧力信号（p_soll）との瞬間値の差の符号を検出しかつ
   計算ユニット（25）に圧力形成又は圧力減少を特徴付け
   る特性信号をかけるようになっており、計算ユニット
   （25）が、前記特性信号に相応して、それぞれ圧力形成
   又は圧力減少に適用される第１の又は第２の圧力・時間
   関数もしくは第１又は第２の計算公式に基づき第１の切
   換え時間もしくは第２の切換え時間を規定するようにな
   っている、特許請求の範囲第１項から第４項までのいず
   れか１項記載のブレーキ装置。 ６．システム圧力（p_Sys）を検出するために圧力制御弁
   （13）の入口導管に圧力センサ（19）が配置されてい
   て、この圧力センサの電気的な出力信号が、電子調整装
   置（21）に供給されるようになっている、特許請求の範
   囲第３項から第５項までのいずれか１項に記載のブレー
   キ装置。 ７．圧力制御弁（13）の励磁電流回路内に、圧力制御弁
   （13）の温度を間接的に測定するために電流測定器（4
   4）が接続されている、特許請求の範囲第３項から第６
   項までのいずれか１項記載のブレーキ装置。 ８．設定値が、200ミリバールであるか又は200ミリバー
   ル以下である、特許請求の範囲第１項から第７項までの
   いずれか１項記載のブレーキ装置。