JP2715397B2 - 押し通し曲げ加工装置におけるダイス回動機構 - Google Patents

押し通し曲げ加工装置におけるダイス回動機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管材等の押し通し曲
げ加工装置におけるダイス回動機構に係り、その特殊な
曲げ加工において、より理想的な曲げ条件を構成するた
めに必要となるダイスの傾き角を自動的且つ安定的に設
定するための機構に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人等は、簡単な装置で管材・形
材又は中実材(以下「管材等」という)を高精度に曲げ加工
する手段として、「押し通し曲げ加工方法及び同方法に
よる曲げ加工装置」(特公平5-12047号,特許第1804036号)
を提案している。
【0003】この加工方法は、「管材等を拘持しながら
挿通せしめるガイドシリンダと、ガイドシリンダを貫通
した管材等の一部をベアリング部で拘持するダイスとか
らなり、ガイドシリンダの中心軸とダイスのベアリング
部の中心を相対的にオフセットさせた状態で管材等をガ
イドシリンダとダイスに押し通すことを特徴とした曲げ
加工方法」であり、同方法によれば、ガイドシリンダと
ダイスのオフセットUを制御するだけで、そのオフセッ
トUに対応した曲げ半径Rpを有する連続的な曲げ加工
が可能になると共に管材等の横断面変形を抑制した加工
を実現できる。即ち、オフセットUの設定によってベア
リング部が管材等を押圧する力とアプローチ(ベアリン
グ部とガイドシリンダの間隔)Vの積に相当する曲げモ
ーメントMの作用によって連続的に押し通される管材等
に対して曲げ加工を行い、またベアリング部が管材等の
周囲を拘束することにより管材等の偏平化を矯正して横
断面の変形を防止する。
【0004】しかしながら、前記の方法とその装置によ
っても、その曲げ加工条件には限界がある。即ち、オフ
セットUを大きく設定してゆくと曲げモーメントMが大
きくなって管材等の曲げ半径Rpを小さくしてゆくこと
ができるが、オフセットUが一定以上になると、それに
対応させてダイスに傾き角を付与しなければ管材等とベ
アリング部との摺接力が異常に増大して正常な曲げ加工
ができなくなる。また、ダイスの傾き角を付与しない
と、管材等に偏平化が発生して加工精度が低下するとい
う問題も生じる。
【0005】そこで、その問題を解決するべく、本願出
願人等は前記の基本発明に対してダイスの傾き角を最適
角度に設定し得るダイス機構の提案を行っている(特開
平4-197528号)。その提案に基づいた押し通し曲げ加工
装置の具体的構成は図4に示されるものである。同図に
おいて、51はダイス、52はダイスホルダー、53はガイド
シリンダであり、ガイドシリンダ53が管材60を拘持しな
がら挿通せしめると共に、ガイドシリンダ53を貫通した
管材60はダイス51のベアリング部51bによって拘持され
ている。また、ダイスホルダー52は駆動ベース70に固定
されており、その駆動ベース70が垂直面内で強制的に移
動させることにより、ダイス51をガイドシリンダ53に対
して相対的にオフセットさせ得るようになっている。
【0006】そして、前記の装置における機構要素の詳
細と相互関係は図5に示される。先ず、ダイス51は、周
側面がベアリング部51bの中心C2よりも管材60の挿入口
側に中心C1を有した球面状曲面(曲率半径Rd)に形成さ
れていると共に、管材60の挿入口側にテーパ状の内面が
形成された環状突出部51aを有している。一方、ダイス
ホルダー52は、ダイス51の球面状曲面を抱持する曲面が
形成されており、ダイス51をガイドシリンダ53に対向さ
せて保持している。また、ガイドシリンダ53における管
材60の送出口側の周囲には、ダイス51の環状突出部51a
に内嵌する制御用曲面53aが形成されている。
【0007】ここに、ガイドシリンダ53に形成されてい
る制御用曲面53aは、図6に示すようにダイスホルダー5
2がガイドシリンダ51に対して相対的に移動してオフセ
ットが付与された状態で、ダイス51がダイスホルダー52
内で回転してダイス51の環状突出部51aが当接したとき
に、ダイス51のベアリング部51bを含む面をガイドシリ
ンダ51の送出口の中心から見て略垂直に設定させるよう
な曲面として形成されている。
【0008】従って、図6のオフセット状態で管材60を
押し通すと、オフセットUの付与によりダイス51が回転
傾斜するが、ダイス51の周側面の球面状曲面に係る中心
C1がベアリング部51bの中心C2よりも前方にあり、ま
たベアリング部51bのオフセット間隔側(図では下側)が
管材60との間で強力な摺接領域になることから、ダイス
51を更に傾斜させる方向へ回転させることになる。即
ち、ダイス51と管材60の摺接合力及びダイス51の回転に
伴うベアリング部51bの中心C2のズレ(Δy)によってダ
イス51自体に回転モーメントMが生じ、その回転モーメ
ントMがダイス51の傾斜を更に増大させる。
【0009】その場合において、管材60に偏平化を発生
させずに、且つより軽い摺接力で曲げ加工を実行させる
ための理想的な条件は、ダイス51のベアリング部51bを
含む面Sが同ベアリング部51bを通過する管材60の中心
軸に対して垂直になっていることである。そこで、この
提案に係るダイス機構では、回転モーメントMによるダ
イス51の傾き角をダイス51の環状突出部51aとガイドシ
リンダ53の制御用曲面53aとの当接関係によって制御
し、前記の理想的な条件を得られるようにしている。具
体的には、ダイス51にオフセットUが与えられると必然
的に回転モーメントMが生じ、ダイス51の環状突出部51
aの内周面がガイドシリンダ53の制御用曲面53aの表面に
当接するが、ガイドシリンダ53の制御用曲面53aが上記
のような曲面に形成されているため、オフセットUに対
応させてダイス51の傾き角を理想的な角度に拘束設定さ
せることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記基本発
明の「押し通し曲げ加工方法及びその装置」に対して特開
平4-197528号の「ダイス機構」を適用すれば、一見理想的
な曲げ加工を実現できるように思えるが、実際の曲げ加
工過程や機構要素の製造に関して次のような問題点が派
生する。 (1) ベアリング部51bの中心C2がダイス51の周側面の球
面状曲面に係る中心C1よりも後方に位置せしめられて
いるため、オフセットUを大きくとって管材60の曲げ半
径を小さくすると、曲げ加工後に送り出される管材60が
ダイスホルダー52に接触してしまう。即ち、ベアリング
部51bとダイスホルダー52の前面との距離が大きいこと
が曲げ半径の小径化の妨げる要因となる。 (2) ダイス51の回転に伴うベアリング部51bの中心C2の
ズレ(Δy)が曲げモーメントMを発生させる距離ファク
ターであるが、そのズレ(Δy)は微小距離であるために
曲げモーメントMはそれほど大きな値とならない。ま
た、図6から明らかなように、曲げ加工状態でダイス51
の環状突出部51aはガイドシリンダ53の制御用曲面53aに
対して一方側(上側)で当接しているが、他方側(下側)で
は離隔しているため、ダイス51は逆方向回転に対しては
フリーな状態になっている。従って、ダイス51に回転モ
ーメントMに関係する作用力以外の力(例えば、管材60
を絞る力等)が作用したり、管材60に“しわ"が発生した
場合に誘発される力等が作用すると、ダイス51が不安定
な回動状態になって加工精度が低下する。また、そのよ
うな不安定状態はオフセットUを大きくして曲げ半径を
小さくしたときに発生しやすいことから、曲げ半径の小
径化を図る上でも重大な障害となる。 (3) ガイドシリンダ53の制御用曲面53aは複雑な曲面を
比較的小さい領域に高精度に形成しなければならず、そ
の機械加工が非常に面倒である。
【0011】そこで、本発明は、前記の問題点に鑑み、
オフセットUを大きくとって曲げ半径を小さくする場合
においても、安定した高精度な押し通し曲げ加工が実現
できるダイスの回動機構を提供することを目的として創
作された。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、管材・形材又
は中実材を拘持しながら挿通せしめるガイドシリンダ
と、前記ガイドシリンダを貫通した管材等の一部をベア
リング部で拘持するダイスとからなり、前記ガイドシリ
ンダの中心軸と前記ダイスのベアリング部の中心を相対
的にオフセットさせた状態で管材等を前記ガイドシリン
ダと前記ダイスに押し通すことにより曲げ加工を行う装
置において、周側面がベアリング部の中心より管材等の
挿入口側に中心を有した球面状曲面として形成されてお
り、管材等の挿入口側に、ベアリング部の中心を通過す
ると共に同ベアリング部を含む面に垂直な直線を中心軸
とした円筒状内周面を有する環状突出部が一体形成され
たダイスと、前記ダイスの球面状曲面を抱持する曲面が
形成されており、前記ダイスを前記ガイドシリンダに対
向させて保持するダイスホルダーと、管材等の送出口の
周囲に、管材等の貫通孔の中心軸上に中心を有すると共
に最大径部分が前記ダイスの環状突出部に対して内嵌当
接する球面状曲面部を設けたガイドシリンダとで構成さ
れたことを特徴とする押し通し曲げ加工装置におけるダ
イス回動機構に係る。
【0013】この発明では、ダイスの周側面の球面状曲
面の中心がベアリング部の中心より管材等の挿入口側に
なっているため、オフセットを与えて曲げ加工を行う状
態において、ダイスと管材等の摺接条件とベアリング部
の中心のズレ位置を考慮すると、ダイスには殆ど回転モ
ーメントが発生しない。一方、ダイスの環状突出部は、
オフセットの如何に関わらず、常にガイドシリンダの球
面状曲面部と全周にわたって内嵌当接する。従って、管
材等の連続的な曲げ加工状態で発生する種々の作用力に
起因してダイスに如何なる方向の回転モーメントが発生
したとしても、ダイスはオフセットに対応した傾き角に
完全に拘束されており、安定した高精度な曲げ加工が実
現できる。また、ダイスのベアリング部の中心がダイス
の周側面の球面状曲面の中心よりも管材等の送出側に位
置するため、図6に示した場合より曲げ加工部位がダイ
スホルダーの前面側(管材等の送出側)へ寄っている。そ
の結果、曲げ加工後の管材等がダイスホルダーに接触し
てしまうことを回避させる上で有利な条件を構成でき、
曲げ半径の小径化を妨げていた要因を緩和できる。
【0014】ところで、この発明の構成では、オフセッ
トを与えた状態で、ダイスのベアリング部を含む面がそ
の部分を挿通する管材等の軸と垂直な関係になっている
という保証はない。その場合、ダイスホルダー又は/及
びガイドシリンダを管材等の挿通方向へ移動させる移動
手段を設けてダイスホルダーとガイドシリンダの間の距
離を調整可能にし、オフセットに対応させてその距離を
調整すれば前記の垂直関係を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の「押し通し曲げ加
工装置におけるダイス回動機構」の実施形態を、図1及
び図2を用いて詳細に説明する。先ず、図1はオフセッ
トが0の状態におけるダイス回動機構の構成を示す断面
図であり、1はダイス、2はダイスホルダー、3はガイド
シリンダを示し、上記の図5の場合と同様に、ガイドシ
リンダ3が管材60を拘持しながら挿通せしめると共に、
ガイドシリンダ3を貫通した管材60はダイス1のベアリン
グ部1bによって拘持されている。
【0016】そして、ダイス1の周側面に球面状曲面(曲
率半径Rd)が形成されていること、ダイスホルダー2に
ダイス5の前記球面状曲面を抱持する曲面が形成されて
おり、ダイス1をガイドシリンダ3に対向させて保持して
いること、及びダイス1における管材60の挿入口側に環
状突出部1aが形成されており、その環状突出部1aがガイ
ドシリンダ3の先端部を内嵌させていることは、図4か
ら図6に示した従来のダイス機構と同様であるが、本実
施形態のダイス回動機構は次のような点に特徴を有して
いる。 ダイス1における周側面の球面状曲面の中心C1がベ
アリング部1bの中心C2より管材60の挿入口側に位置せ
しめられている。 従来のダイス機構(図5)ではダイス51の環状突出部5
1aの内周面がテーパ状に形成されているが、本実施形態
のダイス1の環状突出部1aにおいては、ベアリング部1b
の中心を通過すると共に同ベアリング部1bを含む面Sに
垂直な直線を中心軸とした円筒状内周面1cが形成されて
いる。 ガイドシリンダ3における管材60の送出口の周囲に球
面状曲面部3aが形成されており、その曲面部3aは管材60
の貫通孔の中心軸上に中心を有した球面であり、且つそ
の球面の最大径部分がダイス1の環状突出部1aの円筒状
内周面1cに内嵌当接している。
【0017】以上の特徴を有したダイス回動機構におい
て、図2に示すようにダイス1を垂直方向へ移動させて
オフセットUを与えると、ガイドシリンダ3の球面状曲
面部3aとダイス1の環状突出部1aの係合関係によってダ
イス1がダイスホルダー2の中で強制的に回転せしめられ
て傾斜する。そのオフセット状態で管材60を押し通す
と、ダイス1のベアリング部1bの下側でより強力な摺接
条件が構成されると共に、ベアリング部1bの中心C2は
ダイス1の球面状曲面の中心C1より僅かに上側へズレる
が、その場合のズレ(Δy')は回転中心C1に対して図6
の場合と逆方向になるため、ダイス1に作用する回転モ
ーメントは極めて小さくなる。何れにしても、ダイス1
は前記の係合関係に基づいてその傾き角が一義的に設定
され、その状態で図6の場合と同様に押し通される管材
60に対して常時曲げモーメントが作用し、管材60は連続
的に曲げ加工されながらダイス1のベアリング部1bから
送り出されてゆく。
【0018】ところで、このダイス機構によれば、ガイ
ドシリンダ3の管材60の貫通孔の中心軸上に中心を有し
た球面状曲面部3aがダイス1の環状突出部1aの円筒状内
周面1cに内嵌しているため、オフセットUの大きさの如
何に関わらず、球面状曲面部3aと円筒状内周面1cは常に
全周にわたって当接関係が得られる。即ち、管材60の曲
げ加工過程でどのような回転モーメントがダイス1に作
用しても、ダイス1はオフセットUによって決定される
傾き状態に強制的に設定されている。その結果、ダイス
1のベアリング部1bによる管材60に対する曲げ加工が安
定した状態で連続的に実行され、且つオフセットUを時
間的に変化させたときにもダイス1の傾き角が滑らかに
変化するため、極めて高精度な連続的曲げ加工が実現で
きる。
【0019】また、連続的曲げ加工を実行した場合、管
材60はダイス1のベアリング部1bから送り出されてダイ
スホルダー2側へ湾曲した態様になるが、オフセットU
を大きくとって曲げ半径を小さく設定すると、曲げ加工
後にダイスホルダー2側へ戻る管材60の部分とダイスホ
ルダー2との間隔が問題となり、戻り部分がダイスホル
ダー2に接触しない範囲でしか曲げ半径を小さくするこ
とができない。しかし、この実施形態においては、ダイ
ス1のベアリング部1bの中心C2が球面状曲面の中心C1
より送出側に位置しているため、前記の間隔を得る上で
余裕をもたせることができる。即ち、従来のダイス機構
(図6)の場合よりも管材60をより小さい曲げ半径で曲げ
加工することが可能になる。
【0020】次に、従来のダイス機構でも説明したよう
に、押し通し力が小さく、管材60の偏平化を招かない理
想的な曲げ加工を行うためには、ダイス1のベアリング
部1bを含む面Sがベアリング部1bを通過する管材60の軸
方向に対して垂直な関係になっていることを要する。そ
して、本実施形態の前記構成のみでは曲げ加工の安定化
と高精度化を図ることができても、曲げ機構の理想条件
を保証することができない。即ち、オフセットUが小さ
い場合にはダイス1の傾き角も小さいためにそれほど問
題を生じないが、オフセットUを大きくとった場合には
押し通し力の増大と偏平率の増加を招いてしまう。
【0021】しかし、本実施形態の前記構成において曲
げ加工の理想条件を満たすことは容易である。何故な
ら、ダイス1のベアリング部1bとガイドシリンダ3の端部
に相当するアプローチVを調整すれば、前記の理想条件
を確保させることが可能だからである。具体的には、ダ
イスホルダー2を固定している駆動ベース70を垂直面内
で移動だけでなく、その移動によって設定されるオフセ
ットUに対応させて前後方向にも移動調整する駆動機構
を設けておき、それによってダイス1のベアリング部1b
を含む面Sとベアリング部1bを通過する管材60の軸方向
の垂直関係を得るようにすればよい。但し、予め管材の
材質とオフセットUとアプローチVと管材の曲げ半径R
pの関係を経験的に求めておき、ある曲げ半径Rpを得る
場合に最適な曲げ加工条件が得られるようにオフセット
Uに対応したアプローチVを選択して調整することにな
る。そして、そのような制御は、予め前記の最適な曲げ
加工条件に係るデータをメモリ等に記憶させておき、マ
イクロコンピュータがその記憶データに基づいて駆動ベ
ース70を縦横・前後へ移動させる駆動源(モータ等)を制
御するようなシステムを構成することで容易に実現でき
る。
【0022】尚、本実施形態では管材60の曲げ加工を対
象として説明したが、形材や中実材の押し通し曲げ加工
に対しても上記のダイス回動機構が適用できることはい
うまでもなく、形材等の円形状横断面を有しないものに
ついてはダイスのベアリング部をそれに対応した形状に
しておけばよい。また、本実施形態ではダイス1側を移
動させることでオフセットUやアプローチVを与えるよ
うにしているが、ガイドシリンダ3側を移動させても相
対的に同一条件を構成させることが可能である。
【0023】
【実施例】本実施形態のダイス回動機構と従来のダイス
機構で管材の曲げ加工を行った場合におけるオフセット
Uに対する曲げ半径Rpの変化を図3のグラフに示す。
この実施例では、材質がSTKM11Aで、外径が25.4mm、内
径が22.2mmの管材を曲げ加工の対象とし、双方の機構と
もダイスのベアリング部の内径を25.6mm、ダイスの周側
面の曲率半径を30mm、アプローチVを30mmとして押し通
し曲げ加工を実行した。
【0024】図3から明らかなように、本実施形態のダ
イス回動機構によれば、従来のダイス機構の場合よりも
小さいオフセットUを設定しながら小さい曲げ半径を実
現できている。また、加工後の管材の表面を比較する
と、オフセットUが大きくなっても本実施形態のダイス
回動機構の方が“しわ"の発生率が少なく、その差は管
材の押し通し速度が大きくなるにつれて顕著であった。
即ち、従来のダイス機構より小さいオフセットUでより
小さい曲げ半径を得ることができると共に、安定した高
精度な曲げ加工が実現できている。
【0025】
【発明の効果】本発明の「押し通し曲げ加工装置におけ
るダイス回動機構」は、以上の構成を有していることに
より、次のような効果を奏する。請求項1の発明は、管
材等を拘持しながら挿通せしめるガイドシリンダと、ガ
イドシリンダを貫通した管材等の一部をベアリング部で
拘持するダイスとからなり、ガイドシリンダの中心軸と
ダイスのベアリング部の中心を相対的にオフセットさせ
た状態で管材等をガイドシリンダとダイスに押し通すこ
とにより曲げ加工を行う装置において、ダイスをダイス
ホルダーで回動自在に保持すると共に、ダイスのベアリ
ング部をダイスの回動中心より管材等の送出側に位置せ
しめ、且つダイスに設けた環状突出部とガイドシリンダ
の送出口部分の係合関係を工夫したことにより、従来の
ダイス機構より小さい曲げ半径での曲げ加工を安定的且
つ高精度に実行できるようにする。請求項2の発明は、
請求項1の発明において、ダイスのベアリング部を含む
面がベアリング部を通過する管材の軸方向に対して垂直
となる条件を簡単な手段で実現し、ダイスによる理想的
な曲げ条件を構成させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るダイス回動機構の構成
を示す断面図である。
【図2】オフセットが設定されて管材の曲げ加工を実行
している状態におけるダイス回動機構の断面図である。
【図3】実施形態のダイス回動機構と従来のダイス機構
で実質的に同一条件による管材の曲げ加工を行った場合
におけるオフセットに対する曲げ半径の変化を示すグラ
フである。
【図4】押し通し曲げ加工装置に適用された従来のダイ
ス機構の断面図(A)とダイス側の正面図(B)である。
【図5】ダイス機構の構成の詳細を示す断面図である。
【図6】オフセットが設定されて管材の曲げ加工を実行
している状態におけるダイス機構の断面図である。
【符号の説明】
1,51…ダイス、1a,51a…環状突出部、1b,51b…ベアリン
グ部、1c…円筒状内周面、2,52…ダイスホルダー、3,53
…ガイドシリンダ、3a…球面状曲面部、53a…制御用曲
面、60…管材、70…駆動ベース、C1…ダイスの球面状
曲面の中心、C2…ダイスのベアリング部の中心、Rp…
管材の曲げ半径、S…ダイスのベアリング部を含む面、
U…オフセット、V…アプローチ、Δy,Δy'…ダイス
の回転に伴うベアリング部の中心のズレ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管材・形材又は中実材(以下「管材等」とい
    う)を拘持しながら挿通せしめるガイドシリンダと、前
    記ガイドシリンダを貫通した管材等の一部をベアリング
    部で拘持するダイスとからなり、前記ガイドシリンダの
    中心軸と前記ダイスのベアリング部の中心を相対的にオ
    フセットさせた状態で管材等を前記ガイドシリンダと前
    記ダイスに押し通すことにより曲げ加工を行う装置(以
    下「押し通し曲げ加工装置」という)において、周側面が
    ベアリング部の中心より管材等の挿入口側に中心を有し
    た球面状曲面として形成されており、管材等の挿入口側
    に、ベアリング部の中心を通過すると共に同ベアリング
    部を含む面に垂直な直線を中心軸とした円筒状内周面を
    有する環状突出部が一体形成されたダイスと、前記ダイ
    スの球面状曲面を抱持する曲面が形成されており、前記
    ダイスを前記ガイドシリンダに対向させて保持するダイ
    スホルダーと、管材等の送出口の周囲に、管材等の貫通
    孔の中心軸上に中心を有すると共に最大径部分が前記ダ
    イスの環状突出部に対して内嵌当接する球面状曲面部を
    設けたガイドシリンダとで構成されたことを特徴とする
    押し通し曲げ加工装置におけるダイス回動機構。
  2. 【請求項2】 ダイスホルダー又は/及びガイドシリン
    ダを管材等の挿通方向へ移動させる移動手段を設け、ダ
    イスホルダーとガイドシリンダの間の距離を調整可能と
    した請求項1の押し通し曲げ加工装置におけるダイス回
    動機構。
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