JP2714618B2 - 写真要素及びその製造方法 - Google Patents

写真要素及びその製造方法

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JP2714618B2 JP63171288A JP17128888A JP2714618B2 JP 2714618 B2 JP2714618 B2 JP 2714618B2 JP 63171288 A JP63171288 A JP 63171288A JP 17128888 A JP17128888 A JP 17128888A JP 2714618 B2 JP2714618 B2 JP 2714618B2
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    • G03C11/00Auxiliary processes in photography
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、支持体上に少なくとも一層の画像を担持す
る層を有し、かつ保護被覆層を有する写真要素に関し、
またその製造方法に関する。さらに詳しくは、製造が容
易で、画像形成層に対する接着性が優れ、かつ耐水性の
優れた写真要素に関する。本発明の写真要素は、例えば
認証識別カード用として特に良好に利用することができ
る。
〔発明の背景〕
従来より認証識別カード、例えば従業員証、クレジッ
トカード、運転免許証、通行許可証などいわゆるIDカー
ドとしては、紙、プラスチック等の支持板面に所定の必
要事項例えば住所、氏名、番号のような書誌事項(情
報)を印刷等により記入すると共に、その人物を確認す
るための写真等の確認情報を貼着して、これに割印を施
したものが一般的に使用されている。しかし従来のこの
種のものは、偽造・変造等の改ざんがし易いという問題
がある。またこれらは摩擦等の耐久性に弱く、常時携帯
する内に汚染・破損したりすることが多かった。このよ
うな欠陥を改善したものとして、最近は支持体上にハロ
ゲン化銀乳剤のような感光乳剤を塗布した感光材料を用
い、該感光材料に書誌情報を焼き付けると共に人物の顔
写真を焼き付けたものが利用されるようになっており、
またこのようなカードの表面を樹脂フィルムで被覆して
熱シールしたもの、該カードの両面を樹脂フィルムでラ
ミネートしたもの等、改ざん防止のため種々工夫された
ものが知られている。しかしこれらも感光材料の乳剤面
及び樹脂フィルムを剥がして変造することができ、完全
な改ざん防止にならず、その上変色のおそれがあって耐
久性にも問題があった。さらに樹脂フィルムを接着した
り、ラミネートするものは、熱溶着装置、ラミネート装
置のような複雑な装置及び複雑な工程を必要とし、その
ため低廉なIDカードが得られないという問題があった。
これらを解決する方法として、活性エネルギー線硬化
性組成物を画像形成層上に塗布した後に、該組成物を活
性エネルギー線で硬化させて保護被覆層を施す技術が知
られている。
活性エネルギー線で硬化させて保護被覆層を得る方法
として、例えば、画像形成された後の写真材料に耐引掻
き性、耐摩耗性、耐ブルーム性等を付与する目的で、表
面に紫外線硬化性保護被覆層を設ける事が知られてい
る。例えば特開昭53−57023号、米国特許第4171979号、
同4049861号、同4333998号、特開昭53−121100号、同56
−91233号、公表公報59−501642号等には、不飽和基を
有するアクリル系プレポリマーとフォトラジカルを発生
する重合開始剤とを含有する組成物を被覆して、ラジカ
ル重合的に硬化させる方法、及びエポキシ樹脂とアクリ
ル系プレポリマーとカチオン重合開始剤及びラジカル重
合開始剤とを併用して硬化させる技術が開示されてい
る。しかしこれらの保護被覆層は、映写用フィルムの摩
耗性向上や、プリントフィルムの普通の取扱いの上では
充分な性能があるとしても、IDカードにこの技術を適用
した場合には全く不十分であり、IDカードで要求される
特性、特に耐水性、接着性が十分には得られない。
即ち、ハロゲン化銀写真乳剤上に保護層として、活性
エネルギー線硬化樹脂を用いようとする場合、一般にア
クリル系ポリマーでは乳剤層との間の接着性に問題を生
じ、場合によっては中間層が必要になることがある。こ
の接着性を改良する技術として、特開昭61−201248号、
同61−201250号、同61−201249号、同61−201251号公報
には、アクリレートオリゴマーと、ゼラチンと反応性な
いし親和性のある化合物とを併用する方法が開示されて
いるが、接着性向上の効果はあるもののいまだ不十分で
あり、また耐光性は十分ではないなど、必ずしも写真性
能が満足すべきものではなかった。一方エポキシ系ポリ
マーの場合には、亜硫酸ソーダによるその硬化性に問題
を生ずる場合があることが分かった。
エポキシ樹脂とカチオン重合開始剤とを含有する組成
物を被覆した硬化性被覆層をIDカードに使用した例とし
て、特開昭57−90489号、同62−21150号、同62−23042
号、同62−23043号、同62−24256号、同62−25758号、
同62−229133号であるが、IDカードが使用される各種の
条件では、必要な接着性、耐水性、ピンホール性、傷が
ついた場合の汚れ耐性を全部満足させることはできず、
前掲の技術でこれらを総て満足させるためには非常に大
きな硬化装置が必要となり、簡単に安価なカードを作成
することは困難である。
また、アクリレートオリゴマー及びエポキシ系ポリマ
ーを使用し接着性を改良する技術として、特開昭62−22
9133には紫外線硬化層に隣接する層に特定の硬膜剤を使
用する技術が開示されており、この硬化は硬膜剤使用量
が多い程大きいが、その場合には写真感度が下がってし
まうという問題がある。
〔発明の目的〕
本発明は上記諸問題点に鑑みてなされたもので、本発
明の目的は、活性エネルギー線硬化によって保護被覆層
が形成される写真要素であって、第1に画像形成層等の
接着性が良好であり、かつ耐水性の良好な写真要素を提
供することであり、第2に、接着性耐水性が良好で、か
つ耐光性・感度を損なうことなく、満足すべき画像が得
られる写真要素を提供することである。また、このよう
な写真要素を、低エネルギーの活性エネルギー線照射に
より簡単かつ安価に形成できる製造方法を提供すること
である。
〔問題点を解決するための手段〕
上記本発明の目的は、支持体上に少なくとも一層の画
像を担持する層と、活性エネルギー線で硬化された保護
被覆層とを有する写真要素において、前記保護被覆層
は、エポキシ基を少なくとも2つ分子内に含むプレポリ
マーと活性エネルギー線によって活性化される重合開始
剤とを含む活性エネルギー線硬化性組成物を温度30〜10
0℃に加熱した後、活性エネルギー線を照射して前記活
性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて形成されてい
ることを特徴とする写真要素によって、達成された。
また、支持体上に少なくとも一層の画像を担持する層
と、活性エネルギー線で硬化された保護被覆層とを有す
る写真要素の製造方法において、エポキシ基を少なくと
も2つ分子内に含むプレポリマーと活性エネルギー線に
よって活性される重合開始剤とを含む活性エネルギー線
硬化性組成物を温度30〜100℃に加熱した後、活性エネ
ルギー線を照射して前記活性エネルギー線硬化性組成物
を硬化させ、前記保護被覆層を形成することを特徴とす
る写真要素の製造方法によって、達成された。
本発明の写真要素の製造方法において、前記支持体を
加熱した後、前記支持体上に前記活性エネルギー線硬化
性組成物を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射する
態様をとることができる。
また、前記活性エネルギー線硬化性組成物を加熱した
後、前記支持体上に前記活性エネルギー線硬化性組成物
を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射する態様をと
ることができる。
また、前記支持体上に前記活性エネルギー線硬化性組
成物を塗布した後、前記支持体を加熱し、次いで活性エ
ネルギー線を照射する、又は/及び前記支持体上に前記
活性エネルギー線硬化性組成物を塗布した後、活性エネ
ルギー線を照射しつつ前記支持体を加熱する態様をとる
ことができる。
上記手段により、従来は両立し難かった、良好な接着
性・耐水性と、良好な写真性能(画像)とが両立した写
真要素を得ることができたのである。
以下本発明について更に詳述する。
本発明に係る写真要素は、支持体上に、少なくとも一
層の画像を担持する層と、活性エネルギー線で硬化され
た保護被覆層とを有する。
このような写真要素は、支持体上に少なくとも一層の
画像を担持する層を有するもの(本明細書中、これを
「画像部材」と称する。例えば、露光・現像されて画像
が得られている写真材料等)に、活性エネルギー線で硬
化された保護被覆層を形成して、得ることができる。
画像部材に形成される上記保護被覆層は、好ましくは
支持体から最も遠い層として形成される。但し該保護被
覆層より更に支持体から遠いがわ、つまり外がわに、更
にオーバーコートや、別の保護層や、ラミネート層など
が形成されてもよい。
本発明において、写真要素の保護被覆層は、エポキシ
基を少なくとも2つ分子内に含むプレポリマーと活性エ
ネルギー線によって活性化される重合開始剤とを含む活
性エネルギー線硬化性組成物を温度30〜100℃で活性エ
ネルギー線を照射することによって硬化して形成され
る。
本発明に使用することができるこのような保護被覆層
形成用の活性エネルギー線硬化性の組成物としては、各
種の活性エネルギー線(例えば紫外線その他放射線)硬
化性の樹脂組成物などを用いることができる。具体的な
組成者についての説明及び例示は後記する。
本発明において、活性エネルギー線硬化性組成物は、
温度30〜100℃(30℃以上100℃以下であることを示す。
本明細書中において同じ)で硬化される。
これは、活性エネルギー線を照射するときの組成物の
温度が30〜100℃であればよいのであるが、このような
組成物の温度制御は、例えば次のようにして行うことが
できる。
(A)画像部材を、該画像部材に硬化性組成物を塗布す
るに先立って、加熱しておく。例えば、写真要素を構成
する現像済み写真フィルム等の画像部材を、硬化性組成
物を塗布する前に加熱する。加熱方式としては例えば、
硬化性組成物を塗布するコーター等に画像部材を搬送す
るコンベア上において、該画像部材をヒーター等で加熱
し、温度は赤外線温度計で計測制御するように構成する
ことができる。
(B)硬化性組成物を加熱する。例えば、コーターに付
設するバット内の硬化性組成物をヒーター等で加熱する
手段を用いることができる。
(C)硬化性組成物を塗布後、活性エネルギー線を照射
する前に、及び/または照射中に、全体を加熱する。例
えば、組成物塗布後の画像部材をエネルギー線照射用の
例えばUVランプへ搬送するまでの間に、該搬送用コンベ
ア上において該画像部材をヒーター等で加熱し、赤外線
温度計などで計測制御する手段をとることができる。
活性エネルギー線硬化性組成物は、より好ましくは、
温度40〜80℃において硬化される。
温度制御の手段は任意であり、例えば上記した(A)
〜(C)の内いずれを用いてもよいが、活性エネルギー
線で硬化させるに先立って何らかの温度制御(加熱)が
なされることが好ましく、特に上記した(A)の手段を
含む温度制御手段を用いることが好ましい。例えば、
(A)の手段や、(A)(B)または(A)(C)の手
段の併用、更には(A)(B)(C)の各手段の併用が
好ましい。
なお、エネルギー線を照射している間に組成物の温度
が30〜100℃の範囲を外れる場合があっても(例えば30
℃以下の状態から、紫外線を照射しつつ昇温させる場合
など)、エネルギー線照射による硬化が本発明の温度範
囲でなされるものであれば、本発明に包含される。
加熱による温度制御を行う場合に、該加熱のために用
いることができる手段は任意であり、特に限定されな
い。所望の写真要素を得るべき、例えばカード状の画像
部材について、その表面を均一に加熱できる装置である
ことが望ましい。
例えば、第3図(a)に示すのは、対流式と称するこ
とができるものであって、例えば搬送手段をなすコンベ
ア31について或る空間を区画してここを加熱室32とし、
該加熱室32内に設けたヒータHにより室内の雰囲気温度
を所定の温度にする形式のものである。図中、33は加熱
室32内への搬送入口、34は同じく搬送出口である。この
構成では、コンベア31の配置位置における或る室間(加
熱室32)を必要温度にコントロールし、被加熱物である
カード状画像部材Cを、そのコンベア31での通過時間で
必要温度に加熱することになる。
第3図(b)に示すのは、伝導式と称することができ
るものであって、搬送手段であるコンベア31等にて搬送
する前に、ヒータH上に熱伝導性の良い物質35を設け、
この物質35を必要温度にコントロールし、該物質上に被
加熱物である画像部材Cを載置して、加熱するものであ
る。この構成では、上記熱伝導性の良い物質35を必要温
度でコントロールし、カード状画像部材Cは、ある一定
時間(必要な加熱時間)ヒータH上で停止し、その後コ
ンベア31に搬送されることになる。
第3図(c)に示すのは、放射式と称することができ
るもので、ヒータHの放射熱を利用して加熱する。例え
ば図示の如く搬送用のコンベア31上に被加熱画像部材C
が位置しているときに、ヒータHで加熱する。この構成
では、第3図(a)の場合と同じく、コンベア31での通
過時間で、画像部材Cの必要温度をコントロールするこ
とになる。
本発明において、活性エネルギー線硬化性組成物とし
て紫外線硬化性組成物を用いる場合、使用する紫外線領
域の照射光(以下、単に紫外線ともいう)の光源として
は、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノ
ンランプ等がある。
また紫外線を照射する際の雰囲気は空気であってもよ
く、または窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスであって
もよい。
本発明で用いることができる紫外線硬化性組成物への
紫外線の照射時間は、上記紫外線領域の照射光源の種類
によっても異なるが、概ね0.5秒〜5分、好ましくは3
秒〜2分である。
通常、照射時間が短い場合には照射強度の大きい大型
の光源を必要とし、照射時間が長い場合には照射強度が
小さいものも使用できるが、硬化作用時間が長くなり、
製造工程上不利である。しかし本発明によれば、200W以
下の紫外線発生ランプを用いて、3秒から2分の照射で
目的を達することができ、有利である。
以上紫外線硬化性樹脂組成物を例にとって説明した
が、それ以外の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物も、
各活性エネルギー線及び組成物の性質に従って、上記と
同様にして用いることができる。
このような樹脂組成物は、支持体、例えば帯状の支持
体上の最外層(例えば画像形成層)上に、液状樹脂素材
として塗布することができる。層表面に液状樹脂素材を
塗布するには、該素材液をダブルロールコーター、グラ
ビアオフセットコーター、スリットコーター、エアナイ
フコーター、ワイヤーパーコーター、スライドホッパ
ー、スプレーコーティング等の通常の方法を用いること
ができ、これらの方法で例えばカード状の画像部材表面
に簡単に塗布し得る。この時の塗布厚みは任意ではある
が、0.1μ〜30μ位が適当である。好ましくは1μ〜15
μである。
本発明において用いるエネルギー線硬化性組成物の構
成要素となるエポキシ基を少なくとも2つ分子内に含む
プレポリマーとは、活性エネルギー線によって活性化さ
れる重合開始剤の存在下、エネルギー線照射により高分
子化または架橋反応するエポキシ樹脂である。このよう
なものとしては、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹
脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂を挙げる
ことができ、これらは任意に単独、または組み合わせて
使用できる。本発明の好ましい態様にあっては、芳香族
エポキシ樹脂と、脂環族エポキシ樹脂と、脂肪族エポキ
シ樹脂との、各1種以上を併用する。
ここで芳香族エポキシ樹脂として好ましいものとして
は、多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付
加体のポリグリシジルエーテルであって、例えばビスフ
ェノールまたはアルキレンオキサイド付加体とエピクロ
ルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエー
テル、エポキシノボラック樹脂が挙げられる。
また脂環族エポキシ樹脂として好ましいものとして
は、少なくとも2個の脂肪族環を有する多価アルコール
のポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセンまたは
シクロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適
当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシク
ロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド
含有化合物が挙げられる。
脂環族エポキシ樹脂の代表例としては、水素添加ビス
フェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル
−5−5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−
メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサ
イド、ビス(3,4−エポキシ−6−エチルシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキシル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
サンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシ
シクロヘキサン)ジシクロペンタジエンジエポキサイ
ド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキ
シシクロヘキサンカルボキシレート)、ジシクロペンタ
ジエンジエポキサイドなどが挙げられる。
さらに脂肪族エポキシ樹脂として好ましいものは、脂
肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付
加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸の
ポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグ
リシジルメタクリレートのホモポリマー、コーポリマー
などがあり、その代表例としては1,4−ブタンジオール
のグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグ
リシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、ポリエチ
レングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多
価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサ
イドを付加することにより得られるポリエーテルポリオ
ールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸の
ジグリシジルエステル、エポキシ化ポリブタジエンが挙
げられる。
本発明において用いるエネルギー線硬化性組成物の構
成要素となるエポキシ基を少なくとも2つ分子内に含む
プレポリマーには、モノエポキサイドや、エポキシ樹脂
以外のカチオン重合性有機物質を所望の性能に応じて配
合して使用することができる。
例えば、配合することができるモノエポキサイドとし
て脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルや、
フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、またはこ
れらにアルキレンオキサイドを付加することにより得ら
れるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテ
ル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆
油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン
酸オクチル、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
配合することができるカチオン重合性有機物質の例と
しては、トリメチレンオキサイド、3,3−ジメチルオキ
セタン、3,3−ジクロロメチルオキセタンなどのオキセ
タン化合物;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテト
ラヒドロフランのようなオキソラン化合物;トリオキサ
ン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオ
クタンのような環状アセタール化合物;β−プロピオラ
クトン、ε−カプロラクトンのような環状ラクトン化合
物;エチレンスルフィド、1,2−プロピレンスルフィ
ド、チオエピクロロヒドリンのようなチイラン化合物;
1,3−プロピレンスルフィド、3,3−ジメチルエタンのよ
うなチエタン化合物;エチレングリコールジビニルエー
テル、ポリアルキレングリコールジビニルエーテル、ア
ルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メ
チル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレート)
のようなビニルエーテル化合物;エポキシ化合物とラク
トンとの反応によって得られるスピロオルソエステル化
合物;ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタ
ジエンのようなエチレン性不飽和化合物及び上記化合物
の誘導体が挙げられる。
活性エネルギー線によって活性化される重合開始剤と
しては、エネルギー線照射によりカチオン重合を開始さ
せる物質を放出することが可能な化合物を用いることが
でき、特に好ましいのは、照射により重合開始能のある
ルイス酸を放出するオニウム塩である複塩の一群のもの
である。
かかる化合物の代表的なものは一般式 〔R1 aR2 bR3 cR4 dZ〕+m〔MXn+m-m 〔式中、カチオンはオニウムであり、ZはS,Se,Te,P,A
s,Sb,Bi,O,ハロゲン(例えばI,Br,Cl)、N=Nであ
り、R1,R2,R3,R4は同一でも異なっていてもよい有機の
基である。a,b,c,dはそれぞれ0〜3の整数であって、
a+b+c+dはZの価数に等しい。Mはハロゲン化物
錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)
であり、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,
Mn,Co等である。Xはハロゲンであり、mは陽イオンの
正味の電荷、nはMの価数である。〕で表される。
上記一般式の陰イオンMXn+mの具体例としては、テト
ラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェ
ート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(Sb
F6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサ
クロロアンチモネート(SbCl6 -)等が挙げられる。
更に一般式MXn(OH)の陰イオンも用いることがで
きる。また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン
(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3S
O3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トルエン
スルホン酸陰イオン、トリエトロベンゼンスルホン酸陰
イオン等が挙げられる。
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩
をカチオン重合開始剤として使用するのが特に有効であ
り、なかでも特開昭50−151996号、同50−158680号公報
等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、
同52−30899号、同56−55420号、同55−125105号公報等
に記載のVI A族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号
公報等に記載のV A族芳香族オニウム塩、特開昭56−842
8号、同56−149402号、同57−192429号公報等に記載の
オキソスルホキソニウム塩、特公昭49−17040号公報等
に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655
号明細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。ま
た、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤等
も挙げられる。
かかるカチオン重合開始剤にはベンゾフェノン、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、チオキサントンなどの光
増感剤を併用することもできる。
本発明に使用する活性エネルギー線硬化性組成物にお
いて、重合開始剤は、一般的にはエネルギー線硬化性プ
レポリマー100重量部に対して好ましくは0.1〜15重量
部、より好ましくは1〜10重量部の範囲で含有するもの
である。
本発明において用いることができる活性エネルギー線
硬化性組成物はその効果を損わない限り、必要に応じ
て、前記記載のプレポリマー以外のラジカル重合性有機
物質、熱感受性重合開始剤、顔料、染料等の着色剤、消
泡剤、増粘剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤等の各種樹脂添加剤、充てん剤、改質用樹脂
などを適量配合して使用することができる。ラジカル重
合性有機物質としては、例えばエポキシアクリレート、
ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポ
リエーテルアクリレートなどのアクリレート系樹脂が挙
げられる。熱感受性重合開始剤としては、例えば特開昭
57−49613号、同58−37004号公報記載の脂肪族オニウム
塩類が挙げられる。
本発明によれば、接着性を補完するために、支持体か
ら最も遠い層(例えば画像形成層)と紫外線等活性エネ
ルギー線硬化性の保護被覆層との間に、新たに下塗層を
設けたり、画像形成層等の表面を処理したりする必要は
全くない。
本発明に係る写真要素の支持体としては、不透明のも
のも透明のものも使用でき、例えば紙、ポリエチレンを
紙にラミネートしたラミネート紙、紙の表面に白色顔料
を含んだ電子線硬化性組成物を塗布した後電子線で硬化
する事によって得られた写真用支持体、合成樹脂シート
等を用いることができる。
特に画像保存性の面から、支持体の酸素透過率が2.0m
l/m2・hr・atm以下のもの、より好ましくは1.0ml/m2・h
r・atm以下の反射支持体が望まれる。さらに適度の硬度
性と取り扱い性の面も含め適当な支持体としてはプラス
チックフィルム、例えばポリエステル、ビニルアルコー
ル、塩化ビニル、フッ素化ビニル、酢酸ビニル等のホモ
ポリマー及びコポリマー、酢酸セルロース、アクリロニ
トリル、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステル、メタクリロニトリル、アルキルビニル
エステル、アルキルビニルエーテル、ポリアミド等のホ
モポリマー及びコポリマー等及びこれらのポリマーを積
層したフィルム等を挙げることができる。
これらのフィルムのうち特に好ましいものはポリエス
テル、ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム及び
ラミネート紙である。またポリエステルフィルムは、酸
素透過率に湿度依存性が無いので、多湿時においても乾
燥時と同じ酸素透過率を有しており好ましい。
また該支持体は反射性をもたせるために白色顔料を含
有するか、または透明支持体上に白色顔料を含有する親
水性コロイド層を塗設しても良い。
白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料
であり、好ましくは無機の白色顔料であり、そのような
ものとしては、硫酸バリウム等のアルカリ金属の硫酸
塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土金属の炭酸塩、微粉
珪酸、合成珪酸塩のシリカ類、珪酸カルシウム、アルミ
ナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、
クレイ等があげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、酸化チタンであり、更に好まし
くは硫酸バリウムである。
前記不透明化顔料の含有量は、混入する母体である樹
脂の種類、製膜条件、混入顔料の性質、粒度によって異
なるが3〜30wt%が好ましい。
なお、この不透明樹脂シート面にも透明樹脂シートに
施すエンボッシュ、着色を施したり、或いは複層構成化
することは、本発明の写真要素をIDカード等のカードと
して具体化する場合に、カードの偽造、改竄防止および
弁別手段として用いることができる。
カードとして構成する場合、該カードに磁気記録層を
設けてもよい。
第1図に特にIDカード用として好適な支持体構成の一
例を示す。同図において、11は白色ポリエチレンテレフ
タレート、12接着性能をもつポリエチレン、13は白色ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、14はポリプロピレ
ン系合成紙であり、これらによって支持体が構成されて
いる。より好ましい態様にあっては、ポリプロピレン系
合成紙14として、ボイドを含む合成紙であるユポ(商品
名。王子油化合成紙製)を用いるのがよい。第1図中、
3は画像形成面をなす写真乳剤層、4は書き込み層であ
る。図示例ではポリプロピレン系合成紙14を厚さ80μと
し、その片面に更に加筆性、印字性を改良するための書
き込み層4として、クレーを含む書き込み層4を設け
た。図示例の支持体の形成に当たっては、このような合
成紙14(ユポ)に、8%の酸化チタンを含む溶解ポリエ
チレン12を押出し、透過濃度1.35で175μmの白色ポリ
エチレンテレフタレートフィルム11を貼合せた。この白
色ポリエチレンテレフタレートフィルム11の貼合せた面
と反対側の面には、模様2が印刷されており、更にこの
上に透過濃度1.35で、下引加工の施されている175μm
の白色ポリエチレンテレフトレートフィルム13を、間に
8%の酸化チタンを含む溶解ポリエチレン12を貼出し貼
合して構成する。
なお上記書き込み層4を加工して、印刷、手書き等に
より補完情報を掲載してもよい。
前述の如く、本発明の写真要素の好ましい実施態様と
してはIDカードがあり、その場合該カードは、所望の情
報が画像として担持された画像部材に本発明に係る保護
被覆層を形成することにより、外部からの物理的圧力に
対してある程度の硬さをもち、携帯時に折り曲げ等によ
り損傷することがないものが好ましく、特に不透明樹脂
シートに所望の硬度をもつものが好ましい。
本発明に係る写真要素において、画像を担持する写真
画像層を有する画像部材は、任意の写真感光材料に画像
を形成して構成できる。例えば、白黒或いはカラー用ハ
ロゲン化銀感光材料、各種拡散転写型感光材料、ジアゾ
感光材料、電子写真画像記録材料等に所定の処理工程を
施して形成することができる。
本発明に係る写真要素においては、写真画像層が親水
性高分子化合物を含有する層であって、該親水性高分子
化合物含有の写真画像層に、本発明に係る活性エネルギ
ー線硬化性組成物による保護被覆層を形成するものであ
ることが好ましい。
本発明において、画像を担持する写真画像層に用いら
れる親水性高分子化合物としては、ゼラチン、ゼラチン
誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、そ
れ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体を用いる
ことができ、また単一あるいは共重合体の如き合成親水
性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができ
る。その中で、少なくともゼラチンを用いる場合に本発
明の硬化が顕著である。
ゼラチンとしては、例えば石灰処理ゼラチンを用いる
ことができ、このほか酸処理ゼラチン、Bull.Soc.Sci.P
hot.Japan.,No.16,30頁(1966)に記載されたような酸
素処理ゼラチンを用いてもよく、またゼラチンの加水分
解物や酵素分解物も用いることができる。ゼラチン誘導
体としては、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無水物、
イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルトン類、
ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合物類、ポ
リアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種々の化
合物を反応させて得られるものを用いることができる。
その具体例は、米国特許第2,614,928号、同3,132,945
号、同3,186,846号、同3,312,553号、英国特許861,414
号、同1,033,189号、同1,005,784号、特公昭42−26845
号などに記載されている。
ゼラチンに代わる親水性高分子化合物として、あるい
はゼラチンと併用して用いることができるたん白質とし
ては、アルブミン、カゼイン等が挙げられ、セルロース
誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、セルロースの硫酸エステル等が
挙げられ、また糖誘導体としては、アルギン酸ソーダ、
でん粉誘導体が好ましく使用できる。
ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマーも用いるこ
とができ、このようなものとしてはゼラチンにアクリル
酸、メタアクリル酸、それらのエステル、アミドなどの
誘導体、アクリロニトリル、スチレンなどの如きビニル
系モノマーの単一(ホモ)または共重合体をグラフトさ
せたものを用いることができる。ことに、ゼラチンとあ
る程度相溶性のあるポリマー、例えばアクリル酸、アク
リルアミド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアルキル
メタアクリレート等の重合体とのグラフトポリマーが好
ましい。これらの例は、米国特許第2,763,625号、同2,8
31,767号、同2,956,884号などに記載されている。
ゼラチンに代えて、あるいはゼラチンと併用して合成
親水性高分子物質を用いることができ、代表的な合成親
水性高分子物質は、ポリビニルアルコール、ポリビニル
アルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾー
ル等の単一あるいは共重合体等であり、例えば***特許
出願(OLS)2,312,708号、米国特許第同3,620,751号、
同3,879,205号、特公昭43−7561号に記載のものであ
る。
親水性高分子化合物としてゼラチンを用いる場合に
は、ゼラチンのゼリー強度は限定されないが、ゼリー強
度250g以上(バギー法により測定した値)であることが
好ましい。
本発明の写真要素を構成する写真画像層、あるいは所
望に応じて形成されるその他の親水性コロイド層は、バ
インダー(または保護コロイド)分子を架橋させ、膜強
度を高める硬膜剤を1種または2種以上用いることによ
り、硬膜することができる。硬膜剤は、処理液中に硬膜
剤を加える必要がない程度の硬膜がなされるような量で
添加することができるが、処理液中に硬膜剤を加えるこ
とも可能である。
更に、上記写真画像層、あるいはその他の親水性コロ
イド層には、柔軟性を高める目的で、可塑剤を添加する
ことができる。
写真画像層は、感光材料等の感光層或いは受像層を、
前記した如き支持体、例えば防水加工バライタ紙、白色
不透明樹脂シート支持体或いはそれらの背面に黒白遮光
層を塗布した支持体、或いは透明樹脂シート等の支持体
に塗設したものから所定の処理を施すことにより得られ
る。
本発明に係る写真要素の画像形成層として、例えばポ
ジ型のハロゲン化銀カラー写真感光材料が好適に用いら
れる。この場合も支持体は、不透明であっても、或いは
透明であってもよい。
本発明の実施に際して、このように画像を担持する層
を構成する感光材料に用いる乳剤として、直接ポジ画像
形成ハロゲン化銀乳剤を採用する場合、例えば内部潜像
型ハロゲン化銀乳剤を用いることができ、その場合の乳
剤、添加物、色素形成カプラー、カブリ処理、現像処理
工程等については、特開昭62−229133号公報の第37頁15
行〜第62頁1行において記載されたものと同様にして実
施することができる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について詳述するが、本発明はこ
れらの態様に限定されない。
前記説明した如き、第1図に示すような、表面処理の
施された175μmのポリエステル2層11,13よりなり、か
つ裏面に書き込み可能なコートを施した80μmのポリプ
ロピレン系合成紙14を接着した支持体上に、以下に示す
赤感光乳剤層から保護層までの9層を同時塗布方式によ
り塗布乾燥して、カラープリント試料を作成した。
赤感光乳剤層(第1層) 2.0%不活性ゼラチン液を50℃に保ち、撹拌しながら
下記A液とB液を同時に加え3分間かけて注入した。10
分後下記C液を3分間かけて注入添加した。40分間熟成
後、沈澱水洗法により過剰塩を除去した後下記D液とE
液を加え、AgCl95モル%,AgBr5モル%からなる塩臭化銀
を裏面に積層させた。再度沈澱水洗法により過剰の水溶
性塩を除去し、ゼラチンを少量加えて分散させた。
その後このハロゲン化銀乳剤に増感色素(D−1)及
び増感色素(D−4)、ジブチルフタレートでプロテク
ト分散された2,5−ジオクチルハイドロキノン及びシア
ンカプラー(CC−1)を含む液、4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール、更にゼラチン、塗布助剤
(S−1)を適宜加える。塗布銀量0.4g/m2となるよう
に塗布した。
第1中間層(第2層) ジオクチルフタレート中に分散された2,5−ジオクチ
ルハイドロキノン及び紫外線吸収剤チヌビン328(チバ
ガイギー社製)、塗布助剤(S−1)を含むゼラチン液
を用意し、チヌビン328塗布量0.15g/m2となるように塗
布した。
緑感光乳剤層(第3層) 赤感光乳剤と同様にしてハロゲン化銀粒子を作成し
た。これに増感色素(D−2)、ジブチルフタレートで
プロテクト分散された2,5−ジオクチルハイドロキノン
及びマゼンタカプラー(MC−1)を含む液、4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、1−
フェニル−5−メルカプトテトラゾール、更にゼラチ
ン、塗布助剤(S−2)を適宜加える。塗布銀量0.4g/m
2となるように塗布した。
第2中間層(第4層) 第1中間層と同一処方で、但しチヌビン328塗布量が
0.2g/m2となるように塗布した。
イエローフィルター層(第5層) アルカリ性弱還元剤下で酸化してつくられた(中和後
ヌードル水洗法により弱還元剤を除去)イエローコロイ
ド銀及びジオクチルフタレートに分散された2,5−ジオ
クチルハイドロキノン液、塗布助剤(S−2)及び硬膜
剤(H−1)(塗布直前に加える)を加えて、塗布銀量
0.15g/m2となるように塗布した。
第3中間層(第6層) 第1中間層と同一処方で、但しチヌビン328塗布量が
0.15g/m2となるように塗布した。
青感光乳剤層(第7層) 1.5%不活性ゼラチン液を60℃に保ち撹拌しながら下
記のA′液とB′液を同時に加え15分間かけて注入し
た。15分後下記C′液を2分間かけて注入し、1分後ハ
イポを3mg/Ag相当加え、更に40分間熟成した。尚、サン
プリングして組成分析したところAgCl4モル%、AgBr96
モル%、AgI2モル%からなる塩臭化銀であった。
沈澱水洗法により過剰塩を除去した後下記D′液及び
E′液を加えて、AgCl97モル%、AgBr3モル%の表面層
を積層させた後に再度沈澱水洗法により過剰塩を除去し
て、分散用ゼラチンを加えた。
このハロゲン化銀乳剤に増感色素(D−3)、ジオク
チルフタレートで分散されたイエローカプラー(YC−
1)を含む液、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ン、ゼラチン、塗布助剤(S−3)及び硬膜剤(H−
1)(塗布直前に添加)を含む液を用い、塗布銀量0.5g
/m2となるように塗布した。
第4中間層(第8層) 第1中間層と同じ処方で、但しチヌビン328塗布量が
0.3g/m2となるように塗布した。但し塗布直前に硬膜剤
(H−1)を加えた。
保護層(第9層) 平均粒系3μmの非結晶性シリカ、塗布助剤(S−
3)、硬膜剤(H−1)(塗布直前に添加)を含むゼラ
チン液を用い、ゼラチン塗布量1.0g/m2となるように塗
布した。
H−1 1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート 本実施例における具体的な写真処理条件は下記の通り
である。
処理工程(処理温度と処理時間) [1]浸漬(発色現像液)38℃ 8秒 [2]カブリ露光 1ルックスで10秒 [3]発色現像 38℃ 2分 [4]漂白定着 35℃ 60秒 [5]安定化処理 25〜30℃ 1分30秒 [6]乾 燥 75〜80℃ 1分 処理液組成 (発色現像液) ベンジルアルコール 10ml エチレングリコール 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 1.5g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ポリリン酸(TPPS) 2.5g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタ
ンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩 5.5g 螢光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンズスルホン酸
誘導体) 1.0g 水酸化カリウム 2.0g 水を加えて全量を1とし、pH10.20に調整する。
(漂白定着液) エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミンテトラ酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し水を加え
て全量を1とする。
(安定化液) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン 1.0g エチレングリコール 10 g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸 2.5g 塩化ビスマス 0.2g 塩化マグネシウム 0.1g 水酸化アンモニウム(28%水溶液) 2.0g ニトリロトリ酢酸ナトリウム 1.0g 水を加えて全量を1とし、水酸化アンモニウムまた
は硫酸でpH7.0に調整する。
なお、安定化処理は2槽構成の向液方式にした。
上記現像処理を施したカラープリントに、下記に示す
本発明に係る塗布組成物(1)〜(6)または比較組成
物としてのアクリル系組成物を塗布量10g/m2となるよう
に塗布し、60W/cm2の高圧水銀灯下、10cmの距離から4
秒間、表−1に示す温度にある組成物に紫外線を照射
し、塗布組成物を硬化させた。このように各々表−1に
示す組成物を用い、照射時の組成物温度を表−1に示す
ようにして、試料−1〜21を得た。
なお高圧水銀灯による紫外線照射時の、組成物温度の
制御は、表−1に示すように、 (A)塗布前のフィルムを加熱 (B)塗布液を加熱 (C)塗布後紫外線照射前に加熱 の3種の手段によって行ったが、それぞれは具体的には
次のようにした。
即ち、上記エネルギー線硬化性組成物を温度30℃〜10
0℃にする加熱手段としては、本発明実施例では、第2
図に示すような装置を用いた。第2図中、H1,H2,H3は各
々ヒータを示す。Lは本実施例におけるエネルギー線照
射手段であるUVランプである。31a,31bは被加熱物であ
るカード状の画像部材Cを搬送するコンベアである。CO
は塗布用コータ、Tは赤外線温度計である。
第2図のような装置を用いて、例えばエネルギー線硬
化性組成物を塗布前の画像部材Cを加熱するには、ヒー
タH1を用いる。即ち、ヒータH1で加熱し、赤外線温度計
Tで計測する。また、組成物塗布液を加熱するには、ヒ
ータH3を用い、バット3B内の組成物塗布液を加熱するよ
うにできる。更に、塗布後エネルギー線(本例ではUV
光)照射前に加熱するには、ヒータH2を用い、該ヒータ
H2で加熱して、赤外線温度計Tで計測するようにでき
る。
なお、上記ヒータH1〜H3の内、実際にはいずれか1つ
により加熱すればよいものであり、図は簡便のため一装
置内に各ヒータH1〜H3が存在する構成で図示したもので
ある。
(比較組成物) アクリル系樹脂組成物: (UV硬化性組成物) エポキシ系組成物(1) エポキシ系組成物(2) エポキシ系組成物(3) エポキシ系組成物(4) エポキシ系組成物(5) エポキシ系組成物(6) (試料の評価) 以下の様にして得られた試料を以下の方法で評価し
た。
1.写真画像層との接着性 次のようにして接着性(1)〜(4)を調べた。
(1)硬化した保護被覆層の表面にセロテープ(ニチバ
ン社製)を強く貼り付け、急速に表面からセロテープを
剥離した後、剥離状態を観察した。
(2)カッターで90゜の角度で保護被覆層に傷を付けそ
の箇所の接着性を(1)項と同様の方法で写真画像層と
の接着性を調べた。
(3)硬化した保護被覆層を有する試料を20℃の水道水
に1昼夜水浸し、(1)項と同様の方法で写真画像層と
の接着性を調べた。
(4)硬化した保護被覆層を有する試料を20℃の水道水
に1昼夜水浸し、(2)項と同様の方法で写真画像層と
の接着性を調べた。
接着性は、接着したセロテープの面積の残存%で、そ
の評価結果を示し、表−1に記した。これが80%以上で
あれば、実用上許容できる。
表−1から明らかなように、本発明に係る試料はいず
れも、(1)〜(4)の各接着性テストにおいて、すぐ
れた結果を示した。特に、(2)のカッターで傷をつけ
るという苛酷な条件下でも80%以上の残存面積を与え、
また、(4)(3)の耐水性試験でもほぼ100%、悪く
とも90%という値を与えるものであり、劣悪な条件下で
も接着性がきわめてすぐれていることがわかる。
本実施例に係る試料の内、試料3〜6,13〜17は前記手
段(A)で温度制御し、試料8,9は手段(A)(B)を
併用し、試料10,11は手段(A)(C)を併用し、試料1
8,19は手段(A)(B)(C)を併用したが、このよう
に組成物塗布前に画像部材を加熱する手段(A)を用い
ることにより好ましい結果が得られ、更に手段(B)
(C)を併用することにより一層好ましい結果が得られ
ていることが理解されよう。
また別途写真用原紙にポリエチレンをラミネートした
支持体上に、前記した第1層から第9層を塗布して、画
像部材とした。但し保護層(第9層)の硬膜剤として、
前記(H−1)に代えて、下記化合物を使用した。
(特開昭62−229133号公報に記載の例示化合物(41)に
該当) 得られた画像部材に前記写真処理を施し、エポキシ系
組成物(1)を塗布して、UV光を照射し、硬化した。但
し加熱は行わず、18℃(常温)にて硬化を行った。
これにより得られた写真要素について評価したとこ
ろ、接着性は本発明に係る試料と同様であったが、感度
は本発明に係る試料に比較して、著しく低いものであっ
た。接着性を良好ならしめるために特定の硬膜剤を用い
ても、硬化時の温度制御が本願発明の範囲外である場
合、写真性能上十分な硬化は得られないことがわかる。
〔発明の効果〕 上述の如く本発明によれば、活性エネルギー線硬化に
よって保護被服層が形成される写真要素であって、画像
形成層等の接着性が良好であり、かつ耐水性の良好な写
真要素を提供することができる。また、このような写真
要素を、低エネルギーの活性エネルギー線照射により簡
単かつ安価に形成できる製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例において作成した写真要素の一例を断
面図にて示すものである。第2図は、実施例において加
熱・塗布を行うために用いた装置の構成図である。第3
図(a)〜(c)は、各々加熱方式を示す模式図であ
る。 1……支持体、3……画像形成層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 徹 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 大川 和夫 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 斎藤 誠一 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−21150(JP,A) 特開 昭61−60765(JP,A) 特公 平5−43104(JP,B2) 特公 平5−88825(JP,B2) 特表 昭59−501642(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも一層の画像を担持す
    る層と、活性エネルギー線で硬化された保護被覆層とを
    有する写真要素において、 前記保護被覆層は、エポキシ基を少なくとも2つ分子内
    に含むプレポリマーと活性エネルギー線によって活性化
    される重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化性組成
    物を温度30〜100℃に加熱した後、活性エネルギー線を
    照射して前記活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させ
    て形成されていることを特徴とする写真要素。
  2. 【請求項2】支持体上に少なくとも一層の画像を担持す
    る層と、活性エネルギー線で硬化された保護被覆層とを
    有する写真要素の製造方法において、 エポキシ基を少なくとも2つ分子内に含むプレポリマー
    と活性エネルギー線によって活性される重合開始剤とを
    含む活性エネルギー線硬化性組成物を温度30〜100℃に
    加熱した後、活性エネルギー線を照射して前記活性エネ
    ルギー線硬化性組成物を硬化させ、前記保護被覆層を形
    成することを特徴とする写真要素の製造方法。
  3. 【請求項3】前記支持体を加熱した後、前記支持体上に
    前記活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、次いで活
    性エネルギー線を照射することを特徴とする請求項1に
    記載の写真要素の製造方法。
  4. 【請求項4】前記活性エネルギー線硬化性組成物を加熱
    した後、前記支持体上に前記活性エネルギー線硬化性組
    成物を塗布し、次いで活性エネルギー線を照射すること
    を特徴とする請求項1に記載の写真要素の製造方法。
  5. 【請求項5】前記支持体上に前記活性エネルギー線硬化
    性組成物を塗布した後、前記支持体を加熱し、次いで活
    性エネルギー線を照射する、又は/及び前記支持体上に
    前記活性エネルギー線硬化性組成物を塗布した後、活性
    エネルギー線を照射しつつ前記支持体を加熱することを
    特徴とする請求項1に記載の写真要素の製造方法。
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