JP2711895B2 - 水性記録用インク - Google Patents

水性記録用インク

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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、インクジェット記録用、筆記具用、記録計
用、スタンプ用等として最適な水性記録用インクで、特
にインクジェット記録用としてノズルでの目詰りがな
く、吐出安定性があり、更に記録後の速乾性に優れ、且
つ滲み、裏写りが少なく優れた印字品質を有する水性記
録用インクに関するものである。
〈従来の技術〉 インクジェット記録方式による記録は、低騒音であ
り、且つ記録に高速化及びカラー化が容易であり、また
普通紙が使用できる可能性があるため、近年各種プリン
ター、ファクシミリ等への応用、開発が盛んに行なわれ
ている。
インクジェット記録方式としては、インク液滴制御方
式並びに吐出方式の各種組合せにより種々の特徴ある記
録方式が提案されており、またこれを使用するインクに
ついても油性と水性があり、水性記録用インクとして
は、水溶性染料、水溶性有機溶剤及び水を必須成分とす
るものが使用されている。
しかし、上述のインクジェット記録方式においては微
細なノズルオリフィスよりインクを均一な液滴として連
続的に安定して噴射されなければならず、したがって水
性記録用インクについて解決すべき課題として吐出安定
性の問題があり、更にノズルでの目詰りの問題がある。
また、水性記録用インクの記録後の解決すべき問題と
しては乾燥性、或いは裏写り、滲み等の問題がある。
更に、インクジェット記録方式においては記録紙とし
ては普通紙と使用した場合、通常の水性記録用インクで
は表面張力が高いため、紙の表面のサイズ剤等のために
浸透が極めて遅く、印字しても乾燥しないため、記録紙
としては普通紙は使用されず、特別に表面をコートした
用紙が使用されてきた。
普通紙に印字できる方法として、インクのアルカリ度
を高くし、サイズ剤を溶解させて見掛け乾燥速度を速め
る方法が提案されており、この場合裏写り、滲み等の問
題はないが、その反面インクのpHが13以上であり、人体
に対する安全性に問題があり、またカラー化も困難であ
る。
更に、界面活性剤等を使用してインクの浸透力を高め
ることにより、普通紙への見掛け乾燥速度を速める方法
も考えられるが、この場合インクの表面張力が低いた
め、インクが内部の空隙を埋めるように紙中に浸透する
ため、裏写り、滲み等の問題が生ずる。
インクのノズルオリフィスの目詰りを解消するため、
特開昭62−164773号においてはインクの必須成分に不溶
の油性物質をエマルジョンとして配合したインクが開示
され、目詰りの問題は解決しているが、インクがエマル
ジョンであるため溶解性が悪く、安定性が良くない。
特公昭62−15594号においてはノズルオリフィスの目
詰りを防止するため、インクの必須成分として染料を水
にジエチレングリコールモノベンジルエーテルを加えた
インク組成物が提案されているが低温における連続吐出
安定性において問題があった。
更に、特公昭60−23793号においては、湿潤剤として
脂肪族多価アルコール類を用いたインク組成物が開示さ
れ、ノズルオリフィスの目詰りを防止しているが、滲
み、裏写りが大きく、鮮明さに欠けていた。
上記したようにインクのノズルオリフィスの目詰りを
解決するため、インクの浸潤性を強調すると乾燥性が悪
くなったり、滲み、裏写りの問題が生じ、全ての要件を
満たすインクを製造することは非常に難しい。
〈発明が解決しようとする課題〉 そこで、本発明はノズルでの目詰りがなく、吐出安定
性に優れ、且つ記録後においては普通紙に対しても速乾
性で、しかも裏写り、滲み等の問題がなく、良好な印字
品質が得られるような水性記録用インクを提案すること
を目的とするものである。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記に鑑み提案されたもので、 水溶性染料と、水と、 一般式 (式中、mは1から15までの整数、 nは0または1から14までの整数で、 かつ1≦m+n≦15の範囲) で表わされるベンジルエーテルとからなる水性記録用イ
ンクに関するものである。
上記したように、インク組成物にポリオキシプロピレ
ンベンジルエーテル若しくはポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンベンジルエーテエル等のベンジルエーテ
ルを含有させることにより、インクジェット記録の際に
インク液に気泡が生じず、安定したインクの吐出が行な
えると共に、染料のインクに対する溶解性が向上し、イ
ンク液の表面張力を下げることなく、紙に対して充分な
浸透力を生じることを見い出したのである。
本発明に使用できる水溶性染料は、直接染料及び酸性
染料の中でも、水、水溶性有機溶剤に対する溶解性が良
く、記録された画像の耐水性、耐候性を向上させる染料
が望ましく、例えば C.I.Direct Black #17、#19、#38、#108、#154 C.I.Acid Black #2、#7、#31、#94、#155 C.I.Direct Blue #2、#6、#25、#98、#194 C.I.Acid Blue #7、#9、#104、#167、#234 C.I.Direct Red #1、#9、#17、#28、#99 C.I.Acid Red #18、#52、#94、#143、#259 C.I.Direct Yellow #8、#27、#58、#86、#142 C.I.Acid Yellow #7、#17、#42、#65、#155 等を挙げることができ、その添加量は添加後の染料の溶
解、析出等を考慮して9wt%を越えない範囲で添加す
る。
上記した水溶性染料に対して、前記した構造式のベン
ジルエーテルを添加するが、その添加量は1.0〜20wt%
が好ましく、1.0wt%以下であると紙に対する浸透力が
劣り、記録後の速乾性が得られず、また20wt%以上添加
しても、紙に対する浸透力に変化が見られず、インクの
高粘性化によるインクジェット記録におけるインクの吐
出安定性に悪影響を及ぼす。
また、添加するベンジルエーテルは、一種に限らるも
のではなく、前記した構造を有するベンジルエーテルを
必要に応じて二種以上を混合させてもよい。
尚、上記した構造式のベンジルエーテルにおいて、エ
チレンオキサイドの付加モル数nが16以上であるとイン
クに溶解させた時にインクの粘性が高くなり、インクの
吐出安定性が損なわれる。
また、上記したベンジルエーテルでm≦nの場合は、
インクの溶解安定性に寄与し、さらには紙に対して十分
な浸透力を有するが、m>nの場合は染料の種類、染料
の添加量によりインクの安定性が損なわれることがあ
る。しかし、m>nのベンジルエーテルとm≦nのベン
ジルエーテルとを併用するか、またはm>nのベンジル
エーテルと界面活性剤とを併用することにより安定性の
良い水性インク組成が得られ、紙に対しても十分な浸透
力を有する。
そして、m+n≧16のベンジルエーテルをインクに溶
解させた場合には、インクの粘性が高くなり、インクの
吐出安定性が損なわれ、さらには紙に対する浸透力が低
下する。
また、上記したような本発明のインクの必須成分に対
して、インクの粘性を調整し、吐出安定性及び低温安定
性を得るため、40wt%を越えない範囲で水溶性有機溶剤
を添加する。
この水溶性有機溶剤としては、例えばエチレングリコ
ール、ジ又はトリ又はポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレン
グリコール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アル
コール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチルグリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、グリセリンモノアセテート等の多価アルコールのア
ルキルエーテル類及びそのアセテート類、又はアミノア
ルコール類、若しくはN−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチルイミダゾリン等のチッ素化合物類の一種又
は二種以上を組合せて用いることができる。
更に、本発明の水性記録用インクに、記録紙の選択範
囲の拡大、紙への吸収性の向上、各種染料の溶解性の改
善を目的として油状物質を添加してもよい。これらの油
状物質としては植物油、不飽和脂肪酸、高級アルコー
ル、脂肪酸エステル、鉱油などがある。
しかし、上記した油状物質を界面活性剤などにより乳
化させてエマルジョン状のインクとしたり、界面活性
剤、各種溶剤等により可溶化させ、水性インクを作成す
ると、これら油状物質を配合したインクは極めて安定性
が良くないことと、粘性が高くなる欠点があった。
上記した油状物質含有インクの欠点をなくし、油性物
質含有の特徴を保持させることのできる物質として、分
子内に、−OH基を有し、水に難溶性、微溶性の溶剤、例
えば2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、ジエチレン
グリコールヘキシルエーテル、アセチレングリコールの
エチレンオキサイド付加物(付加モル数5以下)、エチ
レングリコールベンジルエーテルなどがあり、これらは
水性インクに0.1〜10.0wt%添加されて前記の油性物質
含有インクの特徴を有し、しかも安定性の良い水性イン
ク組成が得られる。勿論、当然のことながら水に対して
難溶性、微溶性の物質であるから水に溶解させるのに水
溶性有機溶剤を併用するのであるが、この際にも本発明
に使用するベンジルエーテルは水に対する溶解剤として
も非常に有効に作用する。
尚、本発明の水性記録用インク中には、上記した成分
の他にその特性を損なわない程度に、界面活性剤、保湿
剤、防黴剤等を配合することができる。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明の水性記録用インクは前
記したベンジルエーテルを含むため、インクの表面張力
が高くても、紙の繊維に対しては十分な浸透力を有して
いる。このため、紙表面のサイズ剤にも影響を受けず、
紙表面にインクが付着した際、拡散のぬれ性が抑制さ
れ、紙内部に浸透するが、紙内部の空隙への急激な浸透
は抑制される。
したがって、本発明の水性記録用インクは、普通紙に
対してもインクジェット記録用記録紙と同様に速乾性が
あり、且つ滲み、裏写り等がなく良好な印字品質を与え
ることができるものである。
また、本発明の水性記録用インクは、インクに対する
染料の溶解性が促進され、染料の析出等によるノズルの
目詰りの問題も解消されると同時に、吐出安定性も良好
であるので、インクジェット記録装置の高速化にも対応
することができるものである。
〈実施例〉 以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
尚、以下に示す組成において使用したベンジルエーテ
ルのm、nの値は、前記したようにそれぞれプロピレン
オキサイド、エチレンオキサイドの付加モル数を表わす
ものである。
配合例1 C.I.Direct Black #19 2.0Wt% グリセリン 10.0Wt% ジエチルグリコール 5.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=2,n=4) 5.0Wt% イオン交換水 残部 配合例2 C.I.Acid Blue #234 2.0Wt% PEG #200 8.0Wt% ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=2,n=2) 5.0Wt% イオン交換水 残部 配合例3 C.I.Direct Yellow #142 2.0Wt% PEG #300 10.0Wt% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 1.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=4,n=1) 4.0Wt% イオン交換水 残部 配合例4 C.I.Acid Black #94 2.0Wt% ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 2.0Wt% プロピレングリコールー 7.0Wt% N−メチル−2−ピロリドン 5.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=1,n=12) 3.0Wt% ベンジルエーテル(m=12,n=2) 1.0Wt% イオン交換水 残部 配合例5 C.I.Direct Red #28 2.0Wt% ベンジルアルコール 1.0Wt% グリセリン 10.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=5,n=10) 6.0Wt% イオン交換水 残部 配合例6 C.I.Acid Yellow #65 2.0Wt% エチレングリコールモノベンジルエーテル 2.0Wt% PEG #200 10.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=2,n=6) 6.0Wt% イオン交換水 残部 配合例7 C.I.Acid Blue #234 2.0Wt% 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール1.0Wt% PEG #200 10.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=4,n=8) 6.0Wt% イオン交換水 残部 配合例8 C.I.Direct Yellow #142 2.0Wt% グリセリン 10.0Wt% ジエチレングリコールヘキシルエーテル 0.5Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=1,n=1) 4.0Wt% ベンジルエーテル(m=3,n=6) 4.0Wt% イオン交換水 残部 配合例9 C.I.Acid Black #94 2.0Wt% ジエチレングリコール 8.0Wt% アセチレングリコールEO付加体 2.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=2,n=5) 10.0Wt% イオン交換水 残部 配合例10 C.I.Direct Black #154 2.0Wt% ジエチレングリコールモノエチルエーテル 2.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=1,n=7) 18.0Wt% イオン交換水 残部 配合例11 C.I.Direct Blue #194 2.0Wt% ジエチレングリコール 5.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=0,n=3) 10.0Wt% ベンジルエーテル(m=3,n=10) 5.0Wt% イオン交換水 残部 配合例12 C.I.Direct Blue #194 2.0Wt% 1,3−ジメチルイミダゾリン 2.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=2,n=4) 10.0Wt% ベンジルエーテル(m=0,n=8) 5.0Wt% イオン交換水 残部 比較配合例1 C.I.Direct Black #19 2.0Wt% PEG #200 12.0Wt% ジエチレングリコール 6.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% イオン交換水 残部 比較配合例2 C.I.Acid Blue #234 2.0Wt% グリセリン 12.0Wt% ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% イオン交換水 残部 比較配合例3 C.I.Direct Red #99 2.0Wt% グリセリン 15.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=0,n=8) 0.5Wt% イオン交換水 残部 比較配合例4 C.I.Acid Blue #234 2.0Wt% グリセリン 10.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=0,n=2) 25.0Wt% イオン交換水 残部 比較配合例5 C.I.Direct Yeloow #142 2.0Wt% PEG #200 10.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=0,n=18) 10.0Wt% イオン交換水 残部 比較配合例6 C.I.Direct Red #28 2.0Wt% PEG #300 15.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ジオクチルスルホコハク酸ソーダ 2.0Wt% イオン交換水 残部 比較配合例7 C.I.Direct Black #154 1.2Wt% ジエチレングリコールモノベンジルエーテル 5.0Wt% 安息香酸ナトリウム 1.0Wt% イオン交換水 残部 比較配合例8 C.I.Direct Red #28 2.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=2,n=6) 25.0Wt% イオン交換水 残部 比較配合例9 C.I.Direct Yellow #142 2.0Wt% PEG #200 10.0Wt% デヒドロ酢酸ソーダ 0.1Wt% ベンジルエーテル(m=7,n=9) 10.0Wt% イオン交換水 残部 上記配合例1〜12及び比較配合例1〜9の組成をそれ
ぞれ混合し、孔径0.45μのメンブランフィルターで吸引
濾過後、減圧で脱気処理してインクを調整した。
そして、得られた各組成のインクをドロップオンデマ
ンド型インクジェット記録装置を用い、周波数2KHZ、パ
ルス電圧80V、ノズルの直径60μの条件で各種の記録試
験を行ない、以下のような連続吐出安定性、吐出応答
性、記録乾燥性、画像品質についての試験を行った。
(1)連続吐出安定性 各インクについて高温環境室で、5℃、20℃、40℃の
雰囲気中で各々48時間の連続吐出試験を行なった。
配合例1〜12及び比較配合例1〜3のインクはいずれ
の雰囲気においても安定した鮮明な記録が得られたが、
比較配合例4及び7は5℃で、比較配合例5、8、9は
5℃と20℃の雰囲気において目詰りを生じた。また比較
配合例6はいずれの雰囲気下でも気泡によるものと思わ
れる目詰りを生じた。
(2)吐出応答性 各インクについて、ノズルよりの15分毎の間欠吐出と
4週間放置後の吐出とを行うことにより吐出応答性の試
験を行なった。
配合例1〜12及び比較配合例1〜3のいずれのインク
もノズルの目詰り等の異常はなく、所期の記録状態と全
く変らない安定した鮮明な印字記録が得られたが、比較
配合例4〜9は4週間放置後の吐出は不安定で印字にか
すれが見られた。
(3)記録乾燥性 インクジェット用記録紙(シリカコート紙)、筆記用
紙A(JIS・P3201の規格に準じる便せん用紙)、筆記用
紙B(JIS・P3202の規格に準じる事務用紙)、筆記用紙
C(JIS・P3203の規格に準じるノート用紙)の4種類の
記録用紙(A−4判)を用いて下記の試験により乾燥性
を比較した。
(a)転写試験法 上記4種の用紙に各インクをインクジェットプリンタ
ーによって印字し、印字後、10秒、30秒、60秒経過した
後、同質の用紙を印字面に合せて圧着し、1分間経過後
に合せた用紙を引き離し、合せた用紙へのインクの転写
の有無を調べた。上記両紙の圧着させる条件はJIS S 60
38のWater Base Marking Pensの乾燥試験に準じた。
印字して10秒後に重ね合せても 印字の転写が見られなかったものを ◎ 印字して30秒後に重ね合せて 印字の転写が見られなかったものを ○ 印字して60秒後に重ね合せて 印字の転写が見られなかったものを △ 印字して60秒後も、重ね合せて 印字の転写が見られたものを × と評価して、試験結果を表1に示した。
(b)摩耗試験法 上記用紙にインクジェットプリンターによって記録直
後(記録印字後1〜2秒)の印字面を指でこすって、印
字状態を観察した。
全く変らなかったものを ○ こすれて少し印字がみだれたものを △ こすれて全く印字がわからなくなったものを× と評価して、試験結果を表2に示した。
(4)画像品質試験 (3)の試験と同様に4種の用紙にそれぞれインクジ
ェットプリンターによって各インクを用いて画像を記録
し、記録した画像の(a)滲み状態及び(b)裏写り状
態を観察し、画像品質の評価を行なった。
滲みまたは裏写りが 殆どないものを○ 少しあるものを△ 多くあるものを× と評価して、(a)滲み状態の結果を表3に、 (b)裏写り状態の結果を表4に それぞれ示した。
以上の試験結果より明らかなように、一般の水性イン
クでは、連続吐出安定性及び吐出応答性において殆ど問
題がないものの記録乾燥性では、インクジェット用記録
紙を使用した場合は良好な結果が得られるが筆記用紙を
使用した場合は印字が殆ど転写されなかった。
また、表面張力を低め浸透力を強めたインク比較配合
例6では連続吐出安定性及び吐出応答性において問題が
あり、又、普通紙の筆記用紙に対する速乾性はあるもの
の滲みが著しいのに対し、本発明の連続吐出安定性及び
吐出応答性も良好であり、インクジェット用記録紙、普
通紙の筆記用紙に対しても優れた速乾性を有し、且つい
ずれの紙においても滲み、裏写りが殆どなく優れた品質
の印字が得られた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性染料と、水と、 一般式 (式中、mは1から15までの整数、 nは0または1から14までの整数で、 かつ1≦m+n≦15の範囲) で表わされるベンジルエーテルとからなる水性記録用イ
    ンク。
  2. 【請求項2】ベンジルエーテルの添加量が1〜20wt%で
    ある請求項(1)に記載の水性記録用インク。
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