JP2707560B2 - 人工格子光磁気記録媒体 - Google Patents
人工格子光磁気記録媒体Info
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- G11B11/10—Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field
- G11B11/105—Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field using a beam of light or a magnetic field for recording by change of magnetisation and a beam of light for reproducing, i.e. magneto-optical, e.g. light-induced thermomagnetic recording, spin magnetisation recording, Kerr or Faraday effect reproducing
- G11B11/10582—Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form
- G11B11/10586—Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the selection of the material
- G11B11/10589—Details
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- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、例えば書き換え可能な光磁気ディスク等に
適用する垂直磁化膜を有する人工格子光磁気記録媒体に
関わる。 〔発明の概要〕 本発明は、希土類元素を主体とする薄膜層と、遷移金
属を主体とする薄膜層との周期的積層構造を採り、その
各薄膜層の組成と膜厚関係の特定によってカー(Kerr)
ヒステリシスループの角型の良い垂直磁化膜による人工
格子光磁気記録媒体を構成する。 〔従来の技術〕 近年、光磁気記録媒体の開発が急関に活発化してい
る。この光磁気記録媒体の実用的な特性が得られる媒体
としては、アモルファス希土類−遷移金属合金薄膜によ
るものが注目されている。この種の光磁気記録媒体は、
一般には、その希土類−遷移金属合金のターゲット、或
いは希土類金属と遷移金属との複合ターゲットによるス
パッタリングによってアモルファス希土類−遷移金属合
金による垂直磁化膜を形成するという構成がとられる。
ところが、このような構成による光磁気記録媒体は、磁
束−磁界ヒステリシスループ、カーヒステリシスループ
等の角型が悪く、大きなカー回転角θKや、高い保磁力
Hcが得難い。また、実用に供し得る程度の保磁力Hcを得
るには、その膜組成を、例えば室温程度を補償温度とす
るように選定する組成の極く近傍に選定することが必要
であり、実用組成範囲が極めて狭隘であった。 一方、例えば特開昭62−26659号公報に開示された光
磁気記録媒体では、超極薄の希土類金属薄膜と遷移金属
薄膜の積層構造を採って高い保磁力を有する光磁気記録
媒体を提供している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、希土類金属を主体とする薄膜層と遷移金属
を主体とする薄膜層との周期的積層構造を採り、より高
い保磁力Hcを得ることができる。また、カーヒステリシ
スループの立上り、立ち下りの直線性にすぐれ、角型に
すぐれ磁気光学特性にすぐれた垂直磁化膜による人工格
子光磁気記録媒体を提供することができ、更にまた、垂
直磁化膜全体としての組成、つまり見掛上の組成の実用
範囲の狭隘の問題点の解決をはかる。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、基体上に、薄膜層Aと薄膜層Bとが交互に
積層された周期構造を有する膜面と垂直方向に磁化容易
軸を有する垂直磁化膜を形成する。 薄膜層A及びBの各組成は、R,S,T,M,Nで各元素群を
表わし、これら各元素群R,S,T,M,Nの成分比(原子%)
をそれぞれx,y,z,xII,yIIとして表わすとき、 薄膜層Bは、B=Rx・Sy・Tz, 薄膜層Aは、A=MxII・NyII なる一般式を有する組成とする。そして、ここに x,y,z,xII,yIIは、 x+y+z=100, 50x100, 0y50, 0z20, 60xII100, 0yII40, とする。 更に、各元素群R,S,T,M,Nは、元素群Rが、Gd,Tb,Dy,
Hoのうちの少くとも1種以上の元素であり、元素群S
が、上記元素群R以外のScとYとを含む希土類元素のう
ちの少くとも1種以上の元素であり、元素TがZrあり、
元素群Mが、Fe,Co,Niのうちの少くとも1種以上の元素
であり、元素群Nが、Nd,Crのうちの少くとも1種以上
の元素とされる。 そして、薄膜層A及びBの各膜厚を、それぞれa
(Å)及びb(Å)とし、各膜厚の関係を第1図に示す
ように、a−b直交座標系において(a,b)で表わすと
き、両膜厚a及びbの関係が、点(イ)における(2,
6)から順に点(ロ)の(11,30),点(ハ)の(16,6
0),点(ニ)の(30,60),点(ホ)の(26,30),点
(ヘ)の(18,6),更に上記点(イ)(2,6)の各座標
点を結ぶ第1図に斜線をもって示す範囲内、更に好まし
くは、第1図における点(ト)の(3.5,6)と、点
(ロ)の(11,30)と、点(チ)の(16,6)と、点
(リ)の(3.5,6)とを結ぶ範囲内とする。 〔作用〕 上述した薄膜層Aと、薄膜層Bとの点(イ)〜(ヘ)
によって囲まれた範囲の周期積層構造の人工格子構造に
よる垂直磁化膜を有する光磁気記録媒体によれば、その
光磁気記録層、すなわち垂直磁化膜における磁気補償温
度Tcompを室温程度に選定することのできる全体として
の平均組成すなわち見掛け上の組成範囲が広がることが
確認され、また磁気光学的諸特性例えばカーヒステリシ
スカーブの角型比の向上、保磁力Hcの向上等がはかられ
る。 〔実施例〕 本発明による薄膜層Aと薄膜層Bとが交互に積層され
た周期構造の人工格子光磁気記録膜の作製は、マグネト
ロンスパッター装置を用い得る。 このスパッタリング装置は、例えば第2図に示すよう
に、ベルジャ(図示せず)内に、軸心0−0′を中心と
して回転する基台(1)を設け、これの例えば下面に目
的とする光磁気記録媒体を構成する平滑ガラス基板より
成る基体(2)が配置される。そして、この基体(2)
に対向して軸心0−0′を中心に等角間隔、すなわち18
0゜の角間隔を保持して2個のスパッタ源(3)及び
(4)を配置する。これらスパッタ源(3)及び(4)
と基台(1)、すなわち基体(2)との間には、スパッ
タ源(3)及び(4)より夫々スパッタされる金属のス
パッタ位置を規制するマスク(5)を配置する。スパッ
タ源(3)及び(4)は、それぞれ前述した薄膜A及び
Bの各組成金属ターゲット(6)及び(7)を有して成
る。これらターゲット(6)または(及び)(7)は、
対応する薄膜Aまたは(及び)Bが、複合(合金)であ
る場合は、この組成に応じた合金ターゲットとすること
もできるし、例えば単一若しくは合金体上に他の単一ま
たは合金ペレットを載せて全体として所要の組成を有す
るようになし得る。(8)及び(9)はマグネットを示
す。 そして基台(1)を回転させながらターゲット(6)
及び(7)を負極側としてマスク(5)の窓(5a)及び
(5b)を通して基体(2)上に、これらの直流スパッタ
リングを行う。 このようにして基台(1)を回転させながら全体とし
て200〜10,000Åの厚さ、例えば5000Åの厚さの垂直磁
化膜を基体(2)上に形成して目的とする光磁気記録媒
体を作製する。このスパッタリングは次の条件下で行
う。 残留ガス圧 1.0×10-6torr Arガス圧 5×10-3torr 放電電力 ターゲット(6) 100W〜200W ターゲット(7) 200W〜800W 実施例1 上述したスパッタリング方法によって、平滑ガラス板
より成る基体(2)上に垂直磁化膜、すなわち光磁気記
録膜を形成した。この場合、ターゲット(6)として薄
膜層Aを構成するFe90Co10を用い、ターゲット(7)と
して薄膜層Bを構成するTbを用いた。また基体(2)上
における各薄膜層Aの厚さは10Å、各薄膜層Bの厚さは
7Åとし、全体の厚さが約5000Åとなるように両薄膜層
A及びBを繰返し積層した。このようにして得た垂直磁
化膜全体としての平均組成は、Tb20.6(Fe90Co10)79.4
である。 比較例1 実施例1と同様の方法によるものの、ターゲットとし
て、実施例1の磁性膜の平均組成とほぼ同組成のTbFeCo
合金の単一ターゲットを用いてガラス基板(2)上に光
磁気記録膜をスパッタリングによって形成した。 上述した実施例1及び比較例1によって得た各記録膜
の磁界Hに対するカー回転角θKのヒステリシスループ
曲線の測定結果を第3図A及びBに示す。両曲線を比較
して明らかなように、実施例1のものは、比較例1のも
のに比してカーヒステリシスループの角型にすぐれてい
る。また、実施例1の場合保磁力Hc=4.7kOe,カー回転
角θK=0.42゜であり、同組成の比較例1の均一合金膜
のHc=3.6kOe,θK=0.36゜に比し大きな改善がみられ
た。 実施例2 実施例1と同様の方法によるものの、第2図で説明し
たスパッタリング装置を用いて、その一方のターゲット
としてFeを用い、他方のターゲットとしてTbを用いて、
Feより成る薄膜層Aと、Tbより成る薄膜層Bの繰返し積
層による光磁気記録膜を、ガラス基体(2)上に形成し
た。この場合において各薄膜層A及びBの各厚さを変更
して各試料を作製した。これら各試料の各薄膜層A及び
Bの各厚さの関係を第4図に○印でプロットして示し
た。これら試料の光磁気特性の測定の結果、実線(太
線)曲線a上とその近傍の厚さ関係で、室温で、膜全体
として見掛上磁気補償温度領域となること、更にこれよ
りTb薄膜層Bの厚さを増加してTbの実質量を増していく
と、破線曲線bの近傍でこれより下側では室温で、保磁
力Hcが発散する領域からいわばFeリッチ(rich)側的特
性を示す垂直異方性を示す光磁気記録膜を作製できるこ
とが分かった。すなわち、前述の第1図に示したよう
に、第4図において、曲線aおよびbの近傍に相当する
各点イ,ロ,ハと、更にその下方のFeリッチの領域に相
当する点ニ,ホ,ヘにおいて、すなわちこれら各点イ−
ロ−ハ−ニ−ホ−ヘ−イによって囲まれた範囲で、つま
り、膜全体の平均組成において、従前の均一合金膜組成
では、得られない組成範囲で光磁気特性を示す垂直磁化
膜が得られる。 実施例3 実施例1と同様の方法によるものの、薄膜層AをFeCo
15の厚さ10.2Åとし、薄膜層BをTbの厚さ8.2Åとし
た。尚、この場合の積層周期Pは、P=18.2Åとし、垂
直磁化膜の全体としての平均組成は、Tb23(Fe85Co15)
77となる。 従来例1 実施例1と同様の方法によるも薄膜層Aを実施例3と
同様にFeCo15の厚さ10.2Åとするも、薄膜層Bを5〜10
Åの厚さとして前記特開昭62−26659号公報に開示の技
術思想に基く構成とした。この場合の積層周期Pは、P
=15.8Åとした。この垂直磁化膜の全体的平均組成はTb
17(Fe85Co15)83となる。 これら実施例3及び従来例1による各垂直磁化膜のカ
ーヒステリシスループ特性は、それぞれ第5図A及びB
に示すように測定された。これらを比較して明らかなよ
うに、本発明による実施例3は、従来例1に比し保磁力
Hcの向上がみられ、またその立上り、立下りの直線性に
すぐれていることがわかる。すなわち、実施例3のもの
においてはHc=5.8kOeであり、従来例1のものについて
はHc=2.8kOeであった。 実施例4 実施例3と同様のFeCo薄膜層とTb薄膜層Bの繰返し積
層構造とするものの、両薄膜層A及びBの各膜厚を14.0
Å及び16.2Åとして周期PをP=30.2Åとした。その平
均組成をTb29(Fe85Co15)71であった。 従来例2 実施例4と同様の平均組成とするものの、薄膜層Aの
厚さを4.2Å、薄膜層Bの厚さを4.6Åとして周期P=8.
8Åとして、前記特開昭62−26659号公報に開示の技術思
想に基く構成とした。 実施例4の場合、Hc=7.5kOeとなり、従来例2の場
合、Hc=2.5kOeであった。そして、これら実施例4及び
従来例2の各ヒステリシス特性を第6図A及びBに示
す。これより明らかなように、本発明による実施例4は
すぐれた角型を示す。 実施例5 実施例1と同様の方法によるものの、ターゲット
(6)としてFe90Co10を用い、ターゲット(7)として
Nd17Dy83を用いてFe90Co10の薄膜層Aと、Nd17Dy83の薄
膜層Bの繰返し積層による垂直磁化膜を形成する。この
場合、薄膜層AとBの各厚さtA及びtBは、tB/tA=20Å/
13Åとした。 この実施例5による垂直磁化膜のカーループ特性を第
7図に示す。この場合においてもすぐれた角型比を有す
ることが分る。 また、実施例5と同様の方法により、薄膜層A及びB
の各組成を変え、各厚さを変化させた表1に示す構成に
よる垂直磁化膜もまた第7図の特性と殆んど同様の特性
を示した。 尚、上述した各例においては、積層構造の磁性膜中の
薄膜層A同士,B同士が、それぞれ同一組成のものを用い
た場合について説明したが、各薄膜層A及び,Bが、交互
に配された構成を採るものの、各薄膜層A及びBの双方
または一方が前述した各薄膜層A及びBの条件を満す組
成の2種以上の複数種の組成の薄膜より成り、この複数
種の薄膜の単一層又は積層によって各薄膜層A及びBと
することができる。すなわち、基本的には薄膜層A及び
Bの繰返し構成とするが、例えば薄膜層Aを2種の薄膜
A1及びA2とし、A1A2−B−A1A2−B・・・とするとかA1
−B−A2−B−A1・・・とするなどの構成を採り得る。 〔発明の効果〕 上述したように本発明によれば、高いカー回転角
θK、高保磁力Hc、カーヒステリシスループの角型にす
ぐれた光磁気記録媒体を見掛上の組成を広範な組成から
選定することができることから、例えば使用態様、使用
条件に適合した最適な機械的、磁気的等の各種特性を有
する光磁気記録媒体の作製が可能となり、実用上大きな
利益をもたらす。
適用する垂直磁化膜を有する人工格子光磁気記録媒体に
関わる。 〔発明の概要〕 本発明は、希土類元素を主体とする薄膜層と、遷移金
属を主体とする薄膜層との周期的積層構造を採り、その
各薄膜層の組成と膜厚関係の特定によってカー(Kerr)
ヒステリシスループの角型の良い垂直磁化膜による人工
格子光磁気記録媒体を構成する。 〔従来の技術〕 近年、光磁気記録媒体の開発が急関に活発化してい
る。この光磁気記録媒体の実用的な特性が得られる媒体
としては、アモルファス希土類−遷移金属合金薄膜によ
るものが注目されている。この種の光磁気記録媒体は、
一般には、その希土類−遷移金属合金のターゲット、或
いは希土類金属と遷移金属との複合ターゲットによるス
パッタリングによってアモルファス希土類−遷移金属合
金による垂直磁化膜を形成するという構成がとられる。
ところが、このような構成による光磁気記録媒体は、磁
束−磁界ヒステリシスループ、カーヒステリシスループ
等の角型が悪く、大きなカー回転角θKや、高い保磁力
Hcが得難い。また、実用に供し得る程度の保磁力Hcを得
るには、その膜組成を、例えば室温程度を補償温度とす
るように選定する組成の極く近傍に選定することが必要
であり、実用組成範囲が極めて狭隘であった。 一方、例えば特開昭62−26659号公報に開示された光
磁気記録媒体では、超極薄の希土類金属薄膜と遷移金属
薄膜の積層構造を採って高い保磁力を有する光磁気記録
媒体を提供している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、希土類金属を主体とする薄膜層と遷移金属
を主体とする薄膜層との周期的積層構造を採り、より高
い保磁力Hcを得ることができる。また、カーヒステリシ
スループの立上り、立ち下りの直線性にすぐれ、角型に
すぐれ磁気光学特性にすぐれた垂直磁化膜による人工格
子光磁気記録媒体を提供することができ、更にまた、垂
直磁化膜全体としての組成、つまり見掛上の組成の実用
範囲の狭隘の問題点の解決をはかる。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、基体上に、薄膜層Aと薄膜層Bとが交互に
積層された周期構造を有する膜面と垂直方向に磁化容易
軸を有する垂直磁化膜を形成する。 薄膜層A及びBの各組成は、R,S,T,M,Nで各元素群を
表わし、これら各元素群R,S,T,M,Nの成分比(原子%)
をそれぞれx,y,z,xII,yIIとして表わすとき、 薄膜層Bは、B=Rx・Sy・Tz, 薄膜層Aは、A=MxII・NyII なる一般式を有する組成とする。そして、ここに x,y,z,xII,yIIは、 x+y+z=100, 50x100, 0y50, 0z20, 60xII100, 0yII40, とする。 更に、各元素群R,S,T,M,Nは、元素群Rが、Gd,Tb,Dy,
Hoのうちの少くとも1種以上の元素であり、元素群S
が、上記元素群R以外のScとYとを含む希土類元素のう
ちの少くとも1種以上の元素であり、元素TがZrあり、
元素群Mが、Fe,Co,Niのうちの少くとも1種以上の元素
であり、元素群Nが、Nd,Crのうちの少くとも1種以上
の元素とされる。 そして、薄膜層A及びBの各膜厚を、それぞれa
(Å)及びb(Å)とし、各膜厚の関係を第1図に示す
ように、a−b直交座標系において(a,b)で表わすと
き、両膜厚a及びbの関係が、点(イ)における(2,
6)から順に点(ロ)の(11,30),点(ハ)の(16,6
0),点(ニ)の(30,60),点(ホ)の(26,30),点
(ヘ)の(18,6),更に上記点(イ)(2,6)の各座標
点を結ぶ第1図に斜線をもって示す範囲内、更に好まし
くは、第1図における点(ト)の(3.5,6)と、点
(ロ)の(11,30)と、点(チ)の(16,6)と、点
(リ)の(3.5,6)とを結ぶ範囲内とする。 〔作用〕 上述した薄膜層Aと、薄膜層Bとの点(イ)〜(ヘ)
によって囲まれた範囲の周期積層構造の人工格子構造に
よる垂直磁化膜を有する光磁気記録媒体によれば、その
光磁気記録層、すなわち垂直磁化膜における磁気補償温
度Tcompを室温程度に選定することのできる全体として
の平均組成すなわち見掛け上の組成範囲が広がることが
確認され、また磁気光学的諸特性例えばカーヒステリシ
スカーブの角型比の向上、保磁力Hcの向上等がはかられ
る。 〔実施例〕 本発明による薄膜層Aと薄膜層Bとが交互に積層され
た周期構造の人工格子光磁気記録膜の作製は、マグネト
ロンスパッター装置を用い得る。 このスパッタリング装置は、例えば第2図に示すよう
に、ベルジャ(図示せず)内に、軸心0−0′を中心と
して回転する基台(1)を設け、これの例えば下面に目
的とする光磁気記録媒体を構成する平滑ガラス基板より
成る基体(2)が配置される。そして、この基体(2)
に対向して軸心0−0′を中心に等角間隔、すなわち18
0゜の角間隔を保持して2個のスパッタ源(3)及び
(4)を配置する。これらスパッタ源(3)及び(4)
と基台(1)、すなわち基体(2)との間には、スパッ
タ源(3)及び(4)より夫々スパッタされる金属のス
パッタ位置を規制するマスク(5)を配置する。スパッ
タ源(3)及び(4)は、それぞれ前述した薄膜A及び
Bの各組成金属ターゲット(6)及び(7)を有して成
る。これらターゲット(6)または(及び)(7)は、
対応する薄膜Aまたは(及び)Bが、複合(合金)であ
る場合は、この組成に応じた合金ターゲットとすること
もできるし、例えば単一若しくは合金体上に他の単一ま
たは合金ペレットを載せて全体として所要の組成を有す
るようになし得る。(8)及び(9)はマグネットを示
す。 そして基台(1)を回転させながらターゲット(6)
及び(7)を負極側としてマスク(5)の窓(5a)及び
(5b)を通して基体(2)上に、これらの直流スパッタ
リングを行う。 このようにして基台(1)を回転させながら全体とし
て200〜10,000Åの厚さ、例えば5000Åの厚さの垂直磁
化膜を基体(2)上に形成して目的とする光磁気記録媒
体を作製する。このスパッタリングは次の条件下で行
う。 残留ガス圧 1.0×10-6torr Arガス圧 5×10-3torr 放電電力 ターゲット(6) 100W〜200W ターゲット(7) 200W〜800W 実施例1 上述したスパッタリング方法によって、平滑ガラス板
より成る基体(2)上に垂直磁化膜、すなわち光磁気記
録膜を形成した。この場合、ターゲット(6)として薄
膜層Aを構成するFe90Co10を用い、ターゲット(7)と
して薄膜層Bを構成するTbを用いた。また基体(2)上
における各薄膜層Aの厚さは10Å、各薄膜層Bの厚さは
7Åとし、全体の厚さが約5000Åとなるように両薄膜層
A及びBを繰返し積層した。このようにして得た垂直磁
化膜全体としての平均組成は、Tb20.6(Fe90Co10)79.4
である。 比較例1 実施例1と同様の方法によるものの、ターゲットとし
て、実施例1の磁性膜の平均組成とほぼ同組成のTbFeCo
合金の単一ターゲットを用いてガラス基板(2)上に光
磁気記録膜をスパッタリングによって形成した。 上述した実施例1及び比較例1によって得た各記録膜
の磁界Hに対するカー回転角θKのヒステリシスループ
曲線の測定結果を第3図A及びBに示す。両曲線を比較
して明らかなように、実施例1のものは、比較例1のも
のに比してカーヒステリシスループの角型にすぐれてい
る。また、実施例1の場合保磁力Hc=4.7kOe,カー回転
角θK=0.42゜であり、同組成の比較例1の均一合金膜
のHc=3.6kOe,θK=0.36゜に比し大きな改善がみられ
た。 実施例2 実施例1と同様の方法によるものの、第2図で説明し
たスパッタリング装置を用いて、その一方のターゲット
としてFeを用い、他方のターゲットとしてTbを用いて、
Feより成る薄膜層Aと、Tbより成る薄膜層Bの繰返し積
層による光磁気記録膜を、ガラス基体(2)上に形成し
た。この場合において各薄膜層A及びBの各厚さを変更
して各試料を作製した。これら各試料の各薄膜層A及び
Bの各厚さの関係を第4図に○印でプロットして示し
た。これら試料の光磁気特性の測定の結果、実線(太
線)曲線a上とその近傍の厚さ関係で、室温で、膜全体
として見掛上磁気補償温度領域となること、更にこれよ
りTb薄膜層Bの厚さを増加してTbの実質量を増していく
と、破線曲線bの近傍でこれより下側では室温で、保磁
力Hcが発散する領域からいわばFeリッチ(rich)側的特
性を示す垂直異方性を示す光磁気記録膜を作製できるこ
とが分かった。すなわち、前述の第1図に示したよう
に、第4図において、曲線aおよびbの近傍に相当する
各点イ,ロ,ハと、更にその下方のFeリッチの領域に相
当する点ニ,ホ,ヘにおいて、すなわちこれら各点イ−
ロ−ハ−ニ−ホ−ヘ−イによって囲まれた範囲で、つま
り、膜全体の平均組成において、従前の均一合金膜組成
では、得られない組成範囲で光磁気特性を示す垂直磁化
膜が得られる。 実施例3 実施例1と同様の方法によるものの、薄膜層AをFeCo
15の厚さ10.2Åとし、薄膜層BをTbの厚さ8.2Åとし
た。尚、この場合の積層周期Pは、P=18.2Åとし、垂
直磁化膜の全体としての平均組成は、Tb23(Fe85Co15)
77となる。 従来例1 実施例1と同様の方法によるも薄膜層Aを実施例3と
同様にFeCo15の厚さ10.2Åとするも、薄膜層Bを5〜10
Åの厚さとして前記特開昭62−26659号公報に開示の技
術思想に基く構成とした。この場合の積層周期Pは、P
=15.8Åとした。この垂直磁化膜の全体的平均組成はTb
17(Fe85Co15)83となる。 これら実施例3及び従来例1による各垂直磁化膜のカ
ーヒステリシスループ特性は、それぞれ第5図A及びB
に示すように測定された。これらを比較して明らかなよ
うに、本発明による実施例3は、従来例1に比し保磁力
Hcの向上がみられ、またその立上り、立下りの直線性に
すぐれていることがわかる。すなわち、実施例3のもの
においてはHc=5.8kOeであり、従来例1のものについて
はHc=2.8kOeであった。 実施例4 実施例3と同様のFeCo薄膜層とTb薄膜層Bの繰返し積
層構造とするものの、両薄膜層A及びBの各膜厚を14.0
Å及び16.2Åとして周期PをP=30.2Åとした。その平
均組成をTb29(Fe85Co15)71であった。 従来例2 実施例4と同様の平均組成とするものの、薄膜層Aの
厚さを4.2Å、薄膜層Bの厚さを4.6Åとして周期P=8.
8Åとして、前記特開昭62−26659号公報に開示の技術思
想に基く構成とした。 実施例4の場合、Hc=7.5kOeとなり、従来例2の場
合、Hc=2.5kOeであった。そして、これら実施例4及び
従来例2の各ヒステリシス特性を第6図A及びBに示
す。これより明らかなように、本発明による実施例4は
すぐれた角型を示す。 実施例5 実施例1と同様の方法によるものの、ターゲット
(6)としてFe90Co10を用い、ターゲット(7)として
Nd17Dy83を用いてFe90Co10の薄膜層Aと、Nd17Dy83の薄
膜層Bの繰返し積層による垂直磁化膜を形成する。この
場合、薄膜層AとBの各厚さtA及びtBは、tB/tA=20Å/
13Åとした。 この実施例5による垂直磁化膜のカーループ特性を第
7図に示す。この場合においてもすぐれた角型比を有す
ることが分る。 また、実施例5と同様の方法により、薄膜層A及びB
の各組成を変え、各厚さを変化させた表1に示す構成に
よる垂直磁化膜もまた第7図の特性と殆んど同様の特性
を示した。 尚、上述した各例においては、積層構造の磁性膜中の
薄膜層A同士,B同士が、それぞれ同一組成のものを用い
た場合について説明したが、各薄膜層A及び,Bが、交互
に配された構成を採るものの、各薄膜層A及びBの双方
または一方が前述した各薄膜層A及びBの条件を満す組
成の2種以上の複数種の組成の薄膜より成り、この複数
種の薄膜の単一層又は積層によって各薄膜層A及びBと
することができる。すなわち、基本的には薄膜層A及び
Bの繰返し構成とするが、例えば薄膜層Aを2種の薄膜
A1及びA2とし、A1A2−B−A1A2−B・・・とするとかA1
−B−A2−B−A1・・・とするなどの構成を採り得る。 〔発明の効果〕 上述したように本発明によれば、高いカー回転角
θK、高保磁力Hc、カーヒステリシスループの角型にす
ぐれた光磁気記録媒体を見掛上の組成を広範な組成から
選定することができることから、例えば使用態様、使用
条件に適合した最適な機械的、磁気的等の各種特性を有
する光磁気記録媒体の作製が可能となり、実用上大きな
利益をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による光磁気記録媒体の薄膜層A及びB
の各厚さ範囲を示す図、第2図は本発明による光磁気記
録媒体を作製するに用いられるスパッタリング装置の一
例の構成図、第3図、第5図、第6図の各A及びB、第
7図はそれぞれカー回転角−磁界曲線図、第4図はFe薄
膜層AとTb薄膜層Bの各例の厚さと補償組成を示す図で
ある。 (2)は基体、(6)及び(7)はターゲットである。
の各厚さ範囲を示す図、第2図は本発明による光磁気記
録媒体を作製するに用いられるスパッタリング装置の一
例の構成図、第3図、第5図、第6図の各A及びB、第
7図はそれぞれカー回転角−磁界曲線図、第4図はFe薄
膜層AとTb薄膜層Bの各例の厚さと補償組成を示す図で
ある。 (2)は基体、(6)及び(7)はターゲットである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.薄膜層Aと薄膜層Bとが交互に積層された周期構造
を有し、 上記薄膜層A及びBの各組成は、R,S,T,M,Nで各元素群
を表わし、これら各元素群R,S,T,M,Nの成分比(原子
%)をそれぞれx,y,z,xII,yIIとして表わすとき、 薄膜Bは、B=Rx・Sy・Tz, 薄膜Aは、A=MxII,NyII なる一般式を有し、 x,y,z,xII,yIIは、 x+y+z=100, 50x100, 0y50, 0z20, 60xII100, 0yII40, であって、 上記元素群R,S,T,M,Nは、 元素群Rが、Gd,Tb,Dy,Hoのうちの少なくとも1種以上
の元素であり、 元素群Sが、上記元素群R以外の、ScとYを含む希土類
元素のうちの少なくとも1種以上の元素であり、 元素Tが、Zrであり、 元素群Mが、Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種類以上の
元素であり、 元素群Nが、Nd,Crのうちの少なくとも1種以上の元素
であり、 上記薄膜層A及びBの各膜厚を、それぞれa(Å)及び
b(Å)とし、各膜厚の関係をa−b直交座標系におい
て(a,b)で表わすとき、両膜厚の関係が、(2,6)の点
から順に(11,30),(16,60),(30,60),(26,3
0),(18,6),更に上記(2,6)の各座標点を結ぶ範囲
内とされた垂直磁化膜を有して成ることを特徴とする人
工格子光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28572587A JP2707560B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 人工格子光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28572587A JP2707560B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 人工格子光磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01128242A JPH01128242A (ja) | 1989-05-19 |
JP2707560B2 true JP2707560B2 (ja) | 1998-01-28 |
Family
ID=17695226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28572587A Expired - Fee Related JP2707560B2 (ja) | 1987-11-12 | 1987-11-12 | 人工格子光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2707560B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5682571A (en) * | 1995-07-20 | 1997-10-28 | Eastman Kodak Company | Recyclable camera |
-
1987
- 1987-11-12 JP JP28572587A patent/JP2707560B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01128242A (ja) | 1989-05-19 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |