JP2706314B2 - ナンバープレート読取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速道路の料金所、駐車場システムおよび入
出門管理システム等に設置されるナンバープレート読取
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のナンバープレート読取装置の構成例を本発明の
一実施例の構成を示す第１図を参照して説明する。

第１図において１は車両進入路、２は車両進入を検知
する１対の光センサ、３はナンバープレートを読取る画
像処理装置、４は車両前部画像を撮像する撮像装置であ
る。

第２図は従来例の構成を示すブロック図である。第２
図において、車両が第１図の進入路１に進入すると、光
センサ２がしゃ光され、画像処理装置３に車両進入信号
を出力する。画像処理装置３は、車両進入信号を受信す
ると、撮像装置４に対して撮像指令信号を出力する。撮
像装置４は、撮像指令信号を受信すると、シャッタ動作
を行いその画像信号を画像処理装置３へ出力する。画像
処理装置３は画像信号を取込みナンバープレートを読取
る。このとき、屋外に設置され、昼夜24時間の間動作す
る必要のある場合は、連続照明を行なうか、あるいは、
ストロボ等の補助光を用いて車両前面部を照明して撮像
する必要がある。しかし、昼夜あるいは天候の変化によ
って明るさが大きく変化するため従来は撮像装置単独で
撮像する画像全体（または画像中心部）の明るさにより
自動的に絞りを調整する方法等が用いられていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

一般に画像処理装置によりナンバープレートを読取る
場合、ナンバープレート部分すなわち文字部分とその背
景部分とのコントラストが十分確保されていなければな
らない。

なぜならば、ナンバープレートを読取る際、まず画像
中のナンバープレート部分の位置を求める必要があり、
そのときナンバープレート部分の文字が規則的に並んで
いることを特徴としてナンバープレート位置を求めるこ
とが多いが、ナンバープレート部分にコントラストが十
分ない場合は、この特徴を抽出することが困難となり、
ナンバープレートを読取ることができなくなる。

また、ナンバープレート部分の位置を求めることがで
きても、ナンバープレート部分にコントラストがない場
合は文字部分の輪郭が明確でなくなるため、文字部分の
切出し精度が悪くなり、文字認識が難しくなる。

以上のような理由により、ナンバープレート部分にコ
ントラストが十分確保されない場合正しくナンバープレ
ートを読取る割合（以降認識率と呼ぶ）が悪くなる。次
に、画像の明るさとコントラストとの関係について説明
すると、撮像装置の絞りが開きすぎ等の理由により、ナ
ンバープレート部分の画像が明るすぎる場合、ナンバー
プレート中の白色部（または黄色部）と緑色部（または
黒色部）の濃度値がともに大きくなり濃度値の差が小さ
くなる。ここで濃度値の差が小さいことは画像のコント
ラストが低いことを示す。この場合の例を第４図（Ａ）
に示す。（ここでは画像が明るくなるに従って濃度値は
大きくなるものとしている。）。

逆に撮像装置の絞りが閉じすぎ等の理由によりナンバ
ープレート部が暗すぎる場合、ナンバープレート中の白
色部と緑色部の濃度値がともに小さくなり濃度値の差が
小さくなる。この場合の例を第４図（Ｂ）に示す。

また、ナンバープレート部の明るさが適正である場合
はナンバープレート中の白色部分と緑色部分の濃度値の
差が大きくなり、コントラストの高い画像となる。この
場合の例を第４図（Ｃ）に示す。つまり、以上のことか
ら画像の明るさが適正でない場合ナンバープレート部分
のコントラストが十分確保されないということになる。

このような関係の中で、通常の家庭用カメラで行って
いるような撮像する画像全体（または画像中心部）の明
るさにより自動的に絞りを調整する方法をナンバープレ
ート読取装置の撮像装置に適用すると、白色の車両と暗
い色の車両とで画像全体の明るさがかなり異なるため、
車両の色により絞りを調整してしまい、太陽光に影響さ
れないでナンバープレート部を安定した明るさで撮像す
ることはできない。また、逆光の場合等も同様にナンバ
ープレート以外の部分が明るいために絞り込んでしま
い、ナンバープレート部は非常に暗くなり、コントラス
トが得られなくなる。またナンバープレートは車両前面
部のさまざまな位置に取付けられているため撮像する時
点でナンバープレート部の明るさによって絞りを制御す
ることは不可能である。

以上に示したように屋外など明るさの変化の大きいと
ころでは画像の明るさに変化が生じて、ナンバープレー
ト部に十分なコントラストを確保することができないた
め、屋外で昼夜24時間安定してナンバープレートの認識
率を高く保つことができなかった。

本発明の課題は、上記従来の問題点を解消することが
できるナンバープレート読取装置を提供することであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によるナンバープレート読取装置は、光学系の
絞り機構及びこの絞り機構を外部からの絞り制御信号に
従って制御する制御手段を備え、車両進入路に進入する
車両の前部を撮影する撮像装置と、この撮像装置により
撮影された画像を処理し、車両のナンバープレートを読
み取ると共に前記ナンバープレート部分の画像の明るさ
を計測し、この計測結果に基づいて前記撮像装置に対し
て絞り制御信号を出力する画像処理装置とを具備し、前
記画像処理装置は、画像中のナンバープレート部分の濃
度値をヒストグラム演算部により求め、その濃度値に基
づいて撮像画像の明るさがナンバープレートの読取りに
最も適した明るさとなるように前記撮像装置へ次回撮影
のための絞り制御信号を出力することを特徴とし、ナン
バープレート部分に十分なコントラストを確保し、屋外
で昼夜24時間安定してナンバープレートの認識率を高く
保つことができるようになされている。

〔作用〕

すでに述べたようにナンバープレート部の画像が明る
すぎる場合や暗すぎる場合は、コントラストが十分確保
されない。そこで、本発明によれば、画像処理装置でナ
ンバープレート読取りを行った後、ナンバープレート部
の明るさを計測し、明るすぎる場合は絞るように、ま
た、暗すぎる場合は絞りを開くように撮像装置に対し絞
り制御を行なうことにより、後続の車両に対して、ナン
バープレート部の明るさがナンバープレートの読取りに
もっとも適した明るさとなるようにして、ナンバープレ
ート部の文字と背景とのコントラストを十分確保し、昼
夜24時間に亘りナンバープレートの認識率を高く保つこ
とができる。

〔実施例〕

第１図は本発明の一実施例の構成を示す図、第３図は
本発明において進入車両の検知を光センサを用いて行う
ようにしたナンバープレート読取装置の構成を示すブロ
ック図、第５図および第６図はそれぞれ本発明の一実施
例における画像処理装置および撮像装置の構成を示すブ
ロック図である。

第１図において、１は車両進入路、２は光センサ、３
は画像処理装置、４は撮像装置を示す。

第３図において、２は光センサ、３は画像処理装置、
４は撮像装置を示す。

第５図において、101は（画像処理装置）制御部、102
はI/F回路、103は撮像指令I/F回路、104は画像入力I/F
回路、105は画像メモリ、106は画像演算部、107はヒス
トグラム演算部、108は絞り制御I/F回路、109は高速デ
ータバス、110はバス信号線を示す。

第６図において、201は（撮像装置）制御部、202は撮
像指令I/F回路、203は撮像制御部、204はストロボ、205
はレンズ、206は発光部、207は撮像部、208はレンズ、2
09は絞り、210はシャッタ、211は受光部、212は画像出
力I/F回路、213は絞り制御I/F回路、214は絞り制御部、
215はバス信号線を示す。

第５図において、画像処理装置はI/F回路102で車両進
入信号を受信すると撮像指令I/F回路103を介して撮像装
置に撮像指令信号を出力するようになされている。

第６図において、撮像装置は撮像指令I/F回路202で撮
像指令信号を受信すると撮像制御部203よりストロボ204
撮像部207を制御することにより、ストロボ204で発光し
撮像範囲を証明すると同時に撮像部207で進入してくる
車両の前面部を撮像し、画像出力I/F回路212を介して画
像信号として出力するようになされている。ストロボ20
4はレンズ205とキセノン管等の発光部206で構成され、
撮像と同期して発光部で発光した光をレンズで被写体で
ある車両前面部に集光する。また、撮像部207は、レン
ズ208、絞り209、シャッタ210、受光部211で構成され、
レンズ208で集光した光信号を絞り209で調節し、CCD素
子等の受光部211で電気信号に変換する。シャッタ210
は、撮像するときのみ光信号を受光部211に透過するも
ので、動いている進入車両の前面部をシャープに撮像す
ることができる。画像処理装置は撮像指令信号出力後撮
像装置からの画像信号を第５図の画像入力I/F回路104に
よって取込み画像メモリ105に格納する。画像の取込み
が完了すると、画像演算部106によって画像演算が行わ
れ画像中のナンバープレートを読取る。その際、先ず、
ナンバープレート部の切出し、次にナンバープレート内
の文字切出し、その後に文字認識という処理手順によっ
て行われる。この際、撮像装置からの画像信号のナンバ
ープレートに相当する部分のコントラストが高いほどナ
ンバープレートの認識率が向上する。そのナンバープレ
ート部のコントラストを十分確保するため、本発明では
以下に示す絞り制御を行うようにした。画像処理装置で
ナンバープレート読取りを行った後その際に判明した画
像中のナンバープレート部分の濃度値を第５図のヒスト
グラム演算部107により計算する。（第４図に示す濃度
ヒストグラムが得られる。）。そして第５図の制御部10
1によりその画像の明るさがナンバープレート読取りを
行なうにあたり適正か否かを判断し、適正でない場合画
像処理装置から第５図の絞り制御I/F回路108を介して撮
像装置に対し適正な値の絞り制御信号を出力する。撮像
装置は、第６図の絞り制御I/F回路213を介して絞り制御
信号を入力し絞り制御部214を介して絞り209によって、
絞り制御信号に対応する絞り値に設定する。

以上のようにして、次の進入車両に対してナンバープ
レート部のコントラストが十分得られるように制御する
ことができ昼夜24時間安定してナンバープレート認識率
を高く保つことができる。

上記実施例において、画像の明るさがナンバープレー
ト読取りを行なうにあたり適正か否かを判断する一方法
について説明する。

（１）白色プレート（文字部が緑色，背景部が白色）に
ついて、ナンバープレート部の文字でない部分（背面
部）の濃度ヒストグラムを計算し、そのヒストグラムか
ら濃度値の平均を求める。これは白色プレートの明るさ
といえるが、１台の車両の画像のみから撮像装置の絞り
を制御するのは危険であるので、過去に読取った10〜50
台程のナンバープレート部濃度を格納するキャーバッフ
ァを用意して以下のように判断する。

（２）先程計算した白プレートの濃度値（平均）をキュ
ーバッファに登録（エンキュー）する。キューがオーバ
フローする場合はもっとも古いデータをキューバッファ
より取出し（デキュー）し捨てた後登録する。

（３）キューに登録されている白プレートの濃度値を平
均し、 イ 平均値が固定値ａ〜ｂの範囲内であれば、明るさが
適正である。

ロ 平均値がａよりも大きければ明るすぎる。

ハ 平均値がｂよりも小さければ暗すぎる。

と判断する。（第７図参照）。なおa,bはそれぞれ固定
値である。

上記ロの明るすぎる場合には撮像装置の絞りを絞るよ
うに、また、ハの暗すぎる場合には絞りを開くように絞
り制御信号を出力する。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ナンバープレート部の明るさをもと
に撮像装置に対して絞り制御を行うことにより、昼夜の
気象条件の変化に影響されず、撮像する画像のどこにあ
るかわからないナンバープレート部のコントラストを十
分確保することができ、これによりナンバープレート認
識率を高く保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の構成を示す図、第２図は
従来例のナンバープレート読取装置の構成を示すブロッ
ク図、第３図は本発明の一実施例におけるナンバープレ
ート読取装置の構成を示すブロック図、第４図はナンバ
ープレート部の濃度ヒストグラムを示す図、第５図は本
発明の一実施例における画像処理装置の構成を示すブロ
ック図、第６図は本発明の一実施例における撮像装置の
構成を示すブロック図、第７図は本発明の一実施例にお
けるナンバープレート部の明るさの判定を説明するため
の図である。 １…車両進入路、２…光センサ、３…画像処理装置、４
…撮像装置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光学系の絞り機構及びこの絞り機構を外部
   からの絞り制御信号に従って制御する制御手段を備え、
   車両進入路に進入する車両の前部を撮影する撮影装置
   と、 前記撮像装置により撮影された画像を処理し、車両のナ
   ンバープレートを読み取ると共に前記ナンバープレート
   部分の画像の明るさを計測し、この計測結果に基づいて
   前記撮像装置に対して絞り制御信号を出力する画像処理
   装置とを具備し、 前記画像処理装置は、画像中のナンバープレート部分の
   濃度値をヒストグラム演算部により求め、その濃度値に
   基づいて撮影画像の明るさがナンバープレートの読取り
   に最も適した明るさとなるように前記撮像装置へ次回撮
   影のための絞り制御信号を出力することを特徴とするナ
   ンバープレート読取装置。