JP2703355B2 - 内燃機関のバランサ装置 - Google Patents

内燃機関のバランサ装置

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JP2703355B2 JP1207560A JP20756089A JP2703355B2 JP 2703355 B2 JP2703355 B2 JP 2703355B2 JP 1207560 A JP1207560 A JP 1207560A JP 20756089 A JP20756089 A JP 20756089A JP 2703355 B2 JP2703355 B2 JP 2703355B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は内燃機関のバランサ装置に関する。
(従来の技術) 自動二輪車のエンジン等の内燃機関のバランサ装置
は、エンジンの作動時の振動を低減するために、一次の
バランサウェイト(以下、一次バランサという)をクラ
ンク軸及びクランクウェブと等速で逆方向に回動させる
ことによって一次の振動を低減し、さらに必要に応じて
二次のバランサウェイト(以下、二次バランサという)
をクランク軸の二倍の速度で回動させることによって二
次の振動を低減するようにしたものである。
この種のバランサ装置としては、従来、例えば実開昭
55−142733号公報に開示されているように、一対の一次
バランサを備えたものが知られている。
このバランサ装置では、クランク軸を間に挟んでこれ
と平行に一対のバランサ軸がクランクケース内に配設さ
れ、一対の一次バランサがそれぞれ各バランサ軸の回り
に回動自在に設けられ、両一次バランサをクランク軸に
連動させてこれと等速で、且つ逆方向に回動させること
によってエンジンの一次の振動を低減するようにしてい
る。
かかるバランサ装置では、両一次バランサの重心はそ
の回転軸であるバランサ軸に対して偏心しているため、
各一次バランサがバランサ軸の回りに回動することによ
り該バランサ軸及びクランク軸と直交する方向に遠心力
が生じる。このため、通常、この種のバランサ装置で
は、上記実開昭55−142733号公報に開示されているよう
に、両一次バランサはクランク軸のクランクケース内の
略中央部でこれに直交する面上に配設され、これによっ
て上記遠心力と、ピストン等の往復運動部による慣性力
とによりクランク軸を揺動させるようなモーメントが発
生しないようにしている。
しかしながら、このように両一次バランサをクランク
軸の略中央部でこれに直交する面上に配設するために、
該両一次バランサをクランクケース内でバランサ軸の略
中央部に設けなければならず、このため、該バランサ軸
に、例えば二次バランサや他部品を駆動するためのギヤ
等のエンジンの他の補器部品を設けることが困難とな
る。特に、単気筒エンジンにおいては、その小型化のた
めにクランクケースを小型に構成すると、一次バランサ
とクランクケースの内壁との間が短くくなり、上記のよ
うにバランサ軸に他の補器部品を設けることがより困難
となる。
このように、従来のバランサ装置では、一次バランサ
をクランクケース内でバランサ軸の中央部に設けるため
に、該バランサ軸を他の補器部品のために有効に活用す
ることが困難であり、このため、該バランサ軸が一次バ
ランサ用に専用化され、内燃機関の部品点数が増大し、
その小型化及び軽量化の妨げとなっていた。
(解決しようとする課題) 本発明はかかる不都合を解消し、一次バランサのバラ
ンサ軸を二次バランサや他部品を駆動するためのギヤ等
の他の補器部品のために有効に活用することができるバ
ランサ装置を提供することを目的とする。
(課題を解決する手段) 本発明の内燃機関のバランサ装置はかかる目的を達成
するために、内燃機関のクランク軸を挟んでこれと平行
に併設されてクランクケースに支承された一対のバラン
サ軸と、各バランサ軸に支承されてその軸心回りに回動
自在に設けられ、該クランク軸に連動してこれと等速で
逆方向に回動される一対の一次バランサとを備えたバラ
ンサ装置において、両バランサが、そのそれぞれの回動
中心を結ぶ線がクランクケース内のクランク軸の略中心
部を通り、且つ各回動中心とクランク軸の中央部との距
離が略同一となる位置で各バランサ軸の端部寄りに設け
られていることを特徴とする。
また、前記内燃機関は単気筒エンジンであると共に、
前記クランク軸はそのクランクウェブの両側箇所で一対
の軸受け部を介して前記クランクケースに支承されてお
り、前記両バランサウェイトは、前記クランク軸の軸方
向において、前記一対の軸受け部の幅内に納まるように
配置されていることを特徴とする。
また、前記内燃機関が、前記クランク軸と平行に併設
されてこれに連動する主軸と、該主軸と平行に併設され
てこれに変速ギヤ列を介して連動する幅軸とから成る変
速装置を備え、前記バランサ軸の一方が該変速装置の主
軸であることを特徴とする。
さらに、前記バランサ軸である前記主軸に支承された
前記一次のバランサウェイトが、前記クラッチ装置のク
ラッチアウタと一体に該主軸の回りに回動自在に設けら
れたプライマリ被動ギヤに、該主軸にその回りに回動自
在に支承された中空軸を介して一体に回動自在に連結さ
れ、該プライマリ被動ギヤが前記クランク軸にこれと一
体に回動自在に設けられたプライマリ駆動ギヤに1対1
のギヤ比で噛合されていることを特徴とする。
さらにまた、前記中空軸の外周面が前記クランクケー
スに軸受を介して回動自在に支承され、該中空軸を介し
て一体に回動自在に連結された前記一次のバランサウェ
イトと前記プライマリ被動ギヤとが、該軸受けを挟んで
近接した位置に設けられていることを特徴とする。
(作用) かかる手段によれば、前記各一次バランサは前記クラ
ンク軸に連動して前記クランク軸と逆方向に、従って互
いに同方向に前記各バランサ軸の軸心回りに回動し、こ
の時、各一次バランサ毎に該クランク軸と直交して同方
向に遠心力が発生するが、該両バランサが、そのそれぞ
れの回動中心を結ぶ線が前記クランクケース内のクラン
ク軸の略中心部を通り、且つ各回動中心とクランク軸の
中央部との距離が略同一となる位置に設けられているの
で、各一次バランサ毎に発生する遠心力により該クラン
ク軸の中心部回りに発生するモーメントが互いに打ち消
し合い、該クランク軸を揺動させるようなモーメントは
生じない。そして、両一次バランサが各バランサ軸の端
部寄りに設けられているので、各バランサ軸の中間部を
活用することが可能となり、例えば、二次バランサやこ
れをクランク軸に連動させるためのギヤ等の駆動手段を
各バランサ軸の中間部に支承したり、或いは内燃機関の
他の補器部品を該中間部に設けることが可能となる。
また、内燃機関が単気筒エンジンである場合に、前記
両バランサウェイトを、前記クランク軸の軸方向におい
て、該クランク軸をクランクケースに支承する一対の軸
受け部の幅内に納まるように配置することによって、特
に小型化が要求される単気筒エンジンのクランク軸の軸
方向の幅を必要最小限に留めることが可能となる。
また、特に、一方のバランサ軸を前記変速装置の主軸
として使用することによって、該バランサ軸の中間部
に、一次バランサと隣接させて前記変速ギヤ列を設ける
ことが可能となると共に、該バランサ軸と該主軸との共
用により、内燃機関の部品点数を削減し、その軽量化及
びコストダウンが可能となる。
さらに、該バランサ軸である主軸に支承した一次バラ
ンサを、前記プライマリ駆動ギヤに1対1のギヤ比で噛
合した前記プライマリ被動ギヤに、前記中空軸を介して
一体に回動自在に連結したときには、該一次バランサ
は、プライマリ被動ギヤ及び中空軸と共に該プライマリ
駆動ギヤを介してクランク軸に連動してこれと等速で逆
方向に回動される。そして、この時、前記クラッチ装置
のクラッチアウタも該プライマリ被動ギヤと共にクラン
ク軸と等速で回動されるので、該クラッチ装置への入力
トルクが軽減され、比較的伝達容量の小さなクラッチ装
置を使用することが可能となる。
さらにまた、該中空軸を介して一体に回動自在に連結
された一次バランサとプライマリ被動ギヤとを、該中空
軸の外周面を前記クランクケースに支承する前記軸受け
を挟んで近接した位置に設けたときには、該一次バラン
サが該軸受けの近傍で該中空軸及びプライマリ被動ギヤ
と共に主軸の回りに回動するので、該一次バランサの重
心が主軸に対して偏心していることによる該回動時の中
空軸及び主軸の径方向への移動が該軸受けにより確実に
抑制され、該中空軸及び主軸の偏摩耗が防止される。
(実施例) 本発明の内燃機関のバランサ装置の一例を備えた自動
二輪車の単気筒4サイクルエンジンを第1図乃至第3図
に従って説明する。第1図乃至第3図はそれぞれエンジ
ンの正面視、平面視及び側面視の要部の説明的断面図で
ある。
第1図乃至第3図で、1はシリンダ2内を摺動自在な
ピストン3にコネクティングロッド4を介して連結され
たクランク軸、5はクランク軸1にクラッチ装置6を介
して連動する主軸7と、該主軸7に変速ギヤ列8を介し
て連動する副軸9とを備えた変速装置、10は一対の一次
バランサ11,12及び一対の二次バランサ13,14を備えたバ
ランサ装置である。バランサ装置10は、両一次バランサ
11,12をそれぞれ支承するためのバランサ軸として変速
装置5の主軸7とバランサ軸15とを備え、両二次バラン
サ13,14をそれぞれ支承するためのバランサ軸として変
速装置5の副軸9とバランサ軸15とを備えている。
クランク軸1は、第1図示のようにその一対のクラン
クウェブ16,17がクランクケース18内に収納され、該ク
ランクウェブ16,17の両側でクランクケース18にベアリ
ング19,20を介して回動自在に支承されている。このク
ランク軸1はクランクウェブ16を有するクランク半体21
とクランクウェブ17を有するクランク半体22とから成
り、これらはクランクウェブ17に一体に形成されたクラ
ンクピン23がクランクウェブ16に圧入されて一体に結合
されている。そして、該クランクピン23がピストン3に
コネクティングロッド4を介して連結され、ピストン3
の往復動に伴ってクランク軸1が第3図示のようにその
軸心回りに回動される。
バランサ装置10の一次バランサ11を支承するバランサ
軸である変速装置5の主軸7は、第3図示のようにクラ
ンク軸1と平行に併設され、第1図示のようにクランク
ケース18にベアリング24,25介して回動自在に支承され
てそのクランクウェブ17側の端部がクランクケース18内
から突出されている。そして、一次バランサ11は、第2
図示のようにクランクウェブ17側のベアリング25及び主
軸7間で主軸7にニードルベアリング26を介して回動自
在に外挿した中空軸27のクランクケース18内の端部に一
体に設けられ、主軸7のベアリング25側の端部寄りの位
置でクランクウェブ17に近接して中空軸27と共に該主軸
7に回動自在に支承されている。尚、中空軸27の外周面
はベアリング25を介してクランクケース18に支承されて
いる。
また、主軸7は、第2図示のようにそのクランクケー
ス18内から突出された端部に同心で装着されたクラッチ
装置6と、該クラッチ装置6のクラッチアウタ6aの端面
に該主軸7と同心で固着されたプライマリ被動ギヤ28
と、クランク軸1のクランクケース18内から突出された
端部に一体に回動自在に装着されてプライマリ被動ギヤ
28に1対1のギヤ比で噛合されたプライマリ駆動ギヤ29
とを順に介してクランク軸1に接続され、これによって
クランク軸1の回動を主軸7に伝達するようにしてい
る。そして、プライマリ被動ギヤ28は、第2図示のよう
に前記中空軸27のクランクケース18外の端部にスプライ
ン結合により一体に回動自在に嵌合されて該中空軸27を
介して前記一次バランサ11に連結され、これによってク
ランク軸1の回動をプライマリ駆動ギヤ29及びプライマ
リ被動ギヤ28を順に介して中空軸27に伝達し、該中空軸
27及び一次バランサ11を第3図示のようにクランク軸1
を連動させてこれと等速で逆方向に主軸7の回りに回動
させるようにしている。
尚、一次バランサ11とプライマリ被動ギヤ28とは、前
記ベアリング25を挟んで互いに近接した位置に設けられ
ている。
バランサ装置10の二次バランサ13を支承するバランサ
軸である変速装置5の副軸9は、第3図示のように主軸
5と平行に併設され、第1図示のようにクランクケース
18にベアリング30,31を介して回動自在に支承されてい
る。そして、二次バランサ13は、第2図示のようにクラ
ンクケース18内の前記中空軸27に対向する位置で副軸9
にニードルベアリング32を介して回動自在に外挿された
中空軸33の一端部に一体に設けられ、副軸9の端部寄り
の位置で中空軸33と共に該副軸9に回動自在に支承され
ている。この中空軸33の他端部には、第2図示のように
被動ギヤ34が一体に設けられ、前記一次バランサ11及び
クランクケース18間で前記中空軸27に一体に設けた駆動
ギヤ35に1対2のギヤ比で噛合され、これによってクラ
ンク軸1にこれと等速で逆方向に連動する中空軸27の回
動を駆動ギヤ35及び被動ギヤ34を順に介して中空軸33に
伝達し、該中空軸33及び二次バランサ13を第3図示のよ
うにクランク軸1の二倍の速度で同方向に副軸9の回り
に回動するようにしている。
また、副軸9は、第1図示のようにクランクケース18
内で一次バランサ11及び二次バランサ13に隣接して前記
主軸7及び副軸9に沿って配設された変速ギヤ列8を介
して該主軸7に接続され、クランク軸1から伝達された
主軸7の回動を該変速ギヤ列8の噛合の組合せに応じて
変速して副軸9に伝達するようにしている。そして、該
副軸9のクランクケース18内からクランクウェブ16側に
突出された端部には、駆動スプロケット36が一体に回動
自在に装着され、該副軸9の回動を駆動スプロケット36
からチェーン37を介して図示しない自動二輪車の車輪に
出力するようにしている。
バランサ装置10のバランサ軸15は、第3図示のように
クランク軸1に平行に併設され、第2図示のようにクラ
ンクケース18にベアリング38,39を介して回動自在に支
承され、クランクウェブ16側の端部にクランクケース18
内で一次バランサ12が一体に設けられている。このバラ
ンサ軸15のクランクケース18内からクランクウェブ17側
に突出された端部には、被動ギヤ40が一体に回動自在に
装着され、前記プライマリ駆動ギヤ29に1対1のギヤ比
で噛合され、これによってクランク軸1の回動をプライ
マリ駆動ギヤ29及び被動ギヤ40を順に介してバランサ軸
15に伝達し、該バランサ軸15及び一次バランサ12を第3
図示のようにクランク軸1に連動させてこれと等速で逆
方向に回動するようにしている。
尚、かかる構成において、両一次バランサ11,12は、
第2図及び第3図示のようにそのそれぞれの回動中心
P1,P2を結ぶ線Lがクランクケース18内でクランク軸1
の略中央部を通り、且つ第3図示のように各回動中心
P1,P2とクランク軸の中央部との距離l1,l2が略同一、す
なわちl1≒l2となる位置に設けられている。
また、バランサ軸15の中間部には、中空軸41がニード
ルベアリング42を介して回動自在に外挿され、該中空軸
41の一端部に二次バランサ14が一体に設けられて該中空
軸41と共にバランサ軸15に支承されている。そして、中
空軸41の他端部には被動ギヤ43が一体に設けられ、クラ
ンクウェブ16の外周面に形成された駆動ギヤ44に1対2
のギヤ比で噛合され、これによってクランク軸1の回動
を駆動ギヤ44及び被動ギヤ43を順に介して中空軸41に伝
達し、該中空軸41及び二次バランサ14をクランク軸1の
二倍の速度で逆方向にバランサ軸15の回りに回動するよ
うにしている。
尚、第1図で、45はクランク軸1のクランクケース18
内からクランクウェブ16側に突出された端部に装着され
た発電機、46はクランク軸1に連動するカム軸47を介し
て吸排気を行う吸排気装置、第1図及び第3図で、48は
図示しない変速ペダルに連結される変速用スピンドル49
からこれに連動する変速ドラム50及びシフトフォーク51
を介して変速ギヤ列8の噛合の組合せを変更する変速駆
動装置、第3図で、52はキックスタータ装置である。
次に、バランサ装置10の作動及び構成について第2図
及び第3図に従って説明する。
このバランサ装置10では、ピストン3の往復動に伴う
クランク軸1の回動時に、前記したように両一次バラン
サ11,12がクランク軸1と等速で逆方向に回動すること
によってエンジンの一次の振動が低減され、さらに両二
次バランサ13,14がクランク軸1の二倍の速度で互いに
逆方向に回動することによってエンジンの二次の振動が
低減される。
この時、比較的大きな重量を有する両一次バランサ1
1,12が、第3図示のようにそれぞれ主軸7及びバランサ
軸15の軸心回りに互いに同方向に回動することによっ
て、クランク軸1と直交する方向で同方向に遠心力が生
じ、この各遠心力はクランク軸1の中央部と各一次バラ
ンサ11,12との軸方向の距離に応じて該クランク軸1の
中央部に対してモーメントを生ぜしめる。ところが、第
2図及び第3図において、前記したように両一次バラン
サ11,12の回動中心P1,P2を結ぶ線Lがクランク軸1の略
中心部を通り、且つ各回動中心P1,P2とクランク軸の中
央部との距離l1,l2が略同一であるので、両モーメント
は互いに打ち消し合い、従って該クランク軸1を揺動さ
せるようなモーメントがなくなり該クランク軸1は支承
なく回動することができる。
そして、両一次バランサ11,12を第2図示のようにそ
れぞれバランサ軸である主軸7及びバランサ軸15の端部
寄りの位置に設けたことによって、本実施例のように比
較的短い長さの主軸7に一次バランサ11に隣接して変速
ギヤ列8を配設することができると共に、バランサ軸15
の中間部を二次バランサ14やこれを駆動するための被動
ギヤ42を支承するために有効に活用することができ、部
品点数を増大させることなくエンジンを小型に構成する
ことができる。
また、本実施例のようにバランサ軸として主軸7を用
いることによってバランサ装置10の部品点数を削減する
ことができ、その小型化及び軽量化、さらにはエンジン
のコストダウンを図ることができる。
一方、第2図において、前記クラッチ装置6には、ク
ランク軸1からプライマリ駆動ギヤ29及びプライマリ被
動ギヤ28を順に介して入力トルクが付与されるが、該両
ギヤ29,28は前記したように1対1のギヤ比で噛合され
ているので、該入力トルクは比較的小さなものとなり、
従って比較的伝達容量の小さなクラッチ装置6を使用す
ることができ、その小型化を図ることができる。
また、前記中空軸27を介して連結された一次バランサ
11及びプライマリ被動ギヤ28は、前記したように該中空
軸27の外周面を支承するベアリング25を挟んで互いに近
接した位置に設けられているので、主軸7に対して偏心
した重心を有する一次バランサ11が主軸7の回りに回動
することによる該中空軸27及び主軸7の径方向への移動
がベアリング25により容易に規制され、従って、該中空
軸27及び主軸7の回動時の偏摩耗が防止される。
(効果) 上記の説明から明らかなように、本発明の内燃機関の
バランサ装置によれば、一対のバランサ軸に支承される
一対の一次バランサを、そのそれぞれの回動中心を結ぶ
線がクランク軸の略中心部を通り、且つ各回動中心とク
ランク軸の中央部との距離が略同一となる位置に設けた
ことによって、各一次バランサが各バランサ軸の回りに
回動した時に生じる慣性力によるクランク軸の中央部回
りのモーメントを互いに打ち消して該クランク軸を揺動
させるようなモーメントを除去することができると共
に、各一次バランサをバランサ軸の端部寄りに設けたこ
とによって、各バランサ軸の中間部を二次バランサやギ
ヤ通の他の補器部品を設けるために有効に活用すること
ができ、内燃機関全体の構成の小型化を図ることができ
る。
また、内燃機関が単気筒エンジンである場合に、前記
両バランサウェイトを、前記クランク軸の軸方向におい
て、該クランク軸をクランクケースに支承する一対の軸
受け部の幅内に納まるように配置することによって、特
に小型化が要求される単気筒エンジンのクランク軸の軸
方向の幅を必要最小限に留めることができ、該エンジン
をコンパクトなものとすることができる。
また、特に、一方のバランサ軸を前記変速装置の主軸
としたことによって、該バランサ軸に支承した一次バラ
ンサに隣接させて変速ギヤ列を設けることが可能となっ
て、該バランサ軸と主軸とを共用することができ、内燃
機関の部品点数を削減してその小型化及び軽量化、さら
には内燃機関のコストダウンを図ることができる。
さらに、該バランサ軸である主軸に支承した一次バラ
ンサを、プライマリ駆動ギヤに1対1のギヤ比で噛合さ
れてクラッチ装置のクラッチアウタと一体に主軸の回り
に回動自在に設けられたプライマリ被動ギヤに、該主軸
上の中空軸を介して一体に回動自在に連結したときに
は、クランク軸から該プライマリ駆動ギヤ及びプライマ
リ被動ギヤを順に介してクラッチ装置に付与される入力
トルクが軽減されるので、伝達容量の比較的小さい小型
なクラッチ装置を使用することができ、内燃機関の小型
かを図ることができる。
さらにまた、該中空軸を介して一体に回動自在に結合
された一次バランサとプライマリ被動ギヤとを、該中空
軸の外周面を前記クランクケースに支承する前記軸受け
を挟んで近接した位置に設けたときには、該一次バラン
サの回動時の中空軸及び主軸の径方向への移動を該軸受
けにより確実に抑制して、該中空軸及び主軸の偏摩耗を
防止することができ、これらの耐久性を向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図はそれぞれ本発明のバランサ装置の一
例を備えたエンジンの正面視、平面視及び側面視の要部
の説明的断面図である。 1……クランク軸、5……変速装置 6……クラッチ装置、6a……クラッチアウタ 7……主軸(バランサ軸)、8……変速ギヤ列 9……副軸、10……バランサ装置 11,12……一次のバランサウェイト 15……バランサ軸、18……クランクケース 25……軸受け(ベアリング) 27……中空軸 28……プライマリ被動ギヤ 29……プライマリ駆動ギヤ P1,P2……回動中心

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のクランク軸を挟んでこれと平行
    に併設されてクランクケースに支承された一対のバラン
    サ軸と、各バランサ軸に支承されてその軸心回りに回動
    自在に設けられ、該クランク軸に連動してこれと等速で
    逆方向に回動される一対の一次のバランサウェイトとを
    備えたバランサ装置において、両バランサウェイトが、
    そのそれぞれの回動中心を結ぶ線がクランクケース内の
    クランク軸の略中心部を通り、且つ各回動中心とクラン
    ク軸の中央部との距離が略同一となる位置で各バランサ
    軸の端部寄りに設けられていることを特徴とする内燃機
    関のバランサ装置。
  2. 【請求項2】前記内燃機関は単気筒エンジンであると共
    に、前記クランク軸はそのクランクウェブの両側箇所で
    一対の軸受け部を介して前記クランクケースに支承され
    ており、前記両バランサウェイトは、前記クランク軸の
    軸方向において、前記一対の軸受け部の幅内に納まるよ
    うに配置されていることを特徴とする請求項1記載の内
    燃機関のバランサ装置。
  3. 【請求項3】前記内燃機関が、前記クランク軸と平行に
    併設されてこれにクラッチ装置を介して連動する主軸
    と、該主軸と平行に併設されてこれに変速ギヤ列を介し
    て連動する幅軸とから成る変速装置を備え、前記バラン
    サ軸の一方が該変速装置の主軸であることを特徴とする
    請求項1記載の内燃機関のバランサ装置。
  4. 【請求項4】前記バランサ軸である前記主軸に支承され
    た前記一次のバランサウェイトが、前記クラッチ装置の
    クラッチアウタと一体に該主軸の回りに回動自在に設け
    られたプライマリ被動ギヤに、該主軸にその回りに回動
    自在に支承された中空軸を介して一体に回動自在に連結
    され、該プライマリ被動ギヤが前記クランク軸にこれと
    一体に回動自在に設けられたプライマリ駆動ギヤに1対
    1のギヤ比で噛合されていることを特徴とする請求項3
    記載の内燃機関のバランサ装置。
  5. 【請求項5】前記中空軸の外周面が前記クランクケース
    に軸受を介して回動自在に支承され、該中空軸を介して
    一体に回動自在に連結された前記一次のバランサウェイ
    トと前記プライマリ被動ギヤとが、該軸受けを挟んで近
    接した位置に設けられていることを特徴とする請求項4
    記載の内燃機関のバランサ装置。
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