JP2701095B2 - 半導体結合超伝導素子 - Google Patents

半導体結合超伝導素子

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JP2701095B2 JP3163561A JP16356191A JP2701095B2 JP 2701095 B2 JP2701095 B2 JP 2701095B2 JP 3163561 A JP3163561 A JP 3163561A JP 16356191 A JP16356191 A JP 16356191A JP 2701095 B2 JP2701095 B2 JP 2701095B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体を接合部に持つ
超伝導素子、即ち超伝導体−半導体−超伝導体結合を有
する半導体結合超伝導素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トンネル形ジョセフソン素子の発明以
来、半導体におけるバイポーラトランジスタや電界効果
トランジスタ(FET)に対応する超伝導三端子素子の
研究は数多く行われて来た。この中にあって、半導体結
合超伝導素子は、半導体に対する電気的制御による三端
子動作の可能性から多くの試みがなされてきたが、実用
に供するものは得られていない。この原因は主に、トラ
ンジスタとしての利得の無さ、或いは小ささにあった。
以下、具体的な例で、これを説明する。
【0003】これまでに実現された、代表的な半導体結
合超伝導素子としては、p形InAsを用いたものと、
p形Siを用いたものがある。
【0004】p形InAsを用いた半導体結合超伝導素
子としては、H. Takayanagi 及び T. Kawakami による
"Superconducting Proximity Effect in the Native I
nversion Layer on InAs", と題する論文、Physical R
eview Letters 54,(1985),2449、或いは H. Takayanagi
及び T. Kawakami による "Planar-Type InAs-Coupl
ed Three-Terminal Superconducting Devices", と題す
る論文、Digest ofTechnical Papers, 98, 1985 Intern
ational Electron Device Meeting, Washington D.C.
及び、▲高▼柳及び川上による "MIS形InAs超伝
導三端子素子”と題する論文、電子通信学会技術研究報
告SCE86-23 (1986)において開示されている通りであ
る。
【0005】また、p形Siを用いた半導体結合超伝導
素子としては、T. Nishino、M. Miyake 、 Y. Harada
及び U. Kawabe による "Three-Terminal Superconduc
tingDevice Using a Si Single-Crystal Film", と題
する論文、 IEEE Electron Devices Letters 6, (198
5), 297 において開示されている通りである。
【0006】図18に、p形InAsを用いた半導体結
合超伝導素子の断面構造を示す。ソース3及びドレイン
4は超伝導体であるNbから成り、超伝導電流はn形自
然反転層2を介して、ソース3及びドレイン4の間に流
れる。この超伝導電流をMIS(metal-insulator-semic
onductor) 形ゲート6にかけるゲート電圧Vg によって
制御するわけで、半導体におけるFETに相当すること
から、FET形超伝導トランジスタとも呼ばれる。図1
9に、この素子における電流−電圧特性(ソース・ドレ
イン電流IDS対ソース・ドレイン電圧VDS)を示す。7
はゲート電圧が零の時、8はゲート電圧を印加した状態
での特性で、9の負荷直線と2つの特性が交わった点、
即ちAとBがこのトランジスタのオン(on)とオフ
(off)の動作点になる。従って、AとBの電圧差V
out が出力になる。一方、入力はVg であるから、この
トランジスタの利得GはG=Vout /Vg となる。そこ
で、このGを具体的に求める。
【0007】図19の電流−電圧特性7は、超伝導状態
(VDS=0の状態)と抵抗の発生した常伝導状態から成
るが、前者において流れる超伝導電流の最大値を臨界電
流IC 、後者における抵抗値を常伝導抵抗RNと呼ぶ。
このような超伝導素子では、IC とRN の積IC N
ほぼ一定で、超伝導電極としてNbを使用した場合、I
C N は約1mVである。これはゲート電圧をかけた状
態8にも当てはまり、今状態1でIC =100μA,R
N=10Ω、とすると状態8では例えばIC =1μA,
N =1kΩとなる。即ち、ゲート電圧によってIC
約100μA変化させることになる。IC のVg に対す
る感度SをS=dIC /dVg で定義すると、図18の
p形InAsの反転層を用いた素子では、S=10-4
/V、Siを用いた素子では、S=10-3A/Vと測定
されている。従って、IC を約100μA変化させるの
に、InAsを用いた素子では、1V,Siを用いた素
子では0.1Vのゲート電圧を必要とすることがわか
る。一方、出力電圧Vout はこの場合Vout =100μ
A×RL と表せる。図19の負荷直線3を表す負荷抵抗
L と、ゲート部の持つ容量Cg との積はこの素子のス
イッチング速度を決める要因であり、RL は余り大きく
はできない。そこで例えば、RL =1kΩとすると、前
述の利得G=Vout /Vg は、InAsを用いた素子で
1/10,Siを用いた素子で1になる。RL をRN
10倍の10kΩにしてやっと利得はそれぞれ1と10
になるが、これでは超伝導素子としての高速性を生かす
ことはできない。このように、この形の超伝導トランジ
スタでは、大きな利得が得られないことがわかる。
【0008】理由としては、上に述べたFET形超伝導
トランジスタの動作原理そのものにある。これを通常の
半導体FETの動作と比較して説明する。図20に通常
の半導体FETの電流−電圧特性(ソース・ドレイン電
流IDS対ソース・ドレイン電圧VDS)を示す。電流−電
圧特性は強い非線形性を持ち、あるソース・ドレイン電
圧以上でソース・ドレイン電流はほぼ一定になる。これ
を飽和領域というが、この飽和領域を利用することによ
って、図を示すようにゲート電圧のon,offに対応
して2つの動作点A,Bを取ると、2つの動作点の間の
電圧差、即ち出力を大きくとることができ、結果とし
て、利得も大きくなる。これに対して、超伝導トランジ
スタでは、前述のように、動作電流、電圧がそれぞれ1
00μA,0.1V程度と小さいため、この飽和領域に
達することができず、従って、飽和領域を用いた動作を
利用することができない。このために、半導体FETと
比較して、利得は小さくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
の超伝導体−半導体−超伝導体結合素子における問題
点、即ち実用に供するには利得が小さいという問題を解
決し、利得の大きい優れた特性の超伝導三端子素子を実
現しようとするものである。
【0010】更に具体的に本発明の目的の1つは、2次
元電子ガス中に流れる超伝導電流を制御するゲート電極
が半導体上に二つに分割されたMIS形ゲート構造を有
する半導体結合超伝導素子を提供することである。
【0011】或いはまた本発明の目的の1つは、2次元
電流ガス中に流れる超伝導電流を制御するために2次元
電子ガス中に狭隘な部分を設け、更に半導体上にMIS
形ゲート構造を有する半導体結合超伝導素子を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体中2次
元電子ガスで結合したFET形超伝導トランジスタにお
いて、そのゲート構造が2つに分割されたスプリット形
であるか、或いは2次元電子ガス中に狭隘な部分と、半
導体上に通常のMIS形ゲートを有し、動作的には、ソ
ース・ドレイン間の電流−電圧特性を不連続にゲート電
圧によって制御可能であることを最も主要な特徴とす
る。従来の超伝導トランジスタとは、ゲート構造、或い
は2次元電子ガス中に狭隘なる部分を有する点で、又動
作的には、従来の超伝導トランジスタでは、電流−電圧
特性を連続的に制御するのに対して、本発明では、不連
続に制御する点が異なる。
【0013】本発明の構成は下記に示す通りである。即
ち、本発明は、相異なる半導体(15,17)の接合の
界面もしくはMIS接合(36−35−31)の表面自
然反転層(32)に形成されている2次元電子ガス(1
6,32)と、該2次元電子ガス(16,32)が形成
されている半導体とオーミックに接触している二つの超
伝導電極(13,14),(33,34)と、該二つの
超伝導電極(13,14),(33,34)間の2次元
電子ガス(16,32)中に流れる超伝導電流を制御す
るゲート電極(20,36)とを有する半導体結合超伝
導素子において、該ゲート電極(20,36)が半導体
(18,31)上に二つに分割されたMIS形ゲート構
造(20−19−18,36−35−31)を有するこ
とを特徴とする半導体結合超伝導素子としての構成を有
するものである。或いはまた、相異なる半導体(5,
7)の接合の界面もしくはMIS接合(66−65−6
1)の表面自然反転層(62)に形成されている2次元
電子ガス(46,62)と、該2次元電子ガス(46,
62)が形成されている半導体とオーミックに接触して
いる二つの超伝導電極(43,44),(63,64)
と、該二つの超伝導電極(43,44),(63,6
4)間の2次元電子ガス(46,62)中に流れる超伝
導電流を制御するゲート電極(50,66)とを有する
半導体結合超伝導素子において、該2次元電子ガス(4
6,62)中に狭隘な部分(51,71)を有し、更に
半導体(48,61)上にMIS形ゲート構造(50−
49−48,66−65−61)を有することを特徴と
する半導体結合超伝導素子としての構成を有するもので
ある。
【0014】
【実施例1】図1乃至図2は、本発明の第1の実施例を
説明する図であって、11はInP基板、12はノンド
ープのInAlAs、13,14は超伝導電極でソー
ス、ドレイン、15はノンドープのInGaAs、16
は15と17の界面の15の側に形成された2次元電子
ガス、17はノンドープのInAlAs、18はn形I
nAlAs、19はノンドープのInAlAs、20は
金属ゲート電極で、19,20によってMIS形ゲート
を構成する。図1は断面図、図2は上から見た平面図を
表す。図1及び図2の構造において、13,14の電極
を常伝導電極に置き換えたものが、InGaAs/In
AlAs系HEMT(high electron mobility transis
tor 、高電子移動度トランジスタ)と呼ばれるものであ
るが、更に通常のHEMTとは図に示すように、ゲート
電極が途中で切れた、いわゆるスプリット形をしている
点が異なる。
【0015】通常のHEMTでは、ゲート電極にある大
きさの負のゲート電圧をかけることによって、電極の下
に形成されていた2次元電子ガスを形成できない状態に
できることが知られている。従って、本実施例において
も、ゲート電極の下の2次元電子ガスは形成されず、ゲ
ート電極の切れた部分の下のみに2次元電子ガスを形成
することが可能である。これを示したのが図3で、図1
とは直角方向の断面図である。ところで、図4に示すよ
うに、ゲート電極に負の電圧をかけると、図の点線で示
す空乏層が回りに形成され、結果として、電子ガスの幅
Wは、ゲート電極の切れた幅、即ちスプリット幅より狭
くなる。このようにして、図5に示すように、ゲートの
下には、2つの2次元電子ガスが、幅W、長さDの電子
ガスで結合した構造が形成される。
【0016】このような構造において特徴的な長さは、
2次元電子ガスのフェルミ波長λF と平均自由行程lで
あるが、もしWがλF と同程度か、それ以下ならば幅
W、長さDの電子ガスは、準1次元とみなすことがで
き、更に図5の電極間隔Lがlより十分短いならば、2
つの電極間の伝導度σは2e2 /hを単位として量子化
され、更にゲート電圧Vg によって、2e2 /hを単位
として制御できることが実験的に示された。ここでeは
電子の電荷、hはプランク定数である。上記の実験結果
については B.J. van Wees、H. van Houten 、C.W.J. B
eenakker、J.G. Williamson 、L.P. Kouwenhoven、 D.
van der Marel, 及び C.T. Foxon による "Quantized
Conductance of Point Contacts ina Two-Dimensional
Electron Gas", と題する論文、Physical Review Lette
rs, 60, (1988), 848 において開示されている通りで
ある。上記の構造を量子ポイントコンタクトと呼び、図
6に実験結果を示す。2つの電極間の伝導度σと抵抗R
はσ=1/Rの関係にあるから、R0 =h/2e2=1
2.9kΩとすると、R=R0 /n(n=1,2,3,
・・・)という形での抵抗の量子化とも言える。
【0017】本実施例のInGaAs/InAlAs系
の2次元電子ガスも上記の条件、即ち
【0018】
【数1】
【0019】であるならば、量子ポイントコンタクトと
しての機能を持つ。2次元電子ガスのλF 及びlは次の
ように与えられる。
【0020】
【数2】
【0021】ここで、Ns 、μはそれぞれ2次元電子ガ
スの電子濃度、及び移動度である。InGaAs/In
AlAs系の2次元電子ガスについては、μ=60,0
00cm2 /Vs というデータが最も良い値として、
G.I. Ng、 D. Pavlidis、M.Quillec、Y.J. Chan 、M.D.
Jaffe 及び J. Singh による "Study of the consequ
ence of excess indium in the active channel of InG
aAs/InAlAs high electron mobility transistors on d
eviceproperties", と題する文献、AppliedPhysics Le
tters, 52, (1988), 728 において報告されている。こ
の時の温度はT=77Kで、Ns =1.2×1012cm
-2である。これらの値を用いると、λF =23nm,l
=1.1μmとなる。77K以下でNs ,μはほとんど
変化しないから、ここで求めたλF ,lは、77K以下
で一定と考えてよい。こうして、本実施例でも、
【0022】
【数3】
【0023】の時、InGaAs/InAlAs系の2
次元電子ガスも、量子ポイントコンタクトとしての機能
を持つことになる。
【0024】この時、図5に示すように、本実施例で
は、超伝導電極−2次元電子ガス−量子ポイントコンタ
クト−2次元電子ガス−超伝導電極という接続構造にな
り、超伝導電極の臨界温度TC 以下で、2次元電子ガ
ス、量子ポイントコンタクトを介して、両超伝導電極間
に超伝導電流が流れる。この時の臨界電流IC を求め
る。
【0025】前述のように、超伝導素子ではIC とRN
の積IC N は一定である。有効な素子長Leff がL
eff <<lかつLeff <<ξ0 を満足する超伝導弱結合
素子では、I.O. Kulik 及び A.N. Omel'yanchuk によ
る "Josephson Effect in Superconductive Bridges: M
icroscopic Theory" と題する文献、Soviet Journal o
f Low Temperature Physics, 4, (1978), 142 において
開示されている通り、次式が成り立つ。
【0026】
【数4】
【0027】ここで、ξ0 はξ0 =hVF/2π2Δで
定義される超伝導体のコヒーレンス長、VF、Δはそれ
ぞれ超伝導体のフェルミ速度、エネルギーギャップ、φ
は2つの超伝導電極間の位相差、kB はボルツマン定数
である。本実施例の場合は、Leff としてDを採用出来
て、L<<lであるから、当然D<<lの条件は満たさ
れる。もう一つの条件は、VFとして2DEGのVFを
採ると、VF=h(2πNs 1/2 /2πm* であるか
ら、前述のNs 及び、この電子濃度の時の有効質量m*
=0.043me(meは電子の質量)、更にΔとして
Nbのエネルギーギャップ1.5meVを用いると、ξ
0 =0.1μmとなるから、D<<0.1μmであれば
よいことになるが、本実施例でこの条件を満足するのは
容易であり、この時前式(1)が使えることになる。も
う一度本実施例が量子ポイントコンタクトとして働き、
かつ前式(1)が適用できる条件をまとめると次のよう
になる。
【0028】
【数5】
【0029】そこで、今温度をT=0.5Kとし、超伝
導電極をNbとすると、本実施例のIC N は前式
(1)より4.5mVとなる。前述のように、本実施例
も量子ポイントコンタクトとして働くから、RN は、R
N =R0 /n(n=1,2,3,・・・、R0 =h/2
2 =12.9kΩ)という形で、ゲート電圧により制
御できる。従って、図7に示すように、IC は4.5m
V÷12.9kΩ=0.35μAを単位として、ゲート
電圧により制御され、又図8に示すように、電流−電圧
特性はゲート電圧によって21,22,23,・・・と
いうように不連続な状態を取ることがわかる。この図に
負荷抵抗RL =1kΩの負荷直線27を書き入れると、
各状態での動作点が黒丸のように求まる。この各動作点
でのソース・ドレイン電圧とデート電圧の関係を示した
のが図9で、ゲート電圧(入力電圧)に対してソース・
ドレイン電圧(出力電圧)が階段状に変化し、階段のス
テップとステップの間では、大きな変化を示すことがわ
かる。この急峻な変化を利用すると、大きな利得の得ら
れることを以下に示す。
【0030】図10は、図9の丸で囲った部分の拡大図
である。今、図のB点にゲート電圧をバイアスしておい
たとすると、図のA点のゲート電圧からB点のゲート電
圧を引いた大きさの入力電圧Vinがあれば、状態はC点
に移動し、結果としてこの場合約1mVの出力電圧V
out が得られる。従って、バイアス点BをA点に近づけ
てVinを小さくしていけば、利得G=Vout /Vinは原
理的にはいくらでも大きくできることになる。実際には
熱雑音が存在するから、Vinをあまり小さくすると、こ
の熱雑音によってC点に移動してしまい、誤動作とな
る。考慮すべき熱雑音電圧VN は、
【0031】
【数6】
【0032】となる。ここでBは帯域で、本実施例の超
伝導素子のスイッチング速度を100psec(10
-10 sec)とするとB=10GHz(1010Hz)と
なる。T=0.5K、RL =1kΩであるから、VN
17μVと求まる。信号対雑音比は5程度で十分とする
と、入力電圧の最小値は85μVとなって、利得は数式
7に示す通りとなる。超伝導素子のスイッチング速度を
10倍速い10psec(10-11 sec)としても、
約4の利得を得ることが出来る。このように、同じ負荷
抵抗RL =1kΩの時、InAsやSiで結合した三端
子素子に比べて、実用に十分供する大きな利得を本実施
例は提供する。
【0033】
【数7】
【0034】
【実施例2】図11乃至図12は、本発明の第2の実施
例を説明する図であって31はp形InAs基板、32
はn形表面自然反転層で2次元電子ガス、33,34は
超伝導電極でソース、ドレイン、35は絶縁層、36は
金属ゲート電極で、35, 36によってMIS形ゲート
を構成する。実施例1と比較して、2次元電子ガスの性
質が変るのみで、動作原理等については、実施例1に等
しい。
【0035】本実施例では、2次元電子ガスとして、p
形InAs表面に形成されるn形自然反転層を用いる
が、これについては、T=77Kで、μ=6,100c
2 /Vs 、Ns =8.9×1011cm-2が実測されて
いる。これからやはり超伝導電極としてNbを用いると
【0036】
【数8】
【0037】と求まる。よって、本実施例においても
【0038】
【数9】
【0039】を満足すれば、実施例1と同様に利得の大
きな優れた超伝導三端子素子を提供する。
【0040】
【実施例3】図13乃至図15は、本発明の第三の実施
例を説明する図であって、41はInP基板、42はノ
ンドープのInAlAs、43,44は超伝導電極でソ
ース、ドレイン、45はノンドープのInGaAs、4
6は45と47の界面の45の側に形成された2次元電
子ガス、47はノンドープのInAlAs、48はn形
InAlAs、49は絶縁層、50は金属ゲート電極で
49,50によりMIS形ゲートを構成し、51は絶縁
化されたInGaAs層である。図13は断面図、図1
4は、図13のA−Bに沿って切断した拡大図である。
図14の51は絶縁化されたInGaAs層であり、例
えばGaイオン等の打ち込みによって絶縁化された部分
で、この部分には2次元電子ガスは存在しない。従っ
て、図14を上から見た図である図15のように、実施
例1,2と同様に、2つの2次元電子ガスが、狭隘な電
子ガス(長さD、幅W)で結合した構造を持つ。
【0041】実施例1と同様に、
【0042】
【数10】
【0043】なる条件を満足すれば、この狭隘な部分は
量子ポイントコンタクトとして働く。但し、本実施例で
は、ゲート電圧によってWを制御するのではなく、2次
元電子ガスの電子濃度Ns を制御することによって、量
子ポイントコンタクトとしての機能を得る。従って、実
施例1では負のゲート電圧を印加したが、本実施例で
は、正のゲート電圧を印加する必要がある。この時、図
7から図10の負のゲート電圧を正に読み替えれば、実
施例1と同様の動作をすることになり、利得の大きな優
れた超伝導三端子素子を提供する。
【0044】
【実施例4】図16乃至図17は、本発明の第4の実施
例を説明する図であって、61はp形InAs基板、6
2はn形表面自然反転層で2次元電子ガス、63,64
は超伝導電極でソース、ドレイン、65は絶縁層、66
は金属ゲート電極で65,66によりMIS形ゲートを
構成し、71は絶縁化されたInAs層である。
【0045】図16は断面図、図17は、図16のゲー
ト絶縁膜65及びゲート電極66を取り除いた部分の拡
大断面図である。実施例3と比較して、2次元電子ガス
がn形InAsの表面自然反転層に変っただけである。
従って、図17の2つの絶縁化された部分71に挟まれ
た狭隘な電子ガスの幅W、長さD、電極間隔Lが実施例
2と同じ条件
【0046】
【数11】
【0047】を満足することにより、実施例3と同様の
動作をすることになり、利得の大きな優れた超伝導三端
子素子を提供する。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではゲート
電圧によって、超伝導三端子素子の電流−電圧特性を不
連続に制御できるため、実用に供する大きな利得を有す
るという利点がある。従って、超伝導トランジスタの高
速性、低消費電力性に加えて、その高利得を生かして、
低温で動作する通信用高速デジタル、アナログ回路や、
コンピュータ等の高速ロジック回路を構成する素子とし
ての動作が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての半導体結合超伝
導素子の模式的断面構造図である。
【図2】図1の上面図である。
【図3】図1とは直角方向の模式的断面構造図である。
【図4】ゲート電極に負電圧を印加した時の空乏層の広
がりに伴う電子ガスの幅W,長さDの様子を示す図であ
る。
【図5】ゲート電極の下側における2つの2次元電子ガ
スが幅W,長さDの電子ガスで結合した構造図である。
【図6】2次元電子ガスにおける量子ポイントコンタク
トの伝導度(2e2 n/h(n=1,2…))とゲート
電圧Vg との関係(B.J. van Wees らの文献 Phys. Re
v. Lett., 60, (1988), 848 より) を示す。
【図7】本発明による第1の実施例における量子ポイン
トコンタクトの電流IC とゲート電圧Vg との関係を示
す。
【図8】本発明による第1の実施例としての半導体結合
超伝導素子のIDS−VDS特性を示す。
【図9】本発明による第1の実施例としての半導体結合
超伝導素子の出力電圧VDSとゲート電圧Vg との関係を
示す。
【図10】図9の部分拡大図である。
【図11】本発明の第2の実施例としての半導体結合超
伝導素子の模式的断面構造図である。
【図12】図11の上面図である。
【図13】本発明の第3の実施例としての半導体結合超
伝導素子の模式的断面構造図である。
【図14】図13のA−Bに沿って切断した拡大図であ
る。
【図15】図14の上面図である。
【図16】本発明の第4の実施例としての半導体結合超
伝導素子の模式的断面構造図である。
【図17】図16のゲート絶縁膜及びゲート電極を取り
除いた部分の拡大断面図である。
【図18】従来のp形InAsを用いたMIS形半導体
結合超伝導素子の模式的断面構造図である。
【図19】図18に図示したMIS形半導体結合超伝導
素子のIDS−VDS特性の模式図である。
【図20】通常の半導体FETのIDS−VDS特性の模式
図である。
【符号の説明】
1,31,61 p形InAs基板 2,32,62 n形自然反転層(2次元電子ガス) 3 ソース 4 ドレイン 5,35,49,65 絶縁層 6 MIS形ゲート 7,21 ゲート電圧が零の時の電流−電圧特性 8,22,23,24,25,26 ゲート電圧印加時
の電流−電圧特性 9,27 負荷直線 11,41 InP基板 12,42 ノンドープのInAlAs 13,33,43,63 超伝導電極(ソース) 14,34,44,64 超伝導電極(ドレイン) 15,45 ノンドープのInGaAs 16,46 2次元電子ガス 17,47 ノンドープのInAlAs 18,48 n形InAlAs 19 ノンドープのInAlAs 20,36,50,66 金属ゲート電極 51 絶縁化されたInGaAs層 71 絶縁化されたInAs層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−171179(JP,A) 特開 平1−133376(JP,A) PHYS.REV.LETT.,VO L.60,NUMBER9,(29 FEB RUARY 1988),PP.848−850 SOLID STATE COMMU NICATIONS,VOL.78,N O.4,(APRIL 1991),PP. 299−302

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相異なる半導体の接合の界面もしくはM
    IS接合の表面自然反転層に形成されている2次元電子
    ガスと、該2次元電子ガスが形成されている半導体とオ
    ーミックに接触している二つの超伝導電極と、該二つの
    超伝導電極間の2次元電子ガス中に流れる超伝導電流を
    制御するゲート電極とを有する半導体結合超伝導素子に
    おいて、該ゲート電極が半導体上に二つに分割されたM
    IS形ゲート構造を有することを特徴とする半導体結合
    超伝導素子。
  2. 【請求項2】 相異なる半導体の接合の界面もしくはM
    IS接合の表面自然反転層に形成されている2次元電子
    ガスと、該2次元電子ガスが形成されている半導体とオ
    ーミックに接触している二つの超伝導電極と、該二つの
    超伝導電極間の2次元電子ガス中に流れる超伝導電流を
    制御するゲート電極とを有する半導体結合超伝導素子に
    おいて、該2次元電子ガス中に狭隘な部分を有し、更に
    半導体上にMIS形ゲート構造を有することを特徴とす
    る半導体結合超伝導素子。
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