JP2698364B2 - 超伝導コンタクトおよびその製造方法 - Google Patents

超伝導コンタクトおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超伝導コンタクトおよびその製造方法に関す
る。
[従来の技術] 従来、超伝導マイクロエレクトロニクスの分野におい
ては、ジョセフソン素子が大いに研究されている。ジョ
セフソン素子は、その構造から、(1)トンネル型、
(2)ポイントコンタクト型、(3)ブリッジ型などに
およそ分類される。例えば、トンネル型は2枚の超伝導
薄膜をごく薄い(約30Å)絶縁膜でサンドイッチ構造を
形成して、超伝導電子が絶縁膜をトンネル効果によって
通過することでジョセフソン素子を実現している。
ジョセフソン素子の材料には、これまで種々の超伝導
材料が用いられている。その中で、Nb系超伝導材料は機
械的にも強度が強く、安定であるため、精力的に研究が
進められている。このNb系超伝導材料の中で、Nbを材料
として選び、Nb電極間に、AlOXやMgOをはじめとする種
々の酸化物や、絶縁体をトンネルバリアとして導入する
ことが盛んに研究されている。
最近、酸化物超伝導体(Y−Ba−Cu−O)とNb針の接
触点で交流ジョセフソン効果が確認されている。また、
酸化物セラミックス超伝導体中に破断面を形成し、これ
を再接触させて、臨界温度90Kの近傍で動作するジョセ
フソン接合が得られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、例えばY−Ba−Cu−Oのような高臨界
温度を有する酸化物超伝導体と、ニオブや鉛等の金属系
超伝導体とを接触させると、金属系超伝導体が酸化物超
伝導体表面の酸素を取り込み、金属系超伝導体の表面が
酸化され、絶縁体を形成する。
さらに、金属系超伝導体に酸素が取り込まれると、酸
化物超伝導体の表面は、数100Åの厚さにわたって、酸
素欠損の状態となり、酸化物超伝導体の表面層は、半導
体または絶縁体を形成した超伝導電流が流れず、超伝導
コンタクトが取れない。高臨界温度を有する酸化物超伝
導体は酸素欠損に敏感であって、物性値に大きな影響を
及ぼす。
そこで、本発明の目的は、上述のような問題点を解消
し、酸化物超伝導体と超伝導体との界面において、絶縁
体または半導体を形成することなく、超伝導電流が流れ
る超伝導コンタクトおよびその製造方法を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] かかる目的を達成するために、本発明の超伝導コンタ
クトは、酸化物超伝導体からなり、その表面がプラズマ
処理された下部電極と、該下部電極上のプラズマ処理さ
れた表面上に形成された100Å以上の貴金属からなるコ
ンタクト層と、該コンタクト層上に形成された超伝導体
からなる対向電極とを有することを特徴とする。また、
本発明の超伝導コンタクトの製造方法は、下部電極であ
る酸化物超伝導体の表面をプラズマ酸化処理する工程
と、当該プラズマ酸化処理された前記酸化物超伝導体の
表面上に貴金属からなるコンタクト層を形成する工程
と、前記コンタクト層上に対向電極である超伝導体層を
形成する工程とを含むことを特徴とする。
下部電極として用いる酸化物超伝導体としては、RE−
M−Cu−O系(REは希土類元素、MはRaを除くアルカリ
土類金属)酸化物超伝導体が例示できる。
このRE−M−Cu−O系超伝導体は、超伝導体の成分を
含む有機酸の金属塩を、有機溶媒に溶解して基板に塗布
し、熱処理して形成することができる。
また、酸化物超伝導体の作製方法としては、スパッタ
法,モレキュラービームエピタキシー法などの熱的蒸着
法,電子ビーム蒸着法も例示することができる。
以上のような方法で作製した酸化物超伝導薄膜は、ア
ニーリング処理または空気中に取り出すため、酸化物超
伝導体薄膜の表面層は水分などで劣化する。この水分に
よって、酸化物超伝導体の物性値は変化し、超伝導性が
大きな阻害効果を受ける。
この水分の混入を防止して超伝導性を改質する目的で
プラズマ酸化を行なう。このプラズマ酸化による酸化物
超伝導体薄膜の損傷を少なくして、均一に表面の超伝導
性の改質を行うため、例えば、高圧酸素(1Torr)、低
電力(11W)の条件下で長時間(1時間)プラズマ酸化
を行う必要がある。
酸素プラズマの発生には、DC放電による方法、高周波
やマイクロ波発振器で放電させる方法などいくつか考え
られる。
本発明の超伝導コンタクトにおいては、酸化物超伝導
体と超伝導体との間に、酸化されにくい貴金属薄膜を介
在させた。貴金属としては、例えば、Au,Pt,Ag等が例示
できる。この耐酸化性貴金属薄膜の目的は2つ挙げられ
る。
第1の目的は、プラズマ酸化し、改質した酸化物超伝
導体の表面層の保護である。酸化されにくい貴金属薄膜
を用いているために、酸化物超伝導体との間で酸素のや
りとりがないため、酸化物超伝導体の表面近傍層が酸素
欠損の状態となることを防止することができる。さら
に、酸化物超伝導体とAu,Pt,Agのような酸化されにくい
貴金属薄膜との界面において、半導体または絶縁体が形
成されることを防止できる。
第2の目的は、超伝導近接効果により、常伝導性を有
するAu等の貴金属薄膜に超伝導性を持たせることであ
る。このため、Au等の貴金属薄膜の上部に堆積した超伝
導体との間に超伝導コンタクトが取れ、超伝導電流が流
れる。
Au等の貴金属薄膜の膜厚は、本発明においては、大き
な役割りを演じる。貴金属薄膜の厚さが100Å以下であ
ると、貴金属薄膜の形成過程で、結晶核が凝集して島状
構造となり、均一な連続膜が酸化物超伝導体表面に形成
されない。この結果、酸化物超伝導体と超伝導体とが直
接に接触し、超伝導コンタクト性を弱める。
一方、Au等の貴金属薄膜の膜厚が1000Å以上でも貴金
属薄膜は超伝導近接効果が発現するが、その超伝導性は
非常に弱くなり、超伝導コンタクト性を弱める。
従って、貴金属薄膜の膜厚としては、100Å〜1000Å
であることが好ましく、最適厚さは数100Åであると考
えられる。
対向電極として用いる超伝導体が、Au,Pt,Ag等の酸化
されにくい貴金属薄膜と固溶体を形成することは、超伝
導コンタクト性を低下させるために好ましくない。その
ために、対向電極として用いる超伝導体としては、Au,P
t,Ag等の貴金属と固溶体を形成しないNb,NbN,MoNが好ま
しい。対向電極としては、下部電極と同様に、RE−M−
Cu−O系酸化物超伝導体を用いることもできる。
ここで、Nbのような高融点金属は、例えば、電子線加
熱法のような真空蒸着法によって形成することができ
る。
NbN,MoN薄膜は、反応性スパッタ法,CVD法,プラズマC
VD法等によって形成することができる。
[作 用] 本発明によれば、酸化物超伝導体からなる下部電極
と、下部電極上に形成された貴金属からなるコンタクト
層と、コンタクト層上に形成された超伝導体からなる対
向電極により構成されているので、酸化物超伝導体の酸
素がコンタクト層に取り込まれず、酸化物超伝導体の上
部表面が半導体または絶縁体を形成することなく、コン
タクト層と接合している対向電極も半導体や絶縁体を形
成することなく、下部電極と対向電極との間で超伝導電
流が流れる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
実施例 第1図に本発明の実施例の超伝導コンタクトの断面図
を示す。
まず、基板1上に下部電極としてY−Ba−Cu−O超伝
導体薄膜2を常法によって形成させる。このY−Ba−Cu
−O超伝導体薄膜2の表面を、酸素圧1Torr、印加電力1
1W、直流バイアス電圧21Vの条件下の高周波酸素プラズ
マ中において1時間酸素プラズマ処理した。酸素プラズ
マ処理をしてから、コンタクト層として300Åの厚さの
金薄膜3を蒸着した。蒸着した金薄膜3の上に対向電極
としてNb薄膜4を蒸着法あるいは反応性スパッタ法で堆
積させた。
このようにして形成した超伝導体コンタクトについて
は、Y−Ba−Cu−O超伝導体薄膜2とNb系金属薄膜4と
の間に超伝導電流が流れるのが観察された。Nb薄膜4の
代わりに、NbN薄膜を使用しても、Y−Ba−Cu−O薄膜
とNbN薄膜との間で超伝導電流が流れるのが観察され
た。
本実施例においては対向電極としてNb系材料薄膜を用
いたが、例えばY−Ba−Cu−O系酸化物超伝導体薄膜を
使用することもできる。
応用例 第2図に本発明の応用例の断面図を示す。
第2図に図示したように、基板1上に、Y−Ba−Cu−
O超伝導薄膜2を形成する。このY−Ba−Cu−O超伝導
薄膜2上に、コンタクト層として金薄膜3を約数100Å
蒸着させる。金薄膜3上の一部に、例えば、MgO,Al2O3
のような人工トンネル障壁5(バリア)を堆積させる。
さらに、対向電極としてNb薄膜4を堆積してジョセフソ
ン接合素子を形成する。ここで、人工トンネル障壁以外
の金薄膜および基板上には、SiOを堆積させる。
本応用例においては、対向電極として、Nb薄膜を用い
たが、NbN薄膜、MoN薄膜、または酸化物超伝導体を使用
できることは勿論である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、酸化物超伝導
体からなる下部電極と、下部電極上に形成された貴金属
からなるコンタクト層と、コンタクト層上に形成された
超伝導体からなる対向電極により構成されているので、
酸化物超伝導体の酸素がコンタクト層に取り込まれず、
酸化物超伝導体の上部表面が半導体または絶縁体を形成
することなく、コンタクト層と接合している対向電極も
半導体や絶縁体を形成することなく、下部電極と対向電
極との間で超伝導電流が流れる。
本発明の超伝導コンタクトは、高速性,高感度性,高
精度性を必要とする多くの応用分野において適用でき
る。例えば、高速性,低消費性に着目した高速コンピュ
ータ素子に応用できる。また、Nb系材料をベースとする
素子技術の進歩により、LSIの集積が可能となり、集積
論理回路としても応用できる。
さらに、SQUID装置、高精度量子電圧装置、ミキサ装
置のマイクロエレクトロニクスの分野に超伝導コンタク
トを利用することができる。
さらに、超伝導線材間のコンタクトとして利用するこ
とも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す断面図、 第2図は本発明の応用例を示す断面図である。 1……基板、 2……Y−Ba−Cu−O薄膜、 3……金薄膜、 4……Nb薄膜、 5……人工トンネル障壁、 6……SiO。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−245688(JP,A) 特開 昭63−299283(JP,A) Jpn.J.Appl.Phys.26 [9](1987)L1443−1444

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超伝導体からなり、その表面がプラ
    ズマ処理された下部電極と、該下部電極上のプラズマ処
    理された表面上に形成された100Å以上の貴金属からな
    るコンタクト層と、 該コンタクト層上に形成された超伝導体からなる対向電
    極と を有することを特徴とする超伝導コンタクト。
  2. 【請求項2】下部電極である酸化物超伝導体の表面をプ
    ラズマ酸化処理する工程と、当該プラズマ酸化処理され
    た前記酸化物超伝導体の表面上に貴金属からなるコンタ
    クト層を形成する工程と、前記コンタクト層上に対向電
    極である超伝導体層を形成する工程とを含むことを特徴
    とする超伝導コンタクトの製造方法。
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