JP2697820B2 - 強度及びピンホール特性に優れたアルミニウム合金箔地の製造方法 - Google Patents

強度及びピンホール特性に優れたアルミニウム合金箔地の製造方法

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JP2697820B2 JP62114420A JP11442087A JP2697820B2 JP 2697820 B2 JP2697820 B2 JP 2697820B2 JP 62114420 A JP62114420 A JP 62114420A JP 11442087 A JP11442087 A JP 11442087A JP 2697820 B2 JP2697820 B2 JP 2697820B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は箔焼鈍後の強度の高いアルミニウム箔を与え
るアルミニウム合金箔地の製造方法に関し、さらに詳し
くは、アルミニウム箔の薄肉化要求に対応できる箔焼鈍
後の強度が高い、しかもピンホール特性など品質の優れ
た薄肉化アルミニウム箔に加工できるアルミニウム合金
箔地の製造方法に関する。 (従来の技術) 一般に食品、薬品等の各種包装用アルミニウム箔やフ
ィルムコンデンサ用アルミニウム箔の材料としてはJIS1
N30合金が最も多く用いられている。さらに放送用アル
ミニウム箔は紙やプラスチックフィルムと貼り合せて用
いられることも多く、そのため接着剤やコート剤、印刷
インク等との接着力、密着力を高くするため、またフィ
ルムコンデンサ用箔では静電容量の低下を防止するため
に箔表面の圧延油を除去する必要があり、そこで箔の軟
化も兼ねて焼鈍脱脂が行われている。特に最近、これら
のアルミニウム箔に対して薄肉化の要求があり、薄肉化
された箔の延びによる印刷のズレ防止あるいはコンデン
サ巻き上げ時の箔切れ防止のため、焼鈍脱脂後の強度
(O材強度)を向上させる必要がある。しかしCuやMgを
添加して強度を上げようとすると加工硬化し易くなり、
アルミニウム箔の場合箔圧延において圧延性が悪くな
り、さらにその結果特に厚さ20μm以下の薄箔ではピン
ホールが発生し易くなる。 そこで箔用アルミニウム合金にZr又はZrとVを添加す
ることにより、合金の完全再結晶温度を上昇させ、その
結果箔の焼鈍脱脂処理において完全再結晶させることな
く加工組織を残存させた状態に保持して箔の強度向上を
はかることが提案されている(特開昭61−41742号)。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、特開昭61−41742号公報記載の方法の
ように加工組織を残存させた状態すなわち部分再結晶組
織にすることは、実際操業上製品が非常に不安定とな
る。例えば箔製品をコイルとして焼鈍脱脂する際、コイ
ルの内巻と外巻あるいは幅方向で一定温度に制御するこ
とは非常に困難で、その結果温度差により再結晶率が部
分的に異なり、強度のバラツキとして現われてくる。従
って箔の長手方向、幅方向あるいはロット間での強度の
バラツキが大きいものとなって、その後の箔の加工工程
で非常に扱い難いものとなる。また上記公報の発明では
実施例において箔の焼鈍脱脂を350℃で1時間行ってそ
の後の強度を比較している。しかし、通常箔の焼鈍脱脂
は製品幅により異なるが、10数時間以上行っており、こ
の条件では同公報記載の合金でも完全再結晶し、強度は
従来品と同程度になってしまうことがあり、また短時間
にすると脱脂が不十分となる問題があった。 従って本発明は圧延性、ピンホール特性を損なうこと
なくO材強度を向上させ箔の薄肉化が可能なアルミニウ
ム合金箔地の製造方法を提供することを目的とする。 (問題を解決するための手段) 本発明者らはこれまでのアルミニウム箔に関する研究
から箔圧延における圧延性は、材料の加工硬化特性と密
接な関係にあり、加工硬化の度合いが大き過ぎる場合、
薄箔にするピンホール数が著しく多くなったり、さらに
は変形抵抗が大きいため、圧延できないことも起こりう
ることを見出した。また加工硬化の度合が小さい場合
は、圧延速度を上げられず生産性が悪くなるため、適度
な加工硬化特性を有する箔用材料が必要であることも見
出した。そこで適度な加工硬化特性を有し、しかも箔焼
鈍後のO材強度が高い箔用アルミニウム合金材料を開発
するため鋭意研究を重ねた結果、所定量のNiの添加が有
効であり、かつ冷間圧延及び箔地焼鈍の条件を制御する
ことにより、その目的が達成されることを見出した。本
発明はこの知見に基づいてなされたものである。 すなわち、本発明はNi 0.3〜1.2wt%を含有し、残部
がアルミニウム及び不可避不純物からなるアルミニウム
合金の板材を50%以上の圧下率で冷間圧延した後、300
〜400℃で箔地焼鈍を施し、さらにその後必要に応じて
冷間圧延を行うことを特徴とする強度及びピンホール特
性に優れたアルミニウム合金箔地の製造方法を提供する
ものである。 本発明においてアルミニウム合金にNiを添加すると材
料の加工硬化の度合いは大きくなるが、Niの添加量、冷
間圧延の圧下率及び箔地焼鈍条件を制御することにより
箔圧延における加工硬化を十分許容範囲に抑えることが
でき、ピンホール特性が損われることなく、また箔焼鈍
後のO材強度が向上するため箔の薄肉化が可能となる。 本発明においてNi含有量を0.3〜1.2wt%とするが、0.
3wt%未満では箔焼鈍後のO材強度向上の効果が小さ
く、1.2wt%を越えると粗大な化合物となり易く、薄箔
においてピンホールの原因となる。 本発明のアルミニウム合金に含有していてもよいNi以
外の金属として主な不純物であるFe、Si、Cuは、適度な
強度を持たせるのに有効であり、従って1100合金や1N30
合金程度の範囲で添加してもよい。またTiは鋳造組織を
微細にして熱間圧延を安定させるためにAl−Tiあるいは
Al−Ti−B母合金として添加することもあるが、添加し
ないで羽毛状晶組織とした方が金属間化合物が微細とな
るため、熱間圧延に支障がなければTiは少ない方が好ま
しい。 本発明における板材は通常のDC鋳塊を均質化処理後熱
間圧延して得られた板材、あるいは、連続鋳像により得
られた板材のいずれも使用することことができる。本発
明において板材を50%以上の圧下率で冷間圧延し、その
後300〜400℃で箔地焼鈍するのは、固溶元素を析出させ
るためである。箔圧延において重要な加工硬化特性は元
素の種類及びその元素の固容量と密接な関係にあり、固
容量が多いほど加工硬化し易くなるので、Ni及びその他
の不純物の固溶元素を析出させることにより過度の加工
硬化を防止するためである。この場合、箔地焼鈍前の冷
間圧延が50%未満だと箔地焼鈍の際固溶元素の析出が起
り難く、また箔地焼鈍温度が300℃未満、あるいは400℃
を越える場合析出が起り難い。箔地焼鈍後はさらに必要
に応じて、すなわち箔メーカーの圧延条件に適した調質
に従って冷間圧延を行い箔地とすることができる。この
ような箔地の厚さは特に制限はないが通常0.3〜1.0mmで
ある。 (発明の効果) 本発明によれば加工硬度の度合いが従来材並で、しか
も強加工領域では加工軟化を生じ、従って箔圧延におい
て圧延性を損うことなく、その結果ピンホールも少な
く、また箔焼鈍後のO材強度がバラツキがなく従来材よ
り高いため箔のより薄肉化が可能なアルミニウム合金箔
地を得ることができる。また、本発明のアルミニウム合
金箔地によれば箔の焼鈍脱脂を極めて効率適に行うこと
ができ、各種用途に応じた品質の優れた薄肉化アルミニ
ウム箔を得ることができる。 (実施例) 以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明す
る。 実施例1 第1表に示す合金組成、すなわち1N30合金相当の組成
をベースとし、Ni又はZrとVをそれぞれ添加した11種の
組成のアルミニウム合金のDC鋳塊を調製し、各鋳塊に均
質化処理(600℃×6時間)及び熱間圧延処理を施し
て、3.0mm厚(一部2.5mm厚)の板材とし、これら冷間圧
延前板材についてそれぞれ第1表に示す条件で第1次冷
間圧延及び箔地焼鈍を施し、さらに冷間圧延を行うこと
により0.42mm厚(一部0.45mm厚)の箔地試料を作製し
た。各箔地試料は箔圧延により7μm厚(一部15μm
厚)の箔とし、その後箔焼鈍(350℃×24時間)を施し
て最終箔とした。 各箔地試料の箔地焼鈍後の加工硬化曲線を第1図及び
第2図に示す。また各試料の最終箔について測定したピ
ンホール数及び引張強さを第2表に示す。 第1図及び第2図から明らかなように、本発明による
アルミニウム合金箔地(NO.1、No.2、No.3、No.8、及び
No.10)の加工強度が上がるのに従って従来材(No.5及
びNo.6)のそれより若干高くなるが、強加工領域では加
工が進むにつれてかえって低下し、この領域で圧延に好
都合な加工軟化現象が生じることを示している。これに
対して、従来冷の場合には顕著な加工軟化現象が示され
ず、また本発明範囲以外の比較例箔地(No.4、No.7、N
o.9及びNo.11)の場合いずれも強加工領域で軟化現象を
示すものの強度そのものは加工が進むにつれて著しく増
大している。 次に第2表に示す結果では、本発明によるアルミニウ
ム箔地(No.1、No.2、No.3、No.8及びNo.10)から得ら
れた箔のピンホール性は従来例箔地(No.5、6)からの
箔のそれぞ同等以上に良好であり、しかも箔地焼鈍後の
強度は従来例のそれより3割以上高くなり得ることが明
らかである。他方、比較例箔地では上述のように加工強
度が著しく増大するためピンホール数の非常に多い箔し
か得られず、薄箔化に適さないことを示している。 実施例2 第3表に示す合金組成すなわち1070合金相当組成をベ
ースとしてこれにNi又はZrとVをそれぞれ添加した6割
の組成のアルミニウム合金のDC鋳塊を調製し、各鋳塊に
均質化処理(600℃×6時間)及び熱間圧延を施し3.0mm
厚の板材とした。その後これらの冷間圧延前板材に対し
て第3表に示すように約73%の圧下率で第1次冷間圧延
を行った後、360℃×4時間の箔地焼鈍を施し、さらに
その後冷間圧延により0.42mm厚の箔地試料を作成した。
各箔地試料を箔圧延により7μm厚とし、その後箔焼鈍
(350℃×24時間)を施し最終箔とした。 第3図にこれら箔地試料の箔地焼鈍後の加工硬化曲線
を示す。また各箔地試料から得た最終箔について測定し
たピンホール数及び引張強さを第4表に示す。 第3図及び第4表の結果は実施例1の場合と同様、本
発明によるアルミニウム合金箔地が箔圧延性に優れ、ピ
ンホール数が少なく、しかも箔焼鈍後の強度の高い良好
な薄肉化箔となることを示している。すなわち、第3図
において、本発明方法によるアルミニウム合金箔地(N
o.12、No.13及びNO.14)は従来例箔地(No.16及びNo.1
7)に比べ加工強度は加工が進むにつれて若干高くなる
が強加工領域では軟化現象により好適な強度に低下する
ことを示している。また第4表には本発明によるアルミ
ニウム合金箔地から得た箔のピンホール数が従来例箔地
から得た箔のそれぞ同等でしかも箔焼鈍後の強度が非常
に高い(従来例の場合の1.4倍)箔が得られることを示
している。これに反し、従来例箔地から得た箔は強度が
低く、また比較例箔地から得た箔はピンホール性が悪い
という欠点を示している。
【図面の簡単な説明】 第1図、第2図及び第3図はそれぞれ箔地焼鈍後の箔地
の加工硬化曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/00 686 8719−4K C22F 1/00 686A 691 8719−4K 691B 694 8719−4K 694A

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.Ni 0.3〜1.2wt%を含有し、残部がアルミニウム及
    び不可避不純物からなるアルミニウム合金の板材を50%
    以上の圧下率で冷間圧延した後、300〜400℃で箔地焼鈍
    を施し、さらにその後必要に応じて冷間圧延を行うこと
    を特徴とする強度及びピンホール特性に優れたアルミニ
    ウム合金箔地の製造方法。
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