JP2692997B2 - 画像プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動給紙機構を備えた熱転写記録装置に関
するものであり、詳しくは画像プリンタに関するもので
ある。

従来の技術 近年、画像プリンタにおいては、PETベースなどの特
殊な記録紙を連続かつ自動的に装置内の記録部に供給す
るために自動給紙機構を有するものが見られるようにな
ってきた。

以下図面を参照しながら、従来の画像プリンタの例に
ついて説明する。第３図は従来の画像プリンタの断面図
を示す。第３図において、装置本体14にはサーマルヘッ
ド１、プラテン２、インクシート３からなる記録部が設
けられ、その給紙方向上流側に、給紙後の記録紙15を駆
動するキャプスタン４とピンチローラ５が設けられ、さ
らにその給紙方向上流側に、給紙と排紙の切換えをする
切換ガイド６とさらにその上流側にセパレートローラ７
とピックアップローラ８が回転可能に設けられ、このピ
ックアップローラ８とセパレートローラ７間にわたって
搬送ベルト９が張架されている。また、セパレートロー
ラ７に対応する位置にリバースローラ10が設けられ、こ
のリバースローラ10はトルクリミッタを同軸上に有して
回転可能であり、装置本体14に回動可能に取り付けられ
たリバースローラ保持アングル11に保持されて、セパレ
ートローラ７の側で搬送ベルト９に対して当接可能に構
成されている。また、ガイド板12はセパレートローラ７
から記録部のプラテン２に至る間に設けられ、給紙後の
記録紙15を案内する。枚葉状の記録紙15を収納する記録
紙カセット16は装置本体14のガイド部13に着脱自在に取
付けられる。紙押圧板17は一端を中心に回動可能に設け
られ、この紙押圧板17の上に記録紙カセット16に収納さ
れた記録紙15が積載され、押上レバー18が紙押圧板17を
一端を中心に回動して押上げたときに、記録紙15は搬送
ベルト９に押圧される。

このように構成された従来の画像プリンタについて、
以下その動作を説明する。まず、記録紙15を複数枚収納
した記録紙カセット16が装置本体14のガイド部13に沿っ
て所定の位置に挿入保持される。給紙の際には、押上レ
バー18が上方に回動し、紙押圧板17を一端を支点として
回動させて他端を押上げ、紙押圧板17上に積載した記録
紙15を搬送ベルト９に押圧する。次に、ピックアップロ
ーラ８またはセパレートローラ７が回転することにより
搬送ベルト９は給紙方向に駆動され、記録紙15は１枚ま
たは数枚が搬送されることになる。

一方、給紙の際には、セパレートローラ７に対して離
間しているリバースローラ10がリバースローラ保持アン
グル11によって記録紙15を押圧する方向へ回動し、搬送
ベルト９を介してセパレートローラ９を押圧する。ここ
でリバースローラ10は同軸上にトルクリミッタを備えて
おり、１枚の記録紙15ならばそのまま記録紙15の搬送を
許し、２枚以上ならば２枚以降はさばいてしまう役目を
有している。搬送された１枚の記録紙15はガイド板12と
切換ガイド６にガイドされ、キャプスタン４とピンチロ
ーラ５の間を通過し、センサで検出され、搬送が完了す
る。

搬送が完了し、記録紙15がキャプスタン４とピンチロ
ーラ５の間にはさまれて記録部に送られると、押上レバ
ー18は降下し、同時にリバースローラ10もリバースロー
ラ保持アングル11の降下により初期の位置に戻る。この
とき、搬送ベルト９によって搬送され、リバースローラ
10によってさばかれた記録紙15が、第４図に示すよう
に、記録紙カセット16の上端面およびリバースローラ10
の上面に乗り上げたままの状態になることがある。この
状態では１枚目に搬送される記録紙15aと記録紙カセッ
ト16およびリバースローラ10上に乗り上げた記録紙15b
が接触し静電気による密着が発生してそのまま装置本体
14の内部に取り入れてしまう。このため、従来の画像プ
リンタでは、第５図に示すような記録紙けり落し機構を
備えたものがある。

第５図において、19はけり落しレバーで、ピックアッ
プローラ８の軸に回転自在に支持され、このけり落しレ
バー19の先端部は付勢ばね20により下方向に付勢されて
いる。給紙の際には、けり落しレバー19を持ち上げて記
録紙15aが搬送され、搬送完了の際にはリバースローラ1
0の下降とともにけり落しレバー19も下降し、２枚目以
降の記録紙15bを逆搬送方向に回転するリバースローラ1
0に当接させるようにに付勢し、記録紙15bを逆戻りさせ
ている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構成では、まずけり落し機
構がない場合、記録紙15bがリバースローラ10の上面に
乗り上げたまま残ってしまい、１枚目の搬送された記録
紙15aに上記のように乗り上げた２枚目以降の記録紙15b
が接触すると、静電気による密着を起し、装置本体14の
内部に続けて重送され、給紙エラーとなるなど問題を有
していた。

また、第４図に示すような紙けり落し機構を備えた画
像プリンタにおいては、けり落しバー19のレバー部をリ
バースローラ10の給紙方向上流側に設定しつつ常に付勢
ばね20で下方向に付勢しているので、１枚目の記録紙15
aの搬送の際に、記録紙15aの端面がけり落しレパー19の
レバー部を押し上げて進行するため、搬送の負荷となっ
ており、また、レバー部は直接リバースローラに当接し
ていないために、付勢ばね20のばね圧力を重送を防ぐの
に効果的な強いばね圧力に設定すると、給紙スリップの
発生や給紙時間の遅延の発生などの問題を有していた。

本発明は上記問題を解決するもので、搬送ベルトまた
はローラより幅の広いリバースローラを設け、これにけ
り落しレバーを当接させることによって、弱い負荷で重
送を防止し、給紙のスリップや給紙時間の遅延のない信
頼性の高い画像プリンタを提供することを目的とするも
のである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の画像プリンタは、
枚葉状の記録紙を収納する記録紙カセットと、記録紙カ
セットの上方位置に設けられて、収納された記録紙が接
触したときに、この記録紙を搬送する搬送ベルトまたは
ローラと、記録紙カセットの下方から記録紙を搬送ベル
トまたはローラに押圧せしめる紙押圧板と、搬送ベルト
またはローラの給紙方向下流側に設けられて、前記搬送
ベルトまたはローラに押圧可能であり、押圧時に記録紙
の２枚目以降をさばくように構成され、かつ搬送ベルト
またはローラよりも幅を広く構成されたリバースローラ
と、先端部が前記リバースローラの両端部に上方向から
当接するように回動可能なレバー部材と、前記レバー部
材の先端部を前記リバースローラに当接するように付勢
する付勢手段を備えたものである。

作用 上記した構成により、けり落しレバーがリバースロー
ラに当接しており、このことにより給紙時にけり落しレ
バーが搬送ベルトまたはローラと同じ高さまで持ち上げ
られることになり、けり落しレバーを１枚目の記録紙を
持ち上げる負荷を軽減することができ、また、給紙完了
の際にリバースローラの下降に追従してけり落しレバー
も記録紙を挟持したまま下降するので、１枚目の記録紙
はキャプスタンとピンチローラの押圧回転によって搬送
されるが、２枚目以降の記録紙は逆回転するリバースロ
ーラに直接押圧され、強い逆戻り力が発生することにな
り、記録紙カセットに戻される。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明の一実施例の画像プリンタの構成を示
す断面図、第２図は同画像プリンタの要部を示す斜視図
である。第１図および第２図において、従来例と同じ番
号のものは、同一部品を示すので、その詳細な説明は省
略する。30はリバースローラであり、搬送ベルト９より
も広い幅を有するように構成され、けり落しレバー19の
先端部はこのリバースローラ30の上面に当接可能であ
る。

このように構成された画像プリンタについて、以下、
その動作を説明する。まず記録紙15を複数枚収納した記
録紙カセット16が装置本体14のガイド部13に沿って所定
の位置に挿入保持される。給紙の際には、押上レバー18
が上方に回動し、紙押圧板17を一端を支点として回動さ
せて他端を押上げ、紙押圧板17上に積載した記録紙15を
搬送ベルト９に押圧する。次に、ピックアップローラ９
またはセパレートローラ７が回転することによって搬送
ベルト９は給紙方向に駆動され、記録紙15は１枚または
数枚が搬送される。一方、給紙の際には、セパレートロ
ーラ７に対して離間しているリバースローラ30がリバー
スローラ保持アングル11によって記録紙15を押圧する方
向へ回動し、記録紙15を介してセパレートローラ７を押
圧する。ここで、リバースローラ30は同軸上にトルクリ
ミッタを備えており、２枚目以降の記録紙15はさばいて
しまうように動作する。けり落しレバー20は付勢ばね20
によって幅広のリバースローラ30の両側上面に当接して
いるが、搬送ベルト９と同じ高さに持ち上げられている
ため大きな搬送負荷にはならない。

搬送された１枚の記録紙15はガイド板12と切換ガイド
６にガイドされ、キャプスタン４とピンチローラ５間を
通過し、センサ検出されると搬送が完了する。

搬送が完了し、記録紙15がキャプスタン４とピンチロ
ーラ５の間にはさまれて記録紙へ送られると、同時にリ
バースローラ30もリバースローラ保持アングル11の離間
方向への回動によって初期の位置に戻る。このとき、け
り落しレバー19はリバースローラ30の両端部に当接する
ように付勢されているため、リバースローラ30に追従し
て動き、記録紙15を挟持するため、複数の場合、１枚目
の記録紙15aはキャプスタン４とピンチローラ５による
押圧回転により記録部へ搬送されるが、２枚目以降の記
録紙15bは逆回転するリバースローラ30に直接押圧さ
れ、逆戻り力が発生することによって記録紙カセット16
に戻されることになる。

以上のように本実施例によれば、記録紙を収納する記
録紙カセットと、記録紙カセットの上方位置に設けられ
た搬送ベルトと、記録紙を搬送ベルトに押圧せしめる紙
押圧板と、搬送ベルトの給紙方向下流側に設けられて、
搬送ベルトに押圧可能であり、押圧時に記録紙の２枚目
以降をさばくように動作し、かつ搬送ベルトよりも幅の
広いリバースローラと、先端部がリバースローラの両端
部に上方向から当接するように回動可能なレバー部材
と、レバー部材の先端部をリバースローラに当接するよ
うに付勢する付勢手段を設けることによって、静電気に
よる密着力から発生する記録紙の重送や給紙スリップ、
給紙時間の遅延などを防ぐことができる。

なお、本実施例において２軸間に搬送ベルトを張架し
ているが、搬送手段として搬送ローラ２本を用いてもよ
い。

発明の効果 以上のように本発明によれば、記録紙をさばくための
リバースローラを搬送ベルトよりも幅の広い構成にし、
２枚目以降の記録紙をけり落すためのレバー部材をこの
リバースローラの両端部に上方向から当接させるので、
弱い付勢力で静電気による記録紙同志の密着から発生す
る重送を効果的に防止でき、さらに給紙スリップや給紙
時間の遅延も防止でき、信頼性を飛躍的に高めることが
できるという優れた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の画像プリンタの断面図、第
２図は同画像プリンタの要部斜視図、第３図は従来の画
像プリンタの断面図、第４図は同従来の画像プリンタの
要部断面図、第５図は従来の画像プリンタの他の実施例
の要部斜視図である。 ２……プラテン、４……キャプスタン、５……ピンチロ
ーラ、７……セパレートローラ、８……ピックアップロ
ーラ、９……搬送ベルト、11……リバースローラ保持ア
ングル、15……記録紙、16……記録紙カセット、17……
紙押圧板、19……けり落しレバー、30……リバースロー
ラ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】枚葉状の記録紙を収納する記録紙カセット
   と、前記記録紙カセットの上方位置に設けられて、収納
   された記録紙が接触したときに、この記録紙を搬送する
   搬送ベルトまたはローラと、前記記録紙カセットの下方
   から前記記録紙を前記搬送ベルトまたはローラに押圧せ
   しめる紙押圧板と、前記搬送ベルトまたはローラの給紙
   方向下流側に設けられて、前記搬送ベルトまたはローラ
   に押圧可能であり、押圧時に前記記録紙の２枚目以降を
   さばくように構成され、かつ前記搬送ベルトまたはロー
   ラよりも幅を広く構成されたリバースローラと、先端部
   が前記リバースローラの両端部に上方向から当接するよ
   うに回動可能なレバー部材と、前記レバー部材の先端部
   を前記リバースローラに当接するように付勢する付勢手
   段とを備えた画像プリンタ。