JP2585012B2 - ハガキフィ−ダ−内蔵型記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、普通シートを搬送しこれに印字する機能に
加えて、積層状態のハガキ（カードなど小サイズで腰の
強いシートを含む）を１枚づつ分離して自動給紙するハ
ガキフィーダーを内蔵した記録装置に関する。

〔従来の技術〕

プリンタや複写機などの記録装置として、送りローラ
を分離ローラとして使用し、普通シートを使用する他
に、複数枚のハガキを積載してこれを１枚づつ分離して
自動給紙するハガキフィーダー内蔵型の記録装置が提案
されている。

この種の記録装置においては、送りローラのシート搬
送域に圧接されるピンチローラ、記録ヘッドの後流側に
配置される排出ローラおよびベールローラのローラ対、
前記送りローラの分離ローラ域に積層状態のハガキを圧
接する圧板、並びに積層状態のハガキの先端を押さえる
分離突起などが設けられ、普通シートを使用する他にハ
ガキをも使用することができ、このハガキ１枚づつ分離
給紙しながら記録していく機能を備えたものがある。

なお、本件での“ハガキ”は通常シートに比べ小サイ
ズで腰の強い（厚手の）シート（カードなど）を広く指
称するものとする。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、従来のこの種の記録装置では、シートを摩
擦力で搬送する負荷状態と摩擦力を解除してシートを自
由に挿通しうるシートリリース状態とのいずれかに切替
え操作しうる構造になっていた。

しかし、このような従来構造では、普通シート挿入時
でも前記圧板は送りローラに圧接され、かつ前記排出ロ
ーラとベールローラも圧接されているので、これらがか
えってじゃまになり、普通シート挿入時のジャムの原因
になったり、普通シートの斜め挿入時の修正操作が難し
いなどの問題があった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであ
り、普通シート挿入時、ジャムの発生を防止できるとと
もに、斜め挿入した時の修正をスムーズに行いうるハガ
キフィーダー内蔵型記録装置を提供することを目的とす
る。

本発明は、分離ローラを兼ねる送りローラと、ばね付
勢されてハガキを送りローラに圧接させるハガキ給紙の
ための圧板と、圧板の下流側で送りローラに圧接されて
該送りローラとともにシートを記録部に向けて搬送する
ピンチローラとを有し、圧板を介して送りローラに圧接
された積層状態のハガキを１枚づつ記録部へ送り込むハ
ガキフィーダーを備えた記録装置において、１つの操作
部材により、圧板がハガキを送りローラに圧接するとと
もにピンチローラが送りローラに圧接したハガキ給紙状
態と、圧板と送りローラとの圧接を解除するとともにピ
ンチローラが送りローラに圧接した普通シート供給状態
と、圧板およびピンチローラの両方と送りローラとの圧
接を解除したリリース状態と、の３段階に切替えるよう
に構成したハガキフィーダー内蔵型記録装置により、上
記目的を達成するものである。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明を具体的に説明する。

第３図は本発明の一実施例に係るハガキフィーダー内
蔵型記録装置の一部破断全体斜視図であり、第４図は第
３図の中央縦断面図である。

第３図および第４図において、記録装置のベース１に
は左右に延びるプラテン２が固定されており、該プラテ
ン２の前方には不図示のガイド手段に沿って該プラテン
と平行に往復移動するキャリッジ３が設けられ、該キャ
リッジ３上には記録ヘッド４が搭載されている。

図示の記録装置は熱転写プリンタの場合を示し、記録
ヘッド４はプラテン２との間に送り込まれるシート５
（第４図）に対し離隔（アップ）圧接（ダウン）可能に
支持されており、また、キャリッジ３上には記録ヘッド
４とシート５（第４図）との間にインクリボンを供給す
るためのリボンカセット６が搭載されている。

記録ヘッド４のシート搬送方向上流側（図示の例では
プラテン２の下方）にはシート送りモータ（不図示）に
よって回転駆動される送りローラ７が軸支されており、
該送りローラ７の周面（下側周面の２個所）にはシート
５（第４図）に摩擦搬送力を付与するためのピンチロー
ラ８、９（第４図）が圧接離隔可能に配置されている。

記録ヘッド４のシート搬送方向後流側（図示の例では
上側）には排出ローラ10およびこれに圧接されるベール
ローラ11が配置されている。

この排出ローラ10は前記送りローラ７と同じ搬送速度
で駆動され、前記ベールローラ11は該排出ローラ10に圧
接離隔可能に支持されている。

なお、前記排出ローラ10およびベールローラ11は、記
録ヘッド４の排出側の近くに配置されており、ハガキな
どの小サイズシートを使用するとき排出側から引っ張っ
てシート送りができる第２の搬送手段を構成している。

第４図において、送りローラ７の上流側（図示の場合
右側）には、ハガキ５を１枚づつ分離給紙するためのハ
ガキフィーダー15が設けられている。

このハガキフィーダー15は、スプリング16によって送
りローラ７に押圧される圧板17と、ベース１側に取付け
られた分離突起18と、分離ローラ（または給紙ローラ）
を兼ねる送りローラ７とで構成されている。

前記送りローラ７は、第３図に示すごとく、軸方向に
分割（３分割）されその間を小径部で接続した構造を有
しており、前記分離突起18は送りローラ７の各小径部に
配置されている。

これら分離突起18は、送りローラ７のまわりのシート
経路より内方へ若干突出し、該送りローラ７に接するシ
ート（ハガキ）５が分離乗り越し可能に押えられるよう
に構成されている。

積層されたハガキ５は圧板17で送りローラ７の周面に
押圧されかつ先端を分離突起18で押えられている。

なお、積層されたハガキ５の両サイドはガイド面19、
19または不図示の別部材で案内されている。

こうして、送りローラ７が回転すると、最上層のハガ
キ５が分離突起18を乗り越えて送り出され、１枚づつ分
離して連続的に給紙するよう構成されている。

然して、第３図の記録装置は、１個の操作部材（リリ
ースレバー）21により、前記ハガキフィーダー15（第４
図）に積載したハガキ５を分離給紙するハガキ給紙状態
と、該ハガキフィーダー15の圧板17（第４図）を解除位
置へ退避させてシート挿入口から普通シートを供給する
普通シート供給状態と、前記圧板17およびシート送り用
のピンチローラ８、９（第４図）とも解除位置へ退避さ
せるシートリリース状態との３段階に切替えられるよう
構成されている。

第１図は第４図中の線Ｉ−Ｉから見た操作部材および
その伝動機構を示す右側面図であり、第２図は第１図の
伝動機構の中央縦断面図である。

第１図において、前記操作部材（リリースレバー）21
は軸22（図示の例では送りローラ７の軸の同心）に回動
自在に軸支され、該操作部材21には第１のギヤ部23およ
び第２のギヤ部24が一体に設けられている。

前記軸22と所定の軸間距離の位置にはリリース軸25が
回動可能に軸支されており、該リリース軸25には前記第
１のギヤ部23と噛合うリリースギヤ26および円周カム27
が一体的に設けられている。

こうして、操作部材21を矢印Ａ方向に回動させると、
前記リリース軸25および円周カム27が矢印Ｂ方向へ回動
する。

ベース１には軸28を中心に揺動可能な伝動レバー29が
軸支されており、該伝動レバー29は前記円周カム27が矢
印Ｂ方向に回動するとき該円周カムによって矢印Ｃ方向
（先端部が持ち上がる方向）へ回動させられる。おな、
この伝動レバー29とベース１との間には戻しスプリング
30が張架されている。

前記伝動レバー29には排出ローラ10と対をなすベール
ローラ11が装着されており、該ベールローラ11は該伝動
レバー29を回動させることにより排出ローラ10との圧接
・解除を切替えられる。

図示の例では、前記ベールローラ11は、伝動レバー29
に設けた支点31を中心に回動可能なローラアーム32を介
して取付けられている。このローラアーム32には回動範
囲を制御するためのストッパ33が設けられている。

前記ローラアーム32は実線で示す定常位置と二点鎖線
34で示す逃がし位置とに手動で回動操作（矢印Ｄ方向）
することができる。

なお、前記伝動レバー29およびローラアーム32は記録
装置の両側に設けられ、左右のローラアーム32によって
支持された支軸上にベールローラ11が装着されている。

さらにベース１には軸35を介してリリースアングル36
が回動可能に軸支されている。

このリリースアングル36は、ピンチローラ８、９の圧
接・解除を駆動するためのものであり、記録装置内を左
右に延びており、記録装置（ベース１）の左右両側に設
けた軸35によって支持されている。

然して、リリースアングル36には前記操作部材21の第
２ギヤ部24と噛合うギヤ37が形成されており、操作部材
21を矢印Ａ方向に回動させるとリリースアングル36は矢
印Ｅ方向に回動する。

なお、第１図において、操作部材（リリースレバー）
21が実線で示すＸの位置にあるときハガキ給紙状態にな
り、二点鎖線Ｙの位置へ操作すると普通シート供給状態
になり、二点鎖線Ｚの位置へ操作するとシートリリース
状態になる。

第２図において、ベース１には軸41を中心に揺動可能
な圧板解除レバー42が軸支されており、該レバー42の一
端47は前記リリース軸25に設けた圧板カム（円周カム）
43に当接しており、該レバー42の他端に設けたピン部
（または突起）44は圧板17に形成した孔（図示の例では
長孔）45に嵌合（または係合）されている。

一方、前記圧板17は、ベース１に対し支点46を中心に
揺動可能であり、通常ではベース１との間に設けた圧縮
スプリング16によって送りローラ（分離ローラ）７の周
面に押し付けられている。

前記リリース軸25が矢印Ｂ方向に回動すると圧板カム
43の高リスト部によって圧板解除レバーの端部47が矢印
Ｆ方向へ動かされ、したがって、他端のピン部44が矢印
Ｇ方向に動き、圧板17は支点46を中心にスプリング16に
抗して送りローラ７から離隔する方向（矢印Ｈ）へ揺動
し、解除（退避）位置へ動かされる。

前記操作部材21（第１図）の回動によって前記リリー
スアングル36（第１図）が矢印Ｅ方向へ回動すると、該
リリースアングル36に係合されたカムレバー48が第２図
中で左方向へ動かされる。

一方、前記各ピンチローラ８、９はホルダー49上に軸
支されており、該ホルダー49にはピン部（または突起）
51が設けられている。

然して、前記ホルダー49は、通常では不図示のスプリ
ングにより各ピンチローラ８、９が圧接する方向（上
方）に付勢されているが、前記カムレバー48が左向き
（矢印Ｊ方向）に移動すると、その斜面カム部52によっ
て前記ピン部51がスプリング（不図示）に抗して矢印Ｋ
方向に押し下げられ、各ピンチローラ８、９は送りロー
ラ７の周面から離隔される。

第２図において、分離突起18はベース１に取付けられ
ており、図示のように送りローラ７のシート経路から若
干突出し該送りローラの回転時１枚目（送りローラ７に
接触した）のハガキのみを乗り越えさせるよう配置され
ている。

なお、圧板17上の積層状態のハガキ５（第４図）の先
端は前記分離突起18で押えられている。

以上第１図および第２図で説明した操作系統の動作は
次のとおりである。

操作部材（リリースレバー）21が位置Ｘにある時は、
図示のようにベールローラ11は排出ローラ10に圧接し、
圧板17は送りローラ７の周面へ押圧され、ピンチローラ
８、９は送りローラ７に圧接されており、ハガキフィー
ダー15（第２図、第４図）によってハガキ５を１枚づつ
分離給紙できるハガキ給紙状態になる。

操作部材21を位置Ｙへ操作した時は、リリース軸25が
所定量矢印Ｂ方向へ回動され、伝動レバー29が軸28を中
心に矢印Ｃ方向に揺動され、ベールローラ11は矢印Ｌ方
向（第１図）に移動し排出ローラ10から離隔（排出ロー
ラ10の解除）するとともに、圧板解除レバー42が軸41を
中心に矢印Ｇ方向へ回動され、圧板17はスプリング16に
抗して送りローラ７から離隔（圧板17の解除）する。

操作部材21のＹ位置では、カムレバー48は途中までし
か移動せず、ピンチローラ８、９は圧接状態にある。

こうして、操作部材21をＹ位置へ操作することによ
り、普通シートをピンチローラ８、９の圧接部へスムー
ズに挿入でき、かつ記録後の普通シートが排出ローラ部
10、11で抵抗を受けることなくスムーズに排出される状
態、すなわち、普通シート供給状態に切替えることがで
きる。

操作部材21を位置Ｚへ操作した時は、前記ベールロー
ラ11および前記圧板17は位置Ｙの時と同様の解除位置に
保持され、さらに、前記リリースアングル36の矢印Ｅ方
向への移動量が増大するため、カムレバー48が充分に左
方（矢印Ｊ方向）へ移動し、その斜面カム部52がピン部
51を押し下げることにより、ピンチローラ８、９が送り
ローラ７から離隔（ピンチローラ８、９の解除）され
る。

こうして、操作部材21をＺ位置へ操作することによ
り、排出ローラ10、圧板17およびピンチローラ８、９が
いずも解除され、ハガキおよび普通シートとも自由に挿
通したり取出したりできるシートリリース状態に切替え
ることができる。

以上説明した実施例構造によれば、１本の操作部材21
の切替操作のみで、シート搬送状態とシートリリース状
態の２つの状態の他に、該シート搬送状態をさらに、ハ
ガキ給紙状態と普通シート供給状態とに切替えることが
でき、もって、簡単な構成で、普通シート挿入時のジャ
ムの発生をなくすとともに、シートの斜め挿入時の修正
を容易に行うことが可能になった。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、分
離ローラを兼ねる送りローラと、ばね付勢されてハガキ
を送りローラに圧接させるハガキ給紙のための圧板と、
圧板の下流側で送りローラに圧接されて該送りローラと
ともにシートを記録部に向けて搬送するピンチローラと
を有し、圧板を介して送りローラに圧接された積層状態
のハガキを１枚づつ記録部へ送り込むハガキフィーダー
を備えた記録装置において、１つの操作部材により、圧
板がハガキを送りローラに圧接するとともにピンチロー
ラが送りローラに圧接したハガキ給紙状態と、圧板と送
りローラとの圧接を解除するとともにピンチローラが送
りローラに圧接した普通シート供給状態と、圧板および
ピンチローラの両方と送りローラの圧接を解除したリリ
ース状態と、の３段階に切替えるように構成したので、
操作が簡単であり、普通シートのジャム発生を防止で
き、さらにシート斜め挿入時の修正を容易に行い得るハ
ガキフィーダー内蔵型記録装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による記録装置の要部を示す第３図中の
線Ｉ−Ｉから見た側面図、第２図は本発明による記録装
置の要部を示す中央部の縦断面図、第３図は本発明によ
る記録装置の一部破断斜視図、第４図は第３図の記録装
置の中央部の縦断面図である。 ２……プラテン、４……記録ヘッド、５……ハガキ、７
……送りローラ、８、９……ピンチローラ、10……排出
ローラ、11……ベールローラ、15……ハガキフィーダ
ー、17……圧板、21……操作部材（リリースレバー）、
25……リリース軸、36……リリースアングル。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】分離ローラを兼ねる送りローラと、ばね付
   勢されてハガキを送りローラに圧接させるハガキ給紙の
   ための圧板と、圧板の下流側で送りローラに圧接されて
   該送りローラとともにシートを記録部に向けて搬送する
   ピンチローラとを有し、圧板を介して送りローラに圧接
   された積層状態のハガキを１枚づつ記録部へ送り込むハ
   ガキフィーダーを備えた記録装置において、１つの操作
   部材により、圧板がハガキを送りローラに圧接するとと
   もにピンチローラが送りローラに圧接したハガキ給紙状
   態と、圧板と送りローラとの圧接を解除するとともにピ
   ンチローラが送りローラに圧接した普通シート供給状態
   と、圧板およびピンチローラの両方と送りローラとの圧
   接を解除したリリース状態と、の３段階に切替えるよう
   に構成したハガキフィーダー内蔵型記録装置。
2. 【請求項２】前記普通シート供給状態と前記リリース状
   態で排出ローラを解除することを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載のハガキフィーダー内蔵型記録装置。