JP2691949B2 - 最尤判定遅延検波方法及びそれを使った遅延検波器 - Google Patents

最尤判定遅延検波方法及びそれを使った遅延検波器

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JP2691949B2
JP2691949B2 JP50156495A JP50156495A JP2691949B2 JP 2691949 B2 JP2691949 B2 JP 2691949B2 JP 50156495 A JP50156495 A JP 50156495A JP 50156495 A JP50156495 A JP 50156495A JP 2691949 B2 JP2691949 B2 JP 2691949B2
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文幸 安達
衛 佐和橋
智弘 土肥
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エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、ディジタル信号がシンボル周期ごとに位
相差系列として伝送され信号を遅延検波して復号系列を
得る遅延検波方法に関し、特に最尤系列推定を用いた遅
延検波方法及びそれを使った遅延検波器に関する。
従来の技術 位相変調波の復調には同期検波や遅延検波が広く用い
られている。同期検波では、受信側で搬送波を再生し
て、それを基準信号として受信波の位相を測定し、送信
符号を推定する。この場合、絶対位相が未知であるの
で、送信側では位相の変化に情報を乗せる差動位相変調
(DPSK)を用いるのが一般的である。再生した基準信号
は雑音などで擾乱を受けていないので、優れた誤り率特
性が得られるのが特徴である。
一方、遅延検波としては位相遅延検波と直交遅延検波
が用いられている。遅延検波では、基準波として1シン
ボル時間だけ遅延した受信波を用いる。従って、搬送波
再生回路が不要なことから、検波回路が簡単になるこ
と、高速追随性に優れることから時分割多重通信(TDM
A)におけるバースト信号の受信に適しているという利
点がある。しかしながら、受信信号を1シンボル時間だ
け遅延させた信号を基準信号としているため、基準信号
は熱雑音などによる擾乱の影響を受けることになり、誤
り率特性が同期検波に比較して劣化するという欠点があ
った。したがって、検波回路の複雑さやバースト信号受
信かどうかなどを考慮して、どちらの検波方式を用いる
かを決定していた。
4相DPSKの場合、ビット誤り率0.1%を確保するため
に必要な1ビットあたりの受信エネルギー対雑音電力密
度比Eb/Noの、1シンボル遅延検波と同期検波差動復号
との然は1.8dBになる。この差を縮めるために直交遅延
検波出力(遅延素子と乗算器より構成される)を対象
に、最尤系列推定を行う遅延検波が提案されている。文
献1:D.Divalar and M.K.Simon,"Multiple−symbol diff
erential detection of MPSK,"IEEE Trans.Commun.,vo
l.38,pp.300−308,March 1990.また、ビタビアルゴリズ
ムを用いて逐次的に最尤系列推定を行う方法も提案され
ている。文献2:D.Makrakis and K.Feher,“Optimal non
coherent detecition of PSK singals,"Electronics Le
tters,vol.26.pp.398−400,March 1990. Nシンボル位相差系列Δφ(n=1,2,…,N)が送信
されているものとして、これを直交遅延検波し、その送
信系列を最尤推定するものとする。時間(n−1)T≦
t<nTで受信されたM相DPSK信号は、複素表示を用いて
次式 z(t)=(2Es/t)1/2exp j[φ+θ]+w
(t) (01) のように表わせる。ここで、φ={2mπ/M;m=0,1,
…,M−1}は変調位相、Esは1シンボルあたりのエネル
ギー、Tは1シンボル長、θは受信波と受信器局部発振
波との位相差、w(t)は受信機雑音である。Δφ
φ−φn-1は送信されたn番目の位相差である。z
(t)をフィルタリングした誤、シンボル周期でサンプ
リング(標本化)する。得られた標本系列を{zn;n=0,
1,…,n}で表わす。文献1の方法では次式のメトリック Λ=|zn+zn-1exp jΔφ+zN-2exp j(Δφ+ΔφN-1) +…+z0exp j(Δφ+ΔφN-1+…+Δφ)|2 (02) を最大とする系列を選択する。式(02)は次式のように
変形できる。
ここでReは複素数の実数部を表し、()は複素共役
を示す。式(03)においてqに関する加算の条件をL
(<N)とし、 をブランチメトリックとするML-1状態ビタビアルゴリズ
ムにより逐次的に位相差系列を推定するのが文献2の方
法である。
つまり文献1の最尤系列推定は、N+1個の送信シン
ボル周期Tごとの受信波サンプルを用いて、Nシンボル
からなる系列の全てに対してメトリックを計算し、それ
が最大となる系列を出力する。従って、メトリック演算
の回数はMN回となる。これを時点毎の演算回数に換算す
ると、MN/Nとなる。
一方、文献2のビタビ復号を用いた最尤系列推定は、
ML-1個の位相差系列状態を持ち、各時点毎に最も確から
しいパスを選択する。各状態には一時点前のML-1個の状
態の内のM個の状態からパスが入るので、メトリックの
演算回数はML-1×M=MLとなり、送信シンボル系列の長
さには依存しない。従って、メトリック演算量は文献1
に比べて大幅に低減できる。しかし、それでも、変調の
多値数Mが増大するにつれて演算処理量が指数関数的に
増大するという欠点があった。
この発明の目的は、本来の遅延検波の高速追随性とい
う優れた特徴を確保しつつ、前述の最尤系列推定法より
少ない演算量で、それと同等またはそれより改善された
誤り率特性を得ることができる、或いは同等の演算量で
著しく誤り率特性を改善できる最尤復号遅延検波方法及
びそれを使った遅延検波器を提供することにある。
発明の開示 この発明の第1の観点によれば、送信シンボル周期T
で時点nTにおける局部信号を基準にして受信波の位相Ψ
を検出し、Nシンボル位相差系列の候補{Δφn;n=
1,2,…,N}のうちの部分系列{Δφi;i=n+1−q,n+
2−q,…,n}を用いて、検出位相Ψn-qにその部分系列
{Δφi;i=n+1−q,n+2−q,…,n}の和を加算して
位相Ψの推定値を求め、その推定値と位相Ψとの差
μ(q)の絶対値のv乗(vは任意の1以上の実数)
をqシンボル位相差検波のメトリックとし、このメトリ
ックをq=1からnまでのn個を加算してブランチメト
リックλ=|μ(1)|v+|μ(2)|v+…+|
μ(n)|vを求め、このブランチメトリックをn=1
からn=Nまで加算して位相差系列の候補{Δφn;n=
1,2,…,N}に対するパスメトリックΛ=λ+λ+…
+λを求め、このパスメトリックを最小とするNシン
ボル位相差系列を復号系列として出力する。
この発明の第2の観点によれば、M相DPSK変調波を位
相検波して得た位相信号のシンボル毎の位相差の系列
を、MQ-1状態のビタビアルゴリズムにより逐次推定して
復号する。即ち、時点(n−1)TにおけるMQ-1個の状
態のうちの一つの状態Sn-1={Δφi;i=n−1,n−2,
…,n−Q+1}を出発点として上記パスメモリ内の生き
残りパスをL−Q時点トレースバックして、状態Sn-1
最終状態とする上記生き残りパスに沿った系列{Δφ
n-1;i=1,2,…,L−1}を求め、その系列に、時点nTの
位相差Δφを最終シンボルとして加えて候補系列{Δ
φn-1;i=0,1,2,…,L−1}を構成する。LはL≧Qの
予め決めた整数である。上記候補系列の部分系列{Δφ
n-1;i=0,1,…,q−1}の位相差の和に時点(n−q)
Tの検出位相Ψn-qを加算して位相Ψの推定値を求
め、上記推定値と上記位相Ψとの差より位相誤差μ
(q)を求める。上記位相誤差μ(q)の絶対値のv
乗をq=1からLまで加算して、時点(n−1)TのM
Q-1個の状態Sn-1の中から時点nTの状態Snへの遷移可能
なM個のブランチの確からしさを表すブランチメトリッ
ク λ(Sn-1→Sn)=|μ(1)|v+|μ(2)|v+…+|μ(L)|v をそれぞれ求める。時点nTの各状態に至るM個の上記ブ
ランチメトリックλ(Sn-1→Sn)を、それぞれ上記メト
リックメモリから読みだした時点(n−1)Tの対応す
る状態Sn-1におけるパスメトリイックΛ(Sn-1)に加算
して、M個の上記対応する状態Sn-1をそれぞれ経由する
M個の候補系列のスメトリックΛ(Sn|Sn-1)を求め、
それらの大小を比較して最小値を与える状態Sn-1′を求
める。この状態Sn-1′は時点nTの状態Snに至る最も確か
らしいパス(即ち生き残りパス)の時点(n−1)Tの
状態を表す。この様にして時点nTのMQ-1個の全ての状態
に対して生き残りパスのパスメトリックを求め、大小を
比較し、最小値を与える状態Sn′を求める。状態Sn′を
出発点としてパスメモリを一定時点DTだけトレースバッ
クし、到達した状態Sn-Dを構成するQ−1個の位相差の
1つであるΔφn-Dを復号シンボルとして出力する。
この発明の第3の観点によれば、シンボル周期T毎に
M相DPSK変調された受信波と同じ周波数の局部信号を基
準として上記受信波を位相検波し、シンボル周期Tでそ
の検出位相Ψを出力し、その検出位相Ψと、それよ
りLシンボル前までのそれぞれの時点で検出された位相
Ψn-q、ただしq=1,2,…,L、との各検出位相差Ψ
Ψn-qをそれぞれ得る。一方、q−1シンボル前までの
それぞれシンボルごとに判定された判定位相差を加算
し、δn-1(q)=ΣΔn-i、ただしq=1,2,…,L、Σ
はi=1からq−1までの位相差の加算である、を求
め、検出位相差Ψ−Ψn-qと、上記加算値δn-1(q)
と位相差候補Δφ′の和との差μ(q)の絶対値|
Ψ−Ψn-q−{Δφ′+δq-1(q)}|あるいはそ
のv乗を、qシンボル位相差検波のメトリックとして求
め、L個の位相差検波のメトリックを加算して上記位相
差候補Δφ′に対するブランチメトリックλ=|μ
(1)|v+…+|μ(L)|vを求め、上記ブランチ
メトリックを最小とする位相差候補を判定位相差Δ
として出力する。
図面の簡単な説明 図1はこの発明を位相遅延検波に適用した場合の遅延
検波方法の第1実施例を説明するための状態遷移図。
図2は第1実施例を適用する位相遅延検波器のブロッ
ク図。
図3は位相遅延検波を使った第2の実施例を説明する
ための状態遷移図。
図4は第1実施例の計算機シミュレーションによるビ
ット誤り率特性を示すグラフ。
図5は第2実施例の計算機シミュレーションによるビ
ット誤り率特性を示すグラフ。
図6は位相遅延検波を使った第3の実施例を説明する
ための状態遷移図。
図7は第3実施例の計算機シミュレーションによるビ
ット誤り率特性を示すグラフ。
図8は直交遅延検波を使った第4実施例の方法を適用
する直交遅延検波器のブロック図。
図9は第3または第4実施例によるこの発明と系列長
NをLとした場合の文献1及び2に必要とされる計算量
を比較する表。
図10は位相遅延検波を使った第5実施例を適用する位
相遅延検波器のブロック図。
図11は第5実施例の計算機シミュレーションによるビ
ット誤り率特性を示すグラフ。
図12は直交遅延検波を使った第6実施例を適用する直
交遅延検波器のブロック図。
図13は第6実施例の計算機シミュレーションによるビ
ット誤り率特性を示すグラフ。
図14は第7実施例の計算機シミュレーションによるビ
ット誤り率特性を示すグラフ。
発明を実施するための最良の形態 まずこの発明を位相遅延検波に適用した実施例に付い
て説明する。
(1)第1の実施例 M相DPSK変調による前回送出の変調位相φn-1に対
し、今回送信すべき情報に対応した位相偏移量Δφ
2mπ/M(m=0,1,…,M−1)を付加した位相φn-1+Δ
φを今回送出の変調位相φとして生成することを順
次繰り返すことによりNシンボルの位相差系列{Δφn;
n=1,2,…,N}が送信されているものとする。時間(n
−1)T≦t<nTで受信されたこのM相DPSK信号は、前
述のように局部信号の位相を基準にすると、 z(t)=(2Es/T)1/2exp j(φ+θ)+w
(t) (1) のように表わせる。ここで、φ=2mπ/m(m=0,1,
…,M−1)は変調位相、Esは1シンボルあたりのエネル
ギー、Tは1シンボル長、θは受信波と受信機局部発振
器出力との位相差、w(t)は受信機雑音である。Δφ
=φ−φn-1は送信されたn番目の位相差である。
受信波z(t)をフィルタリングして帯域外雑音を除去
した誤、局部発振機の局部信号との位相差Ψを検出す
る。この位相差Ψは Ψ=φ+η+θmod2π (2) で与えられる。ここで、ηは熱雑音に起因する位相雑
音である。また、mod2πはモジュロ演算であり、(x+
2π)mod2π=xとなる(ただし、|x|≦π)。今、図
1に示すように時点0〜Nでそれぞれ検出されたN+1
個の位相Ψ〜Ψの系列が得られたものとする。送信
側における各シンボル送信時点のDPSKによる送信位相は で表される。式(3)から次式が成立する。
一方、受信側においては、t=(N−q)TからNTま
での時間区間における受信信号の位相の変化分ΔΨ
(q)は次式で与えられる。
受信波と受信機局部発振器との固定位相差θは、この
段階で打ち消される。ここで、Δη(q)=η−η
N-qは位相差雑音である。η及びηN-qは平均値ゼロ、
分散σの独立ガウス雑音で近似できるので、Δη
(q)は平均値ゼロ、分散2σのガウス雑音とな
る。位相雑音Δηを推定する位相誤差ベクトルμ=
{μ(1),μ(2),…,μ(N)}(ただ
は配置行列を表す)を定義し、 と置くと、位相差系列Δφ=(Δφ、Δφ2,…,Δφ
が送信されたときのμの結合確率密度関数Pは次
式で表わせる。
ここで、RはΔη=(Δη(1),Δη(2),
…,Δη(N))のN×N共分散行列、detR及びR
-1はそれぞれ行列Rの行列式及び逆行列である。M個の
位相差が等確率で現れる場合(通常成立する)、送信位
相差系列の最尤判定は、式(7)の確率を最大にする位
相差系列Δφ′=(Δφ′,Δφ′,…,Δ
φ′)を探すことにほかならない。これは次の式
(8)に示すようにμTR-1μが最小となる位相差系列Δ
φ′を求めることになる。
これを求めるにはRを求める必要がある。所で位相差
雑音は前述したようにガウス雑音であり、 <Δη(i)>=0 <Δη(i)Δη
(j)>=2σ for i=j =σ for i≠j (9) の性質を持つ。ここで<x(i)>はxの平均処理を示
す。この関係からRは次式で表わせる。
ここで、行列理論を適用するとR-1は次式のようにな
る。
このR-1を式(8)に代入すると式(8)の最尤判定
は、図1に示すMN通りの位相差系列候補の内、次式 を最小とする位相差系列を探すことになる。ここで|μ
(q)|2の代りに|μ(q)|v(vは1以上の実
数)としてもそれ程結果に変りないことがシミュレーシ
ョンからわかった。そこでこの実施例では を最小とする位相差系列を探す。
図2にこの発明による上述の第1の実施例の方法を実
行する位相遅延検波器の構成例を示す。
入力端子11からの受信波は位相検波器12により局部発
振器13の出力局部信号を基準として位相差が検出され
る。この受信位相変調波は現在の移動通信の無線機の場
合中心周波数が第2中間周波数の中間周波数信号であっ
てリミッタ増幅器あるいはAGC増幅器の出力信号であ
る。その検出出力は標本化回路14により一定周期(シン
ボル周期T)で標本化されて、それぞれ遅延量がシンボ
ル周期Tの遅延回路151〜15Nの直列回路に入力され、こ
れら0〜シンボル分遅延された位相Ψ(n=N,N−1,
…,0)はメトリック演算部16に入力される。
第1の実施例では、一連のシンボルに対し、受信波z
(t)の位相をシンボル周期Tで予め決めた数Nだけ受
信する毎にN個の位相差Δφ(n=1〜N)から成る
系列を最尤判定する。即ち、メトリック演算部16では式
(12)に基づいて位相差系列の候補に対するパスメトリ
ックを計算してメトリックメモリ16Aに記憶し、これを
全ての候補の数(例えば4相DPSKのとき4N個)だけ繰り
返し、そのパスメトリックを最小とする位相差系列を求
め、端子17よりその位相差系列を復号出力として出力す
る。具体的には、時点(n−q)T(q=1,2,…,n)の
検出位相Ψn-qに、Nシンボル位相差系列の候補{Δ
φn;n=1,2,…,N}のうちの部分系列{Δφi;i=n+1
−q,n+2−q,…,n}の和を加算して受信波位相Ψ
推定値Ψ′を次式 Ψ′=Ψn-q+Δφ+Δφn-1+… +Δφn-q+1mod2π (14) で求め、その値Ψ′と受信波位相Ψとの差(推定誤
差)μ(q)を式(6)に基づいてq=1〜nについ
て次式のように求める。
次に各推定誤差μ(q)の絶対値のv乗をqシンボ
ル位相差検波のメトリックとし、このメトリックをq=
1からnまでn個を加算して得られる次式の値 をその位相差系列の候補に対する時点nTにおけるブラン
チメトリックとする。この様に、この発明で最も重要な
ことは、任意の時点nにおいて同一の受信波位相Ψ
対し、従来のようなその直前の受新波位相Ψn-1を使っ
た推定のみならず、更にそれ以前の受信波位相Ψn-2,…
を使った複数の推定を行い、それぞれの推定誤差μ
(q)を使うことにより、位相遅延検波による復号の
ビット誤り率を改善することが可能となる。ここで、理
論上では式(12)に示したようにv=2となるが、vは
1〜10程度の任意の正の実数をとってもよいことをシミ
ュレーションにより確認した。このブランチメトリック
を時点1Tから時点NTまで加算して位相差系列候補Δφ1,
Δφ2,…,ΔφのパスメトリックΛを次式 で求める。このパスメトリックをNシンボル位相差系列
の全ての候補(MN個)に対して計算してメトリックメモ
リ16Aに保持し、それらの中で最小のパスメトリックに
対応する位相差系列候補を復号系列として端子17より出
力する。
(2)第2の実施例 上述の実施例では、Nを大きくとるほど誤り率特性が
改善する。しかし、M相DPSKではM個の位相点をとるの
で、図1に示すMN個の系列候補のすべてについてパスメ
トリックを計算する必要がある。このため、Nを大きく
するにつれて処理量が膨大になる。そこで第2の実施例
では、誤り率特性を改善しつつ、処理量を削減しようと
するため、すなわち、式(13)においてqに関する加算
の上限をL(Lは2≦L<Nの整数)とし、次式 をブランチメトリックとして、図3に状態遷位図を示す
ようにMQ-1状態ビタビアルゴリズムにより逐次的に位相
差系列を推定する。この場合、各時点nTにおいて取り得
る状態Snを、時点n−Q+2から時点nTまでのQ−1個
の時点の位相差系列{Δφn,Δφn-1,…,Δφn-Q+2
によって規定する。各位相差はM個の値を取り得るの
で、各時点の状態数はMQ-1となる。一般にQとLの関係
を2≦Q≦Lとすることができる。
この実施例を適用する位相遅延検波器の構成は図2を
参照するものとする。但し、縦続接続された遅延回路15
1〜15Nの数はNでなくLとする。図2のメトリック演算
部16で実施される処理アルゴリズムを以下に示す。
ステップS1:時点(n−1)Tの取り得るMQ-1個の状態S
n-1)=(Δφn-(Q-1),…,Δφn-2,Δφn-1)の中から
時点nTの1つの状態Sn=(Δφn-(Q-2),…,Δφn-1
φ)へ遷移可能なM個のブランチのメトリックλ
(Sn-1→Sn)を計算するとき、状態Sn-1に至る生き残
りパスをL−Q時点トレースバックしてL−1シンボル
系列{Δφn-i;i=1,2,…,L−1}を求め、その系列に
時点nTの位相差Δφを最終シンボルとして加えてLシ
ンボル系列を求めて、式(18)によりλ(Sn-1→Sn
を計算する。各時点における状態数はMQ-1であるが、時
点nTの各状態Snに至ることが可能な直前の時点(n−
1)Tの状態Sn-1の数は全状態数MQ-1の内のM個(Mは
DPSKの相数)だけである。
ステップS2:状態Snに至るM個のブランチについてパス
メトリックを Λ(Sn|Sn-1)=Λn-1(Sn-1)+λ(Sn-1→Sn) (19) より計算する。これが最小となるパスが状態Snに至るも
っとも確からしい生き残りパスであり、どの状態から遷
移して来たかをパスメモリ16B(図2)に保持するとと
もに、その最小パスメトリックの値を各状態Snのパスメ
トリックΛ(Sn)とし、メトリックメモリ16Aに保持
する。
ステップS3:MQ-1個の状態Snのうちで最小のパスメトリ
ックΛ(Sn)を与える状態に至るパスを生き残りパス
として選択し、パスメモリ16Bに保持されている状態遷
移をDT時点分だけトレースバックする。トレースバック
の深さDは4程度でよい。トレースバックにより至った
状態(Δφn-(D+Q-2),…,Δφn-(D+1),Δφn-D)にお
ける位相差Δφn-Dを復号結果Δφn-D′として出力す
る。
4相DPSKに第1の実施例を適用したときの位相遅延検
波による誤り率特性の計算機シミュレーション結果を図
4に示す。v=2とした。横軸は1ビット当たりの信号
エネルギー対雑音電力密度の比Eb/Noである。N=2の
場合を○印でブロットし、N=3,N=4をそれぞれ△
印、□印でプロットした。比較のため、従来の1シンボ
ル位相遅延検波(N=1)および同期検波差動復号によ
る誤り率もそれぞれ×印、+印でプロットしてある。図
中の実線21,22はそれぞれの理論値である。誤り率0.1%
を確保するための所要Eb/Noの1シンボル位相遅延検波
と同期検波差動復号との差は1.8dBであるN=3とする
ことにより特性差を半分以下に縮めることができる。N
=4とすれば同期検波差動復号の特性に0.6dBまで近づ
く。図4には従来の直交遅延検波出力を最尤系列推定し
た場合の誤り率の理論特性(前記文献1)を点線で示し
た。図4より、第1の実施例では前記文献1とほとんど
同様の改善が得られていることがわかる。
第2の実施例を適用した場合の位相遅延検波による誤
り率特性の計算機シミュレーション結果を図5に同様に
示す。L=Q=4を用いることで同期検波差動復号の特
性に0.2dBまで近づく。
以上、第2実施例ではQとLの関係が2≦Q≦Lであ
る一般的な場合を示した。次に説明する第3の実施例は
Q=2,Q<Lとした場合の例である。
(3)第3の実施例 上述の第2の実施例においては、状態数MQ-1(2≦Q
≦L)のビタビアルゴリズムを実施することにより、演
算量を第1の実施例より低減したが、更に演算量を低減
した位相遅延検波による実施例を次ぎに示す。この第3
の実施例も第2の実施例と同様にビタビアルゴリズムを
用いて最尤系列推定を行うが、図6にM=4の場合の状
態遷移図を示すように、ビタビアルゴリズムの状態数を
変調位相状態数と等しいM個とする。即ち、Q=2の場
合である。従って、時点nTの状態SnはSn=Δφであ
り、位相差がそのまま状態を表す。これによって、各時
点ごとに全部でM個のパスが生き残ることになる。第2
の実施例の方法では生き残りパスの数は各時点毎にMQ-1
個である。以下、第3実施例に付いて説明する付いて説
明するが、受信機の構成の説明は図2を流用することに
する。
まず、局部発振信号を基準にした受信波z(t)の位
相Ψを送信シンボル周期T毎に位相検波器12で検出す
る。前述したように時点nTにおける検出位相はΨ=φ
+θ+ηであり、ηは熱雑音に起因した位相雑音
である。予め決めた値Lに対しL+1個の受信位相サン
プル{Ψn-q;q=0,1,…,L}を用いる。式(5)から明
らかなようにΨとΨn-qとは、 との関係で結ばれている。そこで式(15)と同様に受信
位相Ψとその推定位相Ψ′との間の位相誤差μ
(1),μ(2),…,μ(L)を次式により計
算する。
式(18)と同様にブランチメトリックλとして位相
誤差の絶対値のv乗のq=1からLまでの和を用いるこ
ととし、次式で計算する。
ここでvは1以上の任意の実数である。式(22)のブ
ランチメトリックを用いて以下に説明するM状態ビタビ
アルゴリズムにより復号する。
ステップS1:時点(n−1)TにおけるM個の位相差状
態の中から、時点nTの状態Δφに到達する最も確から
しい一つのパスを選択するには、まず時点(n−1)T
におけるM個のうちの一つの状態Δφn-1を出発点とし
てパスメモリ16B内に保持されている生き残りパスを過
去の時点(n−l+1)Tまで遡って位相差系列{Δφ
n-i;i=1,2,…,L−1}を読みだし、その系列に、時点n
Tの1つの状態Δφを最終状態として加えて位相差候
補系列{Δφn-i;i=0,1,…,L−1}を構成する。
ステップS2:その位相差候補系列の部分系列{Δφn-i;i
=0,1,…,q−1}の位相差の和に時点(n−q)Tの検
出位相Ψn-qを加算して位相Ψの推定値Ψ′を求
め、その推定値Ψ′と検出位相Ψとの差である推定
位相誤差μ(q)をq=1〜Lに付いてそれぞれ式
(15)により求める。
ステップS3:得られたL個の位相誤差μ(q)のそれ
ぞれの絶対値をv乗し、これを式(22)でq=1からL
まで加算して、時点(n−1)Tの状態Δφn-1から時
点nTの状態Δφへの遷移の確からしさを表すブランチ
メトリックλ(Δφn-1→Δφ)を求める。次にこの
ブランチメトリックを次式 Λ(Δφn|Δφn-1)=Λ(Δφn-1)+λ(Δφn-1)→Δφ) (23) のようにメトリックメモリ16Aに保持されている時点
(n−1)Tの状態Δφn-1におけるパスメトリックΛ
(Δφn-1)に加算して、状態Δφn-1を経由する候補系
列のパスメトリックΛ(Δφn|Δφn-1)を求める。
ステップS4:時点(n−1)TにおけるM個の状態Δφ
n-1のそれぞれに対して以上の演算を繰り返してM個の
候補系列に対するパスメリトックを求め、それらの大小
を比較して最小値を与える状態Δφn-1′を求め、これ
をステップs1で着目した時点nTの状態Δφに至る最も
確からしいパスの時点(n−1)Tの状態としてパスメ
モリ16Bに保持するとともに、そのパスメトリックΛ
(Δφn|Δφn-1′)を時点nTの状態Δφにおけるパ
スメトリックΛ(Δφ)としてメトリックメモリ16A
に保持する。
ステップS5:ステップS1〜S4の処理及び演算を時点nTの
M個の全ての状態Δφに対して繰り返して行なってM
個のパスメトリックを求め、大小を比較し、最小値を与
える状態Δφ′を求め、状態Δφ′を出発点として
パスメモリを一定時点DTだけトレースバックし、到達し
た状態Δφn-Dを復号シンボルとして出力する。
図6に第3の実施例に適用されるN=4の場合の状態
遷移図の例を示す。この例では、時点nTの状態Δφ
0に至る最も確からしいパスを選択するときの様子を示
している。Δφ=0へは時点(n−1)Tの4つの状
態Δφn-1=0,π/2,π,3π/2から破線で示すパスが延び
ている。時点(n−1)Tの各状態へはそれまでに生き
残った実線で示すパスがそれぞれ1つずつ到達してい
る。例えば、時点(n−1)Tの1つの状態Δφn-1
π/2から時点nTの1つの状態Δφ=0への遷移ブラン
チを含むパスのメトリックの計算では、時点(n−1)
Tの状態Δφn-1=π/2に到達している唯一の生き残り
パス(パスメモリ16Bに保持されている)に沿って状態
をL−1個遡って、式(15)及び(22)に基づいてブラ
ンチメトリックλ(Δφn-1→Δφ)を計算し、メト
リックメモリ16Aに保持されている時点(n−1)Tの
状態Δφn-1=π/2におけるパスメトリックΛ(Δ
φn-1)に加算して候補系列のパスメトリックΛ(Δφn
|Δφn-1)を求める。この様な処理を時点(n−1)T
のM個の状態Δφn-1)について繰り返し、それぞれの
パスメトリックを得る。これらM個のパスメトリックの
大小を比較して、時点nTの状態Δφへ至る最も確から
しいパスを一つ選択する。
4相DPSKに上述の第3実施例を適用した場合の誤り率
特性の計算機シミュレーション結果を図7に示す。v=
2とし、横軸は1ビット当たりの信号エネルギー対雑音
電力密度の比Eb/No、縦軸は誤り率である。比較のた
め、従来の1シンボル位相遅延検波(L=1)および同
期検波差動復号による誤り率のシミュレーション結果も
プロットしてある。図中の実線は理論値である。誤り率
0.1%を確保するための所要Eb/Noの1シンボル位相遅延
検波と同期検波差動復号との差は1.8dBであるがL=2
とすることにより特性差を半分以下に約めることができ
る。図7には比較のため文献1の最尤系列推定の誤り率
の理論特性を点線でプロットしてある。L=2では文献
1のL=3に、L=4では文献1のL=5相当の特性が
得られている。しかし、Lを大きくするにつれ、文献1
の特性に近づく。
このように最尤系列推定をビタビアルゴリズムを用い
て行なう場合に、ビタビ復号器の状態数を変調位相の相
数に等しくすることにより演算量を文献1より大幅に削
減している。
(4)第4の実施例 M状態のビタビ復号を行う上述の第3実施例では局部
発信器13からの局部信号の位相を基準として受信波z
(t)との位相差を位相検出器12により検出した場合を
示したが、受信波z(t)を準同期検波を行って得た複
素波出力のサンプル系列に対して第3実施例と同様にM
状態ビタビ復号を行ってもよい。その場合を第4実施例
とし、その直交遅延検波器の構成例を図8に示す。
入力端子11からの受信波z(t)は準同期検出回路12
において入力信号とほぼ同一周波数で位相が互いに90度
ずれた局部発信器13からの2つの局部信号により準同期
検波される。その複素検波出力は標本化回路14により一
定周期(シンボル周期T)で標本化されて受信波の複素
標本znが得られる。この複素標本znはそれぞれがシンボ
ル周期Tの遅延を与える遅延回路151〜152の直列回路に
入力され、各遅延回路151〜15Lから1〜Lシンボル遅延
標本{zn-q;q=1,2,…,L}が求められる。これら遅延標
本と遅延されない標本znがメトリック演算部16に入力さ
れる。メトリック演算部15には、メトリックメモリ16A
とパスメモリ16Bが設けられ、メトリック演算部16では
上述の第3実施例とほぼ同様の以下に述べる復号アルゴ
リズムに従った演算が行なわれ、端子17に復調出力デー
タが出力される。
ステップS1:時点(n−1)TにおけるM個の位相差状
態の中から、時点nTの状態Δφに到達する最も確から
しい一つのパスを選択するには、まず時点(n−1)T
におけるM個のうちの一つの状態Δφn-1を出発点とし
てパスメモリ16B内に保持されている各時点に到達する
生き残りパスを過去の時点(n−L+1)まで遡って位
相差系列{Δφn-i;i=1,2,…,L−1}を読みだし、そ
の系列に、時点nTの1つの状態Δφを最終状態として
加えて位相差候補系列{Δφn-i;i=0,1,…,L−1}を
構成する。
ステップS2:その候補系列の部分系列{Δφn-1;i=0,1,
…,q−1}の和だけ受信波標本zn-qを位相回転させ、こ
れをq=1からLまで繰り返し、得られたL個の値を加
算して受信波標本znの推定値zn′を求める。
ステップS3:式(04)で示されるように受信波標本zn
その推定値zn′との内積の実数値を、時点(n−1)T
の状態Δφn-1から時点nTの状態Δφへの遷移の確か
らしさを表すブランチメトリックλ(Δφn-1→Δ
φ)とし、これを、式(23)と同様に時点(n−1)
Tの状態Δφn-1におけるパスメトリックΛ(Δφn-1
に加算して、状態Δφn-1を経由する候補系列のパスメ
トリックΛ(Δφn|Δφn-1)を求める。
ステップS4:時点(n−1)TにおけるM個の状態Δφ
n-1のそれぞれに対して以上の演算を繰り返してM個の
候補系列に対するパスメトリックを求め、それらの大小
を比較して最大値を与える状態Δφn-1′を求め、これ
をステップS1で着目した時点nTの状態Δφに至る最も
確からしいパスの時点(n−1)Tの状態としてパスメ
モリ16Bに保持するとともに、そのパスメトリックΛ
(Δφn|Δφn-1′)を時点nTの状態Δφにおけるパ
スメトリックΛ(Δφ)としてメトリックメモリ16A
に保持する。
ステップS5:ステップS1〜S4の処理及び演算を時点nTの
M個の全ての状態Δφに対して繰り返して行なってM個
のパスメトリックを求め、大小を比較し、最大値を与え
る状態Δφ′を求め、状態Δφ′を出発点としてパ
スメモリを一定時点DTだけトレースバックし、到達した
状態Δφn-Dを復号シンボルとして出力する。
文献2のビタビ復号を用いた直交遅延検波では時点毎
にML-1個のパスが生き残るのに対して、この発明の第3
及び第4実施例の方法ではM個のパスしか生き残らない
ので文献2の方法に比較して誤り率特性が若干劣化する
ことになる。しかし、ブランチメトリックの演算回数は
時点毎にM2回のみであり、文献2のビタビ復号のML回に
比較して大幅に演算量が削減される。M=4のときの一
時点当たりのブランチメトリックの演算回数を図9に示
す。なお、文献2のシミュレーション結果によれば、M
L-1状態ビタビアルゴリズムを用いると文献1の2L相当
の特性が得られる。そこで、文献1のL=6相当の誤り
率特性を得るときのブランチメトリックの演算回数を比
較する。文献1の方法で683回、文献2の方法で4096
回、この発明で16回となる。このように、この発明では
これまでの方法に比較して大幅に演算量が削減されるこ
とが分かる。
(5)第5の実施例 上述の第3及び第4実施例ではビタビアルゴリズムを
利用しており、従って各時点において予め決めた数の状
態のそれぞれに対しその直前の時点から到達する最も確
からしいパスを1つずつ選択し、それらの中で最も確か
らしいパスに沿って所定の時点数だけ遡った時点におけ
る状態に対応したシンボルを復号結果として出力してい
る。従って、受信位相サンプルに対する復号結果は所定
シンボル数だけ遅れて得られることになる。この様な遅
延が生じない近似最尤復号法の1つとしてビタビアルゴ
リズムを使わない判定帰還復号アルゴリズムが知られて
いる。このアルゴリズムでは常にスを1つのみ残し、過
去に判定された系列のパスに基づいて次ぎに遷移すべき
状態を判定し、その判定結果を直ちに出力する。この判
定帰還復号法を適用した第5実施例を次ぎに説明する。
図10にこの発明の第5実施例が適用される位相遅延検
波回路を示す。入力端子11から受信位相変調波z(t)
が位相検波決12に入力され、その位相Ψ(t)が局部発
振器13からの局部信号を基準として検出される。位相検
波器12の出力は標本化回路14でシンボル周期Tで標本化
されて受信波の位相サンプルΨとして位相差検出部15
に入力される。位相差検出部15において、入力されたシ
ンボルごとの検出位相Ψは、各遅延時間が1シンボル
周期TのL個の遅延回路151,152,…,15Lの直列回路に供
給され、各遅延回路151,152,…,15Lの各遅延出力Ψn-1,
Ψn-2,…,Ψn-Lと入力検出位相Ψとの差Ψ
Ψn-1−Ψn-2,…,Ψ−Ψn-Lが差回路15S1,15
S2,…,15SLでそれぞれ求められる。これらの位相差は式
(5)で表される位相差に対応し、メトリック演算部16
へ供給される。
メトリック演算部16から後で述べるような演算により
判定位相差Δが求められて出力端子17へ出力され
る。この判定位相差Δは累加算部18へも供給され
る。累積加算部18では、入力された判定位相差Δ
各遅延量がTのL−1個の遅延回路181,182,…,18L-1
列回路に入力され、遅延回路181,182,…,18L-1の各遅延
出力Δn-1n-2,…,Δn-L+1はそれぞれ加算回
路18A1,18A2,18A3,…,18AL-2へ供給される。各加算回路
18A1,18A2,…の各出力は順次異次段の加算回路18A2,18A
3,…へ供給される。初段の遅延回路181の出力、加算回
路18A1〜18AL-2の各出力はメトリック演算部16へ供給さ
れる。つまりδn-1(q)=Σδn-1(Σはi=1から
qまでで、qは1からL−1)までがメトリックス演算
部16へ供給される。メトリック演算部16においては累加
算部18からの各加算値δn-1(q)に対しM個の位相差
候補Δφ′、例えば4相DPSKの場合0、π/2、π、3
π/2の1つを選択して加える。これと検出位相差Ψ
Ψとの差μ(q)(式(6)に対応)の絶対値ある
いは差のv乗値をそれぞれ以下のように求める。
vは1以上の実数である。これらL個の|μ(1)
|v〜|μ(L)|vを総和λ=Σ|μ(q)|vを位
相差候補Δφ′に対するブランチメトリックとする。
M個の位相差候補Δφ′のすべてについてそれぞれの
ブランチメトリックを求め、最小のブランチメトリック
を与える位相差候補Δφ′を判定位相差Δとして
出力する。
4DPSKにこの第5実施例を適用した場合の誤り率特性
の計算シミュレーション結果を図11に示す。v=1とし
た。横軸は1ビット当たりの信号エネルギー対雑音電力
密度の比Eb/N0である。L=1の特性は従来の1シンボ
ル位相遅延検波での特性である。比較のため、同期検波
差動復号による誤り率特性も示してある。誤り率0.1%
を確保するための所要Eb/N0の1シンボル位相遅延検波
と同期検波差動復号との差は1.8dBであるがL=3とす
ることにより特性差をほぼ半分に縮めることができる。
L=10とすれば同期検波差動復号の特性に0.2dBまで近
づく。
(6)第6及び第7の実施例 前述の第3及び第4実施例ではビタビ復号の状態数を
Mに削減(即ちブランチメトリックの演算回数を削減)
したままで、時点(n−1)Tの各状態Δφn-1に至る
生き残りパスに沿って状態をL−2個トレースバックし
てΔφn-2からΔφn-L+1の位相差を得て、時点nTの状態
Δφと過去L−1個の状態からブランチメトリックを
計算して、ビタビアルゴリズムにより最尤系列推定する
ことにより誤り率を改善した。以下に説明する第6及び
第7の実施例では各時点においてこのトレースバックを
行わないでも、過去の複数の位相状態に基づいてブラン
チメトリックを計算することができ、従って第3及び第
4実施例より更に演算処理量を削減することができる。
冒頭に説明した直交遅延検波の場合の最尤判定のパス
メトリックを表す式(02)を次式 の様に変形し、式(25)の括弧{}内を次式 で表すブランチメトリック計算のための参照信号hn-1
する。式(26)を使うと式(04)のブランチメトリック
λは次式 λ=Re[znh n-1exp−jΔφ] (27) で表される。参照信号hn-1は式(26)から分かるよう
に、時点(n−1)Tから0までの受信信号サンプルの
総和になっている。ここで式(26)に忘却係数β(0≦
β≦1)を導入することにより、時点が古いほどhn-1
の寄与が小さくなるようにすると次式 が得られる。式(28)の括弧()内の位相差部分系列は
時点n−1から過去へトレースバックする様に規定され
ているのでq=1の場合の位相差の和は0である。従っ
てq>n+1の領域(時点0より前の領域)ではzn-q
0とすると式(28)は次の漸化式 で表わすことができる。式(27)において状態Δφn-1
から状態Δφへの遷移に与えるブランチメトリックを
次式 λ(Δφn-1→Δφ)=Re[znh n-1(Δφn-1)exp−jΔφ] (30) の様に表す。ここで、hn-1(Δφn-1)は時点n−1の
状態Δφn-1におけるhn-1の値を表す。時点n−1の状
態Δφn-1に至る生き残りパスの時点n−2の状態Δφ
n-2における参照信号hn-2(Δφn-2)を様いて、式(2
9)より、状態Δφn-1における参照信号hn-1(Δ
φn-1)を逐次的に計算できるので、第3及び第4実施
例のように状態Δφn-1に至る生き残りパスを遡ること
により式(26)に基づいて参照信号hn-1を計算しなくて
よい。また第3及び第4実施例で示した遅延回路も不要
となる。以下に、上述の考えに基づいた復号アルゴリズ
ムの実施例を2つ(第6及び第7実施例)示す。
図12は第6実施例を適用した直交遅延検波器の構成を
示す。図8の場合と同様に、受信波z(t)は準同期検
波回路12で直交検波され、その複素検波出力は標本化回
路14でシンボル周期T毎に標本化され、受信波複素サン
ブルznが得られる。第6実施例においては、図8におけ
る遅延回路151〜15Nを使用しない。受信波複素サンブル
znは、メトリックメモリ16A、パスメモリ16B、ブランチ
メトリック計算部16C、ビタアルゴリズム部16D、参照信
号計算部16E、及び参照信号メモリ16Fから成るメトリッ
ク演算部16に与えられ以下のようにM状態ビタアルゴリ
ズムにより逐次的に送信位相差系列を推定する。
ステップS1:時点(n−1)TにおけるM個の位相差状
態の中から、時点nTの状態Δφに到達する最も確から
しいパスを選択するときに、時点(n−1)Tにおける
M個の内の1つの状態Δφn-1における参照信号hn-1
値h(Δφn-1)を参照信号メモリ16Fから読みだし、ブ
ランチメトリック計算部16Cにおいてその参照値h(Δ
φn-1)と受信波サンプルznとから、時点(n−1)T
の状態Δφn-1から時点nTの状態Δφへの遷移の確か
らしさを表すブランチメトリックλ(Δφn-1→Δ
φ)を式(30)により計算する。
ステップS2:時点(n−1)Tの状態Δφn-1におけるパ
スメトリックΛ(Δφn-1)をメトリックメモリ16Aから
読みだし、ビタビアルゴリズム部16Dにおいてブランチ
メトリックλ(Δφn-1→Δφ)を、時点(n−1)
Tの状態Δφn-1における前記読みだしたパスメトリッ
クΛ(Δφn-1)に加算し、状態Δφn-1を経由する候補
系列のパスメトリックΛ(Δφn|Δφn-1)を求める。
ステップS3:M個の状態Δφn-1の全てに対してステップS
1〜S3の処理を繰り返してM個の候補系列に対するパス
メトリックをそれぞれ求め、ビタビアルゴリズム部16D
においてそれらの大小を比較して最大値を与える状態Δ
φ′を求め、これを時点nTの状態Δφに至る最も確
からしいパスの時点(n−1)Tにおける状態としてパ
スメモリ16Bに保持すると共に、そのパスメトリックΛ
(Δφn|Δφn-1′)を時点nTの状態Δφにおけるパ
スメトリックΛ(Δφ)としてメトリックメモリ16A
に保持する。
ステップS4:次の時点(n+1)Tの演算に用いる、状
態Δφにおける参照信号hnの値hn(Δφ)を参照信
号計算部16Eにおいて次式により求めパスメトリックΛ
(Δφ)と対応させて参照信号メモリ16Eに保持す
る。
hn(Δφ)=zn+βhn-1(Δφn-1)expjΔφ (31) ステップS5:上述のステップS1〜S4の処理を時点nTのM
の全ての状態に対して繰り返し行いM個の生き残りパス
とパスメトリックを求め、大小を比較し、最大値を与え
る状態Δφ′を求める。その状態Δφ′を出発点と
してパスメモリ16Bを一定時点Dだけトレースバック
し、到達した状態を復号シンボルΔφn-Dとして出力す
る。
図13は4相DPSKに第6の実施例を適用したときの誤り
率特性の計算機シミュレーション結果を示す。横軸は1
ビット当たりの信号エネルギー対雑音電力密度の比Eb/N
oである。比較のため、従来の1シンボル遅延検波及び
同期検波差動復号による誤り率のシミュレーション結果
もプロットしてある。誤り率0.1%を確保するため、従
来の1シンボル遅延検波と同期検波差動復号との差は1.
8dBであるが、β=0.9とすることにより同期検波差動復
号との特性差を0.1dB以内に縮めることができる。この
様に、この第6実施例では第3及び第4実施例より演算
量を削減でき、忘却係数βを1に近づけることにより、
演算量を増やさないでいくらでも同期検波差動復号の特
性に近づけることができる特徴がある。
上述の第6実施例では各時点における生き残りパスが
M個あるが、第7実施例においては各時点のこの生き残
りパスを常に1個だけに限定することにより更に簡易化
を計ったものである。この実施例が適用される遅延検波
器の基本構成は図12の場合と同様であるが、メトリック
メモリ16A及びパスメモリ16Bは不要である。この実施例
のメトリック計算部16における復号アルゴリズムを以下
に示す。
ステップS1:時点(n−1)Tにおいて判定された位相
差状態Δn-1から、時点nTのM個の状態Δのどれ
に到達するのが最も確からしいかを判定するときに、時
点(n−1)Tの判定状態Δφn-1に対する参照信号h
n-1の値h(Δn-1)を参照信号メモリ16Fから読みだ
し、ブランチメトリック計算部16Cにおいてその参照値
h(Δn-1)と受信波サンブルznとから、時点(n−
1)Tの判定状態Δn-1から時点nTのM個の状態Δφ
の1つへの遷移の確からしさを表すブランチメトリッ
クλ(Δn-1→Δφ)を式(30)により計算する。
ステップS2:M個の状態Δφの全てに対してステップS1
の処理を繰り返してM個の候補状態に対するブランチメ
トリックをそれぞれ求め、ビタビアルゴリズム部16Dに
おいてそれらの大小を比較して最大値を与える状態Δφ
を求め、これを復号シンボルΔとして出力する。
なお、この復号法ではパスメトリックは全ての状態に対
して0でよく、そのためシンボル判定はブランチメトリ
ックの大小のみで行える。
ステップS3:次の時点(n−1)Tの演算に用いる、状
態Δにおける参照信号hnの値hn(Δφ)を参照信
号計算部16Eにおいて次式により求め参照信号メモリ16E
に保持する。
hn(Δ)=zn+βhn-1(Δn-1)expjΔ (32) 図14は4相DPSKに第7実施例を適用した場合の誤り率
特性の計算機シミュレーション結果を示す。横軸は1ビ
ット当たりの信号エネルギー対雑音電力密度の比Eb/No
である。第6実施例の場合と同様にβ=0.9とする事に
より同期検波差動復号との特性差を0.1dB以内に縮める
ことができる。
以上各種実施例で説明したように、この発明の遅延検
波方法は、従来の1シンボル遅延検波に比較して誤り率
特性を大幅に改善でき、同期検波差動復号に近い特性を
得ることができる。或いは従来と同等の誤り率特性を得
るようにした場合、従来より演算量を大幅に削減でき
る。この発明の第1、2、3及び5の実施例では受信波
の検出位相系列を用いて最も確からしい位相差系列の候
補を求めるので、リミッタ増幅器が適用できるため実用
性が高い。更に、遅延検波の特徴である高速同期の特徴
を失っていないのでTDMA方式でのバースト受信に適用で
きる。

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】M相DPSK変調波の位相遅延検波方法であ
    り、以下のステップを含む: a)一定の送信シンボル周期Tで時点nTにおける局部信
    号を基準にして受信波の位相Ψを検出し、nは整数で
    あり、 b)Nシンボル位相差系列の候補{Δφn;n=1,2,…,
    N}のうちqシンボル遡る部分系列{Δφi;i=n,n−1,
    …,n+1−q}の和をqシンボル前の検出位相Ψn-q
    加算して上記位相Ψの推定値Ψ′を求め、 c)上記推定値Ψ′と位相Ψとの差μ(q)の絶
    対値のv乗をqシンボル位相差検波のメトリックとし、
    上記vは1以上の実数であり、 d)上記メトリックをq=1からnまで加算してブラン
    チメトリック λ=|μ(1)|v+|μ(2)|v+…+|μ(n)|v を求め、 e)上記ブランチメトリックをn=1からn=Nまで加
    算して上記位相差系列の候補{Δφn;i=1,2,…,N}に
    対するパスメトリックΛ=λ+λ+…+λを求
    め、 f)上記パスメトリックを最小とするNシンボル位相差
    系列を復号系列として出力する。
  2. 【請求項2】M相DPSK変調波の位相遅延検波方法におい
    て、各時点毎に、Q個の変調位相差によって規定される
    MQ-1個の状態と、Qは2以上の予め決めた整数であり、
    MQ-1個のそれぞれの状態へ到達する最も確からしいパス
    が一つ前の時点のどの状態から出発しているかを示す状
    態を生き残りパスとして順次記憶するパスメモリと、各
    状態毎にそれに到達する系列の確からしさを表わすパス
    メトリックを記憶するパスメトリックメモリとが設けら
    れており、上記方法は以下のステップを含む: a)一定の送信シンボル周期tで時点nTにおける局部信
    号を基準にして受信波の位相Ψを検出し、nは整数で
    あり、 b)時点(n−1)TにおけるMQ-1個の状態のうちの一
    つの状態Sn-1を出発点として上記パスメモリ内の生き残
    りパスに沿ってL−Q時点トレースバックして、状態S
    n-1を最終状態とする上記生き残りパスに沿った系列
    {Δφn-i;i=1,2,…,L−1}を求め、その系列に、時
    点nTの位相差Δφを最終シンボルとして加えて候補系
    列{Δφn-i;i=0,1,2,…,L−1}を構成し、LはL≧
    Qの予め決めた整数であり、 c)上記候補系列の部分系列{Δφn-i;i=0,1,…,q−
    1}の位相差の和に時点(n−q)Tの検出位相Ψn-q
    を加算して位相Ψの推定値を求め、上記推定値と上記
    位相Ψとの差より位相誤差μ(q)を求め、 d)上記位相誤差μ(q)の絶対値のv乗をq=1か
    らLまで加算して、時点(n−1)TのMQ-1個の状態S
    n-1から時点nTの状態Snへの遷移可能なM個のブランチ
    の確からしさを表すブランチメトリック λ(Sn-1→Sn)=|μ(1)|v+|μ(2)|v+…+|μ(L)|v をそれぞれ求め、 e)時点nTの各状態に至るM個の上記ブランチメトリッ
    クλ(Sn-1→Sn)を、それぞれ上記メトリックメモリか
    ら読みだした時点(n−1)Tの対応する状態Sn-1にお
    けるパスメトリックΛ(Sn-1)に加算して、M個の上記
    対応する状態Sn-1をそれぞれ経由するM個の候補系列の
    パスメトリックΛ(Sn|Sn-1)を求め、それらの大小を
    比較して最小値を与える状態Sn-1′を求め、 f)上記状態Sn-1′を時点nTの状態Snに至る生き残りパ
    スの時点(n−1)Tの状態として上記パスメモリに記
    憶するとともに、そのパスメトリックΛ(Sn|Sn-1′)
    を時点nTの状態SnにおけるパスメトリックΛ(Sn)とし
    て上記パスメトリックメモリに記憶し、 g)上記ステップの演算を時点nTのMQ-1個の全ての状態
    に対して繰り返して行なってMQ-1個のパスメトリックを
    求め、大小を比較し、最小値を与える状態Sn′を求め、 h)状態Sn′を出発点としてパスメモリを一定時点DTだ
    けトレースバックし、到達した状態Sn-Dを構成するQ−
    1個の位相差の1つである位相差Δφn-Dを復号シンボ
    ルとして出力する。
  3. 【請求項3】請求項2項に記載の方法において、上記L
    とQの値はL=Qとされている。
  4. 【請求項4】請求項3項に記載の方法において、上記Q
    の値はQ=2とされている。
  5. 【請求項5】請求高2項に記載の方法において、上記L
    とQの値はL>Qとされている。
  6. 【請求項6】M相DPSK変調波の直交遅延検波方法におい
    て、各時点毎に、変調位相差を表わすM個の状態と、M
    個のそれぞれの状態へ到達する最も確からしいパスが一
    つ前の時点のどの位相差状態から出発しているかを示す
    状態を記憶するパスメモリと、各状態毎にそれに到達す
    る系列の確からしさを表わすパスメトリックを記憶する
    パスメトリックメモリとが設けられており、上記方法は
    以下のステップを含む: a)一定の送信シンボル周期Tで時点nTにおける受信波
    を標本化して受信波標本znを得、 b)時点(n−1)TにおけるM個のうちの一つの状態
    Δφn-1を出発点として上記パスメモリをトレースバッ
    クして、状態Δφn-1を最終状態とする生き残りパスに
    沿った系列{Δφn-i;i=1,2,…,L−1}を求め、その
    系列に、時点nTの状態Δφを最終状態として加えて候
    補系列{Δφn-i;i=0,1,2,…,L−1}を構成し、 c)上記候補系列の部分系列{Δφn-i;i=0,1,2,…,L
    −1}の和だけ受信波標本zn-qを位相回転させ、これを
    q=1からLまで繰り返して得られたL個の値を加算し
    て受信波標本znの推定値zn′を求め、 d)受信波標本znとその推定値zn′との内積の実数値を
    求め、上記内積の実数値を時点(n−1)Tの状態Δφ
    n-1から時点nTの状態Δφへの遷移の確からしさを表
    すブランチメトリックλ(Δφn-1→Δφ)とし、 e)上記ブランチメトリックλ(Δφn-1→Δφ
    を、時点(n−1)Tの上記状態Δφn-1におけるパス
    メトリックΛ(Δφn-1)に加算して上記状態Δφn-1
    経由する候補系列のパスメトリックΛ(Δφn
    φn-1)を求め、 f)M個の状態Δφn-1の全てに対して以上の演算を繰
    り返してM個の候補系列に対するパスメトリックを求
    め、それらの大小を比較して最大値を与える状態Δφ
    n-1′を求め、 g)上記状態Δφn-1′を、時点nTの状態Δφに至る
    生き残りパスの時点(n−1)Tの状態と判定して上記
    パスメモリに記憶するとともに、上記パスメトリックΛ
    (Δφn|Δφn-1′)を時点nTの状態Δφにおけるパ
    スメトリックΛ(Δφ)として上記パスメトリックメ
    モリに記憶し、 h)上記ステップb)〜g)の演算を時点nTのM個の全
    ての状態に対して繰り返して行なってM個のパスメトリ
    ックを求め、大小を比較し、最大値を与える状態Δ
    φ′を求め、 i)状態Δφ′を出発点として上記パスメモリを一定
    時点DTだけトレースバックし、到達した状態Δφn-D
    復号シンボルとして出力する。
  7. 【請求項7】M相DPSK変調波の位相遅延検波方法におい
    て、以下のステップを含む: a)一定の送信シンボル周期Tで局部信号を基準として
    受信波の位相Ψを検出し、 b)上記受信波の検出された位相Ψと、それよりLシ
    ンボル前までのそれぞれの検出された位相Ψn-q、ただ
    しq=1,2,…,L、との各検出位相差Ψ−Ψn-qをそれ
    ぞれ求め、 c)q−1シンボル前までのそれぞれシンボルごとに判
    定された判定位相差の加算値δn-1(q)=ΣΔn-1
    ただしΣはi=1からq−1までの位相差の加算であ
    る、をそれぞれ得て、上記検出位相差Ψ−Ψn-qと、
    上記加算値δn-1(q)と位相差候補Δφ′の和との
    差μ(q)の絶対値あるいは差のv乗を、qシンボル
    位相差検波のメトリックとして求め、 d)L個の位相差検波のメトリックを加算して上記位相
    差候補Δφ′に対するブランチメトリックλ=|μ
    (1)|v+…+|μ(L)|vを求め、 e)上記ブランチメトリックを最小とする位相差候補を
    判定位相差Δとして出力する。
  8. 【請求項8】M相差動位相変調波の直交遅延検波におい
    て、各時点毎に変調位相差を表すM個の状態のそれぞれ
    へ到達する最も確からしいパスが一つ手前の時点のどの
    位相差状態から出発しているかを保持するパスメモリ
    と、各状態毎にそれに到達する系列の確からしさを表す
    パスメトリックを保持するメトリックメモリと、各状態
    毎にブランチメトリックを計算するときに用いる参照信
    号を保持する参照信号メモリとが設けられており、上記
    方法は以下のステップを含む: a)送信シンボル周期Tで受信波を標本化して時点nに
    おける受信波標本znを得て、 b)時点(n−1)TにおけるM個の内の1つの状態Δ
    φn-1における参照信号hn-1の値hn-1(Δφn-1)をΔφ
    だけ位相回転させ、この位相回転された参照信号値と
    受信波標本znとの内積の実数値から、時点(n−1)T
    の状態Δφn-1から時点nの状態Δφへの遷移の確か
    らしさを表すブランチメトリックλ(Δφn-1→Δ
    φ)を計算し、そのブランチメトリックを時点(n−
    1)Tの状態Δφn-1におけるパスメトリックΛ(Δφ
    n-1)に加算して、状態Δφn-1を経由する候補系列のパ
    スメトリックΛ(Δφn|Δφn-1)を求め、 c)M個の状態Δφn-1の全てに対して上記ステップ
    b)の処理を繰り返してM個の候補系列に対するパスメ
    トリックを求め、それらの大小を比較して最大値を与え
    る状態Δφn-1′を求め、これを、時点nの状態Δφ
    に至る最も確からしいパスの時点(n−1)Tの状態と
    してパスメモリに保持すると共に、そのパスメトリック
    Λ(Δφn|Δφn-1′)を時点nの状態Δφにおける
    パスメトリックΛ(Δφ)としてメトリックメモリに
    保持し、 d)次の時点(n+1)Tの演算に用いる、状態Δφ
    における参照信号hnの値hn(Δφ)を次式 hn(Δφ)=zn+βhn-1(Δφn-1)exp jΔφ により求め、参照信号メモリに保持し、βは0より大で
    1以下の予め決めた定数であり、 e)上記ステップb),c),d)の処理を時点nTのM個の
    全ての状態に対して繰り返して行ってM個の生き残りパ
    スとパスメトリックを求め、大小を比較し、最大値を与
    える状態Δφ′を求め、状態Δφ′を出発点として
    パスメモリを一定時点Dだけトレースバックし、到達し
    た状態Δφn-Dを復号シンボルとして出力する。
  9. 【請求項9】M相差動位相変調波の直交遅延検波におい
    て、各状態毎にそれに到達する系列の確からしさを表す
    パスメトリックを保持するメトリックメモリと、各状態
    毎にブランチメトリックを計算するときに用いる参照信
    号を保持する参照信号メモリとが設けられており、上記
    方法は以下のステップを含む: a)送信シンボル周期Tで受信波を標本化して時点nに
    おける受信波標本znを得て、 b)時点(n−1)Tで判定された位相差状態Δn-1
    から、時点nのM個の状態Δφのどれに到達するのが
    最も確からしいかを判定するときに、時点(n−1)T
    の判定位相差状態Δn-1における参照信号hn-1の値を
    Δφだけ位相回転させ、この位相回転された参照信号
    と受信波標本znとの内積の実数値から、時点(n−1)
    Tの状態Δn-1から時点nの状態Δφへの遷移の確
    からしさを表すブランチメトリックλ(Δn-1→Δφ
    )を計算し、 c)M個の状態Δφの全てに対して以上の演算を繰り
    返してM個の系列に対するブランチメトリックを求め、
    それらの大小を比較して最大値を与える状態Δφを求
    め、これを時点nTの受信波標本znに対する復号シンボル
    Δと判定して出力し、 d)次の時点(n+1)Tの演算に用いる状態Δ
    おける参照信号hnの値を次式 hn=zn+βhn-1exp jΔ により求め上記参照信号メモリに保持し、βは0より大
    で1以下の予め決めた定数である。
  10. 【請求項10】シンボル周期TでM相DPSK変調された送
    信波とほぼ同じ周波数の局部信号を発生する局部信号発
    生手段と、 上記送信波を受信し、上記局部信号の位相を基準にして
    受信波の位相を検出する位相検波手段と、 上記受信波の位相を上記シンボル周期T毎に標本化し
    て、標本化位相Ψを出力する標本化手段と、 それぞれシンボル周期Tの遅延を与える互いに直列接続
    されたN個の遅延段を有する遅延手段と、Nは2以上の
    整数であり、上記遅延手段は上記標本化手段から順次標
    本化位相が与えられ、上記遅延段からそれぞれ1〜Nシ
    ンボル遡った過去の標本化位相Ψn-1n-2,…,Ψn-N
    を出力し、 上記標本化手段からの現在の標本化位相と、上記遅延手
    段のそれぞれの遅延段からのN個の過去の標本化位相と
    が与えられ、 Nシンボル位相差系列の候補{Δφn;n=1,2,…,N}の
    うちqシンボル遡る部分系列{Δφi;i=n,n−1,…,n+
    1−q}の和をqシンボル前の検出位相Ψn-qに加算し
    て上記位相Ψの推定値Ψ′を求め、上記推定値
    Ψ′と位相Ψとの差μ(q)の絶対値のv乗をq
    シンボル位相差検波のメトリックとし、上記vは1以上
    の実数であり、上記メトリックをq=1からnまで加算
    してブランチメトリック λ=|μ(1)|v+|μ(2)|v+…+|μ(n)|v を求め、上記ブランチメトリックをn=1からn=Nま
    で加算して上記位相差系列の候補{Δφi;i=1,2,…,
    N}に対するパスメトリックΛ=λ+λ+…+λ
    を求め、上記パスメトリックを最小とするNシンボル位
    相差系列を復号系列として出力するメトリック演算手
    段、 とを含む位相遅延検波器。
  11. 【請求項11】M相DPSK変調波を位相検波して得た位相
    信号のシンボル周期毎の遅延位相差の系列を、過去のQ
    −1個の位相差の系列で規定されるMQ-1個の状態のビタ
    ビアルゴリズムにより逐次推定して復号を行う位相遅延
    検波器であり、Qは2以上の予め決めた整数であり、 シンボル周期TでM相DPSK変調波された送信波とほぼ同
    じ周波数の局部信号を発生する局部信号発生手段と、 上記送信波を受信し、上記局部信号の位相を基準にして
    受信波の位相を検出する位相検波手段と、 上記受信波の位相を上記シンボル周期T毎に標本化し
    て、標本化位相Ψを出力する標本化手段と、 それぞれシンボル周期Tの遅延を与える互いに直列接続
    されたL個の遅延段を有する遅延手段と、LはQ≦Lを
    満たす整数であり、上記遅延手段は上記標本化手段から
    順次標本化位相が与えられ、上記遅延段からそれぞれ1
    〜Lシンボル遡った過去の標本化位相Ψn-1n-2,…,
    Ψn-Lを出力し、 MQ-1個のそれぞれの状態へ到達する最も確からしいパス
    が一つ前の時点のどの状態から出発しているかを示す状
    態を生き残りパスとして順次記憶するパスメモリと、各
    状態毎にそれに到達する系列の確からしさを表わすパス
    メトリックを記憶するパスメトリックメモリとが設けら
    れており、上記標本化手段からの現時点nTの標本化位相
    Ψと、上記遅延手段のそれぞれの遅延段からのL−1
    個の過去の時点(n−1)T,(n−2)T,…,(n−L
    +1)Tの標本化位相Ψn-1n-2,…,Ψn-Lとが与え
    られ、MQ-1状態のビタビアルゴリズムにより復号を行う
    メトリック演算手段とを含み、 上記メトリック演算手段は:Lシンボル位相差系列の候補
    {Δφn;n=1,2,…,L}のうちqシンボル遡る部分系列
    {Δφi;i=n,n−1,…,n+1−q}の和をqシンボル前
    の検出位相Ψn-qに加算して上記位相Ψの推定値
    Ψ′を求め、上記推定値Ψ′と位相Ψとの差μ
    (q)の絶対値のv乗をqシンボル位相差検波のメトリ
    ックとし、上記vは1以上の実数であり、時点(n−
    1)Tの取り得るMQ-1個の状態Sn-1=(Δφn-(Q-1),
    …,Δφn-2,Δφn-1)から時点nTの各状態Sn=(Δφ
    n-(Q-2),…,Δφn-1,Δφ)へ遷移可能なM個のブラ
    ンチのメトリックλ(Sn-1→Sn)を次式 λ=|μ(1)|v+|μ(2)|v+…+|μ(L)|v により計算し、各状態Snに至るM個のブランチについて
    それぞれのパスメトリックを次式 Λ(Sn|Sn-1)=Λn-1(Sn-1)+λ(Sn-1→Sn) より計算し、これが最小となるパスメトリックを与える
    ブランチを上記状態Snに至る生き残りパスとし、そのパ
    スがどの状態から遷移して来たかを上記パスメモリに保
    持するとともに、その最小パスメトリックの値を上記状
    態SnのパスメトリックΛ(Sn)として上記メトリック
    メモリに保持し、時点nTのMQ-1個の全ての状態Snのうち
    で最小のパスメトリックΛ(Sn)を与える状態に至る
    パスを選択し、上記パスメモリに保持されている状態遷
    移を上記選択したパスに沿ってDT時点分だけトレースバ
    ックし、それによって至った状態(Δφn-(D+Q-2),…,
    Δφn-(D+1),Δφn-D)における位相差Δφn-Dを復号結
    果Δφn-D′として出力する。
  12. 【請求項12】シンボル周期T毎にM相DPSK変調された
    受信波と同じ周波数の局部信号を発生する局部信号発生
    手段と、 上記受信波を上記局部信号を基準として位相検波し、そ
    の検出位相Ψを上記シンボル周期Tで出力する位相検
    波手段と、 上記検出位相Ψと、それよりLシンボル前までのそれ
    ぞれの検出された位相Ψn-q、ただしq=1,2,…,L、と
    の各検出位相差Ψ−Ψn-qをそれぞれ得る位相差検出
    手段と、Lは2以上の整数であり、 q−1シンボル前までのそれぞれシンボルごとに判定さ
    れた判定位相差の加算値δn-1(q)=ΣΔn-i、ただ
    しΣはi=1からq−1までの位相差の加算である、を
    それぞれ得る累積加算手段と、 上記検出位相差Ψ−Ψn-qと上記加算値δn-1(q)及
    び位相差候補Δφ′の和との差の絶対値あるいは差の
    v乗を、qシンボル位相差検波のメトリックλとして
    求め、L個の位相差検波のメトリックを加算して上記位
    相差候補Δφ′に対するブランチメトリックλ=|
    μ(1)|v+…+|μ(L)|vを求め、上記ブラン
    チメトリックを最小とする位相差候補を判定位相差Δ
    として出力するメトリック演算手段、 とを含む位相遅延検波器。
  13. 【請求項13】請求項12項記載の位相遅延検波器におい
    て、上記位相差検出手段はそれぞれシンボル周期Tの遅
    延を与える互いに直列接続されたL個の遅延段を有する
    遅延手段と、上記遅延手段は上記位相検波手段から順次
    検出位相が与えられ、上記遅延段からそれぞれ1〜Lシ
    ンボル遡った過去の標本化位相Ψn-1n-2,…,Ψn-L
    を出力し、上記位相検波手段からの検出位相Ψから上
    記遅延段の出力位相をそれぞれ減算して上記位相差Ψ
    −Ψn-qを出力するL個の減算器を有している。
  14. 【請求項14】請求項12項記載の位相遅延検波器におい
    て、上記累積加算手段はそれぞれシンボル周期Tの遅延
    を与える互いに直列接続されたL個の遅延段を有する遅
    延手段と、上記遅延手段は上記メトリック演算手段から
    上記判定位相差が順次与えられ、上記遅延段からそれぞ
    れ1〜Lシンボル遡った過去の判定位相差Δn-1
    n-2,…,Δn-Lを出力し、上記遅延段のそれぞれの出
    力位相を順次累積加算してi=1からq−1までの上記
    加算値Δn-1(q)=ΣΔn-1をq=2からLまでのそ
    れぞれに付いて生成するL−1個の加算器とを有してい
    る。
  15. 【請求項15】シンボル周期TでM相DPSK変調された送
    信波を受信し検波する直交遅延検波器であり: シンボル周期TでM相DPSK変調された送信波とほぼ同じ
    周波数で互いに位相が90度異なる2つの局部信号を発生
    する局部信号発生手段と、 上記送信波を受信し、上記2つの局部信号により直交検
    波を行って複素受信波サンブルznを上記シンボル周期T
    毎に出力する準同期検波手段と、 各時点毎に変調位相差を表すM個の状態のそれぞれへ到
    達する最も確からしいパスが1つ手前の時点のどの位相
    差状態から出発しているかを保持するパスメモリと、 各状態毎にそれに到達する系列の確からしさを表すパス
    メトリックを保持するメトリックメモリと、 各状態毎にブランチメトリックを計算するときに用いる
    参照信号を保持する参照信号メモリと、 上記準同期検波手段から時点nにおける受信波標本zn
    与えられ、時点(n−1)TにおけるM個の内の1つの
    状態Δφn-1における上記参照メモリから読みだした参
    照信号hn-1の値hn-1(Δφn-1)をΔφだけ位相回転
    させ、この位相回転された参照信号値と受信波標本zn
    の内積の実数値から、時点(n−1)Tの状態Δφn-1
    から時点nの状態Δφへの遷移の確からしさを表すブ
    ランチメトリックλ(Δφn-1→Δφ)を計算するブ
    ランチメトリック演算手段と、 上記ブランチメトリックを上記メトリックメモリから読
    みだした時点(n−1)Tの状態Δφn-1におけるパス
    メトリックΛ(Δφn-1)に加算して、状態Δφn-1を経
    由する候補系列のパスメトックΛ(Δφn|Δφn-1)を
    生成することを、M個の状態Δφn-1の全てに対して繰
    り返して、M個の候補系列に対するパスメトリックを求
    め、それらの大小を比較して最大値を与える状態Δφ
    n-1′を求め、これを、時点nの状態Δφに至る最も
    確からしいパスの時点(n−1)Tの状態として上記パ
    スメモリに保持すると共に、上記パスメトリックΛ(Δ
    φn|Δφn-1′)を時点nの状態Δφにおけるパスメ
    トリックΛ(Δφ)として上記メトリックメモリに保
    持するビタビアルゴリズム手段と、 次の時点(n+1)Tの演算に用いるため、状態Δφ
    における参照信号hnの値hn(Δφ)を、予め決めた0
    より大で1以下の定数βを使って次式 hn(Δφ)=zn+βhn-1(Δφn-1)exp jΔφ により計算し、上記参照信号メモリに保持する参照信号
    計算手段、 とを含み、上記ビタビアルゴリズム手段は時点nTのM個
    の全ての状態に対してそれぞれ上記生き残りパスとパス
    メトリックを求め、大小を比較し、最大値を与える状態
    Δφ′を求め、上記Δφ′を出発点としてパスメモ
    リを一定時点Dだけトレースバックし、到達した状態Δ
    φn-Dを復号シンボルとして出力する。
  16. 【請求項16】シンボル周期TでM相DPSK変調された送
    信波を受信し検波する直交遅延検波器であり: シンボル周期TでM相DPSK変調された送信波とほぼ同じ
    周波数で互いに位相が90度異なる2つの局部信号を発生
    する局部信号発生手段と、 上記送信波を受信し、上記2つの局部信号により直交検
    波を行って複素受信波サンブルznを上記シンボル周期T
    毎に出力する準同期検波手段と、 各状態毎にそれに到達する系列の確からしさを表すパス
    メトリックを保持するメトリックメモリと、 各状態毎にブランチメトリックを計算するときに用いる
    参照信号を保持する参照信号メモリと、 上記準同期検波手段から時点nにおける受信波標本zn
    与えられ、時点(n−1)Tの判定位相差状態Δn-1
    における上記参照メモリから読みだした参照信号hn-1
    値をΔφだけ位相回転させ、この位相回転された参照
    信号と受信波標本znとの内積の実数値から、時点(n−
    1)Tの状態Δn-1から時点nの状態Δφへの遷移
    の確からしさを表すブランチメトリックλ(Δn-1
    Δφ)を計算するブランチメトリック演算手段と、 上記ブランチメトリックλ(Δn-1→Δφ)を上記
    メトリックメモリから読みだした時点(n−1)Tのパ
    スメトリックΛに加算して状態Δφへ至る系列のパス
    メトリックΛ(Δφ)を生成することをM個の状態Δ
    φの全てに対して繰り返してM個の系列に対するパス
    メトリックを求め、それらの大小を比較して最大値を与
    える状態Δφを求め、これを時点nTの受信波標本zn
    対する復号シンボルΔと判定して出力すると共に、
    そのパスメトリックΛ(Δ)をパスメトリックΛと
    して上記メトリックメモリに保持させるビタビアルゴリ
    ズム手段と、 次の時点(n+1)Tの演算に用いる、状態Δにお
    ける参照信号hnの値を、予め決めた0より大で1以下の
    定数βを使って次式 hn=zn+βhn-1exp jΔ により求め上記参照信号メモリに保持する参照信号計算
    手段、 とを含む。
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