JP2685380B2 - 有機非線形光学材料 - Google Patents

有機非線形光学材料

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JP2685380B2 JP34359591A JP34359591A JP2685380B2 JP 2685380 B2 JP2685380 B2 JP 2685380B2 JP 34359591 A JP34359591 A JP 34359591A JP 34359591 A JP34359591 A JP 34359591A JP 2685380 B2 JP2685380 B2 JP 2685380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機非線形光学材料に関
し、より詳細には光コンピュータ、光通信及び光情報記
録等、広範な分野で用いられる有機非線形光学材料に関
するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】レーザー
光で得られるような強い光電場により、物質中に誘起さ
れる電気分極が光電場に比例することを物質の線形光学
応答、比例関係からはずれて光電場の2乗、3乗等に比
例することを非線形光学応答といい、非線形光学材料と
は、この非線形光学応答から生じる様々な効果をまとめ
た非線形光学効果を有する材料のことを指す。
【0003】この非線形光学効果を有する材料を用いた
応用可能な分野の一つにレーザー光の波長変換(第2高
調波発生:SHG)がある。この現象によると基本波レ
ーザー光の2倍の周波数を有し、基本波レーザー光と同
等の性質を有するコヒーレント光を容易に取り出すこと
が可能となり、情報記録や画像処理、あるいはレーザー
計測等の広い分野でその応用が期待できる。
【0004】また、これらの波長変換においては、物質
の非線形性が小さくても相互作用長が長くとれれば、あ
るいは高出力のレーザーがあれば、原理的には100%
に近い交換効率を得ることも可能であるが、例えば、数
mWから数百mWの出力レベルの半導体レーザーを基本
波光源として、光混合あるいはSHG等の波長変換によ
り、小型かつ簡便な低価格の可視コヒーレント光源を実
現しようとすると、より大きな非線形性を有する材料が
要求される。
【0005】従来からの非線形光学材料としては、Li
NbO3 (LN)、KTiOPO4 (KTP)、KH2
PO4 (KDP)、NH4 2 PO4 (ADP)等の無
機結晶が用いられてきたが、光学的純度の高い単結晶が
非常に高価であること、潮解性を示すものがあり、取扱
いに不便であること、光損傷強度に乏しいこと、また、
2次非線形感受率が高くないこと等の問題点があった。
【0006】一方、有機結晶である2−メチル−4−ニ
トロアニリン(MNA)は極めて大きな2次の非線形光
学定数を有しており、尿素やアニリン化合物の有機結晶
が非線形光学材料として注目されている。しかし、これ
ら有機化合物においてもいまだ十分満足しうる非線形及
び線形光学特性を有するものはなく、例えば、比較的高
い非線形光学定数を有するMNAにおいても、その光吸
収端は長波長側にあり、実際の波長変換素子として使用
するに際して、波長範囲が極めて限定されるという欠点
がある。
【0007】また、有機材料を非線形光学材料として実
用化するにあたっては、上述の透過光領域の問題のほか
に、室温で安定であるとともに、できるだけ大きな単結
晶を形成するものであることが望まれるが、一般に有機
非線形光学材料は、室温で安定であるとともに大きな単
結晶を得るのが困難であった。さらに、材料が光学的非
線形を示すためには、結晶化したときにその結晶が対称
中心を持たないことが重要である。
【0008】例えば、非常に大きな非線形性を有するこ
とで知られているMNAは対称中心を持たない結晶とな
るため、SHG活性を有し、第2高調波発生効率はLN
の約2000倍程度であることが報告されている。しか
し、MNAは大きな単結晶が得られないため実用的では
ないという欠点がある。一方、尿素は白色、透明で、吸
収端波長も200nmと短波長であるけれどもSHG活
性が小さく、また熱安定性及び耐湿性に劣るという欠点
がある。
【0009】このような状況下、例えば、特開平1−2
81438号公報、特開平2−132423号公報、特
開平2−171730号公報等に可視領域に吸収を持た
ず、高い非線形光学効果を示す化合物が開示されてい
る。また、特開平3−146928号公報、特開平3−
81746号公報等には安定で大きな単結晶を成長させ
やすい非線形光学材料が開示されている。
【0010】本発明は上記した課題を鑑みなされたもの
であって、室温にて安定であるとともにSHG活性を有
し、対称中心を持たない結晶を形成することができ、し
かも透明性に優れ、吸収端波長が短波長領域にある有機
非線形光学材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、構造式
(I)
【0012】
【化2】
【0013】で表されるベンゼン誘導体からなる有機非
線形光学材料が提供される。本発明者らは種々の分子
に、種々のドナー基及びアクセプタ基の導入を試みた化
合物の超分子分極率β及び光吸収端波長λmax を分子軌
道法計算により算出した結果、3−(4’−メチルチオ
フェニル)−1−(2’−ピロリル)−2,3−プロペ
ン−1−オンの超分子分極率βが、β=36.64×1
-30 esu、光吸収端波長λmax が、λmax =328
nmと、十分な非線形光学特性を有していることを見出
し、本発明に至ったものである。
【0014】本発明における式(I)で表される3−
(4’−メチルチオフェニル)−1−(2’−ピロリ
ル)−2,3−プロペン−1−オンは「ハウス最新有機
合成反応、p552」記載の方法により容易に合成する
ことができる。例えば、4−メチルチオベンズアルデヒ
ドと2−アセチルピロールとを適当な塩基性触媒又は酸
性触媒存在下脱水縮合反応を行うことにより得ることが
できる。
【0015】塩基性触媒としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム又は種々の4級アンモニウム塩等を用いる
ことができ、また酸性触媒としてはオキシ塩化リン、三
フッ化ホウ素等を用いることができる。さらに、これら
触媒の存在下、必要に応じて適当な溶媒、例えばメタノ
ール、エタノール等のアルコール類を用いて、好ましく
は0℃〜50℃の温度範囲内で、30分〜2時間反応を
行う。この際、反応温度があまり高すぎると熱による重
合等により様々な副反応生成物が生じることとなり、ま
た、反応温度があまり低すぎると反応時間が極めて長く
なり不経済であり好ましくない。
【0016】本発明の3−(4’−メチルチオフェニ
ル)−1−(2’−ピロリル)−2,3−プロペン−1
−オンは粗生成物の公知の方法、例えば、再結晶法、昇
華法等により精製することによって、非線形光学材料と
して使用することができる。本発明における3−(4’
−メチルチオフェニル)−1−(2’−ピロリル)−
2,3−プロペン−1−オンにおいては、メチルチオ基
がドナー、ピロールがアクセプタとなって、永久双極子
モーメントの差を大きくすることができ、さらにその間
をπ電子供給源及びπ電子共役系でつなぐことにより、
電子遷移強度を大きくして、超分子分極率βを大きくす
ることができる。また、基底状態の双極子モーメントを
小さくすることで、分子の集合体である結晶において非
中心対称性を有した結晶構造を実現し、光吸収端波長を
より短波長化するものである。
【0017】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
まず、4−メチルチオベンズアルデヒド4.08g
(0.03mol)と2−アセチルピロール3.27g
(0.03mol)とを95%エタノール50mlとと
もに反応容器内に仕込み、室温にてマグネティックスタ
ーラーにて攪拌しながら、40wt%水酸化ナトリウム
水溶液150mlを滴下した。滴下終了後、室温にて2
4時間反応を行った。反応終了後、析出した固体を吸引
ろ過にて分別し、得られた固体結晶を純水で中性になる
まで数回洗浄し、その後冷95%エタノールで1回洗浄
し、デシケータ中で乾燥させた。粗生成物として2.7
5gの3−(4’−メチルチオフェニル)−1−(2’
−ピロリル)−2,3−プロペン−1−オンを得た。収
率は37.7%であった。
【0018】次いで、この粗生成物をエタノール溶媒で
再結晶したところ、1.83gの3−(4’−メチルチ
オフェニル)−1−(2’−ピロリル)−2,3−プロ
ペン−1−オンの精製物を得た。この際の収率はトータ
ルで25.1%であった。また、融点は126.4℃で
あった。本実施例により得られた3−(4’−メチルチ
オフェニル)−1−(2’−ピロリル)−2,3−プロ
ペン−1−オンの第2高調波発生(SHG)の評価を粉
末法により行った。直径100μm前後に粒状化した試
料をスライドガラスに挟み、この試料にQスイッチ付き
のNd−YAGレーザのパルス照射を行い、試料より発
生した第2高調波をフォトマルにより検知した。標準試
料には同様に粒状化した尿素を用い、尿素の第2高調波
強度を1とし、相対比較を行った。その結果、尿素とほ
ぼ同程度のSHG活性を示すことが分かった。
【0019】また、本発明による化合物の光吸収端波長
を見るため紫外−可視域分光光度計により、光透過スペ
クトルの測定を行った。測定は1、4−ジオキサン溶媒
を用いて行った。この結果を図1に示す。図中、3−
(4’−メチルチオフェニル)−1−(2’−ピロリ
ル)−2,3−プロペン−1−オンを実線で示し、比較
例としてMNAを破線で示した。
【0020】図1より明らかなように、本発明による化
合物は波長415nm以上の可視光線に対してほぼ10
0%の透過率を示し、公知の有機非線形光学材料である
MNAに比べて、透過波長領域が広くなっていることが
分かる。さらに、3−(4’−メチルチオフェニル)−
1−(2’−ピロリル)−2,3−プロペン−1−オン
は、結晶性が良好であり、有機溶媒からのスローエバポ
レーション法等により容易に単結晶を得ることができ
る。さらに、本発明の化合物の融点は126.4℃と高
く、この結晶は室温で安定である。
【0021】
【発明の効果】本発明による3−(4’−メチルチオフ
ェニル)−1−(2’−ピロリル)−2,3−プロペン
−1−オンは、室温で安定であるとともに結晶性が良好
で、SHG活性が比較的大きく、かつ透明性に優れ、吸
収端波長が短波長領域にある有機非線形光学材料であ
る。従って、波長変換素子を初めとする種々の非線形光
学デバイスに利用可能であり、実用上重要な材料であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による3−(4’−メチルチオフェニ
ル)−1−(2’−ピロリル)−2,3−プロペン−1
−オンと有機非線形光学材料であるMNAとの光透過ス
ペクトルの比較を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式(I) 【化1】 で表されるベンゼン誘導体からなる有機非線形光学材
    料。
JP34359591A 1991-12-25 1991-12-25 有機非線形光学材料 Expired - Lifetime JP2685380B2 (ja)

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