JP2685276B2 - ドラム式洗濯・乾燥機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は乾燥運転用に熱交換形のファン装置を具備す
るドラム式洗濯・乾燥機に関する。

（従来の技術） 従来より、この種ドラム式洗濯・乾燥機においては、
タブ内にドラムが横軸状にて回転可能に具えられ、該ド
ラムの回転により、洗濯物の洗濯及び脱水をし、そして
乾燥運転時の撹拌をするようにしている。

又、このものの場合、古くは、空冷式又は水冷式の放
熱器が具えられ、上記ドラム内の空気を、乾燥運転時に
その放熱器中を通して循環させることにより、冷却し除
湿するようにしている。

ところが、上述のものにおいては、除湿性能が良くな
く、従ってその除湿空気が洗濯物に触れることによって
得られる乾燥性能も、当然良くないという問題点を有し
ていた。

これに対して、近年、熱交換器を兼ねるファンによ
り、前記乾燥運転時のドラム内空気の循環を行なわし
め、同時に機外空気の吸入も行なわしめて、これらドラ
ム内空気と機外空気とを熱交換させ、もってドラム内空
気の除湿をするようにしたものが供されている。

このものによれば、除湿性能が良く、従って乾燥性能
も充分良く得られる。

しかして、上述のものにおいては、主として重量バラ
ンスの関係から、ファンがタブのドラム軸方向の一方の
端面部側に設けられ、それと対称的に、該タブのドラム
軸方向の他方の端面部側に、ドラム駆動用のプーリ等が
設けられている。このため、タブのそれらドラム軸方向
の両端面部には洗濯物出入用の開口部を設けることがで
きず、該開口部はタブの上部に設けられ、それに合わせ
てドラムの周側面部（胴部）の一部に同様の開口部が設
けられている。従って、外箱の洗濯物出入口も、上記タ
ブの上部（ドラムの周側面部）と対応する上面部に設け
られている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上述のようにタブの上部に洗濯物出入
用の開口部が設けられると共に、ドラムの周側面部（胴
部）に同様の開口部が設けられ、そして外箱の上面部に
洗濯物出入口が設けられているものの場合には、外箱の
洗濯物出入口に対して、ドラムの洗濯物出入用の開口部
がドラムの回転に伴って位置を変化させる関係となるた
め、洗濯物の出入れを行なうときにそれらを逐一合致さ
せる機構，装置が必要となり、コストの上昇を来たすと
いう問題点を有していた。

又、このものの場合、ドラムの周側面部に設けられた
洗濯物出入用の開口部及びこれを通常閉塞すべく当然具
えられる蓋等のために、ドラムの回転バランスが悪くな
り、振動を発生しやすいという問題点をも有していた。

更に、上述のものの場合には、外箱の洗濯物出入口が
該外箱の上面部に設けられることから、機全体を壁面等
に埋込んで設置するいわゆるビルトインタイプでは、そ
の洗濯物出入口までが埋込んで位置されることになり、
洗濯物の出入れができなくなることから、その所望の設
置ができないという問題点を有していた。

本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従
ってその目的は、除湿性能が良く。従って乾燥性能も充
分に良く得られるものにあって、洗濯物出入用の開口部
をタブにはドラム軸方向端面部に、又、ドラムにもその
軸方向の端面部にそれぞれ設けることができて、コスト
の低廉化と振動の低減化並びに設置の自由化を図ること
のできる優れたドラム式洗濯・乾燥機を提供することに
ある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明のドラム式洗濯・乾燥機は、タブ内に横軸状に
て回転可能に設けられその回転により洗濯物の洗濯及び
脱水をし且つ乾燥運転時の撹拌をするドラムを具備する
と共に、熱交換器を兼ねるファン本体により前記乾燥運
転時に前記ドラム内の空気を循環させ且つ機外空気を吸
入して循環ドラム内空気と熱交換させ該ドラム内空気の
除湿をする熱交換形のファン装置を具備するものにあっ
て、前記タブのドラム軸方向端面部に洗濯物出入用の開
口部を形成し、該開口部の周囲部にそれを囲繞する環状
に形成した前記ファン装置のファン本体を回転可能に設
けて成るところに特徴を有する。

（作用） 上記手段によれば、熱交換形のファン装置により、ド
ラム内空気の循環と機外空気の吸排とを併せて行ない、
そしてそれらの熱交換を行なってドラム内空気の除湿を
行なうことができる。

又、そのファン装置にあっては、ファン本体を、タブ
の洗濯物出入用の開口部を囲繞する環状に形成して、該
開口部の周囲部に回転可能に設けるのであるから、その
開口部は、ファン本体をタブのドラム軸方向端面部側に
設ける構成のまま、タブの同端面部に形成することがで
き、従って又、ドラムの洗濯物出入用の開口部も該ドラ
ムの軸方向の端面部に所望に形成することができる。

しかして、かようにドラムの洗濯物出入用の開口部を
その軸方向の端面部に形成したならば、その開口部を、
洗濯物の出入れを行なうといに、逐一外箱の洗濯物出入
口に合致させることが必要でなくなり、又、ドラムの回
転バランスも良くなって、更にビルトインタイプの設置
も、外箱の洗濯物出入口を埋込位置にすることのない形
態で、所望に可能となる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例につき図面を参照して説明す
る。

第１図において、１はドラム式洗濯・乾燥機全体の外
箱であり、これの内部に水溜め用のタブ２を所要個数の
弾性支持機構３により支持して配設している。４はタブ
２内に横軸状に配設したドラムで、その軸方向である図
中左右方向のうちの右方の端面部の中心部にドラムシャ
フト５を突出させて有し、このドラムシャフト５をタブ
２の同端面部の中心部に、軸受ハウジング６及び軸受7,
8を介して回転可能に支承せしめている。９はドラム４
の内周面部に複数（１個のみ図示）突設した洗濯物撹拌
用のバッフル、10は同ドラム４の周側面部のほぼ全域に
形成した通水兼用の通気孔、11はタブ２の周側面部の上
部に形成した通気孔である。

一方、12は前記シャフト５の軸受ハウジング６からの
突出端部に取着したドラムプーリで、これには前記タブ
２の外下面の図中右方部に吊着した第１のモータ13が対
応しており、該第１のモータ13に取着した第１の駆動プ
ーリ14とドラムプーリ12との間に、第１の伝動ベルト15
を張架している。

これに対して、16はタブ２の図中左方の端面部部分に
設けた熱交換形のファン装置で、例えば放射状の波形板
により第１の翼部17aと第２の翼部17bとを表・裏の関係
で有する環状に形成した熱交換器兼用のファン17本体を
主体として具えており、ほかにファン本体17を覆うケー
シング18、ファン本体17の中央孔部19の周囲部に複数例
えば4,5個配設したローラ20、同部の全周にわたって添
設したシール21、ファン17本体に一体化して設けたファ
ンプーリ22を具えている。

ここで、23はドラム４の図中左方の端面部の中央部に
形成した洗濯物出入用の開口部で、24はタブ２の同端面
部の中央部に形成した同じく洗濯物出入用の開口部、25
は外箱１の図中左方の面（前面）部の中央部に形成した
洗濯物出入口であり、この洗濯物出入口25とタブ２の洗
濯物出入用の開口部24とをベロー26により連通させ、
又、洗濯物出入口25には扉27を設けている。そして、タ
ブ２の洗濯物出入用の開口部24の周囲部に、前記ファン
装置16のファン本体17をローラ20と共に嵌合し、該ロー
ラ20によって回転可能に支承するようにしている。又、
このように支承したファン本体17に対しては、ケーシン
グ18を嵌合し、更に、該ケーシング18をタブ２に固着し
ている。

尚、28はケーシング18内のファン本体17周囲の部分に
ここを前記両翼部17a,17b間で仕切るように設けたシー
ルである。又、29はケーシング18の機外側中央部の通気
口、30はケーシング18の機外側周囲部の上部に形成した
通気口で、この通気空30と外箱１の図中左方の面部の上
部に形成した排気孔31との間をダクト32により連通させ
ている。これらに対して、33はケーシング18の機内側周
囲部の上部に形成した通気口で、これにはダクト34を前
記タブ２の周側部上部に形成した通気孔11との間におい
て配設しており、該ダクト34内にはヒータ35を配設して
いる。そしてそのほか、36はタブ２の図中左方の端面部
の開口部24周囲の部分に多数形成した通気孔である。

加えて、37は前記タブ２の外下面の図中左方側部に吊
着した第２のモータで、これには第２の駆動プーリ38を
取着しており、それと前記ファンプーリ22との間に第２
の伝動ベルト39を張架してる。

さて、上述のごとく構成したものの場合、洗濯運転を
開始するに当たっては、まず扉27を開けて、図示しない
洗濯物を、洗濯物出入口25からベロー26及びタブ２の開
口部24並びにドラム４の開口部23を通じてドラム４内に
入れ、そして扉27を閉じ、運転を開始させる。すると、
最初にタブ２内に必要量の水が供給され、次いで、第１
のモータ13が起動される。このため、その回転力が、第
１の駆動プーリ14から第１の伝動ベルト15を経てドラム
プーリ12に伝達され、このドラムプーリ12とドラムシャ
フト５を介して一体的にドラム４が回転される。このド
ラム４の回転により、その内部に収容された洗濯物は、
上方に持ち上げられ、前記タブ２内からドラム４内に入
った水及び洗剤等による洗濯水の存する下方へ落とされ
るということが繰返されて、洗濯される。

次に脱水運転が開始されれば、前記第１のモータ13が
再び起動される。従って前述同様にその回転力が、第１
の駆動プーリ14から第１の伝動ベルト15を経てドラムプ
ーリ12に伝達され、このドラムプーリ12とドラムシャフ
ト５を介して一体的にドラム４が回転される。但し、こ
のときのドラム４の回転は、前述の洗濯運転時のドラム
４の回転が低速の例えば正逆回転であるのに対して、一
方向の高速回転であり、その遠心力により、洗濯物から
ドラム４の通気兼用の通水孔10を通じて水分を振切り排
出する。

そして更に、乾燥運転が開始されれば、第１のモータ
13と共に第２のモータ37が起動される。このため、第１
のモータ13の回転力が、前記洗濯運転時及び脱水運転時
同様に、ドラム４に伝達されて、該ドラム４が回転され
る。このときのドラム４の回転は、一方向の低速回転で
あり、それによって、洗濯物が撹拌される。又、このと
き、第２のモータ37の回転力は、第２の駆動プーリ38か
ら第２の伝動ベルト39を経てファンプーリ22に伝達され
るもので、それにより、そのファンプーリ22と一体にフ
ァン装置16のファン本体17が回転される。従って、ケー
シング18の機外側では、機外の空気が外箱１内に吸入さ
れて、更に通気口29からケーシング18内に吸入され、そ
いて通気口30からダクト32を通じて排気孔31から機外に
排出されるということがを繰返されるものであり、一
方、機内側では、ドラム４内の空気が開口部23を通じて
タブ２の通気孔36からやはりケーシング18内に吸入さ
れ、そして通気口33から排出されて、ダクト34を通じ、
タブ２の通気孔11からタブ２内に戻されて、更にドラム
４の通気兼用の通水孔10からドラム４内に戻されるとい
うことが繰返される。そしてその途中、ケーシング18内
で機外の空気とドラム４内の空気とがファン17（熱交換
器）を境に接することにより、それらの熱交換が行なわ
れ、ドラム４内の空気の除湿が行なわれる。従って、ダ
クト34内にはその除湿され乾燥した空気が通されるもの
で、それをそのダクト34内に配設したヒータ35が熱し、
熱風に変えて、ドラム４内に供給する。このため、ドラ
ム４内の洗濯物は上述のように撹拌されると同時にその
乾燥熱風に触れて、乾燥される。

本実施例によれば、上述のように、熱交換器を兼ねる
ファン本体17を主体とする熱交換形のファン装置16によ
り、ドラム４内空気の循環と機外空気の吸排とを併せて
行ない、そしてそれらの熱交換を行なってドラム４内空
気の除湿を行なうというものであるから、古くからの空
冷式又は水冷式の放熱器にドラム内の空気を通して冷却
し除湿するものに比して、高い除湿性能を得ることがで
きるものであり、それによってその除湿空気が洗濯物に
触れることによって得られる乾燥性能も充分に良く得る
ことができる。

そして、上記ファン装置16にあっては、ファン本体17
を、タブ２の洗濯物出入用の開口部24を囲繞する環状に
形成して、該開口部24の周囲部に回転可能に設けている
のであるから、その開口部24は、ファン本体17をタブ２
のドラム４軸方向端面部側（図中左方の端面部側）に設
ける構成のまま、タブ２の同端面部に形成することがで
きるものであり、従って又、ドラム４の洗濯物出入用の
開口部23も、該ドラム４の軸方向の端面部（図中左方の
端面部）に所望に形成することができる。よって、その
ドラム４の洗濯物出入用の開口部23は、ドラム４が回転
しても、外箱１の洗濯物出入口25に対して常に一定の位
置を占めるようになり、従来のもののようにその位置を
変化させる関係とはならないので、それらを洗濯物の出
入れを行なうときに逐一合致させる機構，装置の必要性
をなくし得、コストの低廉化を達成することができる。

又、このものの場合、ドラム４の周側面部には洗濯物
出入用の開口部を形成する必要がなく、更にそれを通常
閉塞するための振等も必要なくなることに加えて、上述
のドラム４の軸方向の端面部に形成した開口部23は、ド
ラム４の中心部分に位置させることができ、該ドラム４
の回転バランスを悪くすることがないため、全体にドラ
ム４の回転バランスを良くでき、振動の低減化を達成す
ることができる。

更に、本実施例のものの場合には、ドラム４の洗濯物
出入用の開口部23の上述のような形成及びタブ２の洗濯
物出入用の開口部24の同じく上述のような形成に合わせ
て、外箱１の洗濯物出入口25も、該外箱１の前面部に設
け得るもので、それにより、機全体を壁面等に埋込んで
設置するいわゆるビルトインタイプの設置にあっても、
その洗濯物出入口24は埋込位置にすることなく前方に臨
ませ得、洗濯物の出入れに支障を生じないから、その設
置が所望にでき、設置の自由化を達成することができ
る。

［発明の効果］ 以上の記述で明らかなように、本発明のドラム式洗濯
・乾燥機は、タブ内に横軸状にて回転可能に設けられそ
の回転により洗濯物の洗濯及び脱水をし勝つ乾燥運転時
の撹拌をするドラムを具備すると共に、熱交換器を兼ね
るファン本体により前記乾燥運転時に前記ドラム内の空
気を循環させ且つ機外空気を吸入して循環ドラム内空気
と熱交換させ該ドラム内空気の除湿をする熱交換形のフ
ァン装置を具備するものにあって、前記タブのドラム軸
方向端面部に洗濯物出入用の開口部を形成し、該開口部
の周囲部にそれを囲繞する環状に形成した前記ファン装
置のファン本体を回転可能に設けて成るところに特徴を
有するものであり、それによって、除湿性能が良く、従
って乾燥性能も充分に良く得られる上に、洗濯物出入用
の開口部をタブにはドラム軸方向端面部に、又、ドラム
にもその軸方向の端面部にそれぞれ設けることができ
て、コストの低廉化と振動の低減化並びに設置の自由化
を達成できるという優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示した縦断側面図である。 図面中、２はタブ、４はドラム、16はファン装置、17は
ファン本体、23はドラムの洗濯物出入用の開口部、24は
タブの洗濯物出入用の開口部を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】タブ内に横軸状にて回転可能に設けられそ
   の回転により洗濯物の洗濯及び脱水をし且つ乾燥運転時
   の撹拌をするドラムを具備すると共に、熱交換器を兼ね
   るファン本体により前記乾燥運転時に前記ドラム内の空
   気を循環させ且つ機外空気を吸入して循環ドラム内空気
   と熱交換させ該ドラム内空気の除湿をする熱交換形のフ
   ァン装置を具備するものであって、前記タブのドラム軸
   方向端面部に洗濯物出入用の開口部を形成し、該開口部
   の周囲部にそれを囲繞する環状に形成した前記ファン装
   置のファン本体を回転可能に設けて成ることを特徴とす
   るドラム式洗濯・乾燥機。