JP2681353B2 - 電気コネクタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電気コネクタおよびその端子に関する。 従来の技術 既知のコネクタはワイヤ受入れスロットを包含するワ
イヤ接続部分を有する端子を含み、そのスロットには、
端子が予負荷される絶縁ハウジングの開口に挿入される
ツーリングによってワイヤを押込むことによりワイヤを
成端することができる。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、用途によっては、これと同一設計のハ
ウジングであってしかもワイヤ受入れスロットの代りに
圧着フェルールを有する端子を受容しうるハウジングを
用いることが望ましい。このフェルールはワイヤ絶縁層
を圧締してワイヤ芯体を端子と精確に整合させるために
半径方向寸法が増加されている。 この端子を受入れるハウジング内通路の床面にはフェ
ルールを収容するために凹みが形成されるが、そのため
に、ワイヤ受入れスロットを有するワイヤ接続部分を有
する端子をこのハウジングに用いると、端子のスロット
形成部分とハウジングとの間に隙間ができ、そのために
このスロット付き端子部分は、床面に垂直な挿入行程を
持つツーリングによりワイヤをスロットに挿入するため
に加えられる力で変形しかねない。 或る先行技術においては、それぞれの列のワイヤの成
端を可能ならしめるためにハウジングのそれぞれの両側
壁に二つのアクセス開口を設けることが必要であった
が、そのために一つの列の端子の成端後にハウジングを
回転させて他開口をツールと整合させることまたは二つ
の挿入方向に作用する複合ツールを用いることが必要で
あった。 問題点を解決するための手段 本発明によれば、コネクタのスロット形成部分に突耳
を設け、これをワイヤ挿入工程中ウジング床面に係合さ
せて前記部分の圧屈を阻止することができる。 又、ハウジングのツール受入れ開口にツールを挿入す
ることによって、ハウジング内に予負荷されて２列に配
置された端子に、ワイヤを成端することが望ましい。 本発明によれば、そのハウジングは第一および第二の
列即ち上下両列の端子のワイヤ接続部分を縦方向に食違
った状態に取付けて双方のワイヤ接続部分をともにハウ
ジングの一側のみのツール受入れ開口の下方に整合さ
せ、単一方向にのみ作用する挿入行程を持つツールによ
って両列のワイヤを成端できるようにしている。このこ
とは高い生産率の経済的実現のために望ましい組立ライ
ンツーリングの簡単化を可能にする。 さらに加えて、本発明は接触部分およびワイヤ接続部
分が幅を異にすることと、ハウジング内の端子の効果的
な位置決めとを可能にする端子構造を供する。 以上のように本発明によれば、ハウジングと、該ハウ
ジングの接合面からワイヤ受入れ面に向かって延出する
複数列の通路にして下列の通路は上列の通路より長い前
記複数列の通路と、各々がワイヤ接続部分を有しかつ長
さが異なると共に前記通路に受承される複数の端子と、
を有する電気コネクタにして、前記複数の端子の前記ワ
イヤ接続部分を前記ワイヤ受入れ面側に位置するよう対
応する前記通路に配置して前記接続部分にワイヤを接続
する前記電気コネクタにおいて、 前記複数の端子は前記ワイヤ接続部分がワイヤ受入れ
スロットを備えるパネルである圧接型端子及び前記ワイ
ヤ接続部分の半径方向寸法が大きい圧着フェルールを有
する端子の両者から任意に選択した端子を含み、前記圧
着フェルールが位置する前記通路の底面に凹みを設けて
前記圧着フェルールの、前記半径方向寸法が大きい前記
ワイヤ接続部分を受容し、前記パネルに前記凹みの深さ
と略同じ長さの突耳を設けて前記ワイヤを前記ワイヤ受
入れスロットに圧接接続する際前記突耳が前記パネルを
支持して前記端子の下方への変形を防止することを特徴
とする電気コネクタ、が提供される。 以下、それぞれおす型およびめす型の端子を受入れる
ハウジングを包含する、めす型およびおす型のコネクタ
の一例を図面について説明する。 実施例 第１〜６図に示すように、めす型端子（11），（1
1′）は実質的に同一であり単一の金属薄板片から型打
成形されるが、本体部分（13），（13′）（長さを異に
する）によってワイヤ接続部分（14）に結合されたタブ
受入れ部分（12）を包含する。各タブ受入れ部分（12）
は概ねみぞ形断面を有し、該みぞの両側壁の自由縁のそ
れぞれ第一および第二対の延長部（15），（15′）がタ
ブ挿入端においてベース（16）上方で互いに向って曲げ
られてタブ拘束口（17）を画成すると共に、第二延長部
（15′）から前記みぞ内に前方に延びる一対の片持形ば
ね接触アーム（18）を支持し、その自由端（19）が拘束
口（17）の後方位置でベース（16）に隣接する。ベース
（16）の延長部間にある部分（21）は内方に押込まれて
ばねアーム（18）の下方にこれと対向する***したタブ
支持床を供する。 本体部分（13）の両側壁の部分（22）はタブ受入れ部
分（12）に近接する位置で高さが低く、ベース（16）に
は端子二次ロック用コーム（24）を受入れるために開口
（23）が切り開かれる。一対の端子保持つの（25）は高
さの低い部分の後方で両側壁の自由縁から上方に突出
し、つの（25）の後隣には断面山形の側壁延長部（26）
がベース上方で互いに曲げられてハウジングキャビティ
内の端子保持アーム（28）と係合すべき当接部を供す
る。 第６図でよくわかるように、ワイヤ接続部分（14）は
第一および第二の軸線方向に離れた互いに整合するワイ
ヤ受入れスロット（31），（32）により画成されたおお
むね上方開口のボックス構造を呈し、両スロット間には
両側壁の軸線方向に食違った位置から叩き出されたワイ
ヤ圧締アーム（30）が設置される。第一のワイヤ受入れ
スロット（31）は、ベース（40）から叩き出して上方に
曲げられみぞを横切って立上る第一パネル（34）に形成
され、反対縁から延長する一対のロック突耳（35）がみ
ぞの対向側壁に設けられた開口（36）に収容されてパネ
ル（34）を立上り状態に固定する。 第二のワイヤ受入れスロット（32）は一側壁の後方延
長部を垂直軸線の周りに曲げてみぞを横切らせた第二パ
ネル（33）に形成される。第一のロック突耳（37）は直
立縁から延出してみぞの他側壁に入り、第二のロック突
耳（39）は下水平面縁からベースの開口（41）を通して
ベース下方に実質的な長さに突出して、第１図に示すよ
うに、みぞを横切ってハウジング（51）の凹み部分（4
1′）のベースに近接する位置にこのパネル（33）をロ
ックすると共に、ワイヤ挿入中にこのパネル（33）を支
持してその変形ないし圧屈を阻止すべき支柱として作用
する。 ここで注目すべきは、第３図および第４図に示すよう
に、第一スロット（31）は第二スロット（32）よりも小
幅であってワイヤ接続部分（14）の高さ全体にわたって
実質的にベースまで延びているが、第二スロット（32）
のめくら端は第一スロット（31）よりもベースから離れ
ている。 ハウジング（51）はプラスチック材料で一体に成型さ
れ、端子受入れ通路（29），（29′）がそれぞれ上下の
列に配置されて狭いタブ受入れ口（53）で前方の接合面
（55）と連通し、また後方のワイヤ受入れ面（54）と連
通する。ここで接合面（55）とはハウジング（51）の前
端の面をいう。これらの通路（第１図ではキャップ（6
1）によって閉じられている）は後面近くでは上方に開
口しかつ互いに食違っており、下列の通路（29′）が上
列の通路よりも延びている通路軸線を横切る方向のワイ
ヤ成端ツーリングを許容する空隙を供しそれぞれの通路
列の端子のワイヤ接続部分（14）に同時にワイヤを成端
することを可能にする。開口（57）の前方位置の通路天
井からは、自由端に端子係合ノッチ（56）を有するばね
性の端子保持アーム（28）が前方に延出している。 第１図に示すように、各通路の床面は後端近くが段階
状に低くなっており、上列では凹み（42）が、下列では
凹み（41″）が形成され、破線で示した周知の圧着フェ
ルールのワイヤ接続部分を受容することが選択的に可能
になっている。この圧着フェルールは図１において参照
番号（69）によって示された部分である。この圧着フェ
ルールのワイヤ受入れ面（54）に近く位置する。圧着フ
ェルールのワイヤ接続部分（69a）は、下側即ち凹み（4
1″），（42）側の寸法が大きくなっており、換言すれ
ばワイヤ接続部分（69a）の半径方向の寸法が大きくな
っている。下通路の天井の各側には端子保持アーム（2
8）に隣接して一対のリブ（59）が形成され、つの（2
5）と碇着係合して端子をハウジング内に確実に固定す
る。 キャップ（61）もプラスチック材料で成型され、その
前端にはばね性の一列の端子保持アーム（62）が形成さ
れ、また後端には複数の目穴（63）が形成され、これら
の目穴（63）は通路後端の両側壁から立上るフック（6
6）を受入れ、また両側壁から内向きに立上るばね性の
フック（67）と協力してキャップ（61）をハウジングに
ラッチ止めする。 第７図および第８図に示すように、おす型コネクタは
端子（71）とハウジング（72）とを含み、両者ともめす
型コネクタのそれに類似の構造的特徴を有するが、それ
については改めて説明を加えない。 端子（71）はアンプインコーポレーテッドのフランス
特許第2320644号に記載のものと本質的に同じタブ（7
4）を含む。このタブは板片の両側縁部分（75），（7
6）を折返して形成され、両側縁部分の一方（76）は他
方（75）よりも遠く後方に延び、移行区域（77）にはみ
ぞ部取付部分（78）が形成されてこの部分のみぞ両側壁
（79），（80）が縦方向に偏位し、一端はタブ後端で終
り他端はタブ後端の前方に延びてその区域に応力を分散
している。 取付部分（78）とワイヤ接続部分（82）との間の第二
の移行区域（81）においては、両側壁（79），（80）
が、ワイヤ接続部分（82）に近接する端子のベースから
取付部分（78）に近接するみぞの開口即ち上端まで軸方
向前方に延びる線（83）に沿って段階状を呈してワイヤ
接続部分（82）とタブ（74）の間で端子幅が一定度減少
している。これにより端子（71）の長さ沿いに応力が分
散されて端子が効果的に強化される。 ハウジング（72）には複数列のばね性のロックアーム
（85）が形成され、側壁（79），（80）の延長部（8
7），（88）が縦方向に離れた位置で互いに向ってベー
ス上方で曲げられて形成する開口（86）にロックアーム
（85）が受入れられ、ベースから押出されて通路ベース
の肩（92）に係合する当り（91）と協力してハウジング
（72）内に端子（71）をロックし前方移動を防止する。 上述のコネクタの利点は、サイズを異にするワイヤ
（一列を挙げれば撚線のワイヤ芯体で0.35mm²〜1.0m
m²）に適合しうる端子のワイヤ接続部分の構造にあっ
て、その第一ワイヤ受入れスロット（31）は第二のワイ
ヤ受入れスロット（32）よりも弾性大であり、ロック突
耳（39）による支持は同じハウジング設計を用いて拡大
したワイヤ絶縁圧着フェルール付き端子とワイヤ受入れ
スロット付き端子とのいずれをも収容することができ
る。またハウジング内端子保持が特に効果的であり、食
違わせたワイヤ接続部分および通路は、単一の挿入行程
を持つツーリングを用いて下列の通路内、次いで上列の
通路内の端子に対してワイヤの一括成端を行うことが可
能である。 発明の効果 本発明の電気コネクタは、圧着フェルールが位置する
ハウジングの通路の底面に、圧着フェルールの、半径方
向寸法が大きいワイヤ接続部分を受容可能な凹みを設
け、圧接型の端子のパネルには前記凹みの深さと略同じ
長さの突耳を設けた構成であるので次の効果を奏する。 即ち本発明の電気コネクタのハウジングは、突耳を設
けたパネルを備える圧接型端子及び半径方向の寸法が大
きいワイヤ接続部分を備え圧着フェルールを有する端子
と、の両方を選択的に受け入れることができるので、端
子の種類が限定されず応用範囲が広い。 又、ワイヤを圧接型の端子に接続する場合は単一方向
のみから圧接作業ができるので作業性がよい。 さらに、ハウジングの通路の底面に設けた凹みの深さ
と略同じ長さの突耳によって圧接接続時にパネルを支持
するので端子が下方に湾曲して圧屈することが防止され
る。

【図面の簡単な説明】 第１図はめす型コネクタの断面図、第２図はめす型端子
の平面図、第３図は第２図の線３−３による断面図、第
４図は第２図の線４−４による断面図、第５図は第２図
の線５−５による断面図、第６図は同端子のワイヤ接続
部分の斜視図、第７図はキャップを除去した、おす型コ
ネクタの断面図、そして第８図はめす型端子の平面図で
ある。 11,11′……端子（めす型） 71……端子（おす型） 14,82……圧接型端子のワイヤ接続部分 29,29′……通路 31,32……ワイヤ受入れスロット 33,34……パネル 39……突耳 41″……下列の通路の凹み 42……上列の通路の凹み 51,72……ハウジング 54……ワイヤ受入れ面 55……接合面 69……圧着フェルール 69a……圧着フェルールのワイヤ接続部分

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．ハウジングと、該ハウジングの接合面からワイヤ受
   入れ面に向かって延出する複数列の通路にして下列の通
   路は上列の通路より長い前記複数列の通路と、各々がワ
   イヤ接続部分を有しかつ長さが異なると共に前記通路に
   受承される複数の端子と、を有する電気コネクタにし
   て、前記複数の端子の前記ワイヤ接続部分を前記ワイヤ
   受入れ面側に位置するよう対応する前記通路に配置して
   前記接続部分にワイヤを接続する前記電気コネクタにお
   いて、 前記複数の端子は前記ワイヤ接続部分がワイヤ受入れス
   ロットを備えるパネルである圧接型端子及び前記ワイヤ
   接続部分の半径方向寸法が大きい圧着フェルールを有す
   る端子の両者から任意に選択した端子を含み、 前記圧着フェルールが位置する前記通路の底面に凹みを
   設けて前記圧着フェルールの、前記半径方向寸法が大き
   い前記ワイヤ接続部分を受容し、 前記パネルに前記凹みの深さと略同じ長さの突耳を設け
   て前記ワイヤを前記ワイヤ受入れスロットに圧接接続す
   る際前記突耳が前記パネルを支持して前記端子の下方へ
   の変形を防止することを特徴とする電気コネクタ。