JP2680868B2 - 硫化水素を含む供給ガス流れからイオウを回収する方法及び装置 - Google Patents

硫化水素を含む供給ガス流れからイオウを回収する方法及び装置

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JP2680868B2 JP63325692A JP32569288A JP2680868B2 JP 2680868 B2 JP2680868 B2 JP 2680868B2 JP 63325692 A JP63325692 A JP 63325692A JP 32569288 A JP32569288 A JP 32569288A JP 2680868 B2 JP2680868 B2 JP 2680868B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野: 本発明はガス流れの処理に関する。さらに詳細には、
本発明は硫化水素を含有したガス流れの処理に関する。
従来の技術: 硫化水素を含有したガス流れは、通常多くの工業的プ
ロセスからの廃棄物や副生物として生み出される。例え
ば、原油からイオウ分を取り除く石油精製操作時におい
て、二酸化炭素と硫化水素を含有した酸性ガス流れが生
成する。このような硫化水素を含有したガス流れを大気
中に排気する前に、このガス流れを処理してイオウ分を
減らすかあるいは除去する必要がある。硫化水素を含有
したガスを処理するため広く実施されている1つの公知
のプロセスはクラウス法である。本プロセスでは、次式
に従って硫化水素と二酸化イオウを反応させてイオウ蒸
気と水蒸気を形成させる。
SO2+2H2S=2H2O+3S イオウは、S2,S6,及びS8のような種々の異なる分子種
にて気相中に存在する。
クラウス法の第1段階は、流入してくるガス中に存在
する硫化水素の約1/3を燃焼させて次式に従って二酸化
イオウと水蒸気を形成することである。
2H2S+3O2=2H2O+2SO2 本燃焼反応は適切な炉の中で行われ、燃焼用の酸素源
として通常は空気が使用される。炉は、二酸化イオウと
硫化水素との反応が燃焼ゾーンで開始できるように、そ
して燃焼ゾーンの下流で本反応が継続して起こることが
できるように設計される。しかしながら、硫化水素の燃
焼によって得られた温度では、二酸化イオウとの反応に
より残部の硫化水素の約75%以上をイオウに転化するこ
とはできず、通常は50〜70%の硫化水素が転化されるに
すぎない、というのがクラウス反応の特徴である。しか
しながら、触媒の存在下において、200〜350℃の反応温
度で残部の硫化水素の二酸化イオウとを反応させること
によって、より高い転化率を得ることができる(このよ
うな“触媒作用”温度では、温度が低くなるほど、達成
される転化率は高くなる)。従って、ガスが炉のいわゆ
る熱領域を通過した後、炉中で形成されるイオウが凝縮
する温度にまでガスが冷却される。このようにしてイオ
ウが回収される。その後、硫化水素と二酸化イオウとの
間の触媒反応を起こさせるのに適した温度(通常は200
℃のレベル)にまで再びガスが加熱される。次いで触媒
反応が行われ、残部の硫化水素の通常約60%がイオウに
転化される。しかしそれでもなお、100%の転化を達成
することはできない。実際、99.5%以上の転化は、イオ
ウ蒸気が凝縮し、これによって触媒の効率が実質的に低
下してしまうような温度でした達成することができな
い。従って、2段階以上の段階において硫化水素と二酸
化イオウとの触媒酸化反応を行うのが普通であり、先ず
イオウ蒸気の凝縮が行われ、次いで硫化水素含有ガスの
流れの再加熱が各段階間において行われる。
各触媒反応段階前のガスの再加熱を行うのに種々の方
法を使用することができる。例えば、供給ガス混合物の
ごく一部を炉の上流から方向転換させ、インラインのバ
ーナー中で完全燃焼させて二酸化イオウにすることがで
きる(通常、各触媒反応器の上流にはこのようなバーナ
ーが1つある)。次いで、高温の二酸化イオウ含有ガス
を、各触媒反応器の上流にてメインのガス流れと混合
し、これによって再加熱が果たされる。またこれとは別
に、炉から出るメインのガス流れを冷却するのに使用さ
れる廃熱ボイラーからメインガス流れの一部を取り出
し、インラインバーナーの場合と同じ方法で実施するこ
とができる。さらに別の方法では、例えば再加熱を果た
すための蒸気との間接的な熱交換を利用する。
通常、このような段階を2又は3段階経た後、最も下
流の段階で形成されたイオウがガス流れから凝縮され、
次いでこの凝縮されたイオウが、比較的希薄の硫化水素
流れを取り扱うための公知のテールガス・クリーンアッ
プ・プロセス(例えば、スコット法、ビーボン法、又は
ストレットフォード法)に通されるか、あるいは灰化さ
れる。
基本的なクラウスプロセスに対して多くの変形が可能
である。これらの変形のいくつかについては、H.フィッ
シャーによる“イオウのコストはプロセスの選定によっ
て変わる”(炭化水素プロセシング,Mar.1979,pp125−1
29)という報文にまとめられている。
近年、比較的イオウ含量の高い石油を使用する傾向に
あり、さらにまたイオウ含有ガスの大気中への排気に関
する限り、環境基準はますます厳しくなる傾向にある。
従って、ますます多くの硫化水素含有流れを処理する必
要があり、硫化水素含有ガスに対する処理能力をもっと
アップしなげればならない。例えばもし可能であれば、
現行のクラウスプラントがイオウを生成することのでき
る速度を増大させるのが望ましい。実際、増大した処理
量の硫化水素含有ガスをこのようなプラントが処理でき
る能力には限界がある。燃焼に必要な酸素を供給するた
めに、ガス混合物中の各6容の硫化水素に対して約14容
の空気が必要とされることが明らかとなっている。例え
ばM.R.グレイとW.Y.シュバセクによる“クラウスイオウ
プラントにおける酸素の使用”(1981年ガス・コンディ
ショニング・コンファランス)と題する報文、及び“プ
ラント変形によるイオウ回収能力の向上”(オイル&ガ
スジャーナル,1984年8月20日,pp108−112)と題する報
文においては、空気の代わりに市販の高純度酸素を使用
することによって、そしてこれによりプロセスを流れる
ガス混合物中の窒素の割合を減らすことによって、現行
のクラウスプロセスの能力を増大させることができる、
と提案されている。しかしながら実際上、多くのプラン
トにおいては、本方法によって達成することのできる能
力アップの程度には限度がある、というのは、窒素の容
積が減少すると、炉からの出口温度が、炉につきものの
廃熱ボイラーもしくは熱交換器が耐えることのできない
ような、あるいは炉の耐火ライニングが耐えることので
きないような高温になってしまうからである。実際、ガ
ス流れ中の硫化水素の濃度が増すにつれて、大幅な能力
アップを達成する可能性は少なくなる、特に、80容量%
以上の硫化水素を含有した供給ガス流れに対しては、こ
のような可能性は限定されてしまうことが多い。
従って最近では、高濃度の硫化水素流れの燃焼を維持
するのに高純度酸素もしくは酸素含量の多い空気を使用
できるようにクラウスプロセスを改良しようとする多く
の提案が当技術者によってなされている。これらの提案
の殆どは、燃焼領域もしくはこれに連結した熱反応領域
に異質の流体を導入して温度を適度なレベルに低下させ
る、というものである。EP165,609Aにおいては、本流体
はあるガス流れであり、イオウ凝縮器の下流で再循環さ
れる。類似の再循環について開示している他のプロセス
が、米国特許明細書3,681,024及び4,552,747に説明され
ている。
EP199,507Aは、燃焼領域及びそれに連結した熱反応領
域の温度を適度なレベルにするために液状又は蒸気を使
用することを開示しており、EP195,447Aは硫酸の使用
を、またEP220,610Aは液状イオウの使用を開示してい
る。しかしながら、これらの提案のいずれにも、クラウ
スプロセスに対する基本的な変更は含まれていない。こ
れらの提案では、流入してくる硫化水素の約65〜70%を
イオウに転化さるのに依然として単一の燃焼−熱反応領
域を使用しており、残部の硫化水素の殆どはそのあとの
複数の触媒作用段階にてイオウに転化される。
クラウスプロセスに対するより大幅な変形が、EP237,
216AとEP237,217Aに開示されている。これらの文献にお
いては、高濃度の硫化水素供給原料のごく一部が、第1
の燃焼ゾーンにおいて高純度酸素を使用して完全燃焼さ
れ、得られた燃焼生成物が冷却されて主要な燃焼ゾーン
−熱反応領域へと導入され、そこにおいて残部の硫化水
素供給原料の一部が高純度酸素を使用して燃焼されて二
酸化イオウと水蒸気となり、この二酸化イオウが硫化水
素と反応してイオウ蒸気を形成する。しかしながら、本
方法は従来のクラウスプロセスの熱的部分を大幅に変え
たにもかかわらず、そのあとに続く触媒反応段階を不要
にするところまでは至らず、また必要とされる触媒反応
の量を実質的に減らすこともできない。
米国特許明細書第3,331,733号は、燃焼を維持するた
めに実質的に高純度の酸素が供給される2つの燃焼−熱
反応領域に適切に使用した形のクラウスプロセスを開示
している。第3の反応領域がさらにあり、当該第2領域
の下流から第1の燃焼−熱反応領域までガスが再循環さ
れる。再循環の目的は、燃焼−熱反応領域の温度を適度
なレベルにすることにある。
EP212,297A及びEP234,894Aに開示されている場合で
は、このような再循環は不要である。第1燃焼ゾーンに
おいて1/3よりかなり少ない量の硫化水素を燃焼させる
ことによって、ガスを本燃焼ゾーンに再循環させる必要
はなくなる。
EP212,297A及びEP234,894Aには、硫化水素含有ガスが
流れからイオウを回収する方法が開示されており、この
場合、クラウス反応によって得られる水蒸気が、イオウ
の融点より高い温度にてイオウ蒸気と同時に凝縮され、
次いで水と液状イオウが分離される。引き続いた触媒反
応段階においてより高い転化率が得られ、高温で操作す
るとさらに有利となる。燃焼領域における燃焼を維持す
るために高純度酸素を使用する場合、温度を適度なレベ
ルにするのに再循環ガスが使用される。EP212,297Aのあ
る1つの実施例においては、硫化水素をイオウに転化さ
せるのに、熱反応領域を1つだけ使用し、触媒反応領域
は全く使用していない。残部の硫化水素が二酸化イオウ
に転化され、生成物とし捕集される。従来のクラウスプ
ロセス(すなわち、燃焼を維持するのに空気を使用す
る)における燃焼−熱反応領域の下流にて、第2の熱反
応領域が、2つの熱反応領域の中間にイオウ凝縮器と共
に使用された場合、イオウ凝縮器と第2熱反応領域(こ
れによって本プロセスは非経済的となる)との間で予備
加熱を行う必要が生じる。従って、従来のクラウスプロ
セスでは、ただ1つの熱反応段階を使用した後に複数の
触媒反応段階を使用する、上述した先行技術から、熱反
応段階に連結した1つ以上の燃焼ゾーンにおいて高純度
酸素又は酸素含量の多い空気を使用しても、さらにイオ
ウ生成物が得られるならば、残部の硫化水素を触媒反応
により転化させる必要は実質的になくなることがわか
る。通常、触媒反応により、本プロセスを実施するのに
使用されるプラントに対して大きな圧力降下が引き起こ
される。さらに、触媒は一般には高価な物質である。そ
れゆえ、触媒反応による転化が必要とされる程度を少な
くしなければならない。
供給原料中に存在する硫化水素のイオウ分の少なくと
も80%を熱的にイオウに転化させる、という必要性を満
たすことのできるような方法と装置を提供することが本
発明の目的である。
本発明によれば、硫化水素を含む供給ガス流れからイ
オウを回収する方法であって、少なくとも3つの段階か
らなる系統に前記供給ガスを通し、それぞれの段階にお
いて、燃焼を維持するための酸素を使用して前記硫化水
素の一部を燃焼させ、生成した二酸化イオウの一部を80
0℃より高い温度で残部の硫化水素と反応させてイオウ
蒸気と水蒸気を形成させ、得られたガス混合物から前記
イオウ蒸気を分離し、このとき前記供給ガス中に存在す
る硫化水素のイオウ分の少なくとも80モル%が800℃よ
り高い温度にてイオウ蒸気に転化され、前記供給ガス中
に存在する硫化水素のイオウ分の最大80モル%までが第
1段階において未反応のままであるような方法が提供さ
れる。
さらに本発明によれば、硫化水素を含有する供給ガス
流れからイオウを回収するための装置であって、少なく
とも3つの炉からなる系統を含み、それぞれの炉は、使
用時において流入してくる硫化水素を一部が酸素の存在
下で燃焼されて二酸化イオウと水蒸気を形成するような
燃焼ゾーン;前記二酸化イオウの一部が800℃より高い
温度で残部の硫化水素と反応してイオウ蒸気と水蒸気を
形成することのできるような熱反応ゾーン;及び得られ
たガス混合物からイオウ蒸気を分離するための、熱反応
ゾーンと連結した手段を有し、このとき各燃焼ゾーンは
酸素源と繋がった固有の入口を有し、これによって前記
供給ガス中に存在する硫化水素のイオウ分の少なくとも
80モル%が800℃より高い温度にてイオウに転化すると
ができ、前記供給ガス中に存在する硫化水素のイオウ分
の最大80モル%までが最も上流の炉において未反応のま
まであるような装置が提供される。
前記系統は、4つ又は5つの段階、従って4つ又は5
つの炉からなるのが好ましい。各系統において転化され
る硫化水素の相対量は、比較的上流の燃焼ゾーン又は比
較的上流の熱反応ゾーン(又はその両方)の温度を適度
なレベルにするために比較的下流の段階の生成物を再循
環することを不必要にするよう選定するのが望ましい。
流入してくる硫化水素のイオウ分の、好ましくは85モル
%以上、最も好ましくは90モル%以上が800℃以上の温
度で熱的にイオウに転化される。
流入してくる硫化水素の少なくとも85容量%を熱的に
イオウに転化させることによって、触媒反応による転化
の必要性は少なくなるかあるいは全くなくなる。供給ガ
スを前記系統に通過させた後、最終的な5〜10%の硫化
水素を処理するのに用いられる従来の種類の“テールガ
ス・クリーンアップ”プラントにおいて使用される触媒
は別として、本発明による方法及び装置では触媒による
転化反応段階を必要としない。従って、従来のクラウス
プロセスにおいて触媒による転化反応段階を使用したと
きにつきものの欠点を取り除くことができる。さらに、
前述したような、比較的上流の熱反応ゾーン又は燃焼ゾ
ーンの温度を適度なレベルにするために、比較的下流の
段階の生成物を最循環する必要はない。従って、燃焼反
応及びクラウス反応を行うのに使用される炉のサイズは
小さく抑えることができる。燃焼を維持するのに実質的
に高純度の酸素を使用すると、従来のクラウスプロセス
を実施するためにプラントを通過する窒素のような“不
活性”ガスの容積が少なくなり、これによって本発明を
実施するのに使用される炉のサイズが小さく抑えられ易
くなる。
本発明の好まし実施態様においては、複数の段階から
なる前記系統の順序における第3段階及びさらに下流の
段階に入ってくる硫化水素含有ガス混合物が、一般には
400又は500〜700℃の範囲の温度に予備加熱される。通
常、本発明の方法の各段階における硫化水素含有ガス混
合物からのイオウ蒸気の分離は、当該段階の炉から出た
ガス混合物を冷却し、次いで冷却したガス混合物を凝縮
器に通すことによって行われ、凝縮器にてさらに冷却が
行われてイオウ蒸気が凝縮する。本発明による方法のあ
る選定された段階の上流での硫化水素含有ガス混合物の
予備加熱は、本発明による方法の他の算定された段階に
おける凝縮器と炉との中間に位置する熱交換器で行われ
るのが好ましい。従って、予備加熱されつつあるガス
は、当該段階において炉から凝縮器へと通過しているガ
スに対してある程度の冷却を果たしていることになる。
冷却の残りの部分は、それぞれの炉のすぐ下流の廃熱ボ
イラーで行われるのが好ましい。本発明による方法の1
つの典型的な実施例では、4つの段階がある。予備加熱
は、第3段階及び第4段階の上流で行われる。第3段階
の上流においては、第1段階の炉に連結した廃熱ボイラ
ーから第1段階の凝縮器へと通過しているガスとの熱交
換によって予備加熱が行われ、第4段階の上流での予備
加熱は、第2段階の炉に連結した廃熱ボイラーから第2
段階の凝縮器へと通過しているガスとの熱交換によって
行われる。第3段階以降の段階の上流で硫化水素含有ガ
ス混合物を予備加熱することによって、予備加熱しない
場合よりも、これらの段階において安定な炎を保持する
ことが可能となり、また硫化水素の二酸化イオウとの間
の吸熱反応に対して高い温度を得ることが可能となる。
このような高温が得られることにより、選定された段階
に入ってくる硫化水素をより多くのイオウ蒸気に転化さ
せることができるのである。
第3段階及びそれに続く段階の上流での予備加熱に代
わる方法として、あるいはこれに加えて、供給ガス混合
物の一部をバイパスして、第3段階及びそれに続く下流
の段階において燃焼させることができる。
さらに別の方法として、第3段階及びれに続く段階の
それぞれにおいて、硫化水素の他に燃料を燃焼させる方
法がある。このような燃料としては、例えばアンモニ
ア、水素、又は炭化水素等が使用できる。比較的下流の
段階でのアンモニアの燃焼は、触媒転化反応の段階が使
用されていない場合は許容できる。しかしながら、炭化
水素又は他の炭化水素含有燃料を使用する場合、燃焼反
応において二硫化炭素が形成され、従って硫化水素のイ
オウへの全体的な転化率はやや減少する傾向にある。
酸性水抜き取りガス(通常、硫化水素の他に、相当量
のアンモニアと水を含有している)をアミンガス(硫化
水素の含量が比較的多い)と混合するよりむしろ、酸性
水抜き取りガスの一部を精油所にて利用できるさらなる
代替法において第3段階及びそれに続く段階に方向転換
させ、各段階において燃焼させることもできる。本パラ
グラフにて説明した代替法のいずれも実施しない場合、
第3段階及びそれに続く段階の上流に加えて、第2段階
の上流でもガス混合物を予備加熱するのが好ましい。
次に、添付図面を参照しつつ、実施例によって本発明
を説明する。
第1図を参照すると、図示した装置は、硫化水素を含
有したガス混合物からイオウを回収するための4つの段
階10,20,30,40からなる系統を含んでいる。
本装置は、広範囲の組成を有する硫化水素含有ガス混
合物の流れからイオウを回収するのに使用することがで
きるが、少なくとも50容量%の硫化水素を含有した流
れ、特に70容量%以上の硫化水素を含有した流れからイ
オウを回収するのに適している。一般には、硫化水素を
含有したガス流れの発熱量が高くなるほど、硫化水素と
二酸化イオウとの間の熱反応の4つ以下の段階で、硫化
水素含有ガス混合物から少なくとも90%のイオウを回収
することがより容易となる。
第1図に示されているように、供給ガス混合物は、パ
イプライン2を通して装置に導入される。パイプライン
2はバーナー(図示せず)への入口で終結しており、本
バーナーにより本発明の方法の第1段階の一部をなして
いる炉12中に炎が送られる。通常は、供給ガス混合物の
全てが炉12に供給されるわけではない。代わりに、供給
ガス流れの約20〜30%以下が本発明の方法の下流の段階
に方向転換される。
炉12における燃焼を維持するために、工業的に高純度
の酸素又は酸素含量の多い空気が、パイプ4を経て炉12
のバーナー(図示せず)に供給される。酸素源は高純度
であることが好ましい。酸素中に窒素が存在すると、第
1図に示した装置のトータルとしての処理能力が減少す
る。硫化水素を含有したガス混合物と酸素の炉12への相
対的な供給割合は、主として温度制限条件によって決ま
る。
これらの温度制限条件は、通常、炉12が耐えることの
できる最高温度、及び炉12からのガス混合物を冷却する
のに使用される下流の熱交換装置により許容される最高
入口温度である。これらの制限条件の下で、1150〜1450
℃の範囲の最高炎温度が炉12内にて得られる。硫化水素
の燃焼は、次式に従って化学量論的に進行する。
2H2S+3O2=2H2O+2SO2 従って、ある定めたモル分率の硫化水素が二酸化イオ
ウに転化されるように、単位時間に炉12に入る硫化水素
と酸素の比率を選定することができる。従来のクラウス
プロセスにおいては、入ってくる硫化水素の約1/3を燃
焼させる必要があるので、この点を比べると本発明のプ
ロセスには大きなフレキシビリティがあることになる。
しかしながら、硫化水素の燃焼によって二酸化イオウが
形成される速度は、硫化水素が炉12に入ってくる速度の
1/3未満である。例えば、炉12に入ってくる硫化水素の
約16〜17容量%を燃焼させて二酸化イオウにすることが
できる。硫化水素の燃焼によって形成された二酸化イオ
ウは、次式に従って硫化水素とクラウス反応を行って、
イオウ蒸気と水蒸気を生成する。
SO2+2H2S=2H2O+3S 硫化水素と二酸化イオウの反応の吸熱特性の結果、反
応ガスの温度は低下し、イオウ蒸気、水蒸気、及び未反
応の硫化水素と二酸化イオウを含有したガス混合物は、
理論燃焼温度より50〜100℃低い温度で炉12を出る。本
ガス混合物は、廃熱ボイラー14中で温度が低下する。温
度低下の結果、廃熱ボイラー14において蒸気が放出され
る。従来のクラウスプロセスと異なり、ガス混合物の温
度は、廃熱ボイラー中において、イオウ蒸気を回収する
ために凝縮器を直ちに導入するのに適したレベルより上
のレベルにまで低下されない。
通常、廃熱ボイラー14において、温度が500〜700℃の
範囲に低下される。さらに廃熱ボイラー14の下流にて、
気体−気体熱交換器16中で温度が低下される。ガス混合
物は、従来タイプのイオウ蒸気凝縮器に入るのに適した
温度にて、熱交換器16を出る。イオウ蒸気(水蒸気では
なく)を凝縮器18中で凝縮し、得られた凝縮物をガス混
合物から分離し、そいてイオウ・シール・ピット(図示
せず)に通す。ガス混合物は、約125〜200℃の範囲の温
度で、実質的にイオウ蒸気を含まずに、イオウ凝縮器18
を出る。次いでガス混合物は、本発明によるプロセスの
第2段階20に進む。
第2段階においては、ガス混合物中のさらなる割合の
硫化水素がバーナー(図示せず)中で燃焼され、このバ
ーナーは、燃焼を維持するために入口24を通して供給さ
れる工業的に高純度の酸素(又は、好ましさは劣るが酸
素含量の多い空気)を使用して炉22中に炎を送ってい
る。炉22は第1段階における炉12と類似しており、本発
明のプロセスの第1段階10において燃焼されるときの速
度と類似の速度で硫化水素が燃焼される。第1段階の場
合と同じように、バーナーの炎ゾーンにおいて過剰の温
度上昇が起きないようにすることが重要である、という
のは温度が上がり過ぎると炉自体が損傷を受けるか、あ
るいは下流の熱交換器に対して損傷を引き起こすとがあ
るからである。炉22においては、通常1150〜1450℃の範
囲の炎温度が得られる。
炉22においては、二酸化イオウと硫化水素との反応も
起こる。硫化水素と二酸化イオウとの反応は吸熱反応の
ため、ガス混合物が炉22を出るときの温度は、炉22のバ
ーナーの炎ゾーンにて生じた最高温度より低くなる。従
って、ガスは、理論燃焼温度より50〜100℃低い温度で
炉22を出る。次いで先ず第一に廃熱ボイラー26(廃熱ボ
イラーにおいては、ガスの温度を500〜700℃に下げるた
めに蒸気が上昇される)に通すことによって500〜700℃
の温度に冷却され、そして第二に熱交換器28中における
気体−気体熱交換によって冷却される。ガス混合物は、
イオウ蒸気が縮合するのに適した温度で熱交換器28を出
る。次いでガス混合物は凝縮器29に入り、そこでガス混
合物の実質的に全てのイオウ蒸気が凝縮する。得られた
凝縮物がガス混合物から分離され、イオウ・シール・ピ
ット(図示せず)に進む。ガス混合物(実質的にイオウ
蒸気を含まない)は約125〜200℃の温度で凝縮器29を出
て、本発明によるプロセスの第3段階へと進む。
本発明によるプロセスの第1段階10においては、硫化
水素の燃焼によって形成しうる二酸化イオウの量は、炉
12又は下流の廃熱ボイラー14がその運転時間に対して耐
えることのできる最高温度により制限があるけれども、
第3段階ではこのような制限条件はない。通常、本発明
によるプロセスの最初の2つの段階(第1及び第2段
階)は、入ってくる硫化水素の70%以上をイオウ蒸気に
転化するのに有効である。従って、ガス混合物中の硫化
水素の分圧は、最初の2段階(第1及び第2段階)より
も第3段階の方が低い。さらに、最初の2段階ではクラ
ウス反応による燃焼によって相当量の水蒸気が形成さ
れ、このため第3段階における硫化水素(及び二酸化イ
オウ)の分圧は一層減少することになる。さらに、水蒸
気は第3段階における熱を吸収する。従って、第3段階
にて得られる温度は第1及び第2段階での温度より相当
低くなる傾向があり、このため第3段階に入ってくる硫
化水素のイオウ蒸気への転化率は減少し、また炎温度
は、炎の安定性がそこなわれそうになるほどにまで低く
なる傾向がある。しかしながら第1図に示した装置にお
いては、2つの手段を組合わせることによって、これら
の傾向は有効に防止されている。これらの手段の第1
は、第1段階20の凝縮器29を出るガスが予備加熱され
る、というものである。この予備加熱は、第1段階の熱
交換器16における熱交換によって行われる。従って、第
1段階の炉12を通過したガス混合物は、第2段階の凝縮
器29と第3段階の炉32との中間におけるガスに熱を与え
る(このとき、ガス混合物は冷却される)。炉12と22に
おける燃焼を維持するために実質的に高純度の酸素を使
用すると、反応に関与することなく第1図に示した装置
を流れる窒素のようなガスの量を必要最小限に保持する
ことができる、という点に留意すべきである。最初の2
段階において、燃焼を維持するために空気を使用する
と、第1段階を出たガスとの熱交換により第3段階にお
いて必要な温度に上昇させることは不可能となるであろ
う。
第3段階30の炉32において十分な炎温度を得るために
使用される、またこれによって炉32からのガス出口温度
を許容しうる程度に高く保持するために使用される第2
の手段は、第1図に示した装置に入ってくる硫化水素含
有ガス混合物の一部を第3段階にバイパスさせるとであ
る。通常、硫化水素を含有した流入ガス混合物の約5〜
10容量%がバイパスされる。このガスは、炉32のすぐ上
流にて、予備加熱されたガス混合物と混合される。発熱
量の異なる2つのガス流れ−例えば、酸性水抜取ガスと
アミンガス−を混合することによって硫化水素含有ガス
混合物が形成される場合、酸性水抜取ガスの一部がアミ
ンガスと混合される場所の上流で第3段階にバイパスさ
れる。
熱交換器16を出た予備加熱された硫化水素含有ガス混
合物は、2つの流れにて炉32に入る。このうちの1つの
流れは、炉32に炎を送り込んでいるバーナー(図示せ
ず)に進む。本バーナーにはさらに、入口34から工業的
に高純度の酸素が供給される。さらに、硫化水素の燃焼
によって二酸化イオウが形成される。酸素が炉32に送り
込まれる速度は、硫化水素がバイプライン2に入る速度
の1/20〜1/60の速度で二酸化イオウが炉32内にて形成さ
れるような速度である。さらに炉32においては、残部硫
化水素の二酸化イオウとの間にクラウス反応が起こっ
て、イオウ蒸気と水蒸気が形成される。得られたガス混
合物は、通常は理論炎温度よりやや低い温度で炉32を出
て、廃熱ボイラー36において、イオウ蒸気を除去するた
めの凝縮器に入るのに適した温度まで冷却される。ガス
は廃熱ボイラー36を出てイオウ凝縮器38に進み、そこで
ガス混合物からイオウ蒸気が凝縮され、分離される。得
られたイオウ凝縮物はイオウ・シール・ピット(図示せ
ず)に進み、一方イオウを含まない残りのガスは、本発
明によるプロセスの第4段階40に進む。
本発明のプロセスによる第4段階の運転は、第3段階
の運転と類似している。凝縮器38を出たガスは、廃熱ボ
イラー26から凝縮器29へと向かって熱交換器28を通過し
てきたガス混合物との熱交換によって予備加熱される。
このようにしてガスが予備加熱されると、廃熱ボイラー
26から凝縮器29への通過しつつあるガスに対して冷却が
なされることになる。さらに入ってくる硫化水素含有ガ
ス混合物の約5〜10%が、第1段階の上流から第4段階
40へとバイパスされ、第4段階40の一部を形成している
炉42に入る。これらの手段は、第4段階の炉42において
安定な炎を保持するのに、また得られる温度を増大させ
るのに有効であり、これによって第4段階40における硫
化水素のイオウへの転化率が高くなる。第3段階30から
の予備加熱されたガス混合物は2つの流れに分けられ、
このうち1つの流れは、炉42に炎を送り込んでいるバー
ナー(図示せず)を通して炉42に導入される。硫化水素
の燃焼を維持するために、パイプ44を通して工業的に高
純度の酸素がバーナーに供給される。通常、第4段階の
バーナーへの酸素の供給速度は、硫化水素がパイプライ
ンに入る速度の約1/30〜1/60の速度で炉42にて燃焼され
るような速度である。炉42においては、硫化水素の燃焼
に加えて硫化水素と二酸化イオウとの間に反応が起こ
り、これによってさらにイオウ蒸気が形成される。通
常、得られたガス混合物は、炉42における理論炎温度よ
り約50〜100℃低い温度で炉42を出て、廃熱ボイラー46
において、イオウ蒸気の凝縮器へと導入されるのに適し
た温度にまで冷却される。ガス混合物は、廃熱ボイラー
を出るとイオウ凝縮器48へと導入され、そこでイオウ蒸
気が凝縮される。得られたイオウ凝縮物をイオウ・シー
ル・ピット(図示せず)に通し、一方残留ガスは、従来
タイプのテールガス・クリーンアップ・プラント(ガス
混合物を精製するために取りつけられており、焼却炉に
接続されている)に通すことができるように硫化水素ガ
ス(例えば、10容量%未満の硫化水素を含有したガス)
で十分に希釈される。テールガス・クリーンアップ・プ
ラントを使用する場合、スコットタイプであってもビー
ボンタイプであってもよい。
第1図に示したプラントを使用すると、比較的高濃度
の硫化水素含有供給ガスの少なくとも85%の、そして一
般には90%以上の硫化水素分をイオウ蒸気に転化させる
ことができ、これによって焼却に適した、あるいは上記
のスコットタイプもしくはビーボンタイプのプラントで
の処理に適したガス混合物が得られる。本結果は、テー
ルガス・クリーンアップ・プラントの上流にて触媒反応
転化段階を使用しなくても達成することができる。従っ
て、従来のクラウスプロセスの触媒反応転化段階につき
ものの比較的大きな圧力降下が避けられる。さらに、本
プロセスの比較的下流の部分においてガスを予備加熱す
るために本プロセスの上流部分にてガスを使用すること
によって、また少量の硫化水素を第1段階から第3及び
第4段階にバイパスされることによって、プロセスにお
いて使用される炉の数を4つに限定することができる。
図面の第2図(第2図では、第1図に示したプラント
と類似の部分は第1図に使用したのと同じ参照番号で示
されている)を参照すると、第1図のプラントと類似の
原理で運転される、硫化水素からイオウを回収するため
のプラントが示されている。第1図のプラントと第2図
のプラントとは2つの大きな違いがある。第一に、入っ
てくる供給ガスは全て第1段階の反応炉12進み、第3段
階及びそれに続く段階には全くバイパスされない、とい
う点である。第二に、第3段階及び第4段階のそれぞれ
炉32と42において、燃料(例えば炭化水素、但し好まし
いのはアンモニアや水素のような炭素非含有燃料であ
る)を燃焼させて、当該炉中の温度を増大させる、とい
う点である。本燃料は硫化水素を含有したガス流れと混
合してもよいし、あるいはまた図示した如く、それぞれ
パイプ35と45を通して導入される第3段階の炉32と第4
段階の炉42の両方において別々に保持することもでき
る。ある選定された段階にて燃料が硫化水素と別々に燃
焼される場合、均一な炎温度が得られるよう、それぞれ
の燃焼生成物を混合するのが望ましい。その他の点につ
いては、第2図に示した装置及びその運転方法は第1図
の場合と同じである。
本発明のプロセスにおいては、第3段階及びそれに続
く各段階の上流にて硫化水素含有ガス混合を予備加熱す
ることは必須ではない。またこれとは別に、供給ガスの
流れを2つのほぼ等しい流れに分割し、その流れの1つ
を第3段階にバイパスさせてもよい。添付図面の第3図
にこのようなプロセスを示す。第3図を参照すると、図
示した装置には硫化水素含有ガス混合物を導入するため
のパイプライン52が含まれており、このパイプラインは
第1段階50の一部を形成している炉56への入口54と繋が
っている。通常、入口54はバーナー(図示せず)と繋が
っていて、このバーナーが炉内に炎を送り込む。工業的
に高純度の酸素(又は好ましさは劣るが酸素含量の多い
空気)のための入口58も本バーナーと繋がっている。炉
56の運転は、第1図に示した炉12の運転に類似してい
る。硫化水素、二酸化イオウ、イオウ蒸気、及び水蒸気
を含有したガス混合物は理論炎温度より50〜100℃低い
温度で炉56を出て、廃熱ボイラー58において、イオウ蒸
気が凝縮するのに適した温度にまで冷却される。廃熱ボ
イラー58においては、さらにスチームを生成される。下
流の凝縮器59にてガス混合物からイオウ蒸気が凝縮し、
得られた凝縮物をイオウ・シール・ピット(図示せず)
に通す。次いでガス混合物は本プロセスの第2段階60に
進む。
第2段階60は、さらに硫化水素をイオウ蒸気に転化さ
せるための炉62を含む。硫化水素含有ガス混合物は、炉
62に炎を送り込んでいるバーナー(図示せず)を通して
炉62へと入る。本バーナーはさらに、工業的に高純度の
酸素(又は、好ましさは劣るが酸素含量の多い空気)を
導入するための入口64を有する。炉62の運転は、第1図
に示したプロセスの第2段階における炉22の運転にほぼ
類似している。従って、別の割合の硫化水素が炉62にお
いてイオウ蒸気に転化され、硫化水素、二酸化イオウ、
イオウ蒸気、及び水蒸気を含むガス混合物が理論炎温度
より50〜100℃低い温度で炉62を出て廃熱ボイラー66に
進み、ここでイオウ蒸気が凝縮するのに適した温度にま
で冷却される。廃熱ボイラー66においては、スチームも
生成される。冷却された硫化水素含有ガス混合物はイオ
ウ凝縮器68に入り、ここでイオウ分が凝縮し、得られた
凝縮物イオウ・シール・ピット(図示せず)に通され
る。
イオウ凝縮器68を出たガス混合物は、硫化水素含有ガ
ス混合物の他の流れ(パイプライン52において入ってく
る硫化水素含有ガス混合物を2つの別々の流れに分割す
ることによって形成されたもの)と混合される。次いで
得られた混合物は、イオウ転化の第3段階70に入る。特
に第3図に示したプラントにおいてパイプライン52を通
して入ってくる硫化水素含有ガス混合物が硫化水素を比
較的高濃度で含有している場合(例えば、硫化水素を70
容量%以上含有)、ガス混合物とほぼ等しい2つの流れ
に分割し、分割した流れの1つを本プロセスの第2段階
から第3段階へと進んできたガスと引き続き混合する
と、第3段階70に入るガスの発熱量が増大し、従って、
第3段階70の一部を形成している炉72において比較的高
い温度を得ることができ、このとき第1図と第2図に示
したプラントの場合のようにガス混合物を予備加熱する
ための熱交換器を使用する必要もないし、あるいはまた
第2図に示したプロセスの場合のように第3図段階に別
の燃料ガスを導入する必要もない。
第1、第2、及び第3段階は、全体として、パイプラ
イン52に入ってくる供給ガス中の硫化水素の約1/3を燃
焼させて二酸化イオウが形成されるように運転するのが
好ましい。
第1段階においては供給ガス中に含まれている硫化水
素の25%以下のイオウに転化されるが、第3段階の終わ
りには85%以上がイオウに転化される。第3段階70の炉
72及び他の炉において燃焼される硫化水素の相対量は、
これに応じて選定される。硫化水素含有ガス混合物は、
炉72に炎を送り込んでいるバーナー(図示せず)を通し
て炉72に入る。本バーナーはさらに、硫化水素の燃焼を
維持するのに使用される酸素(又は、酸素含量の多い空
気)を導入するための入口74を有する。ガスを炉72に導
入する相対速度は、所望の量の硫化水素の燃焼が得られ
るように調整される。燃焼の結果形成される二酸化イオ
ウは、残部の硫化水素と反応してイオウ蒸気を生成す
る。得られたガス混合物は、理論炎温度より50〜100℃
低い温度で炉72を出て、廃熱ボイラー76において、イオ
ウが凝縮するのに適した温度にまで冷却される。なお、
廃熱ボイラー76ではスチームも形成されている。次いで
冷却されたガス混合物は凝縮器78に進み、ここでイオウ
蒸気が凝縮する。得られた凝縮物はイオウ・シール・ピ
ット(図示せず)に通される。通常、凝縮器78を出たガ
スの硫化水素濃度は、20容量%以下である。ガスを触媒
反応処理段階に通してもよい。本段階においては、硫化
水素と二酸化イオウとの間に反応が起こって、ガス混合
物がテールガス・クリーンアップ・プラントで精製する
のに適したレベルまで、あるいは焼却するのに適したレ
ベルにまで硫化水素の濃度が減少するようになってい
る。従って、第3図に関して説明したプロセスは第1図
及び第2図に関して説明したプロセスほど好ましくはな
いが、それでもなお、2つ以上の触媒反応段階を使用し
ている従来のクラウスプロセスよりも有利である。
本発明によるプロセスの運転の実施例を以下に記載す
る。本実施例は、第3図に示した装置を、次のような変
更を施した状態で運転したときのコンピュータ・シミュ
レーションに基づいている。第一に、供給ガスは全て転
化の第1段階50に入り、第3段階に方向転換されて進ん
でくるものはない。第二に、凝縮器68を出るガスは、廃
熱ボイラー66と凝縮器68との中間で熱交換器(図示せ
ず)にて500℃に予備加熱される。本プロセスのシミュ
レーションにおいて使用されているコピュータ・プログ
ラムは、各段階における反応の程度が速度論的ファクタ
ー(すなわち、平衡に達しない)により制限されるもの
としている。
本発明の実施態様は次の通りである。
1.硫化水素含む供給ガス流れからイオウを回収する方法
であって、少なくとも3つの段階からなる系統に前記供
給ガスを通し、それぞれの段階において、燃焼を維持す
るための酸素を使用して前記硫化水素の一部を燃焼さ
せ、生成した二酸化イオウの一部を800℃より高い温度
で残部の硫化水素と反応させてイオウ蒸気と水蒸気を形
成させ、得られたガス混合物から前記イオウ蒸気を分離
し、このとき前記供給ガス中に存在する硫化水素のイオ
ウ分の少なくとも80モル%が800℃より高い温度にてイ
オウ蒸気に転化され、前記供給ガス中に存在する硫化水
素のイオウ分の最大80モル%までが第1段階において未
反応のままであるような方法。
2.前記供給ガス中に存在する硫化水素における85モル%
より多いイオウ分が800℃より高い温度にてイオウ蒸気
に転化される、上記第1項に記載の方法。
3.前記供給ガス中に存在する硫化水素における90モル%
より多いイオウ分が800℃より高い温度にてイオウ蒸気
に転化される、上記第1項又は第2項に記載の方法。
4.前記の得られたガス混合物を冷却し、冷却されたガス
混合物からイオウ蒸気を凝縮させることによって、前記
得られたガス混合物から前記イオウ蒸気を分離する、上
記第1〜3項のいずれかに記載の方法。
5.前記複数の段階からなる系統の順序における第3段階
及びさらに下流の段階のそれぞれを通過する硫化水素含
有ガス混合物が予備加熱される、上記第4項記載の方
法。
6.前記ガス混合物が400〜700℃の範囲に予備加熱され
る、上記第5項に記載の方法。
7.ある選定された段階の上流における硫化水素含有ガス
混合物の予備加熱が、硫化水素含有ガス混合物を冷却す
るために他の段階において使用されている熱交換器で果
たされる、上記第6項記載の方法。
8.4つの前記段階があり、硫化水素ガス混合物が第3段
階と第4段階の上流で予備加熱され、前記第3段階の上
流での予備加熱が第1段階で冷却されているガスとの熱
交換によって果たされ、前記第4段階の上流での予備加
熱が第2段階で冷却されているガスとの熱交換によって
果たされる、上記第4〜7項いずれかに記載の方法。
9.前記供給ガス混合物の一部が第3段階及びそれに続く
下流の段階のそれぞれにバイパスされ、第3段階及びそ
れぞれに続く下流の段階のそれぞれにおいて燃焼され
る、上記第1〜8項のいずれかに記載の方法。
10.第3段階及びそれぞれに続く下流の段階のそれぞれ
において硫化水素の他に燃料が燃焼される、上記第1〜
9項のいずれかに記載の方法。
11.前記燃料が炭化水素、水素、又はアンモニアであ
る、上記第10項に記載の方法。
12.互いに異なる組成の2種の硫化水素含有ガス流れを
混合することによって前記ガス流れが形成され、前記2
種の硫化水素含有ガス流れのうち一方の一部が前記第3
段階にバイパスされる、上記1〜11項のいずれかに記載
の方法。
13.第3段階及びそれに続く段階上流だけでなく、第2
段階の上流で、硫化水素含有ガス混合物が予備加熱され
る、上記第5項に記載の方法。
14.前記系統が4段階又は5段階からなる、上記第1項
〜7項のいずれかに記載の方法。
15.前記供給ガス混合物が少なくとも70容量%の硫化水
素を含有する、上記第1〜14項のいずれかに記載の方
法。
16.前記供給ガス中に存在する硫化水素のイオウ分の25
モル%未満が第1段階においてイオウ蒸気に転化され
る、上記1〜15項のいずれかに記載の方法。
17.硫化水素を含有する供給ガス流れからイオウを回収
するための装置であって、少なくとも3つの炉からなる
系統を含み、それぞれの炉は使用時において流入してく
る硫化水素の一部が酸素の存在下で燃焼されて二酸化イ
オウと水蒸気を形成するような燃焼ゾーン前記二酸化イ
オウの一部が800℃より高い温度で残部の硫化水素と反
応してイオウ蒸気と水蒸気を形成することのできるよう
な熱反応ゾーン;及び得られたガス混合物からイオウ蒸
気を分離するための、熱反応ゾーンと連結した手段を有
し、このとき各燃焼ゾーンは酸素源と繋がった固有の入
口を有し、これによって前記供給ガス中に存在する硫化
水素のイオウ分の少なくとも80モル%が800℃より高い
温度にてイオウに転化するとができ、前記供給ガス中に
存在する硫化水素のイオウ分の最大80モル%までが最も
上流の炉において未反応のまであるような装置。
18.前記分離手段が、炉から出ていく前記ガス混合物を
冷却するための手段及びイオウ蒸気を凝縮されるようさ
らに冷却することのできるような冷却器を含む、上記第
17項に記載の装置。
19.第3段階及びそれに続く段階のそれぞれの上流にお
いて、前記硫化水素含有ガス混合物を予備加熱するため
の手段を含む、上記第18項記載の装置。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を実施する際に使用されるある
1つの装置を示した概略図である。 第2図は、本発明の方法を実施する際に使用される別の
装置を示した概略図である。 第3図は、本発明の方法を実施する際に使用されるさら
に別の装置を示した概略図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫化水素を含む供給ガス流れからイオウを
    回収する方法であって、少なくとも3つの段階からなる
    系統に前記供給ガスを通し、それぞれの段階において、
    燃焼を維持するための酸素を使用して前記硫化水素の一
    部を燃焼させ、生成した二酸化イオウの一部を800℃よ
    り高い温度で残部の硫化水素と反応させて、イオウ蒸
    気、水蒸気、硫化水素及び二酸化イオウを含む流出ガス
    混合物を形成し、その流出ガス混合物は冷却され、そし
    てそのイオウ蒸気は凝縮によりその流出ガス混合物から
    分離され、前記供給ガス中に存在する硫化水素のイオウ
    分の最大80モル%までが第1段階において未反応のまま
    である方法において、このとき前記供給ガス中に存在す
    る硫化水素のイオウ分の少なくとも80モル%が800℃よ
    り高い温度にてイオウ蒸気に転化され、前記の複数の段
    階からなる系統の順序における第3段階及びさらに下流
    の段階のそれぞれを通過するその流出ガス混合物が400
    〜700℃の温度で予備加熱され、そして第3の段階及び
    さらなる段階の少なくとも1つの流出ガス混合物の予備
    加熱が上流の段階で使用された熱交換器で行なわれ、そ
    の上流の流出ガス混合物の冷却を行なうことを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】4段階からなり、その流出ガス混合物は、
    第3及び第4段階の両方で予備加熱され、その第3段階
    の上流での予備加熱は第1段階の下流で冷却されている
    その流出ガス混合物との熱交換により行なわれ、第4段
    階の上流での予備加熱は、第2段階の下流で冷却されて
    いるその流出ガス混合物との熱交換により行なわれる請
    求項1記載の方法。
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