JP2680762B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
半導体発光素子Info
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- JP2680762B2 JP2680762B2 JP34347391A JP34347391A JP2680762B2 JP 2680762 B2 JP2680762 B2 JP 2680762B2 JP 34347391 A JP34347391 A JP 34347391A JP 34347391 A JP34347391 A JP 34347391A JP 2680762 B2 JP2680762 B2 JP 2680762B2
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- lattice
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視光発光ダイオー
ド、半導体レーザ等の半導体発光素子に関するものであ
る。
ド、半導体レーザ等の半導体発光素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上述した可視光発光ダイオードとして、
従来、図4に示すものが知られている。この発光ダイオ
ードは、n−GaAs基板1の上に、n−In1-y(G
a1-XAlX)yPクラッド層2、p−In1-y(Ga1-X
AlX)yP活性層3、p−In1-y(Ga1-XAlX)yP
クラッド層4及びp−Ga1-XAlXAs電流拡散層5が
この順に積層形成され、この積層体の下面全域にn型電
極6が、また上面の一部にp型電極7が形成されてい
る。
従来、図4に示すものが知られている。この発光ダイオ
ードは、n−GaAs基板1の上に、n−In1-y(G
a1-XAlX)yPクラッド層2、p−In1-y(Ga1-X
AlX)yP活性層3、p−In1-y(Ga1-XAlX)yP
クラッド層4及びp−Ga1-XAlXAs電流拡散層5が
この順に積層形成され、この積層体の下面全域にn型電
極6が、また上面の一部にp型電極7が形成されてい
る。
【0003】即ち、この発光ダイオードは、注入キャリ
アを有効に活性層3に閉じ込めるために、バンドギャッ
プの高いクラッド層2、4で活性層3の両側を挟んだダ
ブルヘテロ構造になっている。また、GaAs基板1に
格子整合するように、クラッド層2の混晶比x、yが調
整されている。
アを有効に活性層3に閉じ込めるために、バンドギャッ
プの高いクラッド層2、4で活性層3の両側を挟んだダ
ブルヘテロ構造になっている。また、GaAs基板1に
格子整合するように、クラッド層2の混晶比x、yが調
整されている。
【0004】かかる構造の発光ダイオードにおいて、活
性層3のAl混晶比xを例えば0.3としたとき、発光
波長は590nm(バンドギャップEg=2.1eV)
になる。また、クラッド層2、4のAl混晶比xを、例
えばキャリアのバリアを確保すべく0.7(Eg=2.
3eV)に設定した場合は、高効率、高輝度な発光ダイ
オード(LED)が得られる。
性層3のAl混晶比xを例えば0.3としたとき、発光
波長は590nm(バンドギャップEg=2.1eV)
になる。また、クラッド層2、4のAl混晶比xを、例
えばキャリアのバリアを確保すべく0.7(Eg=2.
3eV)に設定した場合は、高効率、高輝度な発光ダイ
オード(LED)が得られる。
【0005】図2は、バンドギャップ(縦軸)と格子定
数(横軸)の関係を示す図である。図中でA,B,C点
はそれぞれAlP,GaP,InPにおける格子定数と
バンドギャップを示す。A−Cを結ぶ折れ線は三元系混
晶半導体であるIn1-XAlXPの混晶比xを変えたとき
のバンドギャップと格子定数の関係を示す線であり、B
−Cを結ぶ折れ線は三元系混晶半導体であるGayIn
1-yPの混晶比yを変えたときのバンドギャップと格子
定数の関係を示す線である。線A−B−Cで囲まれた部
分は、四元系混晶半導体であるIn1-y(Ga1-XA
lX)yのAl混晶比、Ga混晶比を変えたときのバンド
ギャップと格子定数の関係を示す。図中において、破線
で囲まれた部分は四元系混晶半導体が間接遷移領域であ
ることを示し、実線で囲まれた斜線部は四元系混晶半導
体が直接遷移領域であることを示している。
数(横軸)の関係を示す図である。図中でA,B,C点
はそれぞれAlP,GaP,InPにおける格子定数と
バンドギャップを示す。A−Cを結ぶ折れ線は三元系混
晶半導体であるIn1-XAlXPの混晶比xを変えたとき
のバンドギャップと格子定数の関係を示す線であり、B
−Cを結ぶ折れ線は三元系混晶半導体であるGayIn
1-yPの混晶比yを変えたときのバンドギャップと格子
定数の関係を示す線である。線A−B−Cで囲まれた部
分は、四元系混晶半導体であるIn1-y(Ga1-XA
lX)yのAl混晶比、Ga混晶比を変えたときのバンド
ギャップと格子定数の関係を示す。図中において、破線
で囲まれた部分は四元系混晶半導体が間接遷移領域であ
ることを示し、実線で囲まれた斜線部は四元系混晶半導
体が直接遷移領域であることを示している。
【0006】上述した図4に示す従来の発光ダイオード
における各層のバンドギャップと格子定数を図2を用い
て説明すると、次のようになる。D点のGaAs基板上
1に設けるクラッド層2としては、バンドギャップが
2.3eV、格子定数がGaAs基板1のD点と同じで
あるF点上のIn1-y(Ga1-XAlX)yP(x=0.1
5,y=0.51)が一般的に選ばれる。また、活性層
3としては、格子定数がF点と同じで、バンドギャップ
がF点より0.2eV低いE点上のIn1-y(Ga1-XA
lX)yP(X=0.07,y=0.51)が一般的に選
ばれる。この活性層3のバンドギャップと格子定数は、
高輝度および高効率化を達成すべく、直接遷移領域内に
入り得る値を考慮している。
における各層のバンドギャップと格子定数を図2を用い
て説明すると、次のようになる。D点のGaAs基板上
1に設けるクラッド層2としては、バンドギャップが
2.3eV、格子定数がGaAs基板1のD点と同じで
あるF点上のIn1-y(Ga1-XAlX)yP(x=0.1
5,y=0.51)が一般的に選ばれる。また、活性層
3としては、格子定数がF点と同じで、バンドギャップ
がF点より0.2eV低いE点上のIn1-y(Ga1-XA
lX)yP(X=0.07,y=0.51)が一般的に選
ばれる。この活性層3のバンドギャップと格子定数は、
高輝度および高効率化を達成すべく、直接遷移領域内に
入り得る値を考慮している。
【0007】かかる構成の従来の発光ダイオードにおい
ては、活性層3が直接遷移型の半導体となっているので
発光効率および内部量子効率を高くできる。しかし、G
aAs基板1の吸収端が1.42eV(波長が0.87
μm)と低いため、活性層3で発光した光のうち基板側
に放射された光がGaAs基板1で吸収されてしまい、
外部量子効率が半分程度は落ちるという問題があった。
ては、活性層3が直接遷移型の半導体となっているので
発光効率および内部量子効率を高くできる。しかし、G
aAs基板1の吸収端が1.42eV(波長が0.87
μm)と低いため、活性層3で発光した光のうち基板側
に放射された光がGaAs基板1で吸収されてしまい、
外部量子効率が半分程度は落ちるという問題があった。
【0008】また、従来の発光ダイオードとして図5に
示すものが知られている。この発光ダイオードは、前記
積層体の部分がGaP(吸収端が2.26eV:波長が
0.55μm)結晶からなるn−GaP基板8の上に、
格子整合するようにIn1-yGayPの混晶比yを段階的
に変えた格子緩和層9を成長させた後、格子定数を各々
固定したn−InGaP層10とp−InGaP層11
をこの順に形成して構成され、これによりpn接合の発
光層を有する。従って、この構成の発光ダイオードにあ
っては、InGaPのpn接合を有すると共に、発光波
長が565nm〜650nmにおいてはn−GaP基板
8が透明であるため、外部量子効率を上げることができ
る。
示すものが知られている。この発光ダイオードは、前記
積層体の部分がGaP(吸収端が2.26eV:波長が
0.55μm)結晶からなるn−GaP基板8の上に、
格子整合するようにIn1-yGayPの混晶比yを段階的
に変えた格子緩和層9を成長させた後、格子定数を各々
固定したn−InGaP層10とp−InGaP層11
をこの順に形成して構成され、これによりpn接合の発
光層を有する。従って、この構成の発光ダイオードにあ
っては、InGaPのpn接合を有すると共に、発光波
長が565nm〜650nmにおいてはn−GaP基板
8が透明であるため、外部量子効率を上げることができ
る。
【0009】しかしながら、より高い外部量子効率を得
ようとして、GaP基板8の上に上述のInGaP系で
ダブルヘテロ構造を作る場合、Inの混晶比を上げる
と、図2から理解されるように、該当する点の位置がB
−C線上をB→Cの方向に移動してバンドギャップが下
がり、格子定数も大きくなってしまうため、良好な結晶
性を持つpn接合が得られない。また、550〜570
nm(2.25〜2.18eV)の短波長帯で発光する
活性層に対して、キャリアを十分にバリアするクラッド
層を形成する手段がないという欠点があった。
ようとして、GaP基板8の上に上述のInGaP系で
ダブルヘテロ構造を作る場合、Inの混晶比を上げる
と、図2から理解されるように、該当する点の位置がB
−C線上をB→Cの方向に移動してバンドギャップが下
がり、格子定数も大きくなってしまうため、良好な結晶
性を持つpn接合が得られない。また、550〜570
nm(2.25〜2.18eV)の短波長帯で発光する
活性層に対して、キャリアを十分にバリアするクラッド
層を形成する手段がないという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
可視光発光ダイオードでは、GaAs基板を使えば活性
層で発光した光が基板で吸収され、外部量子効率が悪く
なるという問題があり、また波長0.55μm以上で透
明であるGaP基板の上に、In1-yGayPの格子緩和
層を成長させた後に、InGaPのpn接合を形成した
発光ダイオードでは、基板の吸収端が2.26eVと比
較的高いため基板の光吸収が殆ど無いものの、ホモpn
接合であるため注入キャリア密度が上がらず、また発光
した光の吸収損失が大きくなり、内部量子効率が上がら
ないという問題があった。
可視光発光ダイオードでは、GaAs基板を使えば活性
層で発光した光が基板で吸収され、外部量子効率が悪く
なるという問題があり、また波長0.55μm以上で透
明であるGaP基板の上に、In1-yGayPの格子緩和
層を成長させた後に、InGaPのpn接合を形成した
発光ダイオードでは、基板の吸収端が2.26eVと比
較的高いため基板の光吸収が殆ど無いものの、ホモpn
接合であるため注入キャリア密度が上がらず、また発光
した光の吸収損失が大きくなり、内部量子効率が上がら
ないという問題があった。
【0011】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、発光した光が基板で吸収されず、
しかもヘテロ接合によりキャリア密度を上げて光の吸収
損失を小さくでき、これにより高輝度の短波長を有する
光を発生できる半導体発光素子を提供することを目的と
する。
めになされたもので、発光した光が基板で吸収されず、
しかもヘテロ接合によりキャリア密度を上げて光の吸収
損失を小さくでき、これにより高輝度の短波長を有する
光を発生できる半導体発光素子を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子
は、GaP基板と、該GaP基板上に段階的にIn1- x
AlxPの混晶比xを変えて形成された格子緩和層と、
該格子緩和層の上に形成された複数層からなり、該複数
層がその最下層を格子緩和層最上部と格子整合する状態
となし、かつIn1-XAlXP層及びIn1-y(Ga1ーXA
lX)yP層を含むので、そのことにより上記目的を達成
することが出来る。
は、GaP基板と、該GaP基板上に段階的にIn1- x
AlxPの混晶比xを変えて形成された格子緩和層と、
該格子緩和層の上に形成された複数層からなり、該複数
層がその最下層を格子緩和層最上部と格子整合する状態
となし、かつIn1-XAlXP層及びIn1-y(Ga1ーXA
lX)yP層を含むので、そのことにより上記目的を達成
することが出来る。
【0013】前記複数層は、前記格子緩和層の最上部と
格子整合するIn1-XAlXP層、該In1-xAlxP層よ
りバンドギャップが小さいIn1-y(Ga1-XAlX)yP
層及びIn1-XAlXP層からなるダブルヘテロ構造を持
つようにすることもできる。
格子整合するIn1-XAlXP層、該In1-xAlxP層よ
りバンドギャップが小さいIn1-y(Ga1-XAlX)yP
層及びIn1-XAlXP層からなるダブルヘテロ構造を持
つようにすることもできる。
【0014】
【作用】本発明にあっては、GaP基板を使用するので
光の吸収を抑制できる。またGaP基板上にIn1-XA
lXP層を格子緩和層として利用しているので、図2に
示すように、直接遷移領域であるIn1-y(Ga1-XAl
X)yP(図2における斜線部領域)で活性層を形成でき
ると共に、高効率かつ高輝度の発光が可能なダブルヘテ
ロ構造或はシングルヘテロ構造を形成できる。
光の吸収を抑制できる。またGaP基板上にIn1-XA
lXP層を格子緩和層として利用しているので、図2に
示すように、直接遷移領域であるIn1-y(Ga1-XAl
X)yP(図2における斜線部領域)で活性層を形成でき
ると共に、高効率かつ高輝度の発光が可能なダブルヘテ
ロ構造或はシングルヘテロ構造を形成できる。
【0015】
【実施例】図1は本発明を適用した発光ダイオードを示
す断面である。この発光ダイオードは、n−GaP基板
8の上に、n−In1-yAlyPからなる格子緩和層1
2、n−In1-yAlyPからなる下部クラッド層13、
p−In1-y(Ga1-XAlX)yPからなる活性層14及
びp−In1-yAlyPからなる上部クラッド層15がこ
の順に積層形成され、この積層体の下面全域にn型電極
6が、また上面の一部にp型電極7が形成されている。
す断面である。この発光ダイオードは、n−GaP基板
8の上に、n−In1-yAlyPからなる格子緩和層1
2、n−In1-yAlyPからなる下部クラッド層13、
p−In1-y(Ga1-XAlX)yPからなる活性層14及
びp−In1-yAlyPからなる上部クラッド層15がこ
の順に積層形成され、この積層体の下面全域にn型電極
6が、また上面の一部にp型電極7が形成されている。
【0016】次に、かかる発光ダイオードの製造方法を
説明する。成長方法としてはMOCVD(Metal Organ
ic Vapor Deposition)法を使用した。
説明する。成長方法としてはMOCVD(Metal Organ
ic Vapor Deposition)法を使用した。
【0017】まず、図1のようにn−GaP基板8上
に、n−In1-yAlyP格子緩和層12を成長させる。
このとき、基板8としては、面方位が(100)面とな
った基板か、又はドーピングの容易な0〜10°off
基板(<011>方向)を用いるのが好ましい。また、
Alの混晶比yとしては、例えば成長開始直後に1.0
になるようにすると共に、格子緩和層12の成長が進む
に伴って徐々に減らしていく。その減らし方は、図3
(a)のようにInPに対するAlPの比率を連続的に
減少させるか、或は図3(b)のように段階的に不連続
に減少させていく手段を用いる。格子緩和層12の厚み
は、例えば1〜20μmとする。また、格子緩和層12
の最上部のAl混晶比yは、例えば0.78〜0.75
を選ぶ。
に、n−In1-yAlyP格子緩和層12を成長させる。
このとき、基板8としては、面方位が(100)面とな
った基板か、又はドーピングの容易な0〜10°off
基板(<011>方向)を用いるのが好ましい。また、
Alの混晶比yとしては、例えば成長開始直後に1.0
になるようにすると共に、格子緩和層12の成長が進む
に伴って徐々に減らしていく。その減らし方は、図3
(a)のようにInPに対するAlPの比率を連続的に
減少させるか、或は図3(b)のように段階的に不連続
に減少させていく手段を用いる。格子緩和層12の厚み
は、例えば1〜20μmとする。また、格子緩和層12
の最上部のAl混晶比yは、例えば0.78〜0.75
を選ぶ。
【0018】次に、同じAl混晶比y=0.78〜0.
75でn−In1-yAlyPの下部クラッド層13を2〜
5μm成長させる。この下部クラッド層13の格子定数
は5.55オングストロームであり、GaP基板8の格
子定数である5.45オングストロームに対して格子定
数差が0.1オングストローム生じているが、その格子
定数差は格子緩和層12で緩和される。
75でn−In1-yAlyPの下部クラッド層13を2〜
5μm成長させる。この下部クラッド層13の格子定数
は5.55オングストロームであり、GaP基板8の格
子定数である5.45オングストロームに対して格子定
数差が0.1オングストローム生じているが、その格子
定数差は格子緩和層12で緩和される。
【0019】その後、下部クラッド層13の上に、p−
In1-y(Ga1-XAlX)yP(x=0.02,y=0.
70)からなる活性層14を成長させる。
In1-y(Ga1-XAlX)yP(x=0.02,y=0.
70)からなる活性層14を成長させる。
【0020】次に、活性層14の上に、下部クラッド層
13と同じ混晶比y=0.78〜0.75のp−In
1-yAlyPからなる上部クラッド層15を5〜15μm
成長させる。このとき、Al混晶比yが高いInAlP
層に対するp型の高濃度ドープは非常に難しいため、p
側電極7からの注入電流が拡散し易くなるように、なる
べく厚く成長させる。例えば、p−In1-yAlyP(y
=0.75)からなるクラッド層のドーパント濃度が5
×1017cm-3のときは、活性層14に十分ホールを拡
散させるべく膜厚を15〜20μmにする。
13と同じ混晶比y=0.78〜0.75のp−In
1-yAlyPからなる上部クラッド層15を5〜15μm
成長させる。このとき、Al混晶比yが高いInAlP
層に対するp型の高濃度ドープは非常に難しいため、p
側電極7からの注入電流が拡散し易くなるように、なる
べく厚く成長させる。例えば、p−In1-yAlyP(y
=0.75)からなるクラッド層のドーパント濃度が5
×1017cm-3のときは、活性層14に十分ホールを拡
散させるべく膜厚を15〜20μmにする。
【0021】したがって、このように構成された本発明
の発光ダイオードにあっては、GaP基板8上にIn
1-XAlXP層を格子緩和層12として利用することによ
って、図2における斜線部の直接遷移領域であるIn
1-y(Ga1-XAlX)yPで活性層14を形成できる。即
ち、格子緩和層12においては、図2に示すようにA点
からA−Cに沿ってC方向へ、下部・上部クラッド層1
3、15のG点まで移動する。そして、活性層14は同
じ格子定数で、G点よりバンドキャップが低いH点上に
あり、このH点が斜線部の直接遷移領域内に存在する。
また、高効率かつ高輝度の発光が可能なダブルヘテロ構
造を形成できるので、キャリア密度を上げて光の吸収損
失を小さくすることが可能となり、これにより高輝度の
短波長を有する光を発生できる。
の発光ダイオードにあっては、GaP基板8上にIn
1-XAlXP層を格子緩和層12として利用することによ
って、図2における斜線部の直接遷移領域であるIn
1-y(Ga1-XAlX)yPで活性層14を形成できる。即
ち、格子緩和層12においては、図2に示すようにA点
からA−Cに沿ってC方向へ、下部・上部クラッド層1
3、15のG点まで移動する。そして、活性層14は同
じ格子定数で、G点よりバンドキャップが低いH点上に
あり、このH点が斜線部の直接遷移領域内に存在する。
また、高効率かつ高輝度の発光が可能なダブルヘテロ構
造を形成できるので、キャリア密度を上げて光の吸収損
失を小さくすることが可能となり、これにより高輝度の
短波長を有する光を発生できる。
【0022】なお、本発明は、n−GaP基板8のかわ
りに、p−GaP基板を用い、図1の実施例の各層のド
ーピングを逆にしても、同様の効果が得られることはい
うまでもない。この場合、上部クラッド層15はn−I
nAlP層になり、高濃度ドープしやすくできる。ま
た、電子の拡散長はホールの拡散長より長いので、上部
クラッド層15の厚みは薄くても良い。例えば、ドーパ
ント濃度が1×1018cm-3のときは、上部クラッド層
15の厚みは5〜6μmでも支障がない。
りに、p−GaP基板を用い、図1の実施例の各層のド
ーピングを逆にしても、同様の効果が得られることはい
うまでもない。この場合、上部クラッド層15はn−I
nAlP層になり、高濃度ドープしやすくできる。ま
た、電子の拡散長はホールの拡散長より長いので、上部
クラッド層15の厚みは薄くても良い。例えば、ドーパ
ント濃度が1×1018cm-3のときは、上部クラッド層
15の厚みは5〜6μmでも支障がない。
【0023】上記実施例ではダブルヘテロ構造の発光ダ
イオードに本発明を適用しているが、本発明はこれに限
らず、シングルヘテロ構造の発光ダイオード等にも適用
することが可能である。その場合には、GaP基板上
に、段階的に混晶比を変えた格子緩和層を形成し、該格
子緩和層の上に格子緩和層最上部と格子整合する状態で
三元系混合半導体であるIn1-XAlXP結晶層を形成
し、その上に四元系混晶半導体であるIn1-y(Ga1ーX
AlX)yP結晶層を形成するとよい。この構成の場合に
は、基板に発光波長を短波長化できるGaP基板を使用
しているため、図5に示す従来例よりも高輝度発光が可
能となる利点がある。
イオードに本発明を適用しているが、本発明はこれに限
らず、シングルヘテロ構造の発光ダイオード等にも適用
することが可能である。その場合には、GaP基板上
に、段階的に混晶比を変えた格子緩和層を形成し、該格
子緩和層の上に格子緩和層最上部と格子整合する状態で
三元系混合半導体であるIn1-XAlXP結晶層を形成
し、その上に四元系混晶半導体であるIn1-y(Ga1ーX
AlX)yP結晶層を形成するとよい。この構成の場合に
は、基板に発光波長を短波長化できるGaP基板を使用
しているため、図5に示す従来例よりも高輝度発光が可
能となる利点がある。
【0024】なお、本実施例ではエピタキシル成長方法
としてMOCVD法を使用したが、それ以外に分子線エ
ピタキシャル(MBE)法、ALE(原子層エピタキシ
ー)法又はCBE(化学線エピタキシー)法を使用する
こともできる。
としてMOCVD法を使用したが、それ以外に分子線エ
ピタキシャル(MBE)法、ALE(原子層エピタキシ
ー)法又はCBE(化学線エピタキシー)法を使用する
こともできる。
【0025】本発明によって製作した発光ダイオードに
関し、発光波長が560nm、外部量子効率が6%以上
となるようにした場合において、5mmφ径に樹脂モー
ルドしたとき、駆動電流が20mAでの輝度として10
カンデラという高輝度を達成できた。
関し、発光波長が560nm、外部量子効率が6%以上
となるようにした場合において、5mmφ径に樹脂モー
ルドしたとき、駆動電流が20mAでの輝度として10
カンデラという高輝度を達成できた。
【0026】なお、以上の説明においては発光ダイオー
ドに適用しているが、本発明は半導体レーザ等にも同様
にして適用できることはもちろんである。
ドに適用しているが、本発明は半導体レーザ等にも同様
にして適用できることはもちろんである。
【0027】
【発明の効果】本発明による場合は、GaP基板を使用
するので光の吸収を抑制できる。またGaP基板上にI
n1-XAlXP層を格子緩和層として利用しているので、
直接遷移領域であるIn1-y(Ga1-XAlX)yPで活性
層を形成できると共に、高効率かつ高輝度の発光が可能
なダブルヘテロ構造或はシングルヘテロ構造を形成でき
る。これにより高輝度の短波長を有する半導体発光素子
を提供することが可能となる。
するので光の吸収を抑制できる。またGaP基板上にI
n1-XAlXP層を格子緩和層として利用しているので、
直接遷移領域であるIn1-y(Ga1-XAlX)yPで活性
層を形成できると共に、高効率かつ高輝度の発光が可能
なダブルヘテロ構造或はシングルヘテロ構造を形成でき
る。これにより高輝度の短波長を有する半導体発光素子
を提供することが可能となる。
【図1】本発明の1実施例である発光ダイオードを示す
断面図である。
断面図である。
【図2】バンドキャップ、格子定数及び発光波長を示す
図である。
図である。
【図3】格子緩和層の形成方法を示す図である。
【図4】従来の発光ダイオードを示す断面図である。
【図5】従来の他の発光ダイオードを示す断面図であ
る。
る。
6 下部電極 7 上部電極 8 n−GaP基板 12 格子緩和層 13 下部クラッド層 14 活性層 15 上部クラッド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 晃広 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 竹岡 忠士 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 近藤 正樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 山本 修 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 山本 三郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−296677(JP,A) 特開 平1−243482(JP,A) 特開 昭49−5585(JP,A) 特開 昭61−102786(JP,A) 特開 平3−283675(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】GaP基板と、該GaP基板上に段階的に
In1-xAlxPの混晶比xを変えて形成された格子緩和
層と、該格子緩和層の上に形成された複数層からなり、
該複数層がその最下層を格子緩和層最上部と格子整合す
る状態となし、かつIn1-XAlXP層およびIn
1-y(Ga1ーXAlX)yP層を含む半導体発光素子。 - 【請求項2】前記複数層は、前記格子緩和層の最上部と
格子整合するIn1-XAlXP層、該In1-xAlxP層よ
りバンドギャップが小さいIn1-y(Ga1-XAlX)yP
層及びIn1-XAlXP層からなるダブルヘテロ構造を持
つ請求項1記載の半導体発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34347391A JP2680762B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 半導体発光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34347391A JP2680762B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 半導体発光素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05175551A JPH05175551A (ja) | 1993-07-13 |
JP2680762B2 true JP2680762B2 (ja) | 1997-11-19 |
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ID=18361800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34347391A Expired - Fee Related JP2680762B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 半導体発光素子 |
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Families Citing this family (2)
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AT414012B (de) * | 2003-12-02 | 2006-08-15 | Avl List Gmbh | Flüssigkeitsgekühlte brennkraftmaschine mit zumindest zwei zylindern |
-
1991
- 1991-12-25 JP JP34347391A patent/JP2680762B2/ja not_active Expired - Fee Related
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