JP2677047B2 - 荷移載装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動倉庫の棚と
入出庫用荷搬送装置との間で荷を移載するために前記入
出庫用荷搬送装置上に設置して使用することの出来る荷
移載装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】前記のように入出庫用荷搬送装置上に設
置して使用される荷移載装置としては、１サイクルタイ
ムが長くなるランニングフォーク方式の荷移載装置、荷
側に特別な被係合部が必要となるプッシュプル方式の荷
移載装置、棚側にも駆動コンベヤが必要となる荷支持搬
送用駆動コンベヤ方式の荷移載装置等が知られている
が、これら各種の荷移載装置の欠点を解消し得る方式と
して、荷の左右両側面を挟持して当該荷を移送する左右
一対のベルトコンベヤを、荷の全長よりも十分に短い距
離だけ荷移載方向に出退移動させるようにした、荷両側
面挟持移送方式の荷移載装置が考えられた。

【０００３】この荷両側面挟持移送方式の荷移載装置
は、荷を移載方向に滑動可能に支持する荷支持台の左右
両側に配設され且つ荷移載方向とは直交する方向に互い
に接近離間移動自在な左右一対の横動台、当該横動台を
横動させる横動台駆動手段、前記両横動台上に荷移載方
向に出退移動自在に支持された左右一対の荷側面挟持移
送用コンベヤ、当該コンベヤの荷側面挟持用コンベヤベ
ルトを回動させるコンベヤベルト駆動手段、及び前記コ
ンベヤを出退移動させるコンベヤ出退駆動手段から構成
されるものであるが、先に提案されたこの種の荷移載装
置では、前記コンベヤベルト駆動手段を当然のこととし
て当該コンベヤそのものに搭載していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記のようにコンベヤ
ベルト駆動手段を当該コンベヤそのものに搭載した場合
には、当然ながら当該コンベヤベルト駆動手段のみでコ
ンベヤベルトを駆動し得るのであるから、例えば、荷引
き込み作用時或いは荷送り出し作用時の前半ではコンベ
ヤベルトを高速駆動し、後半ではコンベヤベルトを低速
駆動して、荷移載のサイクルタイムの短縮を図ろうとす
る場合、前記コンベヤベルト駆動手段のモーターそのも
のを制御する必要があり、コストアップにつながる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来の問題点を解決するために、前記のような荷移載装置
に於いて、前記コンベヤベルト駆動手段のコンベヤベル
ト駆動用回転体と当該駆動用回転体に連動連結するモー
ターとを前記横動台に設け、当該横動台に対し前記コン
ベヤが出退移動したとき、前記コンベヤベルトの荷側面
挟持経路部分がコンベヤの出退移動方向と同方向に回動
するようにした荷移載装置を提案するものである。

【０００６】

【発明の作用】棚側から前記荷支持台上に荷を引き込み
移載するときは、左右一対のコンベヤを棚側へ進出移動
させた後、両横動台を互いに接近移動させて、前記両コ
ンベヤのコンベヤベルト先端部で棚上の荷の前端部左右
両側面を挟持させる。この後、前記両コンベヤを横動台
に対し後退移動させながら前記コンベヤベルト駆動手段
により両コンベヤのコンベヤベルトを荷引き込み方向に
駆動する。又、前記荷支持台上の荷を棚側へ送り出し移
載するときは、両横動台を互いに接近移動させて両コン
ベヤで荷支持台上の荷の左右両側面を挟持させた後、両
コンベヤを棚側へ進出移動させると同時に、両コンベヤ
のコンベヤベルトを荷コンベヤベルト駆動手段により荷
送り出し方向に駆動する。

【０００７】上記のように荷引き込み移載又は荷送り出
し移載が行われるが、何れの場合も、両コンベヤの荷移
載方向の出退移動距離が少ないので、荷移載行程の前半
には両コンベヤのコンベヤベルトがコンベヤベルト駆動
手段で駆動されると同時に当該コンベヤそのものが荷移
載方向に出退移動し、後半にはコンベヤベルトのみが駆
動されて荷を所定位置まで移送することになる。而し
て、前記コンベヤベルト駆動手段のコンベヤベルト駆動
用回転体と当該駆動用回転体に連動連結するモーターと
が前記横動台に設けられているので、前記荷支持台側又
は棚側から見て、コンベヤが出退移動するときのコンベ
ヤベルトの荷側面挟持経路部分の移動距離は、前記駆動
用回転体の回動に伴う移動距離に、当該コンベヤそのも
のの出退移動距離と、前記駆動用回転体に対するコンベ
ヤの出退移動に伴う移動距離（前記コンベヤそのものの
出退移動距離と等しい）とを加えた距離となり、コンベ
ヤの出退移動が停止した後のコンベヤベルトの荷側面挟
持経路部分の移動距離は、前記駆動用回転体の回動に伴
う移動距離のみとなる。換言すれば、前記駆動用回転体
の回動速度（モーターによるコンベヤベルト駆動速度）
が一定であっても、コンベヤの出退移動を伴う荷移載行
程の前半では、荷は高速移送され、コンベヤの出退移動
が停止した後の荷移載行程の後半では、荷は低速移送さ
れることになる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付の例示図に基
づいて説明すると、図１及び図２に於いて、１は入出庫
用荷搬送装置としてのリニアモーター駆動の荷搬送用電
車であって、並設された棚２，３の各段の荷収納レベル
に対応して両棚２，３の内側に上下複数段に架設された
各々左右一対のリニアモーター用二次導体兼用のガイド
レール４ａ，４ｂに、棚２，３に沿って走行可能に支持
されており、前記棚２，３の各荷収納部５と当該電車１
上の荷支持台６との間で荷７を受渡しする荷移載装置８
と、走行駆動用の左右一対のリニアモーター本体９ａ，
９ｂとを備えている。前記荷搬送用電車１の荷支持台６
と前記棚２，３側の各荷収納部５とには、荷７を荷移載
方向（荷搬送用電車１の走行方向とは直交する水平方
向）に滑動可能に支持する一対のフリーローラーレール
１０ａ，１０ｂ及び１１ａ，１１ｂが敷設されている。

【０００９】前記荷移載装置８は、前記荷支持台６の左
右両側に配設された一対の荷側面挟持移送用コンベヤ１
２ａ，１２ｂを備えている。このコンベヤ１２ａ，１２
ｂは、図３及び図４に示すように、荷移載方向Ｘとは直
交するＹ方向に互いに接近離間移動自在な左右一対の横
動台１３ａ，１３ｂ上に、当該横動台１３ａ，１３ｂ上
に設けられたガイドレール１４とこれに嵌合する摺動体
１５とを介して荷移載方向Ｘに出退移動自在に支持され
ている。１６は前記横動台１３ａ，１３ｂを横動可能に
支持するガイドレールである。

【００１０】１７は横動台駆動手段であって、荷支持台
６の荷支持レベルよりも下側でガイドプーリー１８ａ〜
１８ｄ及び駆動用プーリー１９によって、前記Ｙ方向と
平行に掛張された駆動用無端ベルト２０、前記駆動用プ
ーリー１９を正逆任意の方向に回転駆動する減速機付き
モーター２１、前記駆動用無端ベルト２０の下側経路部
分と一方の横動台１３ａとを連結する連結具２２、及び
前記駆動用無端ベルト２０の上側経路部分と他方の横動
台１３ｂとを連結する連結具２３から構成され、前記モ
ーター２１により駆動用プーリー１９を介して駆動用無
端ベルト１９を正転させることにより、両横動台１３
ａ，１３ｂを互いに接近移動させ、逆に駆動用無端ベル
ト１９を逆転させることにより、両横動台１３ａ，１３
ｂを互いに離間移動させることが出来る。

【００１１】前記両荷側面挟持移送用コンベヤ１２ａ，
１２ｂは、ガイドプーリー２４ａ〜２４ｊと駆動用回転
体２５とによって荷移載方向Ｘに沿って掛張され且つ荷
側面挟持経路部分２６ａがコンベヤフレームから内側
（荷支持台６側）に突出する荷側面挟持用コンベヤベル
ト２６と、当該コンベヤベルト２６を回動させるコンベ
ヤベルト駆動手段２７とを備えている。

【００１２】前記コンベヤベルト駆動手段２７は、前記
駆動用回転体２５と、これを正逆任意の方向に回転駆動
する減速機付きモーター２８とから構成され、当該モー
ター２８で前記駆動用回転体２５を正逆任意の方向に回
転駆動することにより、コンベヤベルト２６の荷側面挟
持経路部分２６ａを荷引き込み方向又は荷送り出し方向
に回動させることが出来る。而して、図５及び図６に示
すように、前記駆動用回転体２５を出力軸に取付けた前
記減速機付きモーター２８は、前記横動台１３ａ，１３
ｂに取付けられ、そして前記駆動用回転体２５の両側に
配置されたガイドプーリー２４ｉ，２４ｊも前記横動台
１３ａ，１３ｂ上に軸支されている。従って、横動台１
３ａ，１３ｂに対してコンベヤ１２ａ，１２ｂが荷移載
方向Ｘに出退移動するとき、荷側面挟持用コンベヤベル
ト２６とガイドプーリー２４ａ〜２４ｈは一体に移動す
るが、前記駆動用回転体２５とガイドプーリー２４ｉ，
２４ｊ、及び減速機付きモーター２８は横動台１３ａ，
１３ｂ側にあって出退移動しない。このため、駆動用回
転体２５が停止している状態でコンベヤ１２ａ，１２ｂ
が出退移動すると、コンベヤベルト２６は前記駆動用回
転体２５の位置で横動台１３ａ，１３ｂ側に固定されて
いる状態であるから、当該コンベヤベルト２６の荷側面
挟持経路部分２６ａがコンベヤ１２ａ，１２ｂの出退移
動に伴って同一方向に同一距離だけ回動することにな
る。

【００１３】図５及び図６に於いて、２９はコンベヤ出
退駆動手段であって、前記コンベヤ１２ａ，１２ｂのコ
ンベヤフレーム下側に荷移載方向Ｘと平行に敷設された
ラックギヤ３０、前記横動台１３ａ，１３ｂに取付けら
れた減速機付きモーター３１、及び当該減速機付きモー
ター３１の出力軸に取付けられ且つ前記ラックギヤ３０
と咬合するピニオンギヤ３２から構成され、前記減速機
付きモーター３１によりピニオンギヤ３２を正逆回転駆
動させることにより、コンベヤ１２ａ，１２ｂを横動台
１３ａ，１３ｂ側のガイドレール１４に沿って出退移動
させることが出来る。

【００１４】棚２，３の荷収納部５に収納されている荷
７を出庫移載するときは、出庫対象の荷収納部５と同一
レベルの荷搬送用電車１を走行させ、当該荷収納部５に
隣接する所定位置で停止させる。そして荷移載装置８の
左右一対のコンベヤ１２ａ，１２ｂを、図２及び図３に
示すホームポジション（荷支持台６から荷移載方向に突
出しない位置）から出庫対象の荷収納部５内に向けてコ
ンベヤ出退駆動手段２９により進出移動させる。このと
き横動台１３ａ，１３ｂは互いに離間限位置にあり、従
って両コンベヤ１２ａ，１２ｂの進出方向の先端部が、
図７に示すように荷収納部５内の所定位置に支持されて
いる荷７の左右両側空間に進入する。

【００１５】両コンベヤ１２ａ，１２ｂが進出限位置ま
で進出して停止したとき、図７に示すようにコンベヤ１
２ａ，１２ｂの先端にある２つのガイドプーリー２４
ａ，２４ｂ又は２４ｃ，２４ｄが荷７の前端部両側面に
対向することになる。係る状態で横動台駆動手段１７に
より両横動台１３ａ，１３ｂをコンベヤ１２ａ，１２ｂ
と一体に互いに接近移動させ、前記両コンベヤ１２ａ，
１２ｂのコンベヤベルト２６に於ける荷側面挟持経路部
分２６ａの先端部を荷７の両側面に圧接させる。

【００１６】次に両コンベヤベルト２６をコンベヤベル
ト駆動手段２７により荷引き込み方向に回動させると同
時に、両コンベヤ１２ａ，１２ｂをコンベヤ出退駆動手
段２９により後退移動させることにより、荷７を棚２，
３側の荷収納部５内から荷搬送用電車１の荷支持台６上
へ、各々のフリーローラーレール１１ａ，１１ｂ及び１
０ａ，１０ｂ上で滑動させながら引き込み移載させるこ
とが出来る。このとき両コンベヤ１２ａ，１２ｂのホー
ムポジションまでの後退移動は、その移動距離が少ない
ので荷７が荷支持台６上に完全に乗り移る前に完了し、
両コンベヤ１２ａ，１２ｂがホームポジションで停止し
た後はコンベヤベルト２６のみが引続き駆動されてい
る。荷７が荷支持台６上の所定位置まで引き込まれたと
き、両コンベヤ１２ａ，１２ｂのコンベヤベルト２６を
停止させ、荷の出庫移載が完了する。

【００１７】荷搬送用電車１の荷支持台６上に載置され
ている荷７を棚２，３側の荷収納部５内へ入庫移載させ
るときは、荷支持台６上の荷７の両側面をコンベヤ１２
ａ，１２ｂのコンベヤベルト２６が挟持している状態か
ら、両コンベヤ１２ａ，１２ｂを入庫対象の荷収納部５
に向けて進出移動させると同時に、両コンベヤベルト２
６を荷送り出し移載方向に回転駆動し、両コンベヤ１２
ａ，１２ｂが進出限位置で停止した後は、コンベヤベル
ト２６の駆動のみを引続き行わせることにより、荷７を
荷支持台６上から棚２，３側の荷収納部５内へ、夫々の
フリーローラーレール１０ａ，１０ｂ及び１１ａ，１１
ｂ上を滑動させながら送り出し移載させることが出来
る。移載完了後は、両横動台１３ａ，１３ｂを互いに離
間移動させて両コンベヤ１２ａ，１２ｂのコンベヤベル
ト２６を荷７の両側面から離間させた後に、両コンベヤ
１２ａ，１２ｂをホームポジションまで後退移動させれ
ば良い。

【００１８】上記の荷引き込み移載又は荷送り出し移載
時に於いて、コンベヤ１２ａ，１２ｂが出退移動してい
るときの荷移載速度は、コンベヤベルト２６の回動速度
に、コンベヤ１２ａ，１２ｂ自体の出退移動速度と、横
動台１３ａ，１３ｂに対してコンベヤ１２ａ，１２ｂが
出退移動することに伴うコンベヤベルト２６の回動速度
とが加算された速度となり、荷７は高速で移載される。
そしてコンベヤ１２ａ，１２ｂが進出限又は後退限に達
して停止した後、コンベヤベルト２６のみが引続き駆動
されているときの荷移載速度は、前記コンベヤベルト２
６の回動速度と同一になり、荷７は低速で移載される。

【００１９】尚、横動台駆動手段やコンベヤ出退駆動手
段は、上記実施例のものに限定されない。又、本発明の
荷移載装置は、上記実施例のように荷搬送用電車に搭載
して使用し得る他、一定場所に位置固定的に設置された
荷移載台上に設置して、荷搬送台車と他のコンベヤ等と
の間の荷移載手段としても活用出来る。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明の荷移載装置は、荷
の両側面を挟持する左右一対の荷側面挟持移送用コンベ
ヤを利用して荷の引き込み移載又は送り出し移載を行わ
せることが出来るのであるが、当該コンベヤの荷側面挟
持用コンベヤベルトを特別に変速制御しなくとも、当該
コンベヤの出退移動とコンベヤベルトの駆動とを同時に
行わせ、コンベヤの出退移動が完了した後はコンベヤベ
ルトの駆動のみを引続き行わせることにより、前記コン
ベヤの出退移動を伴う荷移載行程の前半では荷を高速で
移載させ、コンベヤベルトのみが駆動される荷移載行程
の後半では、所定位置での停止制御が容易で且つ停止時
に荷にショックを与えることのない低速で荷を移載さ
せ、以て、安全性を低下させることなしにサイクルタイ
ムを短縮して能率アップを図ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 自動倉庫の一例を示す要部の正面図である。

【図２】 同自動倉庫の要部の詳細を示す平面図であ
る。

【図３】 荷搬送用電車上に設置された本発明の荷移載
装置を示す平面図である。

【図４】 同装置の横動台駆動手段を示す縦断側面図で
ある。

【図５】 同装置の片側のコンベヤ付近の詳細を示す側
面図である。

【図６】 図５の拡大縦断面図である。

【図７】 荷引き込み移載作用を説明する要部の平面図
である。

【符号の説明】

１…荷搬送用電車、 ４ａ，４ｂ…リニアモーター用二次導体兼用のガイドレ
ール、 ９ａ，９ｂ…リニアモーター本体、 １０ａ〜１１ｂ…フリーローラーレール、 １２ａ，１２ｂ…荷側面挟持移送用コンベヤ、 １３ａ，１３ｂ…横動台、 １４，１６…ガイドレール、 １７…横動台駆動手段、 １９，２５…駆動用プーリー、 ２０…駆動用無端ベルト、 ２１，２８，３１…減速機付きモーター、 ２６…荷側面挟持用コンベヤベルト、 ２６ａ…荷側面挟持経路部分、 ２７…コンベヤベルト駆動手段、 ２９…コンベヤ出退駆動手段、 ３０…ラックギヤ、 ３２…ピニオンギヤ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】荷を移載方向に滑動可能に支持する荷支持
   台の左右両側に配設され且つ荷移載方向とは直交する方
   向に互いに接近離間移動自在な左右一対の横動台、当該
   横動台を横動させる横動台駆動手段、前記両横動台上に
   荷移載方向に出退移動自在に支持された左右一対の荷側
   面挟持移送用コンベヤ、当該コンベヤの荷側面挟持用コ
   ンベヤベルトを回動させるコンベヤベルト駆動手段、及
   び前記コンベヤを出退移動させるコンベヤ出退駆動手段
   を備えた荷移載装置に於いて、前記コンベヤベルト駆動
   手段のコンベヤベルト駆動用回転体と当該駆動用回転体
   に連動連結するモーターとを前記横動台に設け、当該横
   動台に対し前記コンベヤが出退移動したとき、前記コン
   ベヤベルトの荷側面挟持経路部分がコンベヤの出退移動
   方向と同方向に回動するようにした荷移載装置。