JP2675451B2 - 誘導電動機の磁束直接制御形ベクトル制御における電流制限方法 - Google Patents
誘導電動機の磁束直接制御形ベクトル制御における電流制限方法Info
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- JP2675451B2 JP2675451B2 JP3097987A JP9798791A JP2675451B2 JP 2675451 B2 JP2675451 B2 JP 2675451B2 JP 3097987 A JP3097987 A JP 3097987A JP 9798791 A JP9798791 A JP 9798791A JP 2675451 B2 JP2675451 B2 JP 2675451B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導電動機のベクトル
制御における電流制限に関するものである。
制御における電流制限に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3に本発明に関連する従来技術のベク
トル制御のブロック線図を示し、これによりベクトル制
御を説明する。詳細な理論展開は昭和63年度電気学会産
業応用部門全国大会講演論文集P361〜364 の「誘導電動
機の二次磁束制御に基づくトルク制御法とその特性」に
よるとして、ここでは概要のみにとどめることとする。
トル制御のブロック線図を示し、これによりベクトル制
御を説明する。詳細な理論展開は昭和63年度電気学会産
業応用部門全国大会講演論文集P361〜364 の「誘導電動
機の二次磁束制御に基づくトルク制御法とその特性」に
よるとして、ここでは概要のみにとどめることとする。
【0003】三相誘導電動機(以下IMと略称する)3
は、交流入力電圧Vinをダイオードで構成される整流器
1及び平滑コンデンサCO で整流された直流電圧と、6
個のトランジスタから構成されたインバータ部2で接続
され、IMに流れる電流は電流検出器5により電動機電流
Imとして検出されてIMが運転されている。
は、交流入力電圧Vinをダイオードで構成される整流器
1及び平滑コンデンサCO で整流された直流電圧と、6
個のトランジスタから構成されたインバータ部2で接続
され、IMに流れる電流は電流検出器5により電動機電流
Imとして検出されてIMが運転されている。
【0004】今、この状態でのIM内部で発生している磁
束は、演算器6により、電動機電流Im と、電動機定数
記憶器7から与えられる電動機定数とから、電動機内部
磁束Φとして演算(演算式は省略する)し、またIM内部
で発生すべき磁束指令値Φ* は演算器8により、外部か
ら設定されるトルク指令値τ* と、電動機定数及びIMの
回転数から演算(演算式は省略する)される。なお、IM
の回転数はIMと直結されたパルスジェネレータ(以下PG
と略称する)4の出力パルスを、カウンタ10により一定
時間毎のパルス数としてカウントすることによりωm と
して検出されている。
束は、演算器6により、電動機電流Im と、電動機定数
記憶器7から与えられる電動機定数とから、電動機内部
磁束Φとして演算(演算式は省略する)し、またIM内部
で発生すべき磁束指令値Φ* は演算器8により、外部か
ら設定されるトルク指令値τ* と、電動機定数及びIMの
回転数から演算(演算式は省略する)される。なお、IM
の回転数はIMと直結されたパルスジェネレータ(以下PG
と略称する)4の出力パルスを、カウンタ10により一定
時間毎のパルス数としてカウントすることによりωm と
して検出されている。
【0005】この磁束指令値Φ* と電動機内部磁束Φと
の差、及び電動機電流Im と電動機定数とにより、IMに
与えるべき磁束ベクトルΔλ* を演算器9により演算
し、磁束ベクトルΔλ*を発生するためのインバータ部
2の各トランジスタのスイッチングを決定してスイッチ
ングさせ、IM内部に発生する電動機内部磁束Φを磁束指
令値Φ* と一致させることにより、IMのベクトル制御を
行っている。ここに、制御としてはIM内部の磁束を直接
制御することから、磁束直接制御形ベクトル制御と言わ
れる理由がある。
の差、及び電動機電流Im と電動機定数とにより、IMに
与えるべき磁束ベクトルΔλ* を演算器9により演算
し、磁束ベクトルΔλ*を発生するためのインバータ部
2の各トランジスタのスイッチングを決定してスイッチ
ングさせ、IM内部に発生する電動機内部磁束Φを磁束指
令値Φ* と一致させることにより、IMのベクトル制御を
行っている。ここに、制御としてはIM内部の磁束を直接
制御することから、磁束直接制御形ベクトル制御と言わ
れる理由がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、磁束直接
制御形ベクトル制御では磁束を直接制御しており、他の
ベクトル制御に見られるような電動機電流Im の制御は
行っていないため、電動機電流Im の値に制限値をつけ
ることができないと言う欠点を有していた。
制御形ベクトル制御では磁束を直接制御しており、他の
ベクトル制御に見られるような電動機電流Im の制御は
行っていないため、電動機電流Im の値に制限値をつけ
ることができないと言う欠点を有していた。
【0007】一般に他のベクトル制御に見られるよう
に、電流制御ループを有するものは、電流指令値に電動
機電流が一致するように制御ループを組んでいるため、
電流指令値自体に制限値を設けることにより電流制限を
つけることができるが、本方式のように磁束直接制御形
ではこのようなことができなかった。本発明は、かかる
欠点を解決するためのものである。
に、電流制御ループを有するものは、電流指令値に電動
機電流が一致するように制御ループを組んでいるため、
電流指令値自体に制限値を設けることにより電流制限を
つけることができるが、本方式のように磁束直接制御形
ではこのようなことができなかった。本発明は、かかる
欠点を解決するためのものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による誘導電動機
の磁束直接制御形ベクトル制御における電流制限方法
は、前記磁束指令値演算に使用するトルク指令値として KG ×(外部より設定されるトルク指令値) により得られるものを使用し、このKG を決定するに際
し、あらかじめ設定された電動機の制限電流値と、実際
に流れている電動機電流とを常に比較し、 (制限電流値IL )≦(電動機電流Im ) の時には0を最少値としてKG を徐々に小さくし、 (制限電流値IL )>(電動機電流Im ) の時には1.0 を最大としてKG を徐々に大きくすること
により、電動機に流れる電流に制限をかけることを可能
とすることを特徴とする。
の磁束直接制御形ベクトル制御における電流制限方法
は、前記磁束指令値演算に使用するトルク指令値として KG ×(外部より設定されるトルク指令値) により得られるものを使用し、このKG を決定するに際
し、あらかじめ設定された電動機の制限電流値と、実際
に流れている電動機電流とを常に比較し、 (制限電流値IL )≦(電動機電流Im ) の時には0を最少値としてKG を徐々に小さくし、 (制限電流値IL )>(電動機電流Im ) の時には1.0 を最大としてKG を徐々に大きくすること
により、電動機に流れる電流に制限をかけることを可能
とすることを特徴とする。
【0009】すなわち、前述の磁束指令値Φ* を演算す
るために用いる外部から設定されるトルク指令値τ
* に、KG なる係数を掛け合わせた値τ**を演算トルク
指令値として用いる。その関係式は下記の(1)式とな
る。 τ**=KG ×τ* (0≦KG ≦1.0 ) ……(1) ここで、KG は電動機電流Im と制限をかけたい制限電
流値IL とで決定されるもので、前記KG 決定のアルゴ
リズムをフローチャト化すると図2となる。このような
手段を用いることにより、磁束直接制御形ベクトル制御
において電流制限をかけることが可能となる。
るために用いる外部から設定されるトルク指令値τ
* に、KG なる係数を掛け合わせた値τ**を演算トルク
指令値として用いる。その関係式は下記の(1)式とな
る。 τ**=KG ×τ* (0≦KG ≦1.0 ) ……(1) ここで、KG は電動機電流Im と制限をかけたい制限電
流値IL とで決定されるもので、前記KG 決定のアルゴ
リズムをフローチャト化すると図2となる。このような
手段を用いることにより、磁束直接制御形ベクトル制御
において電流制限をかけることが可能となる。
【0010】
【作用】図2に示したように、電動機電流Im と制限電
流値ILとを比較し、 IL ≦Im の時にはにはKG を徐々に小さくしてい
き、その最少値を0とする 又、IL >Im の時にはにはKG を徐々に大きくして
いき、その最大値を1.0とする ようにしてKG を決定し、演算トルク指令値τ**を用い
て磁束指令値Φ* を演算すれば、IMに流れる電流Im は
制限電流値IL 以下に制御することができる。
流値ILとを比較し、 IL ≦Im の時にはにはKG を徐々に小さくしてい
き、その最少値を0とする 又、IL >Im の時にはにはKG を徐々に大きくして
いき、その最大値を1.0とする ようにしてKG を決定し、演算トルク指令値τ**を用い
て磁束指令値Φ* を演算すれば、IMに流れる電流Im は
制限電流値IL 以下に制御することができる。
【0011】その理由を以下に説明する。電動機電流I
m は勵磁電流(無負荷電流)IO とトルク電流IT とに
より次の(2)式のように表せる。 Im =√{IO 2 +IT 2 } ……(2) ここで、通常のベクトル制御では磁束を一定に保つよう
に制御されているために、トルク電流IT はトルク指令
値τ* に比例している。従って、トルク指令値τ* を調
節することにより電動機電流Im を調節できることにな
り、電動機電流Im を制限することが可能となる。
m は勵磁電流(無負荷電流)IO とトルク電流IT とに
より次の(2)式のように表せる。 Im =√{IO 2 +IT 2 } ……(2) ここで、通常のベクトル制御では磁束を一定に保つよう
に制御されているために、トルク電流IT はトルク指令
値τ* に比例している。従って、トルク指令値τ* を調
節することにより電動機電流Im を調節できることにな
り、電動機電流Im を制限することが可能となる。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例を示す図1のブロック線図
を用いて本発明を説明する。図1の符号のうち既に説明
した従来方式の図3と同一の符号は同一の構成要素であ
って、全体の動作は基本的には同じであるためそれらの
説明は省略し、ここでは唯一の異なる部分であるKG 演
算器11のみについて説明する。
を用いて本発明を説明する。図1の符号のうち既に説明
した従来方式の図3と同一の符号は同一の構成要素であ
って、全体の動作は基本的には同じであるためそれらの
説明は省略し、ここでは唯一の異なる部分であるKG 演
算器11のみについて説明する。
【0013】KG 演算器11の入力はトルク指令値τ* 及
び制限電流値IL と電動機電流Im であり、その出力で
ある演算トルク指令値τ**は前述の図2によるアルゴリ
ズムで係数KG を決定して(1)式により演算される。
KG 演算器11の出力τ**を用いて演算器8により磁束指
令値Φ* を演算決定する。その結果、(2)式に見られ
るようにトルク電流IT の大きさが制御され、電動機電
流Im の値を制限電流値IL 以下に制御することができ
る。
び制限電流値IL と電動機電流Im であり、その出力で
ある演算トルク指令値τ**は前述の図2によるアルゴリ
ズムで係数KG を決定して(1)式により演算される。
KG 演算器11の出力τ**を用いて演算器8により磁束指
令値Φ* を演算決定する。その結果、(2)式に見られ
るようにトルク電流IT の大きさが制御され、電動機電
流Im の値を制限電流値IL 以下に制御することができ
る。
【0014】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば従来の磁
束直接制御形ベクトル制御では実現できなかった電流制
限を実現することができる。しかも、一般的にはベクト
ル制御は中央演算処理装置等によりコントロールされて
いることから、本発明の電流制限方法もソフトウエアの
追加のみでハードウエアの改造等は一切不要であり、制
御装置のコストアップ、信頼性の低下などは生じない。
束直接制御形ベクトル制御では実現できなかった電流制
限を実現することができる。しかも、一般的にはベクト
ル制御は中央演算処理装置等によりコントロールされて
いることから、本発明の電流制限方法もソフトウエアの
追加のみでハードウエアの改造等は一切不要であり、制
御装置のコストアップ、信頼性の低下などは生じない。
【図1】図1は本発明による電流制限をした磁束直接制
御形ベクトル制御のブロック線図である。
御形ベクトル制御のブロック線図である。
【図2】図2は本発明による電流制限を行うための係数
演算器のアルゴリズムを示すフローチャートである。
演算器のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図3】図3は従来の電流制限をしていない磁束直接制
御形ベクトル制御のブロック線図である。
御形ベクトル制御のブロック線図である。
1 整流器 2 インバータ部 3 三相誘導電動機 4 パルスジェネレータ 5 電流検出器 6,8,9 演算器 7 電動機定数記憶器 10 カウンタ 11 KG 演算器
Claims (1)
- 【請求項1】 6個のトランジスタより構成される電圧
形インバータ装置により駆動される誘導電動機のベクト
ル制御で、電動機定数と電動機電流より電動機内部に発
生している磁束を演算し、更に電動機定数と外部より設
定されるトルク指令値及び電動機回転数より電動機内部
で発生すべき磁束指令値を演算し、該磁束指令値と前記
発生磁束及び電動機定数と電動機電流より、前記トラン
ジスタのスイッチングを直接決定し、スイッチングさせ
る方式の磁束直接制御形ベクトル制御において、前記磁
束指令値演算に使用するトルク指令値として KG ×(外部より設定されるトルク指令値) により得られるものを使用し、このKG を決定するに際
し、あらかじめ設定された電動機の制限電流値と、実際
に流れている電動機電流とを常に比較し、 (制限電流)≦(電動機電流) の時には0を最少値としてKG を徐々に小さくし、 (制限電流)>(電動機電流) の時には1.0 を最大としてKG を徐々に大きくすること
により、電動機に流れる電流に制限をかけることを可能
とすることを特徴とする誘導電動機の磁束直接制御形ベ
クトル制御における電流制限方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3097987A JP2675451B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 誘導電動機の磁束直接制御形ベクトル制御における電流制限方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3097987A JP2675451B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 誘導電動機の磁束直接制御形ベクトル制御における電流制限方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04308491A JPH04308491A (ja) | 1992-10-30 |
JP2675451B2 true JP2675451B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=14207024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3097987A Expired - Fee Related JP2675451B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 誘導電動機の磁束直接制御形ベクトル制御における電流制限方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2675451B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010049412A1 (en) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Vestas Wind Systems A/S | Direct power and stator flux vector control of a generator for wind energy conversion system |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0270284A (ja) * | 1988-09-02 | 1990-03-09 | Fuji Electric Co Ltd | 誘導電動機の制御方法 |
-
1991
- 1991-04-04 JP JP3097987A patent/JP2675451B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04308491A (ja) | 1992-10-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |