JP2675317B2 - 移動量測定方法及び移動量測定装置 - Google Patents

移動量測定方法及び移動量測定装置

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JP2675317B2
JP2675317B2 JP62318728A JP31872887A JP2675317B2 JP 2675317 B2 JP2675317 B2 JP 2675317B2 JP 62318728 A JP62318728 A JP 62318728A JP 31872887 A JP31872887 A JP 31872887A JP 2675317 B2 JP2675317 B2 JP 2675317B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、測長基準尺を回折格子とし、回折光を光ヘ
テロダイン干渉させて得られたビート信号の位相によ
り、回折格子とその他の光学部材との相対的な移動距離
を計測する移動量測定方法及びそのための装置に関する
ものである。 〔従来の技術〕 長さや位置計測の分野では、従来から純機械的な物差
し、ノギス、マイクロメータ等を用いて人間の目による
計測は依然として行なわれているが、μm単位を問題と
するいわゆる精密計測の領域ではこれらの測定用具はそ
の用をなさない。近年、測定機器の電子化が進み、電子
回路と共に光、磁気等の技術を用いた測定装置が開発さ
れ、加工、検査に多用されている。光を用いるものの一
例としては、レーザー光の波長を基準とした光波干渉測
長器が知られている。この測長器の精度は、現在の工業
水準の要求に十分対応できるものであるが、レーザー光
の光路系の環境変化(気圧、温度、振動等)により検出
精度が劣化する問題がある他に、価格的にも高価であ
る。また、磁気を用いた方式として、帯状、又は棒状の
磁性体に予め寸法の基準としての磁気パタンを記録して
おき、このパタンと磁気ヘツドとの相互の位置関係を求
める磁気スケールが知られている。しかし、この方式は
磁性体に記憶できる基準パタンのピツチにより精度が決
定され、安定に記憶し得るピツチは、5〜10μmであ
り、測定精度は光波干渉測長器と比較して実用上2桁程
度精度が低い。一方、光波干渉測長器と磁気スケールと
の中間的な精度を有する測長装置として回折格子とレー
ザー光を組み合わせた装置の実用化が進められている。 従来、この種の装置は一般に第6図、又は第7図に示
すように構成されており、第6図においては、1は回折
格子、2はレーザー光等の単色光を発光する光源、3,4
は回折格子1を挾んで光源2と反対側に置かれた反射
鏡、5は干渉光を読み取るために光源2側に配置された
検出器である。光源2から射出された光線Lは、回折格
子1で透過、及び回折される。光線L1は回折格子1で回
折されたn次の回折光とすると、回折格子のピツチを
p、回折格子1の微小変位をΔxとして光線L1には2π
・Δx・n/pの位相情報を含んでいる。一方、回折格子
1を直線的に透過した光線L2には位相情報は含まれてい
ない。光線L1、及びL2は反射鏡3,4でそれぞれ反射さ
れ、往路を逆行し再び回折格子1に入射し回折、及び透
過が行なわれる。光線L1の透過光と光線L2の−n次回折
光は、空間的に選択され干渉されて検出器5に入射され
る。この時、光線L2の−n次回折光には−2π・Δx・
n/pの位相情報が含まれており、従つて、干渉光には2
π・Δx・2n/pの位相情報を含むことになり、回折格子
1とその他の光源2、反射鏡3,4等の光学系とが相対的
に動くものとすれば、回折格子1の1周期分の移動によ
つて干渉光の強度変化は2n周期分となる。検出分解能は
p/2nとなる。 また、第7図の装置は、光源2と透過型の回折格子1
との間にビームスプリツター6を配置し、2個の反射鏡
3,4を回折格子1の下側に回折格子1に対して同角度で
対称的に配置してある。検出器5はビームスプリツター
6の反射側に設けてある。従つて、光源2を射出した光
線Lはビームスプリツター6を透過し、他の光学系に対
して移動し得る回折格子1に入射する。この回折格子1
で符号の異なるn次の回折光が形成され、これらを空間
的に選択して光線L1,L2として反射鏡3,4に入射し、これ
らの反射鏡3,4で逆行するように反射し、再び回折格子
1に入射する。1回目の回折で+n次となつた光の+n
次回折光と、1回目の回折で−n次となつた光の−n次
回折光を空間的に選択する。かくすることにより、これ
ら2つの光線L1,L2の進行方向は一致し、互いに干渉し
合いながら光源2の方向に向かつて進み、ビームスプリ
ツター6で反射され検出器5に入射することになる。従
つて、回折格子1により2回回折させることにより、回
折格子1が他の光学系に対して1周期分の移動を行なう
と、検出器5に入射する干渉光は4n周期の強度変化を生
じる。検出分解能はp/4nとなり、第6図の例の2倍とな
る。 第8図は更に具体的な従来例を示し、回折格子1(8
は格子線)の片側に光源2、2個の検出器5a,5b、レン
ズ系9、偏向鏡10a,10b、偏向ビームスプリツター7を
配置し、他側にダハプリズム11,12、位相差板13,14、を
配置する。光源2は発光ダイオードや半導体レーザー等
の半導体発光素子であり、レンズ系9は光源2から射出
される光線Lをほぼ平行光束にするためのものであつ
て、偏向鏡10a,10bは偏向鏡10aへの入射光と偏向鏡10b
からの出射光とが平行になるように、これらの相対角度
は90度に設定する。また、位相差板13,14は光源2から
の直線偏光を回折格子1に再入射するときには、右廻り
及び左廻りの円偏光にする働きをしている。 従つて、光源2から発光された光線Lはレンズ系9で
平行光束とされ、偏向鏡10aにより回折格子1の点Aに
入射する。そして、回折格子1により回折され、光線
L1,L2としてそれぞれ位相差板13,14を経由して、ダハプ
リズム11,12に入射する。光線L1,L2はダハプリズム11,1
2で入射方向と平行方向に反射され、位相差板13,14によ
り右廻り及び左廻りの円偏光にされ、回折格子1の点A
とX方向に異なる点Bにおいて再び回折され、更に偏向
鏡10aを介して偏光ビームスプリツター7に入射する。
この偏光ビームスプリツター7に入射した右廻り及び左
廻りの円偏光特性を有する光線L1,L2は、偏光ビームス
プリツター7を透過及び反射する。透過光及び反射光は
それぞれ直線偏光になり、互いに干渉し合つて検出器5
a、及び5bに入射することになる。 検出器5a、及び5bは2つの円偏光の直交成分を干渉光
強度として検出するため、回折格子1が移動した場合の
検出器5a,5bの出力R,Sは、第9図(a),(b)に示す
ように90度の位相差を有する。この2つの信号R,Sを一
定レベルの基に同図(c),(d)に示すように二値化
し、その立ち上がりと立ち下がりのタイミングで同図
(e)に示すようにパルスを発生させ、その数を計測す
ることによつて回折格子1の移動量を計測できる。ま
た、その計数時には回折格子1の移動方向を考慮して、
加算又は減算かを決定すればよい。この場合は、回折格
子1の1周期の移動により干渉縞の出力は4n周期の移動
となり、その出力からパルスを計数すると16n個のパル
スを得ることになる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、第6図の光学的配置において、光学系を小
さなスペースに収納するためには、光線L1と光線L2の回
折格子1に対する角度を等しくする必要があるが、この
場合、光学系と回折格子1との相対位置が回折格子1の
面に垂直なY方向に移動した場合においても回折光にそ
の移動量に対応した位相情報が含まれ、回折格子1が格
子の配列方向、即ち、X方向に移動した場合と同様な干
渉光の強度変化を生じるため、測定精度が悪くなるとい
う問題点があつた。また、第7図,第8図に示すように
光線Lを垂直入射させると上述の問題点は生じないが、
干渉光の強度変化を検出しているため光量の変動、回折
効率の変動等により検出精度が劣化する。これらの変動
を補正するためにはレーザー光の光強度をモニターして
検出信号処理系にフイードバツクする等の処理系が必要
であり、装置が複雑化する一方、検出信号にはノイズ成
分を含んでいるため光強度変動を完全には除去できない
欠点がある。また、検出信号のS/N比は検出精度に大き
く影響を及ぼすため、検出分解能向上のために施してい
る検出信号のパルス変換には限界があり、従つて、検出
分解能も回折格子ピツチの数十分の一程度が限界であ
り、これ以上の検出分解能を得ることは困難である。ま
た、ロータリーエンコーダー等に応用する場合、円周上
に回折格子を形成する必要が有り、回転角の検出分解能
を高めるためには格子ピツチを細かくすれば可能である
が、機械的なルーリングエンジン、ホトリソグラフイ
ー、電子ビームリソグラフイー等による格子ライン形成
には限界があるため、円の径を大きくして円周を長くし
格子ラインの本数を多くする方法が考えられるが装置自
体が大型化するという問題点がある。さらに、上記ロー
タリーエンコーダー等の装置では、円盤状の回折格子が
回転することによつて生ずる回折光の強度変化を検出
し、パルス信号に変換しているが、検出器、或はパルス
計数等に用いられている電子回路の周波数応答速度には
限界があるため、上記ロータリーエンコーダーにおいて
は高速化できないという問題があつた。 したがつて、本発明は上述したような問題点を解決
し、回折格子を用いると共に、光源に2波長の単色光を
用いた光ヘテロダイン干渉法を適応し、回折光の強度信
号に代えて位相差信号を検出することにより、従来のも
のよりも高速、高安定性、高分解能であり、しかも小型
の移動量測定方法、及びそのための移動量測定装置を提
供することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記目的を達成するためになされたもので、
その第一の発明の移動量測定方法は、周波数が互いにわ
ずかに異なる2波長の単色光を合成し光ヘテロダイン干
渉させて基準ビート信号を生成するとともに、前記2波
長の単色光を入射角調整手段を介して左右対称の角度で
物体上に設けられた回折格子上の異なる位置に入射さ
せ、前記回折格子から生じる2波長の回折光を、往路を
逆行させるような光学系により再び前記回折格子に入射
させ前記回折格子により2回回折して生じた、これら周
波数が互いにわずかに異なる2波長の回折光どうしを前
記入射角調整手段を介した後に光ヘテロダイン干渉さ
せ、生じた干渉光のビート信号と前記基準ビート信号と
の位相差および位相差信号から生成した位相の周期パル
ス信号をカウントすることによって、前記回折格子から
なる物体の移動距離を測定するようにしたものである。 また、第二の発明の移動量測定装置は、物体上に設け
られた回折格子と、周波数が互いにわずかに異なる2波
長の単色光を発生する光源と、この光源から発せられた
2波長の単色光を合成し光ヘテロダイン干渉させて基準
ビート信号を生成する第一の光合成検出手段と、前記光
源から発せられた2波長の単色光を前記回折格子上の異
なる位置に所定の角度を有した左右対称の方向からそれ
ぞれ入射させる入射角調整手段と、前記回折格子から生
じる2波長の回折光の往路を逆行させ再び前記回折格子
に入射させる反射光調整手段と、前記回折格子により2
回回折されて生じた2波長の回折光を前記入射角調整手
段を介した後に合成して光ヘテロダイン干渉ビート信号
を生成する第二の光合成検出手段と、前記第一,第二の
光合成検出手段によつてそれぞれ生成された基準ビート
信号、及び光ヘテロダイン干渉ビート信号とから位相差
信号を算出処理し、さらに位相差信号から位相の周期パ
ルス信号を生成して算出処理することによって前記回折
格子からなる物体の移動量に換算する信号処理装置とで
構成したものである。 〔作用〕 本発明は回折格子の移動量、即ち、物体の移動量を、
ビート信号の位相変化として連続的に検出するものであ
る。そして、そのビート信号の位相は回折光の強度変動
には影響されることがなく、従つて、本発明では光源の
強度変化や回折格子の回折効率の変化等に起因する検出
誤差が生じることがない。また、本発明では移動量の検
出分解能は位相差の検出精度によつて決定され、その位
相差の検出精度を高めることによつて、回折格子のピツ
チ、或は格子の本数等を代えることなく物体の移動量の
検出分解能が容易に高められる。 〔実施例〕 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。 第1図は本発明に係る移動量測定装置の第1実施例を
示すものである。なお、第6図ないし第8図と同一の符
号は同一の部材を示すものとする。第1図において、15
は周波数が互いにわずかに異なりかつ偏光面が互いに直
交する2波長の単色光を発する2波長直交偏光レーザー
光源である。ここで、偏光面が互いに直交するp偏光、
s偏光のレーザー光の周波数をそれぞれf1,f2とする。
従つて、光ヘテロダイン干渉ビート周波数Δf≡|f1−f
2|となる。7a,7bは偏光ビームスプリツター、16a,16bは
偏光板、17a,17bは集光レンズである。 この第1実施例の装置では、2波長直交偏光レーザー
光源15から発したレーザー光Lの一部をビームスプリツ
ター6を介して透過光として取り出し、その取り出した
レーザー光を集光レンズ17aで集光し、偏光板16aを用い
て光ヘテロダイン干渉させ、検出器5aで検出し、基準ビ
ート信号とする。一方、2波長直交偏光レーザー光源15
から発した光の一部は、ビームスプリツター6を介して
反射され、他の光学系に対して移動し得る回折格子1に
回折格子面に垂直な法線方向(Y方向)から入射する。
この回折格子1で符号の異なる同次数の回折光が形成さ
れ、これらを空間的に選択して光線L3,L4として偏光ビ
ームスプリツター7a,7bを介して反射鏡3,4に入射する。
ここで、光線L3,L4は、往路を逆行するように反射鏡3,4
で反射され、再び回折格子1に入射する。偏光ビームス
プリツター7a,7bはレーザー光の偏光方向によつて、水
平偏光レーザー光(p偏光)と垂直偏光レーザー光(s
偏光)に分離する光学素子であり、従つて、レーザー光
L3は、偏光ビームスプリツター7aを透過するp偏光のレ
ーザー光(周波数f1)となり、回折格子1へ再度入射す
る。これとは逆に、レーザー光L4は偏光ビームスプリツ
ター7bにより反射するs偏光のレーザー光(周波数f2
となり、同様に回折格子1へ再度入射する。再度、回折
格子1に入射した、これらレーザー光L3,L4は回折格子
1により再び回折され、符号の異なる同次数の回折光が
回折格子面に垂直な法線方向において光学的に合成さ
れ、ビームスプリツター6を透過し、集光レンズ17bで
集光され、偏光板16bにより光ヘテロダイン干渉光とな
り、検出器5bにより回折光ビート信号として検出する。 従つて、検出器5aで検出した基準ビート信号と検出器
5bで検出した回折光ビート信号との位相差を検出するこ
とにより、回折格子1の移動量を計測できる。 ここで、例えば回折格子1の格子ピツチをP、周波数
f1,f2のレーザー光の波長をそれぞれλ1とし、回
折格子1の格子ラインに垂直なピツチ方向(X方向)の
移動量をΔxとしてn次回折光の光ヘテロダイン干渉光
を検出する場合を考えると、移動量Δxに対し検出器5b
により検出されるレーザー光L3の光路長変化量は、回折
格子1により2回回折されているため、2π・Δx・si
n1だけ長くなる。これとは逆に、レーザー光L4の光
路長変化量は、同様に2・Δx・sinθn2だけ短くな
る。ここで、θn1n2は、それぞれ波長λ1のn
次回折角であり、 sinθn1=n・λ1/P (1) sinθn2=n・λ2/P (2) の関係がある。 従つて、基準ビート信号と回折光ビート信号との位相
差Δφは、 となり、式(3)に(1),(2)式を代入すると、 Δφ=8π・n・Δx/P =2π・Δx/(P/(4n)) (4) となり、位相差Δφと回折格子1の移動量Δxとは直線
関係にあり、位相差Δφは回折格子1の移動量Δxに対
し、P/(4n)を周期として変化することになる。 第2図は、本発明に係る移動量測定装置の第2実施例
を示すものである。同図において、3aは反射鏡、7は偏
光ビームスプリツター、18a,18bは1/4波長板である。 この第2実施例の装置では、2波長直交偏光レーザー
光源15から発したレーザー光Lの一部をビームスプリツ
ター6を介して取り出し、その取り出したレーザー光を
集光レンズ17aで集光し、偏光板16aを用いて光ヘテロダ
イン干渉させ、検出器5aで検出し、基準ビート信号とす
る。一方、2波長直交偏光レーザー光源15から発した光
Lの一部は、ビームスプリツター6を透過し、偏光ビー
ムスプリツター7に入射し、水平偏光レーザー光(p偏
光、周波数f1)と垂直偏光レーザー光(s偏光、周波数
f2)L5とL6に分離される。レーザー光L5は反射鏡3aを介
して、そしてレーザー光L6は直接、他の光学系に対して
移動し得る回折格子1に回折格子面に垂直な法線方向
(Y方向)から入射する。この回折格子1で符号の異な
る同次数の回折光が形成され、これらを空間的に選択し
て1/4波長板18a,18bを介して反射鏡3,4に入射する。こ
こで、光線L5,L6は、往路を逆行するように反射鏡3,4で
反射され、再び回折格子1に入射する。再度、回折格子
1に入射した光線L5,L6は、符号の異なる同次数の回折
光が回折格子面に垂直な法線方向、すなわちY方向に出
射し、反射鏡3a等を介して偏光ビームスプリツター7に
再入射する。この時、光線L5,L6は、それぞれ、1/4波長
板18a,18bを2度通過するため、偏光面が90度回転され
ている。従つて、偏光ビームスプリツター7において、
光線L5はs偏光のため反射し、光線L6はp偏光となつて
透過し、光学的に合成され、集光レンズ17bで集光さ
れ、偏光板16bにより光ヘテロダイン干渉光となり、検
出器5bにより回折光ビート信号として検出する。 従つて、検出器5aで検出した基準ビート信号と検出器
5bで検出した回折光ビート信号との位相差Δφを検出す
ることにより、回折格子1の移動量Δxを計測できる。
n次回折光の光ヘテロダイン干渉ビート信号を用いる場
合、位相差Δφと回折格子1の移動量Δxとの関係は、
第1実施例と同様に上記式(4)で表される。 第3図は、本発明に係る移動量測定装置の第3実施例
を示すものである。同図において、3,3a,3bは反射鏡、1
8は1/4波長板である。 この第3実施例の装置では、2波長直交偏光レーザー
光源15から発したレーザー光Lの一部をビームスプリツ
ター6を介して取り出し、その取り出したレーザー光を
集光レンズ17aで集光し、偏光板16aを用いて光ヘテロダ
イン干渉させ、検出器5aで検出し、基準ビート信号とす
る。一方、2波長直交偏光レーザー光源15から発した光
Lの一部は、ビームスプリツター6を透過して、偏光ビ
ームスプリツター7に入射し、水平偏光レーザー光(p
偏光、周波数f1)L5と垂直偏光レーザー光(s偏光、周
波数f2)L6に分離される。レーザー光L5,L6は反射鏡3a,
3bを介して、他の光学系に対して移動し得る回折格子1
に回折格子面に垂直な法線方向(Y方向)に対して左右
対称な符号の異なる同次数の回折角から入射する。この
回折格子1で透過回折したレーザー光L5,L6の符号の異
なる同次数の回折光は、合成光となつて1/4波長板18を
介して反射鏡3に入射する。ここで、光線L5,L6の合成
回折光は、往路を逆行するように反射鏡3で反射され、
再び回折格子1に入射する。再度、回折格子1に入射し
た光線L5,L6の合成回折光は、それぞれ符号の異なる同
次数の回折光が形成され、反射鏡3a,3bを介して偏光ビ
ームスプリツター7に再入射する。この時、光線L5,L6
の合成回折光は、それぞれ、1/4波長板18を2度通過す
るため、偏光面が90度回転されている。従つて、偏光ビ
ームスプリツター7において、光線L5の回折光はs偏光
となつて反射し、光線L6の回折光はp偏光となつて透過
し、光学的に合成され、集光レンズ17bで集光され、偏
光板16bにより光ヘテロダイン干渉光となり、検出器5b
により回折光ビート信号として検出する。 従つて、検出器5aで検出した基準ビート信号と検出器
5bで検出した回折光ビート信号との位相差Δφを検出す
ることにより、回折格子1の移動量Δxを計測できる。
n次回折光の光ヘテロダイン干渉ビート信号を用いる場
合、位相差Δφと回折格子1の移動量Δxとの関係は、
第1実施例と同様に上記式(4)で表される。 第4図は、本発明に係る移動量測定装置の更に具体的
な第4実施例を示すものである。同図において、3,3a,3
b,3c,4は反射鏡、8は格子線、19は信号処理部である。 この第4実施例の装置では、2波長直交偏光レーザー
光源15から発したレーザー光Lの一部をビームスプリツ
ター6を介して取り出し、その取り出したレーザー光を
集光レンズ17aで集光し、偏光板16aを用いて光ヘテロダ
イン干渉させ、検出器5aで検出し、基準ビート信号とし
て信号処理部19に入力する。一方、2波長直交偏光レー
ザー光源15から発した光Lの一部は、ビームスプリツタ
ー6を透過して、偏光ビームスプリツター7に入射し、
水平偏光レーザー光(p偏光、周波数f1)L5と垂直偏光
レーザー光(s偏光、周波数f2)L6に分離される。レー
ザー光L5,L6は反射鏡3bと3a、及び3cを介して、他の光
学系に対して移動し得る回折格子1に回折格子面に垂直
な法線方向(Y方向)に対して左右対称な符号の異なる
同次数の回折角から入射する。この回折格子1で透過回
折したレーザー光L5,L6の符号の異なる同次数の回折光
は、それぞれ1/4波長板18a,18bを介して反射鏡3,4に入
射する。ここで、光線L5,L6の回折光は、往路を逆行す
るように反射鏡3,4で反射され、再び回折格子1に入射
する。再度、回折格子1に入射した光線L5,L6の回折光
は、それぞれ符号の異なる同次数の回折光を形成し、反
射鏡3aと3b、及び3cを介して偏光ビームスプリツター7
に再入射する。この時、光線L5,L6の回折光は、それぞ
れ、1/4波長板18a,18bを2度通過するため、偏光面が90
度回転されている。従つて、偏光ビームスプリツター7
において、光線L5の回折光は、s偏光であるので反射
し、光線L6はp偏光であるので透過し、光学的に合成さ
れ、集光レンズ17bで集光され、偏光板16bにより光ヘテ
ロダイン干渉光となり、検出器5bにより回折光ビート信
号として検出し、信号処理部19に入力する。 従つて、信号処理部19において、検出器5aで検出した
基準ビート信号と検出器5bで検出した回折光ビート信号
との位相差Δφを検出することにより、回折格子1の移
動量Δxを計測できる。n次回折光の光ヘテロダイン干
渉ビート信号を用いる場合、位相差Δφと回折格子1の
移動量Δxとの関係は、第1実施例と同様に上記式
(4)で表される。 第5図(a)は位相差信号Δφの具体例を示した図で
あり、位相差信号Δφは回折格子の移動量Δx=−P/
(8n)〜+P/(8n)に対して−π(−180度)〜+π
(+180度)の範囲で直線性を示し、これを周期P/(4
n)で繰り返す。同図(a)の位相差信号に対して、例
えば位相差が+180度から−180度に、或は逆に−180度
から+180度に切り替わるタイミングで同図(b)に示
すようにパルスを発生させ、その数を計数することによ
つて回折格子1の移動量を計測できる。この時の検出分
解能はP/(4n)となる。なお、この場合、回折格子1の
移動の方向は、位相差値の増減の方向と対応するので容
易に判定できるのでパルス計数時に位相差値の増減を考
慮して加算、または減算かを決定すればよい。 さらに、位相差信号Δφは回折光の強度信号とは異な
り、光源の強度変動や回折格子の回折効率の変動等の外
乱の影響を殆ど受けず、回折格子1の移動量Δxに比例
した信号であり、安定した信号が得られる。このため、
通常の電子回路からなる位相差信号検出処理系等によつ
て容易に検出分解能1度程度を達成できる。従つて、同
図(c)に示すように例えば、分割数N=360として移
動量Δx=−P/(8n)〜+P/(8n)の範囲を360分割可
能である。即ち、回折格子1の移動量Δxを検出分解能
P/(360・4n)で検出可能である。さらに、分割数Nの
値は、位相差信号検出処理系により容易に設定でき、任
意の検出分解能P/(N・4n)で回折格子1の移動量Δx
を検出できる特徴を有している。 なお、上記の第1〜第4の実施例においては、2波長
の単色光光源としていずれも2波長直交偏光レーザー光
源15を用いたが、2波長の単色光としてブラツグセルな
どの音響光学素子を用いて生成した光を用いても同様の
効果を得ることができる。この場合、音響光学素子と半
導体レーザーとを組合せることにより、2波長単色光光
源のコンパクト化が可能である。さらに、2波長レーザ
ー光の入射光学系に偏波面保存光フアイバー等の光フア
イバーを用いて、移動量検出光学系本体と2波長単色光
光源とを分離させ、両者を光フアイバーで結合させる等
の技術を適用させることにより、移動量検出光学系をさ
らにコンパクト化させることが可能である。 また、上記の第1〜第4の実施例においては、微小変
位計としての応用例を示したが、回折格子1を回転可能
な円盤上に設定したロータリーエンコーダーにも応用可
能である。この場合にも同様の効果を得ることができ
る。さらに、Nの値を適宜、設定することにより、検出
分解能を損なうことなく、格子ピツチの大きい回折格子
の使用が可能であることから、ロータリーエンコーダー
の応答回転速度の高速化が可能である。 さらにまた、回折格子1への入射光の方向、及び回折
格子1からの回折光の方向が回折格子面に垂直なXY平面
に含まれる例について説明したが、回折格子1への入射
光の方向、及び回折格子からの回折光の方向として、回
折格子面に垂直なXY平面に含まれない斜め入射、及び斜
め出射の2波長の回折光を光学的に合成して光ヘテロダ
イン干渉ビート信号を検出するようにしても同様の効果
を得ることができる。 さらになお、本発明における回折格子1としては、吸
収型回折格子、位相型回折格子のいずれを用いてもよ
く、またバイナリー回折格子に限らず正弦波状回折格
子、フレーズ回折格子等、種々の回折格子を用いること
が可能であるし、透過型の他に反射型回折格子を用いる
ことも可能である。 〔発明の効果〕 以上詳細に説明したように、本発明に係る移動量測定
方法およびその測定装置によれば、回折格子に周波数が
わずかに異なる2波長の単色光を入射し、それら2波長
の単色光の2回の回折によつて生じる回折格子からの2
波長の回折光を光学的に合成して光ヘテロダイン干渉ビ
ートを検出するようにしたので、検出した回折光ビート
信号の位相変化から回折格子の移動量(即ち、物体の移
動量)を測定できる。しかも、光源の強度変動や回折格
子の回折効率の変動等に起因して回折光強度が変動した
場合であつても、回折光ビート信号の振幅が変化するだ
けでビート信号の位相変化には全く影響が及ばず、従つ
て、高精度に移動量を検出することができる。また、位
相差信号が高安定であるため、位相差を例えば1゜以下
の精度で検出可能であり、高分解能を得ることができ
る。さらに、ロータリーエンコーダー等に適用する場
合、位相差検出による高検出分解能を利用して、検出分
解能を劣化させることなく、円盤上に配置する回折格子
の本数を少なくして装置の小型化、或は回折格子のピツ
チを大きくして回転移動検出の高速化が可能である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る移動量測定方法及びその装置の第
1実施例を示す構成図、第2図は本発明の第2実施例を
示す構成図、第3図は本発明の第3実施例を示す構成
図、第4図は本発明の第4実施例を示す構成図、第5図
(a)〜(c)は本発明の第4実施例から得られる信号
のタイムチヤート図、第6図,第7図および第8図はそ
れぞれ従来の移動量測定方法の一例を示す構成図、第9
図(a)〜(e)は第8図の測定方法から得られる信号
のタイムチヤート図である。 1……回折格子、2……光源、3,3a,3b,3c,4……反射
鏡、5,5a,5b……検出器、6……ビームスプリツター、
7,7a,7b……偏光ビームスプリツター、8……格子線、
9……レンズ系、10a,10b……偏向鏡、11,12……ダハプ
リズム、13,14……位相差板、15……2波長直交偏光レ
ーザー光源、16a,16b……偏光板、17a,17b……集光レン
ズ、18,18a,18b……1/4波長板、19……信号処理部。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.回折格子を測長基準尺として用い、前記回折格子に
    単色光を入射して生じる回折光を干渉させて、他の光学
    系に対する回折格子の相対的な移動距離を求める測長装
    置において、光源に周波数が互いにわずかに異なる2波
    長の単色光を用い、前記2波長の単色光を合成して光ヘ
    テロダイン干渉させて基準ビート信号を生成するととも
    に、前記2波長の単色光を入射角調整手段を介して左右
    対称の角度で物体上に設けられた回折格子上の異なる位
    置に入射させ、前記回折格子から生じる2波長の回折光
    を、往路を逆行させるような光学系により再び前記回折
    格子に入射させ前記回折格子により2回回折して生じ
    た、これら周波数が互いにわずかに異なる2波長の回折
    光どうしを前記入射角調整手段を介した後に光ヘテロダ
    イン干渉させ、生じた干渉光のビート信号と前記基準ビ
    ート信号との位相差および位相差信号から生成した位相
    の周期パルス信号をカウントすることによって、前記回
    折格子からなる物体の移動距離を測定することを特徴と
    する移動量測定方法。 2.物体上に設けられた回折格子と、周波数が互いにわ
    ずかに異なる2波長の単色光を発生する光源と、この光
    源から発せられた2波長の単色光を合成し光ヘテロダイ
    ン干渉させて基準ビート信号を生成する第一の光合成検
    出手段と、前記光源から発せられた2波長の単色光を前
    記回折格子上の異なる位置に所定の角度を有した左右対
    称の方向からそれぞれ入射させる入射角調整手段と、前
    記回折格子から生じる2波長の回折光の往路を逆行させ
    再び前記回折格子に入射させる反射光調整手段と、前記
    回折格子により2回回折されて生じた2波長の回折光を
    前記入射角調整手段を介した後に合成して光ヘテロダイ
    ン干渉ビート信号を生成する第二の光合成検出手段と、
    前記第一、第二の光合成検出手段によってそれぞれ生成
    された基準ビート信号、及び光ヘテロダイン干渉ビート
    信号とから位相差信号を算出処理し、さらに位相差信号
    から位相の周期パルス信号を生成して算出処理すること
    によって前記回折格子からなる物体の移動量に換算する
    信号処理装置とを具備してなることを特徴とする移動量
    測定装置。
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