JPH07117049B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH07117049B2
JPH07117049B2 JP62332005A JP33200587A JPH07117049B2 JP H07117049 B2 JPH07117049 B2 JP H07117049B2 JP 62332005 A JP62332005 A JP 62332005A JP 33200587 A JP33200587 A JP 33200587A JP H07117049 B2 JPH07117049 B2 JP H07117049B2
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール圧縮機の過負荷軽減に関するもので
ある。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が外周部に有り、吐出ポートが渦巻きの中心部に設け
られ、圧縮流体の流れが一方向で往復動圧縮機や回転式
圧縮機のような流体を圧縮するための吐出弁を必要とせ
ず圧縮比が一定で、吐出脈動も比較的小さくて大きな吐
出空間を必要としないことが一般に知られている。
また、振動や騒音特性をより一層改善するために、圧縮
機高速運転時などにおける旋回スクロールのジャンピン
グ現象を少なくする方策として第16図、第17図の構成が
考えられている。
同図は駆動シャフト1007の先端部の駆動ピン1007aに連
結する旋回スクロール1001の鏡板1001aが固定スクロー
ル1002の鏡板1002aとフレーム1008との間に微小隙間で
支持され、圧縮機の始動、停止時、高速運転時など圧縮
負荷や回転部材の慣性力などが変化する際に旋回スクロ
ール1001aがジャンピングするのを阻止し、旋回スクロ
ール1001と固定スクロール1002との軸方向微少隙間を確
保して圧縮室の密封を図り、圧縮効率を高めると共に、
部材間の衝突により生じる異常音、振動、摺動部耐久性
低下を防止する工夫がなされている(特開昭55−142902
号公報、米国特許3994633号公報など)。
発明が解決しようとする問題点 しかし、スクロール圧縮機は、往復動式圧縮機やロータ
リ式圧縮機などのように流体を圧縮するための吐出弁を
必要としない構成のために、液圧縮などにより圧縮室内
が異常圧力上昇した場合に圧縮室間隙間を広げて圧縮流
体を漏洩させ、圧縮室圧力を降下させることが出来ない
ので、圧縮負荷の増大、部品の破損、摺動部耐久性の低
下を生じるというスクロール圧縮機特有の問題がある。
また、この液圧縮問題解決のための方策として、第18図
の構成が考えられている。
同図は固定スクロール2001eを軸方向に移動可能な構成
にし、板バネ2023eの付勢力と背圧室2015に吐出圧力を
導入してその背圧力とで固定スクロール2001eを旋回ス
クロール2001dに押圧し、旋回スクロール2001dと固定ス
クロール2001eとの間の軸方向隙間を無くして圧縮室の
密封を図り、圧縮効率を高めると共に圧縮室内で液圧縮
が生じた時、固定スクロール2001eが旋回スクロール200
1dから軸方向に離反して圧縮室圧力を降下せしめて負荷
を軽減する構成である(米国特許3600114号公報)。
しかし、固定スクロール2001eを旋回スクロール2001dに
常に押圧する構成では、固定スクロール2001eが不要に
軸方向移動しないように、その付勢力を大きくする必要
があり両スクロール接触面の摩擦や摩耗により耐久性が
低下し、入力損失も大きいという問題があった。
また、板バネ2023を支持すると共に背圧室2015を形成す
るために、剛性のあるケーシングカバー2022を固定スク
ロール2001eの背面側に堅固に配置させる必要が有り、
部品コスト高と圧縮機の大型化を招くという問題があっ
た。
また、環状の支持板2013の中心部を板バネ2023で押圧し
ているので、環状の支持板2013の中央部に反りが生じ易
く、その結果、固定スクロール2001eを旋回スクロール2
001dの側に均一に押圧させることが出来なくなり、固定
スクロール2001eが旋回スクロール2001dに対して傾い
て、圧縮室の軸方向隙間が部分的に拡大して圧縮流体洩
れが生じ、圧縮効率の低下を招くなどの問題があった。
なお、上記の過負荷軽減策は固定スクロールをその背面
から付勢する手段が吐出ガス圧力とバネ装置であり、固
定スクロールを軸方向に後退させる方法であるが、固定
スクロールの代わりに旋回スクロールを軸方向に後退さ
せ、且つ旋回スクロールをその背面から付勢する手段が
吐出ガス圧力,潤滑油圧力,バネ装置とした方法が特開
昭60−166781号公報、実開昭55−177089号公報、特開昭
59−29790号公報などに開示されている。すなわち、特
開昭60−166781号公報での開示内容は、旋回スクロール
の鏡板と固定スクロールを固定するブロックとの間にス
ライダを配置し、そのスライダの側壁にシール機構を備
えた構成において、スライダの背面に吐出ガスや吐出ガ
ス圧力の作用する潤滑油を導入してスライダの背面を付
勢し、スライダを介して旋回スクロールを固定スクロー
ルに押圧させて圧縮室の軸方向密封を図り、圧縮室が異
常圧力上昇した時に、旋回スクロールとスライダとが数
ミクロンから数mm後退して圧縮室の密封を解除するとい
うものであり、実開昭55−177089号公報も類似である。
また、特開昭59−29790号公報はバネ装置により旋回ス
クロールを背圧付勢したものである。これらは上述の米
国特許3600114号公報と同様に、定常運転時に圧縮室軸
方向隙間を安定的に密封するために、旋回スクロールを
その背面から固定スクロール側に過剰付勢する必要があ
る。その結果、旋回スクロールと固定スクロールとの間
の摩擦抵抗が大きくなり、上述同様の入力損失が生じる
という問題があった。
また、過負荷防止策として米国特許3817664号公報など
のような旋回スクロールを駆動軸の主軸と直角方向に移
動させる構成も考えられているが、部品構成が複雑で振
動や騒音特性の改善に難点があり、コスト高で圧縮機の
外形寸法が大きくなるなど、振動、騒音特性の改善と過
負荷軽減を同時に実現できるスクロール圧縮機が望まれ
ていた。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明のスクロール圧縮機
は、旋回スクロールを反圧縮室側で支持できるスラスト
軸受の背面に流体を導入する構成において、旋回スクロ
ールが固定スクロールとスラスト軸受との間で、少なく
とも油膜形成が可能な軸方向微小隙間を有して配置され
るべく、スラスト軸受が旋回スクロールの側へ移動する
範囲を規制する手段を設けたものである。
作用 本発明は上記構成によって、圧縮室圧力が正常で順次移
行する圧縮室の圧縮圧力により旋回スクロールに作用し
てスラスト軸受の側に向かうスラスト力がスラスト軸受
の背面に作用する付勢力よりも小さい場合は、スラスト
軸受が旋回スクロールの側に向かう軸方向移動範囲を規
制されながら旋回スクロールの背面を支持する。そし
て、旋回スクロールと固定スクロールとの間の軸方向隙
間が微少に保たれて圧縮室の密封を維持し、効率の良い
圧縮作用をする。また、或る程度の負荷変動時や加減速
運転時、高速運転時でも旋回スクロールのジャピングや
傾きが防止されて振動の少ない静粛な圧縮運転が継続す
る。
万一、液圧縮などが生じて瞬時的に圧縮室圧力が異常上
昇した場合ば、旋回スクロールに作用するスラスト力が
スラスト軸受の背面に作用する付勢力よりも大きくな
り、スラスト軸受は本体フレームとの間の隙間を小さく
する方向に移動し、旋回スクロールと固定スクロールと
の間の軸方向隙間が大きくなる。その結果、圧縮室の密
封が解除して圧縮室圧力が降下し、圧縮負荷が軽減す
る。
実施例 以下、本発明の実施例のスクロール冷媒圧縮機につい
て、図面を参照しながら説明する。
第1図において、1は鉄製の密閉ケースで、その内部全
体は吐出室2に連通する高圧雰囲気となり、上部にモー
タ3、下部に圧縮部を配置し、モータ3の回転子3aに固
定された駆動軸4を支承する圧縮部の本体フレーム5に
より、密閉ケース1の内部が上部のモータ室6と下部の
吐出室2とに仕切られている。本体フレーム5は軽量化
と軸受部の熱発散を主目的とした熱伝導特性に優れたア
ウミニウム合金製で、その外周部に溶接性に優れた鉄製
ライナー8が焼ばめ固定され、ライナー8の外周部が密
閉ケース1に全周内接し部分的に溶接固定されている。
モータ3の固定子3bの両端外周部は、密閉ケース1に内
接固定された軸受フレーム9と本体フレーム5によって
支持固定されている。駆動軸4は軸受フレーム9に設け
られた上部軸受10、本体フレーム5の上端部に設けられ
た下部軸受11、本体フレーム5の中央部に設けられた主
軸受12、本体フレーム5の上端面とモータ3の回転子3a
の下部端面との間に設けられたスラスト玉軸受13とで支
持され、その下端部には駆動軸4の主軸から偏心した偏
心軸受14が設けられている。本体フレーム5の下端面に
はアルミニウム合金製の固定スクロール15が固定され、
固定スクロール15は渦巻き状の固定スクロールラップ15
aと鏡板15bから成り、鏡板15bの中央部には固定スクロ
ールラップ15aの巻き始め部に開口する吐出ポート16が
吐出室2にも開口して設けら、固定スクロールラップ15
aの外周部には吸入室17が設けられている。
固定スクロールラップ15aに噛み合って圧縮室を形成す
る渦巻き状の旋回スクロールラップ18aと駆動軸4の偏
心軸受14に支持された旋回軸18bとを直立させたラップ
支持円盤18cとから成るアルミニウム合金製の旋回スク
ロール18は固定スクロール15と本体フレーム5と駆動軸
4とに囲まれて配置されており、旋回軸18bの外周部に
高張力鋼材料から成るスリーブ19が焼ばめ固定され、ラ
ップ支持円盤18cの表面は硬化処理されている。
本体フレーム5に固定された割ピン形の平行ピン19に拘
束されて軸方向にのみ移動が可能なスラスト軸受20と固
定スクロール15の鏡板15bとの間にはスペーサ21が設け
られ、スペーサ21の軸方向寸法は油膜による摺動面のシ
ール性向上のためにラップ支持円板18cの厚さよりも約
0.015〜0.020mm大きく設定されている。
駆動軸4の偏心軸受14の底部と旋回スクロール18の旋回
軸18bの端部との間の偏心軸受空間36とラップ支持円板1
8cの外側の外周部空間37とは旋回軸18bとラップ支持円
板18cに設けられた油穴A38aにより連通されている。
スラスト軸受20は第2図、第5図で示すように、その中
央部が2つの平行な直線部分22とそれに連なる2つの円
弧状曲線部分23から成る形状に貫通成形されている。
旋回スクロール自転阻止用のオルダムリング24は、焼結
成形やインジェクション成形工法などに適した軽合金や
樹脂材料あるいはこれらの複合材料から成り、第4図で
示すように両面が平行な薄い環状板24aとその一面に設
けられた一対の平行キー部分24bとから成り、環状板24a
の外輪郭は2つの平行な直線部分25とそれに連なる2つ
の円弧状曲線部分26から成り、直線部分25は第5図で示
すようにスラスト軸受20の直線部分22に微小隙間で係合
し、摺動可能であり、平行キー部分24bの側面24cは、直
線部分25の中央部で直交し、第1図、第2図で示すよう
に旋回スクロール18のラップ支持円板18cに設けられた
一対のキー溝71に微少隙間で係合し、摺動可能な形状に
設定されている。なお、環状板24aの内輪郭は外輪郭に
類似した形状である。また、平行キー部分24bの付け根
に設けられたヘコミ部24dは潤滑油の通路にもなる。
第1図、第3図で示すように、本体フレーム5とスラス
ト軸受20との間には約0.1mm前後のレリース隙間27が設
けられ、そのレリース隙間27に対向して本体フレーム5
にも環状溝28が設けられ、環状溝28を囲んだゴム製のシ
ールリング70が本体フレーム5とスラスト軸受20との間
に装着されている。
モータ室6の上部と吐出室2とは密閉ケース1の側壁を
貫通して接続されたバイパス吐出管29を介して連通して
おり、バイパス吐出管29のモータ室6への開口位置は固
定子3bの上部コイルエンド30の側面に対向している。ま
た、密閉ケース1の上面に接続された吐出管31は軸受フ
レーム5に設けられた抜き穴32、密閉ケース1の上面と
軸受フレーム9との間に配置された多数の***を有した
パンチングメタル33を介してバイパス吐出管29の上部開
口端と連通している。
モータ室6の下部に設けられた吐出室油溜34は、モータ
3の固定子3bの外周の一部をカットして設けた冷却通路
35を介してモータ室6の上部と連通している。また、吐
出室油溜34は本体フレーム5の側面に開口して設けられ
た油穴B38bから分岐して環状溝28に通じており、油穴B3
8bの終端は、オルダムリング24が配置された旋回スクロ
ール18の背圧室39と主軸受12の摺動部微少隙間を介して
通じている。更に背圧室39は偏心軸受14に設けられた油
溝A40aを介して偏心軸受空間36に連通している。
また、本体フレーム5に設けられた油穴B38bは駆動軸4
の下部軸受11に対応する下部軸部4aの表面に設けられた
螺旋状油溝41にも通じており、螺旋状油溝41の巻方向は
駆動軸4が正回転する時に吐出室油溜34の潤滑油がネジ
ポンプ作用でスラスト玉軸受13の側へ給油されるように
設けられており、その終端は下部軸部4aの途中まで形成
されている。なお、下部軸部4aの隙間は主軸受12の隙間
よりも大きく設定されており、駆動軸4は実質的に上部
軸受10と主軸受12とで支持されている。
第6図,第7図で示すのように、固定スクロール15には
吸入室17の両端を連通する円弧状の吸入通路42が設けら
れ、それに直交する円形の吸入穴43が固定スクロールラ
ップ15aの側面に対しても直角方向に設けられ、吸入穴4
3の底部は平面で吸入通路42の側面にまで到達してい
る。第8図で示すように、吸入穴43の中心は吸入通路42
の底面44とずれており、吸入通路42への開口部寸法W45
は吸入穴43の直径寸法より小さく設けられている。ま
た、吸入穴43にはアキュームレータ46の吸入管47が接続
されており、吸入穴43の底面と吸入管端面48との間には
吸入管47の内径寸法および吸入管端面48と吸入通路42の
底面44との間の吸入穴深さ寸法L49よりも大きく且つ開
口寸法W45よりも大きい円形薄鋼板の逆止弁50が配置さ
れている。逆止弁50の表面は油濡れ特性が悪く弾力性に
富んだテフロンまたはゴムなどがコーティングされてい
る。
第1図と第6図で示すように、吸入室17にも吐出室2に
も連通しない常時密閉空間となる第2圧縮室51a,51bと
外周部空間37とは、第2圧縮室51a,51bに開口して鏡板1
5bに設けられた細径のインジェクション穴52a,52b、鏡
板15bと樹脂製の断熱カバー53とで形成されたインジェ
クション溝54、外周部空間37に開口した段付き形状の油
穴C38cとから成るインジェクション通路55で連通されて
いる。第9図で示すように、段付き形状の油穴C38cの大
径部56には外周の一部に切欠き57を有する薄鋼板製の逆
止弁58とコイルスプリング59とが配置されている。コイ
ルスプリング59は断熱カバー53に押さえられて逆止弁58
を常時付勢する。外周部空間37への油穴C38cの開口位置
は、第10図、第11図で示す如く、吐出ポート16に連通す
る第3圧縮室60a,60bの容積減少行程が終了する近傍に
まで旋回スクロール18が移動した(第10図参照)時に外
周部空間37と油穴C38cとが連通し、それ以外の時(例え
ば第11図参照)にはラップ支持円板18cによって遮断さ
れる位置に設けられている。
第12図において、横軸は駆動軸4の回転角度、縦軸は圧
縮室内の冷媒圧力を示し、吸入・圧縮・吐出過程におけ
る冷媒ガスの圧力変化状態を示す。実線62は正常圧力で
運転時の圧力変化を示し、点線63は異常圧力上昇運転時
の圧力変化を表わす。
第13図において、横軸は駆動軸4の回転角度を示し、縦
軸は圧縮室内の冷媒圧力を示し、実線64は吐出室2にも
吸入室17にも連通しない常時密閉空間となる第2圧縮室
51a,51bのインジェクション穴52a,52bの開口位置におけ
る圧力変化を示し、点線65は吸入室17に間欠的に連通す
る第1圧縮室61a,61b(第6図参照)の定点における圧
力変化を示し、一点鎖線66は吐出室2に間欠的に連通す
る第3圧縮室60a,60bの定点における圧力変化を示し、
二点鎖線67は第1圧縮室61a,61bと第2圧縮室51a,51bと
の間の圧縮室の定点における圧力変化を示し、二重点線
68は背圧室39の圧力変化を示す。
第14図は別の実施例のスクロール冷媒圧縮機の縦断面図
で、101a,101bは鉄製の密閉ケース、180は鉄製の本体フ
レーム105をボルト固定した軟鋼製の仕切り板で、その
外周面部で密閉ケース101a,101bと共に単一の溶接ビー
ド181によって溶接密封され、密閉ケース101a,101b内を
上側の吐出室102と下側の駆動室106(低圧側)とに仕切
っている。本体フレーム105に支承され、インバータ電
源(図示せず)によって運転制御されるモータ103によ
り、回転駆動される駆動軸104の上端部の偏心穴136に
は、旋回スクロール118の旋回軸118bがはめ込まれ、旋
回スクロール118の自転阻止用のオルダムリング124が、
本体フレーム105に固定された割ピン形の平行ピン(図
示せず)に拘束されて軸方向にのみ移動が可能なスラス
ト軸受120と旋回スクロール118の各溝に係合し、旋回ス
クロール118に噛み合う固定スクロール115が、仕切り板
180にボルト固定され、固定スクロール115の鏡板115bに
は吐出ポート116が設けられ、鏡板115bの上面には、リ
ードバルブ形式の給油通路制御弁装置182が取り付けら
れている。
スラスト軸受120は、その背面外側部に配置されたシー
ルリング170の弾性力で常に旋回スクロール118の方へ付
勢され、仕切り板180の片側平面部に当接して旋回スク
ロール118の側への軸方向移動を規制されている。しか
し、仕切り板118の板厚さは、スラスト軸受120を介した
シールリング170の弾性力によって、旋回スクロール118
を固定スクロール115に押し付けて旋回スクロール118の
円滑な旋回運動を阻害せぬように、固定スクロール115
とスラスト軸受120との間に挟まれた旋回スクロール118
の軸方向微少隙間(約0.020mm)が確保される寸法設定
になっている。
吐出室102の底部は吐出室油溜134となり、その上部には
多数の***を有した傘状のパンチングメタル133が密閉
ケース101aに取り付けられ、密閉ケース101aとパンチン
グメタル133との間には細樹脂線材から成るフィルタ183
が詰められている。吐出室102は密閉ケース101aの上面
に設けられた吐出管131、外部の冷凍サイクル配管系を
それぞれ経て密閉ケース101の側面に設けられた吸入管1
47を通じ、低圧側の駆動室106に連通している。また駆
動室106の底部にはモータ室油溜184が設けられている。
吐出室102にも吸入室117にも連通しない常時密閉空間と
なる第2圧縮室151と吐出室油溜134との間は、鏡板115b
の底部に開口して設けられた油吸い込み穴185、鏡板115
bに薄鋼板製のリード弁186と共に取り付けられた給油通
路制御弁装置182の弁押え187と鏡板115bとの間に形成さ
れた弁空間188、リード弁186の打ち抜き穴189、鏡板115
bに設けられた極細通路のインジェクション穴152とから
成る絞り通路を有した第1給油通路によって連通してい
る。
旋回スクロール118の旋回スクロールラップ118aを支持
するラップ支持円盤118bとスラスト軸受120と駆動軸104
とで形成された背圧室139は、第1給油通路の途中から
分岐して弁空間188、リード弁186の打ち抜き穴189a、鏡
板115bに設けられた油穴A138a、仕切り板180に設けられ
た極細通路のB油穴B138b、本体フレーム105に設けられ
た油穴C138c、スラスト軸受120と本体フレーム105との
間に設けられ、その外周部をゴム製のシールリング170
で支持、・密封されたレリース隙間127、スラスト軸受1
20に設けられた油穴D138dとで構成される給油通路によ
り吐出室油溜134に連通している。
背圧室139と低圧側の駆動室106との間は本体フレーム10
5の主軸受112の軸受隙間、偏心軸受114の隙間、駆動軸1
04に設けられた偏心油穴190と、横油穴191、駆動軸104
を支承すべく本体フレーム105の下端に設けられた下部
軸受192と主軸受112との間の軸受油溜193、下部軸受192
の軸受隙間とで構成される絞り通路を有した第1潤滑通
路により連通している。
また、背圧室139と吸入室117との間は、スラスト軸受12
0とラップ支持円板118bとの摺動面や、オルダムリング1
24の摺動面を介して構成される第2潤滑通路によって連
通している。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第13図において、モータ3によって駆動軸4が
回転駆動すると旋回スクロール18が旋回運動をし、圧縮
機に接続した冷凍サイクルから潤滑油を含んだ吸入冷媒
ガスが、アキュームレータ46に接続した吸入管47、吸入
穴43、吸入通路42を順次経て吸入室17に流入し、旋回ス
クロール18と固定スクロール15との間に形成された第1
圧縮室61a,61bを経て圧縮室内に閉じ込められ、常時密
閉空間となる第2圧縮室51a,51b、第3圧縮室60a,60bへ
と順次移送圧縮され、中央部の吐出ポート16を経て吐出
室2へと吐出される。
潤滑油を含んだ吐出冷媒ガスは圧縮機外部へ迂回配管さ
れたバイパス吐出管29を経て再び圧縮機内のモータ室6
に帰還した後、外部の冷凍サイクル配管系へ吐出管31か
ら排出される。しかし、吐出冷媒ガスはモータ室6に流
入した際に、モータ3の上部コイルエンド30の側面に衝
突し、吐出冷媒ガス中の潤滑油がモータ巻き線の表面に
付着する。これにより、吐出冷媒ガス中の潤滑油の一部
が分離される。その後、吐出冷媒ガスは軸受フレーム9
のモータ側壁に衝突したり抜き穴32を通過する際に流れ
方向を変えたり、また、パンチングメタル33のモータ側
壁への衝突や***を通過する際に、潤滑油の慣性力や表
面付着などにより潤滑油が漸次、効果的に分離される。
軸受フレーム9の上部の空間で分離した潤滑油の潤滑油
の一部は、軸受フレーム9の中央部の凹部に収集し、上
部軸受10の摺動面を潤滑した後、他の分離した潤滑油と
共にモータ巻き線隙間や冷却通路35を通り、モータ3を
冷却しながら流下して吐出室油溜34に収集される。
吐出室油溜34の潤滑油は、駆動軸4の下部軸部4aの表面
に設けられた螺旋状油溝41のネジポンプ作用により、油
穴Bを経由してスラスト玉軸受13へ給油される。下部軸
部4aの端部の微少軸受隙間を潤滑油が通過する際に、そ
の油膜のシール作用により、モータ室6の吐出冷媒ガス
雰囲気と主軸受12の上流側空間とが油膜密封され、モー
タ室6の冷媒ガスが下部軸部11の隙間を介して主軸受12
に流入しない。
吐出室油溜34の溶解吐出冷媒ガスを含んだ潤滑油は、主
軸受12の微少隙間を通過する際に、吐出圧力と吸入圧力
との中間圧力に減圧され、背圧室39に流入する。その
後、偏心軸受14の油溝A40a、偏心軸受空間36、旋回スク
ロール18に設けられた油穴A38を経て外周部空間37に流
入し、更に、ラップ支持円板18cの旋回運動によって間
欠的に開口する油穴C38c、インジェクション溝54、イン
ジェクション穴52a,52bを経て第2圧縮室51a,51bに流入
し、その通路途中の各摺動面を潤滑する。
また、吐出室油溜34は、環状溝28やレリース隙間27とも
通じているので、スラスト軸受20はその背圧力により付
勢されてスペーサ21の端面に当接する。そして、旋回ス
クロール18のラップ支持円板18cは、スラスト軸受20と
固定スクロール15の鏡板15bとの間で微小隙間を保持さ
れて円滑に摺動すると共に、固定スクロールラップ15a
の端面とラップ支持円板18cとの間、ならびに、旋回ス
クロールラップ18aの端面と鏡板15bとの間の隙間も微少
に保持されて隣接する圧縮室間の冷媒ガス漏れを少なく
する。
第2圧縮室51a,51bのインジェクション穴52a,52bの開口
部は、第13図で示す如くの圧力変化64をし、吐出室2の
圧力に追従して変化する背圧室圧力68よりも瞬時的に高
いが平均圧力が低い。そのため背圧室39からの潤滑油
は、間欠的に第2圧縮室51a,51bに流入し、また正常運
転時の背圧室圧力68よりも瞬時的に高い第2圧縮室51a,
51b内の圧縮冷媒ガスは、細径のインジェクション穴52
a,52bの通路抵抗によって減衰されて瞬時的なインジェ
クション溝54への逆流が少なく、インジェクション溝54
内の圧力が背圧室圧力68よりも高くならない。
第2圧縮室51a,51bにインジェクションされた潤滑油
は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室に流入した潤滑油と合流
し、隣接する圧縮室間の微小隙間を油膜により密封して
圧縮冷媒ガス漏れを防ぎ、圧縮室間の摺動面も潤滑しな
がら圧縮冷媒ガスと共に吐出室2に再び吐出される。
また、背圧室39に差圧給油された中間圧力の潤滑油は、
旋回スクロール18を付勢してラップ支持円板18cを鏡板1
5bとの摺動面に押圧油膜シールし、外周部空間37と吸入
室17との間の連通を遮断すると共に、スラスト軸受20と
ラップ支持円板18cとの摺動面の隙間も潤滑シールす
る。
また、圧縮機の冷時始動後しばらくの間は、第12図、第
13図から理解できるように、吐出室2の圧力が第2圧縮
室51a,51bの圧力よりも低く、圧縮途中の冷媒ガスが第
2圧縮室51a,51bからインジェクション通路55経て背圧
室39に逆流しょうとするが、逆止弁58の逆止作用にて外
周部空間37への逆流が阻止され、吐出室油溜34の潤滑油
は吐出室2の圧力上昇と共に背圧室39、外周部空間37に
まで差圧給油される。
したがって、冷時始動初期の吐出室2の圧力が低い場合
には、スラスト軸受20への吐出相当圧力に基づく背圧付
勢力と旋回スクロール18への背圧室39の中間圧力に基づ
く背圧付勢力との合成力が、圧縮室圧力に基づいて旋回
スクロール18を固定スクロール15から離反させようとす
るスラスト荷重よりも小さいので、スラスト軸受20が微
少に後退して、旋回スクロール18と固定スクロール15と
の間の軸方向隙間を拡大する。これにより圧縮空間に洩
れを生じて圧縮室圧力を下げ、始動初期の圧縮負荷を軽
減する。
その後、吐出室2の圧力上昇に伴い、外周部空間37の潤
滑油は、コイルスプリング59の付勢力に抗してインジェ
クション穴52a,52bから第2圧縮室51a,51bへ注入され
る。
また、冷時始動初期や定常運転時に、瞬時的な液圧縮が
生じた場合の圧縮室圧力は、第12図の点線63のように急
激な圧力上昇と過圧縮が生じるが、吐出室2とそれに連
通する高圧空間容積が大きいため、吐出室2の圧力上昇
は極めて小さい。
また、液圧縮により第2圧縮室51a,51bに連通するイン
ジェクション溝54なども異常圧力上昇するが、細径の油
穴C38cの絞り効果と逆止弁58の逆止作用により、外周部
空間37とインジェクション溝54との間は遮断される。そ
の結果、背圧室39の圧力は変わらず、スラスト軸受20の
背面に作用する背圧付勢力および旋回スクロール18の背
面に作用する背圧室39の中間圧力による背圧付勢力にも
変動がない。その結果、液圧縮時には、旋回スクロール
18に作用する過大なスラスト力によって上述のようにス
ラスト軸受20が後退し、圧縮室圧力が降下してその後は
正常運転を継続する。
なお、液圧縮途中でスラスト軸受20が後退することによ
り、圧縮室圧力は第12図の一点鎖線63aの如く途中で降
圧する。
圧縮機停止後は、吐出室2の吐出冷媒ガスが圧縮室に逆
流しょうとして圧力により旋回スクロール18に逆旋回ト
ルクが生じ、旋回スクロール18が逆旋回すると共に吐出
冷媒ガスが吸入側に逆流する。この吐出冷媒ガスの逆流
に追従して、逆止弁50が第6図の位置から第7図の位置
に移動し、逆止弁50の表面に施されたテフロン被膜によ
り、吸入管端面48を密封して吐出冷媒ガスの逆流を制止
し、旋回スクロール18の逆旋回が停止し、吸入通路42と
吐出ポート16との間の空間は吐出圧力を保持する。
また、インジェクション通路55の逆止弁58を境にして圧
縮室に連通する通路は、吐出圧力になるが、外周部空間
37と背圧室39との間の空間はしばらくの間、中間圧力を
保持し、吐出室油溜34からの潤滑油微少流入により、次
第に吐出圧力に近づく。圧縮機停止時、旋回スクロール
18は逆転し、第11図で示すように第3圧縮室60a,60bが
拡大した位置に停止し、油穴C38cの外周部空間37への開
口部は、ラップ支持円板18cにより遮断される。圧縮機
停止後は、コイルスプリング59の付勢力によっても逆止
弁58がインジェクション通路55を遮断するので、外周部
空間37から圧縮室への潤滑油流入がない。
また、圧縮機運転中、主軸受12の給油上流側は、吐出室
油溜34に連通し、主軸受12の給油下流側は中間圧力状態
の背圧室39に連通してその間に差圧が生じ、モータ3の
回転子3aを固定した駆動軸4が旋回スクロール18の方向
へ付勢される。この付勢力は、スラスト玉軸受13を介し
て本体フレーム5に支持され、駆動軸4が上部軸受10お
よび主軸受12の軸受隙間の範囲内で倒れるのを規制し、
軸受の片当りを防止する。また、この付勢力は、スラス
ト玉軸受13のボールベアリングが転走面を転がる際に転
走面の凹凸に起因して上下にジャンピングするのを少な
くし、駆動軸4の上下振動を低減して低騒音・低振動化
に寄与している。
また、圧縮機運転時の温度上昇により、アルミニウム合
金製の本体フレーム5は熱膨張して鉄製のライナー8を
拡管し、ライナー8の外周面と密閉ケース1の内壁との
密着を強めて吐出室油溜34と吐出室2との間の機密を向
上させると共に、本体フレーム5と密閉ケース1との固
定を強めて互いの剛性向上に役立つ。
上記実施例では吐出室油溜34の潤滑油を第2圧縮室51a,
51bに油注入したが、圧縮機運転速度や圧力などの運転
条件により吸入室17に通じる第1圧縮室61a,61bに油注
入してもよい。
また、上記実施例ではスラスト軸受20の背面に設けたレ
リース隙間27や環状溝28に吐出室油溜34の潤滑油を導入
したが、スラスト軸受20の背面設定付勢力の大きさやス
ラスト軸受20の形状・寸法などによっては、モータ室6
の吐出冷媒ガスや中間圧力状態の第2圧縮室51a,51bな
どから冷媒ガスを導入してもよい。
また、上記実施例ではスラスト軸受20への予圧付勢力を
シールリング70の弾性力を利用したが、スラスト軸受20
背圧面積が不足する場合などは、バネ装置などで付勢力
を付加してもよい。
また、レリース隙間27と環状溝28に吐出室油溜34の潤滑
油や圧縮室圧力を特別に導入しなくとも、スラスト軸受
20の背面設定付勢力の大きさなど必要に応じて、第18図
でも示されている板バネなどを第1図〜第3図のシール
リング70に置き換えることによって、スラスト軸受20へ
の背面付勢力を得ることができるのは自明である。
次に、第14図、第15図により、本発明の他の実施例の動
作について説明する。
第14図、第15図において、モータ103によって駆動軸104
が回転駆動を始めると、旋回スクロール118が旋回運動
をし、圧縮機に接続した冷凍サイクル配管系から吸入冷
媒ガスが吸入管147を通して駆動室106に流入し、その中
に含まれる潤滑油の一部が分離された後、吸入通路を経
て吸入室117に吸入される。この吸入冷媒ガスは、旋回
スクロール118と固定スクロール115との間に形成され且
つ吸入室117に間欠的に通じる第1圧縮室を経て圧縮室
内に閉じ込められ、旋回スクロール118の旋回運動に伴
って常時密閉空間となる第2圧縮室、吐出ポートと間欠
的に通じる第3圧縮室へと順次移送圧縮され、中央部の
吐出ポート116を経て吐出室102へと吐出される。
吐出冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部は、その自重お
よびパンチングメタル133の***や細樹脂線材から成る
フィルタ183を通過する際にその表面などに付着などし
て吐出冷媒ガスから分離し、密閉ケース101aの内壁を伝
って流下し、吐出室油溜134に収集される。残りの潤滑
油は、吐出冷媒ガスと共に吐出管131を経て外部の冷凍
サイクル配管系へ搬出され、吸入冷媒ガスと共に吸入管
147を通って圧縮機内に帰還する。
圧縮機の冷時始動後しばらくの間は、上述のように吐出
室102の圧力が第2圧縮室の圧力よりも低いので、吐出
室油溜134の潤滑油は第1給油通路を通じて差圧給油さ
れず、また、逆止弁の作用によって第2圧縮室から圧縮
途中冷媒ガスが吐出室油溜134に逆流もせず、スラスト
軸受120のレリース隙間127や旋回スクロール118の背圧
室139に流入することもなく、各摺動部の残留潤滑油に
よって各摺動面が潤滑される。
また、背圧室139やレリース隙間127の圧力が低いので上
述のように始動初期にはスラスト軸受120が微少に後退
して圧縮室軸方向隙間を広げて圧縮室圧力を急降下さ
せ、始動初期負荷を軽減する。
圧縮機の冷時始動後しばらくの後、吐出室102の圧力が
第2圧縮室の圧力以上に上昇した後、吐出室油溜134の
潤滑油は、給油通路制御弁装置182のリード弁186の付勢
力に抗して第1給油通路を経由する。そして漸次減圧さ
れ、第2圧縮室に差圧給油されると共に、第1給油通路
の途中から分岐して構成される第2給油通路の油穴138
a,138b,138cを経て漸次減圧され、吐出側圧力と吸入側
圧力との中間圧力に調整されてレリース隙間127と背圧
室139に差圧給油される。
第2圧縮室に差圧給油された潤滑油は、吸入ガスと共に
圧縮室に流入した潤滑油と合流し、隣接する圧縮室間の
微少隙間を油膜により密封して圧縮冷媒ガス漏れを防
ぎ、圧縮室間の摺動面を潤滑しながら圧縮冷媒ガスと共
に吐出室102に再び吐出される。
レリース隙間127と背圧室139に給油された中間圧力の潤
滑油は、旋回スクロール118へ背圧力による付勢力を与
え、圧縮室圧力に基づいて固定スクロール115から離反
しょうとする旋回スクロール118に作用する下向きのス
ラスト力を軽減し、旋回スクロール118とスラスト軸受1
20との間の摺動面に作用するスラスト荷重を小さくする
と共に、スラスト軸受120を付勢して仕切り板180に当接
させ、固定スクロール115とスラスト軸受120との間に旋
回スクロール118を微小隙間で挟み、旋回スクロール118
の円滑な旋回運動を可能にする。また、背圧室139の背
圧力は旋回スクロール118がスラスト軸受120から離反し
ないように調整されているので、旋回スクロール118と
スラスト軸受120とは常時摺接しており、この摺接部を
境として背圧室139と吸入室117とはその摺接面を適切潤
滑することのできる潤滑油漏洩を許容する程度に密封さ
れている。したがって、背圧室139に供給された潤滑油
は、この摺接面を通過する際に減圧された後、オルダム
リング124の摺動面を潤滑して吸入冷媒ガスに混入し、
再び圧縮室に流入する。
また、残りの潤滑油は、第1潤滑通路を通じて旋回軸11
8bと偏心穴136との隙間、偏心穴136、偏心油穴190、横
油穴191を通る給油通路と主軸受112の隙間とを経て軸受
油溜193に流入し、下部軸受192の微小隙間を通して最終
減圧される。そして駆動室106に流入し、その一部は吸
入冷媒ガスに混入して再び圧縮室へ流入するが、残りの
潤滑油はモータ室油溜184に収集される。モータ室油溜1
34の潤滑油は、密閉ケース101bを介して自然放熱により
冷却され、その油面がある程度高くなると、モータ103
の回転子の下端部に拡散されて駆動室106内の吸入冷媒
ガスに混入し、再び圧縮室へ流入して最終的には吐出室
油溜134に収集される。
また、冷時始動初期や定常運転時に瞬時的な液圧縮が生
じて常時密閉空間となる第2圧縮室内が異常圧力上昇し
た場合には、上述と同様にリード弁186の逆止作用によ
り、圧縮冷媒ガスが吐出室油溜134へ逆流せず、また、
レリース隙間127や背圧室139への流入もなく、背圧力の
上昇もないことから、スラスト軸受120が後退して継続
的な異常圧力上昇を防ぐ。
圧縮機停止後は吸入室117と駆動室106との間の吸入通路
に設けられた逆止弁(図示なし)により、吸入通路を塞
ぎ、吐出室102から吸入室117までの圧力は圧縮空間の隙
間を通じて吐出室102の圧力に等しくなり、油吸い込み
穴185の開口端をリード弁186が塞ぐ。その結果、圧縮機
停止直後の吐出室油溜134の潤滑油は、第2圧縮室と背
圧室139へ差圧給油されず、背圧室139の潤滑油は、第1
給油通路を通じて駆動室106にその差圧が一定値以下に
なるまで僅かづつ戻される。
なお、上記実施例では、レリース隙間127や背圧室139へ
吐出室油溜134の潤滑油を中間圧力にまで減圧したが、
スラスト軸受120や背圧室139の寸法構成などにより減圧
しなくともよい。
以上のように上記実施例によれば、旋回スクロール18は
駆動軸4を支承する本体フレーム5と固定スクロール15
との間に配置され、本体フレーム5の側に設けられて軸
方向に移動が可能なスラスト軸受20と固定スクロール15
との間に配置されており、スラスト軸受20と本体フレー
ム5との間に、スラスト軸受20を旋回スクロール18の方
向に付勢する付勢手段を設けた構成において、旋回スク
ロール18が固定スクロール15とスラスト軸受20との間
で、少なくとも油膜形成が可能な軸方向微小隙間を有し
て配置されるべく、スラスト軸受20が旋回スクロール18
の側へ移動する範囲を規制するストッパー手段として、
スラスト軸受20と固定スクロール15との間に、旋回スク
ロール18のラップ支持円板18cの厚さよりも0.015〜0.04
0mm高いスペーサ21を配置したことにより、スラスト軸
受20への背面付勢力が過大になる場合でも旋回スクロー
ル18を固定スクロール15に軸方向押圧することなく、ス
ラスト軸受20に旋回スクロール18を支持させることがで
きる。これにより、スラスト軸受20への背面付勢力が旋
回スクロール18を固定スクロール15に軸方向接触させな
いので、入力増加を招くことがない。
そして、圧縮室圧力が正常な運転時には、旋回スクロー
ル18を固定スクロール15とスラスト軸受20との間で油膜
形成が可能な微小隙間で挟むので、旋回スクロール18が
固定スクロール15に対する倒れやジャンビングに起因す
る摺動面との衝突や片当りを生じることなく円滑な旋回
運動をすることができる。
その結果、圧縮室の軸方向微小隙間を確保して圧縮冷媒
ガス漏れを防いで高い圧縮効率の維持と騒音や振動の少
ない耐久性に優れた圧縮機を提供できる。また、圧縮機
冷時始動初期などに冷凍サイクルから多量の液冷媒が圧
縮機内に帰還し、圧縮過程で液圧縮が生じて圧縮室圧力
が異常上昇を始め、固定スクロール15から旋回スクロー
ル18を離反させる方向に作用するスラスト力が一時的に
過大になる場合でも、スラスト軸受20が旋回スクロール
18の背面を支持しながらモータ室6の方へ後退するの
で、旋回スクロール18が固定スクロール15との軸方向隙
間を広げて圧縮室の密封を解除し、圧縮室圧力を瞬時に
降圧して圧縮機負荷を軽減し、耐久性を高めることがで
きる。
また、液圧縮が生じない場合でも、始動初期は吸入圧力
が高いことから、スクロール圧縮機の圧縮比が一定なた
めに、圧縮室圧力は通常の運転時よりも極めて高くなる
が、スラスト軸受20への背圧付勢力を適正設定すること
により、旋回スクロール18を支持するスラスト軸受20を
後退させて起動初期の負荷を軽減させることもできる。
また上記実施例によれば、スラスト軸受120への付勢手
段が、スラスト軸受120と本体フレーム105との間に設け
たレリース隙間127に、鏡板115bの底部に開口して設け
られた油吸い込み穴185,鏡板115bに薄鋼板製のリード弁
186と共に取り付けられた給油通路制御弁装置182の弁押
え187と鏡板115bとの間に形成された弁空間188,鏡板115
bに設けられた油穴A138a,仕切り板180に設けられた極細
通路の油穴B138b,本体フレーム105に設けられた油穴C13
8cを順次経由する通路を介して吐出室油溜134の潤滑油
を導入する構成において、圧縮機起動初期のように吐出
室102の圧力が常時密閉空間となる第2圧縮室151の圧力
よりも低い場合には、給油通路制御弁装置182が作動し
て吐出室油溜134からレリース隙間127への給油通路を遮
断し、圧縮機起動後の時間経過と共に吐出室油溜134の
圧力が第2圧縮室151の圧力よりも高くなった時、給油
通路制御弁装置182が作動して吐出室油溜134からレリー
ス隙間127への給油通路を開くように制御されることに
より、圧縮機起動初期に旋回スクロール118の背面を支
持するスラスト軸受120への背面付勢力を小さくして、
旋回スクロール118を固定スクロール115から軸方向に離
れ易くさせ、圧縮室の軸方向密封解除の応答性を速め、
圧縮機起動初期の入力低減を大きくできる。また、圧縮
室の密封を必要とする圧縮機安定運転時には、吐出室油
溜134の潤滑油をレリース隙間127に導入してスラスト軸
受120を背圧付勢できるので、圧縮室の軸方向密封を確
保して圧縮効率を高めることができる また上記実施例によれば、吐出室油溜134からスラスト
軸受120の背面のレリース隙間127への給油通路を、常時
密閉空間となる第2圧縮室151の圧力が吐出室油溜134の
圧力以上の時に閉じ、それ以外の時に開くように作動す
る給油通路制御弁装置182を備えたことにより、圧縮機
起動初期の入力低減に寄与することができる。特に、圧
縮機冷時起動初期の吐出室油溜134の圧力上昇速度は、
周囲温度が低いので熱時起動初期よりも遅くなるので、
入力低減時間を長くできる。この結果、冷時起動時に生
じ易い液圧縮による過負荷運転を容易に回避できる。一
方、熱時起動時には液圧縮が生じにくいので、起動初期
の入力低減時間を短くし、高効率運転の立ち上がりを速
めることができる。すなわち、圧縮機起動時の状況に応
じた起動時入力低減時間をコントロールをして圧縮機起
動初期の耐久性と安定運転時の高効率運転を実現する。
また上記実施例によれば、レリース隙間127に潤滑油を
導入する通路が、吐出室油溜134,スラスト軸受120の背
圧室となるレリース隙間127,旋回スクロール118の背圧
室139,スラスト軸受120と旋回スクロール118との間の摺
動面で形成される絞り通路,吸入室117を順次経由する
差圧給油通路の一部を構成することにより、スラスト軸
受120への適正背圧を簡易手段で得ることができると共
に、吐出室油溜135の潤滑油をスラスト軸受120の摺動面
への給油と、吸入室117を経由させた圧縮室への潤滑油
注入とを簡易手段で兼ねることができ、それによって、
スラスト軸受120への給油の簡易化および圧縮室隙間を
油膜シールさせて圧縮ガス洩れを防ぎ圧縮効率を高める
ことができる。
また上記実施例によれば、スラスト軸受20と本体フレー
ム5との間に設けたスラスト軸受背圧室形成のためのゴ
ム製のシールリング70の弾性力を利用してスラスト軸受
20を予圧付勢することにより、簡易で安価な予圧付勢手
段を得ることができる。また、予圧手段によって起動初
期からスラスト軸受20が旋回スクロール18を支持するこ
とができ、旋回スクロール18の不要な軸方向移動を阻止
して不要な圧縮室軸方向隙間拡大を防止し、圧縮機の立
ち上がりを早めることができる。
また上記実施例では、冷媒圧縮機について説明したが、
潤滑油を使用する酸素、窒素、ヘリウムなどの他の気体
圧縮機も同様の作用効果を期待できる。
発明の効果 以上のように本発明は、旋回スクロールは駆動軸を支承
する本体フレームと固定スクロールとの間に配置され、
本体フレームの側に設けられて軸方向に移動が可能なス
ラスト軸受と固定スクロールとの間に配置されており、
スラスト軸受と本体フレームとの間に、スラスト軸受を
旋回スクロールの方向に付勢する付勢手段を設けた構成
において、旋回スクロールが固定スクロールとスラスト
軸受との間で、少なくとも油膜形成が可能な軸方向微小
隙間を有して配置されるべく、スラスト軸受が旋回スク
ロールの側へ移動する範囲を規制する手段を設けたこと
により、圧縮室圧力が正常な運転時には、旋回スクロー
ルを固定スクロールとスラスト軸受との間で油膜形成が
可能な微小隙間で挟み且つスラスト軸受によって旋回ス
クロールを固定スクロールに押圧することがないので、
旋回スクロールと固定スクロールとの間の軸方向接触に
よる入力損失が生じない。特に、圧縮室圧力変動が多少
生じても旋回スクロールを固定スクロールとスラスト軸
受との間で安定的に微小隙間で挟むために、スラスト軸
受への背面付勢力を過大設定する場合でも旋回スクロー
ルを固定スクロールに軸方向押圧することなく、スラス
ト軸受に旋回スクロールを支持させることができる。ま
た、旋回スクロールが固定スクロールに対する倒れやジ
ャンビングに起因する摺動面との衝突や片当りを生じる
ことなく円滑な旋回運動をすることができる。
その結果、圧縮室の軸方向微小隙間を確保して圧縮流体
漏れを防いで高い圧縮効率の維持と騒音や振動の少ない
耐久性に優れた圧縮機を提供できる。また、圧縮機冷時
始動初期などに圧縮機に接続する閉配管系から多量の液
流体が圧縮機内に帰還し、圧縮過程で液圧縮が生じて圧
縮室圧力が異常上昇を始め、固定スクロールから旋回ス
クロールを離反させる方向に作用するスラスト力が一時
的に過大になる場合でも、スラスト軸受が旋回スクロー
ルを支持しながら旋回スクロールと反対の側へ後退する
ので、旋回スクロールが固定スクロールとの軸方向隙間
を広げて圧縮室の密封を解除し、圧縮室圧力を瞬時に降
圧して圧縮機負荷を軽減し、耐久性を高めることができ
る。
また、液圧縮が生じない場合でも、始動初期は吸入圧力
が高いことから、スクロール圧縮機の圧縮比が一定なた
めに、圧縮室圧力は通常の運転時よりも極めて高くなる
が、スラスト軸受への背圧付勢力を適正設定することに
より、旋回スクロールを支持するスラスト軸受を後退さ
せて起動初期の負荷を軽減させることもできるなどの理
由によって、圧縮室軸方向隙間をコントロールして圧縮
機起動初期および圧縮室異常圧力上昇時の負荷軽減を図
ると共に、圧縮機安定運転時の圧縮室密封による圧縮効
率向上を図ることができる。したがって、上述の旋回ス
クロールと固定スクロールとの軸方向接触による入力増
加を回避する効果と負荷軽減および圧縮効率向上の効果
とを両立させることのできる特徴を備える。
また本発明は、スラスト軸受への付勢手段が、スラスト
軸受と本体フレームとの間に設けたスラスト軸受のスラ
スト軸受背圧室に、吐出圧力相当の流体または吐出圧力
と吸入圧力との間の中間圧力相当の流体を導入する通路
を設けた構成において、圧縮機起動初期にスラスト軸受
背圧室への流体の供給を停止し、所要時間後、通路を介
しての流体の供給を開始すべく制御することにより、圧
縮機起動初期に旋回スクロールの背面を支持するスラス
ト軸受への背面付勢力を小さくして、旋回スクロールを
固定スクロールから軸方向に離れ易くさせ、圧縮室の軸
方向密封解除の応答性を速め、圧縮機起動初期の入力低
減を大きくできる。また、圧縮室の密封を必要とする圧
縮機安定運転時には、吐出圧力相当の流体または吐出圧
力と吸入圧力との間の中間圧力相当の流体をスラスト軸
受背圧室に導入してスラスト軸受を背圧付勢できるの
で、圧縮室の軸方向密封を確保して圧縮効率を高めるこ
とができる。すなわち、圧縮機起動初期と圧縮機安定運
転時の圧縮室軸方向隙間をコントロールして入力の低減
と圧縮効率の向上を図ることができる。
また本発明は、スラスト軸受と本体フレームとの間に設
けたスラスト軸受のスラスト軸受背圧室に、吐出圧力相
当の流体または吐出圧力と吸入圧力との間の中間圧力相
当の流体を導入する通路を設けた構成において、圧縮機
起動初期にスラスト軸受背圧室への流体の供給を停止
し、所要時間後、通路を介しての流体の供給を開始すべ
く制御する手段が、吐出ポートに通じない領域の圧縮室
圧力が吐出圧力以上のときに閉路し、それ以外の時に開
路すべく作動する通路制御装置を備えたことにより、圧
縮機起動初期の入力低減に寄与することができる。特
に、圧縮機冷時起動初期の吐出側圧力上昇速度は、周囲
温度が低いので熱時起動初期よりも遅くなるので、入力
低減時間を長くできる。この結果、冷時起動時に生じ易
い液圧縮による過負荷運転を容易に回避できる。一方、
熱時起動時には液圧縮が生じにくいので、起動初期の入
力低減時間を短くし、高効率運転の立ち上がりを速める
ことができる。すなわち、圧縮機起動時の状況に応じた
起動時入力低減時間をコントロールをして圧縮機起動初
期の耐久性と安定運転時の高効率運転を実現する。
また本発明は、スラスト軸受背圧室に流体を導入する通
路が、吐出圧力の作用する油溜、スラスト軸受背圧室,
絞り通路,吸入側を順次経由する差圧給油通路の一部を
構成したことにより、スラスト軸受への適正背圧を簡易
手段で得ることができると共に、吐出圧力の作用する油
溜の潤滑油をスラスト軸受の摺動面への給油と、吸入室
を経由させた圧縮室への潤滑油注入とを簡易手段で兼ね
ることができ、それによって、スラスト軸受への給油の
簡易化および圧縮室隙間を油膜シールさせて圧縮ガス洩
れを防ぎ圧縮効率を高めることができる。
また本発明は、スラスト軸受の背圧室を形成するシール
部材の弾性力を利用して前記スラスト軸受を予圧付勢し
たことにより、簡易で安価な予圧付勢手段を得ることが
できる。また、予圧手段によって起動初期からスラスト
軸受が旋回スクロールを支持することができ、旋回スク
ロールの不要な軸方向移動を阻止して不要な圧縮室軸方
向隙間拡大を防止し、圧縮機の立ち上がりを早めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例におけるスクロール冷媒
圧縮機の縦断面図、第2図は同圧縮機における主要部分
の分解図、第3図は同圧縮機におけるスラスト軸受のシ
ール部詳細部分断面図、第4図は同圧縮機におけるオル
ダムリングの外観図、第5図は同圧縮機におけるオルダ
ム機構部の組立外観図、第6図は第1図におけるA−A
線に沿った横断面図、第7図は同圧縮機の吸入管接続部
における逆止弁の位置説明図、第8図は第7図における
B−B線に沿った部分断面図、第9図は同圧縮機の給油
通路に用いる逆止弁の外観図、第10図、第11図はそれぞ
れ同圧縮機の吐出ポート付近における圧縮室の移動説明
図、第12図は同圧縮機の吸入行程から吐出行程までの冷
媒ガスの圧力変化を示す特性図、第13図は各圧縮機室に
おける定点の圧力変化を示す特性図、第14図は本発明の
第2の実施例におけるスクロール冷媒圧縮機の縦断面
図、第15図は同圧縮機における給油通路制御弁装置のリ
ード弁取り付け外観図、第16図、第18図はそれぞれ異な
る従来のスクロール圧縮機の縦断面図、第17図は第16図
の部分拡大図である。 2……吐出室、3……モータ、4……駆動軸、5……本
体フレーム、15……固定スクロール、15a……固定スク
ロールラップ、15b……鏡板、16……吐出ポート、17…
…吸入室、18……旋回スクロール、18a……旋回スクロ
ールラップ、18c……ラップ支持円板、20……スラスト
軸受、34……吐出室油溜、39……背圧室、70……シール
リング、105……本体フレーム、115……固定スクロー
ル、118……旋回スクロール、120……スラスト軸受、13
9……背圧室。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋
    回スクロールの一部をなすラップ支持円板上の旋回スク
    ロールラップを揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロー
    ル間に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロー
    ルラップの中心部には吐出ポートを設け、前記固定スク
    ロールラップの外側には吸入室を設け、前記圧縮空間は
    吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室
    に区画されて流体を圧縮するスクロール圧縮機構を形成
    し、前記旋回スクロールは駆動軸を支承する本体フレー
    ムと前記固定スクロールとの間に配置され、前記本体フ
    レームの側に設けられて軸方向に移動が可能なスラスト
    軸受と前記固定スクロールとの間に配置されており、前
    記スラスト軸受と前記本体フレームとの間に、前記スラ
    スト軸受を前記旋回スクロールの方向に付勢する付勢手
    段を設けた構成において、前記旋回スクロールが前記固
    定スクロールと前記スラスト軸受との間で、少なくとも
    油膜形成が可能な軸方向微小隙間を有して配置されるべ
    く、前記スラスト軸受が前記旋回スクロールの側へ移動
    する範囲を規制する手段を設けたスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】スラスト軸受への付勢手段が、スラスト軸
    受と本体フレームとの間に設けた前記スラスト軸受のス
    ラスト軸受背圧室に、吐出圧力相当の流体または吐出圧
    力と吸入圧力との間の中間圧力相当の流体を導入する通
    路を設けた構成において、圧縮機起動初期に前記スラス
    ト軸受背圧室への前記流体の供給を停止し、設定時間
    後、前記通路を介しての前記流体の供給を開始すべく制
    御する特許請求の範囲第1項記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】制御する手段は、吐出ポートに通じない領
    域の圧縮室圧力が吐出圧力以上のときに閉路し、それ以
    外の時に開路すべく作動する通路制御装置を備えた特許
    請求の範囲第2項記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】スラスト軸受背圧室に流体を導入する通路
    が、吐出圧力の作用する油溜,スラスト軸受背圧室,絞
    り通路,吸入側を順次経由する差圧給油通路の一部を構
    成して成る特許請求の範囲第1項記載のスクロール圧縮
    機。
  5. 【請求項5】スラスト軸受背圧室を形成するシール部材
    の弾性力を利用して前記スラスト軸受を予圧付勢した特
    許請求の範囲第1項記載のスクロール圧縮機。
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