JP2668922B2 - 掘割道路の耐震構造 - Google Patents

掘割道路の耐震構造

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JP2668922B2 JP63067739A JP6773988A JP2668922B2 JP 2668922 B2 JP2668922 B2 JP 2668922B2 JP 63067739 A JP63067739 A JP 63067739A JP 6773988 A JP6773988 A JP 6773988A JP 2668922 B2 JP2668922 B2 JP 2668922B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は液状化の可能性のある地盤における掘割道
路の耐震補強構造に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の掘割道路、中でも盛土部に近接する掘割道路
や、傾斜地に設けられる掘割道路についての耐震工法で
は、締固め工法が多く、近年、砕石ドレーン工法〔谷口
他;掘割道路の液状化対策としてのグラベルドレーンの
適用に関する解析、土木学会第41回年次学術講演会、昭
和61年11月〕も試みられている。この背景として、前者
は軟弱地盤対策がそのまま砂質土層を含む地盤に適用さ
れ、後者は近年の地震被害、特に砂質地盤および砂質土
層の液状化現象の研究から生まれている。これらに加
え、セメントミルク等による固結工法も検討されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
これらの従来工法は新設時において、隣接部が盛土で
ある場合、盛土直下を含む広大な領域に適用する場合に
は、相当の耐震効果を期待できるが、既設の掘割道路の
場合には、例えば第11図に示すように、掘割道路1の直
下のみの施工とならざるを得ず、その改良域が極めて限
定される。なお、図中、3は砂地盤等の液状化層、13は
締固めまたは砕石ドレーンによる地盤改良部である。
この結果、周辺の液状化層3における地震の際の過剰
間隙水圧の上昇がこれら改良部13に伝達され、掘割道路
1全体が浮き上がることになる。また、この浮き上がり
現象と同時に盛土部または傾斜部が沈下し、液状化層3
が側方流動的挙動を示すことにより、水平方向に移動す
る。
掘割道路1の隣接部が自然傾斜地である場合も、従来
工法では上述の既設の場合と同様の結果を示し、地震が
くる度に、道路補修、斜面部補修等、多大な費用を必要
としている。
この発明は上述のような問題点の解決を図ったもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
以下、この発明の概要を実施例に対応する図面の符号
を用いて説明する。
この発明の掘割道路の耐震構造は、掘割道路1の両側
に、止水性と排水性を兼ね備えた矢板壁2を設置するこ
とにより、砂質土層である液状化層3中の水を遮断し、
かつ排水させ、地震の際に生じる液状化層3内の過剰間
隙水圧を低下させるとともに、周辺砂質土層からの過剰
間隙水圧の伝播を遮断し、かつ矢板壁2の強度、剛性に
より近接盛土や傾斜地からの液状化層の側方流動的挙動
を防ぎ、地震の際の掘割道路1の浮き上がり、並びに水
平移動を未然に防止するものである。
そのため、この発明では矢板壁2を構成する矢板のう
ち少なくとも一部の矢板については、長手方向の中空部
を有し、前記液状化層3内に開口する多数の小孔を形成
した有孔部を有する孔あき矢板2aを用いている。有孔部
は矢板壁2の片面にのみ設けることにより矢板壁2の止
水性が維持され、かつ隣合う孔あき矢板2aの有孔部が異
なる側にくるよう打設することにより矢板壁2両面から
の過剰間隙水の排水が可能となる。
孔あき矢板2aとしては、例えば第6図および第7図に
示されるように略溝状断面の鋼矢板20のフランジ20b間
に鋼板21を溶接し、前記鋼矢板20のウェブ20aと前記鋼
板21との間に該鋼矢板長手方向の間隙を形成し、鋼矢板
20本体と鋼板21の少なくとも一方に多数の小孔22を設け
たもの(特願昭62−280422号参照)や第8図および第9
図に示されるように、鋼管矢板30の片面に多数の小孔31
を設けたもの等を用いることができる。
〔作 用〕
この発明の掘割道路の耐震構造は、孔あき矢板2aから
なる、あるいは孔あき矢板2aを含む矢板壁2を掘割道路
1の両側に打設し、近接盛土や近接傾斜地および掘割道
路1の下側に広がる砂質土層、砂質地盤からなる液状化
層3を貫通するように設置するものであるため、打設時
に振動を与えることにより、強制的に地中水を排出する
ことができ、矢板2の周辺地盤を締固めることができる
とともに、地震の際の過剰間隙水圧の発生を抑止し、か
つその止水性により、掘割道路1周辺の液状化層3内で
の過剰間隙水圧の伝播を遮断し、掘割道路1の浮き上が
りを防止することができる。
さらに、矢板壁2を構成する矢板の断面および根入れ
を適切に選定することにより、液状化層3の側方流動的
挙動を阻止し、掘割道路1の水平移動を防ぐことができ
る。
〔実施例〕
次に、図示した実施例について説明する。
第1図および第2図は既設の掘割道路向きの実施例を
示したものである。
第1図の例は掘割道路1の両側に孔あき矢板2aを設置
したもので、液状化層3が地震により液状化する際に生
じる液状化層3内での過剰間隙水圧の上昇を孔あき矢板
2a付近で抑止するとともに、水圧の伝播を矢板壁2によ
り遮断することによって、掘割道路1に作用する地震時
の過剰間隙水圧による揚圧力UDの低減と浸透水力による
揚圧力Fの除去が可能で、掘割道路1の浮き上がりに対
する安全率 ここに、 W:掘割道路の自重 Q:掘割道路側壁での鉛直方向摩擦力 US:静水浮力 UD:地震時の過剰間隙水圧による揚圧力 F:浸透水による揚圧力 を大幅に高めることができる。
他方、盛土または自然傾斜地4が存在するため、地震
の際に、その直下の液状化層3が掘割道路1方向へ押し
出され、盛土または自然傾斜地4の沈下と掘割道路1の
水平移動、図中、掘割道路1の右側での地盤の盛り上が
り等が生じるが、これについても孔あき矢板2aの断面剛
性を検討することにより、十分防止することができる。
第2図の例はこの水平移動に対し、さらなる対策とし
て、盛土または自然傾斜地4の方向へアースアンカー5
を適切なピッチで設置したものである。
第3図および第4図は新設の掘割道路向きの実施例を
示したものである。
第3図の例において、孔あき矢板2aの使用目的は上記
の場合と同様であるが、新設であるため、掘割道路1の
設置に先立ち、孔あき横つなぎ材6をその下側に適切な
ピッチで設け、掘割道路1を隔てた孔あき矢板2aどうし
を連結している。これにより、孔あき矢板2aと孔あき横
つなぎ材6とはラーメン構造を形成し、上述の水平移動
に対し、十分な抵抗力を発揮するとともに、掘割道路1
直下の過剰間隙水圧の上昇を抑止し、地震による災害を
ほぼ完全に防止し得る。なお、孔あき横つなぎ材6は第
6図〜第9図の孔あき矢板2aと同様の構成を有する鋼
管、矩形管等である。
第4図の例は第3図の例における孔あき横つなぎ材6
に代え、排水機能を与える砕石マット7と砕石柱8とを
用い、水平移動防止に対しては第2図の実施例と同様、
アースアンカー5を用いたものである。
第5図は掘割道路1に近接して盛土または自然傾斜地
4がない場合の一例を示したものである。この場合に
は、掘割道路1に水平移動が生じないため、浮き上がり
のみを完全に防止すべく、砕石マット7、砕石柱8と孔
あき矢板2aとを併用している。
第6図〜第9図はこの発明に使用する孔あき矢板2aの
例を示したものである。
第6図の例では、従来の鋼矢板20のフランジ20bどう
しを連結するように、多数の小孔22を形成した有孔板21
が取り付けられており、鋼矢板20本体と有孔板21で囲ま
れた排水領域全体に、地震粒子、埋戻し砂粒子の侵入を
防ぐフィルター材23を充填し、孔あき矢板2aを構成した
ものである。継手を介して孔あき矢板2aどうしを連結し
た状態では、矢板壁2両面から液状化層3内の水を排水
することができ、かつ矢板継手部の止水性により、浸透
水および過剰間隙水圧の伝播を遮断することができる。
第7図に示したものは、上述の第6図のものと異な
り、有孔板21の裏面全体に金属または合成樹脂製のフィ
ルター24が取り付けられており、鋼矢板20本体とフィル
ター付有孔板21とに囲まれた排水領域は大半が空洞とな
り、フィルター材23が充填されたものより排水能力を高
めている。
第6図および第7図中、20cは継手部、25は溶接部を
示す。
第8図および第9図に示した孔あき矢板2aは、従来使
用されている鋼管矢板30の継手30a,30bを結ぶ中心線に
対し、その片側に多数の小孔31を設け、鋼管矢板30の内
面に金属または合成樹脂製のフィルター32を取り付けも
のである。この鋼管矢板30を小孔31を有する面が交互に
なるように接続して矢板壁2を構成することにより、排
水機能と止水機能の両機能を与えることができる。継手
30aと継手30bに囲まれた領域には袋詰モルタル33を充填
することにより、止水性を確実なものとすることができ
る。
なお、これらの孔あき矢板2aは矢板壁2において、矢
板数本毎に離散的に用いてもよい。これらの孔あき矢板
2aを掘割道路1の側面両側に用いる場合、これらを仮設
時の土留工として用いることができ、また掘割道路1側
壁の型枠または型枠支保工としても兼用し得る。このと
き、掘割道路1の不等沈下対策としては、掘割道路1と
接する箇所に小孔を設けずに、第10図に示すように、摩
擦低減用の歴青剤または樹脂剤11を塗布し、また矢板壁
2の笠コンクリート9位置には目地材10を施工する等の
方法を採用することができる。図中12は歴青剤または樹
脂剤11の受け部材である。なお、孔あき矢板2aが掘割道
路1に接しない場合には、矢板壁2と掘割道路1間を砕
石で埋戻すことにより対処することができる。
また、図示しないが、孔あき矢板2a内の水の排出は、
矢板壁2頂部の笠コンクリート9内に配管し、掘割道路
1の排水溝へ接続することで可能となる。
以上により、液状化層3内の水は孔あき矢板2aによ
り、確実に止水され、かつ排水され、掘割道路1の浮き
上がりが防止されるとともに不等沈下についても防止で
きる。
〔発明の効果〕
この発明の掘割道路の耐震構造は、従来の耐震工法に
対し、地震の際の液状化層内の水の挙動と作用に着目
し、止水機能と排水機能とを有する孔あき矢板を掘割道
路両側へ設置するものであるため、地震の際に生じる液
状化層内の過剰間隙水圧の上昇を自然排水により、抑止
できるとともに、掘割道路外側からの過剰間隙水圧の伝
播を完全に遮断し、かつ浸透水を防ぐことができる。
また、孔あき矢板自身の剛性を任意に選定し得ること
から、盛土または自然傾斜地側より掘割道路に作用する
水平力に対し、孔あき矢板により抵抗することが可能
で、掘割道路の水平移動を防ぐことができるといった効
果も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図はそれぞれこの発明の異なる実施例を示
す鉛直断面図、第6図〜第8図はそれぞれこの発明に係
る孔あき矢板の異なる実施例を示す斜視図、第9図は第
8図の平面図、第10図は不等沈下対策を施した場合の実
施例を示す鉛直断面図、第11図は従来例の鉛直断面図で
ある。 1……掘割道路、2……矢板壁、2a……孔あき矢板、3
……液状化層、4……盛土または自然傾斜地、5……ア
ースアンカー、6……孔あき横つなぎ材、7……砕石マ
ット、8……砕石柱、9……笠コンクリート、10……目
地材、11……歴青剤または樹脂剤、12……受け部材、13
……地盤改良部、20……鋼矢板、21……有孔板、22……
小孔、23……フィルター材、24……フィルター、25……
溶接部、30……鋼管矢板、31……小孔、32……フィルタ
ー、33……モルタル

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状化層を有する地盤に構築された掘割道
    路の両側に、矢板を連続させてなる止水性を有する矢板
    壁を設置し、前記矢板壁を構成する少なくとも一部の矢
    板については、長手方向の中空部を有し、前記液状化層
    内に開口する多数の小孔を形成した有孔部を前記矢板壁
    の片面に有する孔あき矢板を用いたことを特徴とする掘
    割道路の耐震構造。
  2. 【請求項2】前記掘割道路を隔てた孔あき矢板どうし
    を、長手方向の中空部を有し、前記液状化層内に開口す
    る多数の小孔を形成した有孔部を有する孔あき横つなぎ
    材で連結してある請求項1記載の掘割道路の耐震構造。
  3. 【請求項3】前記掘割道路を隔てた孔あき矢板どうし間
    の掘割道路直下には砕石マットおよび砕石柱を設置して
    ある請求項1記載の掘割道路の耐震構造。
  4. 【請求項4】前記孔あき矢板を含む矢板壁の前記掘割道
    路と接する箇所には歴青剤または樹脂剤を塗布してある
    請求項1記載の掘割道路の耐震構造。
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