JP2666984B2 - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

Info

Publication number
JP2666984B2
JP2666984B2 JP26268388A JP26268388A JP2666984B2 JP 2666984 B2 JP2666984 B2 JP 2666984B2 JP 26268388 A JP26268388 A JP 26268388A JP 26268388 A JP26268388 A JP 26268388A JP 2666984 B2 JP2666984 B2 JP 2666984B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
coating
thickness
rotation
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP26268388A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02111482A (ja
Inventor
敏文 小笠原
義雄 谷本
忠光 中浜
貴和 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP26268388A priority Critical patent/JP2666984B2/ja
Publication of JPH02111482A publication Critical patent/JPH02111482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2666984B2 publication Critical patent/JP2666984B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗装方法に関するものである。
(従来技術) 被塗物例えば自動車ボディの外表面を吹付けにより塗
装する場合、被塗物に付着しているゴミを除去する準備
工程と、被塗物に塗料を吹付け塗布する工程と、塗布さ
れた塗料を乾燥させる乾燥工程とを有する。この乾燥工
程は、一般に、セッティング工程と焼付工程との2段階
で行なわれ、セッティング工程は、焼付工程の前におい
て、この焼付工程よりも低い温度、例えば常温あるいは
仮焼付けとも呼ばれるように40゜〜60℃の温度雰囲気で
行われる(焼付工程での焼付温度は通常140℃前後)。
そして、被塗物は、通常、台車等の搬送手段により搬
送されつつ上記準備工程、塗装工程および乾燥工程を経
ることになるが、被塗物の姿勢は、各工程において所定
の姿勢を保持したまま行われている。
ところで、塗装面の品質を評価する1つの基準とし
て、平滑度(平坦度)があり、この平滑度が大きい程塗
装面の凹凸の度合が小さくて、良好な塗装面となる。こ
の塗装面の平滑度を向上させるには、塗膜の厚さ、すな
わち塗布された塗料の膜厚を大きくすればよいことが既
に知られている。
一方、塗装面の品質を阻害するものとして、塗料の
“ダレ”がある。このダレは、重力を受けることによっ
て塗布された塗料が下方に大きく流動することにより生
じ、1回に塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生
じ易くなる、この“ダレ”の原因は、つまるところ重力
の影響であるため、被塗物のうち上下方向に伸びる面す
なわちいわゆる縦面において生じ易いものとなる。例え
ば、被塗物として自動車のボディを考えた場合、横面と
なるボンネットやトランクリッドにおいてはダレが生じ
にくい反面、立面となるフェンダについてはダレが生じ
易くなる。
したがって、塗料の“ダレ”がさ程問題とならない被
塗物の水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗
布する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能で
ある。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗
膜の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至ら
ない程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくな
り、縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られる
ことになる。
上述のように観点から、従来は、の塗料の“ダレ”を
防止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力
流動性の小さい(粘性の小さい)塗料を用いて塗装を行
なうようにしていた。そして、縦面において塗料の“ダ
レ”が生じるいわゆる“ダレ限界”は、従来の熱硬化型
塗料では塗膜の厚さで40μm程度が最大であった。より
具体的には、熱硬化型塗料の“ダレ”は、セッティング
工程初期と焼付工程初期、特に焼付工程初期に生じ易
く、この時期に“ダレ”が生じないように、塗装工程で
塗布される塗料の厚さが決定され、この決定された厚さ
の最大値すなわちダレ限界値が40μm程度となる。した
がって、絶対的により一層平滑度の大きい塗装面を得よ
うとすれば、従来の塗装方法では、例えば2回塗り等、
塗装工程から焼付工程に至るまでの一連の工程を複数回
繰り返して行なう必要があった。
一方、最近では、被塗物を2色に塗り分けることが行
われている。例えば自動車用ボディにおいては、その下
部色と上部色とが互いに異なるいわゆるツートンカラー
タイプのものが多くなっている。このようなツートンカ
ラーのものを得るには、従来、中塗り塗装面の表面に部
分的に、すなわち例えば下部色として、第1の色の上塗
り塗料を吹付けてこれを乾燥させた後、残る部分に第1
の色とは異なる第2の色の上塗り塗料を、例えば上部色
として吹付けてこれを乾燥させることにより行なわれ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 前述した吹付けにより塗装を行なう場合に問題となる
ダレ限界というものを克服して、同じ塗膜の厚さであれ
ばより平滑度の優れた塗装面が得られるようにした塗装
方法を本出願人は開発した。すなわち、塗料を吹付けに
よる塗布する際の塗膜の厚さをダレ限界以上の厚さとす
る一方、塗布された塗料がダレが生じなくなるまで硬化
するまでの間、被塗物を略水平軸線回りに回転させるよ
うにした塗装方法を開発した。この塗装方法によれば、
被塗物の回転によって塗料に作用する重力の方向を変更
してダレ発生を防止しつつ、塗料の大きな流動性という
ものを積極的に利用して、同じ塗膜の厚さであればより
平滑度の優れた塗装面を得ることができる。
ところで、最終的に得られる被塗物の色を2色に色分
けする一方、この2色のうち一方の色の平滑度を向上さ
せることが望まれている。例えば、自動車用ボディを下
部色と上部色とに色分けする場合、特に見栄えが要求さ
れる上部色の平滑度を向上させることが望まれている。
換言すれば、全体として用いる上塗り塗料の量を極力少
なくしつつ、所望の部位すなわち所望色の塗装面のみの
平滑度を向上させることが望まれている。
したがって、本発明の目的は、最終的に得られる塗装
面の色が2色に色分けされる場合に、一方の色の塗装面
の平滑度を同じ膜厚であれば十分に向上させ得るように
した塗装方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段、作用) 前述の目的を達成するため、本発明にあっては次のよ
うな構成としてある。
下塗り、中塗りが完了された被塗物に対して、部分的
に、第1上塗り塗料を吹付けにより塗布する第1上塗り
塗装工程と、 前記第1上塗り塗料を乾燥させる第1乾燥工程と、 前記被塗物に、前記第1上塗り塗料が塗布されなかっ
た残りの部分に、該第1上塗り塗料とは異なる色の第2
上塗り塗料を吹付けにより塗布する第2上塗り塗装工程
と、 前記第2上塗り塗料を乾燥させる第2乾燥工程と、 を備え、 前記第2上塗り塗装工程で塗布される第2上塗り塗料
の厚さがダレ限界以上の厚さとされ、 前記第2乾燥工程では、前記第2上塗り塗料がダレを
生じなくなるまで乾燥するまでの間、被塗物が略水平軸
線回りに回転される、 ような構成としてある。
このような構成とすることにより、最終的に得られる
塗装面は、第1上塗り塗料の色と、第2上塗り塗料の色
との2色に色分けされることになる。
勿論、被塗物に塗布された第2上塗り塗料に対して作
用する重力の方向が、被塗物を略水平軸線回りに回転さ
せることによって変更されるため、第2上塗り塗料は、
“ダレ”を生じることなく乾燥されることになる。
このことは、1回当りに塗布する第2上塗り塗料の膜
厚を従来よりもはるかに厚くして、平滑度が従来限界と
されていたレベルをはるかに越えた極めて良好な塗装面
を得ることができる。また、第2上塗り塗料を従来と同
じような塗膜の厚さとした場合でも、塗料の流動性を利
用して凹凸のより小さいものすなわち平滑度のより大き
い優れた塗装面とすることができる。さらに、同じ平滑
度例えば従来の塗装方法で得られる平滑度と同等の平滑
度を有する塗装面を得ようとすれば、第2上塗り塗料の
膜厚を薄くすることができ、この薄くし得る分だけ使用
する塗料の量を低減することができる。
ここで、塗料の吹付けは、静電塗装による吹付けでも
よい。また、塗料のダレは、塗料に吹付けた状態で放置
したときに目視によって確認し得る程度の塗料の移動を
いい(塗料が硬化したときに筋状となって表われる)、
一般には2mm程度の塗料の移動が確認されたときにダレ
が生じたものとされる。したがって、ダレ限界以上の厚
さに塗料を吹付けるということは、そのまま放置してお
けば少なくとも2mm程度の塗料の移動が生じるような厚
さとすることになり、用いる塗料の流動性が大きいほど
ダレ限界の厚さは小さくなる。このダレ限界以上の厚さ
とするには、1回の吹付けにより行なってもよく(1ス
テージ吹き)、2回あるいは3回以上の吹付けによって
最終的にダレ限界以上の厚さとしてもよい(多重ステー
ジ吹き)。さらに、被塗物の略水平軸線回りの回転は、
重力の作用によって塗料に大きな移動が生じないように
すればよいので、塗料がダレを生じるような大きな流動
状態を有しなくなるまで間すなわち塗料が硬化するまで
の間、所定の一方向へ連続してあるいは断続して行なう
ようにしてもよく、また正逆回転を連続してあるいは断
続して行なうこともできる。被塗物の回転角度範囲とし
ては、ダレ限界上の厚さに塗料が吹付けられた任意の部
分に対して重力の作用する方向が反転するようにすれば
よく、270゜あれば十分である。そして、被塗物の回転
軸線は、真の水平軸線に対して30度程度の範囲で傾いて
いてもよく、この回転軸線を揺動させることもできる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明
する。
全体の概要 第1図は、被塗物としての自動車用ボディWを塗装す
る場合の全体工程を示してあり、各工程をP1〜P8で示し
てある。
先ず、電着塗装によって既知のように下塗りが完了さ
れ、かつ中塗りが完了されたボディWが、台車Dに保持
されつつマスキング工程P1に送り込まれる。このマスキ
ング工程P1では、第16図に示すように、例えばボディW
を上下2色に色分けする場合に、その上部色とされる部
位に対してマスキングされる。この後第1上塗り工程P2
において、ボディWの下部色の相当する色の上塗り塗料
が、吹付けにより行われる。なお、この第1上塗り塗料
の厚さは、従来同様ダレ限界以内の厚さとされる。この
後、マスキング除去工程P3において、工程P1でのマスキ
ングが除去される。そして、第1乾燥工程P4において、
第1上塗り塗料の乾燥すなわち第1上塗り塗料が一般的
な熱硬化型塗料の場合には、セッティングと引続く焼付
けによって、第1上塗り塗料が十分に乾燥される。
工程P4の後、マスキング工程P5において、第16図に示
すように、ボディWの下部(図中ハッチングを施した部
分で、第1上塗り塗料が存在する部分)にマスキングを
行う。この後、第2上塗り工程P6において、ボディWの
上部に対して、第1上塗り塗料とは異なる色の上部色と
しての第2上塗り塗料を吹付けにより塗布する。この
後、マスキング除去工程P7において工程P5でのマスキン
グが除去された後、第2乾燥工程P8において、セッティ
ングおよび引続く焼付けによって、第2上塗り塗料が十
分に乾燥される。
上記第2上塗り工程P6では、塗布される第2上塗り塗
料の厚さは、ダレ限界以上の厚さとされる。そして、第
2乾燥工程P8において、セッティングおよび引続く焼付
けによって、第2上塗り塗料が十分乾燥される。この第
2乾燥工程P8では、第2上塗り塗料がダレを生じなくな
るまで乾燥するまでの間、第2図に示すようにボディW
が略水平軸回りに回転される。
なお、工程P2での第2上塗り塗料の塗布厚さはダレ限
界以内の厚さとされるので、工程P4での乾燥工程ではボ
ディWは回転されない。
ここで、第17図には、前述した工程P1〜P8を経た後の
塗膜層全体の断面を示してある。この両図において、C1
が下塗り層であり、C2が中塗り層である。また、C3が第
1上塗り層すなわちボディWの下部色を構成するもの
で、C4が第2上塗り塗料層をすなわちボディWの上部色
を構成するものである。勿論、第2上塗り塗料層C4の厚
さl1は、ダレ限界以上の厚さとされる。
塗装条件の具体例 さて次に、第17図に示すような塗膜を得るための具体
的な例について説明する。
(1)下塗り塗料 カチオン電着 焼付け:170℃×30分 膜厚:20±2μm (2)中塗り 樹脂:熱硬化オイルフリーポリエステル 顔料:グレー (色相) 吹付粘度:22〜25秒/20℃(フォードカップNo.4) 静電塗装:ミニベル 回転数22,000r.p.m. シェーピングエア圧 2.0kg/cm2 電圧90KV ガン距離30cm 1ステージ吹き ボディWの搬送速度5.5m/分 膜厚:35±5μm セッティング:8分(常温) 焼付:140℃×25分 (3)第1上塗り ベース塗料(下層) 樹脂:アクリルメラシン(シルバー) 顔料:アルミ粉(20.0重量%) 吹付粘度:13秒/20℃(フォードカップNo.4) 静電塗装:エア霧化 霧化エア圧4.0kg/cm2 電圧60KV ガン距離30cm 2ステージ吹き (インターバル3分) 膜厚:20±4μm クリア塗料(上層) ベース塗料吹付後のインターバル:5分 樹脂:アクリルメラミン 吹付粘度:24秒/20℃(フォードカップNo.4) 静電塗装:中塗りと同条件 膜厚:35±5μm セッティング:12分(常温) 焼付:140℃×25分 ボディWの搬送速度:3m/分 (4)第2上塗り 樹脂:ソリッドホワイト 吹付粘度:22秒/20℃(フォードカップNo.4) 静電塗装:中塗りと同条件 ボディWの搬送速度:2.5m/分 膜厚:60±5μm セッティング:15分(常温) 焼付:140℃×30分 ボディWの回転:セッティング全期間および焼付初期10
分間 塗膜厚さとダレ限界と平滑度と水平回転との関係 第3図は、熱硬化型塗料を例にして、塗膜厚さがダレ
限界に与える影響について示すものである。この第3図
では、塗膜厚さとして、40μm、53μm、65μmの3通
りの場合を示してある。このいずれの厚さの場合も、セ
ッティング工程初期と焼付工程初期との両方の時期に、
“ダレ”のピークが生じることが理解される。また、ダ
レ限界は、通常1分間に1〜2mmのダレを生じるときの
値をいうが(目視して2mm/分以上のダレを生じると塗装
面が不良とされる)、このダレ限界以下の範囲で得られ
る最大の塗膜厚さは、従来の塗料で40μm程度である。
一方、第4図は、ボディWを水平方向に回転させると
きとそうでないときとの、平滑度に与える影響を示して
ある。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態
を示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディ
Wを90゜回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135゜回転させた後逆転させる場合を示して
ある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第4
図Dは、ボディWを180゜回転させた後逆転させる場合
を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆回
転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回転
させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)・・・(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと
戻る)。
この第4図から明らかなように、同じ塗膜の厚さであ
れば、ボディWを回させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きものが得られる。また、同じ回転でも、360゜同一
方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましいこ
とが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合は、
塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくするに
は限度がある。
ちなみに、塗膜の厚さを65μmとしてボディWを360
゜回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映度
I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)である。また、塗
膜の厚さを40μmとした場合には、ボディWの回転無し
の場合はI.Gで「58」(PGD値で0.7の下限値)であるの
に対し、ボディWを360゜回転させた場合はI.Gで「68」
(PGD値で0.8の下限値)である。
なお、既知のように、写像鮮映度におけるIG(イメー
ジグロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに対
する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映像の
識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑度が低
下する値である。
第3図、第4図に示したデータの試験条件は、次の通
りであるが、この試験条件は、P2で上塗りを行なう場合
の条件を示してある。
a.塗料:メラミンアルキッド(ブラック) 粘度:フォードカップ#4で22秒/20℃ b.塗膜機:ミニベル(16、000rpm) シェーピングエア ・・2、0kg/cm2 c.吐出量:2回に分けての吹付けで、 第1回目 ・・・100cc/min 第2回目 ・・150〜200cc/min d.セッティング時間:10分×常温 e.焼付条件:140℃×25分 f.下地平滑度:0.6(PGD値) (中塗、PEテープ上) g.回転または反転作動域:セッティング(10分)〜焼付
け(10分) h.被塗物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で回転
可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60rpmの3通りで行
なったが、回転速度の相違による差異は事実上生じなか
った。
回転用治具 次に、ボディWを台車Dに対して水平方向に回転可能
に支持させるために用いる治具の具体例について説明す
る。
第5図は、ボディWの前部に取付けられる前側の治具
1Fを示す。この治具1Fは、左右一対の取付用ブラケット
2と、この左右の各ブラケット2に溶接された左右一対
のステー3と、左右一対のステー3同士を連結する連結
バー4と、連結バー4に一体化された回転軸5と、を有
する。このような治具1Fは、そのブラケット2部分を、
ボディWの前部強度部材、例えばフロントサイドフレー
ム11の前端部に固定される。すなわち、フロントサイド
フレーム11には、通常バンパ(図示略)取付用のブラケ
ット12が溶接されているので、このボディW側のブラケ
ット12に対して、上記ブラケット2をボルト(図示略)
を利用して固定する。
一方、ボディWの後部に取付けられる後側の治具1R
を、第6図に示してある。この後側の治具1Rも前側の治
具1Fと同じような構成とされ、この前側治具1Fに対応し
た構成要素には同一符号を付してある。この後側の治具
1RのボディWに対する取付けは、そのブラケット2をボ
ディW後端部にある強度部材としてのフロアフレーム13
に対してボルトによって固定することにより行なわれ
る。勿論、上記フロアフレーム13後端部には、一般にバ
ンパが取付けられる関係上該バンパ取付用のブラケット
があらじめ溶接されているので、このバンパ取付用ブラ
ケットを利用して後側治具1Rの取付を行なうこともでき
る。
上記、前後の治具1Fと1Rとは、ボディWに対する取付
状態において、その回転軸5同士がボディWの前後方向
に伸びる同一直線上に位置するようにされる。この同一
直線がボディWの回転軸線lとなるもので、好ましく
は、この回転軸線lがボディWの重心G(第7図参照)
を通るようにされている。なお、回転軸線lが重心Gを
通ることにより、ボディWの回転の際に、回転速度の大
きな変動が防止される。これにより、ボディWには、回
転変動に伴なう衝撃が発生するのが防止され、ダレ防止
上より好ましいものとなる。
なお、前後の治具1F、1Rは、車種(ボディWの種類)
に応じて専用のものがあらかじめ用意される。
台車 ボディWを回転させる機能を備えた台車である。
第7図において、台車Dは基台21を有し、この基台21
に取付けられた車輪22が、路面23上を走行される。この
基台21は、走行方向前側から後側(第7図右側から左
側)へ順次、それぞれ上方へ向けて伸びる1本の前支柱
24、2本の中間支柱25、26、および1本の後支柱27を有
し、中間支柱25、26と後支柱27との間が、前後方向に大
きく間隔のあいた支持空間28とされている。
ボディWは、上記支持空間28に配設され、その前部
が、前治具1Fを利用して中間支柱26に対して回転自在に
支持される一方、その後部が、後治具1Rを利用して後支
柱27に回転自在に支持される。
前後の治具1F、1R(の回転軸5)は、上下方向から支
柱26、27に対して係脱自在とされると共に、後側の治具
1Rが回転軸線l方向に不動として係合される。このた
め、中間支柱26にはその上端面に開口する切欠き26aが
形成される一方(第10図〜第12図参照)、後支柱27には
その上端面に開口する切欠き27aが形成されている(第1
0図、第14図、第15図参照)。この両切欠き26a、27a
は、治具1F、1Rの回転軸5が嵌合し得る大きさとされて
いる。そして、後側治具1Rの回転軸5にはフランジ部5a
が形成される一方、後支柱27には前記切欠き27aに連通
するフランジ部5aに対応した形状の切欠き27bが形成さ
れている。これにより、後次1Rは、後支柱27の切欠き27
a、27bに対して、上下方向から係脱されると共に、フラ
ンジ部5aのストッパ作用によって後支柱27に対して前後
方向に不動とされる。なお、ボディWに対する回転力の
付与は、前側治具1Fの回転軸5を介して行われ、このた
め前治具1Fの回転軸5先端部には、後述する接続部5b
(第5図をも参照)が形成されている。
基台21からは、下方へ向けてステー29が突設され、こ
のステー29の下端部に、牽引用ワイヤ30が連結されてい
る。このワイヤ30は、エンドレス式とされて、図示を略
すモータにより一方向に駆動され、これにより台車Dが
所定の搬送方向に駆動される。勿論、上記モータは、防
爆の観点上安全な箇所に設置されている。
ボディWの回転は、台車Dの移動を利用して、すなわ
ち台車Dの走行路面23に対する変位を利用して行われ
る。この台車Dの変位を回転として取出すための回転取
出機構31が、次のようにして構成されている。すなわ
ち、回転取出機構31は、基台21に上下方向に伸ばして回
転自在に支持された回転軸32と、回転軸32の下端部に固
定されたスプロケット33と、スプロケット33に噛合され
たチェーン34と、から構成されている。このチェーン34
は、前記ワイヤ30と並列に、走行路面23に対して不動状
態で配設されている。これにより、台車Dがワイヤ30を
介して牽引されると、チェーン34が不動であるため、こ
のチェーン34に噛合うスプロケット33したがって回転軸
32が回転される。
上記回転軸32の回転を、前側治具1F(の回転軸5)に
伝達するための伝動機構35が、次のようにして構成され
ている。すなわち、伝動機構35は、前記前支柱24の後面
に固定されたケーシング36と、ケーシング36に横方向
(前後方向)に伸ばして回転自在に支持された回転軸37
と、この回転軸37と前記上回転軸32とを連動させる一対
のベベルギア38、39と、前記中間支柱25に対して回転自
在かつ前後方向に摺動自在に保持された連結軸40と、を
有する。この連結軸40は、回転軸37に対してスプライン
結合され(この係合部を第7図中符号41で示す)、これ
により回転軸32が回転されると、連結軸40も回転される
ことになる。勿論、回転軸37と連結軸40とは、回転軸線
l上に位置するように設置されている。
前記連結軸40は、前側治具1Fの回転軸5に対して、係
脱される。すなわち、第10図〜第12図に示すように、前
治具1F用回転軸5の先端部には、十字形の接続部5bが形
成される一方、連結軸40の端部には、第10図、第13図に
示すようにこの接続部5bががたつきなく嵌合される係合
凹所40cを有するボックス部40aが形成されている。した
がって、例えば空気圧式のシリンダ42によってロッド43
を介して連結軸40を摺動させることによって、上記ボッ
クス部40a(係合凹所40c)と接続部5bとが係脱され、そ
の係合時に連結軸40と回転軸5とが一体回転可能とされ
る。なお、上記ロッド43は、第10図に示すように、連結
軸40の回転を阻害しないように、ボックス部40aの外周
に形成された環状溝40b内に嵌入されている。
以上のような構成によって、連結軸40を第7図右側へ
変位させた状態で、ボディWを台車Dに対して下降させ
ることにより、前後の治具1F、1Rの各回転軸5が、中間
支柱26、27によって回転自在かつ前後方向に不動状態で
支持される。この後、連結軸40(係止凹所40c)が、前
治具1Fにおける回転軸5(の接続部5b)に係合される。
これにより、台車Dをワイヤ30を介して牽引すれば、ボ
ディWが所定の水平軸線lを中心にして回転されること
になる。なお、ボディWの台車Dからの取外しは、上記
した手順とは逆の手順で行えばよい。
(発明の効果) 本発明は以上述べたことから明らかなように、2色に
色分けされた塗装面を得るのに、全体として用いる上塗
り塗料の量を極力少ないものとしつつ、所望色すなわち
所望部位の平滑度が優れたものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体工程図。 第2図は被塗物としての自動車用ボディが回転すること
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図、第6図はボディを回転させるために、用いる治
具の例を示す斜視図。 第7図はボディを回転させるようにしたボディ搬送用の
台車の一例を示す側面図。 第8図は台車の走行路下方の状態を示す一部切欠き平面
図。 第9図は第8図のX9−X9線断面図。 第10図は回転用治具と台車との結合部分を示す側面断面
図。 第11図は第10図X11−X11線断面図。 第12図は第11図の平面図。 第13図は第10図のX13−X13線断面図。 第14図は第10図のX14−X14線断面図。 第15図は第14図の平面図。 第16図はボディの色分けの状態を示す図。第17図は第16
図のX−X線断面図。 P1〜P8:工程 W:ボディ(被塗物) l:回転軸線 D:搬送用台車 1F、1R:回転用治具 C1:下塗り塗料層 C2:中塗り塗料層 C3:第1上塗り塗料層 C4:第2上塗り塗料層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下塗り、中塗りが完了された被塗物に対し
    て、部分的に、第1上塗り塗料を吹付けにより塗布する
    第1上塗り塗装工程と、 前記第1上塗り塗料を乾燥させる第1乾燥工程と、 前記被塗物に、前記第1上塗り塗料が塗布されなかった
    残りの部分に、該第1上塗り塗料とは異なる色の第2上
    塗り塗料を吹付けにより塗布する第2上塗り塗装工程
    と、 前記第2上塗り塗料を乾燥させる第2乾燥工程と、 を備え、 前記第2上塗り塗装工程で塗布される第2上塗り塗料の
    厚さがダレ限界以上の厚さとされ、 前記第2乾燥工程では、前記第2上塗り塗料がダレを生
    じなくなるまで乾燥するまでの間、被塗物が略水平軸線
    回りに回転される、 ことを特徴とする塗装方法。
JP26268388A 1988-10-20 1988-10-20 塗装方法 Expired - Lifetime JP2666984B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26268388A JP2666984B2 (ja) 1988-10-20 1988-10-20 塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26268388A JP2666984B2 (ja) 1988-10-20 1988-10-20 塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02111482A JPH02111482A (ja) 1990-04-24
JP2666984B2 true JP2666984B2 (ja) 1997-10-22

Family

ID=17379141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26268388A Expired - Lifetime JP2666984B2 (ja) 1988-10-20 1988-10-20 塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2666984B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02111482A (ja) 1990-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4968530A (en) Coating method
US5091215A (en) Coating method
JP2810441B2 (ja) 塗装方法
JP2666984B2 (ja) 塗装方法
JP2637781B2 (ja) 塗装方法
JPH02111481A (ja) 塗装方法
JP2636353B2 (ja) 塗装方法
JP2603236B2 (ja) 塗装方法
JP2886901B2 (ja) 塗装方法
JP2637790B2 (ja) 塗装方法
JP2637780B2 (ja) 塗装方法
JP2656608B2 (ja) 塗装方法
JP2810431B2 (ja) 塗装方法
JP2526229B2 (ja) 塗装方法
JP2656609B2 (ja) 塗装方法
JP2653430B2 (ja) 塗装方法
JPH02111480A (ja) 塗装方法
JPH0299167A (ja) 塗装方法
JP2656610B2 (ja) 塗装方法
JP2603245B2 (ja) 塗装方法
JP2540537B2 (ja) 自動車ボデイの塗装方法
JP2587083B2 (ja) 塗装方法
JP2517590B2 (ja) 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転用治具
JP2512866B2 (ja) 塗装ラインにおける搬送台車
JP2526230B2 (ja) 自動車ボデイの塗装方法