JP2665584B2 - 生塵の処理装置 - Google Patents

生塵の処理装置

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JP2665584B2
JP2665584B2 JP7086520A JP8652095A JP2665584B2 JP 2665584 B2 JP2665584 B2 JP 2665584B2 JP 7086520 A JP7086520 A JP 7086520A JP 8652095 A JP8652095 A JP 8652095A JP 2665584 B2 JP2665584 B2 JP 2665584B2
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弘 堀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機物である生塵をバク
テリアで分解して廃棄処理する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】膨大な量の生塵が全国の家庭で発生して
いる。各家庭における生塵の1日の発生量は約700g
と言われている。10万所帯の町では1日に70トンも
の生塵が発生する。生塵は焼却して廃棄される。生塵は
水分率が極めて高いので、焼却に大きな熱エネルギーを
必要とする。水を気化させるのに大きなエネルギーを必
要とするからである。したがって、生塵の処理に膨大な
経費を使っているのが実状である。焼却するのに代わっ
て、生塵をバクテリアで分解する方法はこの弊害がな
く、廃棄に消費するエネルギーを極減できる。
【0003】バクテリアを使用した生塵の処理装置は、
コンパクトに設計すると各家庭に設置できる。各家庭に
この装置があると、家庭で生塵を分解して廃棄処理でき
る。このため、生塵を収集する必要がなく、又生塵を焼
却する必要もない。各家庭では収集日に特定の決められ
たところに生塵を持って行く必要もない。この方法は、
生塵を廃棄処理する莫大な経費を節約でき、しかも家庭
で発生した生塵を直ちに処理できるので、便利で衛生的
に生塵を処理できる極めて優れた特長がある。
【0004】このようにして生塵を処理する装置はすで
に開発されている。従来の装置は、閉鎖できるケースの
生塵分解チャンバーに杉のオガクズ等の吸湿部材を入
れ、ここにバクテリアと生塵とを入れて攪拌するように
なっている。この構造の装置は、オガクズにバクテリア
を繁殖させ、有機物である生塵をガスと水とに分解す
る。したがって、生塵は処理後には、処理前とは比較に
ならない程減少する。このため、生塵分解チャンバーに
生塵を毎日投入して、1〜数日に1回の割合でバクテリ
アを添加すればよい。バクテリアで分解された生塵は、
体積と重量とが極減する。このため、毎日約1kgの生
塵を投入しても、オガクズの重量はほとんど増加しな
い。生塵がガスと水とに分解され、ガスは空気と一緒に
排気され、水は気化して空気と一緒に排気されるからで
ある。
【0005】このようにして生塵を分解する装置は、極
めて便利に使用できる特長がある。しかしながら、この
ようにバクテリアで生塵を分解する装置は、分解された
ガスに悪臭ガスが含まれる。このため、ガスを空気と一
緒に生塵分解チャンバーから外部に排出すると悪臭が飛
散して室内で使用できなくなる。生塵の処理装置を屋外
に設置すると、悪臭の問題は少なくなる。しかしなが
ら、この種の装置は、屋内に設置できるようにすると、
非常に便利に使用できるようになる。生塵の発生する台
所に設置できるからである。困ったことに、台所はもっ
とも悪臭を少なくすることが大切なところである。悪臭
の漂う台所では、快適に食事ができないからである。
【0006】生塵分解チャンバーから排出される空気の
悪臭ガスを無臭化するために種々の脱臭装置が開発され
ている。脱臭装置は、排気路にオゾンを添加するものが
開発されている。オゾンで脱臭する装置は、悪臭ガスの
分解に消費されないで残存するオゾンが外部に漏れない
ようにするために、オゾンを酸素に変換するオゾン−酸
素変換触媒を使用する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】オゾンは強い活性を有
する気体であるから、極力室内に排出しないように設計
することが大切である。オゾン−酸素変換触媒が完全に
オゾンを酸素に分解できるのであれば問題はない。しか
しながら、オゾン−酸素変換触媒は、多湿な環境で使用
されると、オゾンの分解能力が著しく低下する特性があ
る。空気に含まれる水分が結露すると、オゾン分解性能
が低下する特性があるからである。
【0008】困ったことに、生塵の処理装置は、オゾン
−酸素変換触媒を活発に作用できる環境に保持するのは
極めて難しい。それは、生塵が分解されると、水とガス
とに分解されるので、排出される空気には、多量の水分
が含まれるからである。生塵分解チャンバーから排出さ
れる空気は、生塵が分解された水分を含み、相当に多湿
な空気となる。多湿空気はオゾン−酸素変換触媒を通過
するときに、結露してオゾン−酸素変換触媒のオゾン分
解性能を著しく低下させる。生塵の処理装置は、バクテ
リアの作用で、生塵を水とガスとに分解して排気して消
滅させるので、空気に含まれる水分を少なくすることは
理論的に不可能である。
【0009】吸湿部材に生塵を添加して攪拌部材で攪拌
を始めると、約4時間で生塵の分解が始まる。そうする
と、排気される空気に多量の水分が含まれるようにな
る。生塵が水分に分解されて外部に排出されるからであ
る。生塵の添加量にもよるが、1日分の生塵を生塵分解
チャンバーに入れて攪拌すると、生塵の分解が4〜12
時間継続する。この間、排気される空気の水分含有率は
著しく高くなる。高湿度の空気は、オゾン−酸素変換触
媒を結露して触媒としての性能を著しく低下させる。オ
ゾン−酸素変換触媒の性能が低下したときの排出オゾン
濃度を低くするために、排気路に供給するオゾン濃度を
低くする必要がある。排気路のオゾン濃度の低下は、悪
臭ガスの有効な無臭化を難しくする。このため、悪臭ガ
スが機外に排出されるようになってしまう。
【0010】オゾン−酸素変換触媒の結露水による性能
低下を防止するためには、オゾン−酸素変換触媒の前工
程に除湿器を配設し、あいるはオゾン−酸素変換触媒の
前工程にヒータを配設する技術が開発されている。しか
しながら、除湿器を使用する装置は、装置が高価になる
欠点がある。ヒーターで空気を加熱する装置は、オゾン
−酸素変換触媒の結露を効果的に阻止することが難し
い。ヒーターを通過する空気の相対湿度は低くできる
が、オゾン−酸素変換触媒を通過するときには空気温度
が低下して、相対湿度が高くなるからである。したがっ
て、ヒーターを使用する構造は、装置を簡単にできる特
長はあっても、オゾン−酸素変換触媒の結露を有効に防
止できない。したがって、使用するにあたって、オゾン
や悪臭ガスが排気される欠点を解消できない。
【0011】ところで、悪臭ガスを脱臭する技術とし
て、光触媒を使用する装置が下記の公報に記載されてい
る。 実開平4−117643号公報 特公平2−9850号公報 特開平1−139139号公報 特開平3−106420号公報 特開平3−157125号公報 特公平6−7907号公報 特開平4−272337号公報 特開平4−307065号公報
【0012】の公報には、空気中の悪臭ガスを分解し
て除去する光触媒と、この光触媒に光を照射して脱臭さ
せる光照射手段とを備える脱臭装置が記載される。 の公報には、光のエネルギーに対応して活性化する光
触媒を使用して、廃棄物中の有害物質を除去する浄化方
法が記載される。 の公報には、紫外線ランプと光触媒を担持した多孔体
とを対向して設け、間に空気を流入して脱臭と殺菌をす
る装置が記載される。 との公報には、半導体を担持した網状の触媒と悪臭
を含む気体の共存下で、気体を触媒に透過させ、半導体
に光を照射して活性化することにより光触媒作用で悪臭
を効果的に分解する脱臭方法が記載される。 の公報には、酸化タングステンを懸濁した水溶液に特
定波長の光を照射する光触媒による脱臭方法が記載され
る。 の公報には、悪臭を分解除去する光触媒に光を照射
し、悪臭を光触媒に接触して脱臭するトイレ用脱臭装置
が記載される。 さらにこの公報には、室内の壁に光触媒を設け、この
光触媒に紫外線を照射してトイレ等の空気を脱臭する脱
臭機構が記載される。
【0013】これ等の公報に記載されるように、光触媒
で悪臭ガスを脱臭する装置はすでに開発されている。本
発明は、光触媒をより理想的な環境で使用することによ
って、生塵分解チャンバーから排出される悪臭ガスを効
率よく脱臭することに成功したものである。したがっ
て、本発明の重要な目的は、光触媒でもって悪臭ガスを
効率を脱臭できる生塵の処理装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の生塵の処理装置
は、前述の目的を達成するために下記の構成を備える。
生塵の処理装置は、生塵を分解するバクテリアが添加さ
れる吸湿部材1を収納する生塵分解チャンバー2と、生
塵分解チャンバー2の内部に配設されて供給された生塵
と吸湿部材1とを攪拌する攪拌部材3と、生塵分解チャ
ンバー2から空気を外部に排気する排気路7と、この排
気路7に設けられて排気される多湿空気の水分を表面に
結露させる結露部材12と、この結露部材12の表面に
付着された光触媒と、この光触媒に紫外線を照射する紫
外線ランプ13とを備える。生塵が分解されて排出され
る水分は、結露部材12の表面に結露される。結露部材
12の表面に付着する結露水は、悪臭ガスを吸着して効
率よく捕捉する。結露部材12の結露水に吸着された悪
臭成分は、紫外線ランプ13から照射される紫外線に照
射されて光触媒で効率よく分解される。
【0015】さらに、本発明の請求項2に記載される生
塵の処理装置は、排気路7にオゾン供給手段5を連結し
ている。排気路7は、排出側にオゾンを酸素に分解する
ためのオゾン−酸素変換触媒6を配設している。さら
に、オゾン−酸素変換触媒6は結露部材12よりも排出
側に配設されており、結露部材12で空気中の水分を除
去した空気をオゾン−酸素変換触媒6に通過させてい
る。
【0016】
【作用】本発明の生塵の処理装置は、下記の動作をして
生塵を分解する。生塵分解チャンバー2に充填したオガ
クズ等の吸湿部材1にバクテリアを生息させている。バ
クテリアは、供給される生塵を、ガスと水とに分解す
る。生塵から分解された水分とガスは、排気路7を通過
して生塵分解チャンバー2から外部に排出される。生塵
分解チャンバー2には、断続的に生塵が供給される。ほ
とんどの場合、台所で発生する生塵は、1日に1〜3回
の割合で供給される。食事時に生塵が発生するからであ
る。ただ、旅行等で留守にするときには、数日も生塵が
供給されないこともある。生塵が供給されると、バクテ
リアの働きが次第に活発になり、約4時間も経過すると
生塵が活発に分解されるようになる。バクテリアが活発
に生塵を分解するようになると、水分と悪臭ガスの発生
量も多くなる。バクテリアによる生塵の分解が終わりに
近付くにしたがって、水分と悪臭ガスの発生量も少なく
なる。すなわち、多量の悪臭ガスが発生するときには、
水分も多量に発生する。
【0017】以上のように、生塵をバクテリアで分解す
る装置は、生塵を分解するときに、多量の悪臭ガスと水
分がを発生する。いいかえると、多量の悪臭ガスが排出
されるときに、排気される空気の相対湿度も高くなる。
過飽和またはその状態に近い空気は、結露部材の表面に
接触して含有される水蒸気を表面に結露させる。本発明
の装置は、この状態を極めて有効に利用して、生塵分解
チャンバーから排出される悪臭ガスを有効に脱臭する。
【0018】従来の光触媒を使用した脱臭装置は、紫外
線を照射する光触媒に悪臭ガスを直接に接触させて悪臭
ガスを脱臭する。このようにして多量の悪臭ガスを無臭
化するためには、光触媒を設けた排気通路の全長を長く
する必要がある。短い排気通路では悪臭ガスが素通りし
てしまうからである。本発明の生塵の処理装置は、悪臭
ガスを光触媒に直接に接触させて脱臭するのではない。
悪臭ガスは光触媒を塗布している結露部材の結露水に吸
着して捕捉され、結露水に吸着される状態で光触媒によ
って無臭化される。この状態で無臭化される悪臭ガス成
分は、光触媒に長時間接触して効率よく脱臭される。す
なわち、本発明の生塵の処理装置は、悪臭ガスを結露水
に捕捉することによって、光触媒との接触時間を著しく
延長して、効率よく脱臭する。
【0019】さらに、本発明の生塵の処理装置は、悪臭
ガスを吸着する水分に、生塵を分解して発生する水分を
利用する。このため、悪臭ガスを捕捉する水分を補給す
る必要がなく、悪臭ガスは結露水に捕捉されて光触媒に
よって効率よく脱臭される。さらに好都合なことに、本
発明の装置は、生塵を分解した水分を悪臭ガスの捕捉水
に利用しているので、多量の悪臭ガスが発生するときに
は、結露部材に充分な量の結露水が補給される。したが
って、多量の悪臭ガスが発生するとき、結露部材の表面
に結露する水分によって、悪臭ガスが効率よく吸着さ
れ、光触媒でもって確実に脱臭される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための生塵の処理装置を例示するものであ
って、本発明は生塵の処理装置の構成を下記のものに特
定しない。
【0021】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0022】図1に示す生塵の処理装置は、生塵を分解
するバクテリアを添加する吸湿部材1を充填する生塵分
解チャンバー2と、この生塵分解チャンバー2の開口部
に開閉自在に設けられた開閉蓋9と、生塵分解チャンバ
ー2に供給された生塵と吸湿部材1とを攪拌する攪拌部
材3と、生塵分解チャンバー2から空気を外部に排気す
る排気路7と、この排気路に設けられて排気される多湿
空気の水分を表面に結露させる結露部材12と、この結
露部材12の表面に付着された光触媒と、この光触媒に
紫外線を照射する紫外線ランプ13とを備える。
【0023】生塵分解チャンバー2は上方を開口した箱
形のケース8の内部に設けられている。生塵分解チャン
バー2は上方の開口部に、生塵を投入する開閉蓋9を設
けている。開閉蓋9は蝶番を介して開閉できるように連
結されている。開閉蓋9を開いて生塵を投入し、開閉蓋
9を閉じると生塵分解チャンバー2の悪臭が漏れないよ
うになっている。
【0024】生塵分解チャンバー2には吸湿部材1とし
てオガクズを充填している。オガクズは吸湿部材1とし
て理想的な物性を備える。廃棄物として多量にあり、安
価で適当な吸湿性を有するからである。オガクズには杉
のオガクズが最適である。ただ、吸湿部材1にはオガク
ズに代わって、バクテリアを生息できる吸湿性のある全
ての粉粒体を使用できる。
【0025】吸湿部材1に添加されるバクテリアは、好
気性細菌のみでも使用できるが、好ましくは、好気性細
菌に加えて通性嫌気性菌も添加する。さらに好ましくは
バクテリアに加えて酵素も添加する。吸湿部材1に添加
される好気性細菌と通性嫌気性菌と酵素には、例えばエ
ービーシージャパン株式会社(東京都台東区蔵前3−1
3−13)の微生物である「ユニザイム」を使用する。
ユニザイムは、好気性細菌と通性嫌気性菌と酵素とを吸
湿性のパウダーに添加したバクテリアパウダーである。
バクテリアパウダーであるユニザイムの使用量は、毎日
2kgの生塵を分解する装置で、2日に5gと少量添加
すればよい。
【0026】攪拌部材3はスパイラルコイルの攪拌羽根
3Aと、この攪拌羽根3Aを回転させる減速モーター3
Bとを備える。攪拌羽根3Aが回転されると、吸湿部材
1は矢印で示すように上昇されて攪拌される。攪拌羽根
3Aは生塵分解チャンバー2の中心部分に配設されてい
るので、吸湿部材1は生塵分解チャンバー2の中心部分
で上昇され、その周囲で降下するように循環して攪拌さ
れる。
【0027】生塵分解チャンバー2は上部の開口部に排
気路7を連結している。排気路7は生塵分解チャンバー
2から空気を排気する。空気と一緒に、生塵を分解した
水分とガスとが機外に排出される。空気と一緒に排出さ
れるガスには、悪臭ガスが含まれている。悪臭ガスを排
気路で脱臭するために、排気路に結露部材12を垂直に
配設している。結露部材12は表面に効率よく結露水を
付着させるために、金属板が使用される。金属板は熱伝
導に優れているので、バクテリアによって生塵の分解が
始まって空気温度が高くなったときに、結露部材12の
表面温度を低温に保持して、効率よく結露水を付着させ
る。結露部材12により効率よく結露水を付着させるた
めには、結露部材12を排気路7の一方の側面に固定
し、外気で効率よく結露部材12を冷却できるようにす
る。金属板である結露部材12は、排気路の内部に配設
しても、生塵の分解が開始されて、空気温度と湿度とが
上昇すると、表面に結露水が付着するようにできる。図
に示すように、垂直に配設された結露部材12は、表面
に結露して付着した水を自然に流下できるので、先に結
露した水を流下させて、次々と新しく結露水を付着でき
る特長がある。図に示す生塵の処理装置は、結露部材1
2を垂直に配設しているが、結露部材は傾斜する姿勢に
配設して結露水を流下させることもできる。
【0028】結露部材12は表面に光触媒を付着してい
る。光触媒は、生塵を分解して発生する悪臭ガスを脱臭
できるすべのものを使用できるが、好ましくは酸化チタ
ンの微粉末を使用する。酸化チタンの微粉末は、数μm
ないしそれ以下の微粉末状として、透明のバインダーを
使用して、結露部材の表面に塗布して付着される。
【0029】排気路7は、一方の面に結露部材12を配
設し、結露部材12の対向面には反射層17を設けてい
る。反射層17のある排気路7は、紫外線ランプ13か
ら照射される紫外線を反射して、効率よく光触媒を照射
できる特長がある。反射層17にはたとえば、アルミニ
ウム箔等の金属や鏡が使用できる。
【0030】反射層17と結露部材12の間を空気の通
過路として、ここに紫外線ランプ13を配設している。
紫外線ランプには、紫外線を照射する全てのランプを使
用できる。紫外線ランプに、無電極の蛍光ランプを使用
すると、寿命を長くできる特長がある。ただ、紫外線ラ
ンプは、紫外線を照射する蛍光ランプとして市販されて
いる健康ランプや殺菌灯等も使用できる。
【0031】本発明の生塵の処理装置は、光触媒を効率
よく使用して悪臭ガスを脱臭するものであるが、本発明
の装置は、光触媒とオゾンの両方で悪臭ガスをより完全
に脱臭することもできる。図2は、悪臭ガスを光触媒と
オゾンで脱臭する装置を示す。この装置は、排気路7に
オゾンを供給して悪臭ガスを脱臭し、さらに、光触媒で
脱臭した後、オゾン−酸素変換触媒6を通過して機外に
排気する。
【0032】図2に示す装置は、結露部材を配設してい
る排気路の底部に排水管14を連結している。排水管1
4は水を排出して空気を排出しないように、途中を逆U
字状に折曲してトラップとしている。トラップはここに
溜る水で閉塞して空気の排出を阻止する。排気路7の底
部に排水管14を連結する装置は、結露水を排気路7の
外部に流出できるので、ここを通過する空気の水分を効
率よく除去できる特長がある。
【0033】ただ、図2に示す装置は、排気路7の底部
にかならずしも排水管14を連結する必要はない。排水
管14のない排気路7は、結露部材の表面に付着して流
下する結露水が底に溜る。ここに溜る水は、空気の相対
湿度が低くなると再び空気中に気化して排出される。空
気の相対湿度が高いときは、底に溜る水が空気に気化す
る量が少なく、直ちに気化されることはない。したがっ
て、空気の相対湿度が高いときに結露部材に結露した水
が分離して排気路7の底に溜り、空気の相対湿度が低く
なると排気路7の底に溜る水が再び気化して、空気と一
緒に排出される。空気の相対湿度が低いときに排気路7
の底に溜る水が気化しても、空気のもとの相対湿度が低
いので、湿度が異常に高くなることがない。
【0034】排気路7は、排出端に排気ファン4を設け
ている。排気ファン4は生塵分解チャンバー2の空気を
強制的に排気する。排気ファン4で生塵分解チャンバー
2の空気が強制的に排気されると、生塵分解チャンバー
2には開閉蓋9とケース8との隙間から新しい空気が吸
入される。ただ、図示しないが、ケース8に外気を吸入
する開口部を設けることもできる。
【0035】図2に示す生塵の処理装置は、排気路7の
流入側にオゾン供給手段5を連結している。オゾン供給
手段5は、外気吸入路15から外気を吸入し、吸入した
空気にオゾンを添加して排気路7に供給する。オゾン供
給手段5は、たとえば対向する電極に高電圧を印加し、
電極間に放電させてここに空気を通過させ、空気に含ま
れる酸素の一部をオゾンに変換するものを使用する。図
2に示すオゾン供給手段5は、外気吸入用のファン16
を備える。ファン16は、外気吸入路15に外気を吸入
して排気路7に供給する。
【0036】外気吸入路15からのオゾン漏れを防止す
るために、外気を吸入する外気吸入路15に、オゾン排
出阻止手段10を連結している。オゾン排出阻止手段1
0は、ファン16が故障したときのオゾン漏れを防止す
るもので、通過するオゾンを酸素に変換するオゾン−酸
素変換触媒11である。オゾン−酸素変換触媒11は、
オゾンの添加された空気を通過させる空隙を有する。空
隙は、たとえば、オゾン−酸素変換触媒11をハニカム
状として設けることができる。オゾン−酸素変換触媒1
1の空隙を通過する空気は、含まれるオゾンが酸素に変
換されて排出される。オゾン−酸素変換触媒11は、オ
ゾンを酸素に変換できる全ての触媒、たとえば株式会社
日本触媒(大阪市中央区高麗橋4−1−1)が発売して
いる「オゾン分解・脱臭触媒(TSO)」が使用でき
る。
【0037】オゾン供給手段5は、約1〜3ppmのオ
ゾンを含む空気を排気路7に供給する。オゾン供給手段
5が排気路に供給するオゾン濃度は、0.3〜10pp
mの範囲に設定できる。オゾン濃度が高くなると、排気
路7の排出側に配設したオゾン−酸素変換触媒6で完全
に酸素に変換できなくなる。オゾン濃度が低すぎると悪
臭を無臭化できなくなる。オゾン濃度は悪臭を無臭化で
き、かつオゾン−酸素変換触媒6でオゾンを完全に除去
できることを考慮して前記の範囲に設定される。
【0038】排気路7の排出側に設けたオゾン−酸素変
換触媒6は、悪臭ガスの分解に消費されないで残存する
オゾンを酸素に変換するものである。ここに配設するオ
ゾン−酸素変換触媒6には、外気吸入路15に配設する
オゾン−酸素変換触媒11と同じものが使用できる。こ
のオゾン−酸素変換触媒6も、空気を通過させるために
ハニカム状をしている。オゾン−酸素変換触媒6はここ
を通過する空気に含まれる残存オゾンを酸素に分解す
る。オゾン−酸素変換触媒6に、たとえば株式会社日本
触媒(大阪市中央区高麗橋4−1−1)が発売している
「オゾン分解・脱臭触媒(TSO)」を使用すると、オ
ゾン濃度を低下させると共に、悪臭ガスとオゾンとの反
応を促進し、さらに悪臭ガスを吸着できる特長もある。
【0039】オゾン−酸素変換触媒は、結露するとオゾ
ンを分解する性能が著しく低下する。このため、生塵が
分解されるときに発生する水分によって、オゾンの分解
能力が低下する。ところが、図2に示す本発明の生塵の
処理装置は、排気路に結露部材を配設して水分を結露し
て除去しているので、高湿度の空気がオゾン−酸素変換
触媒を通過せず、このオゾン−酸素変換触媒は効率よく
オゾンを酸素に分解して排出できる特長がある。
【0040】
【発明の効果】本発明の生塵の処理装置は、生塵分解チ
ャンバーの空気を排気する排気路に結露部材を設け、こ
の結露部材に光触媒を付着して紫外線を照射している。
光触媒は、直接に悪臭ガスを脱臭するのではない。光触
媒は結露部材に付着されているので、表面の結露水に吸
着された悪臭ガス成分を効率よく脱臭する。この状態で
脱臭される悪臭ガスは、光触媒を使用した従来の脱臭装
置のように、光触媒の表面に素通りすることがない。悪
臭ガスは、結露水に吸着された状態で長い時間光触媒に
接触されて効率よく脱臭される。
【0041】以上のように、本発明の生塵の処理装置
は、水を介して光触媒でもって悪臭ガスを効率よく脱臭
する。すなわち、光触媒で効率よく悪臭ガスを脱臭する
ために水を必要とする。本発明の装置は、生塵を分解し
て発生する水分を利用して、光触媒で効率よく脱臭す
る。生塵をバクテリアで分解すると水ができる。水は空
気と一緒に排出される。空気と一緒に排出される水分
は、結露部材の表面に結露水となって付着される。とく
に、生塵分解チャンバーに生塵を供給して、バクテリア
が激しく分解するときに、多量の水が排気されて排気空
気の湿度が高くなる。高湿度の空気は結露部材の表面に
結露する。結露部材の表面に結露するのは、生塵が分解
されるときに、空気中に含まれる水分量が多くなり、さ
らに、バクテリアが生塵を分解するときの熱で空気温度
は高くなり、これが排気路で冷却されて過飽和になるか
らである。したがって、結露部材は、バクテリアが生塵
を分解するときに、表面に効率よく結露水が付着され
る。この状態は、悪臭ガスも多量に発生する状態であ
る。このため、本発明の生塵の処理装置は、多量の悪臭
ガスが発生するときに、結露部材の表面に効率よく結露
水を付着し、この水でもって、悪臭ガスを捕捉して、光
触媒で効率よく脱臭するという、正に理想的な状態で悪
臭ガスを脱臭できる特長がある。
【0042】さらに、本発明の請求項2に記載する生塵
の処理装置は、空気を排気する排気路にオゾン供給手段
と、結露部材と、オゾン−酸素変換触媒とを配設する。
この構造の装置は、オゾンと光触媒の両方で悪臭ガスを
さらに有効に脱臭できる特長がある。さらに、結露部材
の排出側にオゾン−酸素変換触媒を配設しているので、
排気空気が高湿度のときに、空気中に含まれる水分が結
露部材に除去されて、オゾン−酸素変換触媒を通過す
る。オゾン−酸素変換触媒は、前にも述べたように、過
湿度の空気が通過して結露するとオゾンを酸素に分解す
る作用が著しく低下する。本発明の装置は、光触媒で有
効に脱臭するために設けている結露部材で空気中の水分
を除去した空気をオゾン−酸素変換触媒に通過させる。
このため、オゾン−酸素変換触媒が空気中の水分に起因
する性能低下を少なくできる。とくに、光触媒を効率よ
く脱臭するために設けた結露部材を、オゾン−酸素変換
触媒の性能低下を防止する部材に併用するので、簡単な
構造で、効率よく脱臭して、しかも室内にオゾンが排出
さるのを有効に防止できる特長も実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる生塵の処理装置の断面
【図2】本発明の他の実施例にかかる生塵の処理装置の
断面図
【符号の説明】
1…吸湿部材 2…生塵分解チャンバー 3…攪拌部材 3A…攪拌羽根 3
B…減速モーター 4…排気ファン 5…オゾン供給手段 6…オゾン−酸素変換触媒 7…排気路 8…ケース 9…開閉蓋 10…オゾン排出阻止手段 11…オゾン−酸素変換触媒 12…結露部材 13…紫外線ランプ 14…排水管 15…外気吸入路 16…ファン 17…反射層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生塵を分解するバクテリアが添加される
    吸湿部材(1)を収納する生塵分解チャンバー(2)と、生塵
    分解チャンバー(2)の内部に配設されて供給された生塵
    と吸湿部材(1)とを攪拌する攪拌部材(3)と、生塵分解チ
    ャンバー(2)から空気を外部に排気する排気路(7)と、こ
    の排気路(7)に設けられて排気される多湿空気の水分を
    表面に結露させる結露部材(12)と、この結露部材(12)の
    表面に付着された光触媒と、この光触媒に紫外線を照射
    する紫外線ランプ(13)とを備え、生塵が分解されて排出
    される水分が結露部材(12)の表面に結露され、この結露
    水に悪臭ガスが吸着されて、光触媒で分解されるように
    構成されてなることを特徴とする生塵の処理装置。
  2. 【請求項2】 排気路(7)にオゾン供給手段(5)が連結さ
    れると共に、排気路(7)の排出側にはオゾン−酸素変換
    触媒(6)が結露部材(12)よりも排出側に配設されてお
    り、結露部材(12)を通過した空気がオゾン−酸素変換触
    媒(6)を通過するように構成されている請求項1に記載
    の生塵の処理装置。
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