JP2662352B2 - シリコーンを含む重合体ラテックス組成物 - Google Patents

シリコーンを含む重合体ラテックス組成物

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JP2662352B2
JP2662352B2 JP4035493A JP4035493A JP2662352B2 JP 2662352 B2 JP2662352 B2 JP 2662352B2 JP 4035493 A JP4035493 A JP 4035493A JP 4035493 A JP4035493 A JP 4035493A JP 2662352 B2 JP2662352 B2 JP 2662352B2
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豊昭 山内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、はっ水性、汚染抑制、
耐候性、顔料分散性、光沢、耐水性、密着性に優れた皮
膜を形成し得る重合体ラテックスに関するものである。
本発明で製造される重合体ラテックスは塗料、建材の下
地処理材、建材の仕上げ材、接着剤、粘着剤、紙加工
剤、繊維加工剤などに利用され、とくに塗料用、建材の
仕上げ材として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】水性塗料用の樹脂として乳化重合より得
られる重合体ラテックスは常温あるいは加熱乾燥下で成
膜し、比較的耐久性の良好な皮膜を形成することから多
く用いられている。しかし屋外で曝露された場合、重合
体ラテックスまたは重合体ラテックスへ顔料が配合され
た塗料より得られた皮膜のつやの低下は速く、光沢保持
性の水準は低いものであった。
【0003】上記の問題を解決するため、重合体中にシ
リコーンを導入することは、たとえば紫外線、酸素、水
または種々の溶剤に対する抵抗性を高め、耐久性の改善
に望ましいものである。先行技術としてエチレン性不飽
和単量体を乳化重合せしめて調製される重合体ラテック
スであって、かつ該共重合体中に加水分解性シラン化合
物から形成されるシリコーンが共存あるいは化学的に結
合しているラテックスまたはその製造方法として特開昭
60−181173号公報、特開昭62−267374
号公報および特開平2−67324号公報に開示されて
いるが、エチレン性不飽和単量体と加水分解性シランと
を反応系へ同時に導入するため、生成するラテックスの
分散安定性が悪いという問題があった。このラテックス
に安定性改良剤として分散剤、乳化剤を添加しても成膜
助剤や無機顔料を混和する場合、ラテックスが凝集した
りあるいは凝集せずに混和できても光沢に優れる皮膜を
得ることができなかった。また安定性改良剤を多く必要
とするため、耐水性の良い皮膜は得られなかった。
【0004】また、特開昭61−9463号公報、特開
昭63−202630号公報、特開昭63−20263
1号公報、特開平3−45628号公報および特開平4
−57868号公報では、エチレン性不飽和単量体を乳
化重合後、pH7付近に調整した後に加水分解性シラン
を反応系へ導入して重合するため、アルコキシシランの
加水分解より発生するアルコールによるラテックスの凝
集やシランの縮合反応に伴いラテックスの凝集が発生す
る。工業的に製造する上で高濃度のラテックスを安定に
得ることが難しく、これを防ぐために多くの界面活性剤
を必要とする。あるいはまたラテックスが得られた場合
でもラテックスをビヒクルとして成膜助剤および無機顔
料と混和したときラテックスが凝集したり、凝集せずに
混和できても光沢に優れる皮膜を得ることができないた
め、これらを防ぐには多くの界面活性剤を必要とする。
その結果、これらのラテックスより得られる皮膜の耐水
性は良好なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、顔料が配
合された重合体ラテックスから得られた皮膜の塗装され
た直後におけるつやの水準は低く、さらに長期にわたり
曝露されるとその皮膜のつやはますます低下してしまう
という問題があった。本発明は重合体中にシリコーンを
導入することによって長期にわたって皮膜のつやを保持
でき、かつ通常の界面活性剤を多量に使用しないか又は
全く使用せず、あるいは加水分解性シランの縮合触媒お
よび界面活性剤機能を併せ持つドデシルベンゼンスルホ
ン酸等を使用せず、スルホン酸基または硫酸エステル基
を持つエチレン性不飽和単量体を共重合することによっ
て、皮膜の耐水性の優れた重合体ラテックスを提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決するためにスルホン酸基または硫酸エ
ステル基を持つエチレン性不飽和単量体の乳化重合さら
にはシリコーンを導入する加水分解性シランとの乳化重
合につき鋭意検討をかさねた結果、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、スルホン酸基または
硫酸エステル基を持つエチレン性不飽和単量体(A)お
よびその他のエチレン性不飽和単量体(B)とを水性媒
体中において乳化重合させて調整されるシードラテック
スの存在下に、スルホン酸基または硫酸エステル基を持
つエチレン性不飽和単量体(C)およびその他のエチレ
ン性不飽和単量体(D)と、加水分解性シラン(E)と
を乳化重合させて得られるシリコーンを含む重合体ラテ
ックス組成物であって、該(A)と該(B)との比率
が、(A)が0.05〜20重量%、(B)が80〜9
9.95重量%であり、該(C)と該(D)との比率
が、(C)が0.05〜10重量%、(D)が90〜9
9.95重量%であり、該シードラテックス中の重合体
と、該(C)と該(D)より形成される重合体との重量
比率が、1/99〜99/1であり、該シードラテック
ス中の重合体および該(C)と該(D)より形成される
重合体と、該(E)より形成されるシリコーンとの比率
が、50/50〜99/1であり、該(B)が、カルボ
キシル基を持つエチレン性不飽和単量体が0.5〜50
重量%、カルボキシル基を持たないエチレン性不飽和単
量体が50〜99.5重量%からなり、該(E)の少な
くとも一種に、下記の一般式(1) R1 −Si−(R2 3 (1) (式中、R1 は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素
基、アリール基、シクロアルキル基、ビニル基、アクリ
ル酸アルキル基またはメタクリル酸アルキル基:R2
1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ
基、水酸基でありすべてが同一でも一部または全部が異
なっていてもよい。)で表される加水分解性シランを用
いる重合体ラテックス組成物を提案するものである。
【0008】本発明において、スルホン酸基または硫酸
エステル基を持つエチレン性不飽和単量体(A)とその
他のエチレン性不飽和単量体(B)との比率が、スルホ
ン酸基又は硫酸エステル基を持つエチレン性不飽和単量
体(A)が0.05〜20重量%、その他のエチレン性
不飽和単量体(B)が80〜99.95重量%からな
り、スルホン酸基または硫酸エステル基を持つエチレン
性不飽和単量体(A)が0.1〜10重量%、その他の
エチレン性不飽和単量体(B)が90〜99.9重量%
からなることが好ましく、この単量体混合物が水性媒体
中において乳化重合せしめて調製されるシードラテック
スである。この重量比以外では、ラテックスを安定に得
られなかったり、ラテックスより得られる皮膜の耐水性
が劣る。
【0009】本発明において、第二段階としてスルホン
酸基または硫酸エステル基を持つエチレン性不飽和単量
体(C)とその他のエチレン性不飽和単量体(D)との
比率は、スルホン酸基又は硫酸エステル基を持つエチレ
ン性不飽和単量体(C)が0.05〜10重量%、その
他のエチレン性不飽和単量体(D)が90〜99.95
重量%からなり、スルホン酸基又は硫酸エステル基を持
つエチレン性不飽和単量体(C)が0.1〜5重量%、
その他のエチレン性不飽和単量体(D)が95〜99.
9重量%からなることが好ましい。この重量比の範囲外
では、ラテックスを安定に得られなかったり、ラテック
スより得られる皮膜の耐水性が劣る。
【0010】本発明において、(A)、(B)からなる
単量体混合物を水性媒体中において乳化重合せしめて調
製されるシードラテックス中の重合体と、第二段階とし
て(C)、(D)より形成される重合体との重量比率は
1/99〜99/1、好ましくは5/95〜95/5で
ある。本発明において、(A)、(B)からなる単量体
混合物を水性媒体中において乳化重合せしめて調製され
るシードラテックス中の重合体および第二段階おいて
(C)、(D)より形成される重合体と、加水分解性シ
ラン(E)より形成されるオルガノポリシロキサンとの
比率が50/50〜99/1が好ましい。
【0011】本発明におけるスルホン酸基または硫酸エ
ステル基を持つエチレン性不飽和単量体とは、分子中に
ラジカル重合性の二重結合と、スルホン酸基または硫酸
エステル基を持つ化合物を意味し、(A)、(C)は同
一でも異なっていてもよく、二種以上の併用も可能で一
部または全部が異なっていてもよい。スルホン酸基また
は硫酸エステル基を持つ単量体はアンモニウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩であることが好ましく、これらは
下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、
で表されるアリルスルホコハク酸塩でたとえば、花王
(株)製ラテムル(商標)S−120、S−180A、
S−180、三洋化成(株)製エレミノール(商標)J
S−2等、
【0012】
【化1】
【0013】(上式において、R1 は水素又はメチル
基、R2 は炭化水素又は置換基を有する炭化水素基又は
オキシアルキレン基を含む有機基、Aは炭素数2〜4個
のアルキレン基又は置換されたアルキレン基、nは0又
は整数を意味する。Mはアンモニウム、ナトリウム、カ
リウム) あるいは、下記の一般式(V)で表されるアルキルフェ
ノールエーテル系、例えば第一工業製薬(株)製アクア
ロン(商標)HS−10等、
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1 は炭素数6〜18のアルキル
基、アルケニル基又はアラルキル基、R2 は水素又は炭
素数6〜18のアルキル基、アルケニル基又はアラルキ
ル基、R3 は水素又はプロペニル基、Aは炭素数2〜4
のアルキレン基、nは1〜200の整数、Mはアンモニ
ウム、ナトリウム、カリウム) 更に下記の一般式(VI)で表されるものとして、例え
ば旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)SE1
025N等がある。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1 は水素又はメチル基、R2
炭素数8〜24のアルキル基又はアシル基、Aは炭素数
2〜4のアルキレン基、nは0〜20の整数、mは0〜
50の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウ
ム) その他p−スチレンスルホン酸塩、メチルプロパンスル
ホン酸アクリルアミドの塩、アクリル酸スルホアルキル
エステルの塩、メタアクリル酸スルホアルキルエステル
の塩などもあげることができるが、これらだけに限定さ
れるものではない。
【0018】本発明において、その他のエチレン性不飽
和単量体(B)、(D)は同一でも一部または全部が異
なっていてもよく、カルボキシル基を持っていても持っ
ていなくとも良い。カルボキシル基を持たないエチレン
性不飽和単量体としては、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル[以後単に(メタ)アクリル酸エステル
のように表すことがある。]、スチレン、ビニルトルエ
ン等の芳香族単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、パーサチック酸ビニル等のビニルエステル類、(メ
タ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル類、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、ブタジエ
ン等があり、さらに種々の官能性単量体例えば(メタ)
アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ピニル
ピロリドン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジル、N−メチロールア
クリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、メ
タクリル酸アシッドホスホオキシエチル、メタクリル酸
3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、ジビ
ニルベンゼン、メチルビニルケトン、(ポリ)オキシエ
チレンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレン
グリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸
アリル、(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
などが含まれる。
【0019】アクリル酸エステル又はメタクリル酸エス
テルとしては例えば、(メタ) アクリル酸メチル、(メ
タ) アクリル酸エチル、(メタ) アクリル酸ブチル、
(メタ) アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ) アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ) アクリル酸ドデシル等
がある。カルボキシル基を持つエチレン性不飽和単量体
として具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸などが
ある。これらカルボキシル基を持つエチレン性不飽和単
量体は、加水分解性シランの加水分解反応及び縮合反応
を促進させるための触媒としても有用である。
【0020】本発明においてその他のエチレン性不飽和
単量体(B)は、カルボキシル基を持つエチレン性不飽
和単量体が0.5〜50重量%およびカルボキシル基を
持たないエチレン性不飽和単量体が50〜99.5重量
%からなることが好ましく、カルボキシル基を持つエチ
レン性不飽和単量体が1.0〜20重量%およびカルボ
キシル基を持たないエチレン性不飽和単量体が80〜9
9重量%からなることがさらに好ましい。この重量比以
外では、ラテックスを安定に得られなかったり、ラテッ
クスより得られる皮膜の耐水性が劣る。また(A)、
(B)からなる単量体混合物を水性媒体中において乳化
重合せしめて調製されるシードラテックス中のカルボキ
シル基は、加水分解性シランの加水分解反応および縮合
反応を促進させるための触媒として有用である。
【0021】本発明において、加水分解性シラン(E)
の少なくとも一種が下記の一般式(1)、 R1 −Si−(R2 3 (1) (式中、R1 は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素
基、アリール基、シクロアルキル基、ビニル基、アクリ
ル酸アルキル基またはメタクリル酸アルキル基:R2
1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ
基、水酸基でありすべてが同一でも一部または全部が異
なっていてもよい。)で表される化合物であり、R1
してはメチル基、フェニル基、ビニル基、γ−(メタ)
アクリロキシプロピル基が好ましく、R2 としてはメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メト
キシエトキシ基、水酸基が好ましい。具体例としてメチ
ルトリメトシキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシ
シラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルエトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが好まし
く用いられ、またこれらシランの一種または二種以上を
併用しても差し支えない。
【0022】また、併用可能なものは、下記の一般式
(2)として、 (R3 n −Si−(R4 4-n (2) (式中R3 は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素
基、アリール基、シクロアルキル基、ビニル基、アクリ
ル酸アルキル基又はメタクリル酸アルキル基:R4は1
〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ
基、水酸基:nは0または2、3の正の整数)で表され
るオルガノアルコキシシラン類でR3 はすべて同一でも
一部または全部が異なっていてもよい。さらにR4 はす
べて同一でも一部または全部が異なっていてもよい。中
でもR3 としてはメチル基、フェニル基がとくに好まし
い。R4 としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基がとくに
好ましい。アルコキシシラン類の具体例としてジメチル
ジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキ
シシラン、トリメチルメトキシシラン、テトラエトキシ
シランなどが上げられる。また、環状シラン、線状シロ
キサン、クロロシラン類が併用可能なものとして上げら
れ、環状シランとしてはオクタメチルシクロテトラシロ
キサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチ
ルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキ
サンなどが用いることができる。
【0023】
【0024】
【0025】さらにクロロシラン類として例えばメチル
クロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロ
ロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロ
ロシラン、ジフェニルクロロシラン、ビニルクロルシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジクロロメチル
シランなどがある。
【0026】本発明において加水分解性シラン(E)
が、下記の一般式(1)、 R1 −Si−(R2 3 (1) と、下記の一般式(5)、 (R3 2 −Si−(R4 2 (5) で表されるものを併用することが好ましい。その使用モ
ル比率としては、(1)/(5)が少なくとも1/10
0であり、少なくとも10/100であることが好まし
く、少なくとも35/100であることがさらに好まし
い。
【0027】本発明において上記の一般式(5)で表さ
れる加水分解性シランの代わりに環状シランおよび/ま
たは線状シロキサンを用いたり、あるいは併用すること
もできる。本発明の実施には、通常の乳化重合法が採用
できるが、第一段階のシードラテックスおよび第二段階
の乳化重合中の水素イオン濃度(pH)は、通常pH
4.0以下で実施され、好ましくはpH3.0以下であ
る。すなわち本発明の特徴はシードラテックスの存在す
る乳化重合系において、加水分解性シランの縮合反応と
不飽和単量体のラジカル重合を同時におよび/または加
水分解性シランの縮合反応を先行させた後に不飽和単量
体のラジカル重合を進行させる乳化重合方法が用いら
れ、具体的にはその乳化重合方法として、以下に述べる
方法に限定されるわけではないが、例えば第一段階のシ
ードラテックスの乳化重合工程が終了した後、 加水分解性シラン(E)を添加し、シランの重合
が終了してから化合物(C)および化合物(D)を反応
系へ導入する方法、あるいは逐次導入する方法。
【0028】 加水分解性シラン(E)を添加し、
シランの重合が進行中に化合物(C)および化合物
(D)を反応系へ導入する方法、あるいは逐次導入する
方法。 加水分解性シラン(E)と、化合物(C)および
化合物(D)を反応系へ同時に導入する方法、あるいは
逐次導入する方法。 などがあり、また各方法を組み合わせて実施することも
可能である。なお、上記要件を満足する範囲内におい
て、第二段階を2つ以上の段階に分けて実施することも
できる。
【0029】本発明の実施には、ラジカル重合触媒とし
て、熱または還元性物質などによってラジカル分解して
エチレン性不飽和単量体の付加重合を起こさせるもの
で、水溶性または油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビ
ス化合物等が使用される。その例としては、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)
ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメ
チルパレロニトリル)等があるが、加水分解性シランの
加水分解反応および縮合反応を促進させるための触媒と
しても効果のある過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、
過硫酸アンモニウムが好ましい。その量としてはエチレ
ン性不飽和単量体に対して通常0.1〜1重量%配合さ
れる。なお、重合速度の促進、さらに低温での重合を望
むときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、
アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル
重合触媒と組み合わせて用いる。
【0030】さらに所望によってドデシルメルカプタン
等の分子量を調節するための連鎖移動剤を添加すること
も可能である。本発明では、スルホン酸基または硫酸エ
ステル基を持つエチレン性不飽和単量体(A)、(C)
以外に通常の界面活性剤を併用することができる。例え
ば、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスル
ホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩等のアニオン
性界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコポリマ
ー等のノニオン性界面活性剤、さらに反応性ノニオン型
界面活性剤といわれるエチレン性不飽和単量体と共重合
なノニオン型界面活性剤等が用いられる。
【0031】本発明では乳化重合終了後、成膜時の硬化
触媒として、例えばジブチル錫ジラウレート、ジオクチ
ルすずジラウレート、ジブチルすずジアセテート、オク
チル酸すず、ラウリン酸すず、オクチル酸鉄、オクチル
酸鉛、テトラブチルチタネート等の有機酸の金属塩、n
−ヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ [5,4,
0] −7−ウンデセン等のアミン化合物を重合体ラテッ
クスへ添加することができる。
【0032】なおこれらの硬化用触媒が水溶性でない場
合にはその使用に際して、界面活性剤と水を用いてエマ
ルジョン化しておくことが望ましい。本発明によって製
造される重合体ラテックスには、ラテックスの長期の分
散安定を保つため、アンモニア、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、ジメチルアミノエタノール等のアミン類
を用いてpH5〜10の範囲に調整することが好まし
い。
【0033】本発明によって製造される重合体ラテック
スには通常水系塗料等に添加配合される成分、例えば増
粘剤、消泡剤、顔料、分散剤、染料、防腐剤等を所望に
より配合することは任意である。上記本発明の要件がみ
たされない場合には、乳化重合中において多量の凝集物
を発生したり、高濃度のラテックスを安定に製造するこ
とができなかったり、顔料混和中にラテックスが凝集物
を発生したりする。顔料を混和したその皮膜は光沢の発
現が不良であったり、耐水性に劣り、さらにその光沢保
持率も劣る。
【0034】
【実施例】次に、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例のみに
限定されるものでないことは言うまでもない。なお例中
の部および%は重量表示である。なお、得られたシリコ
ーンを含む重合体ラテックスは、下記に示す配合の塗料
を調整し、以下に示す試験方法に従って試験を実施し
た。
【0035】 (塗料配合) 顔料ディスパージョン 水 82.5部 ポイズ530 注1 7.5部 トリポリリン酸ナトリウム の5%水溶液 7.5部 ダイセルHEC SP−600 の3%水溶液 注2 25.0部 ノプコ1497VD 注3 2.5部 タイペークR−930 注4 375.0部 レットダウン 重合体ラテックス組成物(固形分換算)460.0部 エチレングリコール モノブチルエーテル 60.0部 エチレングリコール モノ2−エチルヘキシルエーテル 10.0部 水 30.0部 ノプコ1497VD 1.0部 (注) 注1 分散剤:花王(株)製 注2 増粘剤:ダイセル化学工業(株)製 注3 消泡剤:サンノプコ(株)製 注4 ルチル型酸化チタン:石原産業(株)製 (試験方法) 初期光沢値、光沢保持率 上記塗料をワイヤーコーターNo.50を用いて、硫酸
アルマイト板に塗布し、室温30日間乾燥させる。その
ときの60度─60度鏡面反射率を初期光沢値として測
定した(これをゼロ時間とする。)。引き続きサンシャ
イン型ウエザオメーター(スガ試験機(株)製、WEL
−SUN−DC)を使用して曝露試験(降雨サイクル;
12分/時間、ブラックパネル温度60〜66℃)を行
なった。曝露2000時間後の60度─60度鏡面反射
率を最終的な光沢値として測定し、初期光沢値で割るこ
とで光沢保持率を算出した。
【0036】耐水性 上記塗料をワイヤーコーターNo.50を用いて、硫酸
アルマイト板に塗布し、室温で2時間乾燥した。さらに
50℃で2日間乾燥させた後、40℃の水に30日間浸
漬しその状態を目視にて判定した。判定基準 ◎;ふくれ、つやびけがまったく見られない。
【0037】 ○;ふくれがややあるが、つやびけは見られない。 △;ふくれがあり、つやびけも見られる。 ×;全面がふくれ、つやびけが著しい。
【0038】
【実施例1】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および温
度計を取りつけた反応容器に、メタクリル酸8部、メタ
クリル酸メチル52部、アクリル酸ブチル40部、水3
00部、ラテムル(商標)S−180A(エチレン性不
飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つスル
ホコハク酸ジエステルアンモニウム塩:花王(株)製)
の20%水溶液20部を投入し、反応容器中の温度を7
8℃に上げてから、過硫酸アンモニウム0.5部を添加
して1時間保つ。これによって第一段階のシードラテッ
クスが調製され、水素イオン濃度を測定したところpH
1.8であった。次に、メタクリル酸3部、メタクリル
酸メチル207部、アクリル酸ブチル190部、水33
0部、ラテムルS−180Aの20%水溶液20部、過
硫酸アンモニウム1.0部の混合液と、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン2.5部、ジメチルジ
メトキシシラン25部、メチルトリメトキシシラン25
部からなる混合液とを反応容器中へ別々の滴下槽より3
時間かけて流入させる。流入中は反応容器中の温度を8
0℃に保つ。流入が終了してから反応容器中の温度を8
5℃にして6時間保つ。室温まで冷却後、水素イオン濃
度を測定したところpH2.1であった。25%アンモ
ニア水溶液を添加してpH8に調整してから100メッ
シュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥重量は
全単量体に対して0.02%と非常にわずかであった。
得られたラテックスの固形分は44.0%、平均粒子径
980Åであった。このラテックスについて前記した塗
料配合をし、初期光沢値、光沢保持率および耐水性の試
験を行なった。その結果を表1に示した。
【0039】
【比較例1】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および温
度計を取りつけた反応容器に、メタクリル酸8部、メタ
クリル酸メチル52部、アクリル酸ブチル40部、水3
00部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの40%
水溶液(ペレックス(商標)OT−P、花王(株)製)
4部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの2
5%水溶液(エマルゲン(商標)950、花王(株)
製)1部を投入し、反応容器中の温度を78℃に上げて
から、過硫酸アンモニウム0.5部を添加して1時間保
つ。これによって第一段階のシードラテックスが調製さ
れ、水素イオン濃度を測定したところpH1.8であっ
た。次に、メタクリル酸3部、メタクリル酸メチル20
7部、アクリル酸ブチル190部、水330部、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルの25%水溶液
(エマルゲン950、花王(株)製)5部、過硫酸アン
モニウム1.0部の混合液と、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン2.5部、ジメチルジメトキシ
シラン25部、メチルトリメトキシシラン25部からな
る混合液とを反応容器中へ別々の滴下槽より3時間かけ
て流入させる。流入中は反応容器中の温度を80℃に保
つ。流入が終了してから反応容器中の温度を85℃にし
て6時間保つ。室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定
したところpH2.2であった。25%アンモニア水溶
液を添加してpH8に調整してから100メッシュの金
網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥重量は全単量体
に対して0.02%と非常にわずかであった。得られた
ラテックスの固形分は44.1%、平均粒子径890Å
であった。このラテックスについて前記した塗料配合を
し、初期光沢値、光沢保持率および耐水性の試験を行な
った。(成分(A)、(C)に代わる通常の界面活性剤
だけを使用した。)その結果を表1に示した。
【0040】
【比較例2】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および温
度計を取りつけた反応容器に、水300部、ラテムルS
−180Aの20%水溶液10部を投入し、反応容器中
の温度を80℃に上げてから、次にメタクリル酸11
部、メタクリル酸メチル259部、アクリル酸ブチル2
30部、水330部、ラテムルS−180Aの20%水
溶液30部、過硫酸アンモニウム1.5部の混合液と、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5
部、ジメチルジメトキシシラン25部、メチルトリメト
キシシラン25部からなる混合液とを反応容器中へ別々
の滴下槽より3時間かけて流入させる。流入中は反応容
器中の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容
器中の温度を85℃にして6時間保つ。室温まで冷却
後、水素イオン濃度を測定したところ2.3であった。
25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整して
から100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集
物の乾燥重量は全単量体に対して0.35%と僅かに多
かった。得られたラテックスの固形分は44.0%、粒
子径900Åであった。このラテックスについて前記し
た塗料配合をし、初期光沢値、光沢保持率および耐水性
の試験を行なった。(前段のシードラテックスの製造及
び該シードラテックスを含む後段の反応に分けなかっ
た。)その結果を表1に示した。
【0041】
【比較例3】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および温
度計を取りつけた反応容器に、メタクリル酸8部、メタ
クリル酸メチル52部、アクリル酸ブチル40部、水3
00部、ラテムルS−180Aの20%水溶液20部を
投入し、反応容器中の温度を78℃に上げてから、過硫
酸アンモニウム0.5部を添加して1時間保つ。これに
よって第一段階のシードラテックスが調整され、水素イ
オン濃度を測定したところpH1.8であった。次に、
メタクリル酸3部、メタクリル酸メチル207部、アク
リル酸ブチル190部、水330部、ラテムルS−18
0Aの20%水溶液20部、過硫酸アンモニウム1.0
部の混合液と、ジメチルジメトキシシラン50部とを反
応容器中へ別々の滴下槽より3時間かけて流入させる。
流入中は反応容器中の温度を80℃に保つ。流入が終了
してから反応容器中の温度を85℃にして6時間保つ。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH
2.2であった。25%アンモニア水溶液を添加してp
H8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。
ろ過された凝集物の乾燥重量は全単量体に対して0.0
2%と非常にわずかであった。得られたラテックスの固
形分は44.0%、平均粒子径980Åであった。この
ラテックスについて前記した塗料配合をし、初期光沢
値、光沢保持率及び耐水性の試験を行なった。(一般式
(1)の加水分解性シラン使用なし。)その結果を表1
に示した。
【0042】
【実施例2】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および温
度計を取りつけた反応容器に、メタクリル酸8部、メタ
クリル酸メチル52部、アクリル酸ブチル40部、水3
00部、ラテムルS−180Aの20%水溶液20部を
投入し、反応容器中の温度を78℃に上げてから、過硫
酸アンモニウム0.5部を添加して1時間保つ。これに
よって第一段階のシードラテックスが調製され、水素イ
オン濃度を測定したところpH1.9であった。次に、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5
部、ジメチルジメトキシシラン25部、メチルトリメト
キシシラン25部からなる混合液を5分間で投入した
後、続いてメタクリル酸メチル210部、アクリル酸ブ
チル190部、水330部、ラテムルS−180Aの2
0%水溶液20部、過硫酸アンモニウム1.0部の混合
液を反応容器中へ別々の滴下槽より3時間かけて流入さ
せる。流入中は反応容器中の温度を80℃に保つ。流入
が終了してから反応容器中の温度を85℃にして6時間
保つ。室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したとこ
ろpH2.1であった。25%アンモニア水溶液を添加
してpH8に調整してから100メッシュの金網でろ過
した。ろ過された凝集物の乾燥重量は全単量体に対して
0.02%と非常にわずかであった。得られたラテック
スの固形分は44.0%、平均粒子径980Åであっ
た。このラテックスについて前記した塗料配合をし、初
期光沢値、光沢保持率および耐水性の試験を行なった。
その結果を表1に示した。
【0043】
【実施例3】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および温
度計を取りつけた反応容器に、メタクリル酸15部、メ
タクリル酸メチル55部、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル30部、水300部、ラテムルS−180Aの20%
水溶液20部を投入し、反応容器中の温度を78℃に上
げてから、過硫酸アンモニウム0.5部を添加して1時
間保つ。これによって第一段階のシードラテックスが調
製され、水素イオン濃度を測定したところpH1.7で
あり、引き続いて反応容器中の温度を60℃に保ったま
まジメチルジメトキシシラン25部、メチルトリメトキ
シシラン25部からなる混合液を5分間で投入した後、
80℃で2時間保つ。次にメタクリル酸メチル230
部、アクリル酸2−エチルヘキシル170部、水330
部、p−スチレンスルホン酸ナトリウムの20%水溶液
18部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの20
%水溶液2部、過硫酸アンモニウム1.0部の混合液
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.5部とを反応容器中へ別々の滴下槽より3時間かけ
て流入させる。流入中は反応容器中の温度を80℃に保
つ。流入が終了してから反応容器中の温度を85℃にし
て6時間保つ。室温まで冷却後、pHを測定したところ
2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してp
H8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。
ろ過された凝集物の乾燥重量は全単量体に対して0.0
2%と非常にわずかであった。得られたラテックスの固
形分は44.0%、平均粒子径1090Åであった。こ
のラテックスについて前記した塗料配合をし、初期光沢
値、光沢保持率および耐水性の試験を行なった。その結
果を表1に示した。
【0044】
【実施例4〜9、比較例4〜8】 シードラテックスの調製 かくはん機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつ
けた反応容器に、イタコン酸5部、メタクリル酸10
部、メタクリル酸メチル30部、スチレン15部、アク
リル酸2−エチルヘキシル40部、水381.5部、ア
クアロン(商標)HS−10(エチレン性不飽和単量体
と共重合可能な二重結合を分子中に持つポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウ
ム:第一工業製薬(株)製)の25%水溶液18部、を
投入し、反応容器中の温度を78℃に上げてから、過硫
酸アンモニウム0.5部を添加して1時間保つ。これに
よって第一段階のシードラテックスが調製され、水素イ
オン濃度を測定したところpH1.6であった。
【0045】 ラテックス、a〜f、ア〜オの製造 次にこのシードラテックスを表2又は表3に示した重量
部数に対し、アクアロンHS−10の25%水溶液80
部、過硫酸アンモニウム5部、水655部と表2又は表
3に示すその他の不飽和単量体成分との混合液と、表2
又は表3に示す加水分解性シランとを反応溶液中へ別々
の滴下槽より3時間かけて流入させる。流入中は反応容
器中の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容
器中の温度を85℃にして6時間保つ。室温まで冷却後
pHを測定したところpH1.5〜2.5の範囲にあ
り、25%アンモニア水溶液を添加してpH8に調製し
てから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝
集物の乾燥重量は比較例7を除き、全単量体に対してす
べて0.5%以下であった。このラテックスについて前
記した塗料配合をし、初期光沢値、光沢保持率および耐
水性の試験を行なった。その結果を表2、表3に示し
た。
【0046】 試験結果 実施例4〜9のラテックスa〜fは、本発明の目的とす
るラテックスが得られている。比較例4、5は加水分解
性シランとして必須成分であるトリアルコキシシランま
たはトリシラノール基持つシランが含まれていないた
め、光沢保持率が劣る。
【0047】比較例6は加水分解性シランの使用量が本
発明の範囲未満であり、光沢保持率が劣る。比較例7は
加水分解性シランの使用量が本発明の範囲を超えた例で
あり、安定にラテックスを得ることができなかった。比
較例8はシードラテックスと第二段階の不飽和単量体よ
り得られる重合体との比率が本発明の規定範囲以外であ
り、光沢保持率および耐水性に劣る。
【0048】
【比較例9】実施例4〜9、比較例4〜8で使用したシ
ードラテックス10000部に対し、アクアロンHS−
10の25%水溶液0.8部、過硫酸アンモニウム0.
05部、水6.6部、アクリル酸2−エチルヘキシル
3.5部、メタクリル酸メチル6.3部、メタクリル酸
0.2部の混合液と、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン1部、ジメチルジエトキシシラン10
部、メチルトリエトキシシラン10部からなる混合液と
を反応容器中へ別々の滴下槽より3時間かけて流入させ
る。流入中は反応容器中の温度を80℃に保つ。流入が
終了してから反応容器中の温度を85℃にして6時間保
つ。室温まで冷却後pHを測定したところ、pH1.9
であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8に
調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過さ
れた凝集物の乾燥重量は全単量体に対してすべて0.5
%以下であった。このラテックスについて前記した塗料
配合をし、初期光沢値、光沢保持率および耐水性の試験
を行なったところ、初期光沢値は78%、光沢保持率は
25%、耐水性は×(不良)であった。
【0049】
【比較例10】実施例4〜9、比較例4〜8で使用した
シードラテックス1000部に対し、アクアロンHS−
10の25%水溶液2部、過硫酸アンモニウム5部、水
655部、アクリル酸n−ブチル390部、メタクリル
酸メチル590部、メタクリル酸20部からなる混合液
と、メチルトリエトキシシラン45部、ジメチルジメト
キシシラン100部からなる混合液とを反応容器中へ別
々の滴下槽より3時間かけて流入させ80℃に保ったと
ころ、重合体ラテツクスは凝集してしまった。
【0050】
【比較例11】実施例4〜9、比較例4〜8で使用した
シードラテックス1000部に対し、アクアロンHS−
10の25%水溶液520部、過硫酸アンモニウム5
部、水485部、アクリル酸n−ブチル390部、メタ
クリル酸メチル590部、メタクリル酸20部からなる
混合液と、メチルトリエトキシシラン45部、ジメチル
ジメトキシシラン100部からなる混合液とを反応容器
中へ別々の滴下槽より3時間かけて流入させ80℃に保
つ。流入が終了してから反応容器中の温度を85℃にし
て6時間保つ。室温まで冷却後pHを測定したところ、
pH2.1であった。25%アンモニア水溶液を添加し
てpH8に調整してから100メッシュの金網でろ過し
た。ろ過された凝集物の乾燥重量は全単量体に対して
0.1%であった。このラテックスについて前記した塗
料配合をし、耐水性の試験を行なったところ、×(不
良)であった。
【0051】
【比較例12】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および
温度計を取りつけた反応容器に、イタコン酸10部、メ
タクリル酸20部、メタクリル酸メチル60部、スチレ
ン30部、アクリル酸2−エチルヘキシル80部、水7
63部、アクアロンHS−10の25%水溶液0.2部
を用い、実施例4〜9と同様に行ない、第一段階のシー
ドラテックスを調製し、水素イオン濃度を測定したとこ
ろpH1.9であった。次にアクアロンHS−10の2
5%水溶液80部、過硫酸アンモニウム5部、水655
部、アクリル酸n−ブチル390部、メタクリル酸メチ
ル590部、メタクリル酸20部からなる混合液と、メ
チルトリエトキシシラン45部、ジメチルジメトキシシ
ラン100部からなる混合液とを反応容器中へ別々の滴
下槽より3時間かけて流入させ80℃に保ったところ、
重合体ラテツクスは凝集してしまった。
【0052】
【比較例13】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および
温度計を取りつけた反応容器にイタコン酸10部、メタ
クリル酸20部、メタクリル酸メチル60部、スチレン
30部、アクリル酸2−エチルヘキシル80部、水60
0部、アクアロンHS−10の25%水溶液300部を
投入し、反応容器中の温度を78℃に上げてから、過硫
酸アンモニウム1.0部を添加して1時間保つ。これに
よって第一段階のシードラテックスが調製され、水素イ
オン濃度を測定したところpH1.9であった。次にア
クアロンHS−10の25%水溶液80部、過硫酸アン
モニウム5部、水655部、アクリル酸n−ブチル39
0部、メタクリル酸メチル590部、メタクリル酸20
部からなる混合液と、メチルトリエトキシシラン45
部、ジメチルジメトキシシラン100部からなる混合液
とを反応容器中へ別々の滴下槽より3時間かけて流入さ
せ80℃に保つ。流入が終了してから反応容器中の温度
を85℃にして6時間保つ。室温まで冷却後pHを測定
したところ、pH2.3であった。25%アンモニア水
溶液を添加してpH8に調整してから100メッシュの
金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥重量は全単量
体に対して0.2%であった。このラテックスについて
前記した塗料配合をし、耐水性の試験を行なったとこ
ろ、×(不良)であった。
【0053】
【比較例14】かくはん機、還流冷却器、滴下槽および
温度計を取りつけた反応容器に、メタクリル酸メチル9
0部、スチレン30部、アクリル酸2−エチルヘキシル
80部、水763部、アクアロンHS−10の25%水
溶液36部を投入し、反応容器中の温度を78℃に上げ
てから、過硫酸アンモニウム1.0部を添加して1時間
保つ。これによって第一段階のシードラテックスが調製
され、水素イオン濃度を測定したところpH2.3であ
った。次にアクアロンHS−10の25%水溶液80
部、過硫酸アンモニウム5部、水655部、アクリル酸
n−ブチル390部、メタクリル酸メチル590部、メ
タクリル酸20部からなる混合液と、メチルトリエトキ
シシラン45部、ジメチルジメトキシシラン100部か
らなる混合液とを反応容器中へ別々の滴下槽より3時間
かけて流入させ80℃に保ったところ、重合体ラテツク
スは凝集してしまった。(カルボキシル基を持つエチレ
ン性不飽和単量体を用いなかつた。)
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、これまでの重合体ラテ
ックスより得られた皮膜またはその重合体ラテックスへ
顔料が配合された塗料より得られた皮膜のつやの低下は
速く、光沢保持性の水準は低いものであった。本発明に
よる重合体ラテックスはシードラテックスの存在下に、
加水分解性シランと不飽和単量体を乳化重合させてなる
ものであって、これまでの重合体ラテックスでは達成で
きなかった光沢保持性と耐水性の両者に優れる皮膜を得
ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基または硫酸エステル基を持
    つエチレン性不飽和単量体(A)およびその他のエチレ
    ン性不飽和単量体(B)とを水性媒体中において乳化重
    合させて調整されるシードラテックスの存在下に、スル
    ホン酸基または硫酸エステル基を持つエチレン性不飽和
    単量体(C)およびその他のエチレン性不飽和単量体
    (D)と、加水分解性シラン(E)とを乳化重合させて
    得られるシリコーンを含む重合体ラテックス組成物であ
    って、 該(A)と該(B)との比率が、(A)が0.05〜2
    0重量%、(B)が80〜99.95重量%であり、 該(C)と該(D)との比率が、(C)が0.05〜1
    0重量%、(D)が90〜99.95重量%であり、 該シードラテックス中の重合体と、該(C)と該(D)
    より形成される重合体との重量比率が、1/99〜99
    /1であり、 該シードラテックス中の重合体および該(C)と該
    (D)より形成される重合体と、該(E)より形成され
    るシリコーンとの比率が、50/50〜99/1であ
    り、 該(B)が、カルボキシル基を持つエチレン性不飽和単
    量体が0.5〜50重量%、カルボキシル基を持たない
    エチレン性不飽和単量体が50〜99.5重量%からな
    り、 該(E)の少なくとも一種に、下記の一般式(1) R1 −Si−(R2 3 (1) (式中、R1 は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素
    基、アリール基、シクロアルキル基、ビニル基、アクリ
    ル酸アルキル基またはメタクリル酸アルキル基:R2
    1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ
    基、水酸基でありすべてが同一でも一部または全部が異
    なっていてもよい。)で表される加水分解性シランを用
    いる重合体ラテックス組成物。
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