JP2660940B2 - 圧電振動ジャイロ - Google Patents

圧電振動ジャイロ

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JP2660940B2
JP2660940B2 JP3023844A JP2384491A JP2660940B2 JP 2660940 B2 JP2660940 B2 JP 2660940B2 JP 3023844 A JP3023844 A JP 3023844A JP 2384491 A JP2384491 A JP 2384491A JP 2660940 B2 JP2660940 B2 JP 2660940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶および自動車など
の移動体自体およびこれに搭載される機器の姿勢制御お
よび自動車のナビゲ−ションシステムなどに用いられる
圧電振動ジャイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動ジャイロは、振動している物体
に回転加速度が与えられると、その振動方向と直角な方
向にコリオリ力を生ずるという現象を利用したものであ
る。一般に、直交する二つの異なる方向の振動を励振可
能に構成した複合振動系において、一方の振動を励振し
た状態で振動子を回転させると、この振動の方向と直角
な方向にコリオリ力が働き、他方の振動が励振される。
この振動の大きさは、入力側の振動の大きさおよび回転
角速度に比例するため、入力電圧を一定にした状態で
は、この振動の大きさに比例した出力電圧の大きさから
回転角速度の大きさを求めることができる。
【0003】第13図は、従来の圧電振動ジャイロの一
例を示す概略図である。この圧電振動ジャイロは、音叉
振動子を構成する振動音片101,101´の先端に振
動音片101,101´の振動方向と直角な方向に振動
するように構成された振動音片102,102´が付加
されている。振動音片101,101´および102,
102´は、金属で構成され、各々には両面に電極が形
成され,かつ、厚さ方向に分極された圧電セラミックス
薄板103,104,105,106が接合されてい
る。入力側の圧電セラミックス薄板103,104に、
先端部の振動音片102,102´を含めた振動音片1
01,101´の共振周波数に等しい周波数の駆動電圧
を印加して振動音片101,101´を励振する。この
とき、振動音片102,102´はそれぞれ振動音片1
01,101´と一緒に振動するが、振動音片102,
102´自体は振動音片101,101´の振動方向と
直角な方向には振動しない。しかし、この状態で音叉振
動子を図に示すように振動音片101,101´,10
2,102´の中心を軸にして回転させると、コリオリ
力の作用により振動音片101,101´の振動方向と
直角な方向に力が作用し振動音片102,102´を振
動させる。その結果、出力側の圧電セラミックス薄板1
05,106には回転角速度に比例した電圧が発生す
る。
【0004】第14図は、従来の圧電振動ジャイロの他
の例を示す概略図である。この圧電振動ジャイロは、断
面が正方形である金属柱107の隣り合う面に、両面に
電極が形成されるとともに厚さ方向に分極された圧電セ
ラミックス薄板108,109が接合されている。金属
柱107は、互いに直角な二つの方向にほぼ同じ共振周
波数で屈曲振動が可能であり、かつ、圧電セラミックス
薄板108にこの共振周波数に等しい周波数の電圧を印
加すると、圧電セラミックス薄板108を接合した面が
凹凸となる方向に屈曲振動する。この状態では、金属柱
107の圧電セラミックス薄板109には電圧が発生し
ないが、金属柱107を長さ方向を軸として回転させる
と、コリオリ力の作用により金属柱107は圧電セラミ
ックス薄板109を接合した面が凹凸となる方向に屈曲
振動し、圧電セラミックス薄板109に回転角速度に比
例した電圧が発生する。また、第15図も、従来の圧電
振動ジャイロの他の例を示す概略図である。この圧電振
動ジャイロは、断面が正三角形である金属三角柱110
の三つの面のほぼ中央部に、それぞれ両面に電極がされ
ているとともに厚さ方向に分極された圧電セラミックス
薄板111,112,113が接合されている。金属三
角柱110は、それぞれの辺とこれに向かい合う頂点を
結ぶ方向に、ほぼ同じ共振周波数で屈曲振動が可能であ
り、第16図に示すように、一つの圧電セラミックス薄
板111にこの共振周波数にほぼ等しい周波数の電圧を
印加すると、圧電セラミックス薄板111を接合した面
が凹凸となる方向に屈曲振動する。
【0005】また、第17図に示すように、隣り合う2
つの圧電セラミックス薄板111、112に同一振幅、
同一位相の金属三角柱110の共振周波数に等しい周波
数の電圧を印加すると、金属三角柱110は、圧電セラ
ミックス薄板111を接合した面が凹凸となる方向の屈
曲振動と、圧電セラミックス薄板112を接合した面が
凹凸となる方向の屈曲振動とが合成されて、残りの圧電
セラミックス薄板113を接合した面が凹凸となる方向
(矢印方向)に屈曲振動する。一方、第18図に示すよ
うに、隣り合う2つの圧電セラミックス薄板111、1
12に同一振幅、逆位相の金属三角柱110の共振周波
数にほぼ等しい周波数の電圧を印加すると、金属三角柱
110は、圧電セラミックス薄板111を接合した面が
凹凸となる方向の屈曲振動と、圧電セラミックス薄板1
12を接合した面が凹凸となる方向の屈曲振動とが合成
されて、残りの圧電セラミックス薄板113を接合した
面と平行な方向(矢印方向)に屈曲振動する。
【0006】第17図の状態で金属三角柱110を長さ
方向の中心を軸にして回転させるとコリオリ力の作用に
より金属三角柱110には第19図に示すように、圧電
セラミックス薄板113を接合した面が凹凸となる方向
と直角な方向に屈曲振動する。第18図に示したよう
に、金属三角柱110の圧電セラミックス薄板113と
平行な方向の屈曲振動は圧電セラミックス薄板111、
112に同一振幅、逆位相の電圧を印加することによっ
て得られるため、逆の効果により金属三角柱110を圧
電セラミックス薄板113と平行な方向に屈曲振動させ
た場合には圧電セラミックス薄板111、112に同一
振幅、逆位相の電圧が発生し、駆動のために圧電セラミ
ックス薄板111、112に印加されている電圧の一方
がその分減少し、他方がその分増加する。従って、圧電
セラミックス薄板111、112の端子電圧の差の電圧
は金属三角柱110の回転角速度に比例した電圧とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】第13図乃至第19図
に示した従来の圧電振動ジャイロにおいては、いずれも
振動音片と圧電セラミックス薄板を接着剤で接合してお
り、接着位置のばらつきまたは接着剤の層の厚さのばら
つきなどにより、圧電振動ジャイロの特性が変化すると
いう問題があった。また、第13図に示した従来の圧電
振動ジャイロにおいては、振動音片101,101´と
102,102´を直角に接合する必要があるので、精
度良く組み立てるのが難しいという問題があった。さら
に、第13図および第14図示した従来の圧電振動ジャ
イロにおいては、励振側の振動方向が検出側の振動方向
とが精度良く直交していない場合には、圧電振動ジャイ
ロを回転させないときにも出力電圧が発生し、零バラン
スを調整するために経験および勘により振動音片の一部
を機械的に削って調整をする必要があった。本発明の課
題は、構造が簡単であり、接着剤が不要であり、かつ、
特性のばらつきが少ない圧電振動ジャイロを提供するこ
とにある。また、本発明の他の課題は、研削等の機械的
手段によらず、簡単な電気回路により無回転時の零バラ
ンス調整が可能である圧電振動ジャイロを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電セ
ラミックス円柱の外周面に円周を等分する2n(nは3
以上の整数とする)個の帯状電極を前記圧電セラミック
ス円柱の長さ方向と平行に形成し、これらの帯状電極の
うち1個の帯状電極の中心線と前記圧電セラミックス円
柱の中心軸とを含む面を対称面とする位置にあるm(m
は自然数とする)個の帯状電極間隙部に前記圧電セラミ
ックス円柱の屈曲振動モ−ドの共振周波数にほぼ等しい
周波数の励振用の交流電圧を印加して前記圧電セラミッ
クス円柱をほぼ前記対称面の方向に屈曲振動させ、か
つ、前記対称面を中心として対称の位置にある1または
複数個の帯状電極間隙部に発生する電圧を検出するよう
にしたことを特徴とする圧電振動ジャイロが得られる。
【0009】また、本発明によれば、前記圧電振動ジャ
イロにおいて、前記帯状電極を互いに1個おきに接続し
て2端子として分極したことを特徴とする圧電振動ジャ
イロが得られる。また、本発明によれば、前記圧電振動
ジャイロにおいて、前記帯状電極のうち互いに1個おき
の帯状電極を接続してアースしたことを特徴とする圧電
振動ジャイロが得られる。また、本発明によれば、前記
圧電振動ジャイロにおいて、前記対称面を中心として対
称な位置にある前記帯状電極間隙部のそれぞれに印加す
る交流電圧の振幅の大きさを調整可能としたことを特徴
とする圧電振動ジャイロが得られる。
【0010】また、本発明によれば、円柱体または中心
部に長手方向へ貫通孔が形成された円柱体からなる圧電
セラミックス円柱の外周面上の円周を等分する位置に長
さ方向と平行に6個または8個の帯状電極を形成し、こ
れらの帯状電極を互いに1個おきに接続して2端子とし
て分極処理を施し、分極処理後1個の帯状電極の中心線
と前記圧電セラミックス円柱の中心軸を含む面を対称面
とする位置にある1個ずつまたは2個ずつの帯状電極間
隙部それぞれに周波数が前記圧電セラミックス円柱の屈
曲振動モ−ドの共振周波数にほぼ等しい、同一周波数か
つ同一振幅の励振用の交流電圧を印加して前記圧電セラ
ミックス円柱をほぼ前記対称面の方向に屈曲振動させ、
かつ、前記対称面に対して対称の位置にある前記励振用
の帯状電極間隙部またはこれらとは別の1個ずつまたは
2個ずつの帯状電極間隙部のそれぞれに発生する電圧の
差を検出するように構成したことを特徴とする圧電振動
ジャイロが得られる。
【0011】また、本発明によれば、円柱体または中心
部に長手方向へ貫通孔が形成された円柱体からなる圧電
セラミック円柱の外周面上の円周を等分する位置に長さ
方向と平行に6個または8個の帯状電極を形成し、これ
らの帯状電極を互いに1個おきに接続して2端子として
分極処理を施し、分極処理後1個の帯状電極の中心線と
前記圧電セラミック円柱の中心軸を含む面を対称面とす
る位置にある1個ずつまたは2個ずつの帯状電極間隙部
にそれぞれ周波数が前記圧電セラミック円柱の屈曲振動
モードの共振周波数にほぼ等しい、同一周波数かつ異な
る振幅の励振用の交流電圧を印加して前記圧電セラミッ
ク円柱をほぼ前記対称面の方向に屈曲振動させ、かつ、
前記対称面に対して対称の位置にある前記励振用の帯状
電極間隙部とは別の1個ずつまたは2個ずつの帯状電極
間隙部のそれぞれに発生する電圧の差を検出するように
構成したことを特徴とする圧電振動ジャイロが得られ
る。
【0012】
【実施例】第1図は、本発明の圧電振動ジャイロの一実
施例の要部を示す斜視図である。第1図において符号1
0は本発明の圧電振動ジャイロに用いられる圧電セラミ
ックス円柱を示している。この圧電セラミックス円柱1
0の外周面には、2n(nは3以上の整数とする)個の
帯状電極2lが形成されている。これらの帯状電極2l
は、圧電セラミックス円柱の外周面の円周を2n等分す
る位置に圧電セラミックス円柱の長さ方向と平行に形成
されている。これらの帯状電極2lは、曲面スクリ−ン
印刷により直接形成するか、または、メッキ等で全面に
電極を形成した後に不要部分をフォトエッチングにより
除去するにより形成することができる。
【0013】以下説明を簡単にするためにnが3である
場合すなわち前記圧電セラミックス円柱10に6個の帯
状電極2lを形成した場合における圧電振動ジャイロの
実施例を説明する。第2図は、第1図に示した圧電セラ
ミックス円柱10の外周面に6個の帯状電極11,1
2,13,14,15,16を形成し、かつ、これらを
互いに1個おきに電気的に接続した場合に圧電セラミッ
クス円柱10の断面方向における分極の向きを示す説明
図であり、分極の向きは点線で示されている。
【0014】第3図は、本発明の圧電振動ジャイロの基
本動作原理を説明するための説明図である。第3図にお
いて、帯状電極11,12,13,14,15,16の
間に位置する圧電セラミックス円柱10の帯状電極間隙
部をそれぞれG1,G2,G3,G4,G5およびG6
とする。今、帯状電極間隙部G1に交流電圧を印加する
と、印加電界の向きが分極の向きと等しい場合には帯状
電極間隙部G1に伸び歪みが発生し、印加電界の向きが
分極の向きと逆である場合には帯状電極間隙部G1に縮
み歪みが発生する。従って、帯状電極間隙部G1に圧電
セラミックス円柱10の屈曲振動モ−ドの共振周波数に
ほぼ等しい周波数の励振用の交流電圧を印加すると、圧
電セラミックス円柱10は、ほぼ帯状電極間隙部G1の
中心線と圧電セラミックス円柱10の中心軸とを含む面
に沿う矢印方向に屈曲振動する。第3図において、別の
駆動源により圧電セラミックス円柱10が矢印方向に振
動している場合、圧電効果により帯状電極11と12の
間に電圧が発生する。
【0015】第4図は、帯状電極12を挟む帯状電極1
1および13を接続し、これらの帯状電極11および1
3と帯状電極12との間に交流電圧を印加した場合に圧
電セラミックス円柱10の断面方向に発生する歪みの状
態および振動方向を示す説明図である。第4図に示すよ
うに、帯状電極間隙部G1とG2のそれぞれの分極の向
きに対して印加する電界に極性を同じになるようにし
て、圧電セラミックス円柱10の屈曲振動モ−ドの共振
周波数にほぼ等しい周波数の励振用の交流電圧を印加す
ると圧電セラミックス円柱10には、第3図で説明した
ように、それぞれ実線の矢印で示すようにほぼ帯状電極
間隙部G1およびG2の中心線と圧電セラミックス円柱
10の中心軸とを含む面に沿う方向と同じ向きの駆動振
動力が発生し、これらが第5図に示すように合成されて
圧電セラミックス円柱10はほぼ帯状電極12の中心線
と圧電セラミックス円柱10の中心軸とを含む面に沿う
矢印方向に屈曲振動する。第4図において、別の駆動源
により圧電セラミックス円柱10が矢印方向に屈曲振動
している場合、圧電効果により帯状電極11と12の間
および帯状電極11と13の間に帯状電極12を基準と
して同相の電圧が発生する。
【0016】第6図は、第4図における帯状電極11と
13の接続を切断し、帯状電極11と12および11と
13との間に印加する交流電圧の極性を逆にした場合に
圧電セラミックス円柱10の断面方向に発生する歪みに
状態および振動方向を示す説明するための説明図であ
る。第6図に示すように、帯状電極間隙部G1とG2の
それぞれの分極の向きに対して印加する電界の極性が逆
向きであるため、圧電セラミックス円柱10には、第3
図で説明したように、それぞれ実線の矢印で示すように
ほぼ帯状電極間隙部G1およびG2の中心線と圧電セラ
ミックス円柱10の中心軸とを含む面に沿う方向の一方
が逆向きの振動駆動力が発生し、これらが第7図に示す
ように合成されて圧電セラミックス円柱10はほぼ帯状
電極12の中心線と圧電セラミックス円柱10の中心軸
とを含む面に沿う方向と直角な矢印方向に屈曲振動す
る。第6図において、別の駆動源により圧電セラミック
ス円柱10が矢印方向に屈曲振動している場合、圧電効
果により帯状電極11と12の間および帯状電極11と
13の間に帯状電極12を基準として逆相の電圧が発生
する。
【0017】第8図は、前述の6の帯状電極を有する圧
電セラミックス円柱10を用いて構成した本発明の圧電
振動ジャイロの動作原理を説明するための説明図であ
る。第8図に示す実施例においては、帯状電極11,1
3および15は、接続されているとともにア−スされて
おり、かつ、帯状電極12に励振用の交流電圧が印加さ
れている。この場合、印加電圧の周波数は圧電セラミッ
クス円柱10の屈曲振動モ−ドの共振周波数にほぼ一致
している。そして、この場合に、圧電セラミックス円柱
10の振動方向は、ほぼ帯状電極12の中心線と圧電セ
ラミックス円柱10の中心軸とを含む面に沿う方向とな
る。
【0018】第8図において、圧電セラミックス円柱1
0をこれの軸を中心として回転させると、振動方向と直
角な方向にコリオリ力が発生し、圧電セラミックス円柱
10は、ほぼ帯状電極12の中心線と圧電セラミックス
円柱10の中心軸とを含む面に沿う方向と直角な方向に
振動する。したがって、第6図および第8図で説明した
ように、帯状電極14と16には、ほぼ帯状電極12の
中心線と圧電セラミックス円柱10の中心軸とを含む面
に沿う方向の振動による同一振幅、同一位相の電圧と、
これと直角な方向の振動による同一振幅、逆位相の電圧
が合成された電圧が発生する。従って、帯状電極14と
16をそれぞれ差動増幅器20の入力端子に接続する
と、この差動増幅器20の出力は、コリオリ力により発
生した振動成分に伴う電圧となり、かつ、加えられた回
転角速度に比例した電圧となる。圧電セラミックス円柱
10の寸法精度が高く、材料特性の均質性にも優れ、か
つ、振動特性的に円柱の中心軸に関して対称な場合に
は、各屈曲振動の方向はほぼ以上に示したようになる
が、電極寸法のばらつきを含めて振動特性的な対称性が
くずれた場合には、屈曲振動の方向が狙った方向からず
れ、その結果、無回転時の出力電圧いわゆる「ヌル電
圧」が所定の値より大きくなる場合がある。
【0019】第9図は、本発明の圧電振動ジャイロの動
作原理のうちの振動方向の調整機能に関する説明図であ
る。第9図に示す実施例において、帯状電極12および
15がア−スされ、かつ、帯状電極11および13に励
振用の交流電圧が印加されている。この場合の印加電圧
の周波数は、圧電セラミックス円柱10の屈曲振動モ−
ドの共振周波数に一致させることが望ましい。そして、
この場合の振動方向は、第4図で説明したように、ほぼ
帯状電極間隙部G1およびG2の中心線と圧電セラミッ
クス円柱10の中心軸とを含む面に沿う方向の同じ向き
の振動駆動力の合成されたものとなるが、第9図におい
ては、帯状電極間隙部G1に印加される電圧の大きさと
帯状電極間隙部G2に印加される電圧の大きさを異なる
値とすることが可能である。従って、これらの印加電圧
の値を調整することにより、第10図に示すように、合
成された振動方向を、ほぼ帯状電極間隙部G1の中心線
と圧電セラミックス円柱10の中心軸とを含む面に沿う
方向に対して調整することができる。第9図に示す実施
例において、コリオリ力の検出は、第4図で説明したよ
うに、帯状電極15をア−スした場合において帯状電極
14と16に発生する電圧の差の電圧として検出するこ
とができる。従って、振動方向の調整は、具体的には、
無回転時において帯状電極15をア−ス電極とした時の
帯状電極14と16に発生する電圧の差を極小とするよ
うに行う。
【0020】第11図および第12図には、帯状電極1
2をア−スし、かつ、帯状電極11および13に調整可
能な異なる大きさの電圧を印加する電気回路が示されて
いる。第11図に示す電気回路は、可変抵抗21を用い
たものであり、かつ、第12図に示す電気回路は調整コ
アを有するトランス22を用いたものである。
【0021】なお、本発明は、前述の実施例に限定され
るものでなく、圧電セラミックス円柱の外周面に円周を
等分する2n(nは3以上の整数とする)の帯状電極を
圧電セラミックス円柱の長さ方向と平行に形成し、これ
らの帯状電極のうち1つの帯状電極の中心と前記圧電セ
ラミックス円柱を結ぶ直線を対称軸とする位置にあるm
(mは自然数とする)の帯状電極間隙部に前記圧電セラ
ミックス円柱の屈曲振動モ−ドの共振周波数にほぼ等し
い周波数の励振用の交流電圧を印加して前記圧電セラミ
ックス円柱を前記対称軸の方向に屈曲振動させ、かつ、
前記対称軸を中心として対称の位置にある1または複数
の帯状電極間隙部に発生する電圧を検出するようにした
ことを特徴とする。
【0022】また、前記圧電振動ジャイロにおいて、前
記圧電セラミック円柱は、中心部に長手方向へ貫通孔が
形成された円柱体であってもよい。また、前記圧電振動
ジャイロにおいて、前記帯状電極を互いに1個おきに接
続して2端子として分極してもよい。また、前記圧電振
動ジャイロにおいて、前記帯状電極のうち互いに1個お
きの帯状電極を接続してアースしてもよい。また、前記
圧電振動ジャイロにおいて、前記対称軸を中心として対
称な位置にある帯状電極間隙部のそれぞれに印加する交
流電圧の振幅の大きさを調整可能としてもよい。以上の
説明は、n=3である場合(分割数が6である場合)の
実施例について行ったが、分割数を8としても、同様の
効果を有する圧電振動ジャイロが得られる。さらに、分
割数を多くすることも可能であるが、分割数をあまり多
くすると、電極の形成精度を高くすることが難しくな
り、印加電界が圧電セラミック円柱の表面にしか作用し
なくなって検出精度が低下するなどのデメリットが生ず
るため、分割数の値としては6または8が望ましい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、圧電振動子が圧電セラ
ミックス円柱を用いているため、寸法精度の高い振動子
が得られ、材質特性的に均質な材料を用いることにより
直交する二つの振動モ−ドの特性を精度よく合わせるこ
とができ、構造が簡単である上に、接着剤が不要で、接
着位置や接着層のばらつきなどによる特性のばらつきの
無い圧電振動ジャイロが得られる。また、本発明のよれ
ば、研削等の機械的な手段によらず、可変抵抗器による
調整や調整コア付きのトランスによる調整など電気回路
により無回転時の零バランスの調整をすることができる
圧電振動ジャイロが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いられる圧電セラミック
ス円柱を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例に用いられる圧電セラミッ
クス円柱の断面方向の分極の向きを説明するための説明
図である。
【図3】本発明の動作を説明するための説明図である。
【図4】本発明の動作を説明するための説明図である。
【図5】本発明の動作を説明するための説明図である。
【図6】本発明の動作を説明するための説明図である。
【図7】本発明の動作を説明するための説明図である。
【図8】本発明の動作を説明するための説明図である。
【図9】本発明の動作を説明するための説明図である。
【図10】本発明の動作を説明するための説明図であ
る。
【図11】本発明の動作を説明するための説明図であ
る。
【図12】本発明の動作を説明するための説明図であ
る。
【図13】従来の圧電振動ジャイロの一例を示す概略図
である。
【図14】従来の圧電振動ジャイロの他の例を示す概略
図である。
【図15】従来の圧電振動ジャイロの他の例を示す概略
図である。
【図16】従来の圧電振動ジャイロの動作を説明するた
めの説明図である。
【図17】従来の圧電振動ジャイロの動作を説明するた
めの説明図である。
【図18】従来の圧電振動ジャイロの動作を説明するた
めの説明図である。
【図19】従来の圧電振動ジャイロの動作を説明するた
めの説明図である。
【符号の説明】
10 圧電セラミックス円柱 11〜16 帯状電極 20 差動増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増子 力 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (56)参考文献 特開 平4−134208(JP,A) 特開 平4−106407(JP,A) 特開 平3−181814(JP,A) 特開 平3−16188(JP,A) 特開 平3−150914(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックス円柱の外周面に円周を
    等分する2n(nは3以上の整数とする)個の帯状電極
    を前記圧電セラミックス円柱の長さ方向と平行に形成
    し、これらの帯状電極のうち1個の帯状電極の中心線と
    前記圧電セラミックス円柱の中心軸とを含む面を対称面
    とする位置にあるm(mは自然数とする)個の帯状電極
    間隙部に前記圧電セラミックス円柱の屈曲振動モ−ドの
    共振周波数にほぼ等しい周波数の励振用の交流電圧を印
    加して前記圧電セラミックス円柱をほぼ前記対称面に沿
    う方向に屈曲振動させ、かつ、前記対称面を中心として
    対称の位置にある1または複数個の帯状電極間隙部に発
    生する電圧を検出するようにしたことを特徴とする圧電
    振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の圧電振動ジャイロにお
    いて、前記帯状電極を互いに1個おきに接続して2端子
    として分極したことを特徴とする圧電振動ジャイロ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の圧電振動ジャイロにお
    いて、前記帯状電極のうち互いに1個おきの帯状電極を
    接続してアースしたことを特徴とする圧電振動ジャイ
    ロ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載の圧電振動
    ジャイロにおいて、前記対称面を中心として対称な位置
    にある前記帯状電極間隙部のそれぞれに印加する交流電
    圧の振幅の大きさを調整可能としたことを特徴とする圧
    電振動ジャイロ。
  5. 【請求項5】 円柱体または中心部に長手方向へ貫通孔
    が形成された円柱体からなる圧電セラミックス円柱の外
    周面上の円周を等分する位置に長さ方向と平行に6個ま
    たは8個の帯状電極を形成し、これらの帯状電極を互い
    に1個おきに接続して2端子として分極処理を施し、分
    極処理後1個の帯状電極の中心線と前記圧電セラミック
    ス円柱の中心軸を含む面を対称面とする位置にある1個
    ずつまたは2個ずつの帯状電極間隙部それぞれに周波数
    が前記圧電セラミックス円柱の屈曲振動モ−ドの共振周
    波数にほぼ等しい、同一周波数かつ同一振幅の励振用の
    交流電圧を印加して前記圧電セラミックス円柱をほぼ前
    記対称面に沿う方向に屈曲振動させ、かつ、前記対称面
    に対して対称の位置にある前記励振用の帯状電極間隙部
    またはこれらとは別の1個ずつまたは2個ずつの帯状電
    極間隙部のそれぞれに発生する電圧の差を検出するよう
    に構成したことを特徴とする圧電振動ジャイロ。
  6. 【請求項6】 円柱体または中心部に長手方向へ貫通孔
    が形成された円柱体からなる圧電セラミックス円柱の外
    周面上の円周を等分する位置に長さ方向と平行に6個ま
    たは8個の帯状電極を形成し、これらの帯状電極を互い
    に1個おきに接続して2端子として分極処理を施し、分
    極処理後1個の帯状電極の中心線と前記圧電セラミック
    ス円柱の中心軸を含む面を対称面とする位置にある1個
    ずつまたは2個ずつの帯状電極間隙部それぞれ周波数が
    前記圧電セラミックス円柱の屈曲振動モ−ドの共振周波
    数にほぼ等しい、同一周波数かつ異なる振幅の励振用の
    交流電圧を印加して前記圧電セラミックス円柱をほぼ前
    記対称面に沿う方向に屈曲振動させ、かつ、前記対称面
    に対して対称の位置にある前記励振用の帯状電極間隙部
    とは別の1個ずつまたは2個ずつの帯状電極間隙部のそ
    れぞれに発生する電圧の差を検出するように構成したこ
    とを特徴とする圧電振動ジャイロ。
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