JP2657990B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、加熱溶融性のトナーを用いて転写材上に画
像を形成し、これを加熱定着処理する画像形成装置に関
する。
[従来の技術] 従来、この種の装置に用いられている定着装置は、所
定の温度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該
加熱ローラに圧接する加圧ローラとによって、未定着の
トナー画像が形成された転写材を挾持搬送しつつ加熱す
るローラ定着方式が多用されている。しかしながら、こ
の種の装置では、加熱ローラにトナーが転移するいわゆ
るオフセット現象を防止するために、加熱ローラを最適
な温度に維持する必要があり、加熱ローラあるいは加熱
体の熱容量を大きくしなければならなかった。すなわ
ち、加熱ローラの熱容量が小さい場合には、発熱体によ
る供給熱量との関係による通紙あるいは他の外的要因で
加熱ローラ温度が低温側あるいは高温側に大きく変動し
易くなる。低温側に変動した場合には、トナーの軟化溶
融不足によって、定着不良や低温オフセットを生じ、高
温側に変動した場合には、トナーが完全に溶融してしま
いトナーの凝集力が低下するために、高温オフセットを
生ずる。
かかる問題を回避するために、加熱ローラの熱容量を
大きくすると、加熱ローラを所定の温度まで昇温するた
めの時間が長くなり、装置の使用の際に待機時間が大き
くなるという別の問題が生ずる。
かかる問題を解決する方策として、米国特許第3,578,
797号に開示されているように、 トナー像を加熱体でその融点へ加熱して溶融し、 溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性とし、 トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウェブか
ら剥す、 という過程を経ることによって、オフセットを生ぜずに
定着する方法が知られている。
上記公知の方法では、これに加えて加熱体に対して、
トナー像及び転写材を加圧圧接することなしに加熱する
方式をとっているので、転写材を加熱する必要がなく他
の方法に比べてはるかに少ないエネルギーでトナーを溶
融できるとしている。しかしながら、周知のごとく加圧
圧接させることなく加圧体に接触した場合は、熱伝達効
率が低下し、トナーの加熱溶融に比較的長時間を要す
る。そこで特願昭47−25896号では、これに公知の加圧
圧接技術を付加して熱伝達効率の向上を図りトナーの加
熱溶融を短時間でしかも十分に行うことが提案されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、この特願昭47−25896号では、トナー
の加熱を比較的短時間でしかも十分行えるようにするた
めに、 一対の加熱体の間にトナー像及び転写材を加圧挾持さ
せて加熱し、 加熱を停止して後強制的に冷却する、 方式をとっているので、定着に要するエネルギーが大
きくなるという不都合を生ずる。すなわち、一対の加熱
体により加熱させることによりトナー像は上下から加熱
されるので一見効率的に考えられるが、逆にトナー像を
転写紙側から加熱するには、先づ転写材を十分に加熱す
ることが必要であり、そのためにかえって大きなエネル
ギーが必要となる。さらに、冷却工程においてはトナー
像を加熱する際に加熱昇温した転写材をも冷却しなけれ
ば分離できず、強制的に冷却手段が必要となっておりエ
ネルギーの無駄が大きい。
以上のように、一旦加熱したトナーを冷却した後に分
離することにより、高温オフセットを生ずることなく定
着する方式が提案されているが、上記のごとくの欠点を
伴うために実用化されていない。
上記2つの提案例では加熱体は加熱ローラ及びこれに
より送られるウェブと加熱ローラに内蔵された発熱源と
によって構成されていて加熱はウェブを介して行われ、
ウェブの搬送ローラとしての機能を有している。このた
め、発熱源への給電方法や温度検知素子の当接支持の形
態が複雑化し、また、温度制御の精度も悪くなりがちで
あった。さらには、温度検知素子が加熱ローラと摺動す
る構成では断線による過昇温が生ずる等安全上の問題も
あった。しかも、上述2例の場合ともに比較的大きな熱
容量の加熱体を必要とするために、機内への放熱が増大
し、機内昇温が著しくなるという不都合もあった。
本発明は、上述の従来装置の有していた問題点を解決
し、定着不良やオフセットを生ずることなく加熱体の熱
容量を小さくすることを可能とし、その結果、待機時間
や消費電力、さらには機内昇温の小さい画像形成装置を
提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的の達成のために、 加熱溶融性の樹脂等により成るトナーを転写材上に担
持せしめて、未定着のトナー画像を形成する画像形成手
段と、加熱体に対向圧接しつつ回転駆動されて、上記転
写材の搬送速度と同一速度で移動する定着フィルムを介
して上記転写材を加熱体に密着させる加圧ローラを備え
て、転写材上の未定着トナー画像を上記加熱体で溶融せ
しめた後、トナー画像が冷却固化した上で定着フィルム
と転写材とを離反する加熱定着手段を有し、 加熱体は、転写材の搬送方向に直角成分をもって配さ
れてパルス状に通電発熱を繰返す線状の発熱体を有する
と共に、加熱部近傍に温度検知手段が設けられ、 上記加熱体の温度を制御する制御手段とを有し、 上記制御手段は、温度検知手段により検知された温度
の極大値が所定範囲となるように、1パルス当りのエネ
ルギー量を制御するように設定されている、 ことにより構成される。
[実施例] 以下、添付図面にもとづて本発明の実施例を説明す
る。
先ず、本実施例装置の画像形成装置の概略構造を第1
図に基づいて説明すると、1はガラス等の透明部材より
なる原稿載置台で、矢印a方向に往復動して原稿を走査
する。原稿載置台の直下には短焦点小径結像素子アレイ
2が配されていて、原稿載置台1上に置かれた原稿像G
は照明ランプ7によって照射され、その反射光像は上記
アレイ2によって感光ドラム3上にスリット露光され
る。なおこの感光ドラム3は矢印b方向に回転する。ま
た4は帯電器であり、例えば酸化亜鉛感光層あるいは有
機半導体感光層3a等を被覆された感光ドラム3上に一様
に帯電を行なう。この帯電器4により一様に帯電された
ドラム3は、素子アレイ2によって画像露光が行なわれ
た静電画像が形成される。この静電潜像は、現像器5に
より加熱で軟化溶融する樹脂等より成るトナーを用いて
顕像化される。一方、カセットS内に収納されているシ
ートPは、給送ローラ6と感光ドラム3上の画像と同期
するようタイミングをとって上下方向で圧接して回転さ
れる対の搬送ローラ9によって、ドラム3上に送り込ま
れる。そして、転写放電器8によって、感光ドラム3上
に形成されているトナー像は、シートP上に転写され
る。その後、公知の分離手段によってドラム3から分離
されたシートPは、搬送ガイド10によって定着装置20に
導かれ加熱定着処理された後にトレイ11上に排出され
る。なお、トナー像を転写後、ドラム3上の残留トナー
はクリーナ12によって除去される。
第2図は本実施例の上記定着装置20の拡大図である。
同図において、21は加熱体で、アルミナ等の耐熱性でか
つ電気絶縁性の基材またはそれを含む複合部材より成る
基材の下面に、例えばTa2N等より成り、加熱部には搬送
方向に直角成分をもって配された線状もしくは帯状の発
熱体28を有し、さらにその表面に摺動保護層として例え
ば、Ta2O5が形成されている。加熱体21の下面は平滑で
ありかつ前後端部は丸味を帯びていて加熱部(加熱面)
をなしており定着フィルム23との摺動を可能にしてい
る。該定着フィルム23は、PETを基材とし、耐熱処理を
施した例えば約6μm厚に形成され、矢印C方向へ送り
出し可能にフィルム送り出し軸24に巻回されている。上
記定着フィルム23は加熱体21の表面に当接し、曲率の大
きな分離ローラ26を介してフィルム巻取り軸27に巻き取
られる。
上記加熱体の発熱体28は熱容量が小さく、パルス状に
通電されて、その都度瞬時に300℃前後まで昇温する。
転写紙Pの先端、後端を転写紙検知レバー25及び転写紙
検知センサー29で検出することにより、発熱体28はタイ
ミングを取って必要時に通電を受ける。その際、画像形
成装置の給紙センサーなどによる転写紙の位置検知等を
用いて、発熱体への通電を制御しても良い。
一方、加圧ローラ22は、金属等より成る芯材上にシリ
コンゴム等より成る弾性層を有するものであり、駆動源
(図示せず)により駆動されて、搬送ガイド10によって
導かれた未定着トナー画像Tを有する転写材Pを、該転
写材Pと同一の速度で移動する定着フィルム23を介して
加熱体に密着させている。ここで、加圧ローラ22の搬送
速度は、画像形成時の搬送速度とほぼ同一であることが
好ましく、定着フィルム23の移動速度は、それに準ずる
値で設定される。
本実施例においては、上記発熱体28は、瞬時に昇温す
るので、予備加熱が不要であり、非定着時における加圧
ローラへの伝熱は少ない。また、定着時においても、定
着フィルム、トナー画像、転写材が発熱体28と加圧ロー
ラ22との間に介在し、かつ発熱時間が短いことによって
温度勾配を急激なものとすることができるため、加圧ロ
ーラ22は昇温しにくく、実用上必要とされる程度の連続
的な画像形成を行ってもその温度はトナーの融点以下に
維持される。
かかる構成の本実施例装置にあっては、転写紙P上の
加熱溶融性のトナーにより成るトナー画像は先ず、定着
フィルム23を介して、加熱体21によって加熱溶融され、
特にその表層部は融点を大きく上回り完全に軟化溶融す
る。その際加圧ローラ22によって発熱体、定着フィル
ム、トナー画像、転写材は良好に密着されており効率的
に熱伝達される。
しかる後、発熱体28の発熱が停止するとともに、転写
材が搬送されて、発熱***置から移動して離れるにつれ
て、トナー画像は放熱して再び冷却固化し、曲率の大き
な分離ローラ対26を通過した後に定着フィルム23は転写
紙Pから離反される。その際、本実施例では加圧ローラ
22の温度はトナーの融点よりも低く維持されているの
で、トナー画像の放熱を促進することが可能である。こ
のため、冷却に要する時間が短くて済み、装置を小型化
することができできる。
上述のように、トナーTは一旦完全に軟化溶融した
後、再び固化するので、トナーの凝集力は非常に大きく
なっていて、一団となって挙動することになる。また、
加熱されて軟化溶融された際に加圧ローラ22によって加
圧されるため、少なくともトナー像Tの一部は転写材表
層に浸透してそのまま冷却固化しているので、定着フィ
ルム23にオフセットすることなく転写材P上に定着され
る。
ここで、本発明で記述されるトナーの状態の表現に関
して注記する。
トナーの融点と便宜的に表現している温度は、トナー
が定着するために最低必要な温度を意味しており、その
定着下限温度で、溶融といえる程粘度が低下する場合
や、軟化といった程度の粘度の低下の場合がある。した
がって定着する際に溶融と便宜的に表現している場合で
も実際には軟化といった程度の粘度低下を示している場
合がある。同様にトナーが冷却固化したと便宜的に表現
している場合も、トナーによっては固化とはいえず高粘
度化といった方が適切である場合が考えられる。
第3図は本実施例装置の加熱体21の構造及びその接続
を示している。加熱体21は、基層54に低熱伝導耐熱性材
料層54を形成し、その次に低熱容量の温度検知手段とし
てのサーミスタ55が設けられ、さらに薄い絶縁層52を介
して電極50,50が設けられている。両電極50,50間には発
熱層として幅lの発熱体28が形成されている。そしてそ
れらの表面は保護層が施されている。
上記発熱体28の両側の電極50,50には、パルス給電を
行う電源61が接続せられ、該電源61にはサーミスタ55か
らの信号を受けて電極を制御するためのマイクロコンピ
ュータを含む制御回路60が接続されている。ここで、制
御回路60は、サーミスタ55で検知された極大値温度が所
定範囲内に入るように、電源の1パルス当りのエネルギ
ー量を、パルス幅を変えることにより制御するべき設定
されている。
上記サーミスタ55は、発熱体26との間の絶縁層52の介
在等の理由によりその応答性において立上り、立下りの
特性を伴うが、加熱部H(発熱部28での保護層の表面)
でもその状況は同じであり、サーミスタの出力の極小値
の包絡線は加熱部Hにおける温度の極小値の包絡線とほ
ぼ一致し、実際の温度をそのまま検知しているのと同じ
である。ここで、電極への供給電力を制御することなし
に一定のパルス給電をするだけだと、発熱量が放熱量を
著しく上まわることになり発熱体28及び加熱部Hが異常
に昇温し、発熱体及び定着フィルムが熱により破損する
虞れがある。そこで、絶縁層52を設けた場合に加熱部H
の異常昇温を防止するために、電極への供給電力制御が
有効となるのである。
以下、本実施例での電力制御の方法を示す。本実施例
のパルス加熱により定着方式では、前述のようにトナー
をmsecオーダーの短い時間のみ加熱するので、トナーの
加熱時間よりもむしろ加熱部Hの温度が定着性能に関し
支配的であり、加熱部Hの最大到達温度に応じてトナー
層が昇温する。すると、トナーが定着に十分な状態にま
で軟化するときの加熱部Hの温度をTHOとしたとき、加
熱部Hの極大温度が定着処理中においてほぼTHOに保た
れるように、電極50,50への給電を制御すれば、無駄な
電力を消費することなく十分な定着性能を得ることがで
きる。
加熱部Hの温度が基準温度TOであり、時間tOだけ一定
電圧Vが電極に給電されたときに、加熱部Hの温度が定
着温度THOまで到達するとするが(第4図参照)、発明
者らの実験によると、THO、TO、tOの間には、 THO=TO+A(1−e-Bto) (1) という関係があることが明らかになった。ここでA,B
は、発熱体への給電条件や、加熱部Hからの放熱路によ
って決る係数であり、これらの条件が一定の範囲内にあ
れば、一定の値をとる。
すると、加熱部Hの温度がTBである時を考えると、こ
れをTHOまで昇温するに必要なパルス給電時間τとの
間には、 という関係がある。
(2)式を変形すると、 τ=(1/B)×ln[1/{1−(THO−TB)/A}](3) が得られる。
前述のようにA,Bは実験によりあらかじめ求めること
ができる。従ってTHOを所定の値に設定したとき、TB
測定し、(3)式により求めたパルス幅τだけパルス
通電すれば、加熱部Hの温度をちょうどTHOまで昇温さ
せることができる。
本実施例においては前述のように、電極に十分小さい
デューティ比で通電をした場合、パルス状に変化する加
熱部Hが極小温度を示す時、すなわち次のパルス通電開
始寸前において、加熱部Hの温度がほぼサーミスタ55の
検知温度と等しくなる。したがってこの時のサーミスタ
55の検知温度にもとづいて制御回路60により(3)式に
したがって次の通電時間を算出し、電源61により電極5
0,50に算出した時間だけ給電する。
第5図は本実施例において、定着動作中の加熱部Hの
温度の時間変化を示すグラフを、電極へのパルス給電の
タイミングに合せて示した図である。本実施例では電極
への給電電圧Vは一定であり、通電パルスの周期τも一
定である。同図において加熱部Hの温度がTOの時に時刻
tOで定着動作を開始したとすると加熱部Hの温度は、パ
ルス幅τの通電により初期温度TOから一義的に定まる
定着温度THOに達した後、τよりも十分長い非給電時
間(τ−τ)の間にTOより高温のT1まで低下する。時
刻tOからパルス周期τだけ経た時刻t1において2回目の
電極をτより短い、温度T1より一義的に定まるパルス
幅τだけ行うことにより、加熱部Hの温度は再びTHO
まで上昇し、給電停止と共に低下を開始する。以下同様
にして、通電開始後にパルス周期τごとにサーミスタ55
の温度にもとづいて、その際の検知温度によって、
(3)式により求まるパルス幅で、電極50,50へ給電す
ることにより、加熱部Hの極大温度を定着温度THOに保
つことができる。仮に上記のごとくせず通電パルス幅を
τに一定にすると、加熱部Hの極大温度を結ぶ包絡線
は、TBに沿って上昇してTHOを大幅に超えてしまい、無
駄な電力を消費することになるうえ、機内昇温が大きく
なるという問題を生ずる。また、連続して多くの定着処
理動作を行う場合、発熱体がさらに著しく昇温してつい
には破損したり、また、加熱部Hに圧接当接される定着
フィルムも熱変形してしまう虞れがある。
本発明の発熱体(加熱部)は本実施例ても明らかなよ
うに小型のもので十分でありそのため熱容量が小さくな
り、予め加熱部を昇温させる必要がないので、非画像形
成時の消費電力も小さくすることができ、また機内昇温
も防止できることとなる。
また、かかる本実施例では、定着フィルム23として薄
くて安価なPETフィルムを基に耐熱処理を施したものを
用いることが可能なので、第2図のごとく定着フィルム
23は巻取り方式で使用後に交換する形態を採ることがで
きる。すなわち、所定長さのフィルムを巻いたロールを
フィルム送り出し軸24にセットし、加熱体と加圧ローラ
及び分離ローラ対の間を通して巻取り軸27にフィルムの
先端を固着する。かかる方式を採った場合は、定着フィ
ルムセンサーアーム30とセンサー(図示せず)で定着フ
ィルムの残量を検出してフィルムが終端近くなった場合
に使用者に警告表示ないしは警告音で定着フィルムの交
換を促すようにするのがよい。そして、定着フィルム23
の交換の際には、発熱体と加圧ローラ、分離ローラ対と
をそれぞれ離間させるように、回転軸31を中心に第6図
のごとく開閉可能にすることが望まれる。本実施例で
は、定着フィルム23を上記のごとく巻取り交換方式で、
定着フィルムの耐久性に関係なく、薄膜化することが可
能となり、低電力化することができる。
また、本実施例では前述のごとく定着フィルムへのオ
フセットが生じないので、定着フィルムの熱変形や劣化
が小さければ、巻取った定着フィルムを再び使用するこ
とが可能であり、自動的に巻戻したりあるいは巻取り側
と送出側とを交換するなどして複数回使用しても良い。
また、本実施例では分離ローラ26を設けることによ
り、該分離ローラまでの間加圧状態でのトナー像Tの冷
却時間を確保し、しかも上記分離ローラ26の曲率を大き
くすることによって耐熱シート23と転写材Pとの分離を
容易にするとともに、前述の効果に相乗して分離部にお
けるオフセットを防止することができる。ただし、本実
施例では、加圧ローラ22によりトナー像の冷却が促進さ
れるので、発熱体28及び定着フィルムの熱容量が十分小
さく、かつ定着処理速度が小さい場合には、分離ローラ
26のごとき特別な手段を設けずとも、転写材Pが加熱部
Hを通過後の短い範囲でトナー像Tは冷却するので、本
実施例で示した分離ローラ26を省略しても、オフセット
のない定着処理が可能となる。すなわち、トナー像を一
旦加熱し軟化溶融させた後再び放熱固化した後に耐熱シ
ートと転写材とを分離できればよい。
次に、本実施例装置による実施結果を具体的数値をも
って示す。室温20℃で軟化定着するトナーを用いて、ト
ナー画像Tを形成し、パルス通電の周期10msec、定着部
(加熱部H)の極大温度が300℃となるように、サーミ
スタ5の検知温度を用いてパルス幅を制御しつつ、定着
処理速度約15mm/sで定着テストを行なったところ、実用
上全く問題のない画像が得られた。本実施例では加熱部
Hの熱容量が極めて小さいので、発熱体に前もって通電
し加熱部Hを温めるための待ち時間は不要である。また
本実施例では定着処理を進めてゆくにつれ、絶縁層53の
断熱効果により加熱部Hがある程度温まり、その結果パ
ルス状通電時間が段々短くなるため、平均消費電力が少
なくてすむうえ、機内昇温も実用上問題なかった。
第7図は本実施例の定着器を用いて表面にトナー層を
有する転写紙を搬送しつつ定着処理する場合の、トナー
及び転写紙、詳しくはそれぞれの断面方向の中央部の温
度の時間変化を求めた試験結果のグラフである、条件は
以下の通りである。
加熱条件:エネルギー密度25W/mm2で2ms加熱、トナー
の定着温度:125℃、フィルム:PET(厚さ6μm)、トナ
ーの長さ:20μm、転写紙の厚さ:100μm、室温:20℃ 本試験では、加熱部Hなトナーの定着温度125℃より
はるかに高い約300℃まで昇温するので、トナー定着温
度を超えて十分に加熱され良好な定着性が得られる。一
方、転写紙の昇温は極めて小さく、従来の熱ローラ定着
に比べてエネルギーの無駄が少ない。
さらに本試験では、加熱時間や加熱エネルギー密度が
変動して過剰なエネルギーが与えられた場合でも、高温
オフセットの発生がなく、加熱制御の許容範囲が広いこ
とが判る。
次に本発明の第二実施例を説明する。
第一実施例では、加熱部Hの極大温度一定に保ったた
めに、サーミスタにより温度検知して加熱部Hの極小温
度により、発熱体への給電パルス幅を制御したが、本実
施例では、発熱体へのパルス周期及びパルス幅を一定と
し、発熱体への給電電圧を制御することにより、加熱部
Hの極大温度を一定に保つようにしたものである。電圧
VO,時間τのパルス給電により、加熱部が温度TBからT
HOまで昇温した時、前述のよると、 という関係がある。ここで一般に電極電圧をVとする
と、発明者らの実験によれば、 A=kV2 (4) という関係を得た。また、B及びkは電圧に依らず発熱
体の構成により定まる定数である。すると、時間τ
パルス通電により、加熱部Hを温度TBからTHOまで昇温
させるために必要な給電電圧をVBとすると、 従って、k,Bをあらかじめ実験により求めておけば、
τO,THOを所定の値に設定したとき、TBを測定すれば
(5)式により求めた電圧VBを印加することにより、加
熱部HをちょうどTHOまで昇温させることができる。
かかる本実施例によれば、前実施例と異なり、発熱体
への給電のON/OFFのタイミングが一定であるので、マイ
クロコンピュータによる処理が容易である。
上述の第一及び第二実施例では、サーミスタ55を加熱
体21と一体的に形成したが、サーミスタを加熱体21の外
部で転写材の搬送に影響のない位置にて加熱部Hと近接
して配置してもよい。例えば、保護層の一部に逃げ部を
形成してそこにサーミスタを配することができる。要
は、加熱部Hの極小温度を検知できるような位置に配置
すればよい。
さらには、通電パルス幅の制御を周期τごとに行うの
でなく、周期τより長い任意の時間間隔で制御をかけて
もよい。その場合、加熱部Hの温度は正確にTHOに保つ
ことはできないが、前述のように、極大温度が若干変動
しても定着性能に不都合は生じない。要は、加熱部Hの
温度を、THOを含めて、実使用上で良好な定着性能が得
られる一定の温度範囲に保つようにすれば十分である。
この条件から前述の制御時間間隔の上限τmaxが定ま
り、制御間隔はτからτmaxの間で選べばよい。
[発明の効果] 以上のように本発明は、加熱体に発熱体が一体的に形
成された線状の加熱部を設け、パルス状に通電発熱を繰
り返し、かつ加熱部の極大温度が一定となることとした
ので、転写材の加熱を極力抑えるとともにトナー画像を
効率的に加熱溶融することが可能となり、省エネルギー
化を図れるという効果をもたらす。
また、定着不良やオフセットを発生することなく、加
熱体の熱容量を小さくすることが可能となり、その結
果、装置使用時の待機時間や、消費電力、機内昇温の小
さな画像形成装置を得ることができ、さらには、発熱体
及び定着フィルムの破損防止を図れるという効果をも奏
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例装置の画像形成装置の概要構
成を示す断面図、第2図は第1図の定着装置の拡大断面
図、第3図は第2図の加熱体の拡大断面図、第4図は電
極への1パルス給電時の加熱部での温度変化を示す図、
第5図はパルス幅を変えたときの加熱部の温度変化を示
す図、第6図は第2図装置の定着フィルム交換時におけ
る断面図、第7図は第2図装置にて一定条件下での加熱
工程における各部の温度変化を示す図である。 3……画像形成手段(感光ドラム) 20……加熱定着手段 21……加熱体 22……加圧ローラ 23,40……定着フィルム 55……温度検知手段(サーミスタ) 60……制御手段(制御回路) P……転写材 T……トナー像

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱溶融性の樹脂等により成るトナーを転
    写材上に担持せしめて、未定着のトナー画像を形成する
    画像形成手段と、加熱体に対向圧接しつつ回転駆動され
    て、上記転写材の搬送速度と同一速度で移動する定着フ
    ィルムを介して上記転写材を加熱体に密着させる加圧ロ
    ーラを備えて、転写材上の未定着トナー画像を上記加熱
    体で溶融せしめた後、トナー画像が冷却固化した上で定
    着フィルムと転写材とを離反する加熱定着手段を有し、 加熱体は、転写材の搬送方向に直角成分をもって配され
    てパルス状に通電発熱を繰返す線状の発熱体を有すると
    共に、加熱部近傍に温度検知手段が設けられ、 上記加熱体の温度を制御する制御手段とを有し、 上記制御手段は、温度検知手段により検知された温度の
    極大値が所定範囲となるように、1パルス当りのエネル
    ギー量を制御するように設定されている、 こととする画像形成装置。
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