JP2657182B2 - 半導体装置作成方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置作成方法および半導体装置

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JP2657182B2
JP2657182B2 JP6129851A JP12985194A JP2657182B2 JP 2657182 B2 JP2657182 B2 JP 2657182B2 JP 6129851 A JP6129851 A JP 6129851A JP 12985194 A JP12985194 A JP 12985194A JP 2657182 B2 JP2657182 B2 JP 2657182B2
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舜平 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナトリュ−ムを極低濃
度にした超高純度の半導体材料、およびかかる材料を用
いてPIN 接合を少なくとも1つ有する半導体装置作成方
法、および半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ナトリュ−ムは、半導体、たとえ
ば単結晶シリコン半導体中に、室温ないし300 ℃の雰囲
気で、拡散されないとされていた。また、ナトリューム
は、MOS 型集積回路に設ける絶縁物の酸化珪素に対して
のみ混入し、Si-SiO2 界面を有する素子の不安定性を誘
発するものとしてよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本出願人は、
シリコン半導体がかかる「単結晶」ではなく「水素また
はハロゲン元素を含む非単結晶半導体、特にアモルファ
ス半導体」において、ナトリュ−ムが150 ℃ないし400
℃の温度できわめて容易にこの非単結晶半導体中に拡散
し、かつNa+ のイオンになるに加えて、Na-O結合、Si-N
a 結合、Si-O-Na結合等の結合が構成されるということ
に問題点を見出した。その結果、本出願人は、これらナ
トリュ−ム、およびその周辺の結合、特にSi-O-Na 結合
と、このナトリュ−ム、またはその結合、特に近接する
珪素の不対結合手が相互作用をし合い、光の照射、熱ア
ニ−ルにより可逆的な変化、いわゆるステブラ・ロンス
キ効果を誘発しているという問題を見出した。
【0004】このステブラ・ロンスキ効果の発生は、以
下の可逆的な化学反応によるものと推定される。
【化1】 上記化学反応から判るように、熱アニール処理を施す
前、「・Si」は、不対結合手が余って、水素、酸素、
あるいはナトリュームと結合し得る状態になっている。
また、熱アニール処理が施された後、珪素とナトリュー
ムとは、その不対結合手によって相互作用をし合う状態
となる。そして、「・Si」は、光アニール処理を施す
ことによって、元の状態に戻る。すなわち、熱アニール
処理は、ナトリュームと珪素とを相互作用し合うことに
より、再結合中心中和用の水素が珪素と結合できなくな
る。そこで、本出願人は、珪素が水素と結合できるよう
に、ナトリュームを除去するための処理を施せばよいこ
とに気が付いた。そして、本出願人は、脱ナトリューム
化処理を予め気相反応装置内における石英ジグ、その他
の石英部品、およびガラス基板に対して行なえば良いこ
とに着目した。
【0005】さらに、本出願人は、酸素がNa-O、Na2Oの
結合に加えて、Si-O-Si の結合を珪素と共に作るため、
キャリア、特にホ−ルのライフタイムを減少させてしま
うことに気付いた。そこで、本出願人は、気相反応装置
をそのまま利用して、水素またはハロゲン元素を非単結
晶半導体に添加して水素またはハロゲン元素と珪素とが
結合するようにした。
【0006】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、気相反応装置をそのまま利用して、非単結
晶半導体中にナトリュームを入れないようにした半導体
装置作成方法および半導体装置を提供することを目的と
する。本発明は、光アニールおよび熱アニールによって
発生する可逆的な劣化を防止する半導体装置作成方法お
よび半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の半導体装置作成方法は、真性または実質的
に真性なシリコンを主成分とした非単結晶半導体を作成
するものであり、気相反応装置における被膜形成領域近
傍の石英部材に対し、1000℃ないし1250℃の温
度に加熱し、塩素を含む雰囲気に曝すことにより、脱ナ
トリューム化処理を施す工程と、脱ナトリューム化処理
を施した前記石英部材に設けられた前記気相反応装置に
ガラス基板を配設する工程と、前記気相反応装置を用い
て水素またはハロゲン元素が添加された非単結晶半導体
を形成する工程とを一つの気相反応装置によって処理
することを特徴とする。本発明の半導体装置は、水素ま
たはハロゲン元素が添加された真性または実質的に真性
なシリコンを主成分とした非単結晶半導体中にナトリュ
ームが二次イオン質量分析(SIMS)の最低濃度領域
で、1×1018cm−3以下であることを特徴とす
る。本発明の半導体装置における絶縁基板は、多くとも
0.004PPMのナトリュームが含有されていること
を特徴とする。
【0008】
【作 用】本発明は、真性または実質的に真性なシリ
コンを主成分とした非単結晶半導体を一つの気相反応装
置によって処理できる半導体装置作成方法で、気相反応
装置の被膜形成領域近傍における石英部材に対し、10
00℃ないし1250℃の温度に加熱し、かつ塩素を含
む雰囲気に曝すことにより、脱ナトリューム化処理を半
導体装置を作成するに先立って施した。さらに、同じ気
相反応装置において、本発明は、白板ガラスを用いず、
合成石英、または脱ナトリューム化処理を施した溶融石
英を用いた。さらに、本発明は、好ましくは合成石英を
用い、その中のナトリュームを十分に脱ナトリューム化
処理を施すことにより、ナトリュームが形成される半導
体中に混入しないようにした。
【0009】特に、この活性半導体層であるI層におい
て、そのナトリュ−ム濃度は、その最低濃度領域で、従
来の2ないし4×1020cm-3より5×1018cm-3以下、好ま
しくは1×1018ないし1×1014cm-3、さらに好ましくは
スピン密度以下にまで低める。さらに、半導体中に存在
する酸素の濃度を5×1018cm-3以下、好ましくは1×10
18ないし1×1016cm-3にまで下げることにより、水素ま
たはハロゲン元素が添加された半導体(以下単に半導体
という)、たとえば、シリコン半導体中の再結合中心の
密度を1×1018cm-3より1×1017cm-3以下、好ましくは
概略5×1016cm -3にまで下げるのに成功した。また、本
発明は、光照射により光伝導度が劣化するいわゆるステ
ブラ・ロンスキ効果の変化量をAM1(100mW/cm2) 2時間の
条件下において、1/2 以下に軽減または除去することを
特徴としている。ナトリュームのような不純物が除去さ
れたシリコン半導体は、珪素と再結合中心中和用に必要
な水素または弗素とを主成分とし、さらにフェルミレベ
ルをシフトさせるための3価または5価の不純物が(10
14ないし3×1017cm-3)添加されていることを特徴とし
ている。
【0010】かくして、本発明の方法により形成された
非単結晶半導体を用いた光電変換装置において、AM1 に
て変換効率を10%以上保証すると共に、AM1 (100mW/c
m2) を照射して10%の劣化のみとするために、そのI層
中の最低濃度領域に、ナトリュ−ムおよび酸素は、共に
5×1018cm-3以下とし、好ましくは1×1018cm-3以下で
あることがきわめて重要である。本発明の半導体装置作
成方法は、かかる半導体の高純度化によって達成され
る。本発明は、光照射により光起電力を発生する活性半
導体層である真性または実質的に真性(PまたはN型用
不純物を1×1014ないし5×1017cm-3の濃度に人為的に
混入させた、またはバックグラウンドレベルで混入し
た)半導体に対し、特にイオンドリフト性、または光劣
化特性を誘発するナトリュ−ムを5×1018cm-3以下好ま
しくは1×1018cm-3以下の極低濃度にしている。
【0011】
【実 施 例】図1は本発明の一実施例である半導体装
置作成用のプラズマ気相反応炉の概要を示す図である。
図1において、反応炉(1)(溶融石英製直径45mmφ)は、
当該反応炉(1) を外部から加熱する外部加熱炉(11)と、
反応炉(1) の外部に設けられた高周波発振器(2)(たとえ
ば13.56 MHz または100MHz) と、当該高周波発振器(2)
の電極である一対の電極(3) 、(3')とから構成されてい
る。そして、反応炉(1)の内部には、石英製基板ホルダ
(10') に石英基板(10)が保持されている。
【0012】本実施例における脱ナトリュ−ム化処理
は、以下のごとくに行った。すなわち、99.99 %(4ナ
イン)以上の酸素は、図1に示す導入口(15)より2リッ
トル/分で反応炉(1) 内に加えられ、反応炉(1) 内を大
気圧とした。さらに、99.99 %(4ナイン)以上の純度
の塩化水素は、50cc/ 分の流量で、導入口(16)より反応
炉(1) 内に混合された。この反応炉(1) は、外部加熱炉
(11)により1150℃に加熱された。この時被膜が形成され
るべき石英基板(10)、および石英基板(10)を保持する石
英基板ホルダ(10') は、同時に加熱された。この加熱処
理は、少なくとも24時間行なわれた。すると、この石英
ジグ等の内部に残存するナトリュ−ムは、導入口(16)か
ら導入された塩化水素と結合し、NaClとして石英ジグ等
の表面より脱気した。すなわち、石英ジグ等は、完全に
ナトリュ−ムフリ−の状態(ナトリュームによって影響
がない状態)を期待することができる。
【0013】この後、酸素、塩化水素を止めて冷却した
後、反応炉(1) は、その内部が真空引きされた。反応性
気体には、キャリアガスたとえば酸素、水の不純物を0.
1PPM以下、好ましくは1PPBにまで下げた水素を導入口
(7)から導入された。また、珪素膜を形成させようと
する場合、超高純度に精製した珪化物気体であるシラン
は、導入口(4)から導入された。また、P型用不純物
であるジボランは、導入口(6)からシランによって50
0 PPM ないし5000PPM に希釈させて導入された。また、
N型不純物であるフォスヒンは、シランによって5000PP
M に希釈されて導入口(6) から導入された。排気系は、
タ−ボ分子ポンプ(22)、およびコントロ−ルバルブ(2
5)、ストップバルブ(24)、真空ポンプ(23)を経て排気さ
れた。反応炉(1) 内の圧力は、コントロ−ルバルブ(25)
により0.001 torrないし10torr、代表的には0.05torrな
いし0.1torr に制御された。
【0014】図2は電気伝導度の測定用系の縦断面図
(A) および本発明の一実施例である光電変換装置(B) を
示す図である。図2(A) において、ガラス基板(10)上に
は、一対の電極 ( ここではクロムを使用)(12) 、(1
2') が形成され、この上面を覆って真性または実質的に
真性のアモルファス半導体(13)が形成される。さらに、
上記ガラス基板(10)は、光(14)が下側より照射される。
【0015】図3は本実施例で得られた半導体の電気特
性および従来の半導体の真性半導体の電気特性を示す図
である。図3において、基板温度250 ℃、反応炉(1) 内
の圧力を0.1 torrとした時、曲線(27)は、従来より公知
の基板(通常の板ガラス)光伝導度、曲線(27') は、同
じく暗伝導度を示す。また、図3に示す曲線(28)は、前
記と同様な条件における脱ナトリュ−ム化処理を施さな
い石英ガラスの光伝導度で、曲線(28') は、同じく暗伝
導度を示す。さらに、曲線(29)は、前記と同様な条件に
おける低ナトリュ−ム化石英の光伝導度で、曲線(29')
は、同じく暗伝導度を示す。なお、上記光伝導度および
暗伝導度は、ガラス基板(10)上に非単結晶シリコン半導
体層が0.6 μmの厚さに形成された場合のものである。
【0016】図1において、基板を通常のガラス板を用
いた場合、ガラス基板(10)内からの不純物、特にナトリ
ュ−ムが半導体層内に入る。そして、その時の雰囲気が
250℃の高温であるため、半導体の内部全体に十分拡散
し、イオン伝導と光劣化特性を顕著に示す原因を誘発し
た。通常の板ガラスに含有される各成分( 単位重量%)
を以下の表に示す。 ( 表1) SiO2 Al2O3 MgO CaO Na2O その他 A 71 2 4 7 15 1 B 72 2 4 7 14 1 但し、Aは日本板ガラスNSG1515 Bは旭ガラス製板ガラス 以上に示す如く、通常の板ガラス中には、多量のナトリ
ュ−ムが混入されていることがわかる。このため、図3
に示すような光伝導度曲線(27)、および暗伝導度曲線(2
7') か得られた。すなわち、初期状態の高周波出力にお
いて、光伝導度(27-1)、暗伝導度(27'-1) が示されてい
る。これらはともに大きく、このI型半導体層は、N型
化しており、ナトリュ−ムイオンがドナ−として働いて
いることが推定される。
【0017】さらに、ここにAM1(100mW/cm2)の光を室温
で2時間照射すると、光伝導度(27-2)は、暗伝導度(27'
-2) に変化する。この後、150 ℃2時間の大気中の照射
を行なうことにより、再び初期と同様の値(27-3)、(27'
-3) が示めされている。すなわち、光照射および加熱処
理によって、板ガラス基板は、可逆性を有する。この特
性がステブラ・ロンスキ効果として知られる。さらに、
かかる板ガラス基板を用いるのではなく、脱ナトリュ−
ム化処理を施していない石英基板を用いてその上に0.6
μmの厚さにアモルファスシリコン膜が形成された。す
ると、図3に示すように、その電気特性として光伝導度
(28)、暗伝導度(28') が得られた。
【0018】この石英ガラスは、板ガラス基板に比べ、
ナトリュ−ムの量が以下の表に示すように、1/1000以下
であることが知られている。この特性は、日本石英製透
明石英ガラスの成分 ( 単位PPM)を示す。 (表2) Al Ca Cu Fe Na K 溶融石英 30 1.0 0.8 1.5 2.0 1.0 合成石英 0.03 − − 0.03 0.004 0.005 これより明らかな如く、溶融石英中には、2PPMものナト
リュ−ムが混入している。しかし、これを合成石英とす
ると、その量をさらに1/500 にまで下げることができる
ことが判明した。
【0019】この溶融石英を用いた場合、初期値の光伝
導度(28-1)は、板ガラスによる光伝導度(27-1)に比べて
小さい。また、溶融石英の暗伝導度(28'-1) は、板ガラ
スによる暗伝導度(27'-1) と比べて少ない。しかし、光
感度幅(フォトセンシティビティ、すなわち光伝導度−
暗伝導度)は、5桁以上を有し、板ガラスの場合の4桁
しかない場合に比べて1桁以上大きくなっている。しか
し、溶融石英における光伝導度は、この状態でSIMS( 二
次イオン質量分析) 、SNMS( 二次中性子質量分析) で調
べたところ、イオン強度において、板ガラス基板を用い
た場合の曲線(27)に比べ、1/10以下の量を低減できてい
ることがわかる。
【0020】図4は従来例および本発明における半導体
の深さのナトリュ−ム分布特性を示す図である。図4に
おいて、曲線(37)は、図3曲線(27)、(27') に対応し、
また、曲線(38)は、図3曲線(28)、(28') にそれぞれ対
応して示した深さ分布特性である。この場合において
も、基板側( 図面右端に高濃度分布を有し、ナトリュ−
ムは、歪エネルギーの集中している表面および界面近
傍)に高濃度に存在し、全体としてU型( ユ−シェイ
プ)をしていることがわかる。かくして、半導体表面お
よびガラス基板表面に大きくパイルアップしていること
がわかる。また、図3において、合成石英または脱ナト
リュ−ム化処理を施した溶融石英を用い、さらに被膜形
成系においても石英ジグ等に関し脱ナトリュ−ム化処理
を施した。そして、かかるナトリュ−ムフリ−の条件下
でアモルファス半導体を形成し、ナトリュ−ムの効果を
調べた。もちろんこの場合、シランは、純化精製をし、
被膜形成前の排圧を10-10 torrの高真空とし、被膜形成
中の排気系からの逆流を防ぐため、広域タ−ボ分子ポン
プが用いられた。
【0021】かくして得られた合成石英基板上の半導体
膜の電気伝導度は、図3曲線(29)、(29') に示されてい
る。上記測定条件は、前述の曲線(27)、(27') と同様で
ある。しかし、図面から明らかな如く、光伝導度特性の
変化がきわめて少なく、また暗伝導度特性においても、
ほとんど変化のないものを得ることができた。かかるナ
トリュ−ムフリ−の被膜をSIMSでイオン強度を測定した
ところ、図4曲線(39)を得た。そして、その最低濃度領
域(41)において、イオン強度2×102 カウントを有して
いた。標準サンプルにより較正した結果、9×1017cm-3
であることが判明した。このことによりナトリュ−ムの
半導体中の濃度は、5×1018cm-3以下、好ましくは1×
1018cm-3以下であることが望ましい。そして、この濃度
がより少なければ少ないほどすぐれていることがわか
る。
【0022】図2(B) は、図1の製造装置を用いて形成
したもので、反応系に対し脱ナトリュ−ム化処理を施し
た合成石英ガラス基板(32)上にSnO2膜の透明導電膜(3
3)、さらにP型炭化珪素(SixC1-x 0<X<1)( たとえばX=
0.8)、またはP型珪素半導体(32)により100 Åの厚さに
形成された。さらに、この後、図1に示す如く、この反
応系をタ−ボ分子ポンプ(22)にて、十分(10-8torr以
下)真空引きをした後、精製したシランにより真性半導
体層(31)が0.6 μmの厚さに形成された。さらに、再び
真空引きをしてN型半導体層(35)は、シランにメタン
を混入してSixC x=0.9 とし、さらにフォスヒンを1%
の濃度に混入して200 Åの厚さに形成された。この後、
反射性電極たとえば公知の銀またはアルミニュ─ム(36)
が真空蒸着して設けられた。
【0023】I型半導体層の形成条件は、高周波出力は
5W、基板温度210 ℃とした。すると変換効率11.8%を得
ることができた。図5は従来の光電変換装置の定エネル
ギー分光特性を示す図である。図6は本実施例の光電変
換装置の定エネルギー分光特性を示す図である。図5、
図6は従来例および本実施例の半導体を用いた光電変換
装置の信頼性を考慮した時にきわめて重要な信頼性特性
の評価をしたものである。図5における従来例におい
て、図面は定エネルギー分光特性の測定の際、試料に加
えるフォトン数を1×1015/cm2 とした初期曲線(50)
を示す。縦軸は最大点を「1」に規格化量子効率(効
率)を示した。この装置にAM1(100mW /cm2 )の光を2
時間照射する。その後、光感特性曲線(51)のごとく変化
し、350nm ないし500nm の光に対しその特性がきわめて
劣化・低化してしまうことがわかった。これを150 ℃で
2時間熱アニール処理を加えると曲線(52)となり、特
性は350 nmないし500 nmの短波長光では、曲線(50)に
回復し、また600 nmないし800nm の長波長光は回復しな
い。このことよりかかる光照射−熱アニ−ルの処理にて
劣化しない、すなわち、ステブラ・ロンスキ効果のない
高信頼性の光電変換装置が求められていた。
【0024】図6は本発明の半導体をI型半導体とし、
その中のナトリュ−ム濃度1×1018cm-3の場合の光電変
換装置の特性を示す。初期状態の曲線(50)に対し光照射
(AM1) を2時間行なうと、かえって特性が向上ぎみの曲
線(51)が得られた。さらに、150 ℃、2時間の熱アニー
ルを行うと曲線(52)がわずかに変化したにすぎなかっ
た。このことにより、I型半導体層中の不純物としての
ナトリュームの濃度を減少させることが酸素の濃度を減
少させることに加えて、きわめて特性安定(劣化防止)
化に重要であることが判明した。加えて、その酸素濃度
は、5×1018cm-3またはそれ以下においてきわめて劣化
が少ないことが判明した。さらに、この光照射効果(ス
テブラ・ロンスキ効果)は、そのナトリュ−ム濃度をさ
らに少なくすることにより、より高信頼性を得ることが
でき得る。
【0025】以上のごとく、本発明は、ナトリュ−ムお
よび酸素濃度特に不純物としてのナトリュ−ムを少なく
していけばいくほど光電変換装置としての変換効率の低
下を防ぐことができる。そして、本発明は、信頼性も向
上すると共に、その実用的なナトリュ−ム、および酸素
の不純物が5×1018cm-3以下、好ましくは1×1018cm-3
以下であることを見いだしたものである。以上の説明に
おいて、脱ナトリュ−ム化処理としては同一反応炉を用
いて実施した。しかし、ステンレスまたはアルミニュ−
ムの反応炉であって、縦型反応炉、またはプラズマ反
応、または光励起反応を行なう領域はその近傍に石英が
用いられている場合、これらのジグまたは石英部品を6
インチの石英の拡散炉内に挿着し、1150℃ないし1175℃
とし、この中で塩素を1体積%ないし5体積%添加した
酸素雰囲気中で加熱し、脱ナトリュ−ム化処理を2時間
以上たとえば1週間行なうことにより、実行してもよ
い。
【0026】かくして脱ナトリュ−ム化処理を施した石
英ジグ部品をステンレスまたはアルミニュ−ム反応炉に
挿着し、被膜形成をすることは有効である。もちろん、
とくに半導体にとって最もナトリュ−ムの混入する状態
は、加熱されている基板それ自体である。そのため、ご
く近傍のホルダ等に限っても、それなりにステブラ・ロ
ンスキ効果を減少させるのに有効である。本発明におい
て形成される被膜は、アモルファスシリコン半導体を主
として示した。しかし、SixC1-x(0<X<1) 、SixGe1-x(0<
X<1) 、SixN4-x (0<X<4) 、SiO2-x(0<X<2) を用いても
よいことはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、一つの気相反応装置に
よって処理できる半導体装置作成方法で、被膜形成に先
立ち、被膜形成領域近傍の石英部材に対して、1000
℃ないし1250℃の温度に加熱し、かつ塩素を含む雰
囲気に曝すことにより、脱ナトリューム化処理を行な
、ナトリュームを極低濃度とすると共に、水素または
ハロゲン元素が添加された真性または実質的に真性なシ
リコンを主成分とした非単結晶半導体を作成することが
できる。本発明によれば、上記のような低ナトリューム
含有の上記非単結晶半導体を得ることによって、光照
射、あるいは熱アニールによって発生する可逆的な変化
(ステブラ・ロンスキ効果)を減少させることができ
る。本発明によれば、半導体装置に含まれるナトリュー
ムの含有量を1×10 18 cm −3 以下と極低濃度とす
ることによって、光による劣化特性を防止すると共に、
再結合中心の密度を下げることができる。本発明によれ
ば、脱ナトリューム化処理、被膜形成処理、再結合中心
を中和する処理を一つの気相反応装置を利用して順次行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である半導体装置作成用のプ
ラズマ気相反応炉の概要を示す図である。
【図2】電気伝導度の測定用系の縦断面図(A) および本
発明の一実施例である光電変換装置(B) を示す図であ
る。
【図3】本実施例で得られた半導体の電気特性および従
来の半導体の真性半導体の電気特性を示す図である。
【図4】従来例および本実施例における半導体の深さの
ナトリュ−ム分布特性を示す図である。
【図5】従来の光電変換装置の定エネルギー分光特性を
示す図である。
【図6】本実施例の光電変換装置の定エネルギー分光特
性を示す図である。
【符号の説明】
1・・・反応炉 2・・・高周波発振器 3、3’・・・電極 4、5、6、7、15、16・・・導入口 10・・・ガラス基板 10’・・・石英基板ホルダ 11・・・加熱炉 22・・・ターボ分子ポンプ 23・・・真空ポンプ 24・・・ストップバルブ 25・・・コントロールバルブ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真性または実質的に真性なシリコンを主
    成分とした非単結晶半導体を作成する半導体装置作成方
    法において、 気相反応装置における被膜形成領域近傍の石英部材に対
    し、1000℃ないし1250℃の温度に加熱し、塩素
    を含む雰囲気に曝すことにより、脱ナトリューム化処理
    を施す工程と、 脱ナトリューム化処理を施した前記石英部材に設けられ
    た前記気相反応装置にガラス基板を配設する工程と、 前記気相反応装置を用いて水素またはハロゲン元素が添
    加された非単結晶半導体を形成する工程と、 を一つの気相反応装置によって処理することを特徴と
    する半導体装置作成方法。
  2. 【請求項2】 水素またはハロゲン元素が添加された真
    性または実質的に真性なシリコンを主成分とした非単結
    晶半導体において、 前記非単結晶半導体中にナトリュームが二次イオン質量
    分析(SIMS)の最低濃度領域で、1×1018cm
    −3以下であることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の絶縁基板は、多くとも
    0.004PPMのナトリュームが含有されていること
    を特徴とする半導体装置。
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