JP2655790B2 - アジポイル―7―adacを製造するための新規なバイオプロセス - Google Patents

アジポイル―7―adacを製造するための新規なバイオプロセス

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JP2655790B2 JP4319194A JP31919492A JP2655790B2 JP 2655790 B2 JP2655790 B2 JP 2655790B2 JP 4319194 A JP4319194 A JP 4319194A JP 31919492 A JP31919492 A JP 31919492A JP 2655790 B2 JP2655790 B2 JP 2655790B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は市販用セファロスポリン
抗生物質を製造する合成方法の分野に関する。かなりの
数の市販セファロスポリンが現に存在しており、治療薬
としては既にその第四世代に入っている。市販セファロ
スポリン類に多様な側鎖が検出される、セファロスポリ
ンが多額の経済的負担を与える、などの理由から、種々
のセファロスポリン類の容易な合成に適した基幹中間体
を調整し得る経済的で有効な方法を開発することが益々
重要になっている。これらの基幹中間体の1例は7−ア
ミノーセファロスポラン酸(7−ACA)であり、これ
は式:
【化1】 によって示される。現在、7−ACAはセファロスポリ
ンCから製造されている。セファロスポリンC自体は、
現在市販されているほぼ全てのセファロスポリン類の出
発点となる発酵生成物である。しかしながら、これらの
種々の市販セファロスポリン類を製造するための合成的
操作は多くの場合、基本的には7−アミノセファロスポ
ラン酸を出発物質としており、この出発物質は、7−ア
ミノアジポイル側鎖を開裂することによってセファロス
ポリンCから誘導される必要がある。7−ACAから合
成的に誘導され、従って3−アセチルオキシメチレン側
鎖を有する代表的な市販セファロスポリン類としては、
例えば、セフォタキシム、セファログリシン、セファロ
チン、及びセファピリンがある。基幹中間体の別の例は
7−アミノデアセチルセファロスポラン酸(7−ADA
C)であり、これは式:
【化2】 によって示される。現状では、7−ADACもまた、セ
ファロスポリンCの7−D−α−アミノアジポイル側鎖
を除去し、同時に3−アセチルオキシメチレン側鎖を3
−ヒドロキシメチルに変換することによって製造されて
いる。7−ADACは、C−3位に修飾置換基を含んで
おりセファロスポリン類の合成に有用な中間化合物であ
る。7−アミノアジポイル側鎖を開裂するために当業界
では現在、化学的方法が選択されている。塩基性イミノ
−ハロゲン化物プロセスでは、7−アミノアジポイル側
鎖のアミノ基とカルボキシル基とを封鎖する必要があ
り、このためにいくつかの方法が現在使用されている。
しかしながら、現在使用されている化学的開裂プロセス
は重大な欠点を有している。特に指摘すべき欠点として
は、複雑な多段階プロセスが必要なこと、処理温度が極
めて低いこと、高価な試薬を使用すること、相当量のプ
ロセス副生物が生成するので廃液処理の問題が生じるこ
と、極めて不純な出発物質を化学的処理開始の前に精製
する必要があること、などがある。従って、現行の化学
的プロセスよりも経済的に7−アミノセファロスポラン
酸を製造するために、セファロスポリンCを酵素的に脱
アシル化する微生物プロセスまたは発酵プロセスの研究
が進められている。しかしながら、このような好ましい
微生物学的プロセスの研究は概して失敗に終わってい
る。ペニシリンは多様な微生物によって産生されるペニ
シリンアシラーゼを用いた酵素的開裂による脱アシル化
に成功しているので、上記の失敗の理由は、文献にも明
らかなように、セファロスポリンCのアミノアジポイル
側鎖の構造、特にその立体化学にある。また、セファロ
スポリンCの1段階酵素的脱アシル化の成功は文献に報
告されてはいるが、これらの報告はしばしば再現性に欠
けるかまたは辛うじて採算の合う程度の収率しか得られ
ない。従って本発明は特に、基幹セファロスポリン7−
ACAの製造の分野、特に7−ACAを製造するバイオ
プロセスの分野に関する。今日まで、7−ACAを製造
するための好ましいバイオプロセスの研究は概して、特
に工業生産規模では確実に失敗に終わっている。例え
ば、ペニシリンGの直接発酵及び/または酵素処理によ
って6−アミノペニシラン酸(6−APA)を製造し、
環拡張させるだけで7−ADCAを得ることは可能であ
ったが、不運にも、Cephalosporiumまた
Streptomycesなどの微生物の正常代謝経
路で環拡張を生起させるCephalosporium
またはStreptomycesの酵素は6−APAを
基質として受容しないことが知見された。当業界でDA
OCSまたはエキスパンダーゼ酵素と総称されているこ
れらの酵素は、ペニシリン型分子に検出されるペナム環
構造が拡張してセファロスポリン類に検出されるセフ−
3−エム(ceph−3−em)環を与える作用を触媒
する酵素であると定義されている。以後の記載では、こ
れらの酵素を「エキスパンダーゼ酵素」と総称する。エ
キスパンダーゼ酵素の作用を受けない基質はペニシリン
Nであり、これは環拡張及びヒドロキシル化によってデ
アセチルセファロスポラン酸(DAC)を与える。ここ
では、7−ADACを与えるために(D)−α−アミノ
アジポイル側鎖の開裂が必要なだけであるが、この側鎖
は酵素的開裂に対して極めて耐性であり、許容できない
低収率しか与えないことが判明した。本発明によれば、
(アジポイル側鎖を有する)ペニシリン化合物を新規な
発酵プロセスによって高力価で産生する有力なバイオプ
ロセスが提供される。上記ペニシリン化合物は、エキス
パンダーゼ酵素を発現するように形質転換されたペニシ
リン化合物産生微生物によってin situ(その場
で)産生されるエキスパンダーゼ酵素の許容される基質
となる。従ってエキスパンダーゼ酵素はペニシリン化合
物を環拡張させてセファロスポリン化合物を高収率で与
えるべく作用する。エキスパンダーゼ酵素のin si
tu作用によって産生されるアジポイル−7−ADCA
は、3−メチル(−CH)側鎖を有しているが、最終
産生物7−ACAは3−アセチルオキシメチル〔−CH
OC(O)CH〕側鎖を有している。本発明によれ
ば、3−メチルを3−アセチルオキシメチル側鎖に変換
するために、本発明によれば、エキスパンダーゼ活性に
加えて別の2つの酵素活性がin situ発現され
る。これらは順次にヒドロキシラーゼ及びアセチルトラ
ンスフェラーゼであり、双方が、ペニシリン化合物を産
生する微生物を形質転換させた遺伝子の発現産物であ
る。ヒドロキシラーゼ酵素はアジポイル−7−ADCA
の3−メチル側鎖を3−ヒドロキシメチルに変換し、ア
セチルトランスフェラーゼ酵素はこの3−ヒドロキシメ
チル側鎖を7−ACAの3−アセチルオキシメチル側鎖
に変換する。更に本発明方法の極めて重要な最終段階で
は、ペニシリン化合物、ここではセファロスポリン化合
物の側鎖を、別の酵素系によって驚異的な収率で除去し
得る。本発明のこの独特の全バイオプロセスは、7−A
CAを驚異的な高収率で産生し、現在使用されている化
学的及び生化学的な処理方法の好ましい代替方法となり
得る十分な経済性を有するという予想外の結果を与え
た。
【従来の技術】本発明の新規なバイオプロセスは、極め
て有効な独特の7−ACAの製造方法を提供する。この
方法は、経済的に実用化可能な現行の化学的合成の代替
方法を構成し得る。このようなバイオプロセスを開発す
るために当業界で続けられてきた研究は何度も失敗し
た。例えば、欧州特許公開第0,422,790号は、
Aspergillus nidulansのイソペニ
シリンN:アシル−CoAアシルトトラスフェラーゼ活
性をコードするDNAを記載し、該DNAを使用してペ
ニシリン産生真菌類中で有用なセファロスポリンを産生
させるためのこれまでに成功例のない方法を開示してい
る。しかしながら、該特許では、セファロスポリン産生
微生物に由来のエピメラーゼ酵素及びエキスパンダーゼ
酵素をコードする遺伝子の添加に伴ってアシルトランス
フェラーゼ遺伝子を破壊または転位させると記載されて
いる。更に、有用な形質転換及び発現結果が全く実現し
なかったことは明らかである。また、形質転換に成功し
たとしても、D−α−アミノアジポイル側鎖をどのよう
にして除去するかに関する問題が残っているので本発明
の目的に役立つことはできない。ペニシリン産生真菌類
の培養物から市販用セファロスポリン中間体を産生する
という好ましい結果を得るための当業者の試みが失敗に
帰していることは、本発明方法で達成された結果と全く
対照的である。本発明方法における第1の酵素的バイオ
プロセスは、非組換えペニシリウム・クリソゲナムPe
nicillium chrysogenum宿主の形
質転換に用いたエキスパンダーゼ遺伝子の発現産物であ
るエキスパンダーゼ酵素によって行なわれるアジポイル
−6−APAの環拡張である。かかるエキスパンダーゼ
酵素の使用は従来技術でも模索されている。例えば、C
antwell他は、Curr Genet(199
0)17:213〜221において、7−ADCAを製
造するために、ペニシリンVを環拡張させ、得られたデ
アセトキシセファロスポリンVを次いで酵素的加水分解
して7−ADCAを形成させるバイオプロセスを提案し
た。この提案は、clavuligerusに由来
のクローン化ペニシリンNエキスパンダーゼ遺伝子(
efE)が入手可能であることに基づいている:Kov
acevic他、J.Bacteriol(1989)
171:754〜760;及びIngolia他、米国
特許第5,070,020号。しかしながら、エキスパ
ンダーゼはその天然基質であるペニシリンNに作用する
がペニシリンVに作用しないので、この提案では、ペニ
シリンVを環拡張させ得る修飾エキスパンダーゼ遺伝子
を産生するための遺伝子操作が必要である。しかしなが
らCantwell他は、必要な修飾を達成することは
できなかったので、Streptomyces cla
vuligerusに由来のcefE遺伝子によって
enicillium chrysogenumを形質
転換させ、DAOCS(エキスパンダーゼ)酵素を低レ
ベルで発現させることに成功しただけである。エキスパ
ンダーゼ酵素はその活性及びその遺伝子配列の双方に関
して当業界で研究の進んだ酵素である。例えば、Wol
feの米国特許第4,510,246号及び第4,53
6,476号は、シクラーゼ、エピメラーゼ及び環拡張
酵素を、Streptomyces clavulig
erusのようなβ−ラクタムを産生する原核生物の無
細胞抽出物から個別に単離し、安定な酵素試薬を提供し
た。Dotzlafの米国特許第5,082,772号
(欧州特許公開0,366,354号)はclav
uligerusから単離し精製したエキスパンダーゼ
酵素を記載しており、この酵素は末端残基及びアミノ酸
組成によって特性決定されており、分子量約34,60
0ダルトンを有すると言われている。しかしながらこの
分子量は、米国特許第4,536,476号で同じ酵素
であると考えられる酵素の分子量29,000とはかな
り違っている。欧州特許公開第0,233,715号
は、clavuligerusから得られたエキス
パンダーゼ遺伝子の単離、エンドヌクレアーゼ制限地図
キャラクタリゼーション、及び、セファロスポリン産生
能力が欠如したclavuligerus菌株中に
おける(活性エキスパンダーゼ酵素を産生する)エキス
パンダーゼをコードする組換えDNAの発現を開示して
いる。Ingolia他の米国特許第5,070,02
0号(欧州特許公開第0,341,892号)は、
clavuligerusから得られたエキスパンダー
ゼ酵素をコードするDNA配列を開示し、該DNA配列
を含む発現ベクターによるchrysogenum
菌株を形質転換し、これによってエキスパンダーゼ酵素
の発現を得ることを記載している。この酵素がペニシリ
ンN以外の基質の拡張に有用であることは示唆されてい
るが、拡張の実例は示されていない。上記の研究ではい
ずれも、原核生物clavuligerusに由来
のエキスパンダーゼ酵素が注目されていた。明らかに同
じ環拡張活性を有する酵素はまた、真核生物セファロス
ポリウム・アクレモニウムCephalosporiu
acremoniumAcremonium
hrysogenumとも呼ばれる)菌株によって発現
される。しかしながら、この菌株中ではエキスパンダー
ゼ活性が2機能遺伝子(cefEF)によって発現さ
れ、該遺伝子は、エキスパンダーゼ酵素の産生物である
デスアセトキシセファロスポラン酸(DAOC)をデア
セチルセファロスポリン C(DAC)に変換する自然
機能を有するDACS(ヒドロキシラーゼ)活性を発現
する。このような発現の結果は、エキスパンダーゼ/ヒ
ドロキシラーゼの2つの機能を有する単一酵素によって
与えられる。これらの2つの遺伝子産物の活性を分離す
る試みもあったが、まだ成功はみていない。例えば、欧
州特許公開第0,281,391号は、acrem
onium ATCC 11550から得られたDAO
CS/DACS遺伝子の単離及びDNA配列同定並びに
酵素の対応するアミノ酸配列を開示している。Peni
cilliumは形質転換されて酵素を発現させるが、
ペニシリンG及びVを対応するセファロスポリンに変換
させる実験は証明されていない。更に、遺伝子操作技術
がDAOCSをコードする遺伝情報をDACSから分離
しそれらを別々に発現させる容易な手段を提供すること
は示唆されているが、このような分離の実験は証明され
ていない。acremoniumのDAOCS/D
ACS(エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ)酵素も
また、その活性及び特性と遺伝子配列に関して当業界で
十分に研究されている。例えば、Demainの米国特
許第4,178,210号、第4,248,966号及
び第4,307,192号は、種々のペニシリン型の出
発物質を、エピマー化及び環拡張の作用を有する
cremoniumの無細胞抽出物で処理してセファロ
スポリン抗生物質を産生する。Wu−Kuang Ye
hの米国特許第4,753,881号は、acre
monium酵素の等電点、分子量、アミノ酸残基、ヒ
ドロキシラーゼ活性とエキスパンダーゼ活性との比及び
ペプチドフラグメントを記載している。acrem
oniumのアセチルトランスフェラーゼ酵素に関して
もその活性、特性、制限マッピング、ヌクレオチド及び
核酸配列は当業界の文献に記載されている。例えば欧州
特許公開第0,437,378号及び第0,450,7
58号がある。上記で検討した従来技術では、本発明の
1つの面、即ち、エキスパンダーゼ及びエキスパンダー
ゼ/ヒドロキシラーゼ酵素を発現する遺伝子によって
chrysogenum菌株を形質転換させ、これ
らの酵素の発現を得るという面だけを取り扱っている。
しかしながら、発現された酵素をペニシリンNの環拡張
のためにだけ使用し、ペニシリンG及びVには使用しな
かった。また、ペニシリンN環拡張のために使用する場
合でも、ペニシリンNは7−位側鎖を有しており、この
側鎖は遊離アミノ基を離脱させるために酵素的に開裂す
ることができない。本発明は、アジポイル側鎖に
hrysogenum菌株が有効に付加し得ること、
situ発現されたエキスパンダーゼ酵素が得られ
た化合物を環拡張のための基質として有効に使用してア
ジポイル7−ADCAを産生し得ること、in sit
発現されたヒドロキシラーゼ及びアセチルトランスフ
ェラーゼ酵素もまたアジポイル−7−ADCAを基質と
して使用して7−ACAの3−アセトキシメチル側鎖を
産生し得ること、次にアジポイル側鎖が別の酵素によっ
て有効に除去されて7−ACAを与えること、などの意
外な知見に基づく。本発明の種々の単離フラグメントは
従来技術で知見されているかもしれないが、本発明方法
によって得られた予想外の結果を与えるためにそれらを
組み合わせることが示唆されたことはない。例えば、6
−アジポイルペニシラン酸の産生は当業界で公知であ
る;Ballio、A.他、Nature(1960)
185、97〜99参照。6−アジポイルペニシラン酸
の酵素的拡張もin vitroに限って当業界で公知
である;Baldwin他、Tetrahedron
(1987)43、3009〜014;及び欧州特許公
開第0,268,343号参照。また、アジポイル側鎖
の酵素的開裂も当業界で公知である;例えばMatsu
da他、J.Bact.(1987)169、5815
〜5820参照。アジポイル側鎖は式:COOH−(C
−CO−で示される構造を有している。極めて
近縁の構造の2つの側鎖は、式:COOH−(CH
−CO−をの構造を有するグルタリル側鎖、及び、
式:COOH−CH(NH)−(CH−CO−
の構造を有する(D)−α−アミノアジポイル側鎖であ
る。グルタリル側鎖の酵素的開裂は当業界で公知であ
る。例えばShibuya他、Agric.Biol.
chem.(1981)45、1561〜1567及び
米国特許第3,960,662号;Matsuda &
Komatsu、J.Bact.(1985)16
3、1222〜1228;Matsuda他、J.Ba
ct.(1987)169、5815〜5820;Ja
P.53−086084(1978−Banyu Ph
armaceutical Co.Ltd.);Ja
p.52−128293(1977−Banyu Ph
armaceutical Co.Ltd.)また欧州
特許公開第0,45,048号は、プソイドモナスPs
eudomonas SY−77−1によって産生され
るグルタリルアシラーゼのアジポイル開裂活性を改善す
る方法を記載している。α−サブユニット内部のいくつ
かの位置の種々のアミノ酸を置換することによって、3
〜5倍のアジポイル開裂率(アジポイル−セリンから)
が観察された。明らかに欧州特許公開第0,453,0
48号はアジポイル側鎖に対する活性が改善されたアシ
ラーゼを開示しているが、アジポイル−セファロスポリ
ンをまず産生させる方法(化学的方法または本明細書に
記載の方法と同様のバイオプロセスのいずれでもよい)
は全く記載していないことに注目されたい。(D)−α
−アミノアジポイル側鎖が存在する場合、まず(D)−
アミノ酸オキシダーゼによってアミノ基を酵素的に除去
して側鎖を短縮し、グルタリル(GL−7)側鎖を残
し、第2酵素(グルタリルアシラーゼ)によってグルタ
リル側鎖を除去することは当業界で公知である。このよ
うな2段階開裂はMatsudaの米国特許第3,96
0,662号;欧州特許公開第0,275,901号;
Jap.61−218057(1988−Kamats
u、Asahi Chemical Industry
Co.);国際特許出願WO90/12110(19
90−Wong、Biopure Corp.);欧州
特許公開第0,436355号、及び、Isogai
他、Bio/Technology(1991)9、1
88〜191に記載されている。また、特に組換え技術
を用いた(D)−α−アミノアジポイル側鎖の1段階開
裂も当業界で公知である。例えば以下の文献を参照する
とよい:(D)−α−アミノアジポイル側鎖の1段階開裂 : −Jap.53−94093(Meiji、Pseud
onomas sp.BN−188); −Jap.52−143289(=米国特許第4,14
1,790号、Meiji、Aspergillus
sp.); −米国特許第4,774,179号(Asahi 19
88、Pseudonomas sp.SE−83 &
SE−495)、=Jap.61−21097& J
ap.61−152286; −仏国特許公開第2,241,557号(Aries
1975、Bacillus cereus var.
fluorescens); −Jap.52−082791(Toyo Jozo
1977、Bacillus megaterium
NRRL B 5385); −欧州特許公開第0,321,849号(Hoechs
t、PseudonomasBacillus su
btilis、γ−グルタミルトランスペプチダー
ゼ); −欧州特許公開第0,322,032号、欧州特許公開
第0,405,846号、米国特許第5,104,80
0号(Merck、Bacillus megater
ium); −欧州特許公開第0,283,218号、及び米国特許
第4,981,789号(Merck、Arthrob
acter viscosus);1段階組換え:Ceph C→7−ACA : −Jap.60−110292(Asahi 198
5、ComamonasComamonas sp.
SY−77−1に由来の遺伝子を有する組換えE.co
li、1段階変換); −Jap.61−152−286(Asahi 198
6、Pseudomonas、特許請求の範囲に記載さ
れた遺伝子配列のPseurdomonas sp.S
E83に由来の遺伝子を有する組換えE.coli、米
国特許第4,774,179号の特許請求の範囲に既に
記載された1段階プロセス); −Jap.63−74488(Asahi 1988、
TrigonopsisvariabilisCom
amonas、D−アミノ酸オキシダーゼ及びGL−7
−ACAアシラーゼ構築物の組換えE.coli
現); −欧州特許公開第0,475,652号(Fujisa
wa、セファロスポリンCアシラーゼ及び組換え技術に
よるその産生)。 7−ADACの産生方法の種々の局面は当業界で公知で
ある。例えば、米国特許第3,304,236号及び第
3,972,774号(Eli Lilly&C
o.);欧州特許公開第0,454,478号(Shi
onogi & Co.,Ltd,);Publish
ed Japanese Application 0
4 53,499(Shionogi & Co.,L
td.)。同時係属出願の参照 1992年8月28日出願の米国特許出願第07/93
3,469号は、7−ADAC及び7−ACAを製造す
るための本発明のバイオプロセスと同様に、chr
ysogenum形質転換体中のエキスパンダーゼ酵素
の活性の発現に基づいて7−ADCAを製造するバイオ
プロセスを開示している。しかしながら、本発明のバイ
オプロセスでは、該出願で示唆されていない最終生成物
を分離するために全く異なる組換え代謝経路を与える追
加の形質転換を使用して追加の酵素活性を発現させる。
本発明方法及び上記に参照した従来技術の教示をより十
分に理解するために、アジポイル−6−APA、アジポ
イル−7−ADCA、アジポイル−7−ACA、及び7
−ACA、などの中間生成物に導く代謝経路の種々の段
階の代表例、及び関連する形質転換を生起させる酵素に
関して以下に説明する。
【化3】
【発明の概要】本発明は、7−アミノデアセチルセファ
ロスポラン酸(7−ADAC)を製造するための新規な
バイオプロセスに関する。本発明のバイオプロセスは、 (1)イソペニシリンNを産生するPenicilli
um chrysogenum菌株をその増殖を支持し
得る培地中に維持し、アジポイル−6−アミノペニシラ
ン酸(アジポイル−6−APA)を産生すべく前記Pe
nicilliu chrysogenum菌株によ
って同化され利用され得るアジピン酸またはその塩及び
エステルのいずれか1種以上から成るアジペート原液を
前記培地に添加して前記アジポイル−6−APAを産生
させる段階と、 (2)対応する遺伝子のin situ発現によって以
下の酵素的変換を生起させる段階、即ち、(a)エキス
パンダーゼ酵素によってアジポイル−6−APAをin
situ環拡張させてアジポイル−7−アミノデスア
セトキシセファロスポラン酸(アジポイル−7−ADC
A)を形成させるために、前記アジポイル−6−APA
を基質として受容し得るエキスパンダーゼ酵素の活性を
コードするDNAによって前記Penicillium
chrysogenum菌株を形質転換させ、その発
現の結果として次に、前記菌株によって産生された前記
アジポイル−6−APAをin situ環拡張させて
アジポイル−7−ADCAを形成する段階、及び、
(b)ヒドロキシラーゼ酵素によってアジポイル−7−
ADCAの3−メチル側鎖をin situヒドロキシ
ル化してアジポイル−7−アミノデアセチルセファロス
ポラン酸(アジポイル−7−ADAC)を産生させるた
めに、前記アジポイル−7−ADCAを基質として受容
し得るヒドロキシラーゼ酵素の活性をコードするDNA
によって前記Penicillium chrysog
enum菌株を形質転換させ、その発現の結果として次
に、前記菌株によって産生された前記アジポイル−7−
ADCAをin situヒドロキシル化してアジポイ
ル−7−ADACを形成する段階と、 (3)前記アジポイル−7…ADACをアジポイルアミ
ダーゼと接触させることによって、アジポイル側鎖を除
去し、7−ADAC産生物を形成させ、前記産生物を単
離する段階とから成る。 本発明は更に、7−アミノセファロスポラン酸(7−A
CA)を製造するための新規なバイオプロセスに関す
る。本発明のバイオプロセスは、 (1)イソペニシリンNを産生するPenicilli
um chrysogenum菌株をその増殖を支持し
得る培地中に維持し、アジポイル−6−アミノペニシラ
ン酸(アジポイル−6−APA)を産生すべく前記Pe
nicilliu chrysogenum菌株によ
って同化され利用され得るアジピン酸またはその塩及び
エステルのいずれか1種以上から成るアジペート原液を
前記培地に添加して前記アジポイル−6−APAを産生
させる段階と、 (2)対応する遺伝子のin situ発現によって以
下の酵素的変換を生起させる段階、即ち、(a)エキス
パンダーゼ酵素によってアジポイル−6−APAをin
situ環拡張させてアジポイル−7−アミノデスア
セトキシセファロスポラン酸(アジポイル−7−ADC
A)を形成させるために、前記アジポイル−6−APA
を基質として受容し得るエキスパンダーゼ酵素の活性を
コードするDNAによって前記chrysogen
um菌株を形質転換させ、その発現の結果として次に、
前記菌株によって産生された前記アジポイル−6−AP
Aをin situ環拡張させてアジポイル−7−AD
CAを形成する段階、及び、(b)ヒドロキシラーゼ酵
素によってアジポイル−7−ADCAの3−メチル側鎖
in situヒドロキシル化してアジポイル−7−
アミノデアセチルセファロスポラン酸(アジポイル−7
−ADAC)を産生させるために、前記アジポイル−7
−ADCAを基質として受容し得るヒドロキシラーゼ酵
素の活性をコードするDNAによって前記chry
sogenum菌株を形質転換させ、その発現の結果と
して次に、前記菌株によって産生された前記アジポイル
−7−ADCAをin situヒドロキシル化してア
ジポイル−7−ADACを形成する段階、及び、(c)
アセチルトランスフェラーゼ酵素によってアジポイル−
7−ADACをin situアセチル化してアジポイ
ル−7−アミノセファロスポラン酸(アジポイル−7−
ACA)を産生させるために、前記アジポイル−7−A
DACを基質として受容し得るアセチルトランスフェラ
ーゼ酵素の活性をコードするDNAによって前記
hrysogenum菌株を形質転換させ、その発現の
結果として次に、前記菌株によって産生された前記アジ
ポイル−7−ADACをinsituアセチル化してア
ジポイル−7−ACAを形成する段階と、 (3)前記アジポイル−7−ACAをアジポイルアミダ
ーゼと接触させることによって、アジポイル側鎖を除去
し、7−ACA産生物を形成させ、前記産生物を単離す
る段階とから成る。 本文中で使用した用語を以下のごとく定義する;「7−
ACA」は、3−〔(アセチルオキシ)−メチル〕−7
−アミノ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ
〔4.2.0〕オクトー2−エン−2−カルボン酸;
「アジポイル−6−APA」は、〔2S−(2α,5
α,6β)〕−3,3−ジメチル−7−オキソ−6−
〔ヘキサン−1,6−ジオイル)アミノ〕−4−チア−
1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン−2−カルボ
ン酸;「アジポイル−7−ADCA」は、3−メチル−
7−〔(ヘキサン−1,6−ジオイル)アミノ〕−3−
メチル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ
〔4.2.0〕オクト−2−エン−2−カルボン酸;
「アジポイル−7−ADAC」は、3−ヒドロキシメチ
ル−7−〔(ヘキサン−1,6−ジオイル)アミノ〕−
3−メチル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ
〔4.2.0〕オクト−2−エン−2−カルボン酸;を
夫々意味する。特に、本発明は、上記のごとき7−アミ
ノデアセチルセファロスポラン酸(7−ADAC)及び
7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)を製造す
るための新規なバイオプロセスにおいて、アジペート原
液がアジピン酸二ナトリウムであり、エキスパンダーゼ
酵素、ヒドロキシラーゼ酵素及びアセチルトランスフェ
ラーゼ酵素の活性をコードするDNAがすべてCeph
alosporiumacremoniumに由来し、
アジポイルアシラーゼがPseudomonas種に由
来することを特徴とする方法に関する。本発明は更に、
Cephalosporium acremonium
に由来のエキスパンダーゼ、ヒドロキシラーゼ及びアセ
チルトランスフェラーゼの酵素活性をコードするDNA
と、前記酵素をコードするDNAの発現を促進するプロ
モーターとを含み、プラスミドpPEN/CEPH−
1、pPenCACT及びpTS−8を含むことを特徴
とする組換えDNA発現ベクターに関する。本発明は更
に、Cephalosporium acremoni
umに由来のエキスパンダーゼ、ヒドロキシラーゼ及び
アセチルトランスフェラーゼの活性をコードするDNA
と、Penicillium chrysogenum
のIPNS遺伝子のプロモーターから成る前記酵素をコ
ードするDNAの発現を促進するプロモーターとを含む
組換えDNA発現ベクターによって形質転換されたPe
nicillium chrysogenum宿主細胞
に関する。特に本発明は、後述するごとく、プラスミド
pPEN/CEPH−1、pPenCACT及びpTS
−8から成る組換えDNA発現ベクターによって形質転
換されたPenicillium chrysogen
um宿主細胞に関する。本発明は更に、遺伝子発現に適
した条件下の組換えPenicilliumchrys
ogenum宿主細胞の培養方法に関する。この組換え
宿主細胞は、Cephalosporium acre
moniumに由来のエキスパンダーゼ、ヒドロキシラ
ーゼ及びアセチルトランスフェラーゼの酵素活性をコー
ドするDNAと、Penicillium chrys
ogenumのIPNS遺伝子のプロモーターから成り
前記酵素をコードするDNAの発現を促進するプロモー
ターとを含む組換えDNA発現ベクターを含む。本発明
は特に、遺伝子発現に適した条件下に組換えPenic
illium chrysogenum宿主細胞を培養
する方法において、前記組換え宿主細胞が、後述するご
とくプラスミドpPEN/CEPH−1、pPenCA
CT及びpTS−8から成る組換えDNA発現ベクター
を含むことを特徴とする方法に関する。
【詳細な説明】本発明の第1の目的は、以下の構造式:
【化4】 によって示される市販の合成セファロスポリン類の製造
における基幹中間体である7−アミノセファロスポラン
酸(7−ACA)及び7−アミノデアセチルセファロス
ポラン酸(7−ADAC)を製造するための新規なバイ
オプロセスを提供することである。7−ACAの顕著な
特徴は、セファロスポリン核に加えて、7−アミノ基及
び3−アセチルオキシメチル(またはより普及した呼び
方では3−アセトキシメチル)基を含むことである。7
−アミノ基は、任意の数の誘導体側鎖に変換される基で
あり、従って種々の市販セファロスポリン類の合成のベ
ースを形成し得る。3−アセチルオキシメチル基は、市
販のセファロスポリンを合成するために別の側鎖にしば
しば変換される。本発明方法の最終生成物である7−A
CA及び中間生成物であるアジポイル−7−ACAは、
以下の構造式:
【化5】 によって示される別の基幹セファロスポリン中間体であ
るセファロスポリンCとは極めて異なっている。この中
間体の場合は、7−(D)−α−アミノアジポイル側鎖
が以後の合成的誘導を許容しないので、許容的な7−ア
ミノ基を与えるために開裂する必要がある。残念なこと
に、7−(D)−α−アミノアジポイル側鎖は化学的手
段によっても生化学的手段によってもその除去が常に難
しいことが立証されている。用語の定義 本明細書中、特に好ましい実施態様の項で使用する以下
の用語の意味は下記の通りである: 7−ACA 7−アミノセファロスポラン酸 7−ADAC 7−アミノデアセチルセファロスポラ
ン酸 7−ADCA 7−アミノデアセトキシセファロスポ
ラン酸 6−APA 6−アミノペニシラン酸 DAOC デアセトキシセファロスポラン酸 DAOCS DAOCシンテターゼ DAC デアセチルセファロスポリンC DACS DACシンターゼ IPNS イソペニシリンNジンテターゼ Tris トリス[ヒドロキシメチル]アミノメ
タン EDTA エチレンジアミンテトラ酢酸 DEPC ジエチルピロカーボネート TE トリス/EDTA緩衝液 SSC 塩(塩化ナトリウム)、クエン酸ナト
リウム緩衝液 SDS ドデシル硫酸ナトリウム PEG ポリエチレングリコールPenicillium chrysogenum の培
養 本発明の方法の第1のステップは、イソペニシリンNを
産生するPenicillium chrysogen
um株をその増殖を維持することができる培養培地中に
保持し、この培養培地に、アジピン酸か、又はアジポイ
ル−6−APAを産生するために前記Penicill
ium chrysogenum株により同化され使用
され得るアジピン酸の塩及びエステルのうちいずれか1
つ以上を含むアジペート原液(adipate fee
dstock)を加えることからなる。このアジペート
原液は、chrysogenumを接種した後で培
養培地に加えてもよいが、好ましくは接種実施時点で既
に培養培地中に存在しているようにする。Penici
lliunm以外の属、例えばAspergillus
nidulans、並びにchrysogenum
以外のPenicillium属の種mイソペニシリン
Nを産生する。しかしながら歴史的には、イソペニシリ
ンNを最も多く産生する株は総て、chrysogen
um種からの株の改良という公知の技術によって開発さ
れてきた。そこで、実際問題として、本発明はPeni
cillium chrysogenumに限定されて
いるが、他の種にも勿論適用し得る。任意の寄託済み
enicillium chrysogenum株、又
は他の一般的に入手できるこの種の株の由来源は、本発
明の方法を実施するための適当な出発点である。イソペ
ニシリンNを産生するPenicillium chr
ysogenum株の増殖を維持できる培養培地は、普
通の知識を備えた当業者が容易に思い付くようなもので
ある。例えば、培養は水中好気性発酵方法を用いて行
い、使用する培地は多くの適当な入手可能な培地から選
択する。典型的な培地は、スクロース、グルコース及び
澱粉のような炭素源;大豆のあら粉(meal)及び顆
粒(grit)、綿実油、ピーナッツのあら粉、種々の
アミノ酸及びその混合物、並びにペプトンのような窒素
源を使用する。産生要件としては収率と単離の容易さと
が重要であり、従ってこのような状況では、炭素源とし
ての糖蜜(molasses)、並びに窒素源としての
大豆粉及びアミノ酸を好ましい培地として使用し得る。
培養培地には通常、栄養素無機塩を加える。この種の塩
としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カル
シウム、ホスフェート、スルフェート、塩化物、臭化
物、ニトレート、カーボネート、第二鉄、第一鉄、マグ
ネシウム、マンガン等のようなイオン性成分を供給でき
るものが挙げられる。Penicillium chr
ysogenumの増殖、発育及び代謝には通常微量元
素も不可欠であり、この種の元素は、主に他の培養培地
成分の混入物として既に存在していない限り、培養培地
に直接添加し得る。Penicillium chry
sogenum株は、アジポイル−7−ACA、そして
任意に7−ACAを少量だけ製造したい場合には、1リ
ットルのシェークフラスコのような小容積装置で培養し
得る。しかしながら、より大量のアジポイル−7−AC
Aを製造したい場合には、大型発酵タンクを水中好気性
発酵条件で使用する。アジポイル−7−ACAの大規模
調製を行う場合には、Penicillium chr
ysogenum株の胞子を寒天斜面培養基上に保持す
る。この斜面培養基からの胞子を用いて、少量の栄養培
地(vegetative medium)に接種す
る。この栄養培地をインキュベートして、前記微生物の
新鮮な活発に増殖する生産率の高い(heavy)培養
物を得る。次いで、この栄養増殖物を大規模発酵培地の
接種物(inoculum)として使用する。場合によ
っては、更に別の栄養培地を発酵培地の接種物として加
えるのが望ましいこともある。このような第2の段階の
栄養培地は通常、発酵培地の量が第1の栄養培地を大き
く上回る場合に使用する。このようにして、微生物の胞
子を最初は少量の栄養培地で培養し、より大量の栄養培
地のための接種物を得る。次いで、この大量の栄養培地
で、大型発酵タンクでの発酵を迅速に開始させるのに十
分な濃度の微生物を得る。栄養培地は発酵培地と同じ組
成を有するか、又は小規模操作で微生物の増殖及び発育
を促進するために他の成分を含み得る。本発明の方法で
使用するPenicillium chrysogen
um株は約20℃〜30℃の温度で最も効果的に培養さ
れるが、最適収率は温度が約22℃〜28℃、好ましく
は約25℃の時に得られる。アジポイル−7−ACAの
最大産生は、Penicillium chrysog
enum株を大型タンクで約10〜30日、好ましくは
15〜25日培養したときに生起する。しかしながらこ
の微生物は、例えば250mlシェークフラスコのよう
な小型装置で培養するとより速く増殖し、より短い期
間、例えば4〜15日、通常は5〜7日でアジポイル−
7−ACAを産生する。大型発酵タンクの末期pH(t
erminal pH)が8.0以上になると、アジポ
イル−7−ACAの収率に悪影響が及ぼされ得る。この
ような状況では、発酵の間中、培養培地のpHをモニタ
ーするのが望ましい。アジポイル−7−ACAの最大産
生時点の前にpHが前記レベルに到達しそうな場合に
は、発酵培地に適当な酸又は緩衝剤を加えてpHを下げ
るように調整するとよい。アジポイル−7−ACAが産
生されたら、発酵ブイヨンの試料をクロマトグラフィー
によって検査し得る。水中好気性発酵で通常実施される
ように、培養培地には無菌空気を通してPenicil
lium chrysogenum株をより効果的に増
殖させ、アジポイル−7−ACAの産生率を高める。培
養培地に通す空気の量は通常、培養培地1倍容当たり約
0.2倍容/分以上である。しかしながら、空気の流量
を増やすと、アジポイル−7−ACAの産生に有用な効
果がもたらされることもしばしばある。Penicil
lium chrysogenum株は通常、アジポイ
ル−7−ACAの他に、多くの副産物及び代謝産物を産
生する。これらの産物の一部は酸に弱いため、発酵培地
からアジポイル−7−ACAを回収する時には、同時に
産生された不純物の一部を破壊するために、発酵ブイヨ
ン全体を酸性pHで短時間処理するのが望ましい。この
ように処理した濾過後の発酵ブイヨンからアジポイル−
7−ACA発酵生成物を回収する。この生成物は任意に
イオン交換樹脂でのクロマトグラフィーによって発酵培
地の他の成分から分離し得、必要であればアジポイル側
鎖の酵素開裂ステップの前にクロマトグラフィーで更に
精製し得る。このようなイオン交換クロマトグラフィー
による分離は側鎖開裂の後で行うこともできる。分離問
題を伴う主要副産物の1つはアジポイル−6−APAで
ある。この副産物は、分離をより容易にするために、化
学的又は酵素的に分解できる。まず、濾過した発酵ブイ
ヨンを予精製処理にかける。この処理は、例えばn−ブ
タノール又はアミルアセテートのような非水混和性有機
溶媒で初期抽出を行って不純物を除去する操作を含み得
る。抽出したブイヨンは活性炭でのクロマトグラフィー
により更に予精製し得る。アジペート原液の添加 好ましくは、Penicillium chrysog
enumの発酵培養が前述のように確立された時点で、
即ち接種に先立って、アジペート原液を発酵培養培地の
他の成分に加える。場合によっては、アジペート原液を
接種の後、例えば接種の1日後、2日後及び/又は3日
後に加えてもよい。アジペート原液とは、アジピン酸
か、又はアジポイル−6−APAを産生するために培養
中のPenicillium chrysogenum
株によって同化され使用され得るアジピン酸の塩もしく
はエステルのうちいずれか1つ以上をさすと定義され
る。アジピン酸、その塩及びエステルは、単独で、又は
任意に組合わせて使用し得る。好ましいのはジナトリウ
ム塩であるが、カリウム及びナトリウムとの混合塩も適
当である。メチルエステルも使用し得るが、エチルエス
テルは水不溶性である。アジピン酸の塩又はエステル
は、アジポイル−6−APAを産生するためにPeni
cillium chrysogenum株によって同
化され使用され得るようなものでなければならない。例
えば、アジピン酸は水不溶性ではあるが、適当なpH条
件下で同化可能塩を生成するのであれば、適当な原料と
して使用し得る。適当なエキスパンターゼ酵素及び/又はヒドロキシラー
ゼ酵素 培養し且つアジポイル−6−APAを産生するために前
述のようにアジペート原液を加えたPenicilli
um chrysogenum株は、エキスパンターゼ
酵素及びヒドロキシラーゼ酵素の活性をコードするDN
Aによって形質転換した株でもあり、その発現の結果と
して前記アジポイル−6−APAがその場で環拡張され
て(ring−expanded)アジポイル,7−A
DCAを形成し、3−メチル側鎖も3−ヒドロキシメチ
ルに変換される。アジポイル−6−APAはアジペート
原液培養したPenicilliumchrysoge
numにより細胞内で産生される。この細胞内セッティ
ングでは、即ちin situベースでは、形質転換し
Penicillium chrysogenum
エキスパンターゼ酵素及びヒドロキシラーゼ酵素の活性
をコードするDNAを発現し、その結果前記酵素が基質
としてのアジポイル−6−APAに作用し、これを環拡
張させてアジポイル−7−ADCAを形成せしめる。こ
のアジポイル−7−ADCAは次いでヒドロキシル化に
よりアジポイル−7−ADAC(アジポイル−7ーアミ
ノデアセチルセファロスポラン酸)に変換される。本発
明の新規のバイオプロセスは、その範囲内に、前記タイ
プのPenicillium chrysogenum
株をエキスパンターゼ酵素及びヒドロキシラーゼ酵素の
活性をコードするDNAで形質転換し、これら酵素の発
現の結果として、アジポイル−6−APAをその場で環
拡張してアジポイル−7−ADCAを形成し、更にヒド
ロキシル化してアジポイル−7−ADACを形成する操
作を含む。従って、Penicillium chry
sogenumの形質転換に使用するDNAは、当業者
に公知のエキスパンダーゼ酵素の活性、即ちイソペニシ
リンNを環拡張してDAOCに変換する能力だけでな
く、アジポイル−6−APAを還拡張してアジポイル−
7−ADCAに変換する能力をも有する酵素を発現する
ようなものでなければならない。また、ヒドロキシラー
ゼ酵素はアジポイル−7−ADCAをヒドロキシル化し
てアジポイル−7−ADACに変換できるようなもので
なければならない。本発明では、エキスパンターゼ酵素
及びヒドロキシラーゼ酵素の活性を与える方法に関し
て、2つの実施態様が適当とみなされる。一方の好まし
い実施態様では、エキスパンターゼ及びヒドロキシラー
ゼの機能を、Penicilliumchrysoge
numを形質転換させる本質的には二官能性の単一の
ephalosporium acremonium
伝子によって発現される活性により達成する。前記遺伝
子はエキスパンターゼ及びヒドロキシラーゼの活性を両
方一緒に発現する。この遺伝子はエキスパンターゼ/ヒ
ドロキシラーゼ遺伝子と称し、その遺伝子産物はエキス
パンターゼ/ヒドロキシラーゼ酵素と称する。通常は、
エキスパンターゼ/ヒドロキシラーゼ活性をコードする
C.acremonium由来のDNAでP.chry
sogenumを形質転換すると、前記活性の発現が単
一プロモーター配列によって制御される。これは、単一
遺伝子の存在を示すものである。本発明の別の適当な実
施態様では、単一のエキスパンターゼ/ヒドロキシラー
ゼ遺伝子ではなく、エキスパンターゼ及びヒドロキシラ
ーゼ活性を別個の遺伝子としてコードするDNAでP.
chrysogenum宿主を形質転換する。尚、別個
のエキスパンターゼ及びヒドロキシラーゼ遺伝子、並び
にこれらの遺伝子がコードする対応する酵素活性は、前
述のように単一のエキスパンターゼ/ヒドロキシラーゼ
遺伝子及び酵素をコードするC.acremonium
のような真核微生物ではなく、S.clavulige
rusのような原核微生物に見られる。原核ヒドロキシ
ラーゼ酵素の配列及びこれをコードするヌクレオチド
は、前記酵素の単離手段と共に、Kovacevic
ら、J.Bacteriol.,173(1),398
−400(1991)及びEP−A−0 465 18
9号に記述されている。当業者には明らかなように、ヒ
ドロキシラーゼの配列からは、良く知られた手動的方法
又は自動化されたDNAシンセサイザーによって、ヒド
ロキシラーゼ酵素をコードするDNAを合成することが
できる。このDNA化合物、又はヒドロキシラーゼと同
一のアミノ酸配列あるいは同等のヒドロキシラーゼ活性
を有する前記酵素のフラグメントもしくは誘導体をコー
ドする別の配列は、プロモーター及び他の調節配列と組
合わせて種々のクローニングベクター及び発現ベクター
の調製のベースとして使用し得る。次いで、これを用い
てP.chrysogenumの形質転換を行えば、ヒ
ドロキシラーゼ酵素を発現しそれによって本発明の方法
を実施することができる。また、ハイブリダイゼーショ
ンによって相同の配列を同定するために、有用なヒドロ
キシラーゼ酵素を含んでいる可能性のある株のゲノムラ
イブラリーをスクリーニングするためのプローブとして
前記DNA化合物を使用することも可能である。このよ
うにして同定される任意の推定上のヒドロキシラーゼの
活性は、本発明の方法の実際のアジポイル−7−ADC
A基質を使用し且つHPLCによってそのヒドロキシル
化産物を単離することにより確認し得る。本発明のこの
実施態様を使用する時は、即ちヒドロキシラーゼ活性の
みを発現する単一遺伝子を使用する場合には、エキスパ
ンダーゼ酵素の活性をコードするDNAを別個に供給す
る必要もある。これは、エキスパンダーゼ機能をその場
で発現させて本発明の方法で環拡張ステップが行われる
ようにする適当な発現ベクターによりP.chryso
genumを形質転換できるようにするためである。エ
キスパンダーゼ酵素は多数知られている。側鎖の類似性
に基づいて、多くのエキスパンダーゼ酵素が本発明の新
規のバイオプロセスで操作可能であると考えられる。本
発明の他の有用な実施態様は、1つ以上のエキスパンダ
ーゼ及び/又は1つ以上のヒドロキシラーゼの活性をコ
ードするDNAを非組換えP.chrysogenum
の形質転換に使用し得るという事実をベースとする。こ
のような実施態様では、発現される酵素タンパク質の量
が増加するため、より大きいエキスパンダーゼ及び/又
はヒドロキシラーゼ活性を得ることができる。先行技術
の項で述べたように、Streptomyces cl
avuligerus ATCC 27064由来のエ
キスパンダーゼ酵素は完全に配列決定されており、且つ
エンドヌクレアーゼ制限地図によって特徴が解明されて
いる。しかしながら、S.clavuligerus
NRRL 3585由来の同一酵素と思われる物質は、
異なる分子量を有すると報告されている。この分子量は
配列決定はされていない。また、やはり先行技術の項で
述べたように、Cephalosporium acr
emonium ATCC 11550由来のDAOC
S/DACS酵素は配列決定されている[Samson
ら、Bio/Technology(1987);1
207−1214及びEP−A−0 281 391
号]。先行技術で既に同定されているこれらのエキスパ
ンダーゼ酵素は本発明の新規のバイオプロセスで有用で
ある。種々のS.clavuligerus株又はC.
acremonium株、あるいは異なる属の微生物に
由来するまだ同定されていない他のエキスパンダーゼ酵
素も、本発明の新規のバイオプロセスを実施するのに適
したものであり得る。有用な微生物のこのような新しい
株及び属を同定するための方法、並びに推定上のエキス
パンダーゼ酵素を単離し且つこれらの酵素が本発明の方
法で使用するのに適しているということを立証する方法
は簡単であり、当業者により容易に実施される。有用な
微生物の期待される新しい株及び属の無細胞抽出物のス
クリーニングは、第一鉄(Fe2+)イオン、アスコル
ベート、α−ケトグルタレート及びアデノシントリホス
フェート(ATP)を含む公知のDAOCS補助因子の
存在下でアジポイル−6−APA基質に前記抽出物を加
えることにより、信頼性と再現可能性とをもって実施し
得る。アジポイル−6−APAは、後で詳述する方法と
類似の方法で非形質転換Penicillium ch
rysogenumにアジペート原液を供給することに
より十分な量で製造し得る。アジポイル−7−ADCA
及び/又はアジポイル−7−ADACが生成されれば、
所望のエキスパンダーゼ(又はエキスパンダーゼ/ヒド
ロキシラーゼ)酵素が存在する。この酵素の存在はクロ
マトグラフィーによって検出し得る。また、公知の組換
え技術を使用し、例えばS.Clavuligerus
及びC.acremonium由来のエキスパンダーゼ
遺伝子のヌクレオチド配列に基づいてDNAプローブを
形成し、本発明の方法で使用するのに適したエキスパン
ダーゼを産生する可能性のある微生物のDNAの内容を
スクリーニングすることもできる。エキスパンダーゼ酵素、ヒドロキシラーゼ酵素及びエキ
スパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ酵素の潜在的由来源 エキスパンダーゼ酵素は前述のように、penam還構
造(ペニシリンタイプの分子に見られる)の拡張を触媒
してCeph−3−em環(セファロスポリンに見られ
る)にする酵素である。従って、cephem環を有す
る代謝産物を産生する微生物はいずれもエキスパンダー
ゼをコードするDNAの潜在的由来源である。同様にし
て、3−ヒドロキシメチル基を有するセファロスポリン
を産生する微生物はいずれも、ヒドロキシラーゼ(又は
エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ)をコードするD
NAの潜在的由来源である。この種の微生物の具体例を
下に挙げる。但し、このリストは非限定的なものにすぎ
ない。 菌類Cephalosporium acremonium Cephalosporium sp.Emericellopsis Paecilomyces Scopulariopsis Diheterospora Spiroidium Anoxiopsis 放線菌類Streptomyces clavuligerus S.lipmanii S.wadayamensis S.todorominensis S.filipinensis cephamycin
S.heteromorphus S.Panayensis S.griseus S.catt1eya Nocardia lactamdurans 他の細菌類Flavobacterium sp.Alcaligenes denitrificans Mycoplana bullata Providencia rettgeri Lysobacter lactamgenus 前記リストの微生物のエキスパンダーゼ及びヒドロキシ
ラーゼは更に検査する必要のある潜在的な酵素にすぎ
ず、これらの総てが本発明の新規の方法に適していると
は限らない。エキスパンダーゼ活性をコードするDNAフラグメント
の単離 前述の方法で所望のエキスパンダーゼ酵素の存在が検出
されれば、エキスパンダーゼ活性をコードするDNAを
単離する方法も簡単であり当業者には良く知られてい
る。エキスパンダーゼ酵素をコードする遺伝子の既知の
配列及び部分配列に基づいて、単離すべき所望の酵素コ
ードDNAにハイブリダイズするDNAプローブを構成
する。この種のプローブの構成は、エキスパンダーゼ酵
素をコードするアミノ酸及びヌクレオチド塩基配列に関
する知識と、特定の関連微生物の優先コドン(codo
n preferences)とに基づく。Strep
tomyces clavuligerus ATCC
27064のゲノムDNAに適用されるこの種の典型
的方法は後で詳述する。エキスパンダーゼ酵素活性をコ
ードするDNAの単離は、組換えDNA技術で良く知ら
れている制限及び連結方法を用いて達成される。適当な
制限フラグメントを形成し且つ単離できるように、当該
微生物のゲノムのエンドヌクレアーゼ制限地図を有する
ことが必要である。S.clavuligerus及び
C.acremoniumの制限地図は既に入手可能で
ある。例えば、前者の場合には、制限酵素Bam HI
及びSal Iを使用し電気泳動を行えば、所望の1.
8〜2.2kbの大きさのフラグメントが得られる。アセチルトランスフェラーゼ酵素の由来源及び前記活性
をコードするDNAフラグメントの単離 C.acremonium DACアセチルトランスフ
ェラーゼ遺伝子のクローニングは、当業者に公知の組換
え技術を用いて実施し得る。ここで、前記組換え技術の
一般論を説明する。アセチルトランスフェラーゼ遺伝子
をクローニングするためには、アセチルセファロスポラ
ン酸(DAC)をセファロポスポリンCに変換する能力
がないC.acremoniumの突然変異体を最初に
形成しなければならない。このようなプロセスでは、
C.acremonium細胞をN−ニトロソグアニジ
ン(NTG)、亜硝酸又は紫外線のような突然変異誘発
物質の作用にかけ、適当な増殖培地で回収し、次いで例
えばクロマトグラフィーもしくは生物学的手段によって
DACの蓄積をアッセイする必要がある。適当な突然変
異誘発物質が同定されたら、アセチルトランスフェラー
ゼをコードする遺伝子の同定における次のステップとし
て、セファロスポリンC産生株からC.acremon
ium DNAを単離する。制限エンドヌクレアーゼで
の消化又は機械的せん断により適当な大きさのフラグメ
ントに開裂した後、プラスミド又はコスミドに組み込
む。形質転換ベクターは、ハイグロマイシン又はフレオ
マイシン耐性に対するような適当な優性マーカー遺伝子
をも含む。このベクターは、次の挿入DNAの回収を容
易にするために、DNA配列も含んでいなければならな
い。例えば、クローニングしたDNAを、十分に確立さ
れた方法によって実施できるin vitroパッケー
ジング及びそれに次ぐ大腸菌(E.coli)感染によ
って回収せしめるラムダ(ファージ)cos部位であ
る。次いで、ゲノムDNAのランダムフラグメントを含
むベクターと抗生物質耐性に基づいて選択した形質転換
体とを用いてアセチルトランスフェラーゼマイナス突然
変異株のプロトプラストを形質転換する。次いで、得ら
れた形質転換体をセファロスポリンC産生の回復につい
て分析し得る。この回復は、ベクターに含まれているア
セチルトランスフェラーゼ遺伝子による相補が功を奏し
たことを示すものである。次いで、前記遺伝子のクロー
ニングしたコピーを有している疑いのある突然変異体を
増殖し、そのDNAを単離し、ベクターDNAを前述の
方法で回収し得る。ベクターが実際にアセチルトランス
フェラーゼ遺伝子を含んでいるかどうかの確認は、標準
的な方法と容易に入手できるベクターとを用いて大腸菌
にサブクローニングし、次いでアセチルトランスフェラ
ーゼマイナス突然変異体を再度形質転換することにより
得られる。その後遺伝子を単離し、配列決定し、分子遺
伝学で一般的に使用されている方法を用いて実施例に記
載のように操作し得る。やはり当業者に公知の別の方法
で、Matsudaらは、C.acremonium
アセチルトランスフェラーゼ活性をコードする遺伝子を
単離し、その配列決定を行うと共に、EP−S−0 4
50 758号に記載のように前記酵素自体の推定され
るアミノ酸配列も決定した。これらの別の方法は、アセ
チルトランスフェラーゼ酵素の単離と、N末端アミノ酸
配列の決定と、この情報に基づいて前記酵素のこの部分
をコードするヌクレオチド配列を推定する操作とを含
む。この情報からは、完全なコード配列とハイブリダイ
ズしてその単離を可能にするプローブが形成される。Penicillium chrysogenum株の
形質転換 エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ、エキスパンダー
ゼ及びヒドロキシラーゼ、並びにアセチルトランスフェ
ラーゼの活性をコードするDNAフラグメントが得られ
たら、これらのフラグメントを、プロモーターと、翻訳
活性化配列と、耐性マーカーと、調節配列と、コスミド
形成物質(cosmid former)と、形質転換
を生起もしくは促進し、遺伝子産物の発現を誘起し、且
つ形質転換体の単離を容易にする他の任意のDNA配列
とを含むDNAフラグメントと共に、プラスミド又は他
の発現ベクターに挿入(連結)する。次いで、このよう
にして構成した発現ベクターを用いてPenicill
ium chrysogenum株の形質転換と、エキ
スパンダーゼ/ヒドロキジラーゼ、エキスパンダーゼ及
びヒドロキシラーゼ、並びにアセチルトランスフェラー
ゼ酵素の活性の細胞内発現とを行う。形質転換及び発現
の実施に使用される技術は当業者には公知であり、その
典型を後で説明する。既述のように、形質転換したPe
nicillium chrysogenum株は、エ
キスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ、エキスパンダーゼ
及びヒドロキシラーゼ、並びにアセチルトランスフェラ
ーゼ酵素の活性を細胞内で発現し、その結果これらの酵
素がそれぞれその場でアジポイル−6−APA基質に作
用して環拡張によりアジポイル−7−ADCAに変換
し、これをヒドロキシル化してアジポイル−7−ADA
Cに変換する。これは更にアセチル化されてアジポイル
−7−ACAとなる。新規形質転換体 本発明の好ましい実施態様であるエキスパンダーゼ/ヒ
ドロキシラーゼ及びエキスパンダーゼ/ヒドロキシラー
ゼプラスアセチル基転移酵素遺伝子によりコード化され
る活性を発現する特異Penicilliumchry
sogenum形質転換体は、Cantwellら、
(1990)Current Genetics
,213〜221,EP−A−0 281 391号
及びEP−A−0 437 378号のような、先行技
術の同様な構築に関して新規である。Cantwell
構築はP.chrysogenumイソペニシリンN合
成酵素(IPNS)プロモーターの制御下に置かれる
treptomyces clavnligerus
キスパンダーゼ遺伝子を有し、それによりヒドロキシラ
ーゼ又はアセチル基転移酵素活性をコード化するDNA
を欠く本発明の場合の構築物とは異なる。EP−A−0
281 391号でIngollaらは、Penic
illinm IPNSプロモーターにより推進される
発現を有するC.acromoniumエキスパンダー
ゼ/ヒドロキシラーゼ二価性酵素をコード化するDNA
を含有するP.chrysogenum形質転換ベクタ
ーついて記載している。これらの構築の1つ(pPS6
2)では、エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子
はハイグロマイシン燐酸基転移酵素遺伝子の下流でその
枠の中で融合される。遺伝子産生物であるハイグロマイ
シン燐酸基転移酵素::エキスパンダーゼ/ヒドロキラ
ーゼ融合蛋白質は、本発明の産生物、即ち、基本的に
C.acremoniumに産生されるのと同じエキス
パンダーゼ/ヒドロキシラーゼ酵素とは異なる。EP−
A−0 281 391号に記載されたその他のベクタ
ーは合成DNAリンカーの使用を含めて、広範な系統の
モレキュラーマニピュレーションを介して構築された。
最終構築(pPS61)は、エキスパンダーゼ/ヒドロ
キシラーゼ遺伝子を発現するPenicillium
IPNSプロモーター及びAspergillus n
idulansアセトアミダーゼの1.2kb Nco
IフラグメントをPenicilliumの形質転移の
ための選択マーカーとして利用する。アルギニンとロイ
シンをそれぞれコード化するエキスパンダーゼ/ヒドロ
キシラーゼ中のコドン9及び10の配列をCGTCTC
からCGCCTAに変え、それはコード化したアミノ酸
配列を変えない。本発明の構築では、1.2kb Nc
oI IPNSプロモーターフラグメントをエキスパン
ダーゼ/ヒドロキラーゼ遺伝子配列を、生エキスパンダ
ーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子配列を変更することなく
エキスパンダーゼ/ヒドロキシラゼ遺伝子に融合した。
本発明構築に使用したIPNSプロモーターは、生プロ
モーターに関して2個の四塩基複製を有し、1つはAT
Gスタートコドンの760bp上流のSalI部位にあ
り、他の1つはスタートコドンの5個の塩基対上流のX
balI部位において、5′未翻訳配列以内ある。これ
らの変化はエキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子
の高水準発現に影響しない。ベクターのもう1つの相違
は使用される選択マーカーにある。EP−A−O281
391号に記載の構築物は選択マーカーとしてアセト
アミダーゼとハイグロマイシンを使用する。これは、フ
レオマイシン耐性マーカーを含有する、本発明に利用さ
れるエキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼPenici
llium形質転換ベクター(pPEN/ CPH−
1)とは著しく違っている。ベクターpPEN/CEP
H−1を用いて形質転換され、エキスパンダーゼ/ヒド
ロキラーゼ活性を発現できるPenicillium
chrysogenum株はPC200として確認され
ている。その分類学的特徴としては広く拡がる集落の産
生が揚げられるのが典型的で、色が青緑色〜緑色、黄色
の滴を有する滑かなビロード状、寒天中に拡散する黄色
裏面、すべての部分が滑かな枝を有する分生子頭、長さ
3〜4μmの長円形〜ほぼ球形の分生子である。P.c
hrysogenumに受け入れられる培養条件は、乳
糖、一水和物1.5%(w/v)、コーンスティープリ
カー0.5%(v/v)、ヘプトン0.5%(w/v)
NaCl0.4%(w/v)、MgSO−7H
0.05%(w/v)、KHPO 0.06%(w
/v)、FeCl−6HO 0.0005%(w/
v)、CuSO−5HO 0.0002%(w/
v)、寒天3.0(w/v)を1lの蒸留水中に含む固
体培地pH4.8を利用する。前記したPC200と称
するP.chrysogenumは受託番号ATCC
74186号(寄託日付:1922年9月23日)とし
てAmerican Type Culture Co
llection(ATCC)、12301 Park
lawn Drive,Rockville,Mary
land 20852に寄託されている。アジポイル−
7−ACAを産生できる、本発明の第2の新規なPen
icillium Chrysogenum形質転換体
は、エキスパンダーゼ/ヒドロキラーゼとアセチル基転
移酵素の両酵素をコード化するDNAを含む単一ベクタ
ー(pTS−8)を用いて形質転換されたために、エキ
スパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ及びアセチル基転移酵
素活性を両方共発現する。従って、このベクターは、
C.acremoniumアセチル基転移酵素単独か、
又は突然変異体エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼポ
リペプチドをコード化するDNA配列と一緒のいずれか
をコード化するDNAを含む、EP−A−O 437
378号に記載されたPenicillium形質転換
ベクターとは異なる。pTS−8構築では、エキスパン
ダーゼ/ヒドロキシラーゼ及びアセチル基転移酵素遺伝
子の発現は、それぞれP.chrysogenum
PNSプロモーターの別々の複写により推進される。I
PNSプロモーターの第3の複写は選択マーカーとして
使用されるフレオマイシン耐性遺伝子の転写を推進する
ために使用される。本発明の代りの実施態様では、エキ
スパンダーゼ/ヒドロキシラーゼとアセチル基転移酵素
は別々のベクターに組み入れられ連鎖様式で宿生Pen
icillium株に導入される。エキスパンダーゼ/
ヒドロキシラーゼ及びアセチル基転移酵素活性をコード
化するDNAフラグメントがPenicillium
に導入される順序は実際的観点からでしか重要でない。
好ましくは、エキスパンダーゼ/ヒドロキラーゼ遺伝子
を用いるPenicilliumの形質転換はアセチル
基転移酵素の挿入に先行しなければならない。なぜなら
ばこれは酵素が生体内で活動する順序であるからであ
る。従って、エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼの発
現はアジポイル−7−ADAC産生を検定することによ
り監視することができる。アジポイル−7−ADACは
アセチル基転移酵素の基質であるから、逐次導入される
アセチル基転移酵素コード化遺伝子の発現はアジポイル
−7−ACAの産生により示される。アセチル基転移酵
素に対する適当なインビトロ検定を使用して、先ずアセ
チル基転移酵素を用いてPenicilliumを形質
転換し、インビトロ検定を使用してその発現を確かめ、
次いでエキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子の導
入に移ることが可能である。従っていずれの経路も7−
ACAを製造するための本発明方法の適当な実施態様で
ある得る。しかしながら、好ましい実施態様には、C.
acremoniumのエキスパンダーゼ/ヒドロキシ
ラーゼ及びアセチル基転移酵素活性をコード化するDN
Aを含む単独のプラスミドベクターの構築を介して同時
に導入される3つの酵素活性を全部有する。このような
単一プラスミドベクターであるベクターpTS−8を用
いて形質転換され、かつエキスパンダーゼ/ヒドロキシ
ラーゼ及びアセチル基転移酵素活性を発現できるPen
icillium chryogenum株はPC30
0と同定されている。その類学的特徴はPC200につ
いて前記に詳しく記載したものと同じである。PC30
0について受け入れ得る培養条件はPC200について
前記に詳しく記載したものと同じである。PC300と
称されるP.chrysogenum株は受託番号AT
CC 74187号(寄託日付:1992年9月23
日)として、American Type Cultu
re Collection(ATCC),12301
Parklawn Drive,Rockvill
e,Maryland 20852に寄託されている。
本発明の好ましい実施態様であるS.clavnlig
erusエキスパンダーゼ遺伝子の活性を発現するベク
ターpPen FTSOを用いて形質転換された特異
enicillium chrysogenumは、C
antwellら(1990)Current Gen
etic,17,213〜221のような先行技術の構
築に関しては新規である。両方の構築では共に、インビ
トロ突然変異生成を使用してプロモーターをエキスパン
ダーゼ遺伝子に接続する。Cantwell構築では、
XbaI/NdeIリンカーによりIPNSプロモータ
ーの3′末端のXbaI部位に連結されるエキスパンダ
ーゼ遺伝子のATGのNdeI部位を操作により導入す
る。本発明の構築では、NcoI部位をエキスパンダー
ゼ遺伝子のATGに作り出して、IPNSリンカーの
3′末端のNcoI部位に連結する。これによりこれら
の構築の中のプロモーター遺伝子連結部の周辺に次の配
列を作り出す。 XbaI NcoI IPNSプロモーター 5′ TCTAGACACCATGG 3′ 配列番号1Strep エキスパンダーゼ 5′ GTGAGAGTTGATGGAC 3 ′ 配列番号2 Cantwell 5′ TCTAGACACATGGAC 3 ′ 配列番号3 本発明 5′ TCTAGACACATGGAC 3 ′配列番号4 Cantwell構築ではCをTで置き換えるが、本発
明の構築物ではCは保留される。このようにATGスタ
ートコドンに直接隣接するIPNSプロモーターの配列
は、天然産1PNS遺伝子について見出される配列と正
確に合致する。先行技術のプロモーターは単一ヌクレオ
チド塩基1つしか違わないけれども、翻訳効率の効率低
下をもたらし、従ってエキスパンダーゼ遺伝子発現を低
水準にすることがあり得る。他の相違は構築に包含され
るプロモーター又は遺伝子の領域にある。Cantwe
ll構築はIPNSプロモーターの5′BamHI〜X
baI3′領域を含有するが、本発明のベクターはプロ
モーターの5′NcoI〜NcoI3′領域を含有する
[Diezら、(1990),J.Biol.Che
m.265,16358〜16365]。これによりC
antwell構築のIPNSプロモーターの5′末端
に約250bpSの追加をもたらす。しかしながら、こ
の領域はIPNS遺伝子の上流のACV合成酵素遺伝子
の開いた読み取枠(open reading fra
me)にある。Cantwell構築は遺伝子のATG
からBamHIまでの部位3′のStreptomyc
es遺伝子をも含有するが、本発明のベクターは遺伝子
のATG/SAlI部位3′を含有する[Kovace
vic ら(1989),J.Bacteriol.
171,754〜760]。このためCantwell
構築上の追加3′末端配列の大体1000bpsに生じ
る。本発明の構築にはATGのBamHI部位5′まで
エキスパンダーゼ遺伝子の上流領域をやはり含有する。
しかしながら、IPNSプロモーターによりエキスパン
ダーゼ遺伝子の読み取枠から分離される。先行技術に記
載されているものとに関する本発明のpPen FTS
O構築物のもう1つの相違は、使用される選択マーカー
に関する。PenicilliumIPNSプロモータ
ー:フレオマイシン遺伝子融合を本発明の構築物に使用
することにより、多数複写の組込み又は高水準の発現を
許容する遺伝子座における組込みを選ぶ傾向となり、こ
のようにしてエキスパンダーゼを高水準で発現する形質
転換体の百分率を潜在的に更に高くし得る。アジポイル側鎖の開裂 本発明の新規バイオプロセスの最後のステップはアジポ
イル−7−ADAC又はアジポイル−7−ACAからア
ジポイル側鎖を開裂することであって、それはアジポイ
ルアミダーゼ酵素を用いて先行ステップの産生物を処理
することを要する。前記に既に示したように、本発明の
重要な成果の1つはアジポイル−7−ADAC及びアジ
ポイル−7−ACAの形成をもたらすステップのすべて
を単独の発酵培養で行うことができることである。この
成果によりプロセスのステップごとに中間生成物を単離
して部分的に精製する必要がなくなって抜群の効率の向
上をもたらす。しかしながら、この最終のステップでは
アジポイルアミダーゼ酵素系は存在しない。即ち、P.
chrysogenumの遺伝子の天然又は組換え発現
のいずれによっても元来の発酵培養ではその場では形成
されていない。本発明の新規バイオプロセスをバッチ式
に行う場合には、第1ステップの産生物を単離して部分
的に精製することが必要となり、これを行うため予備的
操作は既に前記した。それにもかかわらず、本発明の方
法は、アジポイルアミダーゼをアジポイル−7−ADA
C又はアジポイル−7−ACAと効果的に接触させ、そ
の結果その化合物の7−ADAC又は7−ACAへの酵
素的変換を起すことができる方法により行い得る。これ
はもっとも広い意味の用語「接触」の定義である。粗製
のアジポイル−7−ADAC又はアジポイル−7−AC
Aの無細胞ブイヨンを原料流として使用し、それを粗製
アジポイルアミダーゼブイヨンを用いてバッチ方式で処
理することが可能である。この処理方法は初めに反応物
の実質的な精製を必要としないため、それにより若干の
効率が得られる。変更が可能であるのは当然である。た
とえば、反応物を相互に接触する前に所望のどんな程度
にでも精製し得る。同様に、バッチ式よりも連続式に方
法を行うことも可能である。反応物自体の接触はプロセ
ス工学の進歩に合わせて種々の方法で変更し得る。それ
で、たとえばアジポイルアシラーゼを含有するカラムの
形で固定化酵素を使用し、アジポイル−7−ADAC又
はアジポイル−7−ACAをカラムを通過させ得る。固
定化酵素は懸濁液としてアジポイル−7−ADAC又は
アジポイル−7−ACA溶液に添加もし得る。このよう
な固定化酵素系は容易な酵素回収と多重使用の利点を提
供する。このようなプロセス工学のもう1つの例は膜反
応器に関するものである。反応物を接触させる好ましい
方法は固定化酵素カラムを用いる。開裂ステップに有用なアジポイルアミダーゼ酵素 アジポイル側鎖に対する特異性の知られている酵素が多
数存在する。RAEVCorp.から市販品を入手し得
るアジポイルアミダーゼを用いて得た結果を実施例とし
て更に下記に詳細に示す。セファロスポリン型分子から
アジポイル側鎖を除去する7個の他の酵素が文献に報告
されている。これらの7個の酵素の中6個はPseud
omonas種に由来し、7番目はBacillus
に由来する。若干の類似性が緑膿菌類似菌酵素のあるも
のの間存在するが、7個全部がそれらの物理的/生物学
的性質においてある程度異なる。それらの特性のいくつ
かを下記にまとめて示す。 前記アジポイルアミダーゼ酵素の全部が本発明の新規バ
イオプロセスに有用である。本発明の方法に有用な他の
アジポイルアミダーゼは、作動しなければならない実際
の基質であるアジポイル−7−ACA及びアジポイル−
7−ADACに対して候補酵素を試験することにより容
易に発見し得る。肯定的な結果は候補酵素が本発明方法
に本当に有用であることを決定する信頼性と再現性のあ
る方法をもたらす。基質は、Szewczuk及びWe
llman−BednawskaによりClin.Ch
im.Acta(1978)84,19〜26に報告さ
れた操作の変更を使用して無水アジピン酸と7−ACA
の反応により製造することができる。Agric,Bi
ol,Chem.(1981)45(7),1561〜
1567に記載された方法を修正させることも可能であ
り、これはグルタリル−7−ACAお製造するための方
法である。無水アジピン酸はJ.Macrcmol.S
ci.Chem(1990)A27,397〜412に
記載されたAlbertson及びLundmarkの
方法により製造し得る。7−ACAはSigma Ch
emical Co.を含めて数個所の販売元から入手
しる。迅速な比色方法を使用して候補酵素の大まかな選
別を行うことが望ましい場合は、アジポイル−PABA
(p−アミノ安息香酸)又はアジポイル−pNA(p−
ニトロアニリン)のような比色基質をアジポイル−7−
ACAの代りに置き換え得る。このような方法はSze
wczukら、Clinica Chimica Ac
ta84(1978)19〜26のγ−グルタミンP
ABAに対する記載から修正させ得る。側鎖の開裂によ
り発色種が得られ、その存在と濃度が比色計を使用して
容易に決定される。これら及び他の適当な比色方法に開
する更に詳細な知見は、Merelli,L.P.(1
968)J.Pharm.Sci.57:2172〜2
173;Szasz,G.(1969)Clin.Ch
om.15:124〜136;Szewczuk,A.
ら(1980)Anal.Bichem.103:16
6〜169;及びReyes,F.ら(1989)J.
Pharmacol,41;136〜137を参照され
たい。前記表に示したacyIIの大きいサブユニット
を有するRAEV酵素とGK16酵素のN−末端アミノ
酸配列を比較した。比較の結果を下記に示す(括弧は決
定的指定に至らないことを示す。 RAEV一配列番号:5 (S)N(S)(G)AVAPGKTANGNAL(L)LQN(P) GK16 −配列番号:6 S N S W AVAPGKTANGNAL L LQN P acyII−配列番号:7 s N N W AVAPGRTATGRPI L AGD P 表示の配列から、これらのペプチドの3個すべてが関連
していることは明らかである。しかしながら、前記に示
したのと同様なN−末端配列を有する蛋白質は、Art
hrobacterの菌株により産生されるペニシリン
Gアシラーゼについて事実であるように、アジポイルア
ミダーゼ活性を必ずしも有しない。他方で、前記N−末
端配列に重要な相同を示さない、本発明方法で有用なア
ジポイルアミダーゼが存在する。たとえば前記表に示さ
れた旭acyI及び藤沢B.laterosporou
J1シラーゼは若干のアジポイル−7−ACAアシ
ラ−ゼ活性を有することが示されているが、前記に示し
たその他の酵素と配列相同を共有しない。従って、新規
パイオプロセスの最後のステップで有用なアジポイルア
ミダーゼに関する本発明の範囲は、候補酵素がアジポイ
ル−7−ACAからアジポイル側鎖を開裂できるか又は
できないかにより決定され、前記説明のように容易で確
実に決定し得る事柄である。
【実施例】本発明の好ましい実施態様を以下に詳述する
が、これらは例示しただけであり、本発明のいかなる限
定をも意図するものではない。実施例1 Penicillium chrysogenumの培
養条件 本方法で使うPenicillium chrysog
enum株は、ラクトース(一水和物)1.5%(w/
v)、コーンスティープリカー0.5%(v/v)、ペ
プトン0.5%(w/v)、NaCl 0.4%(w/
v)、MgSO−7HO 0.05%(w/v)、
KHPO 0.06%(w/v)、FeCl−6
O 0.0005%(w/v)、CuSO−5H
O 0.0002%(w/v)、寒天3.0%(w/
v)、1lの蒸留水pH4.8から成るLCSB培地を
含むプレート上で維持した。25℃、相対湿度65%で
12日後、単コロニーをガラスビーズの入ったねじ付管
に移し2mLの蒸留水を加えた。うず巻撹拌により培養
増殖物を懸濁した後、懸濁液をライスフラスコ(ric
e flask)の接種に使った。ライスフラスコは2
50mLフラスコ中に25gのアンクルベン変換ライス
(UncleBen′s converted ric
e)を含んでいた。かかるライスは天然の長い穀物で、
3〜4容量倍の蒸留水で7分間、30分毎に混合して洗
浄し、次いでライス中への水の取り込みが約25%にな
るように水を排出した。25℃、相対湿度65%で12
日後に、ライスからの胞子は50mLの無菌水で洗浄し
た。胞子懸濁液は、液体培地に接種するのに使い、4℃
で保存するために凍結乾燥にも使われた。胞子を等容量
の5%脱脂乳に加え、殺菌アンプル中で凍結乾燥した。
振盪フラスコ中の株の二段階発酵によりペニシリンの生
産又はRNAあるいはDNA源としての菌糸体の生産を
行なった。種段階は、500mLフラスコ中の次の組成
の培地50mLに1×10個の胞子を加えて開始し
た。培地の組成は、グルコース3.0%(w/v)、フ
ァーマメディア1.0%(w/v)、コーンスティープ
リカー3.0%(v/v)、硫酸アンモニウム0.2%
(w/v)、CaCO0.5%(w/v)、無水リン
酸モノカリウム0.05%(w/v)、ラクトース1.
0%(w/v)、一次ドライイースト1.0%(w/
v)の1l蒸留水溶液であった。インキュベーション
は、25℃、相対湿度65%で、70mm直径の振幅、
220rpmの回転シェーカーにて行った。48時間イ
ンキュベーションした後、生産段階は500mLフラス
コ中の次の組成の培地35mLに増殖期の種を2mL移
すことにより開始した。培地の組成は、KHPO
0.05%(w/v)、KSO 0.5%(w/
v)、(NHSO 1.0%(w/v)、ラク
トース 12.0%(w/v)、ファーマメディア2.
75%(w/v)、CaCO(沈殿性)1.0%(w
/v)、ラード油1.0%(v/v)の1l蒸留水溶液
(pH6.6)であった。オートクレーブにかけた後、
しかし接種に先立って、無菌のアジピン酸ナトリウム2
5%溶液(pH6.6)を、最終のアジピン酸ナトリウ
ムの濃度が2.5%になるように加えた。接種にひきつ
づき、インキュベーションを、種段階と同じ条件下で5
〜7日間継続した。菌糸体が形質転換のためあるいはD
NA源としてプロトプラストを発生させる必要があると
きは、株を250mLフラスコ中の次の組成の完全培地
(CM)50mLにて生育させた。培地の組成は20X
クラッターバックの塩(Clutterbuck′s
salts)50mL(120g NaNO、1
0.4g KCl、10.4g MgSO−7H
O、30.4g KHPO)、2.0mLフォー
ゲルの微量元素(Vogel′s Trace Ele
ments)(0.3Mクエン酸、0.2M ZnSO
、25mM Fe(NH(SO−6H
O、10mM CuSO、3mM MnSO 8m
Mホウ酸、2mM NaMoO−2HO)、5g
トリプトン、5gイースト抽出物、10gグルコースの
1l蒸留水溶液であった。インキュベーションは、25
℃、220rpmの回転シェーカーで行なった。実施例2 Cephalosporium acremonium
の培養条件C.acremonium 株は次の組成の完全培地を含
む斜面培地上で維持した。培地はシュークロース20
g、寒天20g、ペプトン4g、イースト抽出物4g、
NaNO 3g、KHPO 0.5g、KHP
0.5g、KCl 0.5g、MgSO/7H
O 0.5g、FeSO/7HO0.01gの1
l蒸留水溶液(pH6.6)であった。28℃、相対湿
度66%で10日間生育させた後、6mlの殺菌水を斜
面培地に加え、培養増殖物を寒天表面からはがした。得
られた懸濁液をガラスビーズの入った無菌のねじ付管に
移した。数分間、培養増殖物をうず巻き撹拌により懸濁
した後、得られた懸濁液の3.5mlを液体培地に接種
した。この懸濁液は4℃での保存のため凍結乾燥にも使
われた。培養増殖物の懸濁液は、遠心分離し、ペレット
は5%脱脂乳に再び懸濁し、そしてその一部を無菌のア
ンプル中で凍結乾燥した。振盪フラスコ中の株の二段階
発酵により、セファロスポリンの生産又はDNA及びR
NA源としての菌糸体の生産を行なった。種段階は、1
5mlの次の組成の培地を有する250mlフラスコに
接種することにより開始した。培地の組成は、グルコー
ス5g、シュークロース40g、コーンスーチ30g、
ビート糖蜜50g、大豆ミール65g、CaSO/2
O 15.8g、酢酸アンモニウム8g、CaCO
(沈殿性)5g、(NHSO 7.5g、M
gSO/7HO 3.5g、KHPO1g、大
豆油フラスコ当り0.15mlの1l蒸留水溶液(pH
6.2)であった。インキュベーションは25℃、相対
湿度65%で、70mm直径の振幅、220rpmの回
転シェーカーにて行なった。96時間インキュベーショ
ンの後、生産段階を、上記培地の新しい15mlを含む
250mlフラスコに増殖期の種2mlを移すことによ
り開始した。インキュベーションは、同条件で更に96
時間継続した。菌糸体が形質転換のためのDNA源とし
て必要な時は、株は500mlフラスコ中の次の組成の
完全培地100mlで生育させた。培地の組成はグリセ
リン20g、ペプトン4g、イースト抽出物4g、KH
PO 0.5g、KHPO 0.5g、KCl
0.5g、MgSO/7HO 1g、NaNO
3g、FeSO/7HO 0.01gの1l蒸留水
溶液であった。インキュベーションは、30℃で回転シ
ェーカー(200rpm)にて行なった。実施例3 Penicillium 及びCephalospori
umのゲノムDNA及び全RNAの分離 上記で調製した48時間培養物からの増殖期菌糸体増殖
物をチーズクロスを通し濾過することにより集め、液体
窒素中で凍結し、一夜凍結乾燥した。乾燥菌糸体を、乳
鉢と乳棒により砂と共にすりつぶし、100mM Li
cl、50mMEDTA、10mMトリス pH8.
0、4%SDS溶液25mL中に再懸濁した。懸濁液を
60℃水浴中で50−55℃に加熱後、混合物を最初に
1Mトリス(pH8)飽和フェノールで、次いでトリス
飽和フェノール:クロロホルム(1:1、v/v)で、
そしてクロロホルムで抽出した。等容量の冷6M Li
Clを加え、次いで混合物を−20℃に2〜3時間保
ち、RNAを水相から沈殿させた。12000×g、4
℃で20分間遠心分離した後、上澄を66%(v/v)
エタノール溶液にし、−20℃で15分間冷却しDNA
を沈殿させた。上記のように遠心分離後、DNAペレッ
トを70%エタノールで洗浄し乾燥後、TEバッファー
(10mMトリス−塩酸、pH7.5、1mM EDT
A)中に再度懸濁した。DNA濃度はアガロースゲル電
気泳動においてエチジウムブロミドで染色することによ
り、濃度既知のDNA標準液と比較して決定した。RN
Aの抽出のため、上記実施例1及び2に記載のように
enicillium chrysogenum及び
ephalosporium acremonium
培養を醗酵培地35mL(醗酵条件は既に記述した)、
25℃にて220rpmの回転シェーカーにおいて96
時間行なった。菌糸体は減圧下でワットマン#1フィル
ターにより濾過して集め、約50mLの水で洗った。菌
糸体は、すぐにフィルターからはがしとり、ブレーキン
グバッファー(breaking buffer)(5
0mMトリス−塩酸pH7.4、150mM NaC
l、5mM EDTA pH8.0、5% SDS)5
mL中に再懸濁し、液体窒素で凍結し、凍結乾燥した。
一夜の凍結乾燥後、0.1%DEPCを含有する水5m
L及び1Mトリス(pH8)飽和フェノール:クロロホ
ルム:イソアミルアルコール(50:50:1)の5m
Lを加え、混合物を37℃で20分間振りながらとかし
た。混合物を、4℃で12000×g 10分間遠心分
離し、水層を取り、最初に1Mトリス(pH8)飽和フ
ェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(5
0:50:1)で、二番目に1Mトリス(pH8)飽和
フェノールで、三番目にクロロホルムで再抽出した。等
容量の6M LiClを最後の水層に加え、溶液を−2
0℃で4時間以上静置する。全RNAは4℃、12,0
00×g、20分間でペレット化し、ペレットはTEバ
ッファー0.3mL+3M酢酸ナトリウム0.03mL
中に再溶解し、2.5倍容のエタノールを加えRNAを
再沈殿させた。最後のペレットをTEバッファー0.1
mLに溶解し、RNA濃度を260nmの吸光度から分
光光学的に決定した。実施例4 Cephalosporium acremonium
遺伝子ライブラリーの構築及びC.acremoniu
エキスパンダーゼ(Expandase)/ヒドロキ
シラーゼそしてアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の分
C.acremonium エキスパンダーゼ/ヒドロキ
シラーゼ遺伝子の分離C.acremonium ゲノムDNAをSau3AI
で部分消化し、10−20kbの平均フラグメントサイ
ズにして、このサイズ範囲のものを消化物の5−20%
NaCl密度勾配遠心分離により濃縮した。λ2001
ベクターのBamHI部位とライゲーションすること、
ギガパック(stratagene)を使いファージ粒
子中にパッケージングすること及びE.coliを感染
することによりC.acremoniumゲノムDNA
ライブラリーを作るためにサイズ分取DNAを使った。
得られたプラークは、ニトロセルロースに移し、エキス
パンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子の公知の配列(S
amson et al.,1987)の3′末端に対
して相補的なオリゴヌクレオシドプローブに対するハイ
ブリッド形成によりスクリーニングした。プローブは、
T4ポリヌクレオシドキナーゼを使い、[τ−32P]
ATPで末端ラベルした。陽性のクローンを分離し、制
限エンドヌクレアーゼ部位をマップし、遺伝子の配向
を、遺伝子の5′末端に相補的な配列をもつ上記オリゴ
ヌクレオシド及び他のヌクレオシドに対するサザンブロ
ットハイブリッド形成法により確定した。C.acremoniumアセチルトランスフェラーゼ
遺伝子の分離 下記実施例11および12で記載のベクター構築のため
にアセチルトランスフェラーゼ遺伝子を分離するのに使
った方法ではないが、次の方法は最近公知になったDN
A配列を使用し、通常の熟練者であれば使用しえた。上
記で構築されたC.acremoniumゲノムライブ
ラリーから、アセチルトランスフェラーゼ配列に相補的
な合成オリゴヌクレオシドプローブに対してハイブリッ
ド形成をするアセチルトランスフェラーゼ遺伝子をコー
ド化するクローンを選ぶ。このことはMatsuda
et al.,Biochem.Biophys.Re
s.Res.Commun.,182巻、995−10
01頁(1992)に記載されている。実施例5 Streptomyces clavuligerus
の培養条件 これらの方法で使ったStreptomyces cl
avuligerus株はATCC 27064であっ
た。この株は、イースト抽出物4g、モルト抽出物10
g、グルコース4g、寒天20g、1lの蒸留水より成
るpH7.2の平板培地上で維持した。30℃で5日間
増殖させた後、平板培地に2mLの無菌水を加え、そし
て培養増殖物を寒天表面からはがしとった。得られた懸
濁液をガラスビーズを入れた無菌のねじ付管に移した。
うず巻き撹拌により培養増殖物を懸濁後、懸濁液は液体
培地に接種するのに使用した。懸濁液は、グリセリンを
最終容量の15%になるように加え−70℃での長期の
保存にも使用した。菌糸体が、形質転換のためあるいは
DNA源のためクロロプラストを発生する必要がある場
合には、その株は1lフラスコ中の次の組成から成るY
EME培地200mLにて生育させた。培地の組成は、
イースト抽出物3g、ペプトン5g、モルト抽出物3
g、グルコース10g、シュークロース340g、Mg
Cl−6HO 1.02g、グリシン5g、寒天1
8g、1lの蒸留水であった。インキュベーションは2
8℃、220rpmの回転シェーカーでおこなった。実施例6 Streptomyces ゲノムDNAの分離 上記のように調製した48時間培養の増殖増殖物を22
100×g、10分間の遠心分離により集めた。その細
胞はTEバッファー10mL中に再懸濁し、リゾチーム
10mgを加え、その混合物を30℃で15分間インキ
ュベートした。そして20%sDs 1mLを加え、す
ぐにTE(pH8)飽和フェノール10mL及び5M
NaCl 1.5mLを加えた後、混合物を20分間ゆ
るやかに転倒撹拌した。12000×gで10分間の遠
心分離により相分離し、その後水層を取り新しい管に移
した。等容量のクロロホルムを加え、混合物を10分間
ゆるやかに転倒撹拌した。再び12000×gで10分
間の遠心分離により相分離し、水層を取り、新しい管に
再度移した。2倍容のイソプロパノールを注意深く加
え、沈殿したDNAを巻き取り、最少量のTEバッファ
ーに再溶解した。RNAseAを最終濃度20μg/m
Lになるように加え、溶液を50℃で1時間インキュベ
ートした。次いで、100mM NaCl及び0.4%
SDSと共にプロテアーゼKを最終濃度100μg/m
Lになるように加え、そして混合物を37℃で1時間イ
ンキュベートした。溶液を、再び等容量のTE(pH
8)飽和フェノールで抽出し、次いでクロロホルムで抽
出した。2倍容のイソプロパノールを加えた後、最終抽
出物からのDNAを巻き取り、濃度を260nmの吸光
度を使い分光光学的に決定した。実施例7 遺伝子ライブラリーの構築とStreptomyces
clavuligerusエキスパンダーゼ及びヒド
ロキシラーゼ遺伝子を含有するDNAフラグメントの分
S.clavuligerusエキスパンダーゼ遺伝子
の分離 前述の方法により得られたStreptomyces
clavuligerusゲノムDNAを、制限酵素B
amHI及びsalIにより消化した。消化DNAを
0.8%アガロースゲル上で電気泳動し、1.8−2.
2kbサイズのフラグメントを溶出し、以前にBamH
I及びsalIで消化されたPUC18DNAとライゲ
ーションを行なった。ライゲーション混合物の希釈液
は、エレクトロポーレーション(Gene Pulse
r, Bio−Rad, Richmond, CA)
により、コンピテントなJM109細胞を形質転換する
のに使った。コンピテントな細胞の調製及びエレクトロ
ポーレーションの条件は、製造業者の忠告に従った。形
質転換混合物はアンピシリン100μg/mL及び2%
X−Gal 75μlを含有するLB培地で平面培養し
た。37℃で一夜インキュベーションした後、組換えコ
ロニーを、プラスミドベクタ−β−ガラクトシダーゼ遺
伝子活性が不活性化されて外観が無色となることにより
同定した。無色コロニーをアンピシリン100μg/m
Lを含有する新しいLB平板培地に植えた。37℃で一
夜増殖させた後、コロニーをニトロセルロースに移し、
塩基52−918が公知のStreptomyces
clavuligerusエキスパンダーゼ遺伝子配列
[Kovacevicet al,(1989)
acteriol.171;754−760;及びIn
golia et al.U.S.5,0,70,02
0]に対応した、ポリメラーゼ連鎖反応により生産され
るプローブでハイブリッド形成を行なった。ポリメラー
ゼ連鎖反応生産物のラベリングは、(32P)dCTP
及びオリゴラベリングキットを使い、製造業者の指示書
(Pharmacia, Piscataway,Ne
w Jersey)に基づきランダムプライマー伸長反
応(random−primer extension
reaction)により行なった。ハイブリッド形
成反応は、10CPMの放射線ラベル化したプロー
ブ、30%ホルムアミド、5×SSC(0.15M N
aCl、0.015Mクエン酸ナトリウムpH7)、
0.1%SDS、5×デンハート溶液(5gフィコー
ル、5gポリビニルピロリドン、5gBsAで、これは
50×回分の500mLのため)、そして100μg/
mLのウシ胸腺DNAの存在下で37℃一夜行なった。
いくつかの形質転換物はプローブと強くハイブリッドを
形成した。1つのコロニーが、制限酵素分析により、エ
キスパンダーゼ遺伝子をはこぶベクターを含有している
ことを確認し、このプラスミドをpFTSO−1とし
た。S.clavuligerusヒドロキシラーゼ遺伝子
の分離 Streptomyces clavuligerus
ゲノムDNAをBamHIで消化し、層状遺伝子(St
ratagene)からのラムダDashIIベクター
とライゲーションをした。得られたゲノムライブラリー
を、ヒドロキシラーゼ遺伝子のために、公知の配列の最
初の30塩基と同じ配列をもつ30塩基のオリゴヌクレ
オシドとのハイブリッド形成によりスクリーニングした
(Kovacevic and Miller,199
1, Bact.,173:398)。2つの陽
性のファージクローンからのBamHI消化DNAとの
サザン法によるハイブリッド形成は予想通り6kbフラ
グメントを示し、それをサブクローン化した。このサブ
クローンは、ヒドロキシラーゼ遺伝子周辺領域に対する
公知の制限酵素地図と一致するKpnIによる消化後に
フラグメント−式を与えた。実施例8 プラスミドDNAの分離 問題のプラスミドを含有するE.coli培養菌を、1
5μg/mLのテトラサイクリンを含むLBブイヨン5
00mL(20g/IのLBブイヨンベース(Gibc
o,Paisley,Scotland))中で、22
0rpmの回転シェーカーにて、37℃で12〜16時
間増殖させた。細胞を、4℃で4000×g、10分間
の遠心分離によりペレット化した。細胞ペレットを18
mLグルコースバッファー(50mMグルコース、25
mMトリスpH8.0、10mM EDTA)中に再懸
濁し、そして2mLのリゾチーム(Sigma,st.
Louis,MO)グルコースバッファー溶液(40m
g/mL)を加え、混合し、そして混合物を室温で15
分間インキュベートした。新しく調製した0.2%Na
OH、1%SDSの溶液40mLを加え、混合物をかる
くうず巻き撹拌し、氷上に10分間置いた。次いで30
mLの5M酢酸カリウムpH4.8を加えよく混合し、
得られた混合物は更に氷上に10分間置いた。細胞の破
片を4℃、4000×g 10分間の遠心分離によりペ
レット化し、得られた上澄をチーズクロスフィルターを
通して濾過した。透明な上澄にイソプロパノール(0.
6倍容)を加え、プラスミドDNAを沈殿させ、室温で
20分間インキュベーションし、その沈殿を形成させ
た。プラスミドDNAは、4℃で4000×g 20分
間の遠心分離によりペレット化し、次いで70%エタノ
ールで洗浄し、手短に乾燥した。ペレットは9mLTE
バッファーに再懸濁し、CsCl 10g及び10mg
/Lエチジウムプロミド溶液0.387mLを加えた。
この溶液を313,100×gで24時間遠心分離し
た。得られた塩化セシウムグラジエント中のプラスミド
帯を紫外線ランプにより可視化し、分離し、次いで水飽
和ブタノールで抽出しエチジウムブロミドを除去した。
次にプラスミドプレパレーション中のCsClを、TE
バッファーに対する透析により除去し、最後にDNAを
PEG(MW 8000)を使い濃縮した。DNA濃度
は、260nmの吸光度により分光光学的に決定した。実施例9 Penicillium 形質転換ベクターpPenFT
SOの構築フレオマイシン耐性遺伝子の取り込み Penicillium 形質転換ベクターを、優性選択
マーカーとしてのフレオマイシン耐性遺伝子により構成
した。これを、最初にフレオマイシン耐性遺伝子(St
reptoalloteichus hindusta
nusからのフレオマイシン結合タンパク質)を含有
し、またイーストのチトクロームClのターミネーター
と結合している660bpフラグメントをアガロースゲ
ル上の電気泳動及びアガロースゲルから溶離によりプラ
スミドpUT713(CAYLA,Toulouse
Cedex,France)のBamHI/BglII
消化物から分離することにより達成した。分離したフラ
グメントを、ベクターpSELECT(商標)1(Pr
omega Corporation)のBamHI部
位とライゲーションし、遺伝子の配向を制限酵素分析に
より決定した。得られたプラスミドの特異なHind
III部位を、HindIIIで制限酵素切断し、クレ
ノウポリメラーゼで充填し、再ライゲーションすること
により除去した。次いで、適切なサイズの挿入体が含ま
れているときベクターがコスミド形成に使用できるよう
にするラムダcos部位を含む550bp PstIフ
ラグメントを挿入した。このベクターをpSCP4とす
る。chrysogenumゲノムDNAを、Sa
u3Aで部分的に消化し、ファージベクターラムダEM
BL3におけるライブラリーの調製に使用した。イソペ
ニシリンNシンセターゼ(IPNS)遺伝子を含むクロ
ーンをこのライブラリーから分離し、一連のサブクロー
ンの調製に使用した。その1つは、IPNS遺伝子の最
初のBamHI部位上流から、遺伝子の最初のHind
III部位下流までの3.6kbフラグメントを含んで
いた。このサブクローンの唯一のsalI部位は、sa
lIによる制限酵素切断し、クレノウポリメラーゼで奥
まった末端を満たし、ライゲーションして除いた。次
に、唯一のXbaI部位を、同じように、XbaIで制
限酵素切断し、充填し、ライゲションして除いた。得ら
れたプラスミドはpSXF−1とする。工学的に作り出
したIPNSプロモーターは、上記のように、1.2k
b NcoIフラグメントとしてpSXF−1から分離
し、pSCP4のNcoI部位とライゲーションしたゲ
ルであった。制限酵素消化により決定した配向を選択
し、それによりプロモーターをフレオマイシン耐性遺伝
子のATG開始コドンのに対して融合した。このプラス
ミドをpUTZ−2とする。S.clavuligerusエキスパンダーゼ遺伝子
の取り込み StrePtomyces clavuligerus
エキスパンダーゼ遺伝子を含む1.645kbフラグメ
ントを、pFTSO−1(前述したベクター)のBam
HI及びSalI消化物から、0.8%アガロースゲル
上の電気泳動及びアガロースゲルからの溶離により精製
した。分離したフラグメントを、同じくBamHI及び
salIで消化したベクターpSELECT(Prom
ega Corporation)とライゲーションし
た。このベクターはpFTSO−8とした。新しいNc
oI部位を、エキスパンダーゼ遺伝子のATG開始コド
ンに、Altered Sites(登録商標)in
vitro突然変異導入システム(Promega C
orporation)を使うpFTSO−8の部位特
異的突然変異導入法により創り出した。突然変異導入は
製造業者の指示書に基づいて行なった。Strepto
mycesエキスパンダーゼ遺伝子の公知の配列(Ko
vacevic et al.,(1990),Jou
rnal of Bacteriology,171,
p.3952−3958)からATGスタートコドンに
おけるDNA領域のコード化配列と相補体を作るように
オリゴヌクオレシドを構成した。オリゴヌクレオシドを
シアノエチルホフフォラミダイト(phosphora
midite)化学(Pharmacia Gene
Assembler instrumentatio
n)により合成し、オリゴ配列は以下の通りであった。 配列番号:8 3′ CGAGAGGATCAGTGAGAGTCCA
TGGACACGACGG 5′ 突然変異を制限酵素分析により確定した。次に、工学的
に作り出したP.chrysogenum IPNSプ
ロモーター領域を含むpUTZ−2からの1.2kb
NcoIフラグメントを、NcoIによる制限酵素切
断、次いでアガロースゲルの電気泳動により分離した。
IPNS−プロモーター領域を、エキスパンダーゼ遺伝
子のATGスタートコドンに突然変異により作られた新
しいNcoI部位でpFTSO−8ベクターとライゲー
ションした。エキスパンダーゼ遺伝子に対するプロモー
ターの配向は、制限酵素分析により決定した。このIP
NS−プロモーター:エキスパンダーゼ遺伝子カセット
を、前述のように、BamHI/SalIフラグメント
として、BamHI/SalI切断Penicilli
um形質転換ベクター中に移した。最終構成物はpPe
nFTSOとした。実施例10 Penicillium 形質転換ベクターpPEN/C
EPH−1の構築IPNSプロモータ領域の挿入 IPNS領域を、実施例9で上記したpUTZ−2から
Xho I/SmaIを用いる消化により単離した。p
UTZ−2ベクターをBam HIを用いて切断し、付
着末端をdNTP’sおよびKlenow断片を用いて
充填し、平滑末端を作成し、次いでXho Iで消化し
た。単離したXho I/Sma IIPNSプロモー
タ断片をこの切断したベクターに連結して2つのIPN
Sプロモータ領域を含む構築物を得た。このベクターを
pUTZ−7と称した。C.acremonium Expandase/Hy
droxylase 遺伝子の挿入 次に、IPNSプロモータ領域の一つをpUTZ−7か
ら(電気泳動およびアガロースゲルからの溶離により)
Xho I/Xba I断片として単離し、Xho I
/Xba I切断ベクターpBluescript I
I SK(Stratagene、La Jolla、
CA)に連結した。このベクターをPIPNSp/bl
ueと称した。Cephalosporiumエキスパ
ンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子を、上で同定した一
つのゲノムクローンから(電気泳動およびアガロースゲ
ルからの溶離により)1.6kb Hind III/
Xba I断片として単離し、Hind III/Xb
a I消化ベクターpSELECTに連結した。新規な
Bsp HIサイトを、Altered Sites
(商標)インビトロ突然変異誘発システム(Prome
ga Corporation)を用いて、部位特異的
突然変異誘発によりエキスパンダーゼ/ヒドロキシラー
ゼ遺伝子のATG出発コドンに作成した。突然変異誘発
は製造業者の指示にしたがって実施した。オリゴヌクレ
オチドを、Cephalosporium acrem
oniumエキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子
の公表された配列からATG出発コドンにおけるDNA
領域のコーディング配列に相補すべく構築した(Sam
sonら、Bio/Technology、Vol.
5、November、1987)。オリゴヌクレオチ
ドをシアノエチルホスホルアミデート化学により合成し
た(Pharmacia Gene Assemble
r instrumentation)。オリゴ配列は
次の通りであった: SEQ ID NO:9 3’ GTTTTGGTGTCGTAGTAGTACT
AAGGTTCCAG 5’. 突然変異誘発を制限酵素分析により確認した。次いで、
Cephalosporium acremonium
エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子を、(電気
泳動およびアガロースゲルからの溶離により)Bsp
HI/Xba I断片として単離し、先の実施例に記載
したNco I/Xba I消化ベクターpIPNSp
/blueに連結した。このベクターは、Cephal
osporium acremoniumエキスパンダ
ーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子のATGにPenici
llium IPNSプロモータを含んでいた。このベ
クターをpIPNSp/blueと称した。このIPN
Sプロモータ:エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼカ
セットをXho Iで部分的に消化し、Xba Iで完
全に消化し、(電気泳動およびアガロースゲルからの溶
離により)断片を単離し、先の実施例に記載したXho
I/Xba I消化ベクターに連結して、最終形質転
換ベクターpPEN/CEPH−1を得た。実施例11 S.clavuligerus のエキスパンダーゼ/ヒ
ドロキシラーゼ遺伝子を発現させるためのPenici
llium形質転換ベクターの構築P.chrysogenum βーチュープリン遺伝子
を、ラムダゲノムライブラリーからAspergill
us niger β−チューブリン遺伝子を用いてハ
イブリッド形成プローブとしてクローン化した。Pen
icillium β−チューブリンプロモータを含有
する2.0kbのXba l/HindIII断片を、
pSELECT(Promega)のXba I/Hi
ndIIIサイトに連結させた。NcoIサイトを、配
列AAAATGCGTからACCATGGGTへの部位
特異的突然変異誘発によりATG開始コドンに導入し
た。得られたベクターから、1.4kbのBamHI/
NcoI断片をゲル単離し、(前記した)pUTZ−2
のBamHIサイトとNcoIサイトとの間に結合し、
ベクターpCI−6を形成した。P.chrysoge
numゲノムクローンから、IPNSおよびアシルトラ
ンスフェラーゼ遺伝子を含む5.1kbのsalI断片
をゲル単離し、pUTZ−2のsalIサイトに連結さ
せてpUTZ−5を作成した。IPNS遺伝子の3’タ
ーミネータ配列を、pUTZ−5からBamHIおよび
HindIIIを用いて制限後1.3kb断片をゲル単
離することにより単離し、これを(上記した)pCI−
6のBamHIサイトとHindIIIサイトとの間に
連結し、pCI−13を形成した。pCI−13におけ
るBamHIサイト近くの非反復SalIサイトを制
限、Klenowポリメラーゼを用いる充填および再連
結により除去した。あたらしいSalIサイトを、配列
GGAAGACGからGGTCGACGへの部位特異的
突然変異誘発によりBamHIサイトの反対側に導入し
た。次に、アンピシリン耐性遺伝子を、プラスミドから
pvuIによる制限、大きな断片のゲル単離および再連
結により除去して、pCI−15を得た。最後に、IP
SNSプロモータ:エキスパンダーゼ遺伝子カセットを
pPENFTSOから2.4kbのBamHI/Sal
I断片としてゲル単離し、pCI−15に連結してpE
XP−1を得た。S.clavuligerusのヒド
ロキシラーゼ遺伝子およびエキスパンダーゼ遺伝子を発
現させるためのベクターの構築は次のステップを含む。
ヒドロキシラーゼ遺伝子を含む2.9kbのKpnI断
片をpSELECTにサブクローニングして、ポリリン
カー中のEcoRIサイトを遺伝子の5’末端に接近さ
せる。プラスミド内の非反復NcoIサイトを配列TC
CATGGGCから配列TCGATGGGCへの部位特
異的突然変異誘発により除去すると同時に、あたらしい
NcoIサイトを配列AACATGGCからACCAT
GGCへ変化させることにより開始コドンに導入する。
両変化ともコード化したアミノ酸配列を保存する。作成
したIPNSプロモータを含む1.0kbのEcoRI
/NcoI断片をpUTZ−2からゲル単離し、改変し
たヒドロキシラーゼ遺伝子を含む上記ベクターのEco
RIサイトとNcoIサイトとの間に連結させる。次い
で、得られたベクター中の非反復EcoRIサイトを部
位特異的突然変異誘発によりHindIIIに変化させ
る。5’IPNS:ヒドロキシラーゼ融合構築物を得ら
れたベクターからHindIII断片として単離する。
これを、上記したベクターpEXP−1の非反復Hin
dIIIサイトに連結させる。最終ベクターは、それぞ
れIPNsプロモータにより動作するエキスパンダーゼ
遺伝子およびヒドロキシラーゼ遺伝子と、β−チューブ
リン遺伝子により動作するブレオマイシン耐性マーカー
を含む。実施例12 Penicillium 形質転換ベクターpPenCA
CTの構築 ヒグロマイシン耐性遺伝子の組み込み 優性(dominate)選択性マーカーとしてヒグロ
マイシン耐性遺伝子によってPenicillium
質転換ベクターを構築した。そのE.coliヒグロマ
イシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子を、ベクター
pHpH−1(Bochringen Mannhei
m、Indianapolis、IN)から、1.15
kb Bam HIフラグメントとして、(アガロース
ゲル上での電気泳動とそのゲルからの溶出によって)単
離し、次に、Bam HI消化ベクターmp19に連結
した。mp19内のヒグロマイシン耐性遺伝子の配置
を、RF DNAの制限酵素分析から、決定した。5′
Bam HI位は、ヒグロマイシン耐性遺伝子のATG
開始コドンの近くにあった。3′Bam HI位を、M
utator(登録商標)部位特異的突然変異導入用キ
ット(Stratagene,La Jolle,C
A)を用いた、部位特異的突然変異法によって除去し
た。その方法は、キットの製造者の指示に応じて実施し
た。E.coliヒグロマイシンBホスホトランスフェ
ラーゼ遺伝子(Gritz,L.and Davie
s,J.,1983,Gene 25,179)の、公
表された配列からの3′Bam HI位のDNA領域を
補完するようにオリゴヌクレオチドを構築した。そのオ
リゴヌクレオチドをシアノエチルホスホルアミダイト化
学法(Pharmacia Gene Assembl
er instrumentation)によって合成
した。そのオリゴ配列は次のようだった。 その突然変異を、制限酵素分析によって、確認した。そ
の後、突然変異ヒグロマイシン耐性遺伝子をSma I
/Xba Iフラグメントとして(アガロースゲル上で
の電気泳動とそのゲルからの溶出とによって)単離し、
Sma I/Xba I消化ベクターpUC18に連結
した。Nco IカットベクターpUTZ−2(既出の
ベクター)から、1.2kb Nco Iフラグメント
として、そのPenicillium IPNSプロモ
ーターを(アガロースゲル上の電気泳動と、アガロース
ゲルからの溶出によって)、単離した。合成オリゴヌク
レオチドリンカーを合成して、IPNSプロモーターフ
ラグメントの末端上のNco I部位からBam HI
部位を創生し、そうしてヒグロマイシン耐性遺伝子のA
TG近くの5′Bam HI中に、IPNSプロモータ
ーを配置した。そのオリゴをシアノエチルホスホルアミ
ダイト化学法(Pharmacia Gene Ass
embler instrumentation)によ
って合成した。そのオリゴ配列は次のようだった。 この配列は、IPNSプロモーターの天然配列を保持し
ているが、ヒグロマイシン耐性遺伝子中に、2つのアミ
ノ酸が挿入されていた。そのオリゴをアニーリングし、
リン酸化し、次いで、Nco IカットIPNSプロモ
ータフラグメントに連結した。それは、IPNSプロモ
ーターフラグメントの5′、3′両末端にBam HI
部位を生じさせる。この連結プロモーターを、pUC1
8中のBam HIカットヒグロマイシン耐性遺伝子に
連結した。この配置を制限酵素分析によって確認した。
その後、このIPNSプロモーター:ヒグロマイシン耐
性遺伝子カセットを(アガロースゲル上での電気泳動と
それからの溶出とによって)、2.1kb Xho I
/Sal Iを単離した(Xho I部位はIPNSプ
ロモーターの5′末端に位置し、Sal I部位はpU
Cポリリンカーからのものであり、Sal I消化ベク
ターpSELECTに連結した。このカセットの配置
は、制限酵素によって分析した。このベクターをpIP
NS/HYGと示す。CePhalosporium acremonium
Acetyltransferase Geneの組
み込み 1.8kb Bal II/Sal Iフラグメントと
してCephalosporiumアセチルトランスフ
ェラーゼ遺伝子を、アガロースゲル上の電気泳動とその
ゲルからの溶出とによってゲノムクローン(既出)から
単離した。そのアセチルトランスフェラーゼ遺伝子を、
Bam HI/Sal I消化ベクターpSELECT
に連結した。Cephalosporiumアセチルト
ランスフェラーゼ遺伝子のATGへのPenicill
ium IPNSプロモーターの配置を容易とするた
め、アセチルトラトンスフェラーゼ遺伝子中のATGに
新規Nco I部位で創生し、内部Nco I部位をA
ltered Sites(登録商標)インビトロ突然
変異法系(Promega corporation)
を用いた部位特異的突然変異法によって、除去した。そ
の方法は、その系の製造者の指示によって行なった。そ
のオリゴヌクレオチドを構築し、そうしてSEQ ID
NO:1と2中に、上でセットアウトしたCepha
1osporiumアセチルトランスフェラーゼの配列
から問題のDNA領域のコード配列を補完した。構造遺
伝子中、内部Nco I部位を除去するため用いられた
オリゴヌクレオチド配列は次の通りであった。 ATG開始コドンで新規なNco I部位を創生するの
に用いたオリゴヌクレオチド配列は次の通りであった。 これらのオリゴヌクレオチドをシアノエチルホスホルア
ミダイト化学法(既出)によって合成した。突然変異は
制限酵素分析によって確認した。このベクターをpMU
TACTと呼称する。上の実施例で記述したベクターp
UTZ−2から、1.2kb Nco Iフラグメント
として(アガロースゲル上での電気泳動とそのゲルから
の溶出とによって)、Penicillium IPN
Sプロモーターを単離した。このプロモーターフラグメ
ントを、Cephalosporium acremo
niumアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のATGで
IPNSプロモーターを今直接配置したNco Iカッ
トベクターpMUTACTに、連結した。そのプロモー
ターの配置は、制限酵素分析によって確認した。このI
PNSプロモーターA:アセチルトランスフェラーゼ遺
伝子カセットをXho I/Sal I(XhoI部位
はIPNSプロモーターの5′末端に位置し、Sal
I部位はアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の3′末端
に位置する)と呼称する。このフラグメントの配置は、
制限酵素分析によって定量した。このベクターをpMU
TACT/IPNSと呼称する。アセチルトランスフェ
ラーゼ遺伝子のATGで新規Nco I部位を創生する
のに用いた突然変異によって、第2のアミノ酸において
セリンからアラニンに変わった。天然の遺伝子と同一の
コード配列を保持するために、部位特異的突然変異を、
Altered Sites(登録商標)インビトロ突
然変異系を利用して起こした。そのオリゴヌクレオチド
を構築し、そうして、SEQ ID NO:1と2とし
て、上でセットアウトしたアセチルトランスフェラーゼ
遺伝子の配列からの問題のDNA領域のコード配列を補
完した。2番目のアミノ酸をアラニンからセリンに換え
るのに用いたオリゴヌクレオチド配列は、次のものであ
る。 そのオリゴヌクレオチドをシアノエチルホスホルアミダ
イト化学法(既出)を利用して合成した。その突然変異
をUSB Sequenaseバージョン2.0DNA
配列用キットを利用したDNA配列法によって確認し
た。このベクターをpMUTACT/IPNS−2と呼
称する。IPNSプロモーター:ヒグロマイシン耐性遺
伝子カセットを、Xba Iフラグメントとして、ベク
ターpIPNS/HYGから除去し、Xba I消化ベ
クターpMUTACT/IPNS−2に連結し、最終変
異ベクターpPenCACTを生成させた。ヒグロマイ
シンカセットの配置を制限酵素分析によって決定した。実施例13 Cephalosporium acremonium
のエキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼとアセチルトラ
ンスフェラーゼの両遺伝子を発現するPenicill
ium形質転換ベクターpTS−8の構築 ゲノムクローンから、1.8kb Bgl II/Sa
l Iフラグメントとして(アガロースゲル上での電気
泳動とそのゲルからの溶出によって)、Cephalo
sporiumアセチルトランスフェラーゼ遺伝子を単
離し、BamHI/Sal I消化ベクターpSELE
CT(プロメガコーポレーション)に連結した。Cep
halosporiumアセチルトランスフェラーゼ遺
伝子のATGへのPenicillium IPNSの
配置を容易とするため、新規Nco I部位を、塩基−
42(マチソン等、カレントジェネティック)に配した
ATGコドンで創生し、構造遺伝子中の内部Nco I
部位を、AlteredSitesインビトロ突然変異
系(プロメガコーポレーション)を用いた部位特異的突
然変異法によって除いた。突然変異法は、系の製造者の
指示によって行なった。そのオリゴヌクレオチドを構築
し、そうして問題のDNA領域のコード配列を補完し
た。しかし、Nco I部位を創生又は除去するためい
くつかの変化を組み込んだ。構造遺伝子中の内部Nco
I部位を除くために用いたオリゴヌクレオチド配列は
次のものである。 塩基−42でのATGで新規Nco I部位を創生する
のに用いたオリゴヌクレオチド配列は次のものである。 オリゴヌクレオチドを、シアノエチルホスホルアミダイ
ト化学法(既出)によって合成した。両突然変異の発生
を制限酵素分析によって確認した。このベクターをpM
UTACTと呼称する。前記したpUTZ−2ベクター
から、1.2kbNco Iフラグメントとして(アガ
ロースゲル上での電気泳動とそのゲルからの溶出によっ
て)、Penicillium IPNSプロモーター
を単離した。このプロモーターフラグメントを、Cep
halosporiumアセチルトランスフェラーゼ遺
伝子の−42ATGに直接IPNSプロモーターを今配
置したNco IカットベクターpMUTACTに、連
結した。そのプロモーターの配置を制限酵素分析によっ
て確認した。このベクターをpMUTACT/IPNS
と呼称する。IPNSプロモーター:アセチルトランス
フェラーゼカセットを含むベクターpMUTACT/I
PNSから(アガロース上での電気泳動とそのゲルから
の溶出によって)、2.5kb Xho I/Sal
Iフラグメントによって単離し、(既述の)Sal I
消化ベクターpUTZ−2に連結した。次に、この中間
体ベクターをXba Iで消化し、IPNSプロモータ
ー:エキスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼカセットを含
む(既述の)pPEN/CEPH−1ベクターからの
2.1kb Xba Iフラグメントで連結した。こう
して最終変異ベクターpTS−8が生じた。実施例14 Penicillum chrysogenumの形質
転換 上で記載したPenicillum chrysoge
num株からのプロトプラストを、220rpmの回転
シェーカー上に1×10個の胞子を含むCMブロスの
50mLを接種して、25℃、67時間で、生じさせ
た。その菌糸体を、チーズクロス(寒冷紗)濾紙の上に
濾過によって集め、500mLのフラスコに移し、10
0mgのNovozyme234(Novo BioL
abs,Bagsvaerd,デンマーク)を含む25
mLのKMP(0.7M Kcl、0.8Mマンニトー
ル、0.02M KPO、pH6.3)に再懸濁し、
100rpmで30℃にてインキュベートした。そのス
フェロプラストをチーズクロス/ガラスウールフィルタ
ーによって分離し、10分間350×gで遠心分離して
ペレット状にした。その後、そのスフェロプラストをK
MP緩衝液の10mLで,3度洗った。次いでKMPC
(CaCl 50mmを含むKMP)中に再懸濁し、
室温に20分間放置した。そのPenicillium
の形質転換のために、200μlのスフェロプラスト懸
濁液を、50μlのPPC(40%PEG MW 35
00,20mM KPO、PH6.3、5%CaCl
が使用の直前に付加された)と共に、DNA(5mg
/mLを含むKMPCの6.2μl中の5μgベクター
DNA)に付加した。その形質転換混合物を30分間氷
上でインキュベートした。新しく調製したPPCの1m
Lを加え、その混合物を50mLの溶融(50℃)再生
寒天(CMと1.3Mモンニトールと3%寒天)に移し
た。その後、その形質転換混合物を5つのペトリ皿に配
分した。25℃で24時間の再生の後、皿を、100μ
g/50mLのフレオマイシンOLを含むOL(1%寒
天中の1%ペプトン)に重ねた。上層の量は再生寒天の
量に等しかった。皿を7〜14日間25℃でインキュー
ベートし、形質転換コロニーの発生を観察した。実施例15 生物活性試験 寒天拡散生物試験を利用して、HPLCで単離したアジ
ポイル−6−APAとアジポイル−7−ADCA醗酵生
成物の抗生物活性を調べた。Bacillussubt
ilus ATCC 33677またはE.coli
感受性株(MITのArnold L. Demain
教授により入手)が植え付けられた3%寒天(Gibc
o、Paisley、スコットランド)を含むLB寒天
皿(20g/LのLBブロス)上に、5mmの円板状と
して単離生成物の20μLを塗布した。Bacillu
subtilusを指示株として用い、アジポイル
−6−APA生成物を分析し、またE.coli超感受
性株を指示株として用い、アジポイル−7−ADCA生
成物を分析した。37℃でのインキュベーションの15
時間後、円板状部の周りの指示用バクテリアの増殖禁止
を示すかさ状模様によって、上記生成物は生物活性があ
ることがわかった。この実験の対照は、β−ラクトン構
造の確認用対照としてペニシリンアーゼを含まないか含
む寒天、デアセトキシセファロースポリンC、セファロ
ースポリンC、ペニシリンV含んでいた。実施例16 アジポイル−6−APA、7−ADCA、7−ADAC
及び7−ACAの同時分析用HPLC法 形質転換したPenicillium株(アジポイル−
6−APA、アジポイル−7−ADCA、アジポイル−
ADAC及びアジポイル−7−ACA)からの醗酵生成
物を、高性能液体クロマト(HPLC)によって同時分
析した。そのHPLC系は次のWaters成分からな
る。625溶媒分散系、409E可変波長検出器(22
0nmと260nmにセット)、825Maximaデ
ータシステム。静止層は、Nova−PaK C18
Guard−PaKインサートを含むNova−PaK
18 5×100mmラジアル圧縮カートリッジで
あった。可動層(1ml/分の流れ)は、初期条件(5
%メタノールと95%10mM KPO、pH5)か
ら、40%メタノールと60%KPO、pH5への1
0分・線形勾配からなる。アジポイル−6−APAを、
220nmで、ペニシリンNの標準カーブに対する比較
によって定量した。伸張生成物を、合成アジポイル−7
ADCAとアジポイル−7−ACAの260nmでの標
準カーブとの比較によって定量した。実施例17 RAEV酵素分析 化学合成アジポイル−7−ADCAとアジポイル−7−
ACAを基質として用い、RAEV酵素(RAEV社か
ら入手)の特異的活性を分析した。反応混合物は、全5
0μlで、0.16M KHPO中、10mMの基
質、1μgのRAEV酵素、5%グリセロールを含んで
おり、37℃でインキューベートした(もっとより良い
反応条件は、リン酸カリウム緩衝液の20〜50mM中
20mM以上の基質を用いることである)。5μlのア
リコートを0、1、3、5、10、20、30分で取り
出した。それをpH3.5の0.010M KHPO
の35μlで希釈し、既に記述した条件でHPLCに
よる分析の前−70℃で凍らせた。比色定量アジポイル
−p−アミノ安息香酸基質に対するRAEV酵素の活性
を、0.065M KHPO(pH7.0)中の、
5mM基質、8.25μgのRAEV酵素及び10%グ
リセロール(全50μl)を用いて、37℃30分間で
分析した。反応を96ウェルのマイクロタイターデッシ
ユ中で実行した。0.25M酢酸中、1M NaNO
の1/100希釈物の5μlを加えて、反応を終え、次
いで反応物を3分間室温に放置した。4−アミノ−5−
ヒドロキシ−2,7−ナフタレン−ジスルホン酸モノナ
トリウム塩水和物の水溶液10mg/mLの1/100
希釈物の100μlを0.5M NaCOに加え、比
色変化をEL 312バイオキネティックプレートリー
ダ(バイオテック インストゥルメントを用いて、51
5nmですぐにモニターした。実施例18 代替アジポイルアシラーゼの評価 RAEV酵素を用いた検討に加え、アジプロイル−7−
ADCA(と他のアジポイル化合物)からのアジポイル
側鎖の除去を、いろいろな微生物源から生じた酵素で示
した。初めの検討において、それぞれ受託番号FERM
BP−817及びFERMBP−818で、ファーメ
ンテーションリサーチインスティテュートによって寄託
された、Asahi Pseudomonas sp.
株SE−83とSE−495;及び、受託番号NRRL
B−8070でノーザンレジオナルリサーチラボラト
リーによって寄託されたToyo Jozo Pseu
domonas株SY−77−1を、次の培地で72時
間増殖した。その培地は、HyCase SF2.0%
(w/v、以下同)、グルタミン酸モノナトリウム0.
5%、酵母菌抽出物0.5%、コーンスティープパウダ
ー0.2%、綿実油0.5%及びグルタミン酸0.1%
を含んでいる。細胞を遠心分離で集め、50mMのリン
酸塩緩衝液pH8.0で洗浄した。その後、それらを、
緩衝液中で再懸濁し、少量のクロロホルムを加えて外膜
を透過性とした。その後、細胞懸濁液のアリコートをア
ジポイル−p−ニトロアニリド(ad−pNA)と混合
し、2〜18時間30℃でインキューベートした。それ
に続いて、混合物を10%(v/v)酢酸の添加によっ
て、酸性化した。その後ガンマーグルタミル−トランス
フェラーゼの分析用シグマケミカルカンパニー(シグマ
製品No,545−A)によってキットとして提供され
た試薬を用いたジアゾ化合物への転換による比色法によ
って、遊離p−ニトロアニリンを検出した。3つの株の
相対活性は、SE−495、SE−83、SY−77−
1それぞれに対して100%、85.5%、48%であ
った。RAEV酵素に関して既述したのと同様な方法に
よって、アジポイル−7−ADCAへのSE−83とS
E−495酵素の活性も示した。SY−77−1による
β−ラクタマーゼの産生により、アジポイル−7−AD
CAに対する脱アシル化活性の発揮を阻害した。同様な
方法によって、アジポイル−アシラーゼ生成が2つの菌
株(Alternaria sp.MA−133、AT
CC No.20492とAspergillus
p.MA−13、ATCC No.20491:明治製
菓の米国特許第4141790号)と、別の3つの細菌
株(Brevibacterium、ATCC No.
14649、Achromobacterium、AT
CC No.14648及びFlavobacteri
um、ATCC No.14650)について示され
た。これらはメルク社の米国特許第3239394中
に、セファロスポリンCアシラーゼプロドゥーサーとし
て記述されている。
【配列表】
フロントページの続き (72)発明者 アンソニー・マイケル・ステパン アメリカ合衆国、ワシントン・98155、 シアトル、トウエンテイーエイス・アベ ニユー・ノース・イースト・19433、ア パートメント・デイー (72)発明者 ロリリー・クローフオード アメリカ合衆国、ワシントン・98011、 ボセル、ナインテイーフアースト・プレ イス・ノース・イースト・14049 (72)発明者 ジヨン・エイ・ランボセツク アメリカ合衆国、ワシントン・98115、 シアトル、セブンテイーンス・アベニユ ー・ノース・イースト・7701 (72)発明者 フイリス・シー・マカダ アメリカ合衆国、ワシントン・98072、 ウデインビル、ワンハンドレツドアンド セブンテイーサード・アベニユー・ノー ス・イースト・15611 (72)発明者 クリストフアー・デイー・リーブス アメリカ合衆国、ワシントン・98072、 ウデインビル、ノース・イースト・トウ ーハンドレツドアンドサード・プレイ ス・19403 (56)参考文献 特開 昭61−152286(JP,A) 特開 昭62−500350(JP,A) 欧州公開437378(EP,A) 欧州公開450758(EP,A) 欧州公開281391(EP,A1) J.Biol.Chem.,265, (1990)P.16358−16365

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アジポイル−7−アミノデアセチルセフ
    ァロスポラン酸(アジポイル−7−ADAC)を細胞内
    で製造するためのプロセスであって、 (a)イソペニシリンN産生能のあるペニシリニウム・
    クリソゲナム菌株の細胞を、アジポイル−6−アミノペ
    ニシラン酸(アジポイル−6−APA)を基質として受
    容し得るエキスパンダーゼ酵素活性並びにアジポイル−
    7−アミノデスアセトキシセファロスポラン酸(アジポ
    イル−7−ADCA)を基質として受容し得るヒドロキ
    シラーゼ酵素活性を有する酵素をコードする、単離され
    且つ精製されたDNAを含む発現ベクターと共に形質転
    換し、 (b)段階aからの形質転換細胞をアジペート原液を含
    む適する培地中で培養して、それにより前記細胞にアジ
    ポイル−6−APAを産生せしめ、そして (c)段階bのアジポイル−6−APAを産生する形質
    転換細胞を、前記酵素をコードする前記DNAの発現に
    適する条件下に培養して、それにより最終製品アジポイ
    ル−7−ADACを産生せしめる、 ことを含むプロセス。
  2. 【請求項2】 前記酵素をコードする前記単離され且つ
    精製されたDNA分子がセファロスポリウム・アクレモ
    ニウムから得られたものであり、前記アジペート原液が
    アジピン酸またはその塩及びエステルである、請求項1
    に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 アジポイル−7−アミノデアセチルセフ
    ァロスポラン酸(アジポイル−7−ADAC)を細胞内
    で製造するためのプロセスであって、 (a)イソペニシリンN産生能のあるペニシリニウム・
    クリソゲナム菌株の細胞を、第1発現ベクター及び第2
    発現ベクターと共に形質転換し、前記第1発現ベクター
    はアジポイル−6−APAを基質として受容し得るエキ
    スパンダーゼ酵素活性を有する酵素をコードする単離さ
    れ且つ精製されたDNAを含み、そして前記第2発現ベ
    クターはアジポイル−7−ADCAを基質として受容し
    得るヒドロキシラーゼ酵素活性を有する酵素をコードす
    る単離され且つ精製されたDNAを含み、 (b)段階aからの形質転換細胞をアジペート原液を含
    む適する培地中で培養して、それにより前記細胞にアジ
    ポイル−6−APAを産生せしめ、そして (c)段階bのアジポイル−6−APAを産生する形質
    転換細胞を、前記エキスパンダーゼ及びヒドロキシラー
    ゼ酵素活性を有する酵素をコードする前記DNAの発現
    に適する条件下に培養して、それによりアジポイル−7
    −ADACを産生せしめる、 ことを含むプロセス。
  4. 【請求項4】 前記エキスパンダーゼ及びヒドロキシラ
    ーゼ酵素活性を有する酵素をコードする前記単離され且
    つ精製されたDNA分子が、セファロスポリウム・アク
    レモニウムから得られたものであり、前記アジペート原
    液がアジピン酸またはその塩及びエステルである、請求
    項3に記載のプロセス。
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