JP2651446B2 - バシラス内に於いて異種起源タンパク質の発現のために使用することができる組換プラスミド - Google Patents

バシラス内に於いて異種起源タンパク質の発現のために使用することができる組換プラスミド

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、組換DNA技術による、治療および診断に使
用できるタンパク質の製造方法に係る。
本発明は、特に、異種起源タンパク質を暗号化してい
るDNA配列のクローニングのための2価ベクターと、こ
のDNA配列を含むバシラス内で発現される組換プラスミ
ドと、この組換プラスミドにより形質転換されるホスト
(宿主)の微生物と、これらを用いてタンパク質を製造
するための方法に関する。
より詳細には、本発明は、抗百日咳ワクチンの製造
と、百日咳の診断のための検査システムの中で使用する
ことができる、百日咳毒素の成熟サブユニットを製造す
るための方法と手段に係る。
百日咳は、グラム陰性の球場桿菌である百日咳菌Bord
etella pertussis(B.pertussis)により引き起こされ
る気管の感染症である。B.pertussisは、カタル期また
は痙咳期に、この病気に罹っている人から感染し易い健
康な人に直接移る。
百日咳は、呼吸器の合併症や神経に対する障害を引き
起こすことがあり、とりわけ子供や母親から百日咳の抗
体をもらっていない新生児にとって死亡率の高い病気で
ある。
百日咳の臨床的な経過は、潜伏期、カタル期、痙咳
期、快復期の4段階を含む。
最初の2つの期間では、普通の風邪と同じような症状
が現われ、B.pertussisは患者から容易に分離すること
ができる。
痙咳期では、百日咳に特有の症状が現れるが、細菌は
患者の僅か50%からしか分離されない。
快復機では、もはや、鼻咽頭からB.pertussisを分離
することはできないが、患者にはまだ百日咳の症状が持
続する。
この臨床像から、患者が、細菌が消滅した後に最も重
度の臨床的な微候を呈することは明かである。これは、
百日咳は、B.pertussisの気管への侵入それ自体ではな
く、この細菌により引き起こされる中毒に起因するから
である。したがってこの中毒症状は、細菌が消滅した後
も持続する。
B.pertussisのI期(有毒性)からII期(無毒性)へ
の変化には、百日咳毒素(PT)、溶血素(Hly)、アデ
ニルシクラーゼ(Adc)、皮膚壊疸毒素(Dnt)等の物質
を合成する能力の喪失が伴う。
近年Weiss A.A.等(Inf.Immun.42,33(1983);J.Inf.
Dig.150,219(1984))は、これらの物質の全てがB.per
tussisの有毒性に等しい役割を果たすわけではないこと
に注目し、百日毒素がこの細菌の毒性の主因であるこを
発見した。
百日咳毒素は、分子量が、100,000ダルトンのタンパ
ク質で、I期の間にB.pertussisにより生産され、細胞
外の環境に放出される。
百日咳毒素は、他の毒素と同じ様に、2つの異なるフ
ラグメント(断片)AとBとにより構成される。
有毒性のAフラグメントは、分子量が約28,000ダルト
ンの単一のポリペプチドS1(S1サブユニット)から成
る。このS1サブユニットは、ADPリボーズ・グループ
を、外部から細胞の内部へのシグナル通過に関与するGI
タンパク質に結合する。
Bフラグメントは、分子量がそれぞれ23,000,22,000,
12,000,9.000ダルトンの4つのポリペプチドS2,S3,S4,S
5,(S2,S3,S4,S5サブユニット)から成る。S2,S3,S4サ
ブユニットは2つの二量体(S2+S4)、(S3+S4)を構
成し、S5は単量体である。
Bフラグメントは、真核細胞の細胞膜のレセプター
(受容体)に結合し、S1サブユニットの細胞内への侵入
を容易にする。
(従来技術) 現像使用されている抗百日咳ワクチンは、永久的な免
疫ができるが、多数の問題点がある。
このワクチンは、病毒性の強い細菌(I期)を56℃で
30分間処理して熱に不安定な毒素(皮膚壊疸毒素)を除
去し、さらにメチオレートで殺菌したものである。
この細菌は全く解毒処理を受けないので、56℃の温度
に耐え得る毒性物質は全てワクチンに含まれることにな
る。
これらの毒性物質、とりわけPTの存在は、単なる発疹
から永久的な神経障害および/または死までの副作用を
起こす。
そのため最近の10年間に、このワクチンの使用は著し
く減少し、その結果再び百日咳患者が発生している。
4 基本的に、繊維状血球凝集素(FHA)と、ホルムア
ルデヒドで解毒された百日咳毒素とを組成する抗百日咳
ワクチンの製法が、Y.佐藤等によりLancet Jan.21,122
(1984)に記載されている。
このワクチンは、従来のワクチンの副作用に比べて軽
度ではあるが副作用を起こすこと、および純粋な、再現
可能な形で製造することができないこと等の点でまだ満
足すべきものではない。
(本発明が解決しようとする課題) このような現状の下で、大規模に製造することがで
き、上記のような欠点の無い効果的な百日咳ワクチンの
製造に利用することができる他の材料が求められる。
しかるに、例えば、遺伝子工学の分野の最近の発展に
より、治療に使用することができる異種起源のタンパク
質を製造する能力をもつ微生物を作り出すことが可能に
なった。特に、イタリア特許出願No.A/86 19208は、百
日咳毒素のサブユニツトを暗号化している遺伝子の配列
決定とそのクローニング、および形質転換された大腸菌
(E.Coli)細胞を適当な培養手段で培養することから成
るこれらのサブユニットの製造方法を記載し、特許を請
求している。しかしながら、この方法を用いると、融合
タンパク質すなわち、百日咳毒素の成熟サブユニットと
重合酵素とから成るタンパク質が生産される。そのた
め、これらのタンパク質は、抗百日咳ワクチンの製造に
使用する前に加水分解処理を必要とすることも考えられ
る。さらに人にとって病原性の細菌であるE.Coliをホス
トとして使用することは、その方法それ自体を非常に厄
介なものにし、その方法の実施、とりわけタンパク質の
分離と回収の段階に於いて実施を複雑にする。
これらの欠点は、内毒素を造らない非病原性の細菌で
あるバシラスを用い、かつバシラス内で安定な、百日咳
毒素の成熟サブユニットの発現を可能にするクローニン
グ・ベクターを使用することにより、克服できる可能性
がある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の1つのの解決手段は、バシラス内で百日咳毒
素の成熟サブユニットを暗号化するDNA配列のクローニ
ングのために使用できる2価ベクターである。
本発明の他の解決手段は、百日咳毒素の成熟サブユニ
ットを暗号化しているDNAを配列クローニング・ベクタ
ーのEcoR IおよびMind III制限部位内に入れてクローニ
ングすることにより得られる、バシラス内で発現させる
ための組換プラスミドである。
本発明のさらに他の解決手段は、組換プラスミドによ
り形質転換されたバシラス細胞を培養することによる百
日咳毒素の成熟サブユニットの製造方法である。
本発明のさらに他の解決手段は、これらのサブユニッ
トを治療と診断に使用することである。
本発明の内容については、下記の説明と実施例から明
らかになるであろう。
(作用) 本発明によるクローニング・ベクターは、pSM214とし
て知られている。このクローニング・ベクターは、抗生
物質カナマイシン、アンピオイリン、クロラムフォニコ
ールに対する耐性をそれぞれ暗号化する。km,Bla,Cat遺
伝子をB.subtillisおよびE.coliの内部で複製すること
を可能にするpUB110およびpBR322の複製開始点と、Bla
およびCat遺伝子配列を含みジシストロニック・メッセ
ンジャーRNA(mRNA)の転写を指令する強力な人工プロ
モーターとを含む。このようなmRNAの生成は、クロラム
フェニコールに対する性質により菌株を選択することに
よりプラスミド中の強力なプロモーターを安定化するこ
とを可能にする点で、とりわけ利点がある。特に、本発
明によるクローニング・ベクターは、次の処理から造ら
れる。
a)制限酵素Mbo IとHpa IIを用いたダイジェスチョン
による、クロラムフェニコール・アクティル・トランス
フェラーゼ(Cat)を暗号化する820−塩基対(bp)の遺
伝子と、そのプロモータである212−bp配列とから成る1
032−bpのDNAフラグメントの、プラスミドpC194からの
分離 b)制限酵素Hinf Iを用いた部分的ダイジェスチョンに
よる、前記1032−bpフラグメントからの820−bp遺伝子
の分離と、クレノウ(Klenow)DNAポリメラーゼ酵素を
用いた前記820−bpフラグメント上へのブラントエンド
(平滑断端)の形成 c)制限酵素Hinc IIを用いたダイジェスチョンによ
る、直線化されたプラスミドpSM191への前記820−bpフ
ラグメントの結合と、このようにして得られたプラスミ
ドpSMの213の分離 d)制限酵素BamH IとHind IIIを用いた連続的なダイジ
ェスチョンによる、前記Catを暗号化する820−bpの遺伝
子と、E.coliのラムダ・ファージのtoターミネータ(転
写終結区)配列とを含む約1000bpのDNAフラグメント
の、プラスミドpSM213からの分離 e)制限酵素Xho IとHind IIIを用いたプラスミドpSM20
8−Aのダイジェスチョンにより、プラスミドpSM208−
Aから分離した6300−bpのDNAフラグメントへの、前記1
000−bpフラグメントの結合、そして最後に f)形質転換されたB.subtilisの株からの、前記7300−
bpのクローニング・ベクターpSM214の分離 本発明では、プラスミドDNAのダイジェスチョンは、
公知の技術にしたがって、緩衝液の中で、1つまたは複
数の適当な酵素の存在下で、DNAを懸濁させ、このDNAの
懸濁液を、ダイジェスチョン反応を完了させるのに必要
な温度で必要な時間維持することにより行う。
この反応の完了後、得られたフラグメントおよび/ま
たはDNAのフラグメントは、ポリアクリルアミド・ゲル
電気泳動を用いて、80から150Vの電位差を加えることに
より分離される。そして最後に、所望の配列をもったフ
ラグメントが、MaxamとGilbert(Methods in Enzymolog
y(1980),vol.45,499−560)により記載されている方
法にしたがって、電気溶出により分離される。結合反応
は、緩衝液の中で、T4 DNA合成酵素の存在下で、14から
25℃の温度で10から20時間かけて行われる。
結合反応の完了後、得られたハイブリッド・プラスミ
ドは、E.coli K12細胞の形質転換を利用して分離され
る。すなわち、リガーゼの混合物を用いるManiatis等の
方法(Molecular Cloning;a Laboratory Manual,1982)
と、アンピオイリンおよび/またはクロラムフェニコー
ルに対する耐性を持つ形質転換株のラクトース寒天ブイ
ヨン(DIFCO)培地プレート上での選別とにより適格化
される。
本発明の目的に適するE.coliの例は、E.coli JM 83
(pro,ara Δlacpro,strA,Φ80d,lac Z,M15)、E.coli
HB101(F-,hsd S20,rB -,mB -)rec A13,ara−14,pro A2,
lac Y1,galK2,rpsL20(SmR),Xy 1−5,mtl−1,sup E44
λ),およびE.coli JM 101(lac,pro,supE,thi F′
pro AB,lac-a)である。
本発明によれば、上記方法の処理c)のプラスミドps
N191は、Visira J.およびMessing J.((1982)(Gene
19,259))により記載されるpUCのXbal制限部位に、次
のような合成されたXbal−Xbalフラグメントを挿入する
ことにより構成される。
このフラグメントは、システムワンDNAシンセサイザ
ー(Backman)を使い公知の技術したがって合成され、
E.coliのラムダファージのtoターミネーターの配列を持
つ。このターミネーターは、その上流領域に位置するDN
Aの転写の終結を指令するのに特に効果的である。
プラスミドpSM191内に於て、前記の合成されたフラグ
メントはpUC13のLacプロモーターと同じ向き入れられて
おり、このプロモーターから始まる転写を終結させるこ
とができる。本発明によれば、上記方法の処理e)のプ
ラスミドpSM208−Aは、継続中のイタリア特許出願No.A
/862265に記載する制限酵素Xba IとEcoR Iを用いるプラ
スミドpSM208のダイジェスチョンと、pSM208の7300−bp
フラグメントの下記の様な配列の74−塩基の合成DNAフ
ラグメントへの結合とにより得られる。
この人工フラグメントは、メッセンジャーRNAの転写
を非常に効果的に指令するプロモーターの配列を含む。
そしてプラスミドpSM208−A内では、アンピオイリンに
対する耐性を授与するβ−ラクトナーゼ遺伝子(Bla)
の上流に位置する。
その次の、制限酵素Xho IとHind IIIを用いたプラス
ミドのダイジェスチョンにより、人工プロモーターとβ
−ラクトナーゼ遺伝子を含む6300−bpのフラグメントが
生じる。
そして、Cat遺伝子を含みそれ自身のプロモーターを
持たない1000−bpのフラグメントと、ラムダファージの
toターミネータを、6300−bpのβ−ラクトナーゼ遺伝子
の下流に正しい向きで入れることにより、その結果生成
されるpSM214ベクターに、要求される性質すなわち3つ
の抗生物質に対する耐性と、BlaおよびCat遺伝子の配列
を含むジシストロニックmRNAを転写する能力を与えるこ
とができる。
このようにして得られたベクターは、B.subtilisやE.
Coliの内部で異種起源のタンパク質を発現するためのプ
ラスミドを構成するために特に適している。要するに、
制限酵素EcoR IとHind IIIを使ってpSM214からβ−ラク
トナーゼ遺伝子を取り除き、次に同じ制限部位に異種起
源の遺伝子を挿入することにより、単一のプロモーター
の存在により遺伝子の転写が保証され、しかもクロラム
フェニコールを含むプレート上で効率的に選別すること
ができる組換プラスミドの構成が可能になる。
特に本発明では、このベクターpSM214を、百日咳毒素
の成熟サブユニットS2,S3,S4,S5をそれぞれ暗号化する
遺伝子を含む組換プラスミドpSM226,pSM228,pSM244,pSM
243を構成するために用いる。
そして、本発明では、百日咳毒素の成熟サブユニット
すなわち自然に生じるものと同じサブユニットと、アミ
ノ末端のメチオニンの発現を引き起こすために、タンパ
ク質の分泌のためのシグナル配列が、サブユニットの前
駆体を暗号化する完全な遺伝子から取り除かれ、このよ
うにしてサブユニットの成熟部分のみを暗号化するDNA
配列が、ベクターpSM214内でクローン化される。
特に、百日咳毒素の各サブユニットの前駆体を暗号化
する完全な遺伝子は、プラスミドPT110から分離され
る。プラスミドPT110は、予め適当な制限酵素でダイジ
ェストされる。そして、中間プラスミドの構成により、
サブユニットの成熟部分だけを暗号化するDNA配列が分
離される。
これらの配列には、次に成熟配列の1番目のアミノ酸
のコドンが翻訳開始コドンATGに並置されるように、pSM
214のEcoR IとHind III制限部位にクローン化される。
成熟ユニットS2を暗号化するDNA配列をpSM214内に正
確に挿入するために、新しい、簡単で効果的なイン・ビ
トロの突然変異誘発方法が開発された。
この方法は、本発明の範囲に含まれるものであり、一
本鎖DNAの調整も、イン・ビトロの重合および連結反応
も必要としない。
通常、この方法では、プラスミドDNA(ADNA)は、修
飾しようとする領域の近くでプラスミドDNAを切断する
制限酵素(RE I)を用いて直線化される。この領域は、
1つまた複数のヌクレオチド塩基により表現され得るも
ので、Ba 131またはExo III+S1を用いたダイジェスチ
ョンにより除去され、Exo IIIによる処理により5′末
端が暴露される。
この分子は、第2の制限酵素(RE II)を用いて、2
つのフラグメントBおよびCに切断され、修飾すべき領
域が除去されているDNAフラグメント(B DNA)が精製さ
れる。
RE Iを用いて直線化されたA DNAは、Exoを用いて別に
処理することにより3′末端が暴露され、次にRE IIを
用いてダイジェストされて、Cフラグメント(C DNA)
が精製される。
R Iが突出する3′末端を生じさせる場合は、Exoによ
る処理は必要としない。同時に、オリゴヌクレチド(D
DNA)が、B DNAおよびC DNAの突出する末端を別にして
その配列が相保的であり、修飾すべき領域以外は元の配
列と同じ配列を再構成するように合成される。
B,C,D DNAには、次に、T4 DNAリガーゼの存在するリ
ガーゼ緩衝液中で混合され、この混合液全体がE.coli細
胞を形質転換するために用いられる。
特に、第3図に示すように、中間プラスミドpSM222
は、制限酵素Satlにより直線化され、さらにBal 31によ
り処理されて、S2のアミノ末端領域から、分泌の原因と
なるシグナル配列を暗号化するヌクレオチドが取り除か
れる。
その次の、Exo IIIによるDNAの処理は、5′末端を暴
露させる。
制限酵素Hind IIIによるDNAのダイジェスチョンは、
成熟なS2だけを暗号化する遺伝子を含む6500−bpのフラ
グメントの分離を可能にする。
S2成熟サブユニットの完全な配列を再構成し、次にそ
れをpSM214内でクローニングすることを可能にするため
に、50塩基の1本鎖オリゴヌクレオチドが合成される。
このオリゴヌクレオチドは、1方の末端で成熟なS2のア
ミノ末端領域と結合することができ、それにより最初の
9つのアミノ酸とメチオニンのための完全な情報を再生
することができる。またこのオリゴヌクレチオドの他方
の末端は、pSM214のコントロール配列に結合することが
できる。
百日咳の成熟サブユニットS2,S3,S4,S5のそれぞれのD
NA暗号配列をpSM214内でクローニングすることにより得
られた組換プラスミドpSM226,pSM228,pSM244,pSM243
は、B.subtilis細胞を形質転換するために用いられる。
特に、我々の研究所で分離されContenteとDebnauによ
り記載されている方法(Mol.Gen.Genet.(1979),167,2
51−258)により適格化された、中性プロテアーゼ陰性
およびセリン・プロテアーゼ陰性の菌株SMS118 B.subti
lis(leu,pyr D1,npr- spr-)が用いられている。これ
は、TBAB(DIFCO)培地上でクロラムフェニコール耐性
に基づいて選択することができる、形質転換された菌株
である。
B.subtilis SMS118(pSM226)、SMS118(pSM228)、
SMS118(pSM244)、SMS118(pSM243)、およびSMS118
(pSM214)株は、ブタペスト条約にしたがって、アメン
リカン・タイプ・カルチャー・コレクションに昭和62年
(1987年)2月18日に寄託され、それぞれATCC 67321、
67322、67324、67323、および67320の受託番号が付与さ
れている。
[発明の効果] 百日咳毒素の成熟サブユニットの発現を確認するため
に、組換プラスミドのpSM226,228,224,243によりそれぞ
れ形質転換されたSMS 118 B.Subtilis細胞を、クロラム
フェニコールの存在するvy(DIFCO)培養液中で、25か
ら40℃の温度で増殖させ、次に公知の技術の1つにより
溶解した。
クーマシー・ブルーで染色することにより溶解した細
胞をLaemliの方法(Nature,1970 277,680)にしたがっ
て分析した結果、これらのB.subtilisの株により発現さ
れたタンパク質は、それぞれ23,000,22,000,12,000,10,
00ダルトンの分子量を持ち、さらに天然の毒素の成熟サ
ブユニットS2,S3,S4,S5と一緒に移動した。
Towbinの方法にしたがったニトロセルロースへの転移
による分解では、これらのタンパク質は、抗−S2,抗−S
3,抗−S4,抗−S5抗体と特異的に反応し、この免疫学的
な素性が確認された。
したがって、これらのサブユットは、抗百日咳ワクチ
ンの製造のために使用することができる。また百日咳の
診断システムの中に使用することもできる。
使用されている用語の簡単な説明 制限酵素 DNA分子を特定の部位すなわち制限部位で切断するこ
とができる加水分解酵素。
発現 遺伝子により暗号化されているタンパク質を合成する
ことができる生物体の機構。この明細書では、遺伝子が
微生物により発現されるという言い方をしている。
組換プラスミド 異種起源のDNAフラグメントを含む環状の染色体外DNA
分子。
プロモーター RNAポリメラーゼ酵素が転写を開始するDNA分子の特別
の領域。プロモーター領域には、この酵素による認識部
位と結合部位がある。
ターミネーター 転写が終結するDNA分子の領域。
転写 DNAからメッセンジャRNA(mRNA)に遺伝情報を写し取
る過程。
翻訳 mRNAにより暗号化されている遺伝情報に基づいてタン
パク質を造り上げるためのアミノ酸の重合。
クローニング・ベクター ホストの微生物内に於ける複製を可能にするための全
ての遺伝情報を含むDNA分子で、微生物の中に異種起源
のDNAを入れるために使用される。クローニング・ベク
ターの例は、自然のプラスミドあるいは起源の異なる2
つまたはそれ以上のDNAの配列を結合することにより造
られたプラスミドである。
下記の実施例は、本発明の説明のためのもので、本発
明の範囲を限定するものではない。
実施例1 クローニング・ベクターpSM214の構築 A)酵素クロムフェニュール・アセチル・トランスフェ
ラーゼ(CAT)をコード化する遺伝子の分離 pC194DNA(Horinouchi及びWeisblulm、J.Bacteriole
1982、150、815−825)10μgを、10mMのpH7.5のトリス
塩化水素、10mMのMgCl2及び50mMのNaClを含有する100μ
の緩衝液中で、各30単位(U)のMbo I(Biolabs)及
びHpa II(Boehringer)制限酵素を用いて、37℃で1時
間消化した。
次いで、酵素反応は、反応混合物の、等容量のフェノ
ール・クロロフォルム(1:1、v/v)及びクロロフォルム
・イソアミル・アルコール(24:1、v/v)を用いての抽
出により停止した。
プラスミドDNAは、2.5容量のエタノール及び醋酸ソー
ダを反応混合物に加えて沈澱させ、最終濃度0.3Mを得
て、生成混合物を15分間−80℃に保った。
沈澱したプラスミドDNAを、Eppendorf遠心分離機、モ
デル5450を用いた4℃での15分間の遠心分離により反応
混合物から分離し、次いで真空中で乾燥した。
このようにして5%のポリアクリルアミド・ゲル上に
分離されたDNAの分析により、予期されたように、夫々1
032、975及び905の塩基対(bp)に対応する3つのバン
ドが見られたが、これらを相互に分離するのは困難であ
った。本発明のベクターの構成に必要な遺伝子配列を含
んでいる1032bpを分離するために、沈澱及び分離の後
で、プラスミドDNAは、pH8のトリス塩化水素10mMおよび
MgCl210mMを含有する緩衝液100μ中に再懸濁し、30U
の制限酵素Cla I(BRL)を用いて37℃で1時間消化し
た。
次いで、反応混合物を10分間65℃に保って酵素反応を
停止した。
上述の手段により、Cla I酵素に対する認識部位を有
する、975及び905bpバンドに対応するDNAフラグメント
だけがこの酵素により消化される一方、1032bpに対応す
るフラグメントはそのまま残される。
次いでプラスミドDNAは消化混合物から沈澱され、分
離されて6%のポリアクリルアミド・ゲル上に取付けら
える。3時間120ボルトで反応させた後、Maxam及びGilb
ert(Methods in Enzymology(1980)、第65巻、499−5
60頁)により記述された方法により、ゲルから溶離し
た。
212bpのHpa II−Hinf Iフラグメントに含有されてい
て、そのプロモータ配列からCAT(820bp)に対しコード
化を行う遺伝子を分離するために、1032bpフラグメント
はpH7.5トリス塩化水素6mM、NaCl100mM、MgCl26mM、及
びメルカプトエタノール6mMを含む緩衝液80μ中に再
懸濁し、2UのHinf Iを用いて37℃で15分間部分消化を行
った。
次いで、反応混合物を等容量のフェノール・クロロフ
ォルム(1:1、v/v)及びクロロフォルム・イソアミル・
アルコール(24:1、v/v)を用いて抽出することにより
反応を停止し、醋酸ソーダ(最終濃度0.3M)及び2.5容
量のエタノール添加後に、−80℃で15分間DNAを沈澱さ
せた。
次いで、DNAは遠心分離され、真空中で乾燥し、最後
に、pH7.2のトリス塩化水素50mM、MgSO410mM、ジチオト
レイトール(DTT)0.1mM、ウシ血清アルブミン(BSA)5
0μg/ml、及び各80mMのデオキシグアノシン・三リン酸
(dGTP)、デオキシシチジン・三リン酸(dCTP)、デオ
キシチミジン・三リン酸(dTTP)、及びデオキシアデニ
ン・三リン酸(dATP)、並びに8UのDNAポリメラーゼ(K
lenowの大フラグメント)を含有する200μの緩衝液中
に再懸濁した。
合成混合物は30分間周囲温度(20〜25℃)に保ってか
ら25mMのエチレンジアミン四醋酸(EDTA)の添加により
非活性化した。プロティンはフェノール・クロロフォル
ム及びクロロフォルム・イソアミル・アルコールを用い
て抽出した。DNAは水性相から醋酸ソーダ(最終濃度0.3
M)及び2.5容量のエタノールを用いて−80℃で15分間で
沈澱させ、遠心分離により分離し真空下で乾燥した。
このようにして得られたDNAは80μのTE(pH8のトリ
ス塩化水素10mM及びEDTA1mA)中に再懸濁し、7%のポ
リアクリルアミド・ゲル上に取付けて、120ボルトで3
時間反応させた。
820bpバンドに対応するDNAフラグメントはMaxam及びG
ilbertの方法で溶離した。
B)プラスミドpSM191の構築 プラスミドpUC13(Boehringer)DNA10μgを、pH7.5
のトリス塩化水素10mM、MgCl210mM、及びNaCl50mMを含
有する緩衝液100μ中に懸濁し、30UのXba I(BRI)制
限酵素を用いて37℃で15分間消化した。反応混合物を10
分間65℃に保持することにより酵素反応を停止した。プ
ラスミドDNAは、2.5容量のエタノール及び0.3Mの醋酸ソ
ーダの添加により沈澱させ、次いで遠心分離により分離
した。このようにして得られたDNA1μgを、pH7.4のト
リス塩化水素50mM、MgCl210mM、DTT10mM、スペルミジン
1mM、及びATP1mMを含有する緩衝液10μ中に再懸濁
し、2UのT4DNAリガーゼの存在下で、37℃で、次の配列
を有する人工フラグメントを得るように連結した。
一般に知られている手法により合成されたこのフラグ
メントは、E.coliのλファージのターミネーターを表わ
しており、転写終結の指示に特に有効である。
全リガーゼ混合物は、Maniatisその他により記述され
た方法(Molecular Cloninga Laboratory Manual198
2)によりコンピテント化されたE.coli HB101の細胞を
形質転換するのに使用した。ここで形質転換細胞は、LB
寒天(10g/のバクト・トリプトン、10g/の塩化ナト
リウム、及び5g/のpH7.5のイースト抽出物を含む)
(DIFCO)及び100μg/mlのアンシピリンのプレート上に
選択した。
プラスミドDNAは、このようにして得られた抗アンピ
シリン(AmpR)コロニーからRodriguz及びTaitによって
記述された方法(Recombinant DNA Techniques、50〜51
頁;Adison−Wesley Publishing)により抽出された。制
限分析の結果、これらのプラスミド中の1つは、pUC13
Lacプロモーターと同じ、組換え体の挿入及び配位を有
していることが分った。
このようにして得られたプラスミドはpSM191と略称さ
れ、その地図は第1A図に示してある。
C)CAT遺伝子のpSM191への挿入 4μgのプラスミドpSM191をpH7.5のトリス塩化水素1
0mM、MgCl27mM、NaCl60mM及びDTT1mMを含有する緩衝液2
0μ中に懸濁し、DNAを消滅する制限酵素Hinc II(BR
L)を用いて37℃で30分間消化し、鈍い端部を生成し
た。
濃度25mMのEDTAを用いて反応を停止し、DNAを沈澱さ
せ、分離し乾燥した。
Hinc II及びステップA)に記述された方法で得られ
る820bpフラグメントの0.09μgにより消滅されたpSM0.
1μgを、pH7.4のトリス塩化水素50mM、MgCl210mM、DTT
10mM、スペルミジン1mM、ATP1mM、及び1UのT4DNAリガー
ゼ(Boehringer)を含有する緩衝液10μ中に懸濁し
た。
連結反応は23℃の温度で14時間にわたり行われ、その
後、65℃で10分間放置した。次いでリガーゼ混合物は、
Maniatisその他により記述された方法((Molecular Cl
oning:a Laboratory Manual1982)によりコンピテント
化されたE.coliJM83細胞(pro Δ ara Δlacpro str A
Φ 800 LacZ ΔM15)の形質転換のために使用した。
組換え体は、濃度100μg/mlアンピシリンを含むLB寒
天板上に選択された。
Amp組換え体の或る物は、20μg/mlの濃度のクロラム
フェニコールを含む板上においても成長することができ
る。これらのAmpRCmRコロニーは分離され、プラスミドD
NAはRodriguez及びTaitの方法により抽出された。
酵素BamH I、Pst I、及びXba Iを用いる制限分析の結
果、これらプラスミドの中の1つは、適切に挿入され配
位された820bpDNAフラグメントを含んでいることが分っ
た。
このようにして得られたプラスミドはpSM213と名付け
られた(第2図)。
D)pSM208のT5ファージのプロモーターの変更 1γのプラスミドpSM208を、pH7.5のトリス塩化水素1
0mM、MgCl27mM、NaCl60mM、DTT1mM、2UのXba I、及び2U
のEcoR Iを含有する緩衝液20μ中に懸濁した。消化反
応は37℃で60分間行われ、次いで65℃で10分間停止し
た。
このようにして、約7300bp及び73bpの2つのフラグメ
ントが得られた。後者はT5ファージのプロモーター領域
に対応している。
7300bpフラグメントは0.8%のアガロース・ゲル上で
電気溶離により精製した。
EcoR I−Xba I7300bpのフラグメント10ngとその配列
が次式: で与えられる人工フラグメント10ngを、66mMのトリス塩
化水素、10mMのMgCl2、10mMのDTT及び2mMのATPを含有す
る緩衝液50μ中に懸濁し、0.1UのT4DNAリガーゼの存
在下で14℃で18時間連結させた。
Maniatisにより記述された方法でコンピテント化され
たHB101E.coli細胞は、10μのリガーゼ混合物により
形質転換され、転換された細胞は、50μ/mlのアンピ
シリンを含むLB寒天板上で選択された。
プラスミドDNAはAmpコロニーから抽出され、Maxam及
びGilbertの方法で配列した。
かくて、pSM208−A(第1B図参照)として知られるプ
ラスミド中の人工フラグメントの正確な配位及び挿入を
確認することができた。
E)CAT遺伝子及びλ人工tOターミネーターを含むpSM21
3DNAのpSM208−Aへの挿入 10μgのプラスミドpSM213を30UのBamH酵素(Boehrin
ger)と共に、pH8のトリス塩化水素10mM、100mMのNaC
l、5mMのMgCl2及び1mMのβ−メルカプトエタノールを含
有する緩衝液100μ中で37℃で1時間消化した。
反応は、等容量のフェノール・クロロフォルム及びク
ロロフォルム・イソアミル・アルコールを用いて反応混
合物を抽出することにより停止し、そしてDNAを沈澱
し、分離して真空中で乾燥した。かくして得られたDNA
は次に、pH7.2のトリス塩化水素50mM、10mMのMgSO4、0.
1mMのDTT、50μg/mlのBSA、80μgのdGTP、80μMのdAT
P及び10UのKlenowDNAポリメラーゼを含有する緩衝液250
μ中で再懸濁した。
合成混合物は周囲温度で30分間インキュベートレ、次
いで25mMのEDTAで反応を停止し、フェノール・クロロフ
ォルム及びクロロフォルム・イソアミル・アルコールを
用いてプロティンを抽出した。
DNAを水性相から沈澱させ、遠心分離法で分離し、真
空中で乾燥し、最後に50mMのNaCl及び2UのHind III制限
酵素(Boehringer)を含む緩衝液200μ中に再懸濁さ
せた。
消化反応は37℃で1時間行い、次いで65℃で10分間放
置した。
次に全反応混合物を6%のポリアクリルアミド・ゲル
上に取付けて、120ボルトで3時間反応させた。
CAT遺伝子及びλファージのtOターミネーターを含ん
でいる、約1000bpのバンドに対応するDNAフラグメント
を、Maxam及びGilbertにより記述された方法で電気溶離
した。それと平行して、pH8のトリス塩化水素、50mM、M
gCl210mM、及びNaCl50mMを含有する緩衝液100μで、1
0μgのpSM208−Aを、30UのXho I(BRL)と共に37℃で
1時間消化した。反応停止後、DNAを沈澱させ、分離し
てから、pH7.2のトリス塩化水素50mM、MgSO410mM、DTT
0.1mM、BSA50μg/ml、dTTP及びdCTPを各80μM、並びに
Klenowポリメラーゼ10Uを含有する緩衝液250μで再懸
濁した。
反応は、周囲温度において30分間行われ、25mMのEDTA
を用いて停止し、フェノール・クロロフォルム及びクロ
ロフォルム・イソアミル・アルコールで処理し、沈澱さ
せた後で、DNAを、50mMのNaClを含む緩衝液200μ中で
再懸濁し、20UのHind IIIと共に37℃で1時間消化し
た。
消化反応を65℃で10分間行って停止した後、混合物
を、1mMのNaCl、pH8のトリス塩化水素30mM、10mMのEDT
A、5〜20%のスクロース・グラジェントを含むゲル16m
l上に取付け、Beckman超遠心分離機を使い毎分25,000回
転(r.p.m.)で22時間20℃で遠心分離して、2つのDNA
フラグメントを分離した。
この操作の結果、前述の消化作用で生成された、夫々
6300bp及び212bpの2つのDNAフラグメントは、グラジェ
ント内で十分分離されていることが分った。
スクロース・グラジェントから集められた各500μ
のフラクションから取った30μを、0.8%のアガロー
ス・ゲル上で水平電気泳動法により分析した。
6300bpのフラグメントの存在を示したフラクション
は、2.5容量のエタノールと、−80℃で15分間結合させ
て沈澱させた。Sorvall遠心分離機、モデルRC−5Bを用
いて12000rpmで20分間遠心分離した後真空中で乾燥し
た。
6300bpのDNAフラグメント2μgを上述の方法で得ら
れた1000bpのフラグメント1μgに連結させた。
連結反応は、pH7.4のトリス塩化水素50mM、10mMのMgC
l2、10mMのDTT、1mMのスペルミジン、1mMのATP及び2Uの
T4リガーゼを含有する緩衝液100μ中で、23℃で4時
間行われた。
65℃で反応を停止してから10分後、全連結混合物はコ
ンピテントE.coliJM83細胞の形質転換に使用された。
29μg/mlのクロラムフェニコール及び100μg/mlのア
ンピシリンを含むLB寒天板上での選択により得られた組
換え体から、Rodriguez及びTaitの方法によりプラスミ
ドDNAを抽出した。これらプラスミドの中の1つは、Xba
I及びHind III酵素で消化して、アガロース・ゲル上で
電気泳動法により分析した。その結果は予期された特
性、即ち、抗生物質カナマイシン、クロラムフェニコー
ル、及びアンピシリンに対する三重耐性、及びβラクタ
マーゼ及びクロラムフェニコール−アセチル−トランス
フェラーゼを含むジシストロン・メッセンジャの転写の
存在を示した。
実施例2 サブユニットS2の成熟部をコードするDNA配列のクロー
ニング A)サブユニットS2に対する遺伝子のベクターpUC12
のサブクローニング PT110(A.Nicosia他、PNAS USA1986、4631−4635)の
10μgを、pH8のトリス塩化水素50mM、10mMのMgCl2及び
50mMのNaClを含有する液50μ中で、10UのAva I制限酵
素と共に37℃で2時間消化した。
等容量のフェノール・クロロフォルム及びクロロフォ
ルム・イソアミル・アルコールを用いての混合物の抽出
により反応を停止し、DNAを、2.5容量のエタノール及び
醋酸ソーダ(最終濃度0.3M)を用いて水性相から−80℃
で30分間沈澱させた。
遠心分離機による分離の後でDNAは、pH7.6のトリス塩
化水素60mM、NaCl125mM、MgCl26mM、2−メルカプトエ
タノール7mM及び0.01%のトリトンX−100を含有する液
50μ中に再懸濁させ、10UのSph I制限酵素を用いて37
℃で5分間消化した。
65℃で反応を停止して5分後、混合物を5%のアクリ
ルアミド・ゲル上に取付けて120ボルトで3時間反応さ
せた。
完全なS2サブユニットに対する遺伝子を含む700bpフ
ラグメントを分離し、Maxam及びGilbertの方法で溶離し
た。
このフラグメントのプラスミドpUC12へのサブクロー
ニングを容易にするために、pUC12のの多重クローニン
グ部位(m.c.s.)を、下記の配列: を有する22bpの人工リンカーで置換した。
特に、2.6μgのpUC12(2730bp)(J.Vieria及びJ.Me
ssing(1982)Gene 19 259)を、pH8のトリス塩化水素5
0mM、10mMのMgCl2、及び50mMのNaClを含有する緩衝液40
μ中で、各3UのEcoR I及びHind IIIを用いて37℃で1
時間消化した。
65℃で反応を停止して5分後、混合物を分離用7.5%
アクリルアミド・ゲル上に取付け、150ボルトで3時間
反応させた。
全pUC12ベクターからそのm.c.s.を取去ったものを含
む、EcoR I及びHind III端末を有する2680bpのフラグメ
ントを、上記の方法で分離して溶離した。
2680bpフラグメント50ng及び22bpの人工リンカー5ng
を、pH7.6のトリス塩化水素20mM、10mMのMgCl2、10mMの
DTT、0.6mMのATPを含有する緩衝液50μ中に懸濁し、2
UのT4DNAリガーゼの存在下で、20℃で4時間連結させ
た。65℃で反応を停止して5分後、全連結混合物を、コ
ンピテントなE.coliHB101細胞の形質転換に使用した。
22bpの人工リンカーを含んでいるpSM221プラスミド
は、100μg/mlのアンピシリンの添加で、LB寒天板上で
選択された、形質転換細胞の中の1つから分離した。こ
のプラスミド2.8μgを、上述の消化条件の下で、各3U
のAva I及びSph Iを用いて消化し、2700bpフラグメント
を得た。このフラグメント50ngと、S2サブユニットのた
めの完全な遺伝子を含んでいる700bpのフラグメント500
ngとを、上記の連結条件で、14℃で16時間かけて連結し
た。
次いで、連結混合物を用いてコンピテントなE.coliHB
101細胞の形質転換を行い、得られた形質転換細胞を、1
00μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天板上で選択した。
プラスミドDNAの迅速抽出により分析された16の抗ア
ンピシリン(Amp)形質転換細胞の中13は700bpフラグメ
ントを含んでいた。
pSM222と呼ばれる、3400bpのプラスミドをこれらのク
ローンの中の1つから抽出して精製した(第3図)。
B)pSM214プラスミドの成熟S2サブユニットに対する遺
伝子のサブクローニング 6μgのpSM222を、10UのSst I酵素を用いて、pH7.5
のトリス塩化水素100mM、50mMのNaCl及び10mMのMgCl2
含有する緩衝液2μ中で、37℃で90分間消化した。
反応停止後、DNAを沈澱させ、遠心分離法で分離し、p
H8のトリス塩化水素20mM、12.5mMのCaCl2、12.5mMのMgC
l2及び1mMのEDTAを有する液100μ中に再懸濁して、1.
8UのBal31(BRL)ヌクリアーゼを用いて23℃で90秒間イ
ンキュベーションした。
このようにして、S2をBordetella pertussisの細胞周
辺膣中へ分泌することを受持つ信号配列に対しコード化
を行う、約100のヌクレオチドを、S2遺伝子のアミノ終
結領域から除去した。
65℃で5分間反応を停止し、DNAを沈澱させ、分離
し、次いで再びpH8のトリス塩化水素66mM、77mMのNaC
l、5mMのMgCl2及び10mMのDTTを含有する緩衝液80μ中
に再懸濁し、37℃で2分間2.5UのExo III(BRL)と共に
インキュベーションした。
反応の終りに、S2をコード化する遺伝子の5′端部を
約30のヌクレオチドにより照射した。
等容量のフェノール・クロロフォルムとエーテルで反
応を停止した後、DNAを沈澱させ上述のようにして分離
した。
このようにして得られたDNAは、pH8のトリス塩化水素
50mM、10mMのMgCl2及び50mMのNaClを含有する緩衝液30
μ中で再懸濁し、10UのHind III制限酵素を用いて37
℃で2時間インキュベーションした。
混合物のインキュベーションを65℃で5分間停止し、
7.5%のアクリルアミド・ゲル上に取付け、120ボルトで
3時間反応させた。
成熟S2の遺伝子を含む650bpフラグメントをこのよう
にして分離した。
成熟S2のサブユニットの完全配列を再構成し、続いて
起こるそのpSM214中でのクローニングを可能にするため
に、配列が: で与えられる、50のヌクレオチドの人工フラグメントを
用いた。
この一重鎖オリゴヌクレオチドはその一端において成
熟S2のアミノ終結領域と対を成すことができ、従って最
初の9つのアミノ酸、それに加えて翻訳開始のためのメ
チオニンに対する完全な情報を再生することができる。
又、他端では、Sst Iを用いて、pSM214調整配列と対を
作ることができる。
3.7μgのpSM214を、pH8のトリス塩化水素50mM、10mM
のMgCl2及び50mMのNaClを含有する液20μ中で、5UのH
ind III及び5UのSst Iを用いて、37℃で120分間消化し
た。
反応停止後、消化混合物を0.8%のアガロース・ゲル
上に取付け、80ボルトで90分間反応させて6500bpバンド
を得た。
このバンドに対応するDNAフラグメントはSst I−Hind
III端部を有し、翻訳調整配列RBS及びβラクタマーゼ
遺伝子が欠落している点を除き、pSM214プラスミドの主
要部分を含んでいる。
pSM214の6500bpフラグメント100ng、5′端部が浸食
された成熟S2サブユニットに対する遺伝子を含む650bp
フラグメント30ng、及び50ベースの人工オリゴヌクレオ
チド20ngを、pH7.6のトリス塩化水素20mM、10mMのMgC
l2、10mMのDTT、0.6mMのATTを含有する緩衝液20μ中
で、2UのT4DNAリガーゼの存在下、14℃で16時間にわた
り連結した。
得られた連結混合物は、次いでE.coliJM101細胞(la
c.pro.sup E、Thi、F′pro AB、Lac I9、ZΔM15、tra
D36)の形質転換のために使用した。
形質転換細胞はクロラムフェニコール20μg/mlの添加
でLB寒天板上で選択した。
プラスミドDNAの迅速抽出により分析されたCmR AmpR
クローンの60%は、Xba I−EcoR Iフラグメントに含ま
れるプロモーターの調整下で、成熟S2サブユニットをコ
ード化する遺伝子を含んでいた。
プラスミドpSM226はこれらのクローンの中の1つから
分離した(第3図)。
このプラスミドは、Contne及びDubnauにより記述され
た方法(Mol.Gen.Genet.167、251−258(1979))によ
りコンピテント化されたB.subtilis SMS118株(leu、py
rD1、npr-spr-)の形質転換のために使用された。
TBAB(Tryptose Blood Agar Base−Difco)上で5μg
/mlのクロラムフェニコールの添加で選択されたすべて
の形質転換細胞のクローンは、pSM226プラスミドを含有
していた。
実施例3 S3サブユニットの成熟部分をコードするDNA配列のクロ
ーニング A) S3サブユニットに対する遺伝子のPEMBL18へのサ
ブクローニング 50mMトリスHCl(PH8)、10mM Mgおよび50mM Nacl緩衝
液70μ中のBgl IIとBamH I各20Uによって、pT110[エ
イ.ニコシア(A.Nicosia)ほか、PNAS USA1983,4631〜
4635頁]15μgを37℃において1時間消化させた。
反応を65℃において1時間停止させ、消化混合物を5
%ポリアクリルアミドゲル上に負荷させ、130voltにお
いて、3時間電気泳動させた。
S3をコードする遺伝子を含む1738バンドを溶離し、精
製した。
同時に、10mMトリスHCl(pH8),100mM NaCl、5mM MgC
l2および1mM2−メルカプトエタノールを含む緩衝液30μ
中のBamH I 10Uによって、pEMBL18プラスミド[エ
ル.デンテ(L.Dente),エム.サラッツォ(M.Sallazz
o),シー.バルダリ(C.Baldari),ジー.セサレニ
(G.Cesareni)およびアール.コルテセ(R.Cortese)
(1985),[ディー・エヌ・エーチューイング(DNA Ch
ewing)]1巻、101〜107頁)]6μgを37℃において
1時間消化させた。酵素反応をフェノール/クロロホル
ム/イソアミルアルコール(25:24:1,V/V)とクロロホ
ルム/イソアミルアルコール(24:1,V/V)によって停止
させ、DNAを沈降させて単離した。20mMトリスHCl(pH7,
6),10mM MgCl2,10mM DTTおよび1mM ATPを含む緩衝液50
μ中で、上記のように調製したpEMBL18 200ngと1738b
pフラグメント300ngとをT4リガーゼ3Uによって、14℃に
おいて18時間連結させた。
65℃において10分間反応を停止させた後に、連結反応
混合物を用いてコンピテント大腸菌(E,coli)JM101細
胞の形質転換を行った。
アンピシリン100μg/ml,5−プロモ−4−クロロ−3
−インドリルb−D−ガラクトシド(X−Gal)40μ/
mlおよびイソプロピルb−D−ガラクトシド(IPTG)12
5μg/mlを含むLB寒天プレート[ディフコ(Difco)]上
での選択によって得た組換えクローンから[ジェイ.ヴ
ィエラ(J.Viera)およびジェイ.メッシング(J.Messi
ng),ジーン(Gene)19巻、259頁(1982)],白色AMP
Rコロニー24個を単離した。
これらのコロニーをマニアティス(Maniatis)等が
モレキュラークローニング:ラボラトリーマニュアル
(Molecular Cloning:a Laboratorg Manual),コール
ド スプリング ハーバー(Cold Spring Harber)198
2]に述べている方法によるプラスミドDNAの迅速抽出と
これに続くPst I制限酵素によるプラスミドの消化とに
よって試験した。
分析したプラスミド24個の中の5個は、S3サブユニッ
トの遺伝子を含むフラグメントの正確な位置づけを表示
する4995と800bpの2フラグメントをそれぞれ示した。
pSM231と名づけられたプラスミド(第4図)をこれら
の5クローンの1つから、マニアティス等の方法によっ
て抽出した。
14mMトリスHCl(pH7.5),6mM MgCl2,6mM2−メルカプ
トエタノールおよび30mM NaClを含む緩衝液30μ中のS
st I(BRL)制限酵素10Uによって、37℃において1時間
消化させた。
反応を65℃において10分間停止させた後に、プラスミ
ドDNAを沈降させ、上記のように分離し、次に15mMトリ
スHCl(pH8.5),15mM KCl,6mM MgCl2および6mM2−メル
カプトエタノールを含む緩衝液30μ中でSma I制限酵
素10Uによって、25℃において1時間消化させた。
Sma I消化後に沈降したpSM231 3μgを、66mMトリスH
Cl(pH8),77mM NaCl,5mM MgCl2,10mM DTTおよびエキソ
ヌクレアーゼIII15Uを含む緩衝液40μ中に再懸濁させ
た。
異なる時間に採取したサンプル4μ,4.8μ,7.2μ
,10μおよび14μによって消化反応を37℃におい
て実施した。これらのサンプルを一緒にして0.5M酢酸ナ
トリウム(pH4),0.5M NaCl,60mM ZnSO4およびSIヌクレ
アーゼ60Uを含む緩衝液4.5μに加えた。得られた混合
物を23℃において15分間インキュベートL2から、0.1M E
DTAおよび1.5M酢酸ナトリウムを含む溶液10μを加え
て停止させた。
混合物をフェノール/クロロホルム/アミルアルコー
ルとクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1,V/V)
とによって抽出し、プラスミドDNAを沈降分離後に、50m
MトリスHCl(pH7.2),10mM MgSO4,0.1mM DTT,BSA50μg/
ml,dATP,dGTPおよびDTT各0.25mMならびにDNAポリメラー
ゼI酵素(大フラグメント)(NEN)3Uを含む緩衝液25
μ中に再懸濁させた。
混合物を周囲温度(20゜〜25℃)において30分間イン
キュベートした後に、0.5M EDTA0.1μを加えて停止さ
せた。プラスミドDNA 100ngを、20mMトリスHCl(pH7.
6),10mM MgCl2,10mM DDTおよび1mM ATPを含む緩衝液50
μ中においてT4 DNAリガーゼ3Uの存在下、23℃におい
て18時間それ自体に連結させた。
この連結反応混合物の全量を用いて、コンピテント大
腸菌JM101細胞を形質転換した。
アンピシリン100μg/ml,X−Gal40μg/mlおよびIPTG12
5μg/mlを含むLB寒天プレート上での選択によって得ら
れた500組換えクローンをBA85ニトロセルロースフィル
ター[シエリンチャー アンド シェネル(Schellinch
er and Schnell)]上で複製した。
次にフィルターを0.5N NaOHによって5分間,1.5Mトリ
スHCl(pH7.5)によって5分間,0.3M SSC 2X NaCl(pH
7),30mMクエン酸ナトリウムによって5分間および70%
エタノールによって5分間処理することによって複製ク
ローンを溶解し、フィルターを真空下、60℃において2
時間乾燥した。
これらのクローンによりS3サブユニット生産を免疫学
的試験によって検定した。
特に、ペルオキシダーゼと組合せたウサギ抗S3抗体と
ヤギ抗ウサギIgG抗体の存在下でフィルターをインキュ
ベートした。この処置によって、百日咳トキシンのS3サ
ブユニットを生産する15クローニンを検出した。
これらのクローンの中の4個から抽出したプラスミド
DNAを鋳型として変性プラスミドを用いて、ジデオキシ
ヌクレオチド法によって塩基配列決定した[マサヒロ・
ハットリ(Masahiro Hattori)およびヨシユキ・ササキ
(Yoshiyuki Sasaki)(1986),アナル・バイオケム
(Anal.Biochem)152巻,232〜238頁参照]。
pSM233名づけられた、これらのプラスミドの1つの塩
基配列は次の通りである: このようにして、pSM233組換えプラスミドにおける非
コード領域と、アミノサンが1個少ないペプチド分泌シ
グナルをコードする塩基配列とがエキソヌクレアーゼII
IとヌークレアーゼSIとによる処理の結果として除去さ
れて、β−ガラクトオキシダーゼのアミノ末端部分の7
アミノ酸に融合したS3サブユニットが得られることが確
認された。
さらに、成熟S3サブユニットの開始点に正確に相当す
る領域の組換えプラスミドpSM233中に、Xma III酵素に
よって認識される制限部位が生成した。
B) 成熟S3サブユニットに関する遺伝子のpSM214への
サブクローニング 百日咳菌の成熟サブユニットをコードする遺伝子をpS
M233組換えプラスミドから、終結コドンの下流の+1ア
ミノ酸に53アミノ酸に相当する位置でそれぞれ切断する
Xma IIIとPst I制限酵素とによる消化によって単離し
た。
10mMトリスHCl(pH8.2),8mM MgCl2,6mM2−メルカプ
トエタノールおよびBSA100μg/mlを含む溶液250μ中
のXma III[バイオラブ(Biolabs)]20Uによって、pSM
233 15μgを37℃において4時間消化させた。
反応を65℃において10分間停止させた後、DNAを沈降
分離して、7.5%アクリルアミドゲル上に負荷させた。
120voltにおいて3時間電気泳動させた後、成熟S3を
コードする領域とS3の下流の非コード領域(330bp)と
を含む942bpバンドをマキサム(Maxam)とギルバート
(Gilbert)が述べている方法によって単離し溶離し
た。
次に、942bpバンドに相当するフラグメント1μg
を、50mM酢酸ナトリウム(pH4),50mM NaClおよび6mM Z
nSO4を含む溶液20μ中でSIヌクレアーゼ20Uによって2
3℃において15分間消化させた。
最後にEDTA2mMを加えて反応を停止させ、沈降が生じ
た後に、50mMトリスHCl(pH7.2),10mM MgSO4,0.1m MDT
T,50μg/mlBSAおよび0.2mMdid NTPsを含む緩衝液10μ
中にDNAを再懸濁させ、クレノフ(Klenow)DNAポリメラ
ーゼ4Uによって23℃において30分間処理した。
このようにして得られたフラグメント500ngをPst Iに
よって37℃において1時間消化させ、成熟S3サブユニッ
トをコードする800bpフラグメントを上記のように電気
溶離した。同時に、ベクターpUC12 2.5μgを、50mMト
リスHCl(pH8),10mM MgCl2および50mM NaClを含む溶液
30μ中のEcoR IとPst I制限酵素によって、37℃にお
いて1時間消化させた。
反応を65℃において5分間停止させ、DNAを最初に0.3
M酢酸ナトリウム中でエタノール2.5倍量によって−80℃
において30分間、次に最終的に0.5M NaClO4中でイソプ
ロパノール0.5倍量によって周囲温度において15分間沈
降させた。
このようにして得られたDNAを遠心分離によって分離
した後に、T4DNAリガーゼ10Uと下記の人工リンカー370n
gとを含むリガーゼ緩衝液125μ中に再懸濁させた: このリンカーはpUCプラスミド12のEcoR I末端と結合
して、翻訳開始3塩基配列が先行するブランドエンド
(ATG)を作製する。リガーゼ混合物を14℃において16
時間インキュベートレ,65℃において5分間停止させ
た。次にリンカーの5′OH遊離端部をT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼ5Uによって、37℃において1時間リン酸化し
た。フェノール/クロロホルムによって抽出した後に、
DNAをイソプロパノールによって沈降させ、50mMトリスH
Cl(pH8),10mM MgCl2および50mM NaClを含む溶液30μ
中のPst I 4Uによって、37℃において1時間消化させ
た。
フェノール/クロロホルムによる抽出によって反応を
停止させ、DNAを0.3M酢酸ナトリウム中でエタノールに
よって沈降させた。このようにして作製したプラスミド
DNA150ngと成熟S3サブユニットに対する遺伝子を含むフ
ラグメント60ngとをT4DNAリガーゼ存在下、23℃におい
て16時間かけて連結させた。
連結反応混合物を用いて、コンピテント大腸菌HB101
細胞を形質転換した。
アンピシリン100μ/mlを添加したLB寒天プレート上
での選択によって得た組換えAmpRクローンの1つからpS
M227プラスミドを単離した。これでは、SIヌクレアーゼ
による処理によって除去されないアミノ酸アラニンと、
アミノ末端位置のメチオニンとが先行する成熟S3遺伝子
がそれぞれ上流および下流のEcoR IとHind IIIとによっ
て表示される(第4図)。
pSM2273μgを、50mMトリスHCl(pH8.0),10mM MgCl2
および50mM NaClを含む緩衝液30μ中のEcoR I 3Uおよ
びHind III3Uによって、37℃において1時間消化させ
た。
混合物を65℃において5分間停止させ、次に7.5%ア
クリルアミドゲル上に負荷させた。
120voltにおける3時間の電気泳動後に、成熟S3サブ
ユニットに対する遺伝子を含む65bpバンドを分離し、溶
離した。このバンドに相当するフラグメント100ngを、
上記条件下でEcoR IおよびHind III酵素によって予め消
化させたpSMプラスミド300ngに連結させた。
連結反応はDNAリガーゼ2Uの存在下で4℃において16
時間実施した。
この混合物の2μと4μ部分を用いて、コンピテ
ント大腸菌JM101細胞を形質転換した。
組換え体の選択はクロラムフェニコール20μg/mlを含
むLB寒天プレート上で行った。
74ヌクレオチド人工プロモーターの制御下で成熟S3サ
ブユニットに対する遺伝子と−1位置のアラニンとを含
むプラスミドpSM228(第5図)をCmRクローンの1つか
ら単離した。
pSM228プラスミド100ngを用いて、コンピテント枯草
菌(B.subtilis)SMS118細胞を形質転換した。
クロラムフェニコール(5μg/ml)を添加したTBAB上
で分析した組換えクローンの全てがpSM228プラスミド
(第5図)を含有した。
実施例4 S4サブユニットの成熟部分をコードするDNA塩基配列の
クローニング A) S4サブユニットに対する遺伝子のpEMBL19中への
サブクローニング 50mMトリスHCl(pH8.0),10mM MgCl2および50mM NaCl
を含む緩衝液100μ中のAva I酵素12UとPst I酵素18U
によって、PT110 10μgを37℃において1時間消化させ
た。
反応を65℃において5分間停止させ、混合物を6%ア
クリルアミドゲル上に負荷させ、120voltにおいて2時
間ランした。
S4サブユニットに対する遺伝子を含むDNAの765bpフラ
グメントをマキサムとギルバートが述べているように電
気溶離した。
同時に、pEMBL19 1μgを上記条件下でAva IとPst I
制限酵素によって消化させた。
反応を65℃において10分間停止させた。
このようにして作製したプラスミドDNA30ngとS4に対
する遺伝子を含む765bpフラグメントを、0.66mMトリスH
Cl(pH7.6)、50mM MgCl2、50mM DTTおよび1mM ATPを含
む緩衝液30μ中のS4DNAリガーゼ1Uの存在下、14℃に
おいて8時間にわたって連結させた。
反応を65℃において10分間停止させた後、連結反応混
合物を用いてコンピテント大腸菌JM101細胞を形質転換
した。
X−Gal40μg/ml、IPTG125μg/mlおよびアンピシリン
100μg/mlを含むLB寒天プレート上での選択によって得
られた形質転換細胞からプラスミドDNAを抽出した。
pSM244−Aと名づけた、これらのプラスミドの1つ
は、正確に挿入され位置づられた765bpフラグメントを
含有した。
pSM244−A3μgを、50mMトリスHCl(pH8)、10mM MgC
l2および50mM NaClを含む溶液30μ中でEcoR I 5Uによ
って37℃において1時間消化させ、次にBstE II 9Uによ
って60℃において1時間消化させた。
この消化によって、それぞれ3860bpと140bpのフラグ
メントが生成し、後者は百日咳菌(Bordetella pertuss
is)中のS4分泌に対するシグナル塩基配列部分と成熟S4
に対する遺伝子の最初の36アミノ酸とを含有する。
3860bpフラグメント1μgを70mMトリスHCl(pH7.
6)、10mM MgCl2、5mM DTTおよび1mM ATPを含む溶液100
μ中のT4DNAリガーゼ10Uの存在下で、成熟S4サブユニ
ットのアミノ末端部分のコード塩基配列を再形成して下
記の配列を有する47bpの人工フラグメント100ngと連結
させた; この連結反応は14℃において8時間実施し、次に65℃
において5分間停止させた。
次に連結反応混合物を用いて、コンピテント大腸菌JM
101細胞を形質転換し、形質転換細胞をアンピシリン100
μg/mlを含むLB寒天プレート上で選択した。
若干のAmpRクローンから抽出したプラスミドDNAの分
析によって、オリジナル140bpフラグメントの位置への4
7bp人工フラグメントの挿入が実証された。
これらのクローンの1つから抽出した組換えプラスミ
ドをpSM224−Bと名づけた(第6図) B)pSM214中への成熟S4に対する遺伝子のサブクローニ
ング 50mMトリスHCl(pH8.2)、8mM MgCl2、6mM2−メルカ
プトエタノールおよびBSA100μg/mlを含む溶液30μ中
へpSM244−B2μgを懸濁させ、成熟S4をコードする遺伝
子の開始コドンの上流および末端コドンの下流約340塩
基のところでそれぞれ切断するEcoR I 5UとHind III 5U
とによって、37℃において1時間消化させた。
反応を65℃において5分間停止させた後、DNAを沈降
させ、再懸濁させて、7.5%アクリルアミドゲル上に負
荷させた。
120voltにおいて3時間電気泳動させた後に、成熟S4
をコードする部分を含む687bpフラグメントを単離し、
溶離した。
687bpフラグメント120ngをTADNAリガーゼ1Uの存在下
で、上記のように予め消化させたpSM214 500ngと14℃に
おいて8時間にわたって連結させ、連結反応混合物を作
製した。この反応混合物を用いて、塩化カルシウム法に
よってコンピテントにした大腸菌HB101細胞を形質転換
した。クロラムフェニコール20μg/mlを含むLB寒天プレ
ート上で選択を行った。
CmR AmpS陽性クローンから抽出したプラスミドDNAの
分析によって、成熟S4サブユニットに対する遺伝子が正
確に挿入されたことが確認された。
これらのクローンの1つから抽出したプラスミド、pS
M244を用いてコンピテント枯草菌SMS118細胞を形質転換
した。クロラムフェニコール5μg/mlを添加したTBABプ
レート上で選択した陽性形質転換細胞はpSM244プラスミ
ドを含有した(第7図)。
実施例5 S5サブユニットの成熟部分をコードするDNA塩基配列の
クローニング A)S5サブユニットに対する遺伝子のpUC12中へのサブ
クローニング pSM249プラスミドの構成 pUB110プラスミド[ティ.タナカ(T.Tanaka)および
エヌ.スカカ(N.Sucaka)、ジャーナル オブ バクテ
リオロジー(Journal of Bacteriology)、1983、154
巻、1184−1194頁]10μgとPT110 3.7μgとをそれぞ
れ、6mMトリスHCl(pH8)、150mM NaCl、6mM MgCl2およ
び7mMβ−メルカプトエタノールを含む溶液30μ中でX
ba IおよびBamH I制限酵素各5Uによって、37℃において
1時間消化させた。
反応をフェニコール/クロロホルム/アミルアルコー
ル/倍量で抽出することによって停止させ、DNAを沈降
後に、TE[10mMトリスHCl(pH8)と1mM EDTA]緩衝液15
μ中に再懸濁させた。次に、このように消化させた各
サンプル13μを連結反応混合物30μ中でT4DNAリガ
ーゼ2Uによって、4℃において16時間連結させた。
この連結反応混合物を用いて、コンピテント枯草菌SM
3 108(his、leu、met、npr-、rec E4)細胞を形質転換
した。
カナマイシン5μg/mlを含むTBABプレート上で形質転
換細胞を選択した。
百日咳菌の機能の大部分を占める、Xba IとBamH I端
部を有する3500bpインサートを含み、S5サブユニットに
対する遺伝子を含むプラスミドpSM249を、これらのクロ
ーンの1つから抽出し、精製した。
10mMトリスHCl(pH8.0)、20mM NaCl、10mM MgCl2、5
mMβ−メルカプトエタノールおよびBSA100μg/mlを含む
溶液100μ中でNae I制限酵素、50Uによって、pSM240
10μgを37℃において1時間消化させた。
反応を65℃において5分間停止させ、沈降後にDNAを5
0mMトリスHCl(pH8)、10mM MgCl2および50mM NaClを含
む溶液10μ中でBcl I酵素によって、37℃において30
分間消化させた。
消化混合物を65℃において5分間、反応停止させ、7.
5%ポリアクリルアミドゲル上に負荷させた。
120voltにおいて3時間電気泳動させた後に、アミノ
酸9から出発するS5に対する遺伝子を含む約350bpのフ
ラグメントを溶離した。
pUC12 2.5μgを、50mMトリスHCl(pH8)、10mM MgCl
2および50mM NaClを含む溶液30μ中でEcoR IとBamH I
制限酵素各3Uによって37℃において1時間消化させ、26
80bpフラグメントを上記のように電気溶離した。
2680bpフラグメント20ng、S5含有350bpフラグメント
および次の塩基配列: を有する34bp人工オリゴヌクレオチド3ngを、20mMトリ
スHCl(pH7.6)、10mM MgCl2、10mM DTT、0.6mM ATPお
よびT4DNAリガーゼ2Uを含む溶液20μ中で14℃におい
て16時間連結させた。連結反応混合物を用いてコンピテ
ントHB101大腸菌細胞を形質転換し、アンピシリン100μ
g/mlを含むLB寒天プレート上で形質転換細胞を選択し
た。
成熟S5サブユニットをコードする遺伝子を含み、EcoR
IとHind III制限部位によって表示される開始メチオニ
ンを除いて天然プラスミドと等しいプラスミドpSM229
(第8図)をAmpRクローンの1つから単離した。
B)成熟S5サブユニットをコードする遺伝子のpSM214へ
のサブクローニング pSM229 5μgを、50mMトリスHCl(pH8)、50mM NaCl
および10mM MgCl2を含む溶液50μ中のEcoR IとHind I
II制限酵素各10Uによって、37℃において30分間消化さ
せた。65℃において5分間停止させた後、混合物を7.5
%ポリアクリルアミドゲル上に負荷させ、120voltにお
いて3時間電気泳動させた。
成熟S5に対する遺伝子を含む400bpバンドをマキサム
とギルバートが述べているように電気溶離した。
このバンドに相当するフラグメント200ngと、上記と
同じ条件下でEcoR IとHind IIIとによって消化させたpS
M214 600ngとを連結反応用溶液6μ中でT4DNAリガー
ゼ5Uの存在下で14℃において16時間連結させた。
反応を65℃において5分間停止させた後に、混合物を
用いてコンピテント大腸菌HB101細胞を形質転換した。
形質転換細胞の選択はクロラムフェニコール20μg/ml
を含むLB寒天プレート上で実施した。
成熟S5サブユニットに対する遺伝子を含むプラスミド
pSM243をCmRクローンの1つから単離した。
次にpSM243 100ngを用いて、コンピテント枯草菌SMS1
18細胞を形質転換した。クロラムフェニコール5μg/ml
を含むTBAB上で選択した組換えクローンの全てはpSM243
プラスミドを含有した(第9図)。
実施例6 枯草菌SMS118における成熟S2、S3、S4およびS5サブユニ
ットの表現 プラスミドpSM226、pSM228、pSM244およびSM243をそ
れぞれ含む枯草菌SMS118細胞を、クロラムフェニコール
5μg/mlを添加したVY培地[ヴィール侵出ブイヨン(Ve
al infusion broth)(ディフコ)25g/、酵母抽出物
(ディフコ)5g/]10ml中で37℃において16時間増殖
させた。
次に各培養物1mlをエッペンドルフ遠心機(Eppendorf
centrifuge)中で最大速度、4℃において1分間遠心
分離した。このようにして得られた細胞を30mMトリスHC
l(pH8.0)および50mM NaCl中で洗浄してから、S2とS3
の場合にはリゾチーム20mg/mlを添加したSET緩衝液[20
%ショ糖、50mMトリスHCl(pH7.6)、50mM EDTM]100μ
中に再懸濁させた。このようにして得られた細胞懸濁
液を撹拌しながら37℃に5分間維持した。
次に各溶解物24μに、SDS緩衝液[125mMトリスHCl
(pH6.8)、3%ドデシル硫酸ナトリウム、3%2−メ
ルカプトエタノール、20%グリセロール]36μとプロ
モフェノールブルー2μとを加え、生成した溶液を10
0℃に5分間放置した。
次に各溶解物20μを15%ポリアクリルアミド/ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)ゲル[レムリ(Laemli)、
ネイチャー(Nature)、(1970)、277巻、680頁]上に
負荷させ、25mAにおいて3時間電気泳動的流動させた後
に、クーマシーブルー(Coomassie Blue)による染色
蛋白質のゲル電気泳動:実際的アプローチ(Gel elec
trophoresis of proteins:a practical approach)、ビ
ー・ティ・ヘィムス(B.D.Hames)およびディ・リック
ウッド(D.Reckwod)編集、アイアールエル プレス
リミテッド(IRL Press Limited)から出版]ならびに
シュライヘル アンド シュール ニトロセルロース
(Schleicher and Schull Nitrocellulose)45μmフィ
ルターへの転写と次の、トウビン(Towbin)が述べてい
るような、ウサギ抗S2、抗S3、抗S4および抗S5抗体およ
びペルオキシダーゼ[マイルス(Miles)]と結合した
ヤギ抗ウサギIgG抗体によるフィルターの処理[エッチ
・トウビン(H.Towbin)、ティ・スタッヘリング(T.St
acheling)およびジェイ・4ゴルドン(J.Gordon)(19
79)、PNAS USA76巻、4350−4頁]によって蛋白質を表
示した。クーマシーブルーで染色すると、それぞれ23,0
00、22,000、12,000および10,000ダルトンの分子量を有
する蛋白質が出現し、これらは天然トキシンの成熟サブ
ユニットS2、S3、S4およびS5と共に共移動する(第10A
図)。
これらの蛋白質は、免疫電気泳動分析によって実証さ
れるように、また第10B図に示すように、抗S2、抗S3、
抗S4および抗S5抗体と特異的に反応する。
上記のよう培養条件下で合成される蛋白質量は最高80
mg/(S2とS4)から最低20〜40mg/(S3とS5)までの
範囲である。
【図面の簡単な説明】
第1A図は、E.coliのλファージ(tO)のtOターミネータ
ーの人工的配列の、PUC13のXba I制限部位への挿入によ
り得られるプラスミドpSM191の制限地図を示す。 第1B図は、pSM208のEcoR−Xba Iフラグメントに対する
人工的プロモーターの配列の置換により得られるプラス
ミドpSM208−Aを示す。 第2図は、クローニング・ベクターpSM214及び中間プラ
スミドpSM213の制限地図を示す。 第3図は、組換え体pSM226の構築を示す。 第4図及び第5図は、組換え体プラスミドpSM228の構築
を示す。 第6図及び第7図は、組換え体プラスミドpSM244を示
す。 第8図及び第9図は、組換え体プラスミドpSM243を示
す。 第10A図は、15%ポリアクリルアミドSDSゲルで、B.subt
ilisSMS118(pSM226)から抽出されたプロティンの総
量、(pSM226)、(pSM228)、(pSM244)及び(pSM24
3)を1、2、3及び4で表わしてある。 第10B図は、ペルオシダーゼと組合わせた抗S2、S3、S4
及びS5ウサギ抗体及び抗ウサギ、ヒツジIgG抗体を用い
て、B.subtilisSMS118の15%ポリアクリルアミドSDSゲ
ルから抽出されたプロティンの総量、(pSM226)、(pS
M228)、(pSM244)及び(pSM243)、の免疫ブロットを
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:125) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:125) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:125) (72)発明者 コレッティー エリザベッタ イタリア国 ミラノ ビア カタニア 3 (72)発明者 リボリ バルバラ イタリア国 クレモナ ビア ボルゴ スペラ 1 (72)発明者 コスミナ パオラ イタリア国 ミラノ ビアレ ミスラタ 14 (72)発明者 ドクツニ アンジェロ イタリア国 ミラノ ピイエベ エマヌ エル ビア デレ ローズ 5 (72)発明者 ペドロニ パオラ イタリア国 ミラノ ビア プリニオ 48 (72)発明者 ラプオリ リノ イタリア国 シエナ クエレセグロッサ モンテリギオニ ビア カラマンドレ イ 35

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異種蛋白質をコードするDNA塩基配列のク
    ローニングに有用なベクターであって、バチルス属およ
    び大腸菌の機能的複製の起点、抗生物質のカナマイシ
    ン、アンピシリンおよびクロラムフェニコールに対する
    耐性をコードする遺伝子、ならびにアンピシリンおよび
    クロラムフェニコールに対する耐性をコードするジシス
    トロニックメッセンジャーRNAの転写を指示する強力な
    人工プロモーターを含むことを特徴とするベクター。
  2. 【請求項2】バチルス属の機能的複製の起点がプラスミ
    ドpUB110の起点である請求項第1項記載のベクター。
  3. 【請求項3】大腸菌の機能的複製の起点がプラスミドpB
    R322である請求項第1項記載のベクター。
  4. 【請求項4】人工プロモーターのヌクレオチド塩基配列
    が ATTCATAAATTTGAGAGCTCAAAGGAGGAATTCTTATG 3′ TAAGTATTTAAACTCTCGAGTTTCCTCCTTAAGAATACTTAA 5′ である請求項第1項記載のベクター。
  5. 【請求項5】DNA塩基配列が免疫学的または生物学的に
    活性な蛋白質をコードする請求項第1項記載のベクタ
    ー。
  6. 【請求項6】異種蛋白質が百日咳トキシンの成熟サブユ
    ニットである請求項第5項記載のベクター。
  7. 【請求項7】枯草菌SMS118(pSM214)として寄託した請
    求項第1項記載のベクター。
  8. 【請求項8】請求項第1項ないし第7項において定義し
    たようなクローニングベクターから、EcoR IおよびHind
    III制限酵素によってβ−ラクタマーゼ遺伝子を除去
    し、制限部位の異種蛋白質をコードするDNA塩基配列を
    クローニングすること4によって得られる、異種蛋白質
    の発現に有用な組換えプラスミド。
  9. 【請求項9】異種蛋白質が百日咳トキシンのサブユニッ
    トである請求項第8項記載の組換えプラスミド。
  10. 【請求項10】DNA塩基配列がS2成熟サブユニットをコ
    ードする請求項第9項記載の組換えプラスミドpSM226。
  11. 【請求項11】DNA塩基配列がS3成熟サブユニットをコ
    ードする請求項第9項記載の組換えプラスミドpSM228。
  12. 【請求項12】DNA塩基配列がS4成熟サブユニットをコ
    ードする請求項第9項記載の組換えプラスミドpSM244。
  13. 【請求項13】DNA塩基配列がS5成熟サブユニットをコ
    ードする請求項第9項記載の組換えプラスミドpSM243。
  14. 【請求項14】請求項第8項ないし第13項において定義
    したような組換えプラスミドによって形質転換した微生
    物。
  15. 【請求項15】大腸菌と枯草菌とから成る群から選択し
    た請求項第14項記載の微生物。
  16. 【請求項16】枯草菌SMS118である請求項第15項記載の
    微生物。
  17. 【請求項17】枯草菌SMS118(pSM226)。
  18. 【請求項18】枯草菌SMS118(pSM228)。
  19. 【請求項19】枯草菌SMS118(pSM244)。
  20. 【請求項20】枯草菌SMS118(pSM243)。
  21. 【請求項21】請求項第14項ないし第20項において定義
    したような形質転換微生物を窒素、炭素および無機塩の
    ソースを含む液体培地のクロラムフェニコール存在下で
    増殖させることを特徴とする異種蛋白質の製造方法。
  22. 【請求項22】微生物が枯草菌SMS118(pSM226)であ
    り、異種蛋白質が成熟S2サブユニットである請求項第21
    項記載の方法。
  23. 【請求項23】微生物が枯草菌SMS118(pSM228)であ
    り、異種蛋白質が成熟S3サブユニットである請求項第21
    項記載の方法。
  24. 【請求項24】微生物が枯草菌SMS118(pSM244)であ
    り、異種蛋白質が成熟S4サブユニットである請求項第21
    項記載の方法。
  25. 【請求項25】微生物が枯草菌SMS118(pSM243)であ
    り、異種蛋白質が成熟S5サブユニットである請求項第21
    項記載の方法。
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