JP2648623B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光ビームの照射によって熱磁気的に情報が
記録され、記録された情報を磁気光学効果を用いて読み
出すことが可能な光磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
従来、光磁気記録媒体としては、MnBi、MnCuBiなどの
多結晶体薄膜、GdCo、GdFe、TbFe、DyFe、GdTbFe、TbDy
Feなどの非晶質薄膜、GIGなどの単結晶薄膜などを用い
たものが知られている。これらの薄膜のうち、大面積の
薄膜を室温近傍の温度で作製する製膜性などを勘案し、
最近では、希土類−遷移金属非晶質合金薄膜が光磁気記
録媒体に用いるのに適していると考えられている。
ところで、一般に光磁気記録媒体には、記録感度の高
いこと、磁気光学効果の大きいこと、更には高い保磁力
を有することが要求される。しかし、上記のごとく薄膜
を用いた場合、単体ではこのような要求を全て満たすこ
とは困難であった。すなわち、補償書き込みが可能なGd
Co、GdFeなどは、比較的キュリー温度が高いため、読み
出し時において、磁気光学効果が大きく、高いS/N比が
得られるが、保磁力が低く、記録された磁区が不安定で
あった。一方、キュリー点書き込みが可能なTbFe、DyFe
は、比較的保磁力が高いため、上記問題は生じないが、
キュリー点が低いため、読み出し時のS/N比が悪くな
る。そこで、これらの欠点を解消するため、二層構成の
光磁気記録媒体が特開昭57−78652号で提案されてい
る。この記録媒体は、垂直磁化可能な低キュリー温度を
有する高保磁力層と垂直磁化可能な高キュリー温度を有
する低保磁力層との二層から成り、高保磁力層と低保磁
力層とは、互いに交換結合しているものである。そし
て、低キュリー温度を有する高保磁力層で情報と保存が
行なわれ、記録された情報は低保磁力層に転写され、高
キュリー温度を有しかつ磁気光学カー回転角の大きな低
保磁力層で情報の読み出しがなされる。
さらに、この高保磁力層として鉄族副格子磁化優勢な
希土類−鉄族非晶質合金、低保磁力層としてもやはり鉄
族副格子磁化優勢な希土類−鉄族非晶質合金を用い、両
者の飽和磁化の向きを平行にした光磁気記録媒体が、特
開昭61−117747号により提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、この媒体にも以下に示すような問題点
があった。即ち、交換結合二層膜においては、二層間の
交換相互作用により、各層の磁化過程(保磁力)が単層
のときと比べてかなり変化する。二層化によって変化し
た磁化反転磁界のことをみかけの保磁力と呼ぶことにす
ると、上記特開昭61−117747号の媒体は、低保磁力の見
かけの保磁力は増加し、低保磁力における情報の安定生
は改善される。
ところが、高保磁力層も低保磁力層からの交換相互作
用により磁化過程が変化し、単層膜のときと比べて見か
けの保磁力が減少する。この様子を第3図に示す。図中
で実線は交換結合二層膜の高保磁力層の見かけの保磁力
の温度変化、破線は高保磁力層の単独の保磁力の温度変
化である。図からわかるように、二層化によって高保磁
力層の見かけの保磁力は単独の保磁力よりも小さくな
り、さらにその温度変化もキュリー温度に向かって単調
に減少している。
一方、一般に光磁気記録媒体の磁性層の理想的な特性
は、第4図に示すようにキュリー温度Tcまでは高い保磁
力を有するものである。その理由は記録ビーム以外の外
乱によって、温度が上昇しても、磁区が安定に保たれる
からである。
このことから考えると、上記特開昭61−117747号の媒
体は、高保磁力層の見かけの保磁力が減少してしまうの
で、記録情報の安定性に問題があることになる。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、記
録が容易で読み出し性が良く、更に記録情報の安定性に
も優れた光磁気記録媒体を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明の上記目的は、第1の磁性層及び該第1の磁性
層と交換結合した、第1の磁性層よりも高い保磁力と低
いキュリー温度とを有する第2の磁性層を有する光磁気
記録媒体において、前記第1の磁性層が、鉄族副格子磁
化優勢で、その飽和磁化が25〜125emu/cm3の範囲にある
Gd−Fe−Co非晶質合金により形成し、且つ前記第2の磁
性層が、希土類副格子磁化優勢で、その飽和磁化が25〜
175emu/cm3の範囲にあるR−Fe−Co非晶質合金(RはTb
及びDyの少なくとも一種の元素)により形成することに
より達成される。
以下、本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
第1図は、本発明の光磁気記録媒体の一実施態様の構
成を示す略断面図である。図中、1はガラスあるいはプ
ラスチックから成る透明基板を示す。この基板1上には
干渉効果と腐食防止効果を得るための、Si3N4等の誘導
体から成る下引き層が設けられている。更に、この下引
き層2の上に、第1の磁性層3と、この第1の磁性層3
よりも高い保磁力と低いキュリー温度とを有する第2の
磁性層4が形成されている。これらの磁性層は、媒体の
作製時に真空を破ることなく、連続して成膜され、互い
に交換結合している。また、第2の磁性層上にはこれら
の磁性層の腐食を防止するため、Si3N4等の誘電体から
成る保護層が形成されている。
上記媒体において、第1の磁性層3は、鉄族副格子磁
化優勢で、その飽和磁化が25〜125emu/cm3の範囲にある
Gd−Fe−Co非晶質合金から形成される。一方、第2の磁
性層4はTb−Fe−Co、Dy−Fe−CoまたはTb−Dy−Fe−Co
非晶質合金から形成される。また、この第2の磁性層4
は室温とキュリー温度Tcとの間に、補償温度Tcompが存
在するように、希土類副格子優勢で、その飽和磁化が25
〜175emu/cm3の範囲にあるように形成される。
第1の磁性層の膜厚は、100Å〜1000Å、第2磁性層
の膜厚は100〜2000Å、第1と第2の磁性層の膜厚の合
計は500Å〜2000Åの範囲が良い。
また、好ましくは第1の磁性層の膜厚よりも第3の磁
性層の膜厚が厚い方が良い。
本発明のように交換結合した複数の磁性層を有する媒
体においては、第2の磁性層の保磁力の大きさが記録情
報の安定性を大きく左右する。記録情報の安定性を考え
る場合、室温における保磁力と共にその温度変化につい
ても考える必要がある。それは次のような理由による。
すなわち、光磁気ドライブ装置内は様々な熱の発生源
が存在するので、その中は50〜60℃程度に温度が上昇す
ることがある。さらに、情報の読み出しにおいては、
情報を記録しない程度の弱いレーザー光を媒体に照射し
て読み出しを行なうが、それでもある程度の媒体の温度
上昇は避けられない。ドライブ装置の都合上、記録消
去用のバイアス磁界が印加された状態で読み出しをしな
ければならない場合がある。したがって、50〜60℃程度
のドライブ装置の中でバイアス磁界の印加のもとで、読
み出し光によってさらに媒体の温度が上昇しても、記録
情報が安定である必要がある。
この要請に答える記録媒体の理想的な保磁力の温度変
化の様子が、前述の第4図に示すようなものとなる。す
なわち、室温から記録が行なわれるキュリー温度TC付近
まで保磁力が大きいことが必要となる。
第2図は、本発明の第2の磁性層4の保磁力の温度特
性を示す図である。図中で、実線は第1の磁性層3から
の交換相互作用による見かけの保磁力、破線はこのよう
な第2の磁性層4を単独で形成した場合の保磁力を示
す。図からわかるように室温と補償温度Tcompとの間で
は、二層化によって第2の磁性層の見かけの保磁力は単
独の場合より大きくなり、補償温度Tcompとキュリー温
度Tcの間では、二層化によって第2の磁性層の見かけの
保磁力は単独の場合より小さくなっている。これは、補
償温度Tcompとキュリー温度Tcの間では第2の磁性層が
鉄族副格子磁化優勢に変化しているためである。
このように本発明の媒体では、室温から補償温度まで
見かけの保磁力がかなり大きくなって、補償温度からキ
ュリー温度の間で見かけの保磁力が急激に低下してい
て、第4図に示すような理想的な媒体に近い特性を有し
ている。
なお、第2図のような物性を示すために第1と第2の
磁性層に要求される飽和磁化の大きさの前記範囲は実験
(後述の実施例参照)によって得られたものである。
第1及び第2の磁性層を、各々の要件を満たすように
するためには、希土類と鉄族元素の組成比を変えて調節
すればよい。補償組成よりも希土類の組成比をふやせ
ば、希土類副格子磁化優勢となり、補償温度が室温以上
に存在する。希土類の組成比をふやすにつれて、補償温
度が上昇し、キュリー温度に近づくが、ふやしすぎる
と、補償温度が仮想的にキュリー温度以上になってしま
うので好ましくない。
なお、第1の磁性層が希土類副格子磁化優勢である媒
体は、記録がなされる第2の磁化層のキュリー温度付近
において、第1の磁性層の保磁力が増加するため記録が
非常に困難となり、記録媒体として適当でない。
第5図は、第2の磁性層をTb−Fe−Coで形成した場合
のTbの組成x(atomic%)と飽和磁化との関係を示す。
斜線部は、本発明で要する飽和磁化の範囲である。A1
B1、C1およびD1はそれぞれTb組成をエレクトロンプロー
ブマイクロアナライズ(EPMA)法、プラズマ発光分析
(ICP)法、膜付着速度より算出する方法及び蛍光X線
分析(XRF)法を用いて検出した場合を示す。分析法に
よって組成範囲にばらつきがあるが、例えば膜付着速度
により算出する方法では、Tbの組成Xとして23.8〜27.6
atomic%の範囲を示すものであれば、本発明の媒体が実
現できることになる。また、XRF法では、Tbの組成Xと
して20.2〜23.8atomic%の範囲を示すものである。
第6図は、同様に第2の磁性層をDy−Fe−Coで形成し
た場合のDyの組成X(atomic%)と飽和磁化との関係を
示す。A2は、EPMA法を用いた分析結果である。本発明の
ように、室温とキュリー温度との間に補償温度が存在す
るようにするためには、Xが23.4〜27.0atomic%の範囲
を示すようにすればよい。
第7図は、第2の磁性層をTb−Dy−Fe−Coで形成した
場合のTb−Dyの組成X(atomic%)と飽和磁化との関係
を示す。A3はEPMA法を用いた分析結果である。本発明の
ように室温とキュリー温度とのあの間委に補償温度が存
在するようにするためにはキュリー温度との間の補償温
度が存在するようにするためには、Xが23.0〜26.6atom
ic%の範囲を示すようにすればよい。
第8図は、Gd−Fe−Coから成る第1の層におけるGdの
組成Z(atomic%)と飽和磁化との関係を示す図であ
る。斜線部が本発明の要件を満足する飽和磁化の範囲で
ある。B4、C4及びD4は、それぞれGd組成をICP法、膜付
着速度より算出する方法及びXRF法を用いて検出した場
合を示す。例えば、膜付着速度により算出する方法で
は、Gdの組成Zが20.0〜22.2atomic%の範囲を示すよう
にすればよい。また、XRF法ではZが23.5〜25.7atomic
%の範囲を示すようにすればよい。
また、記録情報の安定性に関しては、第2の磁性層の
キュリー温度も大きく関係する。キュリー温度が高いほ
ど記録情報の安定性は増すが、記録感度が悪くなる。高
保磁力層の望ましいキュリー温度は100℃以上、より望
ましくは130℃以上さらに望ましくは150℃以上である。
ただし、190℃以上となるのは好ましくない。
第2の磁性層の希土類元素としてTb、Dyを用いるの
は、保磁力を大きくするために非S状態(角運動量には
スピン角運動量と軌道角運動量の両方があるが、その両
方をもつ場合)の元素を要するからである。Tb−Fe、Dy
−Feのキュリー温度はそれぞれ約130℃、約70℃である
が、さらにCoを添加したものも使用できる。Coの添加す
ることによってキュリー温度を自由に制御することが可
能である。
Tb−(Fe100YCoY)、Dy−(Fe100−Y′CoY′)のキ
ュリー温度はそれぞれ近似的に、 130+6Y(℃) 70+6Y′(℃) と表されるので、この式を用いて所望の温度になるよう
にCoを添加すればよい。上記望ましい範囲内にキュリー
温度を設定するには O<Y≦10(atomic%) 5≦Y′≦20(atomic%)となる。
同様に、Tb−Dy−(Fe100−Y″CoY″)の場合に
は、 0<Y″≦15(atomic%)とすれば良い。
低保磁力層の希土類元素としてGdを用いるのは保磁力
を小さくするためにS状態(スピン角運動量のみもつ場
合)の元素を要するからである。Gd−Feのキュリー温度
は約220℃であり、さらにCoを添加することによって、
キュリー温度が上昇し磁気光学カー回転角が増加し、読
み出し特性が良くなる。ただし、Gd−(Fe100-WCoW)に
おいて、Wが大きくなるにつれて、鉄族磁気モーメント
が減少し、また、垂直磁気異方性が低下するので、0<
W50が望ましい。
〔実施例〕
実施例1 130mmφのプリグルーブの付いているポリカーボネー
ト基板上に、酸化防止と干渉効果を得るためにSi3N4を7
00Å、第1の磁性層としてGd−Fe−Coを400Å、第2の
磁性層としてTb−Fe−Coを400Å、そして酸化防止のた
めにSi3N4を700Å順次真空を破ることなく連続してマグ
ネトロンスパッタリング装置を用いて、交換結合二層膜
の光磁気記録ディスクを作製した。Arガス圧は0.15paと
した。磁性層のターゲットにはGd50Co50、TbとFe94Co6
を用い、Gd50Co50とFe94Co6を使ってGd−Fe−Coを作製
し、TbとFe94Co6を使ってTb−Fe−Coを作製した。希土
類と鉄族の組成比はGd50Co50とFe94Co6、あるいはTbとF
e94Co6のターゲットに加える電力を変えることによって
制御し、第2の磁性層、第1の磁性層を各々本発明の要
件を満たすように形成した。
電力の範囲は、Gd−Fe−CoではGd50Co50のターゲット
に加える電力を240W(DC)(77Å/min.)一定としたと
き、Fe94Co6のターゲットに加える電力を280W(DC)(5
0Å/min.)以上にすると、鉄族副格子磁化優勢になっ
た。Tb−Fe−CoではTbのターゲットに加える電力を150W
(RF)(36Å/min)一定としたとき、Fe94Co6のターゲ
ットに加える電力を250W(DC)(46Å/min.)以下にす
ると、希土類副格子磁化優勢となった。
なお、Si3N4の成膜速度は約40Å/min、であった。
作製されたGd−(Fe100-WCoW)膜のWは約30atomic%
であり、また交換結合二層膜の界面磁壁エネルギー密度
は約2erg/cm2であり、両者間に良好な交換結合相互作用
が働いていることを確認した。
ディスクの記録再生特性は回転数1500rpm、半径60mm
の位置において測定した。
Gd−Fe−Co層が鉄族副格子磁化優勢でその飽和磁化が
25emu/cm3〜125emu/cm3、TbFeCo層が希土類副格子磁化
優勢でその飽和磁化が25emu/cm3〜175emu/cm3の範囲で
は、記録感度が約7mW、再生CN比が約57dBであり、良好
な記録再生特性が得られた。
また、第2の磁性層のTb−Fe−Coのキュリー温度は約
160℃であり、約100℃においても見かけの保磁力が3kOe
以上と高かった。
Tcompは飽和磁化の大きさによって異なるが、ほぼ50
〜100℃程度であった。
飽和磁化が上記範囲を逸脱すると、第2の磁性層が室
温とキュリー温度との間に補償温度が持つようになら
ず、磁化安定性が低下した。
実施例2 130mmφのプリグルーブの付いているポリカーボネー
ト基板上に、酸化防止と干渉効果を得るためにSi3N4を7
00Å、第1の磁性層としてGd−Fe−Coを400Å、第2の
磁性層としてDy−Fe−Coを400Å、そして酸化防止のた
めにSi3N4を700Å順次真空を破ることなく連続してマグ
ネストロンスパッタリング装置を用いて、交換結合二層
膜の光磁気記録ディスクを作製した。Arガス圧は0.15pa
とした。磁性層のターゲットにはGd50Co50、DyとFe85Co
15を用い、Gd50Co50とFe85Co15を使ってGd−Fe−Coを作
製し、DyとFe85Co15を使ってDy−Fe−Coを作製した。希
土類と鉄族の組成比はGd50Co50とFe85Co15、あるいはDy
とFe85Co15のターゲットに加える電力を変えることによ
って制御し、第2の磁性層、第1の磁性層を各々本発明
の要件を満たすように形成した。
電力の範囲は、Gd−Fe−CoではGd50Co50のターゲット
に加える電力を240W(DC)(77Å/min.)一定としたと
き、Fe85Co15のターゲットに加える電力を280W(DC)
(50Å/min.)以上にすると、鉄族副格子磁化優勢にな
った。Dy−Fe−CoではDyのターゲットに加える電力を16
0W(RF)(40Å/min.)一定としたとき、Fe85Co15のタ
ーゲットに加える電力を270W(DC)(50Å/min.)以下
にすると、希土類副格子磁化優勢となった。
なお、Si3N4の成膜速度は約40Å/min、磁性層の成膜
速度は約100Å/minであった。
作製されたGd−(Fe100-ZCoZ)膜のZは約40であり、
また交換結合二層膜の界面磁壁エネルギー密度は約2erg
/cm2であり、両者間に良好な交換結合相互作用が働いて
いることを確認した。
ディスクの記録再生特性は回転数1500rpm、半径60mm
の位置において測定した。
Gd−Fe−Co層が鉄族副格子磁化優勢でその飽和磁化が
25emu/cm3〜125emu/cm3、Dy−Fe−Co層が希土類副格子
磁化優勢でその飽和磁化が25emu/cm3〜175emu/cm3の範
囲では、記録感度が約6.5mW、再生CN比が約58dBであ
り、良好な記録再生特性が得られた。
また、第2の磁性層のDy−Fe−Coのキュリー温度は約
150℃であり、約100℃においても見かけの保磁力が2.5k
Oe以上と高かった。
Tcompは飽和磁化の大きさによって異なるが、ほぼ50
〜100℃程度であった。
飽和磁化が上記範囲を逸脱すると、第2の磁性層が室
温とキュリー温度との間に補償温度を持つようにはなら
ず、磁化安定性が低下した。
実施例3 130mmφのプリグルーブの付いているポリカーボネー
ト基板上に、酸化防止と干渉効果を得るためにSi3N4を7
00Å、第1の磁性層としてGd−Fe−Coを400Å、第2の
磁性層としてTb−Dy−Fe−Coを400Å、そして酸化防止
のためにSi3N4を700Å順次真空を破ることなく連続して
マグネトロンスパッタリング装置を用いて、交換結合二
層膜の光磁気記録ディスクを作製した。Arガス圧は0.15
Paとした。磁性層のターゲットにはGd50Co50、Tb50Dy50
とFe85Co15を用い、Gd50Co50とFe85Co15を使ってGd−Fe
−Coを作製し、Tb50Dy50とFe85Co15を使ってTb−Dy−Fe
−Coを作製した。希土類と鉄族の組成比はGd50Co50とFe
85Co15、あるいはTb50Dy50とFe85Co15のターゲットに加
える電力を変えることによって制御し、第2の磁性層、
第1の磁性層を各々本発明の要件を満たすように形成し
た。
電力の範囲は、Gd−Fe−CoではGd50Co50のターゲット
に加える電力を240W(DC)(77Å/min.)一定としたと
き、Fe85Co15のターゲットに加える電力を280W(DC)
(50Å/min.)以上にすると、鉄族副格子磁化優勢にな
った。Tb−Dy−Fe−CoではTb50Dy50のターゲットに加え
る電力を150W(RF)(40Å/min.)一定としたとき、Fe
85Co15のターゲットに加える電力を270W(DC)(50Å/m
in.)以下にすると、希土類副格子磁化優勢となった。
なお、Si3N4の成膜速度は約40Å/min、磁性層の成膜
速度は約100Å/minであった。
作製されたGd−(Fe100-ZCoz)膜のzは約40であり、
また交換結合二層膜の界面磁壁エネルギー密度は約2erg
/cm2であり、両者間に良好な交換結合相互作用が働いて
いることを確認した。
ディスクの記録再生特性は回転数1500rpm、半径60mm
の位置において測定した。
Gd−Fe−Co層が鉄族副格子磁化優勢でその飽和磁化が
25emu/cm3〜125emu/cm3、Tb−Dy−Fe−Co層が希土類副
格子磁化優勢でその飽和磁化が25emu/cm3〜175emu/cm3
の範囲では、記録感度が約7.4mW、再生CN比が約58dBで
あり、良好な記録再生特性が得られた。
また、第2の磁性層のTb−Dy−Fe−Coのキュリー温度
は約170℃であり、約100℃においても見かけの保磁力が
3.7kOe以上と高かった。
Tcompは飽和磁化の大きさによって異なるが、ほぼ50
〜100℃程度であった。
飽和磁化が上記範囲を逸脱すると、第2の磁性層が室
温とキュリー温度との間に補償温度を持つようにはなら
ず、磁化安定性が低下した。
比較例1 実施例1の比較例としては同じターゲットを用いて、
Tb−Fe−Co層を形成する際に、Fe94Co6のターゲットに
加える電力を250W(DC)(46Å/min.)以上にする他は
同様にしてディスクを作製し、Gd−Fe−Co層は鉄族副格
子磁化優勢でその飽和磁化が25emu/cm3〜125emu/cm3、T
b−Fe−Co層も鉄族副格子磁化優勢でその飽和磁化が25e
mu/cm3〜125emu/cm3であった。このディスクに記録再生
を行ったところ、記録感度が約6.5mW、再生CN比が約59d
Bであり、良好な記録再生特性が得られたが、第2の磁
性層のTb−Fe−Coの約100℃における見かけの保磁力が1
kOe以下と低かった。
比較例2 実施例1の比較例として、同じターゲットを用いて、
Gd−Fe−Co層を形成する際に、Fe94Co6のターゲットに
加える電力を280W(DC)(50Å/min.)以上とした他は
同様にしてディスクを作製した。Gd−Fe−Co層は希土類
副格子磁化優勢でその飽和磁化が10emu/cm3〜125emu/cm
3であった。このディスクに記録再生を行ったところ、T
b−Fe−Co層の組成に関係なく記録感度が約9mW、再生CN
比が40〜50dBであり、良好な記録・再生特性が得られな
かった。
本発明は、以上説明した実施例の他にも種々の応用が
可能である。例えば、第3図示の構成の保護層の上に、
更にAl等から成る金属反射層を設けたり、接着剤を介し
て保護プレートを貼り合わせたりして良い。また、媒体
の形状もディスクに限らず、カード状あるいはテープ状
にしても良い。本発明は特許請求の範囲を逸脱しない限
りにおいて、このような応用例の全て包含する。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、光磁気記録用交換結合二
層膜において、高保磁力を示す第2の磁性層として室温
とキュリー温度との間に補償温度を有する希土類副格子
磁化優勢な希土類−鉄族非晶質合金を、低保磁力を示す
第1の磁性層として鉄族副格子磁化優勢な希土類−鉄族
非晶質合金を用い、更に所定の要件を満たすようにする
ことにより、記録・再生特性に優れ、かつ記録情報の安
定性に優れた光磁気記録媒体を得ることができるように
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光磁気記録媒体の一実施態様の構成を
示す略断面図、第2図は本発明の媒体における第2の磁
性層の温度変化を示す図、第3図は従来の光磁気記録媒
体における高保磁力層の保磁力の温度変化を示す図、第
4図は光磁気記録媒体の磁性層の保磁力の理想的な特性
を示す図、第5図乃至第7図はそれぞれ本発明の媒体に
おける第2の磁性層の希土類元素の組成と飽和磁界との
関係を示す図、第8図は本発明の媒体における第1の磁
性層の希土類元素の組成と飽和磁化との金木を示す図で
ある。 1……基板、2……下引き層、3……第1の磁性層、4
……第2の磁性層、5……保護層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の磁性層及び該第1の磁性層と交換結
    合した、第1の磁性層よりも高い保磁力と低いキュリー
    温度とを有する第2の磁性層を有する光磁気記録媒体に
    おいて、 前記第1の磁性層が、鉄族副格子磁化優勢で、その飽和
    磁化が25〜125emu/cm3の範囲にあるGd−Fe−Co非晶質合
    金から成り、且つ前記第2の磁性層が、希土類副格子磁
    化優勢で、その飽和磁化が25〜175emu/cm3の範囲にある
    R−Fe−Co非晶質合金(RはTb及びDyの少なくとも一種
    の元素)から成ることを特徴とする光磁気記録媒体。
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