JP2647694B2 - 分枝α‐オレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

分枝α‐オレフィン系重合体の製造方法

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JP2647694B2 JP63190320A JP19032088A JP2647694B2 JP 2647694 B2 JP2647694 B2 JP 2647694B2 JP 63190320 A JP63190320 A JP 63190320A JP 19032088 A JP19032088 A JP 19032088A JP 2647694 B2 JP2647694 B2 JP 2647694B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は分枝α−オレフィン系重合体の製造方法に関
し、さらに詳しくは、立体規則性などの特性に優れた分
枝α−オレフィン系重合体を、簡単な工程によって効率
的かつ安定して製造する方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 三ハロゲン化チタン成分を含むチーグラー重合触媒の
存在下に、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1
−ペンテンなどの分枝α−オレフィンを単独重合させる
か、あるいは分枝α−オレフィンと他のオレフィンと共
重合させて、透明性および耐熱性に優れた分枝α−オレ
フィン系重合体を製造しようとする試みは今までに多数
提案されている。
しかしながら、このような三ハロゲン化チタン触媒の
存在下に得られる分枝α−オレフィン系重合体は、その
分子量分布が広く、溶融流動性および成形性には優れて
いるが、立体規則性および剛性に劣り、また上記触媒は
重合活性に劣るという問題点があった。そこで本出願人
は、高活性チタン触媒成分、有機アルミニウム化合物触
媒成分および有機ケイ素化合物触媒成分から形成される
触媒の存在下に分枝α−オレフィンを重合する方法を特
開昭59−206418号公報に提案した。
ところで、該分枝α−オレフィンの重合方法として
は、種々の方法が知られている。たとえば、モノマーで
ある分枝α−オレフィンを、モノマー不溶性媒体に分散
させて液相で重合反応を行ない、液相中に固体状の分散
体として重合体を得る懸濁重合法、モノマーおよび生成
ポリマー双方を溶解しうる媒体にモノマーを溶解し、重
合反応を行なって得られたポリマーを媒体に溶解した溶
液として得る溶液重合法、あるいは気相条件下でモノマ
ーの重合を行なう気相重合法などが知られている。
これらいずれの重合方法にもそれぞれ長所と短所とが
ある。
たとえば、上記懸濁重合法は、経済性には優れた方法
であるが、この方法を用いた場合には、分枝α−オレフ
ィンの単独重合反応あるいは分枝α−オレフィンと直鎖
α−オレフィンとの共重合反応を行なう際に重合温度を
高めたり、あるいは、分枝α−オレフィンと直鎖α−オ
レフィンとの共重合反応を行なう際に前者に対して後者
を多量に使用した場合には、生成した重合体は媒体に対
する溶解量が増大する傾向にある。
このような場合、生成した重合体が溶解した反応液
を、分離器で重合体と母液とに分離しようとしても、母
液には溶解した重合体が多量に含まれてしまい、生成し
た重合体の回収効率が悪いという問題点があった。しか
も、このように溶解した重合体を多量に含んでいる母液
は、粘度が高く、母液を重合器Aに循環させて再使用す
る際には、第2図に示すような母液循環ポンプGに負担
がかかったり、あるいは分離器Eから母液ドラムFに至
る母液排出ライン3あるいは、母液ドラムFから母液循
環ポンプGを経て重合器Aに至る母液循環ライン4で母
液が冷却されると、母液に溶解していた重合体が母液ド
ラム内あるいはライン内で析出し、これらの内壁に付着
し、ラインの閉塞を起こすなどの問題点があった。
このような場合に、母液に溶解した重合体を分離する
特別の設備を従来の分離器Eの後に設けて、母液を循環
させ、再使用するのでは経済的でない。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、下記のような目的を有して
いる。
すなわち、本発明は、分枝α−オレフィンを重合させ
て得られる分枝α−オレフィン系重合体を含む重合体溶
液から分枝α−オレフィン系重合体を効率的かつ高回収
率で回収する方法を提供することを目的としている。
また、本発明はこのように生成した重合体を高回収率
で回収することにより、母液中に残存溶解している重合
体量を減少させて、分離器、母液ドラム、母液循環ポン
プなどの装置内あるいは分離器から母液ドラムに至る母
液排出ライン、母液ドラムから母液循環ポンプを経て重
合器に至る母液循環ラインなどにおける重合体の析出・
付着を減少させて、ラインの閉塞を防止し、これら装置
の安定した運転を可能にすることを目的としている。
発明の概要 本発明に係る分枝α−オレフィン系重合体の製造方法
は、分枝α−オレフィン系重合体を製造する際に、重合
器内で、触媒の存在下に分枝α−オレフィンを液相にて
重合させて、得られた重合体を含む重合体溶液を冷却器
内に導入して冷却することにより、重合体溶液中に溶解
している重合体を析出させ、次いでこの重合体を含む重
合体溶液を分離器内に導入して生成した重合体と未反応
の分枝α−オレフィンとを分離し、重合体を回収すると
共に分離した分枝α−オレフィンを前記重合器内に供給
して再使用することを特徴としている。
このような本発明に係る分枝α−オレフィン系重合体
の製造方法では、分枝α−オレフィン系重合体を効率的
かつ高回収率で回収することができる。また、分枝α−
オレフィン系重合体を回収した後の母液中には、残存溶
解している重合体量が少ないので、分離器、母液ドラ
ム、母液循環ポンプなどの装置類あるいは分離器から母
液ドラムに至る母液排出ライン、母液ドラムから母液循
環ポンプを経て重合器に至る母液循環ラインなどにおい
て、重合体が析出し、付着することも少なく、従ってラ
インの閉塞を生ずることも少なく、これら装置の安定し
た運転が可能となる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る分枝α−オレフィン系重合体の製造
方法について具体的に説明する。
本発明では、重合器内で分枝α−オレフィンを単独重
合させ、あるいは分枝α−オレフィンと直鎖α−オレフ
ィンとを共重合させる際に、触媒を用いる。
このような触媒としては、たとえば、いわゆるチーグ
ラー触媒などを用いることができるが、中でも、 (A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与
体を必須成分とする高立体規則性チタン触媒成分、 (B)有機アルミニウム化合物触媒成分、および (C)電子供与体成分 から形成される触媒が好ましく用いられる。
高立体規則性チタン触媒成分(A)は、マグネシウム
とチタンとハロゲンと電子供与体とを必須成分として含
有している。このようなチタン触媒成分(A)は、マグ
ネシウム/チタン(原子比)が好ましくは約2〜100、
さらに好ましくは約4〜70であり、ハロゲン/チタン
(原子比)が好ましくは約4〜100、さらに好ましくは
約6〜40であり、電子供与体/チタン(モル比)が好ま
しくは約0.2〜10、さらに好ましくは約0.4〜6の範囲に
あることが望ましい。
高立体規則性チタン触媒成分(A)の比表面積は、好
ましくは約3m2/g以上、さらに好ましくは約40m2/g以
上、特に好ましくは約100m2/g〜8000m2/gであることが
望ましい。
このようなチタン触媒成分(A)は、通常では、室温
において、単に、ヘキサンで洗浄しても、実質的にチタ
ン化合物を脱離しない。
このようなチタン触媒成分(A)のX線スペクトルは
触媒調製に用いられた出発マグネシウム化合物のいかん
にかかわらず、非晶性を示すか、またはマグネシウムジ
ハライドの通常の市販品のそれに比べ、非常に非晶化さ
れた状態にあることが望ましい。
チタン触媒成分(A)は、前記必須成分以外に、触媒
性能を大きく悪化させない限り、他の元素、金属、官能
基などを含有していてもよい。さらに有機あるいは無機
の希釈材で希釈されていてもよい。
このように、チタン触媒成分(A)が、他の成分たと
えば、他の元素、金属、希釈剤などを含有する場合に
は、チタン触媒成分(A)はそのような他成分を除去し
たときに前述したような比表面積値を示し、かつ非晶性
を示すことが好ましい。
該チタン触媒成分(A)は、平均粒子径が通常約1〜
200μm、好ましくは約5〜100μmであって、かつその
粒度分布の幾何標準偏差σgが通常2.1未満、好ましく
は1.95以下であることが望ましい。また、その粒子形状
は真球状、楕円球状、顆粒状などの整った形状であるこ
とが好ましい。
チタン触媒成分(A)を製造するには、マグネシウム
化合物(またはマグネシウム金属)、チタン化合物およ
び電子供与体または電子供与体形成性化合物(電子供与
体を形成する化合物)を、他の反応試剤を用い、または
用いずに、これらを相互に接触させればよい。
チタン触媒成分(A)を製造するには、マグネシウ
ム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分とす
る従来公知の高活性チタン触媒成分の調製法に準ずれば
よい。
このような高活性チタン触媒成分の調製法は、たとえ
ば、特開昭50−108385号公報、同50−126590号公報、同
51−20297号公報、同51−28189号公報、同51−64586号
公報、同51−92885号公報、同51−136625号公報、同52
−87489号公報、同52−100596号公報、同52−147688号
公報、同52−104593号公報、同53−2580号公報、同53−
40093号公報、同53−43094号公報、同55−135102号公
報、同55−135103号公報、同56−811号公報、同56−119
08号公報、同56−18606号公報、同58−83006号公報、同
58−138705号公報、同58−138706号公報、同58−138707
号公報、同58−138708号公報、同58−138709号公報、同
58−138710号公報、同58−138715号公報などに開示され
ている。
これらのチタン触媒成分(A)の製造方法を数例挙げ
て以下に簡単に述べる。
(1)マグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合
物および電子供与体からなる錯化合物とチタン化合物と
を液相にて反応させる方法。
この方法は、電子供与体、粉砕助剤などの存在下に行
なってもよい。
また、上記のように反応させる際に、固体状の化合物
については、粉砕してもよい。
さらにまた、上記のように反応させる際に、電子供与
体および/または有機アルミニウム化合物やハロゲン含
有ケイ素化合物のような反応助剤で予備処理してもよ
い。
いずれにしても、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いる。
(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物
と、液状チタン化合物とを電子供与体の存在下で反応さ
せて固体状のチタン複合体を析出させる方法。
(3)(2)で得られた反応生成物に、チタン化合物を
さらに反応させる方法。
(4)(1)や(2)で得られる反応生成物に電子供与
体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。
(5)マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物
と電子供与体とからなる錯化合物を、チタン化合物の存
在下に粉砕して得られた固体状物を、ハロゲン、ハロゲ
ン化合物および芳香族炭化水素のいずれかで処理する方
法。
なお、この方法においては、マグネシウム化合物ある
いはマグネシウム化合物と電子供与体とからなる錯化合
物を、電子供与体、粉砕助剤などの存在下に粉砕しても
よい。
また、マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合
物と電子供与体とからなる錯化合物を、チタン化合物の
存在下に粉砕した後に、電子供与体および/または反応
助剤で予備処理し、次いで、ハロゲンなどで処理しても
よい。なお、反応助剤としては、有機アルミニウム化合
物あるいはハロゲン含有ケイ素化合物などが挙げられ
る。
いずれにしても、この方法においては、少なくとも一
回は電子供与体を用いる。
上記(1)〜(5)に挙げたチタン触媒成分(A)の
調製方法においては、マグネシウム化合物およびチタン
化合物の少なくともいずれか一方がハロゲン原子を含有
している場合には、ハロゲン含有ケイ素化合物またはハ
ロゲン化有機アルミニウム化合物などのハロゲン化剤を
用いる必要は必ずしもないが、マグネシウム化合物およ
びチタン化合物のいずれもがハロゲン原子を含んでいな
い場合には上記ハロゲン化剤が用いられる。
上記(1)〜(5)に挙げたチタン触媒成分(A)の
調製法の中では、触媒調製において液状のハロゲン化チ
タンを用いる方法あるいはチタン化合物を用いた後、あ
るいは用いる際にハロゲン化炭化水素を用いる方法が好
ましい。
上記調製において用いられる電子供与体としては、ジ
エステルまたはジエステル形成性化合物、アルコール、
フェノール、アルデヒド、ケトン、エーテル、カルボン
酸、カルボン酸無水物、炭酸エステル、モノエステル、
アミンなどを挙げることができる。
ジエステルの中では、1個の炭素原子に2個のカルボ
キシル基が結合しているジカルボン酸エステルもしくは
隣り合う2個の炭素原子にそれぞれカルボキシル基が結
合しているジカルボン酸エステルが好ましく用いられ
る。
このようなジカルボン酸エステルの製造に用いられる
ジカルボン酸としては、具体的には、マロン酸、置換マ
ロン酸、コハク酸、置換コハク酸、マレイン酸、置換マ
レイン酸、フマル酸、置換フマル酸、脂環を形成する1
個の炭素原子に2個のカルボキシル基が結合した脂環ジ
カルボン酸、脂環を形成する隣りあう2個の炭素原子に
それぞれカルボキシル基が結合した脂環ジカルボン酸、
オルソ位にカルボキシル基を有する芳香族ジカルボン
酸、複素環を形成する隣りあう2個の炭素原子にカルボ
キシル基を有する複素環ジカルボン酸などのジカルボン
酸エステルを挙げることができる。
上記ジカルボン酸のより具体的な例としては、マロン
酸;メチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマ
ロン酸、アリル(allyl)マロン酸、フェニルマロン酸
などの置換マロン酸;コハク酸;メチルコハク酸、ジメ
チルコハク酸、エチルコハク酸、メチルエチルコハク
酸、イタコン酸などの置換コハク酸;マレイン酸;シト
ラコン酸、ジメチルマレイン酸などの置換マレイン酸;
シクロペンタン−1,1−ジカルボン酸、シクロペンタン
−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボ
ン酸、シクロヘキセン−1,6−ジカルボン酸、シクロヘ
キセン−3,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジ
カルボン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、1−アリ
ルシクロヘキサン−3,4−ジカルボン酸などの脂環族ジ
カルボン酸;フタル酸、ナフタリン−1,2−ジカルボン
酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸;フラン−3,4−ジカルボン酸、4,5−ジヒドロ
フラン−2,3−ジカルボン酸、ベンゾピラン−3,4−ジカ
ルボン酸、ピロール−2,3−ジカルボン酸、ピリジン−
2,3−ジカルボン酸、チオフェン−3,4−ジカルボン酸、
インドール−2,3−ジカルボン酸、インドール−2,3−ジ
カルボン酸などの複素環ジカルボン酸などを挙げること
ができる。
上記ジカルボン酸エステルを製造する際に、2種以上
のアルコールを用いる場合には、アルコール成分のうち
少なくとも一方が炭素数2以上、とくに炭素数3以上の
アルコールであることが好ましく、とりわけ両アルコー
ル成分とともに炭素数2以上、とくに炭素数3以上のア
ルコールであることが好ましい。
このようなアルコールを用いて製造されたジカルボン
酸エステルとしては、たとえば上記ジカルボン酸のジエ
チルエステル、ジイソプロピルエステル、ジn−プロピ
ルエステル、ジn−ブチルエステル、ジイソブチルエス
テル、ジ−tert−ブチルエステル、ジイソアミルエステ
ル、ジn−ヘキシルエステル、ジ−2−エチルヘキシル
エステル、ジn−オクチルエステル、ジイソデシルエス
テル、エチルn−ブチルエステルなどを挙げることがで
きる。
チタン触媒成分(A)の調製に用いることのできるジ
エステル以外の電子供与体としては、アルコール、フェ
ノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸ま
たは無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物
のアルコキシシランのような含酸素電子供与体、アンモ
ニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒
素電子供与体などを挙げることができる。
このような電子供与体としては、より具体的には、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、
ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデ
シルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチル
アルコール、クミルアルコール、イソプロピルベンジル
アルコールなどの炭素数1〜18のアルコール類;フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、
プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノ
ール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してよい炭
素数6〜20のフェノール類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベン
ゾフェノンなどの炭素数3〜15のケトン類;アセトアル
デヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、
ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトルアルデヒ
ドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢
酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチ
ル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジ
クロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エ
チル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、
トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸
エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安
息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2
〜30の有機酸エステル類;アセチルクロリド、ベンゾイ
ルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドな
どの炭素数2〜15の酸ハライド類;メチルエーテル、エ
チルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、イソアミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソ
ール、ジフェニルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテ
ル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミド
などの酸アミド類;メチルアミン、エチルアミン、ジエ
チルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベン
ジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメ
チルメチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン
などのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル、ト
ルニトリルなどのニトリル類;亜リン酸トリメチル、亜
リン酸トリエチルなどのP−O−O結合を有する有機リ
ン化合物;ケイ酸エチル、ジフェニルジメトキシシラン
などのアルコキシシラン類などを挙げることができる。
これらの電子供与体は、2種以上併用することができ
る。
このような電子供与体の中では、有機酸または無機酸
のエステル、アルコキシ(アリーロキシ)シラン化合
物、エーテル、ケトン、第三アミン、酸ハライド、酸無
水物などの活性水素を有しない電子供与体が好ましく、
とくに有機酸エステルやアルコキシ(アリーロキシ)シ
ラン化合物が好ましく、中でも芳香族モノカルボン酸と
炭素数1〜8のアルコールとからなるエステル、マロン
酸、置換マロン酸、置換コハク酸、マレイン酸、置換マ
レイン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル
酸などのジカルボン酸と炭素数2以上のアルコールとか
らなるエステルなどが特に好ましい。勿論これらの電子
供与体を、必ずしもチタン触媒調製時に原料として最初
から用いる必要はない。これらの電子供与体に変化しう
る他の化合物を原料として用い、触媒調製過程でこれら
電子供与体に変化させてもよい。
前記例示したような諸方法で得られるチタン触媒成分
(A)は、反応終了後、液状の不活性炭化水素で充分に
洗浄することによって精製される。このような洗浄用の
不活性液体炭化水素としては、n−ペンタン、イソペン
タン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、イソオクタン、n−デカン、n−ドデカ
ン、灯油、流動パラフィンンなどの脂肪族炭化水素;シ
クロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレン、サイメンなどの芳香族炭化
水素;クロルベンゼン、ジクロロエタンなどのハロゲン
化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げることが
できる。
前記高立体規則性チタン触媒成分(A)の調製に用い
られるマグネシウム化合物は、還元能を有するマグネシ
ウム化合物または有しないマグネシウム化合物である。
還元能を有するマグネシウム化合物としては、たとえ
ば、マグネシウム・炭素結合あるいはマグネシウム・水
素結合を有するマグネシウム化合物を挙げることがで
き、具体的には、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグ
ネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシ
ウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウ
ム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化マグネシウム、
プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、
ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウム、
ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマグネシウ
ム、ブチルマグネシウムハライドライドなどを挙げるこ
とができる。これらマグネシウム化合物は、たとえば有
機アルミニウム等との錯化合物の形で用いることもで
き、また、液状であっても固体であってもよい。
還元能を有しないマグネシウム化合物としては、具体
的には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マ
グネシウム、弗化マグネシウムなどのハロゲン化マグネ
シウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグ
ネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ
塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムにどの
アルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグ
ネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのア
リーロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウ
ム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウ
ム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキ
シマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノ
キシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムな
どのアリーロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカ
ルボン酸塩などを挙げることができる。これら還元能を
有しないマグネシウム化合物は、上述した還元能を有す
るマグネシウム化合物から誘導した化合物あるいは触媒
成分の調製時に誘導した化合物であってもよい。また、
該マグネシウム化合物は他の金属との錯化合物、複化合
物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
さらにこれらの化合物の2種以上からなる混合物であっ
てもよい。これらの中でも還元能を有しないマグネシウ
ム化合物が好ましく、特に好ましくはハロゲン含有マグ
ネシウム化合物、とりわけ塩化マグネシウム、アルコキ
シ塩化マグネシウム、アリーロキシ塩化マグネシウムが
好ましく用いられる。
本発明において、チタン触媒成分(A)の調製に用い
られるチタン化合物としては、たとえばTi(OR)gX4-g
(Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0≦g≦4)で示さ
れる4価のチタン化合物を挙げることができる。より具
体的には、TiCl4、TiBr4、TiI4などのテトラハロゲン化
チタン;Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(On−C
4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(OisoC4H9)Br3などの
トリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH32Cl2、Ti
(OC2H52Cl2、Ti(On−C4H92Cl2、Ti(OC2H52Br2
などのジハロゲン化ジアルコキシチタン;Ti(OCH33C
l、Ti(OC2H53Cl、Ti(On−C4H93Cl、Ti(OC2H53
Brなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタン;Ti(OCH
3、Ti(OC2H5、Ti(On−C4H9などのテトラ
アルコキシチタンなどを挙げることができる。
これらの中ではハロゲン含有チタン化合物、とくにテ
トラハロゲン化チタンが好ましく、さらに好ましくは四
塩化チタンが用いられる。これらチタン化合物は単味で
用いてもよいし、混合物の形で用いてもよい。あるいは
炭化水素やハロゲン化炭化水素などに希釈して用いても
よい。
チタン触媒成分(A)を調製する際に用いられる上述
したような各成分の使用量は、調製方法によって異なり
一概に規定できないが、たとえばマグネシウム化合物1
モル当り、担持すべき電子供与体は約0.1〜10モルの量
で、チタン化合物は約0.05〜1000モル程度の量で用いら
れる。
有機アルミニウム化合物触媒成分(B)としては、少
なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有する化合物が
利用でき、たとえば、 (i)一般式R1 mAl(OR2nHpXq (式中、R1およびR2は炭素原子通常1〜15個、好ましく
は1〜4個含む炭化水素基で互いに同一でも異なっても
よい。Xはハロゲン、mは0<m≦3、nは0≦n<
3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であって、し
かもm+n+p+q=3である)で表わされる有機アル
ミニウム化合物、 (ii)一般式M1AlR1 4 (式中、M1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じ)で表
わされる第1族金属とアルミニウムと錯アルキル化物な
どを挙げることができる。
前記の(i)に属する有機アルミニウム化合物として
は、次のような化合物を例示できる。
一般式R1 mAl(OR23-m (式中、R1およびR2は前記と同じ。mは好ましくは1.5
≦m≦3の数である)、 一般式R1 mAlX3-m (式中、R1は前記と同じ。Xはハロゲン、mは好ましく
は0<m<3である)、 一般式R1 mAlH3-m (式中、R1は前記と同じ。mは好ましくは2≦m<3で
ある)、 一般式R1 mAl(OR2nXq (式中、R1およびR2は前記と同じ。Xはハロゲン、0<
m<3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3で
ある)で表わされる化合物などを例示できる。
(i)に属するアルミニウム化合物としては、より具
体的にはトリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニ
ウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリイソプレニ
ルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウム
ブトキシドなどのジアルキルアルミニウムイルコキシ
ド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアル
ミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウム
セスキアルコキシドのほかに、R1 2.5Al(OR20.5など
で表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化さ
れたアルキルアルニウム;ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウ
ムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド
などのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルア
ルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリ
ド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアル
ミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたア
ルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、
ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミ
ニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロ
ピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウ
ムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキ
ルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリ
ド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアル
ミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化
およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムを挙げる
ことができる。また(i)に類似する化合物としては、
酸素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結
合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、例えば、(C2H52AlOAl
(C2H5、(C4H92AlOAl(C4H9などを挙げることができる。
前記(ii)に属する化合物としては、LiAl(C
2H5、LiAl(C7H15などを挙げることができる。
これらの中ではとくにトリアルキルアルミニウムある
いは上記した2種以上のアルミニウム化合物が結合した
アルキルアルミニウムを用いることが好ましい。
電子供与体(C)としては、アミン類、アミド類、エ
ーテル類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、スチ
ピン類、アルシン類、ホスホルアミド類、エステル類、
チオエーテル類、チオエステル類、酸無水物類、酸ハラ
イド類、アルデヒド類、アルコレート類、アルコキシ
(アリーロキシ)シラン類、有機酸類および周期律表の
第I族〜第IV族に属する金属のアミド類および塩類など
を挙げることができる。塩類は、たとえば、有機酸と触
媒成分(B)として用いられる有機金属化合物とを反応
させることにより得ることができる。
これらの具体例としては、たとえばチタン触媒成分
(A)に含有される前記電子供与体として先に例示した
化合物から選ぶことができる。これらの内では、有機酸
エステル、アルコキシ(アリーロキシ)シラン化合物、
エーテル、ケトン、酸無水物、アミンなどを用いること
が好ましい。とくにチタン触媒成分(A)中の電子供与
体がモノカルボン酸エステルである場合には、電子供与
体成分(C)は、芳香族カルボン酸のアルキルエステル
であることが好ましい。
またチタン触媒成分(A)中の電子供与体が、ジカル
ボン酸と炭素数2以上のアルコールとの反応で得られた
エステルである場合には、一般式RnSi(OR14-n(式
中、R、R1は炭化水素基0≦n≦4)で表わされるアル
コキシ(アリーロキシ)シラン化合物あるいは立体障害
の大きいアミンを電子供与体成分(C)として用いるこ
とが好ましい。
アルコキシ(アリーロキシ)シラン化合物の具体例と
しては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルト
リイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシ
ラン、メチルトリアリロキシ(allyloxy)シラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシシラン)、ビニルトリ
アセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサ
ンなどを挙げることができる。
これらの内でもとりわけトリメチルメトキシシラン、
トリメチルエトキシシラン、トリメチル−n−プロポキ
シシラン、トリエチルメトキシシラン、トリ−n−プロ
ピルメトキシシラン、トリ−iso−プロピルメトキシシ
ラン、トリフェニルメトキシシランなどが好ましい。
立体障害の大きいアミンとしては、2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジ
ン、あるいはこれらの誘導体、テトラメチルメチレンジ
アミンなどを挙げることができる。
本発明では、原料として、分枝α−オレフィンを用い
る。このような分枝α−オレフィンとしては、通常、炭
素原子数が5〜10の範囲内にあって、かつ、3位以上の
位置に分枝を有する分枝α−オレフィンが用いられる。
このような分枝α−オレフィンとしては、3−メチル
−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチ
ル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4,4−ジ
メチル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ペンテン、3−エチル−ペンテン、
ビニルシクロヘキサンなどを挙げることができる。これ
らの分枝α−オレフィンの内では、4−メチル−1−ペ
ンテンが好ましく用いられる。
本発明では、上記のような分枝α−オレフィンと直鎖
α−オレフィンとを共重合させることもできる。
このような直鎖α−オレフィンとしては、通常、炭素
原子数が2〜20の範囲内にある直鎖α−オレフィンが用
いられる。
このような直鎖α−オレフィンとしては、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを挙
げることができる。これらの直鎖α−オレフィンの内で
も、とくに、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−テトラデセンなどの炭素原子数
が6〜14の直鎖α−オレフィンが好ましく用いられる。
本発明では、分枝α−オレフィンと直鎖α−オレフィ
ンとの共重合反応を行なう場合には、両者は、通常、そ
れぞれ分枝α−オレフィン系重合体中、分枝α−オレフ
ィンに由来する繰り返し単位が8〜100モル%および直
鎖α−オレフィンに由来する繰り返し単位が0〜20モル
%となるような量で用いられる。
分枝α−オレフィンと直鎖α−オレフィンの使用割合
は、両α−オレフィンの種類、触媒、反応条件などに依
存するが、簡単な実験により容易に決定される。
本発明では、不活性媒体を用いないで分枝α−オレフ
ィンを重合することもできるが、通常、分枝α−オレフ
ィンを重合する際に不活性媒体が用いられる。このよう
な不活性媒体としては、たとえばプロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、灯油
などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサ
ンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素;ジクロルエタン、メチレンク
ロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;あ
るいはこれらの混合物などを挙げることができる。これ
らのうちとくに脂肪族炭化水素が好ましく用いられる。
本発明においては、前記したような触媒の存在下に、
分枝α−オレフィンの重合を行なうが、このような重合
(本重合)を行なう前に以下に述べるような予備重合を
行なってもよい。
このような予備重合を行なうことにより、本重合にお
いて、触媒は大きな重合活性を示し、高嵩密度の粉末重
合体を得ることができ、単位触媒量当りの重合体収量が
多くなり、しかも、得られる分枝α−オレフィン系重合
体の立体規則性が向上する傾向にある。
予備重合では、前記チタン触媒成分(A)、前記有機
アルミニウム化合物触媒成分(B)の少なくとも一部お
よび前記電子供与体成分(C)の少なくとも一部から形
成される触媒を用いて、前述したような炭化水素媒体中
で、分枝α−オレフィン類を、チタン触媒成分(A)中
のチタン1ミリモル当り約1〜1000gの量で反応させ
る。
予備重合に用いられる分枝α−オレフィンは特に限定
されないが、通常、炭素原子数が5〜10の範囲にあって
3位以上の位置に分枝を有するα−オレフィンが予備重
合に用いられ、具体的には、後記本重合において使用さ
れる前記分枝α−オレフィンを例示することができる。
予備重合は比較的温和な条件下でかつ生成した予備重
合体が重合媒体に溶解しない条件下で行なうことが好ま
しい。このために重合媒体として不活性炭化水素、たと
えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シ
クロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素を
用いることが好ましい。
予備重合においては、たとえば、炭化水素媒体1当
り、チタン触媒成分(A)をチタン原子に換算して約0.
5〜100ミリモル、好ましくは約1〜10ミリモル、有機ア
ルミニウム化合物触媒成分(B)をAl/Ti(原子比)が
約1〜100、好ましくは約2〜80となるような量で、ま
た、電子供与体(C)を有機アルミニウム化合物触媒成
分(B)1モル当り約0.01〜2モル、好ましくは約0.01
〜1モルとなるような量でそれぞれ用いることが好まし
い。
予備重合される前記分枝α−オレフィンの重合量は、
通常、チタン触媒成分(A)中のチタン1ミリモル当り
約1〜1000g、好ましくは約3〜500gである。上記量の
予備重合を行なうためには、通常前記分枝α−オレフィ
ンを、所定量使用すればよい。なお、予備重合における
前記分枝α−オレフィンの濃度は、炭化水素媒体1当
り約1モル以下、好ましくは約0.5モル以下であること
が望ましい。
予備重合温度は、生成する予備重合体が炭化水素媒体
に溶解しない温度であることが望ましく、炭化水素媒体
の種類によっても異なるが、たとえば、約−20〜+70
℃、好ましくは約0〜50℃であることが望ましい。
本発明においては、前述したような触媒の存在下に、
重合器内で、液相にて分枝α−オレフィンの重合(本重
合)を行なう。
本重合に際しては、各触媒成分を、重合溶積1当
り、チタン原子に換算して約0.001〜0.1ミリモル、好ま
しくは約0.001〜0.05ミリモルの量で用い、重合系のAl/
Ti(原子比)が約1〜1000、好ましくは約2〜1000とな
るように調製するのが好ましい。なお、この触媒として
は、前述のように予備重合を行なう際に使用した触媒を
そのまま使用することが好ましい。
ただし、本発明において、必要に応じ、有機アルミニ
ウム化合物触媒成分(B)を新たに添加して使用するこ
とができる。さらに、通常は、電子供与体(C)を添加
して使用することが好ましい。この有機アルミニウム化
合物触媒成分(B)と電子供与体(C)とは、錯化合物
を形成していてもよい。
なお、上記したような予備重合を行なった後に、分枝
α−オレフィンの本重合を行なう場合には、本重合の際
に、新たに有機アルミニウム化合物触媒成分(B)およ
びまたは電子供与体成分(C)を追加使用してもよい。
この場合には、有機アルミニウム化合物触媒成分(B)
をチタン1モル当り、通常、約1〜1000モル、好ましく
は約10〜1000モルの量で、電子供与体成分(C)を有機
アルミニウム触媒成分(B)1モル当り通常、約0.005
〜2モル、好ましくは0.01〜1モルの量で追加使用する
ことが好ましい。
重合系には、他に分子量または分子量分布などを調節
する目的で水素、ハロゲン化炭化水素などを共存させて
もよい。
本発明において、重合温度は、懸濁重合が可能な範囲
の温度で、かつ約0℃以上、好ましくは約30〜70℃の範
囲内であることが好ましい。また、重合圧力は、たとえ
ば大気圧〜約200kg/cm2、好ましくは大気圧〜約100kg/c
m2の範囲内であることが望ましい。そして重合時間は、
重合体の生成量が、チタン触媒成分中のチタン1ミリモ
ル当り約5000g以上、好ましくは約10000g以上となるよ
うに設定することが好ましい。
本重合は、1段階で行なってもよく、多段階で行なっ
てもよい。
本発明では、第1図に示すように、上記のようにして
重合器A内で重合された分枝α−オレフィン系重合体を
含む重合体溶液を、調節弁Bを介して冷却器C内に導入
し、冷却することにより、重合体溶液中に溶解している
分枝α−オレフィン系重合体を析出させる。
重合体溶液の冷却温度は、通常、重合温度に比べて通
常5℃以上低い温度、好ましくは20℃以上低い温度、さ
らに好ましくは40℃以上低い温度であることが望まし
い。
このような重合体溶液を重合温度よりも通常5℃以上
低い温度で冷却すると、液相中に溶解している分枝α−
オレフィン系重合体は析出してくる。従って、分離工程
で効率的に生成重合体を回収することができる。
分枝α−オレフィン系重合体を冷却器内で析出させる
には、連続式あるいは回分式のいずれの方法をも採用し
うる。
本発明では、次いで上記冷却工程で析出させた重合体
の分散液を、調節弁Dを介して分離器E内に導入して、
重合工程で生成した重合体と未反応の分枝α−オレフィ
ンとを分離する。
このようにして分離された分枝α−オレフィン系重合
体を回収すると共に、分離された未反応の分枝α−オレ
フィンを、母液ドラムFおよび母液循環ポンプGを経て
前記重合器A内に供給し、再使用する。
分離器Eとしては、遠心分離器、液体サイクロンなど
が用いられる。
このようにして得られた分枝α−オレフィン系重合体
の極限粘度[η]は、通常、0.5〜20dl/g、好ましくは
1〜10dl/gの範囲内にある。
発明の効果 本発明では、分枝α−オレフィン系重合体を製造する
内に、重合器内で、触媒の存在下に分枝α−オレフィン
を液相にて重合させて、得られた重合体を含む重合体溶
液を冷却器内に導入して冷却することにより、重合体溶
液中に溶解している重合体を析出させ、次いで、この重
合体を含む重合体溶液を分離器内に導入して生成した重
合体と未反応の分枝α−オレフィンとを分離し、重合体
を回収すると共に分離した分枝α−オレフィンを前記重
合器内に供給して再使用しているので、分枝α−オレフ
ィン系重合体を効率的かつ高回収率で回収することがで
きる。
また、分枝α−オレフィン系重合体を回収した後の母
液中には、残存溶解している重合体量は少なく、分離
器、母液ドラム、母液循環ポンプなどの装置類あるいは
分離器から母液ドラムに至る母液排出ライン、母液ドラ
ムから母液循環ポンプを経て重合器に至る母液循環ライ
ンなどにおいて、重合体が析出し、付着することも少な
く、従ってラインの閉塞を生ずることも少なく、これら
装置の安定した運転が可能となる。
[実施例] 次に、本発明の方法を実施例によって具体的に説明す
る。
実施例1〜4 <チタン触媒成分(a)の調製> 無水塩化マグネシウム4.76kg(50モル)、デカン25
および2−エチルヘキシルアルコール23.4(150モ
ル)を130℃で2時間加熱し、均一溶液とした後、この
溶液中に無水フタル酸1.11kg(7.5モル)を添加し、130
℃にてさらに1時間撹拌混合を行ない、この無水フタル
酸を該均一溶液に溶解させた。このようにして得られた
均一溶液を、室温に冷却した後、−20℃に保持された四
塩化チタン200(1800モル)中に1時間かけて全量滴
下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4時間か
けて110℃に昇温し、110℃に達したところでイソジブチ
ルフタレート2.68(12.5モル)を添加し、これより2
時間同温度にて撹拌下保持した。2時間の反応終了後
過にて固体部を採取し、この固体部に200の四塩化チ
タン(TiCl4)にて再懸濁させた後、再び110℃で2時
間、加熱反応を行なった。反応終了後、再び熱過にて
固体部を採取し、110℃デカンおよびヘキサンにて、遊
離のチタン化合物が洗液中に検出されなくなるまで充分
洗浄した。以上の製造方法にて合成されたチタン触媒成
分(a)のうち一部を触媒組成を調べる目的で乾燥する
他は、チタン触媒成分(a)のヘキサン懸濁液として保
存した。このように乾燥して得られたチタン触媒成分
(a)の組成は、チタン3.1重量%、塩素56.0重量%、
マグネシウム17.0重量%およびジイソブチルフタレート
20.9重量%であった。
<予備重合> 50の撹拌機付反応器に25のn−デカン、250ミリ
モルのトリエチルアルミニウム、50ミリモルのトリメチ
ルメトキシシランおよびチタン原子に換算して250ミリ
モルのチタン触媒成分(a)を入れた。温度を20℃に保
ちながら、7.5kgの4−メチル−1−ペンテンを1時間
かけて反応器内に加え、さらに20℃で2時間反応させ
た。さらに、500gの3−メチル−1−ペンテンを一度に
反応器に加え、20℃で2時間反応させた。得られた反応
物をグラスフィルターで過し、25のn−ヘキサンに
再懸濁させた。予備重合量はチタン1ミリモル当り300g
であった。
<重合> 用いた重合装置を第1図に示す。
第1図において、重合器A(直径500mm、容積200)
に、ヘキサン懸濁液とした前記反応物(予備重合触媒)
を、チタン原子に換算して表1に示す割合で、連続的に
供給し、また、トリエチルアルミニウム、トリメチルメ
トキシシラン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン
をそれぞれ表1に示す割合でまた水素を表1に示す気相
の分圧になるように連続的に重合器内に供給しながら、
懸濁重合反応を連続的に行なった。
この重合反応の際には、温度を50℃とし、また窒素に
よる加圧を行なって重合器内の圧力を3kg/cm2Gとした。
懸濁液の抜出量を調整して、重合器内の反応物平均滞
留時間が4時間になるように、反応部容積を制御した。
<冷 却> 重合器Aより連続的に排出された懸濁液をライン1を
経て連続的に冷却器C(直径500mm、容積200)に導入
し、冷却した。
冷却に際し、ジャケットに冷却剤を連続的に流した。
冷却の際には、冷却器内の温度を表1に示す値に保っ
た。
冷却器内の圧力は、窒素による加圧を行なって、1kg/
cm2Gとした。
懸濁液抜出量を調整して、冷却器内の懸濁液平均滞留
時間が1時間になるように、冷却部容積を制御した。
冷却による重合体の析出量は、重合体から排出される
懸濁液量および冷却器から排出される懸濁液中の液相に
溶解している重合体量を測定し、求めた。
<分離> 冷却器Cから連続的に排出された懸濁液をライン2を
経て連続的に遠心分離器Eに導入し、重合体と母液とに
分離した。
分離された母液は、母液排出ライン3を経て母液ドラ
ムFに一旦貯蔵し、次いで母液ドラムから母液循環ポン
プGおよび母液循環ライン4を経て重合器Aに循環させ
た。
上記のような重合装置を、24時間運転した後、遠心分
離器E、母液排出ライン三および母液循環ライン4の状
況を調べた。
結果を第1表に示す。
比較例1 <チタン触媒成分(a)の調製> 実施例1〜4と同様に行なった。
<予備重合> 実施例1〜4と同様に行なった。
<重合> 以下の工程では、第2図に示すような重合装置を用い
た。
実施例1と同様に行なった。
<分離> 重合器Aより、連続的に排出された懸濁液をライン1
を経て連続的に遠心分離器Eに導入し、重合体と母液と
に分離した。分離された母液を母液排出ライン3を経て
母液ドラムFに一旦貯蔵し、次いで母液ドラムから母液
循環ポンプGおよび母液循環ライン4を経て重合器Aに
循環させた。
図2に示すような重合装置を運転開始して10時間経過
した後に、ライン3およびポンプGの吸込ラインに閉塞
が生じ、重合装置の運転ができなくなった。ライン3、
母液ドラムF、ポンプG、ライン4を点検したところ、
それぞれの内壁に析出し、付着している重合体が検出さ
れた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で用いられた重合装置の概略
図、第2図は従来の重合装置の概略図である。 A……重合器、B,D……調節弁 C……冷却器、E……分離器 F……母液ドラム、G……母液循環ポンプ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合器内で、触媒の存在下に分枝α−オレ
    フィンを液相にて重合させて、得られた重合体を含む重
    合体溶液を冷却器内に導入して冷却することにより、重
    合体溶液中に溶解している重合体を析出させ、次いで、
    この重合体を含む重合体溶液を分離器内に導入して生成
    した重合体と未反応の分枝α−オレフィンとを分離し、
    重合体を回収すると共に分離した分枝α−オレフィンを
    前記重合器内に供給して再使用することを特徴とする分
    枝α−オレフィン系重合体の製造方法。
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JPS6153307A (ja) * 1984-08-23 1986-03-17 Chisso Corp α−オレフインの連続スラリ−重合法
JPH06814B2 (ja) * 1984-10-20 1994-01-05 三井石油化学工業株式会社 ポリオレフインのスラリ−重合法における重合熱除去方法

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