JP2643912B2 - 感光体ドラム用クリーニング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、感光体ドラム用クリー
ニング装置に係り、特に、電子写真印刷装置に装備され
る感光体ドラム用クリーニング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】感光体ドラム（像担持体）に形成された
トナー像を記録紙（転写材）に転写する一般的な電子写
真記録方式では、転写後に当該像担持体に残留する残留
トナーを除去する必要がある。従来、この残留トナーを
除去するクリーニング手段として、像担持体表面にクリ
ーニングブレードを圧接して残留トナーを機械的に掻き
落とす方法やブラシにより掻き落とす方法等が採られて
いる。このクリーニングブレード等によりかき落とされ
た残留トナーは、廃トナーボックス内に落ち込み収納さ
れるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、クリーニング手段により像担持体表面
から機械的にかき落とされたトナーが、廃トナーボック
ス内に収納される際に噴霧状に舞う事態が生ずる。かか
る場合、この噴霧状に舞ったトナーが、わずかな隙間か
ら廃トナーボックス外に漏れ出し、電子写真プロセス回
りのデバイス（例えば帯電器や露光器等）をはじめ装置
内部を汚染してしまう不都合があった。

【０００４】また、このように電子写真プロセス回りの
デバイスや装置内部が汚染されることにより、印字不良
の原因となる不都合があった。例えば、帯電器が汚染さ
れた場合帯電不良を引き起こし印字に黒スジが発生し、
露光器が汚染された場合文字欠落や印字濃度不足を発生
することが明かとなっている。さらに汚染が進んだ場合
には、装置そのものが故障するという不都合もあった。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、上記従来例の有する不都合を
改善し、特に、感光体ドラム表面から除去されたトナー
粉による装置内の汚染を有効に防止した感光体ドラム用
クリーニング装置を提供することをその目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明で
は、感光体ドラムに当接して当該感光体ドラムに残留す
る転写後の残留トナーを除去するクリーニングブレード
と、このクリーニングブレードにより掻き落とされた廃
トナーを収納する廃トナーボックスとを備えている。そ
して、廃トナーボックスの内面に、トナーの極性とは逆
の極性のバイアスを常時印加する、という構成を採って
いる。

【０００７】請求項２記載の発明では、上記廃トナーボ
ックスを、帯電性部材により形成した、という構成を採
っている。

【０００８】請求項３記載の発明では、感光体ドラムに
当接して当該感光体ドラムに残留する転写後の残留トナ
ーを除去するクリーニングブレードと、このクリーニン
グブレードにより掻き落とされた廃トナーを収納する廃
トナーボックスとを備えている。そして、廃トナーボッ
クス内の内底部に帯電性部材を装備し、この帯電性部材
に、トナーの極性とは逆の極性のバイアスを常時印加す
る、という構成を採っている。

【０００９】これらにより、上述した目的を達成しよう
とするものである。

【００１０】

【作用】本発明では、トナー像の転写後に感光体ドラム
表面に残留したトナーは、その後クリーニングブレード
に掻き落とされ、感光体ドラムの表面から除去される。
このとき、除去されたトナーは廃トナーボックスの内面
に印加されているバイアスにより形成されている電界と
の関係で静電力を受け、当該トナーボックス内部に吸引
保持される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図２に基
づいて説明する。

【００１２】まず図１において、感光体ドラム１１の外
面周囲には、当該感光体ドラム１１の回転方向に帯電装
置１２，露光装置１３，現像装置１４，転写装置１５，
感光体ドラム用クリーニング装置１０及び除電装置１９
がこの順で配設されている。このうち、帯電装置１２
は、感光体ドラム１１の表面を帯電する機能を備えてい
る。露光装置１３は、露光によって静電潜像を形成する
機能を備えている。現像装置１４は、静電潜像の電位ギ
ャップによりトナーを感光体ドラム１１に付着させる機
能を備えている。転写装置１５は、感光体ドラム１１の
表面に形成されたトナー画像を記録紙に転写する機能を
備えている。

【００１３】また、本実施例において、感光体ドラム用
クリーニング装置１０は、感光体ドラム１１に当接して
当該感光体ドラム１１に残留する転写後の残留トナーを
除去するクリーニングブレード１と、このクリーニング
ブレード１により掻き落とされた廃トナーを収納する廃
トナーボックス２とを備えている。ここで、廃トナーボ
ックス２の内面には、トナーの極性とは逆の極性のバイ
アスが常時印加されるようになっている。

【００１４】以下、これを更に詳述すると、本実施例に
おいて、廃トナーボックス２は、帯電性部材により、感
光体ドラム１１の回転軸方向幅と対応する幅に形成され
ている。この廃トナーボックス２は、外部のバイアス印
加手段３に接続され、トナーの極性とは逆の極性のバイ
アスが常時印加されている。本実施例では、負極性に帯
電されたトナーが用いられることとし、バイアス印加手
段３は、正バイアスを印加する。

【００１５】また、廃トナーボックス２は、図１乃至図
２に示すように、感光体ドラム１１との対向面にトナー
取込口２ａを備えると共に、このトナー取込口２ａの下
方に感光体ドラム１１と接触するクリーニングブレード
１が固定されている。ここで、符号２ｂは、廃トナーボ
ックス２内のトナー粉が外部に飛散するのを防止する飛
散防止部材を示す。

【００１６】そして、感光体ドラム１１が図１の矢印方
向に回転し、印刷動作が行われると、転写装置によるト
ナー像の転写後に感光体ドラム表面に残留したトナー
は、その後クリーニングブレード１に掻き落とされ、感
光体ドラム１１の表面から除去される。このとき、除去
されたトナーは廃トナーボックス２の内面に印加されて
いるバイアスにより形成される電界との関係で静電力
（引力）を受け、当該トナーボックス内部に吸引され
る。

【００１７】このように、本実施例によれば、廃トナー
ボックス２の内部にトナーと逆極性のバイアスを常時印
加するので、一度廃トナーボックス２内に収容されたト
ナーが静電力により当該廃トナーボックス２の内部で吸
引され、このため、廃トナーが廃トナーボックス２の外
部に漏れ出す事態を有効に防止することができ、帯電装
置１２，露光装置１３や除電装置１９のトナー汚染を防
止して印刷装置全体の信頼性をも高めることができる。

【００１８】また、本実施例では、廃トナーボックス２
を帯電性部材で形成すると共に、この帯電性部材にバイ
アスを印加するので、廃トナーボックス２の内部壁面の
全域に吸引力を生じ、廃トナーを効率的に吸引すること
ができる。

【００１９】ここで、廃トナーボックスは、その全体が
帯電性部材で形成されたものでも良いし、その一部が帯
電性部材で形成されたものでも良い。廃トナーボックス
の外面には導電性の材料をコーティングしても良い。

【００２０】次に、本発明の他の実施例を図３に基づい
て説明する。

【００２１】この図３に示す感光体ドラム用クリーニン
グ装置２０では、廃トナーボックス２内の内底部に帯電
性部材２４，２４を装備し、この帯電性部材２４，２４
に、トナーの極性とは逆の極性のバイアスを常時印加す
るようにバイアス印加手段２３が接続されている。本実
施例において、帯電性部材２４，２４はそれぞれ板状に
形成されており、廃トナーボックス２の底面と底面近傍
の側面にそれぞれ配設されている。その他の構成は上記
実施例と同一となっている。

【００２２】このように構成しても上記実施例と同様の
作用効果を奏することができる他、廃トナーボックス２
を導電性部材で形成することにより、このトナーボック
ス２の外部に静電力が生じてしまうという不都合を有効
に防止することもできる。

【００２３】ここで、帯電性部材は、廃トナーボックス
の底面と底面近傍の側面以外に設けられていても良い。
また、配設される帯電性部材の数は１つ乃至３以上の複
数でも良い。帯電性部材の形状は、廃トナーボックスの
形状に応じて適宜変更されれば良い。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、廃トナーボックスの内部にトナ
ーと逆極性のバイアスを常時印加するので、一度廃トナ
ーボックス内に収容されたトナーが静電力により当該廃
トナーボックスの内部で吸引され、このため、廃トナー
が廃トナーボックスの外部に漏れ出す事態を有効に防止
することができ、帯電装置，露光装置や除電装置のトナ
ー汚染を防止して印刷装置全体の信頼性をも高めること
ができる。

【００２５】また、請求項２記載の発明では、廃トナー
ボックスを帯電性部材で形成すると共に、この帯電性部
材にバイアスを印加するので、廃トナーボックスの内部
壁面の全域に吸引力を生じ、廃トナーを効率的に吸引す
ることができる、という従来にない優れた感光体ドラム
用クリーニング装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を利用した電子写真式印刷装置の一実施
例を示す概略構成図である。

【図２】図１に示す実施例のうち、本発明に係る感光体
ドラム用クリーニング装置の構成を示す概略断面図であ
る。

【図３】本発明の他の実施例を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１ クリーニングブレード ２ 廃トナーボックス ３，２３ バイアス印加手段 １０，２０ 感光体ドラム用クリーニング装置 １１ 感光体ドラム ２４ 帯電性部材

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光体ドラムに当接して当該感光体ドラ
   ムに残留する転写後の残留トナーを除去するクリーニン
   グブレードと、このクリーニングブレードにより掻き落
   とされた廃トナーを収納する廃トナーボックスとを備え
   た感光体ドラム用クリーニング装置において、 前記廃トナーボックスの内面に、前記トナーの極性とは
   逆の極性のバイアスを常時印加することを特徴とした感
   光体ドラム用クリーニング装置。
2. 【請求項２】 前記廃トナーボックスを、帯電性部材に
   より形成したことを特徴とする請求項１記載の感光体ド
   ラム用クリーニング装置。
3. 【請求項３】 感光体ドラムに当接して当該感光体ドラ
   ムに残留する転写後の残留トナーを除去するクリーニン
   グブレードと、このクリーニングブレードにより掻き落
   とされた廃トナーを収納する廃トナーボックスとを備え
   た感光体ドラム用クリーニング装置において、 前記廃トナーボックス内の内底部に帯電性部材を装備
   し、この帯電性部材に、前記トナーの極性とは逆の極性
   のバイアスを常時印加することを特徴とした感光体ドラ
   ム用クリーニング装置。