JP2641879B2 - 光学活性を有するヒダントイン誘導体の製法 - Google Patents

光学活性を有するヒダントイン誘導体の製法

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JP2641879B2 JP62330017A JP33001787A JP2641879B2 JP 2641879 B2 JP2641879 B2 JP 2641879B2 JP 62330017 A JP62330017 A JP 62330017A JP 33001787 A JP33001787 A JP 33001787A JP 2641879 B2 JP2641879 B2 JP 2641879B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は光学活性を有するヒダントイン誘導体の製法
に係る。
本発明方法により得られるヒダントイン誘導体は医薬
品として、殊に糖尿病合併症の治療剤として有望であ
る。
(従来の技術) 本発明方法により得られるヒダントイン誘導体は一般
(式中X及びYは同一又はそれぞれ異なっていて水素、
ハロゲン又はアルキル基を意味し、R1及びR2は同一又は
それぞれ異なっていて水素若しくは炭素数1−4のアル
キル基を意味する) にて示される。
上記のヒダントイン誘導体は本発明者等により開発さ
れたものであり(特願昭61−199924号明細書〔特開昭63
−57588号公報〕参照)、アルドース還元酵素阻害活性
を有しており、従って難治疾患である糖尿病合併症の治
療に有効なものと期待されている。上記の特願昭61−19
9924号明細書(特開昭63−57588号公報)に記載の方法
によれば、このヒダントイン誘導体の合成ルートは下記
の通りである。
(式中Y、R1及びR2は前記の意味を有し、ZはYと同一
又は異なっていて水素、ハロゲン又はアルキル基を意味
し、Mはアルカリ金属原始を意味する) 特願昭61−199924(特開昭63−57588号公報)号明細
書に開示されている上記の合成ルートにおいて、出発原
料として用いられている化合物II′はラセミ体であり、
この方法によれば該ラセミ体(II′)にアルカリ金属シ
アミン化物及び炭酸アンモニウムを作用させてスピロ
[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−
2−カルボン酸誘導体(III′)になしている。この誘
導体(III′)は分子内に2個の不斉炭素原子を有して
おり、従って、2種のジアステレオマー体及びそれらの
各鏡像体の計4種の立体異性体が存在することになる。
しかしながら、これらの生成比は同一ではなく、上記の
反応では一方のジアステレオマー体が優先的に生成さ
れ、その生成比は5対1乃至10対1となる。この場合に
優先的に得られるジアステレオマー体(III′−a)は
再結晶等の簡易な操作により容易に単離することがで
き、一方非優先生成異性体であるジアステレオマー体
(III′−b)は再結晶母液から得ることができる。こ
のようにして得られたジアステレオマー体III′−a又
はIII′−bは、縮合剤の存在下にアミン類と反応させ
ることにより、対応するアミド誘導体(V−a又はV−
b)に変ずることができる。得られるアミド誘導体は共
にラセミ体であり、これらは光学活性アルカロイド(例
えばキニンメトヒドロキシド、シンコニンメトヒドロキ
シド等)を用いて光学分割することにより、所望の光学
活性ヒダントイン誘導体(I′)に導かれている。
(発明が解決しようとする問題点及び発明の目的) 上記の特願昭61−199924(特開昭63−57588号公報)
号明細書に記載のヒダントイン誘導体合成方法は、カル
ボン酸体(III′−a又はIII′−b)をアミン類と縮合
反応させてアミド誘導体(V−a又はV−b)になすた
めに四塩化珪素を用いる点及び上記のカルボン酸体及び
アミド誘導体が共にラセミ体であり、光学活性体を得る
ために分割剤として光学活性アルカロイドを必要として
いる点に問題を有している。何故ならば、四塩化珪素は
分解し易く且つ取り扱いが困難であり、然かも反応に酸
化珪素が生成するので、これを反応系から除去せねばな
らないからであり、又一方分割剤と用いる光学活性アル
カロイドは一般に高価であり且つ分割収率も比較的低く
(10−20%)、従って製造コストの上昇を免れ得ないか
らである。
従って、本発明の目的は、有用な薬理活性を有してい
る光学活性ヒダントイン誘導体(I)を容易に且つ経済
的に製造することができ、工業的に適用可能なその製法
を提供することにある。
(問題点を解決し、目的を達成する手段及び作用) 本発明によれば、上記の問題点は、一般式 (式中X及びYは同一又はそれぞれ異なっていて水素、
ハロゲン又はアルキル基を意味する) にて示され且つ光学活性を有する化合物に、アルカリ金
属シアン化物及び炭酸アンモニウムを作用させ、得られ
る一般式 (式中X及びYは前記の意味を有する) にて示され且つ光学活性を有する化合物と一般式 HOR (式中Rは炭素数1−4のアルキル基を意味する) にて示される化合物とを触媒の存在下に反応させ、得ら
れる一般式 (式中X、Y及びRは前記の意味を有する)にて示され
且つ光学活性を有する化合物と一般式 (式中R1及びR2は同一又はそれぞれ異なっていて水素若
しくは炭素数1−4のアルキル基を意味する) にて示される化合物とを反応させることを特徴とする、
一般式 (式中X、Y、R1及びR2は前記の意味を有する) にて示され且つ光学活性を有するヒダントイン誘導体又
は薬学的に受容し得るそのカチオン塩の製法により解決
されると共に、上記の目的が達成される。
即ち、本発明方法においては、化学活性体(II)から
出発して光学活性なカルボン酸体(III)になすが、こ
の場合に特願昭61−199924号(特開昭63−57588号)に
係る発明におけると同様に、一方のジアステレオマーが
優先的に生成し、そのアミド化に際してエステル体(I
V)を経由するために収率の向上がもたらされ、又生成
物がすべて光学活性体であるために光学分割の必要性が
なくなるのである。尚、出発物質としての光学活性体
(II)は特願昭62−84577(特開昭63−250373号公報)
号明細書に記載の方法により容易に且つ高収率を以て合
成することができるので、本発明方法は原理入手の面に
おいても問題を有していない。
次に、本発明方法における各工程について若干具体的
に説明する。
第1工程 この工程において、(+)体又は(−)体の原料(I
I)を用いることにより、一般式(III)にて示される4
種の立体異性体を合成することができる。即ち、(+)
体の原理(II)を用いれば、2種の立体異性体(ジアス
テレオマー)の混合物が合成され、この場合に、一方の
異性体が優先的に生成し、他方の異性体との生成比は5
対1乃至10対1となる。優先的に生成する右旋性異性体
(III−a)は簡単な操作、例えば再結晶操作により単
離することができ、収率は60%以上である。一方、非優
先的に生成する異性体(マイナー成分の異性体)である
右旋性異性体(III−b)は、上記の再結晶母液から単
離することができる。尚、(−)体の原料(II)を用い
れば、上記と同様にして、優先的に生成する左旋性異性
体(III−c)とマイナー成分の左旋性異性体(III−
d)とが合成される。
この工程において用いられるアルカリ金属シアン化物
としてはシアン化ナトリウム、シアン化カリウム等を例
示することができる。反応は、溶媒の存在下に50−150
℃で約4時間乃至2日間実施される。溶媒としてはメタ
ノール、エタノール、プロノール等の低級アルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環式エーテル
類、エチレングリコール、トリエチレングリコール等の
アルキレングリコール類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド等のN,N−ジアルキルア
ミド類、アセチルアミド等の低級アルキルアミド類、水
又はこれらの混合溶媒を用いることができる。
光学活性体(II)と、金属シアン化物と、炭酸アンモ
ニウムとの混合比(モル比)は1.0:1.2:2.5乃至1:3:8程
度が適当である。反応完了後に水溶液(水以外の溶媒が
用いられた場合には、反応混合物を水にて希釈すること
により調製)を酸性化すれば、ジアステレオマー混合物
が得られる。このジアステレオマー混合物に関して、再
結晶操作を施すことにより優先生成異性体が単一成分
(選択された原料に依存してIII−a又はIII−c)とし
て得られ、又この優先生成異性体を濾取した濾液(母
液)から非優先生成異性体(III−b又はIII−d)が得
られる。この場合における優先異性体と非優先異性体と
の生成比は、既述のように、5:1乃至10:1であり、優先
異性体の収率は60%以上となる。
尚、ここで得られた光学活性体(III−a)から光学
活性なエステル誘導体(IV−a)を経て合成された右旋
性のアミド誘導体(I−a)が最も高いアルドース還元
酵素阻害活性を有しており、従ってそ原料として(+)
体のII及びIII−aは極めて重要である。
第2工程 本工程においては、第1工程で得られた光学活性体
(II)のエステル化が行われる。触媒としては酸類、例
えば硫酸、塩酸などの鉱酸、芳香族スルホン酸等の有機
酸、三弗化硼素エーテラート等のルイス酸を例示するこ
とができる。溶媒としては、エステル化に際して用いら
れるアルコール類であることができ、炭素数1−4のア
ルコールが適当である。反応温度及び反応時間に格別の
制限はないが、溶媒の還流温度及び2−24時間に設定す
るのが好ましい。尚、本工程における所望物質の収率は
良好であり、90%以上となるが、更に反応系にベンゼン
又はトルエンを添加し、生成する水を共沸蒸留により系
外に除去しながら反応を行うことにより収率の向上をも
たらすことができる。
第3工程 本工程においては、第2工程で得られた光学活性体
(III)のアミド化が行われる。このアミド化反応は溶
媒の存在下に実施され、該溶媒としてはメタノール、エ
タノール、n−プロノール等の低級アルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等の環式エーテル類、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド
等のN,N−ジアルキルアミド類、N,N−ジメチルアセトア
ミド等の低級アルキルアミド類、水又はこれらの混合物
を用いることができる。必要であれば、触媒として塩化
アンモニウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムアミ
ド、ブチルリチウム、水素化ナトリウム等を用いること
もできる。反応は0−100℃の間の温度で行われ、所要
時間は2時間乃至2日間である。殊に、反応関与体とし
て低級アミン類が採択される場合には、メタノールを溶
媒とし、触媒を用いず、室温下で反応を実施するのが好
ましく、この場合には90%以上の収率で光学活性を有す
る目的物質(アミド誘導体I)を得ることができる。
(実施例) 次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 d−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボン酸(III−a)及びそのジアス
テレオマー体(III−b) シアン化カリウム43.3g(0.67mol)及び炭酸アンモニ
ウム191g(2.0mol)を水500mlに溶解させ、この溶液に
d−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−2H−
1−ベンゾピラン−2−カルボン酸70.0g(0.33mol)を
添加し、65−70℃において24時間撹拌した後に、更に90
℃において1時間撹拌し、次いで放冷した。
反応混合物に氷水500mlを添加し、これに濃塩酸を滴
下してpHを1に調整した。析出した結晶を濾取すること
により6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオ
キソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダ
ゾリジン]−2−カルボン酸のジアステレオマー混合物
(5:1)を90.3g得た。
この結晶を水から再結晶させた処、所望の優先生成体
(III−a)が57.9g(62.7%)得られた。一方、母液を
処理した処、そのジアステレオマー体(III−b)が得
られた。
III−a 融点:146℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 280(M+),262,1641 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 2.16,2.58 (2H,m) 5.27 (1H,dd) 6.90−7.50 (3H,m) 8.47 (1H,br) 11.08 (1H,br) ▲[α]27 D▼:+194゜(c=1.0,メタノール) III−b 融点:215℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 280(M+),236,1641 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 2.33,2.45 (2H,m) 4.72 (1H,dd) 6.70−7.50 (3H,m) 8.95 (1H,br) 11.22 (1H,br) ▲[α]26 D▼:+144゜(c=1.0,メタノール) 実施例2 1−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボン酸(III−c)及びそのジアス
テレオマー体(III−d) 実施例1に記載の方法と同様にして、但し1−6−フ
ルオロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−カルボン酸(250g,1.19mol)を出発原料と
して用いることにより所望の優先生成体(III−c)を2
02g得た(収率:60.7%)。又、母液を処理することによ
り、そのジアステレオマー体(III−d)を得た。
III−c 融点:145℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 280(M+),262,1641 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 2.16,2.58 (2H,m) 5.25 (1H,dd) 6.90−7.50 (3H,m) 8.45 (1H,br) 11.08 (1H,br) ▲[α]27 D▼:−193゜(c=1.0,メタノール) III−b 融点:214℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 280(M+),236,1641 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 2.33,2.45 (2H,m) 4.75 (1H,dd) 6.70−7.50 (3H,m) 8.95 (1H,br) 11.22 (1H,br) ▲[α]27 D▼:−143゜(c=1.0,メタノール) 実施例3 d−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボン酸メチルエステル(IV−a−
1) 実施例1に記載の方法により得られたd−6−フルオ
ロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ[4H
−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−
カルボン酸(III−a)35.0g(0.125mol)メタノール15
00mlに溶解させ、この溶液に硫酸30.0ml(0.552mol)を
徐々に滴下した後に、1.5時間還流させた。
一夜放冷した後に、析出した結晶を濾取して所望化合
物を33.6g(91.6%)得た。
融点:340℃(分解) Massスペクトル(EI/DI)m/z: 294(M+),2621 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 1.92−2.85 (2H,m) 3.81 (3H,s) 5.40 (1H,dd) 6.90−7.40 (3H,m) 8.50 (1H,br) 11.12 (br) ▲[α]20 D▼:+186゜(c=1.0,N,N−ジメチルホル
ムアミド) 実施例4 d−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボン酸n−プロピルエステル(IV−
a−2) 実施例1に記載の方法により得られたd−6−フルオ
ロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ[4H
−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−
カルボン酸(III−a)(5.0g,0.056mol)と、n−プロ
ピルアルコール(20ml,0.268mol)と、ベンゼン(5ml,
0.056mol)と、濃硫酸(0.125ml,2.35mmol)との混合物
を5.0時間還流させた(反応容器にDean−Stark trapを
取り付けて、生成する水を系外に除去しながら反応を継
続させた)。
反応溶液を濃縮して半量になし、この濃縮液に酢酸エ
チル100ml及び5%−炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを
添加して酢酸エチル抽出を行った。酢酸エチル層を、無
水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、次いで溶媒を留去さ
せ、得られた残渣に水50mlを添加して1時間撹拌し、析
出した結晶を濾取し、乾燥させて所望化合物を5.60g(9
7.1%)を得た。
融点:197−200℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 322(M+),1921 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 0.92 (3H,t) 1.68 (2H,sexlet) 2.21,2.63 (2H,m) 4.20 (2H,t) 5.38 (1H,dd) 6.90−7.50 (3H,m) 8.48 (1H,s) 11.10 (1H,s) ▲[α]26 D▼:+165゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C15H15FN2O5) 計算:C,55.90;H,4.69;N,8.69 実測:C,55.91;H,4.66;N,8.88 実施例5 1−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボン酸n−プロピルエステル(IV−
c) 実施例4に記載の方法と同様にして、但し実施例2に
記載の方法により得られた1−6−フルオロ2,3−ジヒ
ドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ−[4H−1−ベンゾ
ピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボン酸(I
II−c)(5.0g,18mmol)を出発原料として用いること
により、所望化合物を5.7g(定量的)得た。
融点:199−201℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 322(M+),1921 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 0.92 (3H,t) 1.68 (2H,sexlet) 2.21,2.63 (2H,m) 4.20 (2H,t) 5.38 (1H,dd) 6.90−7.50 (3H,m) 8.50 (1H,brs) 11.10 (1H,brs) ▲[α]26 D▼:−163゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C15H15FN2O5) 計算:C,55.90;H,4.69;N,8.69 実測:C,55.98;H,4.79;N,8.67 実施例6 d−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボン酸n−プロピルエステル(IV−
b) 実施例4に記載の方法と同様にして、但し実施例1に
記載の方法により得られたd−6−フルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ−[4H−1−ベン
ゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボン酸
(III−b)(5.0g,18mmol)を出発原料として用いるこ
とにより、所望化合物を5.7g(定量的)得た。
融点:163−164℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 322(M+),1921 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 0.92 (3H,t) 1.68 (2H,sexlet) 2.61−2.80 (2H,m) 4.20 (2H,t) 4.73−5.11 (1H,m) 6.87−7.50 (3H,m) 8.93 (1H,br) 11.22 (1H,br) ▲[α]26 D▼:+110゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C15H15FN2O5) 計算:C,55.90;H,4.69;N,8.69 実測:C,55.80;H,4.68;N,8.72 実施例7 1−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボン酸n−プロピルエステル(IV−
d) 実施例4に記載の方法と同様にして、但し実施例2に
記載の方法により得られた1−6−フルオロ2,3−ジヒ
ドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ−[4H−1−ベンゾ
ピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボン酸(I
II−d)(5.0g,18mmol)を出発原料として用いること
により、所望化合物を5.7g(定量的)得た。
融点:163−164℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 322(M+),1921 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 0.92 (3H,t) 1.68 (2H,sexlet) 2.16−2.80 (2H,m) 4.20 (2H,t) 4.73−5.11 (1H,m) 6.87−7.50 (3H,m) 8.93 (1H,br) 11.22 (1H,br) ▲[α]26 D▼:−111゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C15H15FN2O5) 計算:C,55.90;H,4.69;N,8.69 実測:C,55.87;H,4.67;N,8.72 実施例8 d−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボキサミド(1−a) a)実施例4に記載の方法により得られたd−6−フル
オロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ[4
H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−
カルボン酸n−プロピルエステル(IV−a−2)(1.0
g,3.1mmol)を5.0mlのメタノールに懸濁させ、この懸濁
液に24℃以下の温度において過剰量のアンモニアガスを
導入した。反応混合物を20−24℃において4時間撹拌
し、次いで溶媒を留去させた。得られた残渣に水10mlを
添加して1時間撹拌し、次いで6N−塩酸水溶液を添加し
て酸性化し、生成した結晶を濾取し、乾燥させて所望化
合物を800mg(90.0%)得た。
融点:290−291℃(分野) Massスペクトル(EI/DI)m/z: 279(M+),1921 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 2.09,2.51 (2H,m) 5.13 (1H,dd) 6.90−7.40 (3H,m) 7.60,7.83 (2H,br) 8.47 (1H,br) 11.05 (1H,br) ▲[α]20 D▼:+167゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C12H10FN3O4) 計算:C,51.62;H,3.61;N,15.05 実測:C,51.73;H,3.51;N,14.99 b)上記のa)項に記載の方法と同様にして、但し実施
例3に記載の方法により得られたd−6−フルオロ−2,
3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ−[4H−1
−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カル
ボン酸メチルエステル(IV−a−1)(30.0g,0.102mo
l)を出発原料として用いることにより所望化合物を20.
7g(72.6%)得た。この化合物の物性値は上記のa)項
に記載の値と合致した。
実施例9 1−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボキサミド(I−c) 実施例8aに記載の方法と同様にして、但し実施例5に
記載の方法により得られた1−6−フルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ−[4H−1−ベン
ゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボン酸
n−プロピルエステル(IV−c)(1.0g,3.1mmol)を出
発原料として用いることにより所望化合物を865mg(定
量的)得た。
融点:290−293℃(分解) Massスペクトル(EI/DI)m/z: 279(M+),1921 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 2.11,2.53 (2H,m) 5.15 (1H,dd) 6.96−7.50 (3H,m) 7.63,7.86 (2H,br) 8.53 (1H,br) 11.05 (1H,br) ▲[α]20 D▼:−169゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C12H10FN3O4) 計算:C,51.62;H,3.61;N,15.05 実測:C,51.69;H,3.52;N,14.99 実施例10 d−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボキサミド(I−b)(IV−bのア
ミド化反応) 実施例8aに記載の方法と同様にして、但し実施例6に
記載の方法により得られたd−6−フルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ−[4H−1−ベン
ゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボン酸
n−プロピルエステル(IV−b)(1.0g,3.1mmol)を出
発原料として用いることにより所望化合物を814mg(94.
0%)得た。
融点:267−270℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 279(M+),2361 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 1.87−2.70 (2H,m) 4.33−4.77 (1H,m) 6.67−7.30 (3H,m) 7.65,7.80 (2H,br) 8.98 (1H,s) 10.20−11.90 (1H,br) ▲[α]26 D▼:+117゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C12H10FN3O4) 計算:C,51.62;H,3.61;N,15.05 実測:C,51.51;H,3.49;N,14.87 実施例11 1−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2′,5′−ジオキ
ソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−4,4′−イミダゾ
リジン]−2−カルボキサミド(I−d)(IV−dのア
ミド化反応) 実施例8aに記載の方法と同様にして、但し実施例7に
記載の方法により得られた1−6−フルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−2′,5′−ジオキソ−スピロ−[4H−1−ベン
ゾピラン−4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボン酸
n−プロピルエステル(IV−d)(1.0g,3.1mmol)を出
発原料として用いることにより所望化合物を831mg(96.
0%)得た。
融点:267−270℃ Massスペクトル(EI/DI)m/z: 279(M+),2361 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 1.87−2.70 (2H,m) 4.33−4.77 (1H,m) 6.67−7.30 (3H,m) 7.65,7.80 (2H,br) 8.98 (1H,s) 10.20−11.90(1H,br) ▲[α]26 D▼:−119゜(c=1.0,メタノール) 元素分析(C12H10FN3O4) 計算:C,51.62;H,3.61;N,15.05 実測:C,51.35;H,3.51;N,14.99 (発明の効果) 本発明方法においては、特願昭62−84577号明細書
(特開昭63−250373号公報)に記載の方法により容易に
且つ高収率にて合成することのできる光学活性体(II)
から出発し、この化合物をヒダントイン化し(カルボン
酸体III)、エステル体(IV)を経由させることによ
り、光学活性を有する所望のアミド体(I)に導く結
果、特願昭61−199924号明細書(特開昭63−57588号公
報)に記載の合成法と比較して、収率が向上すると共
に、不安定な試薬や高価な光学分割剤の必要性を廃する
ことができる。
尚、本発明方法により得られるヒダントイン誘導体
(I)の内でアルドース還元酵素阻害活性が最も強く、
従って難治性の糖尿病合併症治療剤として特に有望な化
合物は、現在の処d−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−
2′,5′−ジオキソ−スピロ[4H−1−ベンゾピラン−
4,4′−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド(I−
a)であるが、本発明はその合成法として最適であり、
その工業的生産を可能にするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 健志 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 臼井 敏直 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 福嶋 将人 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 海野 良一 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 山口 卓治 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 澤井 喜一 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中X及びYは同一又はそれぞれ異なっていて水素、
    ハロゲン又はアルキル基を意味する) にて示され且つ光学活性を有する化合物に、アルカリ金
    属シアン化物及び炭酸アンモニウムを作用させ、得られ
    る一般式 (式中X及びYは前記の意味を有する) にて示され且つ光学活性を有する化合物と一般式 HOR (式中Rは炭素数1−4のアルキル基を意味する) にて示される化合物とを触媒の存在下に反応させ、得ら
    れる一般式 (式中X、Y及びRは前記の意味を有する) にて示され且つ光学活性を有する化合物と一般式 (式中R1及びR2は同一又はそれぞれ異なっていて水素若
    しくは炭素数1−4のアルキル基を意味する) にて示される化合物とを反応させることを特徴とする、
    一般式 (式中X、Y、R1及びR2は前記の意味を有する) にて示され且つ光学活性を有するヒダントイン誘導体又
    は薬学的に受容し得るそのカチオン塩の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61200991A (ja) * 1985-03-04 1986-09-05 Sanwa Kagaku Kenkyusho:Kk スピロ―3―ヘテロアゾリジン化合物、その製法及びそれを有効成分とする糖尿病合併症の予防及び治療剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61200991A (ja) * 1985-03-04 1986-09-05 Sanwa Kagaku Kenkyusho:Kk スピロ―3―ヘテロアゾリジン化合物、その製法及びそれを有効成分とする糖尿病合併症の予防及び治療剤

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