JP2636439B2 - 免疫測定方法およびその装置 - Google Patents

免疫測定方法およびその装置

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JP2636439B2 JP1263335A JP26333589A JP2636439B2 JP 2636439 B2 JP2636439 B2 JP 2636439B2 JP 1263335 A JP1263335 A JP 1263335A JP 26333589 A JP26333589 A JP 26333589A JP 2636439 B2 JP2636439 B2 JP 2636439B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は免疫測定方法およびその装置に関し、さら
に詳細にいえば、光導波路内を全反射させながら励起光
を伝播させることにより発生するエバネッセント波成分
により標識螢光体を励起し、標識螢光体から放射される
螢光の強度に基づいて免疫の有無、免疫の程度を測定す
るための方法およびその装置に関する。
<従来の技術、および発明が解決しようとする課題> 従来からエバネッセント波成分により標識螢光体を励
起して免疫測定を行なうための装置として、測定用の光
学セルと参照用の光学セルとを用い、参照用の光学セル
により得られる測定データをオフセット値として測定用
の光学セルにより得られる測定データに補正を施すダブ
ル・ビーム方式の装置と、測定用の光学セルのみを準備
しておき、抗原−抗体反応を行なわせる前に緩衝液等を
注入してオフセット値の測定を行ない、次いで緩衝液を
被験液で置換して抗原−抗体反応を行なわせ、ほぼ平衡
した時点で測定データを得、オフセット値に基づく補正
を施す装置とが提供されている。
そして、何れの装置においても、全く抗原−抗体反応
が行なわれていない状態でオフセット値を得ておき、抗
原−抗体反応測定データに対してオフセット値に基づく
補正を施すのであるから、かなり正確な免疫測定を行な
うことができると期待されている。
しかし、前者の装置においては測定用の光学セルと参
照用の光学セルとの特性が揃っていなければオフセット
値に基づく補正を行なっても測定精度が向上するという
保証がない。また、2つの光学セルが必要であることに
伴なって各光学セルにそれぞれ導かれる励起光を得るた
めに複雑な光学系が必要になるという問題がある。
また、後者の装置においては被験液と緩衝液との置換
が必須になるため、処理工程数および処理所要時間が増
加するとともに、液を置換するための装置が複雑化する
という問題がある。そして、液の置換が100%は行なわ
れなかった場合には、残留する緩衝液により被験液が希
釈されてしまうことになり、測定精度が低下することに
なる。さらに、実際上は反応開始時点とサンプリング・
タイミングとが一致するという保証が全くないととも
に、被験液注入直後は螢光標識抗体等の拡散等にある程
度の時間が必要であり、反応曲線がS字状になるのであ
るから、測定された値が正確なオフセット値であるとい
う保証がなく、かえって測定精度を損なってしまう可能
性が高いという問題がある。
さらに、何れの装置においても、抗原−抗体反応がほ
ぼ平衡した時点における測定データをオフセット値で補
正する、いわゆるエンドポイント測定法を採用している
のであるから、免疫の程度に拘らず著しく長い時間が必
要になってしまう。
また、測定所要時間が長くかかるという不都合を解消
させるために、反応開始時刻以後における抗原−抗体反
応速度測定データを得、抗原−抗体反応速度測定データ
の最大値に基づいて免疫の程度を測定するレート測定法
が提案されている。この方法によれば、測定所要時間を
著しく短くできることになるが、免疫の程度が著しく低
い場合にはS/N比が低下してしまい、この結果、十分な
測定精度が得られなくなってしまうという問題がある。
<発明の目的> この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであ
り、エンド・ポイント測定法による測定精度を高めるこ
とができる免疫測定方法およびその装置を提供すること
を目的としている。
また、この発明は、免疫の程度に応じてレート測定法
またはエンド・ポイント測定法を選択することができる
新規な免疫測定方法およびその装置を提供することを目
的としている。
<課題を解決するための手段> 上記の目的を達成するための、この発明の免疫測定方
法は、レート測定法に基づいて反応速度測定データを
得、得られた反応速度測定データに基づいて反応開始時
刻におけるオフセット値を算出し、算出されたオフセッ
ト値を用いてエンド・ポイント測定法に基づく免疫測定
を行なう方法において、回帰区間を反応時定数よりも十
分に短くしておき、レート測定法により得られた反応速
度測定データに基づいて反応開始時刻まで直線回帰を行
なってオフセット値を算出する方法である。
第2の発明の免疫測定方法は、レート測定法に基づく
免疫測定を行なって反応速度測定データを得、十分な測
定精度が得られるか否かを判別して、十分な測定結果が
得られると判別された場合には得られた反応速度測定デ
ータをそのまま用い、逆に、十分な測定精度が得られな
いと判別された場合には、レート測定法により得られた
反応速度測定データに基づいて反応開始時刻におけるオ
フセット値を算出し、オフセット値を用いてエンド・ポ
イント測定法に基づく反応測定データを用いる方法であ
る。
但し、回帰区間を反応時定数よりも十分に短くしてお
き、レート測定法により得られた反応速度測定データに
基づいて反応開始時刻まで直線回帰を行なってオフセッ
ト値を算出する方法であってもよい。
また、レート測定法に基づく免疫測定結果が所定の閾
値よりも小さい場合に、十分な測定精度が得られないと
判別する方法であってもよい。
上記の目的を達成するための、この発明の免疫測定装
置は、レート測定法に基づいて抗原−抗体反応速度測定
データを得るレート測定手段と、レート測定手段により
得られた抗原−抗体反応速度測定データに基づいて測定
精度が十分か否かを判別する精度判別手段と、測定精度
が不十分であると判別されたことを示す精度判別手段か
らの出力信号が供給されたことを条件として、レート測
定手段により得られた抗原−抗体反応速度測定データを
用いて反応開始時刻まで抗原−抗体反応曲線を外挿して
オフセット値を算出するオフセット値算出手段と、抗原
−抗体反応がほぼ平衡した時点で反応測定データを得、
得られた反応測定データとオフセット値との差を算出し
て抗原−抗体反応測定データとして出力するエンドポイ
ント測定手段と、レート測定手段からの出力データに基
づいて抗原−抗体反応測定データを得る変換手段と、精
度判別手段からの出力信号に基づいて変換手段からの出
力データ、またはエンドポイント測定手段からの出力デ
ータを選択する選択手段とを有している。
<作用> 以上の免疫測定方法であれば、光導波路の反応面と接
するように被験液を注入した後、レート測定法により抗
原−抗体反応速度測定データを得るので、この抗原−抗
体反応速度測定データに基づいて反応開始時刻まで直線
回帰を行なうことにより、抗原−抗体反応開始時点にお
けるオフセット値を算出することができる。したがっ
て、その後は、エンド・ポイント測定法により、ほぼ飽
和して時点における測定データを得、オフセット値との
差分を算出することにより抗原−抗体反応に起因する真
の測定データを得ることができる。
第2の発明の免疫測定方法であれば、光導波路の反応
面と接するように被験液を注入した後、レート測定法に
より抗原−抗体反応速度測定データを得るので、この測
定データに基づいてレート測定法で十分な測定結果が得
られるか否かを判別することができる。したがって、十
分な測定精度が得られると判別された場合には、得られ
た抗原−抗体反応速度データに基づいて抗原−抗体反応
量を示す測定データを得ることができる。逆に、十分な
測定精度が得られないと判別された場合には、レート測
定法により得られた抗原−抗体反応速度測定データに基
づいて抗原−抗体反応開始時点におけるオフセット値を
算出することができる。したがって、その後は、エンド
・ポイント測定法により、ほぼ飽和した時点における測
定データを得、オフセット値との差分を算出することに
より抗原−抗体反応に起因する真の測定データを得るこ
とができる。
そして、回帰区間を反応時定数よりも十分に短くして
おき、レート測定法により得られた反応速度測定データ
に基づいて反応開始時刻まで直線回帰を行なってオフセ
ット値を算出する方法である場合には、演算所要時間を
短くして実時間処理に適合させることができる。
また、レート測定法に基づく免疫測定結果が所定の閾
値よりも小さい場合に、十分な測定精度が得られないと
判別する方法である場合には、判別処理を簡素化でき
る。
以上の構成の免疫測定装置であれば、光導波路の反応
面と接するように被験液を注入した後、レート測定手段
により抗原−抗体反応速度測定データを得るので、この
測定データに基づいて精度判別手段によりレート測定法
で十分な測定結果が得られるか否かを判別することがで
きる。
そして、精度判別手段により十分な測定精度が得られ
ると判別された場合には、得られた抗原−抗体反応速度
データに基づいて変換手段および選択手段により抗原−
抗体反応量を示す測定データを得ることができる。逆
に、十分な測定精度が得られないと判別された場合に
は、レート測定手段により得られた抗原−抗体反応速度
測定データに基づいてオフセット値算出手段により抗原
−抗体反応開始時点におけるオフセット値を算出するこ
とができる。したがって、その後は、エンド・ポイント
測定手段により、ほぼ飽和した時点における測定データ
を得、オフセット値との差分を算出することにより抗原
−抗体反応に起因する真の測定データを得ることができ
る。
<実施例> 以下、実施例を示す添付図面によって詳細に説明す
る。
第7図はこの発明の免疫測定方法において使用される
光学的測定装置の概略構成を示す斜視図であり、両端に
光入出射部としてのプリズム部(21a)が一体成形され
たスラブ型光導波路(21)を包囲するようにケーシング
(22)が設けられている。そして、スラブ型光導波路
(21)の表面に抗体(23)が予め固定されている。ま
た、ケーシング(22)に包囲された空間が反応槽(22
a)である。
第1図はこの発明の免疫測定方法の一実施例を示すフ
ローチャートであり、ステップにおいてスラブ型光導
波路(21)に対する励起光の導入を開始し、ステップ
において、予め設定されたサンプリング時間でのレート
測定法に基づく測定を開始する。そして、ステップに
おいて、抗原(23a)を含む被験液を希釈し、螢光標識
抗体(23b)を混合した溶液で反応槽(22a)の緩衝液を
置換すれば、抗原−抗体反応が進行するので反応速度に
対応する信号が得られる。第2図に例示する抗原−抗体
反応曲線で、反応開始時点における信号のレベル、即ち
オフセット値は、時刻領域R2〜R3の境界時点での反応曲
線の接線の傾きに基づいて定まるのであるから、ステッ
プにおいて、得られた信号を外挿することにより反応
開始時点における信号のレベル、即ちオフセット値を算
出できる。したがって、その後はステップにおいてエ
ンド・ポイント測定法に基づく測定を開始し、ステップ
において測定信号のレベルが殆ど変化しなくなるまで
待ってから、ステップにおいて、レベルが殆ど変化し
なくなった測定信号とオフセット値との差分を得、ステ
ップにおいて、差分に基づいて抗原−抗体反応量を得
ることができる。
第2図は得られる測定信号の時間的変化を示す図であ
り、当初は緩衝液のみが反応槽(22a)に収容されてい
るにも拘らず、スラブ型光導波路(21)自体の発する螢
光、ラマン散乱等によりある程度のレベルの測定信号
(スラブ型光導波路によるオフセット値)が得られる
(第2図中領域R1参照)。そして、緩衝液を螢光標識抗
体が混合された被験液で置換した当初は、抗原−抗体反
応は行なっていないがスラブ型光導波路(21)の反応面
近傍に存在する螢光標識抗体に起因するオフセット値だ
け急激に測定信号が立上り(第2図中時点R2参照)、そ
の後は被験液中に存在する抗原の量に基づいて定まる割
合いで測定信号のレベルが徐々に増加し(第2図中領域
R3参照)、ある程度の時間が経過すれば、測定信号のレ
ベルが殆ど変化しない平衡状態になる(第2図中領域R4
参照)。
したがって、抗原−抗体反応開始当初においてレート
測定法に基づく測定を行ない、この測定データに基づい
て線形回帰法、非線形回帰法、区分的補間法等により、
抗原−抗体反応開始時点におけるオフセット値を得るこ
とができる。さらに詳細に説明すると、免疫反応当初に
おける信号強度S(t)(第3図参照)は、第1次近似
として指数関数で次のように表現できる。
S(t)=a+b exp(−t/τ) (但し、a,bは定数、τは反応の活性に依存する反応時
定数で十数秒から数百秒の値をとり得る)また、上記指
数関数以外にも、 S(t)=a+b exp(−t/τ)+c exp(−t/τ′) のような関数による近似表現も可能である。しかし、こ
れらの近似表現を用いて回帰演算を行なうと非線形故に
計算に多大の時間がかかるのみならず、収束させるため
に必要な時間が予測困難であるから、実時間処理には到
底適用し得ない。このような点を考慮して鋭意研究を重
ねた結果、回帰区間Tが反応時定数τに対して特定の関
係を充足すれば、線形回帰によっても得られるオフセッ
ト値の精度低下を抑制できることを見出した。即ち、T
<<τであればS(t)=at+bの直線回帰が可能であ
り、TτであればS(t)=a√t+bの放物線回帰
等の線形多項式による回帰が可能である。計算の安定
性、容易さ等を考慮すれば直線回帰が最も好ましいが、
回帰区間が著しく短くなり、結果的に精度が低下する可
能性がある。したがって、精度の低下が顕著になる低信
号時に回帰区間Tを長くすればよいと思われる。このよ
うな対処は、低信号時の精度低下の主因がデータと回帰
曲線との不適合によるものではなく、データの含まれる
ランダム・ノイズである場合に有効である。また、免疫
反応は厳密には1次反応ではなく、1次反応近似とした
場合の見かけ上の反応時定数は低信号時に長くなる傾向
があるので、この点からも回帰区間Tを適応するように
変化させることが有効であることが分る。そして、この
場合における区間の判定としては、 最初に短い回帰区間で回帰し、その回帰区間での係
数(勾配)が所定の閾値以下であれば回帰区間を予め定
めた長さに延長する方法、 最初の回帰区間での勾配の大きさに基づいて、予め
定めた換算表、式に対応させて回帰区間を延長する方
法、 回帰の残差平方和またはその平均が所定値以上にな
るまで回帰区間を延長する方法、および これらの方法を適宜組合せた方法 が例示できる。
また、レート測定法に基づく測定を行なっている間は
測定信号のレベルは飽和していないのであるから、以上
のようにしてオフセット値を得た後にエンド・ポイント
法に基づく測定を行なえばよく、ほぼ飽和した測定信号
とオフセット値との差分を算出することにより、抗原−
抗体反応量に対応する信号を得ることができる。
また、反応槽(22a)に予め緩衝液を収容しておく代
わりにスラブ型光導波路(21)の反応面を乾燥状態にし
ておくことも可能であり、この場合には当初の測定信号
が第2図中破線で示すようにハイレベルになるが、螢光
標識抗体を混合して被験液を注入した後は測定信号が上
記と同様に変化するのであるから、同様に高精度のエン
ド・ポイント測定結果を得ることができる。そして、こ
の場合には液の置換が不要になる分だけ装置および操作
を簡素化できることになる。
<実施例2> 第4図は免疫測定方法の他の実施例を示すフローチャ
ートであり、ステップにおいてスラブ型光導波路(2
1)に対する励起光の導入を開始し、ステップにおい
て、予め設定されたサンプリング時間でのレート測定法
に基づく測定を開始する。そして、ステップにおい
て、抗原(23a)を含む被験液を希釈し、螢光標識抗体
(23b)を混合した溶液で反応槽(22a)の緩衝液を置換
すれば、抗原−抗体反応が進行するので反応速度に対応
する信号が得られる。したがって、ステップにおい
て、所定タイミングにおける信号または信号の最大値に
基づいてレート測定法で十分な測定精度が得られるか否
かを判別する。このステップにおいてレート測定法で
十分な測定精度が得られると判別された場合には、ステ
ップにおいて、得られた信号の最大値に基づいて所定
の演算を行なうことにより免疫測定結果を得る。
逆に、ステップにおいてレート測定法では十分な測
定精度が得られないと判別された場合には、ステップ
において、得られた測定信号を外挿することにより反応
開始時点における信号のレベル、即ちオフセット値を算
出できる。したがって、その後はステップにおいて測
定信号のレベルが殆ど変化しなくなるまで待ってから、
ステップにおいて、レベルが殆ど変化しなくなった測
定信号とオフセット値との差分を得、ステップにおい
て、差分に基づいて所定の演算を行なうことにより抗原
−抗体反応量を得ることができる。
したがって、この実施例の場合には、免疫反応の程度
が高ければレート測定法により短時間で高精度の免疫測
定を行なうことができ、免疫反応の程度が低ければ、レ
ート測定法に基づいて得られた測定データで反応式を外
挿して反応開始時点における正確なオフセット値を得、
このオフセット値を用いてエンド・ポイント測定法によ
り高精度の免疫測定を行なうことができる。尚、外挿に
より得られるオフセット値の精度は、反応曲線の傾きが
緩かな場合には高くなり、急な場合には低くなるが、オ
フセット値を用いてエンド・ポイント測定法に基づく測
定を行なうのは反応曲線の傾きが緩かな場合のみである
から、全く不都合はない。
<実施例3> 第5図はこの発明の免疫測定装置の一実施例を示すブ
ロック図であり、抗原−抗体反応量に対応して変化する
螢光を受光して電気信号に変換する検出器(1)と、検
出器(1)から出力される信号をサンプリングするサン
プリング回路(2)と、回帰区間Tを設定する回帰区間
設定部(3)と、サンプリングされた信号および設定さ
れた回帰区間Tに基づいて、設定された回帰区間Tにお
ける直線の勾配を算出する勾配算出部(4)と、算出さ
れた勾配が予め設定された閾値以下であるか否かを判別
する比較部(5)と、回帰区間T内のサンプリング信号
に基づいて直線回帰を行なってオフセット値を算出する
オフセット値算出部(6)と、サンプリング信号が平衡
したか否かを判別する平衡判別部(7)と、平衡時のサ
ンプリング信号および算出されたオフセット値に基づい
て抗原−抗体反応量を算出する反応量算出部(8)と、
比較部(5)から閾値以下であることを示す判別結果が
出力されたことを条件として回帰区間設定部(3)によ
り設定されるべき回帰区間Tを予め設定されている回帰
区間に変化させ、変化させられた回帰区間に基づいてオ
フセット値算出部(6)を動作させる制御部(9)とを
有している。ここで、サンプリング回路(2)および勾
配算出部(4)によって、レート測定法に基づいて抗原
−抗体反応測定データを得るレート測定手段を構成して
いる。また、平衡判別部(7)および反応量算出部
(8)によって、抗原−抗体反応がほぼ平衡した時点で
反応測定データを得、得られた反応測定データとオフセ
ット値との差を算出して抗原−抗体反応測定データとし
て出力するエンドポイント測定手段を構成している。
上記の構成の免疫測定装置の動作は次のとおりであ
る。
先ず、回帰区間設定部(3)により反応時定数τより
も十分に短い回帰区間Tを設定する。そして、サンプリ
ング回路(2)によりサンプリングされる信号を順次取
込み、回帰区間Tの範囲におけるサンプリング信号に基
づいて勾配算出部(4)により直線回帰式の勾配を算出
し、算出された勾配が予め設定された閾値以下であるか
否かを比較部(5)により判別する。
そして、算出された勾配が閾値よりも大きいと判別さ
れた場合には、回帰区間T内のサンプリング信号に基づ
いてオフセット値算出部(6)により直線回帰を行なっ
てオフセット値を算出する。その後は、平衡判別部
(7)によりサンプリング信号が平衡したか否かを判別
し、平衡したと判別された時点のサンプリング信号およ
び算出されたオフセット値に基づいて反応量算出部
(8)により抗原−抗体反応量を算出することができ
る。
逆に、算出された勾配が閾値以下であると判別された
場合には、制御部(9)により回帰区間を予め設定され
ている長い回帰区間に変更し、変更された回帰区間に基
づいてオフセット値算出動作、平衡判別動作および反応
量算出動作を行なって抗原−抗体反応量を算出すること
ができる。
即ち、従来装置と比較してオフセット値を正確に算出
することができ、算出されたオフセット値を用いてエン
ド・ポイント測定法により高精度の免疫測定を行なうこ
とができる。
<実施例4> 第6図はこの発明の免疫測定装置の他の実施例を示す
ブロック図であり、第5図の実施例と異なる点は、サン
プリングされた信号に基づいて反応曲線の勾配を算出す
るとともに、勾配の最大値を抽出する最大値抽出部(1
0)と、最大の勾配に基づいて抗原−抗体反応量を算出
する反応量算出部(11)とをさらに設けた点、回帰区間
を予め設定された長さに変更された場合における直線回
帰式の勾配が所定の閾値以下であるか否かを判別すべく
制御部(9)により比較部(5)を動作させるようにし
た点、この場合の判別結果に基づいて何れかの反応量算
出部(8)(11)からの算出量を選択する選択部(12)
をさらに設けた点のみである。この実施例の場合には、
サンプリング回路(2)、勾配算出部(4)および最大
値抽出部(10)によって、レート測定法に基づいて抗原
−抗体反応測定データを得るレート測定手段を構成して
いる。また、平衡判別部(7)および反応量算出部
(8)によって、抗原−抗体反応がほぼ平衡した時点で
反応測定データを得、得られた反応測定データとオフセ
ット値との差を算出して抗原−抗体反応測定データとし
て出力するエンドポイント測定手段を構成している。さ
らに、比較部(5)によって、レート測定手段により得
られた抗原−抗体反応測定データに基づいて測定精度が
十分か否かを判別する精度判別手段を構成している。
したがって、この実施例の場合には、反応時定数より
も十分に短い回帰区間および予め設定されている長い回
帰区間の何れの場合にも直線回帰式の勾配が閾値よりも
大きければ、最大値抽出部(10)により抽出された最大
の勾配に基づいて反応量算出部(11)により算出された
抗原−抗体反応量を選択部(12)により選択すればよ
く、サンプリング信号が平衡するまで待つ必要がないの
で免疫測定所要時間を短くできる。そして免疫測定精度
も十分に高くできる。
逆に、何れかの回帰区間において直線回帰式の勾配が
閾値以下であれば、上記実施例と同様にエンド・ポイン
ト測定法に基づき高精度の免疫測定を達成できる。
以上要約すれば、レート測定法では十分な測定精度が
得られない場合にのみエンド・ポイント測定法による免
疫測定を行なうことができ、多数の被験液の免疫測定を
行なう場合における所要時間の増加を短縮できるととも
に、十分な精度の免疫測定を達成できる。
尚、この発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、例えば、回帰区間設定部(3)により設定される回
帰区間を当初の回帰区間での勾配の大きさに対応させて
換算表等に基づいて選択するように構成することが可能
であるほか、回帰の残差平方和またはその平均が所定値
以上になるまで回帰区間を延長するように構成すること
が可能であり、その他、この発明の要旨を変更しない範
囲内において種々の設計変更を施すことが可能である。
<発明の効果> 以上のように第1の発明は、従来不正確になり勝ちで
あったオフセット値をレート測定法で得られた反応速度
測定データに基づいて算出する場合に、反応開始時刻ま
で直線回帰を行なうことで、正確なオフセット値を短い
演算所要時間で算出することができ、ひいてはエンド・
ポイント測定法による測定精度を高めることができると
いう特有の効果を奏する。
第2の発明は、レート測定法により十分な精度が得ら
れる場合にはレート測定法により測定を行ない、その他
の場合にはレート測定法で得られた測定データに基づい
て正確なオフセット値を得、エンド・ポイント測定法に
よる測定精度を高めることができるという特有の効果を
奏する。
第3の発明は、演算所要時間を短くして実時間処理に
適合させることができるという特有の効果を奏する。
第4の発明は、レート測定法かエンド・ポイント測定
法かの判別処理を簡素化できる。
第5の発明は、レート測定法により十分な精度が得ら
れる場合にはレート測定法により測定を行ない、その他
の場合にはレート測定法で得られた測定データに基づい
て正確なオフセット値を得、エンド・ポイント測定法に
よる測定精度を高めることができるという特有の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の免疫測定方法の一実施例を示すフロ
ーチャート、 第2図は得られる測定信号の時間的変化を示す図、 第3図は反応初期の信号変化を詳細に示す図、 第4図はこの発明の免疫測定方法の他の実施例を示すフ
ローチャート、 第5図はこの発明の免疫測定装置の一実施例を示すブロ
ック図、 第6図はこの発明の免疫測定装置の他の実施例を示すブ
ロック図、 第7図は免疫測定に用いられる光学的測定装置の概略構
成を示す斜視図。 (2)……レート測定手段を構成するサンプリング回
路、 (4)……レート測定手段を構成する勾配算出部、 (5)……精度判別手段としての比較部、 (6)……オフセット値算出部、 (7)……エンド・ポイント測定手段を構成する平衡判
別部、 (8)……エンド・ポイント測定手段を構成する反応量
算出部、 (10)……レート測定手段を構成する最大値抽出部、 (11)……変換手段としての反応量算出部、 (12)……選択部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レート測定法に基づいて反応速度測定デー
    タを得、得られた測定データに基づいて反応開始時刻に
    おけるオフセット値を算出し、算出されたオフセット値
    を用いてエンド・ポイント測定法に基づく免疫測定を行
    なう免疫測定方法において、回帰区間を反応時定数より
    も十分に短くしておき、レート測定法により得られた反
    応速度測定データに基づいて反応開始時刻まで直線回帰
    を行なってオフセット値を算出することを特徴とする免
    疫測定方法。
  2. 【請求項2】レート測定法に基づく免疫測定を行なって
    反応速度測定データを得、十分な測定精度が得られるか
    否かを判別して、十分な測定結果が得られると判別され
    た場合には得られた反応速度測定データをそのまま用
    い、逆に、十分な測定精度が得られないと判別された場
    合には、レート測定法により得られた反応速度測定デー
    タに基づいて反応開始時刻におけるオフセット値を算出
    し、オフセット値を用いてエンド・ポイント測定法に基
    づく反応測定データを用いることを特徴とする免疫測定
    方法。
  3. 【請求項3】回帰区間を反応時定数よりも十分に短くし
    ておき、レート測定法により得られた反応速度測定デー
    タに基づいて反応開始時刻まで直線回帰を行なってオフ
    セット値を算出する上記特許請求の範囲第2項に記載の
    免疫測定方法。
  4. 【請求項4】レート測定法に基づく免疫測定結果が所定
    の閾値よりも小さい場合に、十分な測定精度が得られな
    いと判別する上記特許請求の範囲第2項記載の免疫測定
    方法。
  5. 【請求項5】レート測定法に基づいて抗原−抗体反応速
    度測定データを得るレート測定手段(2)(4)(10)
    と、レート測定手段(2)(4)(10)により得られた
    抗原−抗体反応速度測定データに基づいて測定精度が十
    分か否かを判別する精度判別手段(5)と、測定精度が
    不十分であると判別されたことを示す精度判別手段
    (5)からの出力信号が供給されたことを条件として、
    レート測定手段(2)(4)により得られた抗原−抗体
    反応速度測定データを用いて反応開始時刻まで抗原−抗
    体反応曲線を外挿してオフセット値を算出するオフセッ
    ト値算出手段(6)と、抗原−抗体反応がほぼ平衡した
    時点で抗原−抗体反応速度データを得、得られた反応速
    度データとオフセット値との差を算出して抗原−抗体反
    応測定データとして出力するエンドポイント測定手段
    (7)(8)と、レート測定手段からの出力データに基
    づいて抗原−抗体反応速度データを得る変換手段(11)
    と、精度判別手段(5)からの出力信号に基づいて変換
    手段(11)からの出力データ、またはエンドポイント測
    定手段(8)からの出力データを選択する選択手段(1
    2)とを有することを特徴とする免疫測定装置。
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