JP2636424B2 - 耐熱・耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱・耐衝撃性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱・耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成
物に関するものであり、更に詳しくは、ポリフェニレン
エーテル樹脂、ゴム補強樹脂、ポリスチレンとポリ(ス
チレン・アクリロニトリル)から成るブロック共重合
体、及びビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック
共重合体の水素添加物から成る耐熱・耐衝撃性樹脂組成
物に関するものである。
〔従来の技術〕 ポリフェニレンエーテル樹脂(以下PPEと記す)とゴ
ム補強樹脂から成る樹脂組成物は公知であり、特にPPE
といわゆるスチレン系樹脂のブレンド物は、それぞれの
成分樹脂の短所である成形性と耐熱性が改良できる。し
かしながら、この二成分から成るブレンド組成物は、耐
薬品性が十分でないため自動車外装等の用途への適用に
問題があった。
これを解決するためゴム補強樹脂(以下ABSと記す)
としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
樹脂を用いるPPEとの樹脂組成物を得る試みがなされて
いる。しかし、これらの樹脂の単純にブレンドしただけ
では樹脂相互の相溶性(コンパティビリティー)に乏し
いため、成形品の耐衝撃性が低く実用に適さない。
そこで、このブレンド系を相溶化する試みがなされて
おり、特開昭59−193951号公報に記載されている技術が
これに相当する。この例では、PPEとABSとの組成物にお
いてブレンドするABS中のシアン化ビニル化合物(以下A
Nと記す)の共重合量をコントロールし、特にグラフト
させるANの単量体混合物中の共重合割合を1〜15重量%
に抑えている。しかしこの場合は、AN含有の低い特殊AB
Sを別途重合しなければならず、又この組成物の耐衝撃
性も十分でない。
一方、特開昭61−62551号公報では、PPEとABSとの複
合系にビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロ
ック共重合体の水素添加物1〜5重量%を配合させた組
成物を提案し、この組成物が耐衝撃性、外観及び耐薬品
性に優れていることを見いだした。しかしながら、この
組成物において用いられたABSも、実質的にAN含有量が
1〜15重量%の特殊ABSであり、従って最終組成物中のA
N量も低く耐薬品性がなお十分であることは言い難い。
さらに特開昭64−54052号公報では、PPEとABSの組成
物にPPEに相溶性のある単位とABSに相溶性のある単位の
両方を有するブロック共重合体を10〜60重量部配合して
成る樹脂組成物を得ている。しかし、この組成物の物
性、特にアイゾット衝撃強度は3〜5.4kg・cm/cmと低
く、自動車外装や、OA機器のシャーシに適用するには十
分な素材とは言い難い。さらに、相溶化剤として用いる
ブロック共重合体は高価でありこの使用量を減らすこと
が望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が解決しようとする課題は、PPEとABSからなる
樹脂組成物を製造するに際し、本来相溶性に乏しいPPE
と、AN含有量が15〜40重量%であるいわゆる一般ABSと
を相溶化させ、さらにその樹脂組成物の耐衝撃性を飛躍
的に高める添加剤を探索することである。又その結果と
して、自動車内・外装部品にも適用可能なレベルの高い
耐衝撃性と耐薬品性を持つ安価な樹脂素材を開発するこ
とである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結
果、PPEと一般ABSとの組成物に相溶化剤として、ポリス
チレンとスチレン・アクリロニトリル共重合体からなる
ブロック共重合体を、又、耐衝撃性改良剤としてビニル
芳香族化合物と共役ジエンから成るブロック共重合体の
水素添加物を、それぞれ添加することにより、耐熱・耐
衝撃性が高く耐薬品性も優れた安価な樹脂組成物が得ら
れることを見い出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、 (a) ポリフェニレンエーテル樹脂 10〜90重量%、 (b) 弾性体ゴム相にシアン化ビニル化合物及びビニ
ル芳香族化合物をグラフト共重合させて成るゴム補強樹
脂であって、グラフト共重合させる単量体混合物中のシ
アン化ビニル化合物単量体が15〜40重量%であるゴム補
強樹脂 90〜10重量% から成る樹脂組成物100重量部に対し、 (c) スチレンの単独重合体を一つのセグメント
(A)とし、スチレンとアクリロニトリルから成る共重
合体を他のセグメント(B)とするブロックコポリマー
であって、その数平均分子量が50,000〜200,000、か
つ、セグメント(A)とセグメント(B)の重量組成比
が20/80〜60/40であるブロックコポリマー 0.5〜10重量部、 (d) ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック
共重合体の水素添加物 5〜20重量部 を添加して成る、耐熱・耐衝撃性樹脂組成物を提供する
ものである。
以下に本発明をより詳しく説明する。
<ポリフェニレンエーテル樹脂> 本発明において用いられるポリフェニレンエーテル樹
脂(以下PPEと記す)とは、下記の一般式(I)、 で示される構造単位を有し、nは少なくとも50以上であ
る。Qは水素、ハロゲン、炭化水素基、あるいはハロゲ
ン化炭化水素基等から成る置換基を示す。
PPEの代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−
プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ
プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エ
チル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール
との共重合体等が有り、そのうち最も好ましいのは、ポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、又は
2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノー
ルとの共重合体である。
これら上記一般式(I)に相当するポリフェニレンエ
ーテル(PPE)の製造方法は公知であり、例えば米国特
許第3,306,874号、第3,306,875号、第3,257,357号及び
第3,257,358号明細書に記載されている。
〈ゴム補強樹脂〉 本発明におけるゴム補強樹脂(以下ABSと記す)と
は、その弾性体ゴム相にシアン化ビニル化合物及びビニ
ル芳香族化合物をグラフト共重合させて成るものであ
り、特に該弾性体ゴム相へのグラフト相として、シアン
化ビニル化合物単位の含有量が15〜40重量%の範囲にあ
るシアン化ビニル化合物とビニル芳香族化合物の単量体
混合物を共重合して得られるABSを意味する。このよう
なABSの製造に用いるビニル芳香族化合物とは、一般式
(II)、 (式中のR1は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基、
R2及びZはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基又はビニル基であり、pは1〜5の整数である) で表されるものであり、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−ターシャリーブチルスチ
レン、クロルスチレン等が挙げられる。これらのビニル
芳香族化合物はそれぞれ単独で用いても良いし2種以上
組み合わせて用いられても良い。
又、シアン化ビニル化合物は一般式(III) (式中のR′は水素原子又はアルキル基を意味する) で表されるものであり、このようなものとしては、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチル
アクリロニトリル、α−プロピルアクリロニトリル等が
挙げられる。これらのシアン化ビニル化合物はそれぞれ
単独で用いても良いし2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
該ABSに用いられる弾性体ゴム相としては、例えばポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−スチレン−ブロック共重合体、又はその水素添加
物、EPR,EPDM等のエチレン・プロピレン系共重合ゴム、
アクリル酸エステル系共重合ゴム等が挙げられる。これ
らの弾性体ゴムはそれぞれ単独で用いても良いし2種以
上組み合わせて用いてもよい。
本発明において特に好ましいABSとしては弾性体ゴム
相としてポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重
合体を用い、シアン化ビニル化合物としてアクリロニト
リルを、又ビニル芳香族化合物としてスチレンを用いた
ものである。又、その組成として、弾性体ゴム相が5〜
50重量%、シアン化ビニル化合物単位が15〜40重量%、
ビニル芳香族化合物単位が10〜80重量%のものが好まし
く用いられる。
このようなABSの製造方法としては、公知の乳化重
合、塊状重合、溶液重合、懸濁重合のいずれの方法も用
いうるが、乳化重合が好適である。
〈ポリスチレンとスチレン・アクリロニトリル共重合体
から成るブロックポリマー〉 本発明の第一の特徴は、本来非相溶なPPEとABSとの樹
脂組成物に、相溶化剤として(c)成分のポリスチレン
とスチレン・アクリロニトリル共重合体から成るブロッ
クコポリマー(以下BLコポリマーと記す)を用いること
である。ここで言うBLコポリマーとは、(a)成分樹脂
であるPPEと相溶性のあるポリスチレン(以下PSと記
す)セグメント(A)と、(b)成分樹脂であるABSと
相溶性のある、スチレン・アクリロニトリル共重合体
(以下ASと記す)セグメント(B)の両方を持つブロッ
クコポリマーであって、その数平均分子量が500,000〜2
00,000、特に好ましくは100,000〜200,000であり、か
つ、セグメント(A)とセグメント(B)の重量組成比
が20/80〜60/40、より好ましくは30/70〜60/40であるブ
ロックコポリマーを意味する。このようなBLコポリマー
は例えばポリメリックペルオキシド等のラジカル重合開
始剤を用い多段重合を行うことによって得られる。
このBLコポリマーを製造する方法は高分子論文集,44
巻(2),81ページ(1987)に詳しく述べられている
が、例えば次のような方法が採用できる。
即ち、フラスコ中に、ポリビニルアルコールなどの有
機分散剤1gを純水200gに溶解させ、窒素気流下に60℃に
昇温する。この中へ式(IV) で表される高分子ポリメリックパーオキシド(ATPPO)
5.26gを溶解したスチレンモノマー(ST)を加え、同温
度で重合を開始した。2時間後に重合懸濁液を冷却し、
生成ポリマーを濾別・水洗・乾燥して、O−O結合を鎖
中に含有するポリスチレン(以下PO−PSと記す)98gを
得る。
次にこのPO−PS(Mn≒60,000、活性酸素量0.16%)50
gを部分ケン化ポリビニルアルコールを溶解した300gの
水を入れた500mlのフラスコ中に加え、更にSTとアクリ
ロニトリル(AN)の混合モノマー50gを加え、室温で1
時間撹拌し、PO−PSにこの混合モノマーを含浸させた。
続いて75℃に昇温し、重合を開始した。4時間後重合懸
濁液を冷却し、生成ポリマーを濾別・水洗して乾燥後、
99gの下記(V)で示すようなBLコポリマー(PS−b−A
S)を得る。
このようにして得られるBLコポリマーは、その数平均
分子量が50,000未満では相溶化効果に乏しく、一方200,
000を越えると最終組成物の流動性が低下するため好ま
しくない。一方BLコポリマーのPSセグメント(A)とAS
セグメント(B)の重量組成比は20/80〜60/40が特に好
ましい。この範囲以外では、BLコポリマーの相溶化剤と
しての効果に乏しい。
このようなBLコポリマーとしては、例えば日本油脂
(株)のモディパーBT−3が例示される。
<ブロック共重合体の水素添加物> 本発明の第二の特徴は、ブロック共重合体の水素添加
物を衝撃改良剤として用いることである。本発明で用い
られるブロック共重合体の水素添加物(以下HBコポリマ
ーと記す)とはX−Y−X型(Xはビニル芳香族化合物
から成るブロックを、Yは共役ジエン化合物から成るブ
ロックを示す)の水素添加物である。又、このブロック
共重合体の数平均分子量は一般に10,000〜1,000,000、
好ましくは20,000〜500,000の範囲である。さらに、ブ
ロック共重合体中のビニル芳香族化合物単位の含有量
は、2〜50重量%、特に5〜30重量%の範囲にあること
が望ましい。又、ブロックXの平均分子量としては2,00
0〜250,000の範囲が、又、ブロックYの平均分子量は2,
500〜70,000の範囲が好ましい。水素添加物による共重
合体中の平均不飽和度については、水素添加前の値の10
%以下、特に5%以下に減少させたものが好適である。
又、本発明のHBコポリマーとしては、このブロック共重
合体の水素添加物以外にも、HBコポリマーに無水マレイ
ン酸、無水シトラコン酸、あるいは無水イタコン酸で代
表されるα,β−不飽和カルボン酸無水物をグラフトさ
せた変性ブロック共重合体(以下変性HBコポリマーと記
す)も用いることができる。この場合、HBコポリマーへ
のα,β−不飽和カルボン酸無水物のグラフト量は、幹
ポリマーであるHBコポリマー100重量部に対し0.2〜5重
量部が適している。この範囲外では最終組成物の物性が
悪くなる。
本発明に好適なHBコポリマーとしてはシェル・ケミカ
ル社より市販されている、クレートンG1650、G1651、あ
るいはG1652が例示される。又変性HBコポリマーとして
は同社のクレートンFG1901Xが例示される。
<最終組成物の組成比> 本発明における樹脂組成物中のPPEとABSとの配合割合
については、PPEが10〜90重量%、ABSが90〜10重量%の
範囲である。PPEが10重量%未満ではこの樹脂の特徴で
ある耐熱性が失われるため、最終組成物に実用的な価値
がない。又、90重量%を越えると加工性が悪くなる。
本発明においては、この(a)PPE、(b)ABSの両成
分の樹脂組成物100重量部に対し、(c)成分のBLコポ
リマーを0.5〜10重量部、及び(d)HBコポリマーを5
〜20重量部の範囲で配合する。(c)が0.5重量部未満
では、(a)、(b)両成分樹脂の相溶性が悪いため最
終組成物の耐衝撃性が低く、又10重量部を越えると最終
組成物の耐熱性が低下すると共にコストも高くなる。又
(d)成分が5重量部未満では最終組成物の耐衝撃性が
低く、20重量部を越えると最終組成物の耐熱性と耐薬品
性が悪くなる。
本発明の組成物には、その特徴を保持しうる範囲内
で、所望に応じてポリスチレンや耐衝撃性ポリスチレン
あるいはAS樹脂などを添加することができる。
又本発明の組成物には他の添加剤、例えば可塑剤、安
定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、離型剤及びガラ
ス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤、さらにはガラスビ
ーズ、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤を添加しう
る。
可塑剤としては、エポキシ化大豆油、ポリエチレング
リコール、低分子量ポリエチレン等が有効である。
安定剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフ
ェノール類、ジチオカルバミン酸亜鉛類、金属酸化物等
を挙げられ、これらは単独又は組み合わせて使用するこ
とができる。
難燃剤としては、芳香族リン酸エステル、赤リン、芳
香族ハロゲン化合物、三酸化アンチモンなどが特に有効
である。
本発明の組成物を構成する各成分を混合する方法とし
ては、如何なる方法を用いても良く、例えば押出機、加
熱ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を使用する
方法を用いることができる。
〔発明の効果〕
本発明の耐熱・耐衝撃性樹脂組成物は、特に耐衝撃性
に代表される機械的特性と、外観、成形性に優れ、さら
に耐薬品性も高い為、例えば自動車部品、工業部品、電
気・電子部品、事務機器ハウジング・シャーシ、精密機
器等の有用な素材として適用しうる。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
なお、最終組成物の各性能は次のようにして測定し
た。
(1) 衝撃強度:ASTM D−256に従って測定した。
(2) 引張強度:ASTM D−638に従って測定した。
(3) 曲げ弾性率:ASTM D−790に従って測定した。
(4) 外観:ダンベル試験片の60度鏡面光沢度をJIS
Z−8741にて測定した。
(5) 耐薬品性:シクロヘキサン中にASTM D−638ダ
ンベル試験片を2本浸漬し、72時間後取り出して引張試
験を行い、浸漬する前の値と比較してその値の保持率を
算出した。
引張強度保持率= (浸漬後の引張強度/浸漬する前の引張強度)×100 (6) 熱変形温度:ASTM D−648に従って測定した。
尚各例における部又は%は重量基準である。
製造例−1 AN含有量の低い特殊ABSを対のようにして製造した。
ポリブタジエンラテックスとスチレン−ブタジエン共
重合ゴムラテックスを重量比で2対1の割合で混合し、
固形分として24部になるように調製し、純水100部と共
にオートクレープに仕込んだ。窒素置換の後70℃に昇温
し、AN9部とスチレン(ST)21部及びターシャリードデ
シルメルカプタン(TMD)0.1部を含む第一モノマー相、
及び過硫酸カリウム(KPS)0.1部を水50部に溶解させた
水溶液をそれぞれ3時間にわたって連続的に添加し、こ
のあと更にAN2部、ST44部及びTDM0.1部を含む第二モノ
マー相、及びKPS0.1部を水50部に溶解させた水溶液をそ
れぞれ4時間にわたり連続的に添加した。添加終了後さ
らに2時間70℃で重合を継続した。仕込み全モノマーの
ポリマーへの転化率は93%であった。塩析後、炉過水洗
し回収したポリマーを乾燥後分析したところグラフトし
ていないポリマーの組成重量比は、AN/ST=13/87であっ
た。又、ゴム含有率は25%であった。
実施例−1 クロロホルム中の〔η〕=0.42部であるHls社のポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル40部と
協同ポリマー社製ABSのDP−10(ゴム分25%、AN/ST(重
量比)=26/74)を60部(PPE/ABS(重量比)=40/60)
及びBLコポリマーとして日本油脂(株)のモディパーBT
−3(ポリスチレン(PS)とアクリロニトリル−スチレ
ン共重合体(AS)のブロックコポリマーであって、その
重量比が50/50、AS中のAN量=30%、数平均分子量(M
n)は約140,000)を8部、さらにHBコポリマーとしてシ
ェル化学(株)のクレートンG1652(ST−ブタジエン(B
d)−STのブロックコポリマーを水素添化したものであ
って、PSの含有量は29%、かつ25℃のηSOL.=550cps)
を10部それぞれ秤量し、ブレンダーで混合したのち280
℃に設定した押出機で押し出してペレット化した。この
ペレットを用い射出成形機にてASTM試験片を成形して上
記の物性を評価した。結果を表−1に示すが、特に耐衝
撃性に代表される機械的物性が優れ、また耐薬品性や光
沢も良好であった。
実施例−2 実施例−1においてPPEとABSの配合割合をPPE/ABS
(重量比)=60/40にした以外は実施例−1と全く同様
に実施した。その結果を表−1に示す。本例の組成物も
性能的に優れていた。
実施例−3 実施例−1においてHBコポリマーとしてクレートンG1
652の代わりにクレートンG1650(ST分=29%、ηSOL.=
1,500cps)を10部使用した以外は実施例−1と全く同様
に実施した。その組成物の物性評価結果を表−1に示す
が、優れた物性を示した。
実施例−4 実施例−1において、ABSとしてゴム分が40%、AN/ST
=25/75の協同ポリマー社製DP−611を60部用いた以外は
実施例−1と全く同様に実施した。尚、PPE/ABS(重量
比)=40/60である。その物性評価データを表−1に示
すが、この組成物も物性的に優れたものであった。
比較例−1 実施例−1においてABSとしてAN含有量の低い製造例
−1の特殊ABS(DP−01,ゴム分=25%、AN/ST(重量
比)=13/87)を用いた以外は実施例−1と全く同様に
実施した。表−1に示す如くこの組成物の性能は、実施
例−1に比較して耐衝撃強度(IS)と熱変形温度(HD
T)が低いほか、特に耐薬品性と光沢が劣っていた。
比較例−2 実施例−1においてBLコポリマーとして日本油脂
(株)のモディパーBT−3のかわりに、同社のモディパ
ーB−600(PSとASのブロックコポリマーであって、そ
の重量比が70/30、かつAS中のAN=30%でMn=82,000)
を同量用いた以外は実施例−1と全く同様に実施した。
この組成物の物性評価結果を表−1に示すが、この例の
組成物は、BT−3を用いた例に比較してISが低く、又HD
Tも低かった。
比較例−3 実施例−1においてBLコポリマーを用いずに同様の実
験を行った例である。表−1にその結果を示すがこの組
成物は、実施例−1に比較して衝撃強度が非常に低かっ
た。
比較例−4 実施例−1においてHBコポリマーを使用せずに同様の
実験を行った例である。表−1にその結果を示すが、こ
の組成物は実施例−1に比べISが低く、又光沢も良くな
かった。
比較例−5 実施例−1においてBLコポリマー、HBコポリマーを共
に使用せず、単純なPPE/ABS(重量比)=40/60の組成物
として実施例−1と同様に実験・評価した。この結果を
表−1に示すが、ISが極端に低く実用に適さないことが
わかった。
実施例−5 実施例−1においてPPEとしてHls社のPPE(グレー
ドNo. X−4671、ポリスチレンを3%含有)を同量用い
た以外は実施例−1と全く同様に実施した。その結果は
表−2に示すように、この組成物も実施例−1と同様
に、諸物性値が高く耐薬品性も優れていた。
実施例−6 本例は、PPE/ABS(重量比)=40/60に固定したうえ
で、BLコポリマーを5部、HBコポリマーを15部使用して
実施例−1と同様に実験した例である。結果を表−2に
示すが、この例の組成物は、若干強度及び弾性率が実施
例−1に比較して低い外は、他の物性、特にISが高く、
耐薬品性や光沢も優れていた。
実施例−7 本例は実施例−1の組成物に表面処理したガラス繊維
(日本電気ガラス製ABS用ガラス繊維T−34)をベース
樹脂組成物に対し30%になるように配合してペレット化
し、次いで300℃のシリンダー温度条件で射出成形して
得た試験片の物性を評価した例である。結果を表−2に
示すがこの結果から、本発明の樹脂組成物にガラス繊維
(GF)を30%になるように添加するとISはかなり低下す
るが、しかし従来のPPE/ABS組成物へのGF充填物に比べ
ると、その値はかなり高くOA機器等の素材として有用で
あると思われる。
実施例−8 本例は実施例−1の樹脂組成物に難燃剤混合物(デカ
プロモジフェニルエーテルと三酸化アンチモンを78/22
(重量比)の割合で混合したもの)を13.5%になるよう
に添加して得た組成物について実施例−1と同様に実験
した例である。結果を表−2に示すが、やはりISはかな
り低下したものの、従来のABS/PPEの難燃性樹脂組成物
の値に比較して非常に高いレベルであった。
実施例−9 本例は、実施例−1の樹脂組成物にガラス繊維と難燃
剤混合物をそれぞれ30%及び13.5%になるように添加
し、実施例−1と同様に実施した系の実施例である。こ
の場合も成形温度は300℃で行ったが、この最終組成物
の物性を表−2に示す。従来の難燃高剛性樹脂組成物に
比較して、相当高いレベルの物性を維持していることが
わかった。
比較例−6 本例は本発明の範囲外でPPE/ABS(重量比)=5/95の
組成物を得て、BLコポリマーを8部とHBコポリマーを10
部添加し、実施例−1と同様に実験した例である。この
組成物の評価結果を表−2に示すが衝撃強度も耐熱性も
低く本発明の目的に合致しないものであった。
比較例−7 本例は、比較例−6と逆に、PPE/ABS=95/5の重量比
とし、BLコポリマーを8部とHBコポリマーを10部添加し
て、実施例−1と同様に混合・押し出した後成形した試
験片の物性評価を行った例である。結果を表−2に示す
が、この例も耐衝撃性が極端に低く実用に適さないもの
であった。
比較例−8 本例は、実施例−1においてPPE/ABSの重量比は同じ4
0/60であるが、BLコポリマーを25部、HBコポリマーを3
部と、本発明の範囲外の組成物を得て実施例−1と同様
に混合・押し出しした後の成形試片を評価した例であ
る。結果を表−2に示すが、この例も耐衝撃性と耐熱性
が低く実用性に乏しかった。
比較例−9 本例は、ABSとしてAN含有量の低い製造例−1の特殊A
BS(DP−01)を用い、PPE/ABS(重量比)=60/40とし、
これにBLコポリマーとHBコポリマーをそれぞれ8部と10
部加え、ガラス繊維と難燃剤混合物を62.7部と28.2部添
加して実施例−9と同様の組成物を得、実施例−1と同
様に実施した例である。結果を表−2に示すが実施例−
9に比べて耐衝撃性が低かった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) ポリフェニレンエーテル樹脂 10〜90重量%、 (b) 弾性体ゴム相にシアン化ビニル化合物及びビニ
    ル芳香族化合物をグラフト共重合させて成るゴム補強樹
    脂であって、グラフト共重合させる単量体混合物中のシ
    アン化ビニル化合物単量体が15〜40重量%であるゴム補
    強樹脂 90〜10重量% から成る樹脂組成物100重量部に対し、 (c) スチレンの単独重合体を一つのセグメント
    (A)とし、スチレンとアクリロニトリルから成る共重
    合体を他のセグメント(B)とするブロックポリマーで
    あって、その数平均分子量が50,000〜200,000、かつ、
    セグメント(A)とセグメント(B)の重量組成比が20
    /80〜60/40であるブロックポリマー 0.5〜10重量部、 (d) ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック
    共重合体の水素添加物 5〜20重量部 を添加して成る、耐熱・耐衝撃性樹脂組成物。
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