JP2635331B2 - 複合材料およびその製造方法、並びに金属の析出方法 - Google Patents

複合材料およびその製造方法、並びに金属の析出方法

Info

Publication number
JP2635331B2
JP2635331B2 JP62216437A JP21643787A JP2635331B2 JP 2635331 B2 JP2635331 B2 JP 2635331B2 JP 62216437 A JP62216437 A JP 62216437A JP 21643787 A JP21643787 A JP 21643787A JP 2635331 B2 JP2635331 B2 JP 2635331B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
carrier
silicone polymer
silicone
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62216437A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6462475A (en
Inventor
寛 福井
朝 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP62216437A priority Critical patent/JP2635331B2/ja
Publication of JPS6462475A publication Critical patent/JPS6462475A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2635331B2 publication Critical patent/JP2635331B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複合材料、特には担体上に均一金属層をも
つ複合材料およびその焼成体、それらの製造方法並びに
金属の析出方法に関する。
すなわちSi−H基を有するシリコーン化合物で担体を
処理し、次いで金属塩溶液で処理することによって得ら
れる複合材料特に金属で被覆された担体に関する。本発
明によって得られる金属で被覆された担体は導電性材料
として用いることができる。
さらに、本発明は、前記の金属被覆担体に無電解めっ
きを行って得られる複合材料にも関し、これは磁性材
料、電磁波シールド材料等として応用できる。
本発明の複合材料では、小さな金属コロイドが表面に
生成するため、担体との相互作用も生じ触媒として使用
することもできる。
使用する金属の種類によっては着色複合材料を得るこ
とができ、例えば金コロイドを表面に被覆すれば赤色、
パラジウムや白金では黒色となり、着色材として使用す
ることができる。この時、白色の干渉色のタイプパール
剤上に黒色の金属を被覆すれば白色から干渉色に外観が
変化し、有色パール剤とすることができ、塗料、イン
キ、化粧料等に用いることができる。また液体クロマト
グラフ用充填剤にも使用することができる。
更に、本発明は前記の各複合材料の焼成体にも関す
る。
〔従来の技術〕
或る材料の上に金属膜などを被覆する方法としては、
乾式のものとして真空蒸着、イオンプレーティングまた
はスパッタリング、湿式のものとして電解めっき、無電
解めっき等が知られている。
湿式方法の1つである電解めっきは、直流電流を流し
て金属を被覆させるものであるが、被めっき物の形状に
よりめっき厚さが不均一となる欠点を有している。一
方、無電解めっきは外部から電流を流さないので被めっ
き物の形状の如何にかからず、めっき厚さはほぼ均一で
あり、また外部電源から被めっき物に電流を流す必要が
ないのでプラスチック、セラミックスなどにもめっきで
きる。しかしながら、不導体への無電解めっきはセンシ
タイジングとアクチベーションという2つの前処理工程
を必要とする。例えば、プラスチックに無電解めっきを
行なう場合にはセンシタイジングとして塩化第一すずの
塩酸酸性溶液にプラスチックを数分間浸漬する。その
後、アクチベーションとして例えば塩化パラジウムの塩
酸酸性液に、センシタイジングしたプラスチックを浸漬
する。センシタイジングしたプラスチック表面には2価
のすずイオンが吸着されているが、これをアクチベーシ
ョン液に浸漬するとパラジウムイオンは2価のすずイオ
ンによって還元されて表面上に金属パラジウムとなって
析出し、すずイオンは逆に酸化されて4価のすずイオン
となる。こうして生成したパラジウム金属析出プラスチ
ックを無電解めっき液に浸漬するとパラジウムを核とし
て無電解めっきがスタートすることとなる。この場合に
重要なことはめっきと不導体との密着力の強弱であり、
密着力が弱ければめっきは充分にできない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来の乾式方法例えば真空蒸着やスパ
ッタリングなどの方法では、真空に近い状態で処理が行
なわれており、大量に使用される粉体などを処理するの
には適していなかった。
また、湿式方式でも電解めっき法では電流を必要とし
専用装置を用いなくてはならず、また無電解めっき法で
はセンシタイジングとアクチベーションの工程があり煩
雑であった。また、触媒液が強酸性で、担体をいためる
という問題があり、酸に弱い物質には用いることができ
なかった。
本発明の目的は、広範な多種類の金属を担体上に均一
な層として担持させることのできる簡便で応用範囲の広
い方法を提供することにある。更に、本発明の目的は担
体の上に均一な金属層を担持した複合材料を提供するこ
とにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に従えば、Si−H部分を有するシリコーンポリ
マー層を担持した担体を金属塩溶液で処理して前記シリ
コーンポリマー層上に金属層を形成させてなる、担体の
表面上にシリコーンポリマー層と金属層とを本質的にこ
の順序で担持した複合材料が提供される。
本発明に従えば、また、Si−H部分を有するシリコー
ンポリマー層を担持した担体を第1の金属の塩の溶液で
処理して第1の金属を前記シリコーンポリマー層上に析
出させ、続いて第2の金属を含有する無電解めっき液で
処理して、第1の金属の析出層上に第2の金属の皮膜を
形成させてなる担体の表面上にシリコーンポリマー層と
第1の金属層と第2の金属層とを本質的にこの順序で担
持した複合材料が提供される。
更に、本発明は、Si−H部分を有するシリコーンポリ
マー層を担持した担体を金属塩溶液で処理して前記シリ
コーンポリマー層上に金属層を形成させ、続いて焼成す
ることを特徴とする、複合材料の製造方法も提供する。
更に、本発明は、Si−H部分を有するシリコーンポリ
マー層を担持した担体を第1の金属の塩の溶液で処理し
て第1の金属を前記シリコーンポリマー層上に析出さ
せ、次に、第2の金属を含有する無電解めっき液で処理
して第1の金属の析出層上に第2の金属の皮膜を形成さ
せ、続いて焼成することを特徴とする、複合材料の製造
方法も提供する。
更に、本発明は、Si−H部分を有するシリコーンポリ
マーを金属塩溶液で処理することを特徴とする、前記金
属塩溶液からの金属の析出方法も提供する。
以下、本発明を詳述する。
本発明で使用される担体は、本発明による処理条件下
で安定な個体でありさえすれば、特に制限されない、す
なわち、材料、形状、構造、大きさ等に関して特に制限
はない。従って、材料の点から、その代表例としては、
金属、金属酸化物、ケイ酸塩鉱物、パール光沢材料、カ
ーボン、プラスチック、紙、生体高分子、群青、紺青、
雲母および複合粉体が含まれる。これらの担体は、1種
類で処理しても、複数種類を組合せて処理してもよい。
更に、これらの粉体1種またはそれ以上の凝集体、成形
体、フィルムあるいは造形体を処理することもできる。
前記の担体は、前記の条件下で安定である限り、μm
オーダーの粉末状から、mmオーダーもしくはcmオーダー
またはそれ以上の大きさであることができる。本発明で
は、特に粉体状の担体、好ましくは粒子径0.001μm〜2
00μm特には0.01μm〜10μmの担体を使用するのに適
している。
本発明に用いることのできる金属酸化物および金属水
酸化物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸
化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、シリカ、酸化鉄(α−Fe2O3−、
γ−Fe2O3、Fe3O4、FeO)、黄色酸化鉄(特に棒状のも
の)、酸化チタン(特に粒径0.001〜1.0μmの二酸化チ
タン)、低次酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロ
ム:水酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化
ニッケルや、これらの2種以上の組合せによる複合酸化
物および複合水酸化物であり、シリカアルミナ、チタン
酸鉄、チタン酸コバルト、リチウムコバルトチタネー
ト、アルミン酸コバルトなどが例示される。また群青、
紺青などの顔料も処理することができる。これらの担体
の粒子径は、とくに制限的ではないが、0.001μm〜10m
m、特に、0.001〜200μm、好ましくは、0.01〜10μで
ある。
本発明において担体として用いられるパール光沢材料
としては雲母チタン系複合材料、雲母酸化鉄系複合材
料、ビスマスオキシクロライド、グアニン、更に、酸化
窒化チタンおよび(または)低次酸化チタンを含有する
チタン化合物で被覆された雲母などがあげられる。雲母
チタン系複合材料のチタンについては二酸化チタン、低
次酸化チタン、酸化窒化チタンのいずれでもよい。また
雲母チタン系複合材料またはビスマスオキシクロライド
に有色顔料、たとえば酸化鉄、紺青、酸化クロム、カー
ボンブラック、カーミンあるいは群青などをさらに混合
したものであってもかまわない。
本発明に用いるパール光沢材料は素材のままでも良い
が、粉末状でパール光沢顔料として用いる場合は粒径0.
1〜200μm、特に1〜50μm程度で粒子形状ができるだ
け偏平なものが美しい色調と真珠光沢が発揮されやすい
ため好ましい。
本発明に用いられるケイ酸塩鉱物はフィロケイ酸塩鉱
物(例えば、カオリン族、モンモリロナイト族、粘土雲
母族、緑泥石族、蛇紋石)およびテクトケイ酸塩鉱物
(例えばゼオライト族)であり、パイロフィライト、タ
ルク、緑泥石、クリソタイル、アンチゴライト、リザダ
イト、カオリナイト、デッカイト、ナクライト、ハロサ
イト、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ソーコナイト、ベントナイトおよびソーダ沸石、中
沸石スコレス沸石、トムソン沸石等のソーダ沸石族、輝
沸石、束沸石、剥沸石等の輝沸石族、および方沸石、重
十字沸石、灰十字沸石、菱沸石、グメリン沸石などのゼ
オライトなどが例示される。
これらのフィロケイ酸塩鉱物は層間に有機カチオンが
入り込んでいても良いし、アルカリ金属、アルカリ土属
金属イオン等で置換されていても良い。
テクトケイ酸塩においても、金属イオンが細孔の中に
入り込んでいても良い。
雲母は白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母、鉄雲母、紅
雲母、リチア雲母、チンワルド雲母、ソーダ雲母等の雲
母類が雲母のOH基がFに置換された人工雲母〔例えばKA
l2(Al,Si3)O10F2,KMg3(Al,Si3)O10F2,K(Mg Fe3
(Al,Si3)O10F2〕があげられる。これらの雲母は焼成
されていてもかまわない。
本発明に用いる無機物としては炭酸塩鉱物であるCaCO
3,MgCO3,FeCO3,MnCO3,ZnCo3,CaMg(CO32,Cu(OH)2CO
3,Cu3(OH)(CO3、硫酸塩鉱物であるBaSO4,SrSO
4,PbSO4,CaSO4,CaSO4・2H2O,CaSO4・5H2O,Cu4SO4(OH)
6,KAl3(OH)(SO42,KFe3(OH)(SO4、りん
酸塩鉱物であるYPO4,(Ce,La)PO4,Fe3(SO4・8H
2O、Ca5(SO43F,Ca5(SO43Cl,Ca5(SO4(OH),
Ca5(SO4,CO3OH)(F,OH)、金属窒化物である窒化チ
タン、窒化ホウ素、窒化クロム等が挙げられる。
また無機物以外として活性炭、カーボンブラック等も
用いることができる。
生体高分子は、毛髪、獣毛、羽毛、角、蹄等のケラチ
ン、絹のフィブロイン、動物の皮、腱、骨等のコラーゲ
ン、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、キチン、
コンドロイチン、核酸(例えば、DNA,RNA)、ペプチ
ド、グルカンなどが例示される。これらの高分子は繊維
状、またはシート状であってもよい。
担体として用いる金属としては、アルミニウム、鉄、
ニッケル、コバルト、クロム、金、銀、銅、プラチナ、
亜鉛、インジウム、スズ、アンチモン、タングステン、
ジルコニウム、モリブデン、シリコン又はチタンがあげ
られる。
合成樹脂としては、12ナイロン、ポリアミド、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ジビニルベンゼン、ベンゾグア
ナミン、ポリエステル、アクリル樹脂、シリコン樹脂、
フッ素樹脂、セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レートなどがあげられる。
本発明による複合材料の製造方法の第1段階において
は、Si−H部分少なくとも1個をもつシリコーンポリマ
ーの皮膜で粉体を被覆する。この被覆工程においては、
Si−H部分少なくとも1個をもつシリコーンポリマーの
皮膜を粉体表面上に形成することができる限り、任意の
シリコーン化合物を使用することができる。
本発明におけるシリコーンポリマー被覆工程において
は、Si−H部分少なくとも1個をもつシリコーン化合物
を使用することができ、好ましくは一般式 (式中、R1,R2およびR3は相互に独立に水素原子である
かまたはハロゲン原子少なくとも1個で置換されている
ことのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但し、
R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないものと
し、そしてR4,R5およびR6は相互に独立に水素原子であ
るかまたはハロゲン原子少なくとも1個で置換されてい
ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、aは0
または1以上の整数であり、bは0または1以上の整数
であり、cは0または2であるが、但しcが0である場
合にはaとbとの和が3以上の整数であるものとし、そ
してa+b+cの最大値は10,000であるものとする)の
シリコーン化合物を使用することができる。前記式
(I)において基R1〜R6は各々、各繰返し単位において
各々異なるものであることができる。
前記式(I)のシリコーン化合物は2種の群からな
る。第1の群は、前記式(I)においてc=0の場合に
相当し、一般式 (R1HSiO)(R2R3SiO) (III) 〔式中、R1,R2,R3、aおよびbは前記と同じ意味である
が、好ましくはR1,R2およびR3が相互に独立にハロゲン
原子少なくとも1個で置換されていることのある炭素数
1〜4の低級アルキル基またはアリール基(例えばフェ
ニル基)であり、aとbとの和は3以上である〕 で表される環状シリコーン化合物である。
前記式(I)のシリコーン化合物の第2の群は、前記
式(I)においてc=2の場合に相当し、一般式 〔式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6、aおよびbは前記と同じ
意味であり、cは2であるが、好ましくはR1〜R6が相互
に独立に炭素数1〜4個の低級アルキル基またはアリー
ル基(例えばフェニル基)である〕 で表される鎖状シリコーン化合物である。
本発明によるシリコーンポリマー被覆工程は、各種の
方法(従来の被覆方法も含めて)によって実施すること
ができる。
例えば、シリコーン化合物を有機溶媒(例えば、クロ
ロホルム、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、アセトン)
に溶解し、この中に担体特に粉体を分散させて分散液を
調製し、この分散液を加熱して溶媒を蒸発させ、担体表
面上に皮膜を形成させることによってシリコーンポリマ
ーの皮膜で担体を被覆することができる。更に、前記の
分散液をスプレードライヤーで乾燥することによって皮
膜を形成することもできる。あるいは、前記高分子シリ
コーン化合物の貧溶媒の中に前記分散液を注ぐか、もし
くはその分散液中に貧溶媒を注いで担体表面上に不溶化
シリコーン化合物を付着させてその皮膜を形成させるこ
とによって担体の被覆を実施することができる。
前記の被覆処理は、液体状の高分子シリコーン化合物
と担体等に粉体とを例えばボールミルの中でメカノケミ
カルに処理することによって実施することもできる。
更に、in situ重合法のように、担体の表面上におい
て触媒の存在下でシリコーン化合物モノマーを重合させ
ることによってシリコーンポリマーの皮膜で担体をカプ
セル化することができる。
別法として、本発明によるシリコーンポリマーの被覆
工程を、担体の実質的に全表面上に広く分布する活性点
を利用して実施することができる。本明細書において
「活性点」とは、シロキサン結合(Si−O−Si)または
Si−H(ヒドロシル)基をもつシリコーン化合物の重合
を触媒することのできる部位であり、例えば、酸点、塩
基点、酸化点または還元点を意味する。
活性点を利用する被覆工程においては、シリコーン化
合物を、それ自体の蒸気の形、適当な溶媒に溶かした溶
液の形、またはそれ自体の液体の形で、前記の各種担体
と接触させ、担体の表面上で重合させることができる。
液体の形のシリコーン化合物それ自体を直接に担体と
接触させる処理(以下、液相処理と称することがある)
は、適当な混合機例えば回転ボールミル、振動式ボール
ミル、遊星型ボールミル、サンドミル、アトライター、
パグミル、ポニミキサー、プラネタリーミキサー、擂潰
機等の中に担体特に粉体を装入し、メカノケミカルに処
理することによって実施する。この液相処理では担体の
形状が変化することがあるので注意を要する。この液相
処理に使用するのが好ましい担体は、例えば、タルク、
雲母または球状樹脂(例えば、ナイロン、ポリエチレ
ン、セルロース)と微粉体(例えば顔料)との混合物で
ある。タルク、雲母または球状樹脂と顔料とを混合しな
がらその混合物をシリコーン化合物で処理すると、コア
としてのタルク、雲母または球状樹脂が顔料およびシリ
コーン樹脂で被覆される。
液相処理の別法として、前記シリコーン化合物の溶液
と担体とを接触させることもできる。シリコーン化合物
の溶媒としては、有機溶媒例えばクロロホルムまたはヘ
キサンを使用することができる。前記の溶媒中に前記シ
リコーン化合物1〜50重量%を含有する溶液を調製し、
その中に担体を分散させ、続いて加熱して溶媒を蒸発さ
せると共にシリコーン化合物を表面上で重合させるか、
または前記の溶液を担体に直接噴霧し、続いて同様に加
熱して溶媒を蒸発させシリコーン化合物を重合させるこ
とができる。
この液相処理に使用することのできる担体は、濾過が
容易な担体例えばタルク、雲母等の粉体である。また、
液相処理に適したシリコーン化合物は、例えば前記式
(I)においてa+b+cが10,000以下のものである。
前記シリコーン化合物を蒸発の形で担体と接触させる
(以下、気相処理と称することがある)こともできる。
気相処理の基本的な態様を具体的に説明すれば、(例え
ば100℃以下の)密閉された部屋に担体とシリコーン化
合物(例えば環状オルガノシロキサン)とを別々の容器
に入れて上部を開放しておくだけで良い。この状態では
シリコーン化合物がその温度での分圧で気化し、担体上
で吸着平衡を保つ。密閉された部屋から処理済の担体を
取出した時に、担体に活性がなかったならばシリコーン
化合物が脱着し、担体は元の表面に戻ってしまうことに
なるが、表面には活性点を有する担体の場合には重合活
性があるのでシリコーン化合物が担体上で重合し、従っ
て担体表面のシリコーン化合物の分圧が下がるため容器
中のシリコーン化合物から気化し供給される。このよう
な順序で表面重合が生じるためにシリコーン化合物はこ
の系の中で必要な量だけ供給され、無駄がない。気相処
理はこのような簡単な原理に基づくため、特別な装置は
必要としない。例えば、任意の密閉された部屋(例えば
恒温に保てる密閉した部屋)例えば恒温槽を使用するこ
とができる。また、少量処理にはデシケーターを用いる
ことができる。しかし理想的には処理後脱気できる装置
が望ましく、ガス滅菌装置を用いるのがよい。密閉部屋
内の担体を連続的にまたは断続的に撹拌し、担体とシリ
コーン化合物蒸気との接触を望ましいものにすることが
できる。
気相処理の別の態様によれば、120℃以下好ましくは1
00℃以下の密閉部屋の中に担体だけを予め装入してお
き、別の120℃以下の密閉部屋において予め決めた分圧
でシリコーン化合物を気化させ、前記担体を装入してあ
る部屋の中に例えばパイプによって気化シリコーン化合
物を導入することができる。前記の系の圧力について特
に制限はないが、重合を200mmHg以下好ましくは100mmHg
以下の圧力下で実施するのが好ましい。いずれの態様に
おいても、処理時間は30分〜150時間であり、その後
で、未重合シリコーン化合物を脱ガスによって除去し、
所望の生成物を得る。
気相処理の他の態様によれば、キャリアーガスとの混
合ガスの形のシリコーン化合物を(例えば担体表面に供
給することによって)接触させることにより、担体を処
理することができる。シリコーン化合物とキャリアーガ
スとの混合は、シリコーン化合物の蒸気圧が1mmHg以上
好ましくは100mmHg以上になるまで、シリコーン化合物
を例えば必要により加熱し、続いてキャリアーガス流を
シリコーン化合物中へまたはシリコーン化合物の表面上
へ導入することによって実施することができる。キャリ
アーガス流の供給速度は、例えば、シリコーン化合物の
蒸気圧、担体の種類および量、並びに処理容器の容量に
よって適当に決定することができる。30分〜150時間で
処理できるように調整するのが好ましい。
キャリアーガスとしては、不活性気体例えば窒素、ア
ルゴン、ヘリウム等が好まいしが、空気や前記不活性気
体中に水蒸気、メタノール蒸気またはエタノール蒸気を
気体分子状態で混合した混合気体を使用することもでき
る。
前記の気相処理によれば、シリコーン化合物を含む混
合ガスと担体とを接触させる。混合ガスはシリコーン化
合物を飽和蒸気として含有しているので、接触・反応温
度を混合ガスの温度と同じかまたは高くすることが必要
である。接触・反応温度が混合ガスの温度よりも低い
と、シリコーン化合物が結露して担体特に粉体が凝集し
た形で処理され易いからである。強い活性点が表面に多
くある担体を混合ガスで処理すると、担体はスラリー化
しやすい。この場合には、接触・反応温度を供給混合ガ
スの温度以上にすること及びシリコーン化合物を含まな
いキャリアーガスを同時に供給してシリコーン化合物の
飽和蒸気圧に対する相対圧力を低下させて処理すると良
い。
シリコーン化合物とキャリアーガスとを別々に導入し
て、反応槽内で混合することもできる。
以上のように、気相処理には、シリコーン化合物とキ
ャリアーガスとの混合ガスを担体表面に供給することに
より、シリコーン化合物の分子を連続的に担体に吸着さ
せ、表面の活性点を利用して重合させる態様のものが含
まれる。
前記の気相処理は本発明が対象とするすべての担体に
有利に実施することができる。特に超微粒粉体、多孔質
材料、パール顔料、有機顔料等の粉体は気相処理をする
のが好ましい。これらの粉体を気相処理で処理するとシ
リコーンポリマーの超薄膜が形成され、粉体の超微細
性、多孔性、パール効果等を維持することができる。ま
た、酸化され易い金属を、その生成後ただちに気相処理
することによって、酸化に対して安定な金属担体を得る
ことができる。気相処理に適したシリコーン化合物は、
前記式(I)においてa+b+c=3〜10特に3〜7の
化合物である。特に好ましいシリコーン化合物は以下の
とおりである。
前記化合物(A),(B)および(C)等は単独でま
たはそれらを任意に組合せて使用することができる。
気相処理に適した環状シリコーン化合物としては、例
えばジハイドロジェンヘキサメチルシクロテトラシロキ
サン、トリハイドロジェンペンタメチルシクロテトラシ
ロキサン、テトラハイドロジェンテトラメチルシクロテ
トラシロキサン、ジハイドロジェンオクタメチルシクロ
ペンタシロキサン、トリハイドロジェンヘプタメチルシ
クロペンタシロキサン、テトラハイドロジェンヘキサメ
チルシクロペンタシロキサンおよびペンタハイドロジェ
ンペンタメチルシクロペンタシロキサンを挙げることが
できる。これらの化合物はそれらを単独で、または任意
に組合せて使用することができる。
気相処理に適した直鎖状シリコーン化合物の具体例と
しては、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタメチルテトラシロキ
サン、1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナメチルペンタシロキサ
ン、および1,1,1,2,3,4,5,6,6,6−デカメチルヘキサシ
ロキサンを挙げることができる。
一般には、分子中にSi−H部分少なくとも2個をもつ
シリコーン化合物が好ましい。しかしながら、水素原子
の量が多くなり過ぎて水素原子2個と結合したケイ素原
子を含むシリコーン化合物は入手が困難になる。
担体表面上を被覆するシリコーンポリマー皮膜の構造
には2種類のものがある。すなわち、重合がシロキサン
結合(−Si−O−Si−)によって起きると、得られるシ
リコーンポリマーは−Si−O−Si−単位を含む直鎖構造
をもち、好ましくは重量平均分子量20万以上になる。
一方、重合が少量または痕跡量のH2OまたはO2の存在
下におけるヒドロシリル結合(Si−H)の脱水素反応に
よって起きる場合には、Si−H部分の以下の重合: から誘導される 単位をもつ網状構造を、シリコーンポリマーが含むこと
になる。
好ましい網状ポリマーは、全ケイ素原子の5〜90%好
ましくは20〜80%がポリマー皮膜中で前記の 単位に変換したものである。この単位の含量は、ポリマ
ー皮膜中のメチル基の赤外吸収スペクトルから求めるこ
とができる。
このシリコーンポリマー被覆処理段階におけるシリコ
ーンポリマーの被覆量は、担体の種類および担体の表面
積によって異なるが、被覆後の担体の全重量を基準とし
て、0.005〜95重量%であることが好ましい。
本発明によるシリコーンポリマー被覆を実施する前
に、担体に任意の通常の処理(例えばアルカリ洗浄、酸
洗浄、プラズマ処理)を行うことができる。担体が多数
の酸点をもつもの(例えば、カオリナイト、酸化鉄、マ
ンガンバイオレット)である場合には、アルカリ洗浄を
行っておくことが好ましい。なぜなら、続いて本発明に
より、シリコーン化合物を接触させて表面重合させる
と、架橋構造をもつシリコーンポリマー皮膜が形成され
易くなるからである。
本発明の前記被覆工程において担体上に形成されるシ
リコーンポリマーは、例えば、一般式 (式中、R21,R23,R24,R25およびR26は相互に独立に炭化
水素基特に低級アルキル基またはアリール基であり、そ
してR22は水素原子または炭化水素基特にアルキル基ま
たはアリール基であるが、但し、R21およびR22は各繰返
し単位毎に異なるものであることができるものとし、x
は1以上の整数であり、yおよびzは0または1以上の
整数であって、xとyとは の関係を満足するものであるとする) で表される、特に(重量平均)分子量20万以上のもので
ある。分子量が20万以上の前記シリコーンポリマーはク
ロロホルム等の溶媒で処理しても溶出されることがな
く、担体上において完全な被覆を形成することができ
る。
前記式(II)において、100x/(x+y)の値が大き
くなるのに従ってシリコーンポリマーの網目構造が多く
なり、溶媒系に入った場合にも遊離する可能性が小さく
なる。xとyとの割合は赤外吸収スペクトルから算出す
ることができる。
前記式(II)のシリコーンポリマーの代表例として
は、式 〔式中、R21およびR23は低級アルキル基例えばメチル基
もしくはエチル基またはアリール基例えばフェニル基で
あり、xとyとは前記式(II)で与えた意味である〕 で表されるポリマー、または式 〔式中、R21およびR23は低級アルキル基またはアリール
基であり、R22は水素原子、アルキル基またはアリール
基であり、xとyとは前記式(II)で与えた意味であ
る〕 で表されるポリマーを挙げることができる。
式(II)のシリコーンポリマーの更に具体的な例とし
ては、 〔CH3SiO3/2〔(CH3)HSiO〕、 〔CH3SiO3/2〔(C2H5)HSiO〕、 〔CH3SiO3/2〔(CH3)HSiO〕〔(CH33SiO1/2
、 〔CH3SiO3/2〔(C2H5)HSiO〕〔(CH33Si
O1/2、 〔CH3SiO3/2〔(C5H11)HSiO〕〔(CH33Si
O1/2、 〔CH3SiO3/2〔(C8H17)HSiO〕〔(CH33Si
O1/2、 〔CH3SiO3/2〔(C6H11)HSiO〕〔(CH33Si
O1/2、等を挙げることができる。
本発明による複合材料は、例えば、前記のSi−H部分
含有シリコーンポリマーで被覆された担体を、金属塩溶
液で処理することによって得ることができる。
ここで使用することのできる金属は、そのイオンがSi
−H部分によって還元されることができる金属であれば
よい。これらの金属は例えばルテニウム(Ru)、ロジウ
ム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリ
ジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)等であ
る。
前記の金属をカチオンの形で含む金属塩溶液で前記の
ポリマー被覆担体を処理する。金属塩は、例えば前記の
金属と無機酸(例えば塩酸、硝酸、硫酸)または有機酸
(例えば酢酸)との塩である。
特に好ましい金属塩は、例えば塩化白金酸、塩化パラ
ジウム、塩化金酸または硝酸銀である。
溶媒は、例えばアルコール特に低級アルコール例えば
メタノール、エタノールまたはイソプロパノール、アセ
トンまたはクロロホルムあるいはアルコールと水との混
合物等が好ましい。
金属塩溶液の濃度は特に限定されないが10%以下で充
分である。
金属塩溶液による処理は、シリコーンポリマー被覆担
体を金属塩溶液中に浸漬することによって実施すること
ができる。あるいは、担体が比較的小さいもの例えば粉
体である場合には、シリコーンポリマー被覆担体の分散
液中に金属塩または金属塩溶液を添加することによって
実施することができる。
金属塩の使用量は、目的とする処理の程度によって種
々に変化させることができるが、担体上に均一な金属層
を析出させる場合には、特に被処理担体の表面積に依存
する。
金属塩溶液による前記の処理を実施する際は、シリコ
ーンポリマー被覆担体と金属塩溶液とを、冷却下、室温
または加熱下(例えば0℃〜60℃)で、特に光の照射を
必要とせずに、約30分間〜10時間単に放置すればシリコ
ーンポリマー被覆層上に金属が均一な厚さで析出してく
る。
金属の析出量は、使用する金属塩の量により、シリコ
ーンポリマー被覆層の全体または一部分を覆う。析出層
の厚さは1000Å以下、好ましくは200Å以下である。シ
リコーンポリマー被覆層が担体表面の一部分にしか存在
しない場合には被覆量で5.0%以下である。
金属塩溶液による析出処理の終了は、例えば水素の発
生が止まることによって判断することができる。
こうして、担体の表面上にシリコーンポリマー層と金
属層とを本質的にこの順序で担持する本発明の複合材料
が形成される。ここで「本質的にこの順序で」とは、シ
リコーンポリマー層と担体表面との間に一部分すき間が
ある場合には、その一部分で金属析出層が両者の間に形
成されることもあるので、このような稀な場合も本発明
の範囲に含まれるものであることを意図するものであ
る。
こうして生成した、最外層に金属析出物を担持した複
合材料は、多くの場合、無電解めっき法の前処理工程で
あるセンシタイジング工程およびアクチベーション工程
を実施した後の被処理材料と同様の活性を示すことを本
発明者は更に見出した。前記複合材料の最外層がパラジ
ウムの析出層である場合には、前記の活性が特に高い。
従って、前記の金属塩溶液による金属析出処理方法で
は析出させることが困難ないし無理な金属については、
最初に第1の金属例えばパラジウムの塩の溶液でシリコ
ーンポリマー被覆担体を処理した後で、第2の金属を含
有する無電解めっき液で更に処理すると、その第2の金
属でめっきされた複合材料を形成することができる。ま
た、パラジウムの触媒作用を利用した無電解めっき法で
は金属層を自由にコントロールすることができ、厚い金
属層を得ることができる。
本発明による前記の無電解めっき処理では、任意の公
知の無電解めっき液を1種または2種以上で、公知の方
法と同様の態様で使用することができる。前記の第2の
金属としては、例えばコバルト、ニッケル、銅、金、
銀、パラジウムおよびスズを挙げることができる。これ
らの金属は一般に金属の析出電位が水素の析出電位より
も高い値の金属である。
前記の第1の金属の析出層を担持する複合材料を、前
記の第2の金属を含有する無電解めっき液で処理する
と、第1の金属は触媒として働き、第2の金属を析出さ
せる。また、第1の金属と第2の金属との合金めっきも
可能である。
第2の金属はめっき液中に含まれる還元剤によって還
元されてシリコーンポリマー層上の金属の作用によりポ
リマーの上に均一に析出される。
前記の無電解めっき液は、前記の第2の金属を無機塩
例えば硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、炭酸塩等の形で含有す
る。例えば、シアン化金カリウム、硫酸ニッケル、塩化
ニッケル、酢酸ニッケル、シアン化銀カリウム、硫酸銅
などが挙げられる。
前記の無電解めっき液には一般に還元剤が含まれてい
る。還元剤としては、次亜燐酸ソーダ、次亜硫酸ソー
ダ、無水亜硫酸ソーダ、塩化ヒドラジン、硫酸ヒドラジ
ン、シュウ酸ヒドラジン、無水亜硫酸ソーダ、ハイドロ
キノン、ハイドロサロファイド酒石酸塩、ホルマリン、
庶糖、単糖類、グリオギザール等が挙げられ、これらの
うちから任意の一種または二種以上が用いられる。
錯化安定剤はめっき液中の金属塩を錯塩あるいはキレ
ートの形にして金属塩の自然分解を防ぎ安定化させ、金
属を析出し易くするために用いるもので、酒石酸塩、ク
エン酸塩のような錯化剤やトリエタノールアミン、EDTA
のようなキレート剤から選ばれる任意の一種又は二種以
上が用いられる。
緩衝剤としては酢酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸
等の有機酸およびこれらのナトリウム、カリウム、アン
モニア塩、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、
重炭酸アンモニウム等が挙げられ、これらのうちから任
意の一種または二種以上が用いられる。
こうして、担体の表面上にシリコーンポリマー層と第
1の金属層と第2の金属層とを本質的にこの順序で担持
する、本発明の複合材料が形成される。ここで、「本質
的に」とは前記と同様の意味である。
本発明による前記の各複合材料を酸化雰囲気で焼成す
ると、焼成条件、担体の種類および金属層の種類等に応
じて品種の複合材料を形成することができる。
担体が、その上に担持している金属および金属酸化物
と反応しないかまたは反応性が低いものである場合に
は、前記の焼成により、最外層に金属酸化物を担持した
担体からなる複合材料が形成される。
シリコーンポリマーは焼成によりシリカまたは共存す
る金属との複合酸化物を形成する。
担体が、その上に担持している金属または金属酸化物
と反応性が高いものである場合には、前記の焼成により
各種の酸化複合材料が形成される。例えば、コバルト層
を担持した二酸化チタン担体からなる複合材料を焼成す
ると、焼成条件に応じて、最外層が酸化コバルトに変化
したもの、一部の酸化チタンとコバルトが反応したチタ
ン酸コバルト、および全体が固溶体チタン酸コバルトと
なったもの等が得られる。また、酸化雰囲気以外、例え
ば窒素雰囲気下では、窒化物が生成される。
焼成温度は一般に500゜〜1200℃、好ましくは700゜〜
1000℃である。焼成時間は、焼成温度にもよるが、0.5
〜20時間である。また焼成雰囲気は大気中、窒素中また
は油回転ポンプ程度の減圧下であってもよい。
本発明の各種の複合材料は金属の種類、無電解めっき
のpH、反応温度等をコントロールすることによって、所
望の外観色、磁性、導電性が得られ、塗料、化粧品、プ
ラスチック、インキ、絵の具、装飾品、繊維製品、セラ
ミックス等の顔料、着色パール光沢材料として有用であ
り、記録用紙の導電層や記録層、並びに静電気防止材料
などの導電性材料及び電磁波シールド材などの用途があ
る。また、Si−H基を有するシリコーン化合物を金属塩
溶液で処理して得られる金属コロイドは、溶媒を選択す
ることによって安定なコロイドとなり、シリコーン化合
物と均一に混合しているため、塗布した時金属コロイド
が均一に分散したシリコーン膜によるコーティングが可
能である。このシリコーン膜中の金属、例えばパラジウ
ムを触媒として無電解めっきを実施することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明する
が、これは本発明を限定するものではない。
実施例1 二酸化チタン微粒子(0.025μm)100gとテトラヒド
ロテトラメチルシクロテトラシロキサン20gとを別々の
容器に入れ、それらの容器を密閉容器中にて80℃で放置
した。96時間後に二酸化チタン微粒子を取り出して重量
を測定したところシリコーンポリマー被覆二酸化チタン
微粒子109.30gが得られ、さらに90℃の乾燥器に24時間
放置したところシリコーンポリマー被覆二酸化チタン微
粒子105.30gが得られた。
実施例1−1 実施例1で製造したシリコーンポリマー被覆二酸化チ
タン微粒子1.0gにエタノール5.0gおよびイオン交換水5.
0gを添加した後、塩化白金酸20mgを含むエタノール1.0g
を加えて室温で放置した。
比較例1−1 実施例1によるシリコーンポリマー被覆処理を行なっ
ていない二酸化チタン微粒子を用いて実施例1−1と同
様の操作を行った。
実施例1−1および比較例1−1の結果 実施例1−1では約2時間後に上澄液が透明となって
黄色が消失し、二酸化チタンが黒化したが、比較例1−
1では上澄液は黄色のままであり、二酸化チタンは白色
を維持していた。実施例1のシリコーンポリマー被覆二
酸化チタンでは、赤外吸収スペクトルを測定すると2170
cm-1にSi−H基の吸収があるが、実施例1−1では2170
cm-1の吸収は消失していた。
実施例1−2 実施例1のシリコーンポリマー被覆二酸化チタン微粒
子10gをエタノール50gに分散させ、塩化パラジウム100m
gを水10gに溶解させた溶液を加えて室温で3時間放置し
た。こうして生成した分散液を、アンモニア水でアルカ
リ側にしたコバルトめっき浴(0.2M次亜リン酸ナトリウ
ム、0.5M硫酸アンモニウム、0.5M酒石酸ナトリウム、0.
05M硫酸コバルトからなる)700ml中に添加し、40分間分
散させた後、ろ過し、乾燥させてコバルトめっき二酸化
チタン微粒子10.2gを得た。この微粒子は黒色であっ
た。これを蛍光X線で測定したところコバルトが検出さ
れた。
こうして得られたコバルトめっき二酸化チタン微粒子
をルツボに入れ電気炉で800℃5時間焼成し、青緑色の
コバルト・チタネート微粒子を得た。
実施例2 米国マール社製の市販パール顔料フラメンコブルー30
0gをガス滅菌器カポカライザーCL−30B(Fuji Electric
Co.Ltd.)中に入れ、テトラヒドロテトラメチルシクロ
テトラシロキサン50gを別の容器に入れて共存させた状
態で系内の圧力を300mmHgまで減圧し、温度を90℃に保
った。一夜放置後空気を入れ、常圧にもどした後、数回
排気してシリコーンポリマー被覆パール剤を得た。
実施例2−1 実施例2で製造したシリコーンポリマー被覆パール剤
10gをエタノール50gに分散させ、塩化パラジウム100mg
を水10gに溶解させた溶液を加えて室温で放置したとこ
ろ瞬時に白色からブルーに変色し、干渉色タイプの青色
パール剤となった。
実施例2−2 実施例2で製造したシリコーンポリマー被覆パール剤
10gをエタノール25gおよびイオン交換水25g中に分散さ
せ、塩化金酸200mgを含むイソプロパノール5gを加えた
ところ、紫色の干渉色タイプパール剤となった。
実施例3 容積100の回転式ダブルコーン型反応槽(ステンレ
ススチール製、保温ジャケット付)に雲母20kgを入れ、
この反応槽にステンレススチール管で直結して原液供給
タンク(ステンレススチール製、保温ジャケット付)に
のシリコーン化合物400gを入れ、系を真空ポンプで20mm
Hgまで減圧した。90℃に加熱した熱媒を熱媒体加熱槽か
ら循環ポンプで反応槽と原液供給タンクの保温ジャケッ
トに供給して、系の温度を90℃に保った。反応槽の回転
はタイマーにより10分間静置後3回転させる回転とし、
この回転を10時間繰り返した。回転を繰り返す間、反応
槽内で雲母を混合撹拌し、その後N2ガスを系に導入して
常圧に戻し、シリコーンポリマー被覆雲母20.83kgを得
た。
実施例3−1 実施例3のシリコーンポリマー被覆雲母100gにエタノ
ール200gおよびイオン交換水100gを加え、塩化パラジウ
ム100mgを含むエタノール10gを加えて室温で撹拌し、パ
ラジウム被覆雲母を得た。この生成物を蛍光X線で測定
した結果、微量のパラジウムが検出された。
実施例3−1−1 実施例3−1のパラジウム被覆雲母20gをエタノール6
0gに分散させ、アンモニア水でアルカリ側にしたコバル
トめっき浴(0.2M次亜リン酸ナトリウム、0.5M硫酸アン
モニウム、0.5M酒石酸ナトリウムおよび0.05M硫酸コバ
ルト)1.5中に添加した。40分間分散させた後、ろ過
し、乾燥させて金属コバルトめっき雲母20.3gを得た。
この生成物は磁性を有しており、蛍光X線でコバルトの
存在が確認された。
実施例3−1−2 実施例3−1のパラジウム被覆雲母20gをエタノール6
0gに分散させ、浴温70℃に保った無電解ニッケルめっき
浴〔次亜リン酸ナトリウム(10g/)、クエン酸ナトリ
ウム(100g/)、塩化アンモニウム(50g/)および
塩化ニッケル(30g/)〕1200mlに添加し、次いでホル
マリン(35%)を1200ml添加後更に1時間分散させた。
ろ過し、エタノール−水(1:1)で洗浄後80℃で乾燥さ
せニッケルめっき雲母21.5gを得た。この生成物を蛍光
X線で測定した結果、ニッケルの存在が確認できた。
実施例3−1−3 実施例3−1のパラジウム被覆雲母20gをエタノール6
0gに分散させ、pH11.5、浴温22℃に保った無電解銅めっ
き浴〔ロッセル塩(170g/)、水酸化ナトリウム(50g
/)、炭酸ナトリウム(30g/)、硫酸銅(35g/
)〕1200mlに1時間分散させた。ろ過し、水洗後100
℃で乾燥させ、銅めっき雲母21.1gを得た。この生成物
を蛍光X線で測定した結果、銅の存在が確認できた。
実施例3−1−4 実施例3−1のパラジウム被覆雲母20gをエタノール6
0gおよびpH13.0に調製した5%のEDTA溶液140gに分散
し、温度を80℃に加温した。次いで、10%のシアン化金
カリウム溶液60g、および2%の水素化ほう素カリウム
と11%の水酸化ナトリウムとから成る溶液60gをそれぞ
れ等量ずつ撹拌下の上記懸濁液に徐々に添加した。全量
を添加した後、30分間液温を80℃に保持しながら撹拌を
続けた。次に、ろ過、水洗および乾燥して金めっき雲母
12.6gを得た。
実施例4 タルク20gおよびハイドロジェンメチルポリシロキサ
ン(信越シリコンKF−99)2gおよびアルミナビーズ(半
径5mm)30gを遊星型ボールミル中に入れて2時間混合し
た。その後、塩化パラジウム20mgを含むエタノール20g
を加えてさらに2時間混合した。混合物を取出し、pH1
3.0に調整した1%のシアン化カリウム水溶液100gに分
散して温度を85℃に加温した。次いで、10%のシアン化
銀カリウム溶液16g、および3%の水素化ほう素カリウ
ムと16%の水酸化ナトリウムとから成る水溶液16gを等
量ずつ撹拌下の上記懸濁液に添加した。全量を添加した
後、30分間90℃に保ちながら撹拌をつづけ、銀めっきタ
ルク22.6gを得た。
実施例5 5cm×5cmのもめんの布をハイドロジェンメチルポリシ
ロキサン(信越製シリコンKF−99)によく浸漬させ、取
出した後、紙の上に布をおいてポリシロキサンを除去し
た。その後、塩化白金酸50mgを含むエタノール20gとイ
オン交換水5gとの混合液に浸漬し3時間放置した。黒化
した布を取出し、室温で24時間乾燥させ、白金被覆もめ
ん布を得た。
実施例6 5cm×2cmの濾紙を100mlのサンプル管に入れ、アセト
ン50gとテトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキ
サン0.5gを加え、さらに0.01%塩化パラジウム水溶液5g
を加えたとこを溶液が黒化し、パラジウム粒子が析出し
た。紙を取出し、pH12.5に保った銅めっき浴(0.25Mホ
ルマリン、0.06M EDTA、0.05M硫酸銅、20g/の2,2′−
ジピリジル、50g/のフェロシアン化カリウム)100ml
およびエタノール50mlの混合液中に浸漬し、めっき温度
60℃で反応させ銅めっき紙を得た。
実施例7 アセトン10gにメチルハイドロジェンポリシロキサン
0.5gを加え、次いで塩化パラジウム水溶液(0.01%)1m
lを加えてよく撹拌したところ、溶液から水素が発生し
コロイド状の黒色パラジウムが析出した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 18/42 C23C 18/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si−H部分を有するシリコーンポリマー層
    を担持した担体を金属塩溶液で処理して前記シリコーン
    ポリマー層上に金属層を形成させてなる、担体の表面上
    にシリコーンポリマー層と金属層とを本質的にこの順序
    で担持した複合材料。
  2. 【請求項2】Si−H部分を有するシリコーンポリマー層
    を担持した担体を第1の金属の塩の溶液で処理して第1
    の金属を前記シリコーンポリマー層上に析出させ、続い
    て第2の金属を含有する無電解めっき液で処理して、第
    1の金属の析出層上に第2の金属の皮膜を形成させてな
    る担体の表面上にシリコーンポリマー層と第1の金属層
    と第2の金属層とを本質的にこの順序で担持した複合材
    料。
  3. 【請求項3】Si−H部分を有するシリコーンポリマー層
    を担持した担体を金属塩溶液で処理して前記シリコーン
    ポリマー層上に金属層を形成させ、続いて酸化雰囲気下
    で焼成することを特徴とする、複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】Si−H部分を有するシリコーンポリマー層
    を担持した担体を第1の金属の塩の溶液で処理して第1
    の金属を前記シリコーンポリマー層上に析出させ、次
    に、第2の金属を含有する無電解めっき液で処理して第
    1の金属の析出層上に第2の金属の皮膜を形成させ、続
    いて焼成することを特徴とする、複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】Si−H部分を有するシリコーン化合物を金
    属塩溶液で処理することを特徴とする、前記金属塩溶液
    からの金属の析出方法。
JP62216437A 1987-09-01 1987-09-01 複合材料およびその製造方法、並びに金属の析出方法 Expired - Fee Related JP2635331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62216437A JP2635331B2 (ja) 1987-09-01 1987-09-01 複合材料およびその製造方法、並びに金属の析出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62216437A JP2635331B2 (ja) 1987-09-01 1987-09-01 複合材料およびその製造方法、並びに金属の析出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6462475A JPS6462475A (en) 1989-03-08
JP2635331B2 true JP2635331B2 (ja) 1997-07-30

Family

ID=16688533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62216437A Expired - Fee Related JP2635331B2 (ja) 1987-09-01 1987-09-01 複合材料およびその製造方法、並びに金属の析出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2635331B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3539234B2 (ja) * 1998-10-22 2004-07-07 信越化学工業株式会社 金属パターン用被膜形成用ポリシラン組成物及び金属パターン形成方法
TW554348B (en) * 1999-05-13 2003-09-21 Shinetsu Chemical Co Conductive powder and making process
JP4595237B2 (ja) * 2001-04-27 2010-12-08 日立金属株式会社 銅めっき液および銅めっき方法
TWI306122B (en) * 2004-11-25 2009-02-11 Mitsui Chemicals Inc Reduction methosd of transition mteal, surface treatment method using thereof,fabricating method of transition method particle, and fabricating method of article and wiring board
JP4849930B2 (ja) * 2006-03-28 2012-01-11 日本化学工業株式会社 導電性無電解めっき粉体およびその製造方法
TW200925199A (en) 2007-10-11 2009-06-16 Dow Corning Toray Co Ltd Metal particle dispersion structure, microparticles comprising this structure, articles coated with this structure, and methods of producing the preceding
JP4905318B2 (ja) * 2007-10-24 2012-03-28 富士通株式会社 回路基板の製造方法
JP5072583B2 (ja) * 2007-12-27 2012-11-14 ベック株式会社 積層体
WO2010025140A2 (en) 2008-08-29 2010-03-04 Dow Corning Corporation Metallized particles formed from a dispersion
JP5340686B2 (ja) * 2008-09-30 2013-11-13 株式会社日本触媒 重合体微粒子、重合体微粒子の製造方法、および導電性微粒子

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6013320A (ja) * 1983-07-01 1985-01-23 Clarion Co Ltd Vtrにおけるヘツド高さ調整装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6462475A (en) 1989-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2635331B2 (ja) 複合材料およびその製造方法、並びに金属の析出方法
Ouyang et al. Radical guided selective loading of silver nanoparticles at interior lumen and out surface of halloysite nanotubes
US20080241473A1 (en) Metallic fine particle dispersed film, and process for producing the same
Tfouni et al. Immobilized ruthenium complexes and aspects of their reactivity
KR20050109586A (ko) 귀금속·자성 금속산화물 복합 미립자 및 그의 제조법
Hao et al. Controllable fabrication and characterization of biocompatible core-shell particles and hollow capsules as drug carrier
Shamaei et al. Ultrasound-assisted coating of silk yarn with nano-porous Co3 (BTC) 2· 12H2O with iodine adsorption affinity
CN109283168B (zh) 一种基于两性纳米颗粒的高灵敏度sers分子检测方法
Zhang et al. Fabrication of ZnO nanoparticle-coated calcium alginate nonwoven fabric by ion exchange method based on amino hyperbranched polymer
Jiang et al. Preparation of silver quantum dots embedded water-soluble silica/PAAc hybrid nanoparticles and their bactericidal activity
JPH10114521A (ja) 超微粒貴金属分散酸化チタン薄膜およびその製法
JPH0663423A (ja) 触媒体の製造方法
Kumari et al. Deposition of silver and gold nanoparticles on surface engineered silica particles and their potential applications
JP3910318B2 (ja) 超微粒子担持物の製造方法
JPS58189365A (ja) 化学メッキ用アンダーコート組成物
Warshawsky et al. Zerovalent metal polymer composites. II. Metal–polymer microdispersions
Migulin et al. New types of hyperbranched 1, 2, 3-triazole-alkoxysiloxane functional polymers for metal embedded nanocomposite surface coatings
KR20000035984A (ko) 귀금속 염으로 핵형성되어 있는 기판, 이의 제조방법 및 이의용도
JPS63139015A (ja) 改質粉体
Perkas et al. Modification of Parylene film-coated glass with TiO2 nanoparticles and its photocatalytic properties
López et al. Colloidal core-shell metal, metal oxide nanocrystals, and their applications
CN106363189A (zh) 一种以羟丙基甲基纤维素为保护剂的纳米铜粒子的高效制备方法
Schubert Preparation of metal oxide or metal nanoparticles in silica via metal coordination to organofunctional trialkoxysilanes
JPS62207875A (ja) 金属めつきされた無機粒子粉末の製造方法
Wu et al. Preparation and Biocompatibility of Gold@ Polypyrrole-Chitosan with Core–Shell Nanostructure

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees