JP3910318B2 - 超微粒子担持物の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超微粒子担持物の製造方法に係り、詳しくはメルカプタン、アミン化合物などの悪臭成分を除去する場合や、COの酸化反応などにおける触媒などに利用することができる微粒子担持物であり、無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を効率よく担持し、しかも金属超微粒子の濃度を増やすとともに独立分散させた超微粒子担持物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来においては、(1)シリカ、アルミナ、ゼオライトや酸化チタンなどの無機酸化物担体を塩化金酸、塩化白金酸や塩化パラジウムなどの金属塩の溶液に浸して金、白金やパラジウムなどの金属イオンを無機酸化物担体に保持させ、その後、水素などを用いて金属イオンを還元して金、白金やパラジウムなどの金属超微粒子として担持させる方法、
【0003】
(2)担体および担持される金属を共に金属塩から溶液中で同時に沈殿析出させることで無機酸化物担体に金属超微粒子を担持させる方法で、具体的には、金属硝酸塩や金属アルコキシドを溶液中で分解して沈殿を析出させる際に塩化金酸、塩化白金酸や塩化パラジウムなどの金属塩を加えておくと、金属イオンが沈殿に取り込まれ、これを焼成するなどして、金属超微粒子が無機酸化物担体に担持されたものが得られる方法、また
【0004】
(3)溶液中で塩化金酸、塩化白金酸や塩化パラジウムなどの金属塩をNaBH4やクエン酸などにより還元して生成した金、白金やパラジウムなどの金属超微粒子をそれ自身の電荷を利用してシリカ、アルミナ、ゼオライトや酸化チタンなどの無機酸化物担体に吸着させる方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法では、金属超微粒子の担持量を増やすために、金属超微粒子の濃度を増やした場合には、金属超微粒子の粒子径の増大や凝集が起こり、触媒性能の低下を招くなどの問題があった。また、無機酸化物からなる担体の内部にも金属超微粒子が析出することがあり、本来表面に付着した金属超微粒子のみが触媒活性に有効な作用をするために、内部に析出した金属超微粒子が無駄になっていた。
【0006】
本発明は、このような問題点を改善するものであり、無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を効率よく担持し、しかも金属超微粒子の濃度を増やすとともに独立分散させた超微粒子担持物の製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願請求項1の発明は、ポリエチレンイミンを溶解したpH7以上の水溶液中に、無機酸化物微粒子を浸けて、該無機酸化物微粒子の表面に上記ポリエチレンイミンを修飾させた後、該ポリエチレンイミンを修飾させた無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩化物、金属の酢酸塩、あるいは金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩の水溶液との混合溶液に浸けて金属超微粒子を吸着させ、更にこの金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成して金属超微粒子を無機酸化物微粒子に担持した超微粒子担持物の製造方法にある。
【0008】
この製造方法においては、予めポリエチレンイミンを無機酸化物微粒子の表面に修飾させた後、その表面に金属超微粒子を吸着させるもので、金属超微粒子はポリエチレンイミンによって保護されるために凝集することなく、無機酸化物微粒子の表面に吸着する。そして、焼成してポリエチレンイミンを除去することで、金属超微粒子が無機酸化物微粒子の表面に接する状態で担持した微粒子担持物を得ることができ、また担持する金属超微粒子の濃度を増やすこともできる。
【0009】
本願請求項2の発明は、無機酸化物微粒子が酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化錫、酸化亜鉛から選ばれた少なくとも1種である超微粒子担持物の製造方法にある。
【0010】
本願請求項3の発明は、金属塩が塩化金酸、塩化パラジウム、塩化白金酸、塩化銅、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化ロジウム、塩化銀、金属の酢酸塩、そして金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種である超微粒子担持物の製造方法にある。
【0011】
本願請求項4の発明は、金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成する場合、まず予備焼成においてポリエチレンイミンの炭化物に覆われた金属超微粒子を担持した無機酸化物微粒子を作製し、その後本焼成して金属超微粒子を担持した超微粒子担持物を得る超微粒子担持物の製造方法にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図7は超微粒子担持物の製造工程を示している。図1は無機酸化物微粒子を、ポリエチレンイミンを溶解した水溶液中に浸ける状態を示し、図2は該無機酸化物微粒子の表面にポリエチレンイミンを吸着して修飾させた状態を示し、図3はポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子を示す、図4はポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩の水溶液との混合溶液に浸けた状態を示し、図5はポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を吸着させた状態を示し、図6は金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の最初の予備焼成工程を示し、図7は金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の最終の本焼成であり、微粒子担持物を得る工程を示す。
【0013】
図1に示すように、酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化スズ、酸化亜鉛などから選ばれた少なくとも1種の無機酸化物微粒子からなる担体1と、ポリエチレンイミン2を溶解したpH7以上の水溶液3を用意する。
【0014】
ポリエチレンイミン2は金属超微粒子生成のための原材料である金属塩化物、金属の酢酸塩、あるいは金属の硝酸塩等の金属塩を還元して0価の金属にする能力を有する官能基を持った高分子であり、具体的には数平均分子量が12,000以上、好ましくは10,000以上で、分子式H−(NHCH2CH2)n−NH2あるいは(−NHCH2CH2−)x[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2を有している。無論、骨格となるNHCH2CH2に側鎖を有してもよい。また、ポリエチレンイミンは金属塩の還元で生じた金属と化学的な結合を形成することができるので、金属を超微粒子の大きさで安定化することができる。金属塩の還元および金属超微粒子の安定化には、NHやNH2が関与している。
【0015】
ポリエチレンイミンを溶かした水溶液はpHが9前後であるが、pHを酸性(<7)として処理した場合、ポリエチレンイミンが無機酸化物微粒子に吸着せず、よって金属塩の還元が起こらず、金属超微粒子を固定化できない。そのため、溶液のpHは7以上、好ましくは8以上に調整する。
【0016】
そして、図2に示すように、上記無機酸化物微粒子1を室温下の水溶液3に浸け、無機酸化物微粒子1の分散を良好にするために、超音波を照射した後、40〜60°Cのオイルバス等の加温下で約1〜4時間撹拌しながら無機酸化物微粒子1の表面にポリエチレンイミン2を吸着して修飾させる。
その後、上記無機酸化物微粒子1をフィルター等によって濾過、乾燥して、図3に示すポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子6を取り出す。
【0017】
続いて、容器にノルマルプロピルアルコールを始めとするメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールと、金属塩の水溶液を用意する。混合する重量比率はアルコール1に対して金属塩の水溶液0.5〜2である。
図4に示すように、容器に入れた所定量のポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子6に上記アルコールを加え、分散を良くするために超音波を照射する。次に、金属塩の水溶液を加えて混合溶液4にし、80〜150°Cのオイルバス等の加温下で約0.5〜4時間撹拌しながら、更に図5に示すようにポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子6の表面に金属超微粒子5を吸着させる。そして、この無機酸化物微粒子6をフィルターによって濾過、乾燥して金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子7を取り出す。
【0018】
上記金属塩では、塩化銅、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化ロジウム、塩化銀などの金属塩化物、金属の酢酸塩、金属の硝酸塩などが使用できる。金超微粒子を得る場合には、塩化金酸を、パラジウム超微粒子では塩化パラジウムを、白金超微粒子では塩化白金酸を、銀超微粒子では硝酸銀を選定する。
【0019】
続いて、金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子7を予備焼成と本焼成の2段階に分けて焼成する。これにより、金属超微粒子5の粒成長を阻止することができる。しかし、焼成を2段階に分ける必要がなく、1回でもよい。
【0020】
予備焼成と本焼成の2段階に分ける場合、最初の予備焼成は、図6に示すように無機酸化物微粒子7をルツボ11に集めた後、0.1〜2Torrの減圧中、400〜550°C、0.5〜2時間焼成して、ポリエチレンイミンの炭化物8を被覆させ、ポリエチレンイミンの炭化物8に覆われた金属超微粒子を担持した無機酸化物微粒子1を作製する。
【0021】
その後の本焼成は、図7に示すようにポリエチレンイミンの炭化物8に覆われた金属超微粒子5を担持した無機酸化物微粒子1を更に空気中で400〜600°C、0.5〜2時間焼成して最終物の金属超微粒子5を担持した目的物の超微粒子担持物10を作製する。
【0022】
上記超微粒子担持物10は、微粒子化金属の存在によってメルカプタン、アミン化合物などの悪臭成分を除去する場合や、COの酸化反応などにおける触媒のみならず、各種ガスセンサなどに適用される。
【0023】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜7
(市販の)数平均分子量423、600および25,000のポリエチレンイミン(アルドリッチ)、数平均分子量1,200のポリエチレンイミンの98重量%水溶液(日本触媒)、数平均分子量70,000のポリエチレンイミンの30重量%水溶液(日本触媒)、2,000および750,000のポリエチレンイミン(アルドリッチ)の50重量%水溶液を、それぞれ、表1に示した分量をナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。
【0024】
ポリエチレンイミンの水溶液に、それぞれ、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル社製)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0025】
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で50°Cにて3時間にわたり加温した。室温まで冷却した後、1.0ミクロンのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を得た。ポリエチレンイミンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により、ポリエチレンイミン分子の−CH2−結合の有無を調べることにより判定した。ポリエチレンイミンの吸着は、ポリエチレンイミンの数平均分子量が増すにつれて増加することが確認された。
【0026】
【表1】
【0027】
表1の実施例1〜7のポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を、それぞれ100mg、ナスフラスコに取った。表2に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥し、それぞれ、薄いピンク色や赤紫色に着色した酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0028】
薄いピンク色や赤紫色の着色は金超微粒子特有の着色であることから、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子へ固定化されたことが示された。また、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子への固定化は、透過型電子顕微鏡(日本電子)により確認された。一方、ろ液は透明であり、溶液中には金超微粒子が含まれていないことが確認された。
【0029】
これらのことから、塩化金酸はポリエチレンイミンで修飾された酸化チタン表面で0価の金へと還元され、そのまま超微粒子となって酸化チタンP25の微粒子上へ固定化されることが確認された。
【0030】
また、酸化チタンP25の微粒子上への固定化量は、金超微粒子の重量%をエネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定することで求めた。金超微粒子の固定化量は、ポリエチレンイミンの数平均分子量が増すにつれて増加することが確認された。
【0031】
金超微粒子を固定化した酸化チタンP25微粒子を、焼成することでポリエチレンイミンを除去して、金超微粒子を酸化チタンP25微粒子表面に担持させた。焼成は2段階に分けて行った。第一段階では、1Torrの減圧下で1時間、500°Cで焼成を行った。第二段階では、空気中で1時間、400°C焼成を行った。
【0032】
ポリエチレンイミンが除去されたことは、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により確認された。金超微粒子の酸化チタンP25微粒子表面への担持は、透過型電子顕微鏡(日本電子)により確認された。また、酸化チタンP25の微粒子上への担持量は、金超微粒子の重量%をエネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定することで求めた。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例8〜9、比較例1
表3に示したように、所定量のポリエチレンイミン(数平均分子量70,000)の30重量%水溶液(日本触媒社製)をナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。ポリエチレンイミンの水溶液に、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0035】
【表3】
【0036】
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で25°Cまたは50°Cにて1時間保持した。その後、1.0μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を得た。ポリエチレンイミンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により、ポリエチレンイミン分子の−CH2−結合を調べることにより確認した。
【0037】
ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子(実施例8,9)および修飾していない市販の酸化チタンP25(比較例1)を、それぞれ100mg、ナスフラスコに取った。表4に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0038】
次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°C乾燥して酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0039】
【表4】
【0040】
その結果、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子(実施例8,9)は赤紫色に着色しており、金超微粒子特有の着色であることから、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子への固定化が示された。また、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定した金超微粒子の固定化量は、15重量%前後であった。
【0041】
一方、ポリエチレンイミンで修飾していない市販の酸化チタンP25(比較例1)では、非常に薄いピンク色の着色しかなく、金超微粒子の固定化量は1.4重量%と極めて少なかった。
【0042】
これらのことから、塩化金酸はポリエチレンイミンで修飾された酸化チタン表面で強く0価の金へと還元され、超微粒子として酸化チタンP25の微粒子上へ固定化される。しかし、ポリエチレンイミンがない場合、塩化金酸の還元反応は進みにくいことが確認された。また、ポリエチレンイミンの修飾時の温度は、金固定化量が大差ないことから、25〜50°Cの範囲ではポリエチレンイミンの酸化チタンへの吸着に大きく影響しないことが確かめられた。
【0043】
実施例10、比較例2
表5に示したように、所定量のポリエチレンイミン(数平均分子量70,000)の30重量%水溶液(日本触媒社製)をナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。そして、ポリエチレンイミン水溶液に、5N−HCl水溶液を、表5のように所定量加えてよく撹拌した。この水溶液に、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0044】
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で50°Cにて3時間保持した。その後、1.0μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0045】
【表5】
【0046】
ポリエチレンイミンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により、ポリエチレンイミン分子の−CH2−結合を調べることにより確認した。修飾処理後の酸化チタンP25のIPスペクトルにおけるポリエチレンイミンの−CH2−吸収は、水溶液のpHが低いほど減少することから、ポリエチレンイミンの吸着は水溶液のpHが低くなると減少することが確認された。
【0047】
また、表5に示す実施例10および比較例2の酸化チタンP25の微粒子を、それぞれ50mg、ナスフラスコに取った。表6に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0048】
【表6】
【0049】
その結果、実施例10のHClでpH調整をせずにポリエチレンイミンで修飾した酸化チタンP25の微粒子は、赤紫色に着色しており、金超微粒子特有の着色であることから、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子への固定化が示された。エネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定した金超微粒子の固定化量は、12.7重量%であった。
しかし、比較例2のHClでpHを3に調整してポリエチレンイミンで処理した酸化チタンP25では、極めて薄いピンク色の着色しかなく、金超微粒子の固定化量は1.1重量%と極めて少なかった。
これらのことから、ポリエチレンイミンの修飾時のpHは、酸性側にないことが好ましいことが確認された。
【0050】
比較例3〜6
表7に示したように、所定量の平均分子量2,000のアミノ基末端ポリエチレンオキサイド(アルドリッチ)および平均分子量10,000のポリビニルピロリドン(アルドリッチ)を、それぞれナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドンの水溶液に、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で50°Cにて2時間保持した。その後、1.0μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0051】
【表7】
【0052】
アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子社製)により、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドン分子の−CH2−結合から調べた。IRスペクトルには、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドあるいはポリビニルピロリドン分子に由来する−CH2−結合が見られず、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドあるいはポリビニルピロリドン分子は、酸化チタンP25にほとんど吸着しなかった。
【0053】
更に、上記のアミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドン水溶液で処理した酸化チタンP25の微粒子の100mgをナスフラスコに取った。表8に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0054】
【表8】
【0055】
その結果、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドン水溶液で処理した酸化チタンP25の微粒子は、ほとんど着色していなかった。しかも、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定した金超微粒子の固定化量は、最大でも1.6重量%と極めて少なかった。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本願各請求項の発明は、ポリエチレンイミンを溶解したpH7以上の水溶液中に、無機酸化物微粒子を浸けて、該無機酸化物微粒子の表面に上記ポリエチレンイミンを修飾させた後、該ポリエチレンイミンを修飾させた無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩化物、金属の酢酸塩、あるいは金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩の水溶液との混合溶液に浸けて金属超微粒子を吸着させ、更にこの金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成して金属超微粒子を無機酸化物微粒子に担持させるものであり、予めポリエチレンイミンを無機酸化物微粒子の表面に修飾させ、更にその表面に金属超微粒子を吸着させるものであり、金属超微粒子がポリエチレンイミンによって保護されて凝集することなく、無機酸化物微粒子の表面に吸着し、そして焼成してポリエチレンイミンを除去することで、濃度の高い金属超微粒子を無機酸化物微粒子の表面に接する状態で担持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機酸化物微粒子を、ポリエチレンイミンを溶解した水溶液中に浸ける状態を示す。
【図2】無機酸化物微粒子の表面にポリエチレンイミンを吸着して修飾させた状態を示す。
【図3】ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子を示す。
【図4】ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩の水溶液との混合溶液に浸けた状態を示す。
【図5】ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を吸着させた状態を示す。
【図6】金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の最初の予備焼成工程を示す。
【図7】金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の本焼成であり、微粒子担持物を得る工程を示す。
【符号の説明】
1 無機酸化物微粒子
2 ポリエチレンイミン
3 水溶液
4 混合溶液
5 金属超微粒子
6 ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子
7 金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子
8 ポリエチレンイミンの炭化物
10 超微粒子担持物
【発明の属する技術分野】
本発明は超微粒子担持物の製造方法に係り、詳しくはメルカプタン、アミン化合物などの悪臭成分を除去する場合や、COの酸化反応などにおける触媒などに利用することができる微粒子担持物であり、無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を効率よく担持し、しかも金属超微粒子の濃度を増やすとともに独立分散させた超微粒子担持物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来においては、(1)シリカ、アルミナ、ゼオライトや酸化チタンなどの無機酸化物担体を塩化金酸、塩化白金酸や塩化パラジウムなどの金属塩の溶液に浸して金、白金やパラジウムなどの金属イオンを無機酸化物担体に保持させ、その後、水素などを用いて金属イオンを還元して金、白金やパラジウムなどの金属超微粒子として担持させる方法、
【0003】
(2)担体および担持される金属を共に金属塩から溶液中で同時に沈殿析出させることで無機酸化物担体に金属超微粒子を担持させる方法で、具体的には、金属硝酸塩や金属アルコキシドを溶液中で分解して沈殿を析出させる際に塩化金酸、塩化白金酸や塩化パラジウムなどの金属塩を加えておくと、金属イオンが沈殿に取り込まれ、これを焼成するなどして、金属超微粒子が無機酸化物担体に担持されたものが得られる方法、また
【0004】
(3)溶液中で塩化金酸、塩化白金酸や塩化パラジウムなどの金属塩をNaBH4やクエン酸などにより還元して生成した金、白金やパラジウムなどの金属超微粒子をそれ自身の電荷を利用してシリカ、アルミナ、ゼオライトや酸化チタンなどの無機酸化物担体に吸着させる方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法では、金属超微粒子の担持量を増やすために、金属超微粒子の濃度を増やした場合には、金属超微粒子の粒子径の増大や凝集が起こり、触媒性能の低下を招くなどの問題があった。また、無機酸化物からなる担体の内部にも金属超微粒子が析出することがあり、本来表面に付着した金属超微粒子のみが触媒活性に有効な作用をするために、内部に析出した金属超微粒子が無駄になっていた。
【0006】
本発明は、このような問題点を改善するものであり、無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を効率よく担持し、しかも金属超微粒子の濃度を増やすとともに独立分散させた超微粒子担持物の製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願請求項1の発明は、ポリエチレンイミンを溶解したpH7以上の水溶液中に、無機酸化物微粒子を浸けて、該無機酸化物微粒子の表面に上記ポリエチレンイミンを修飾させた後、該ポリエチレンイミンを修飾させた無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩化物、金属の酢酸塩、あるいは金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩の水溶液との混合溶液に浸けて金属超微粒子を吸着させ、更にこの金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成して金属超微粒子を無機酸化物微粒子に担持した超微粒子担持物の製造方法にある。
【0008】
この製造方法においては、予めポリエチレンイミンを無機酸化物微粒子の表面に修飾させた後、その表面に金属超微粒子を吸着させるもので、金属超微粒子はポリエチレンイミンによって保護されるために凝集することなく、無機酸化物微粒子の表面に吸着する。そして、焼成してポリエチレンイミンを除去することで、金属超微粒子が無機酸化物微粒子の表面に接する状態で担持した微粒子担持物を得ることができ、また担持する金属超微粒子の濃度を増やすこともできる。
【0009】
本願請求項2の発明は、無機酸化物微粒子が酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化錫、酸化亜鉛から選ばれた少なくとも1種である超微粒子担持物の製造方法にある。
【0010】
本願請求項3の発明は、金属塩が塩化金酸、塩化パラジウム、塩化白金酸、塩化銅、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化ロジウム、塩化銀、金属の酢酸塩、そして金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種である超微粒子担持物の製造方法にある。
【0011】
本願請求項4の発明は、金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成する場合、まず予備焼成においてポリエチレンイミンの炭化物に覆われた金属超微粒子を担持した無機酸化物微粒子を作製し、その後本焼成して金属超微粒子を担持した超微粒子担持物を得る超微粒子担持物の製造方法にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図7は超微粒子担持物の製造工程を示している。図1は無機酸化物微粒子を、ポリエチレンイミンを溶解した水溶液中に浸ける状態を示し、図2は該無機酸化物微粒子の表面にポリエチレンイミンを吸着して修飾させた状態を示し、図3はポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子を示す、図4はポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩の水溶液との混合溶液に浸けた状態を示し、図5はポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を吸着させた状態を示し、図6は金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の最初の予備焼成工程を示し、図7は金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の最終の本焼成であり、微粒子担持物を得る工程を示す。
【0013】
図1に示すように、酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化スズ、酸化亜鉛などから選ばれた少なくとも1種の無機酸化物微粒子からなる担体1と、ポリエチレンイミン2を溶解したpH7以上の水溶液3を用意する。
【0014】
ポリエチレンイミン2は金属超微粒子生成のための原材料である金属塩化物、金属の酢酸塩、あるいは金属の硝酸塩等の金属塩を還元して0価の金属にする能力を有する官能基を持った高分子であり、具体的には数平均分子量が12,000以上、好ましくは10,000以上で、分子式H−(NHCH2CH2)n−NH2あるいは(−NHCH2CH2−)x[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2を有している。無論、骨格となるNHCH2CH2に側鎖を有してもよい。また、ポリエチレンイミンは金属塩の還元で生じた金属と化学的な結合を形成することができるので、金属を超微粒子の大きさで安定化することができる。金属塩の還元および金属超微粒子の安定化には、NHやNH2が関与している。
【0015】
ポリエチレンイミンを溶かした水溶液はpHが9前後であるが、pHを酸性(<7)として処理した場合、ポリエチレンイミンが無機酸化物微粒子に吸着せず、よって金属塩の還元が起こらず、金属超微粒子を固定化できない。そのため、溶液のpHは7以上、好ましくは8以上に調整する。
【0016】
そして、図2に示すように、上記無機酸化物微粒子1を室温下の水溶液3に浸け、無機酸化物微粒子1の分散を良好にするために、超音波を照射した後、40〜60°Cのオイルバス等の加温下で約1〜4時間撹拌しながら無機酸化物微粒子1の表面にポリエチレンイミン2を吸着して修飾させる。
その後、上記無機酸化物微粒子1をフィルター等によって濾過、乾燥して、図3に示すポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子6を取り出す。
【0017】
続いて、容器にノルマルプロピルアルコールを始めとするメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールと、金属塩の水溶液を用意する。混合する重量比率はアルコール1に対して金属塩の水溶液0.5〜2である。
図4に示すように、容器に入れた所定量のポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子6に上記アルコールを加え、分散を良くするために超音波を照射する。次に、金属塩の水溶液を加えて混合溶液4にし、80〜150°Cのオイルバス等の加温下で約0.5〜4時間撹拌しながら、更に図5に示すようにポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子6の表面に金属超微粒子5を吸着させる。そして、この無機酸化物微粒子6をフィルターによって濾過、乾燥して金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子7を取り出す。
【0018】
上記金属塩では、塩化銅、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化ロジウム、塩化銀などの金属塩化物、金属の酢酸塩、金属の硝酸塩などが使用できる。金超微粒子を得る場合には、塩化金酸を、パラジウム超微粒子では塩化パラジウムを、白金超微粒子では塩化白金酸を、銀超微粒子では硝酸銀を選定する。
【0019】
続いて、金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子7を予備焼成と本焼成の2段階に分けて焼成する。これにより、金属超微粒子5の粒成長を阻止することができる。しかし、焼成を2段階に分ける必要がなく、1回でもよい。
【0020】
予備焼成と本焼成の2段階に分ける場合、最初の予備焼成は、図6に示すように無機酸化物微粒子7をルツボ11に集めた後、0.1〜2Torrの減圧中、400〜550°C、0.5〜2時間焼成して、ポリエチレンイミンの炭化物8を被覆させ、ポリエチレンイミンの炭化物8に覆われた金属超微粒子を担持した無機酸化物微粒子1を作製する。
【0021】
その後の本焼成は、図7に示すようにポリエチレンイミンの炭化物8に覆われた金属超微粒子5を担持した無機酸化物微粒子1を更に空気中で400〜600°C、0.5〜2時間焼成して最終物の金属超微粒子5を担持した目的物の超微粒子担持物10を作製する。
【0022】
上記超微粒子担持物10は、微粒子化金属の存在によってメルカプタン、アミン化合物などの悪臭成分を除去する場合や、COの酸化反応などにおける触媒のみならず、各種ガスセンサなどに適用される。
【0023】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜7
(市販の)数平均分子量423、600および25,000のポリエチレンイミン(アルドリッチ)、数平均分子量1,200のポリエチレンイミンの98重量%水溶液(日本触媒)、数平均分子量70,000のポリエチレンイミンの30重量%水溶液(日本触媒)、2,000および750,000のポリエチレンイミン(アルドリッチ)の50重量%水溶液を、それぞれ、表1に示した分量をナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。
【0024】
ポリエチレンイミンの水溶液に、それぞれ、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル社製)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0025】
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で50°Cにて3時間にわたり加温した。室温まで冷却した後、1.0ミクロンのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を得た。ポリエチレンイミンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により、ポリエチレンイミン分子の−CH2−結合の有無を調べることにより判定した。ポリエチレンイミンの吸着は、ポリエチレンイミンの数平均分子量が増すにつれて増加することが確認された。
【0026】
【表1】
【0027】
表1の実施例1〜7のポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を、それぞれ100mg、ナスフラスコに取った。表2に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥し、それぞれ、薄いピンク色や赤紫色に着色した酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0028】
薄いピンク色や赤紫色の着色は金超微粒子特有の着色であることから、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子へ固定化されたことが示された。また、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子への固定化は、透過型電子顕微鏡(日本電子)により確認された。一方、ろ液は透明であり、溶液中には金超微粒子が含まれていないことが確認された。
【0029】
これらのことから、塩化金酸はポリエチレンイミンで修飾された酸化チタン表面で0価の金へと還元され、そのまま超微粒子となって酸化チタンP25の微粒子上へ固定化されることが確認された。
【0030】
また、酸化チタンP25の微粒子上への固定化量は、金超微粒子の重量%をエネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定することで求めた。金超微粒子の固定化量は、ポリエチレンイミンの数平均分子量が増すにつれて増加することが確認された。
【0031】
金超微粒子を固定化した酸化チタンP25微粒子を、焼成することでポリエチレンイミンを除去して、金超微粒子を酸化チタンP25微粒子表面に担持させた。焼成は2段階に分けて行った。第一段階では、1Torrの減圧下で1時間、500°Cで焼成を行った。第二段階では、空気中で1時間、400°C焼成を行った。
【0032】
ポリエチレンイミンが除去されたことは、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により確認された。金超微粒子の酸化チタンP25微粒子表面への担持は、透過型電子顕微鏡(日本電子)により確認された。また、酸化チタンP25の微粒子上への担持量は、金超微粒子の重量%をエネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定することで求めた。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例8〜9、比較例1
表3に示したように、所定量のポリエチレンイミン(数平均分子量70,000)の30重量%水溶液(日本触媒社製)をナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。ポリエチレンイミンの水溶液に、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0035】
【表3】
【0036】
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で25°Cまたは50°Cにて1時間保持した。その後、1.0μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を得た。ポリエチレンイミンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により、ポリエチレンイミン分子の−CH2−結合を調べることにより確認した。
【0037】
ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子(実施例8,9)および修飾していない市販の酸化チタンP25(比較例1)を、それぞれ100mg、ナスフラスコに取った。表4に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0038】
次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°C乾燥して酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0039】
【表4】
【0040】
その結果、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子(実施例8,9)は赤紫色に着色しており、金超微粒子特有の着色であることから、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子への固定化が示された。また、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定した金超微粒子の固定化量は、15重量%前後であった。
【0041】
一方、ポリエチレンイミンで修飾していない市販の酸化チタンP25(比較例1)では、非常に薄いピンク色の着色しかなく、金超微粒子の固定化量は1.4重量%と極めて少なかった。
【0042】
これらのことから、塩化金酸はポリエチレンイミンで修飾された酸化チタン表面で強く0価の金へと還元され、超微粒子として酸化チタンP25の微粒子上へ固定化される。しかし、ポリエチレンイミンがない場合、塩化金酸の還元反応は進みにくいことが確認された。また、ポリエチレンイミンの修飾時の温度は、金固定化量が大差ないことから、25〜50°Cの範囲ではポリエチレンイミンの酸化チタンへの吸着に大きく影響しないことが確かめられた。
【0043】
実施例10、比較例2
表5に示したように、所定量のポリエチレンイミン(数平均分子量70,000)の30重量%水溶液(日本触媒社製)をナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。そして、ポリエチレンイミン水溶液に、5N−HCl水溶液を、表5のように所定量加えてよく撹拌した。この水溶液に、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
【0044】
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で50°Cにて3時間保持した。その後、1.0μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、ポリエチレンイミンで修飾された酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0045】
【表5】
【0046】
ポリエチレンイミンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子)により、ポリエチレンイミン分子の−CH2−結合を調べることにより確認した。修飾処理後の酸化チタンP25のIPスペクトルにおけるポリエチレンイミンの−CH2−吸収は、水溶液のpHが低いほど減少することから、ポリエチレンイミンの吸着は水溶液のpHが低くなると減少することが確認された。
【0047】
また、表5に示す実施例10および比較例2の酸化チタンP25の微粒子を、それぞれ50mg、ナスフラスコに取った。表6に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0048】
【表6】
【0049】
その結果、実施例10のHClでpH調整をせずにポリエチレンイミンで修飾した酸化チタンP25の微粒子は、赤紫色に着色しており、金超微粒子特有の着色であることから、金超微粒子の酸化チタンP25微粒子への固定化が示された。エネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定した金超微粒子の固定化量は、12.7重量%であった。
しかし、比較例2のHClでpHを3に調整してポリエチレンイミンで処理した酸化チタンP25では、極めて薄いピンク色の着色しかなく、金超微粒子の固定化量は1.1重量%と極めて少なかった。
これらのことから、ポリエチレンイミンの修飾時のpHは、酸性側にないことが好ましいことが確認された。
【0050】
比較例3〜6
表7に示したように、所定量の平均分子量2,000のアミノ基末端ポリエチレンオキサイド(アルドリッチ)および平均分子量10,000のポリビニルピロリドン(アルドリッチ)を、それぞれナスフラスコに取り、所定量の蒸留水に溶解した。アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドンの水溶液に、酸化チタンP25の微粒子(日本アエロジル)を300mg加え、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。
次に、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で50°Cにて2時間保持した。その後、1.0μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して、酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0051】
【表7】
【0052】
アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドンの吸着は、赤外吸収スペクトル測定装置(日本電子社製)により、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドン分子の−CH2−結合から調べた。IRスペクトルには、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドあるいはポリビニルピロリドン分子に由来する−CH2−結合が見られず、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドあるいはポリビニルピロリドン分子は、酸化チタンP25にほとんど吸着しなかった。
【0053】
更に、上記のアミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドン水溶液で処理した酸化チタンP25の微粒子の100mgをナスフラスコに取った。表8に示したように、所定量のノルマルプロピルアルコールを加えて、分散を良くするために超音波洗浄器内で超音波を10分間照射した。次に、所定量の濃度6×10-3 モルL-1の塩化金酸水溶液を加えて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバス中で100°Cにて1時間にわたり加熱した。室温まで冷却した後、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて酸化チタンを濾過し、蒸留水でよく洗浄した。オーブン中で40°Cで乾燥して酸化チタンP25の微粒子を得た。
【0054】
【表8】
【0055】
その結果、アミノ基末端ポリエチレンオキサイドおよびポリビニルピロリドン水溶液で処理した酸化チタンP25の微粒子は、ほとんど着色していなかった。しかも、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(セイコーインスツルメンツ)により測定した金超微粒子の固定化量は、最大でも1.6重量%と極めて少なかった。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本願各請求項の発明は、ポリエチレンイミンを溶解したpH7以上の水溶液中に、無機酸化物微粒子を浸けて、該無機酸化物微粒子の表面に上記ポリエチレンイミンを修飾させた後、該ポリエチレンイミンを修飾させた無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩化物、金属の酢酸塩、あるいは金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩の水溶液との混合溶液に浸けて金属超微粒子を吸着させ、更にこの金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成して金属超微粒子を無機酸化物微粒子に担持させるものであり、予めポリエチレンイミンを無機酸化物微粒子の表面に修飾させ、更にその表面に金属超微粒子を吸着させるものであり、金属超微粒子がポリエチレンイミンによって保護されて凝集することなく、無機酸化物微粒子の表面に吸着し、そして焼成してポリエチレンイミンを除去することで、濃度の高い金属超微粒子を無機酸化物微粒子の表面に接する状態で担持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機酸化物微粒子を、ポリエチレンイミンを溶解した水溶液中に浸ける状態を示す。
【図2】無機酸化物微粒子の表面にポリエチレンイミンを吸着して修飾させた状態を示す。
【図3】ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子を示す。
【図4】ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩の水溶液との混合溶液に浸けた状態を示す。
【図5】ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子の表面に金属超微粒子を吸着させた状態を示す。
【図6】金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の最初の予備焼成工程を示す。
【図7】金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子の本焼成であり、微粒子担持物を得る工程を示す。
【符号の説明】
1 無機酸化物微粒子
2 ポリエチレンイミン
3 水溶液
4 混合溶液
5 金属超微粒子
6 ポリエチレンイミンを修飾した無機酸化物微粒子
7 金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子
8 ポリエチレンイミンの炭化物
10 超微粒子担持物
Claims (4)
- ポリエチレンイミンを溶解したpH7以上の水溶液中に、無機酸化物微粒子を浸けて、該無機酸化物微粒子の表面に上記ポリエチレンイミンを修飾させた後、該ポリエチレンイミンを修飾させた無機酸化物微粒子をアルコールと金属塩化物、金属の酢酸塩、あるいは金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩の水溶液との混合溶液に浸けて金属超微粒子を吸着させ、更にこの金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成して金属超微粒子を無機酸化物微粒子に担持したことを特徴とする超微粒子担持物の製造方法。
- 無機酸化物微粒子が酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化錫、酸化亜鉛から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の超微粒子担持物の製造方法。
- 金属塩が塩化金酸、塩化パラジウム、塩化白金酸、塩化銅、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化ロジウム、塩化銀、金属の酢酸塩、そして金属の硝酸塩から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の超微粒子担持物の製造方法。
- 金属超微粒子を吸着させた無機酸化物微粒子を焼成する場合、まず予備焼成においてポリエチレンイミンの炭化物に覆われた金属超微粒子を担持した無機酸化物微粒子を作製し、その後本焼成して金属超微粒子を担持した超微粒子担持物を得る請求項1記載の超微粒子担持物の製造方法。
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