JP2635076B2 - 無水マレイン酸共重合体粒子の製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸共重合体粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は無水マレイン酸共重合体粒子の製造方法に関
するものであり、さらに詳しくは接着剤、分散剤、乳化
安定剤、バインダー、徐放性薬剤組成物、紙用サイズ
剤、セメント混和剤等として有用な、無水マレイン酸共
重合体粒子を、球状かつ粒径のそろった一次粒子として
得る方法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来より、無水マレイン酸共重合体としては種々のも
のが開発され、例えば木材用、紙用の接着剤、塗料・イ
ンキ用バインダー、無機顔料等の分散剤、乳化重合用安
定剤、紙用サイズ剤、セメント混和剤などの用途に供さ
れているが、特にコンクリートの流動性を長時間保持す
るセメント混和剤、いわゆるスランプロス防止剤として
有用である。
このような無水マレイン酸共重合体の中では、従来よ
り、オレフィン−無水マレイン酸共重合体の水溶性塩が
セメント混和剤として知られている(特開昭51−101024
号公報等)が、例えば、特開昭60−16851号公報、特開
昭61−26543号公報等には、炭素数2〜8のオレフィン
と無水マレイン酸との共重合体そのものをセメント配合
物に添加することにより、セメント配合物の流動性を長
時間保持し、しかも流動性を一定に保ち、その結果セメ
ント配合物の施工性、作業性を著しく改善しうることが
示されている。セメント配合物中のセメント粒子は、通
常、水和反応による化学的凝集と、粒子間引力による物
理的凝集とにより、徐々に流動性を失うが、このような
セメント配合物に予め上記共重合体を添加しておけば、
該供重合体がセメントから溶出したアルカリによって加
水分解を起こして水溶性となり、徐々に表面から水に溶
け出す(徐放作用)ことによってセメント分散性を発揮
するので、セメント配合物の流動性が長時間保持される
と推定されている。
この方法においては、セメント粒子の化学的・物理的
凝集によるスランプロスの速度と、該無水マレイン酸共
重合体の加水分解速度とのバランスが、セメント配合物
のスランプロスを防止するために、最も重要な要素とな
るとされている。
該共重合体の加水分解速度は、その分子量及び粒径に
よって左右される。スランプロス防止剤として有用な該
共重合体の分子量は500〜20,000の範囲内であることが
好ましい。一方、粒径は0.1〜1,000μmの範囲内である
ことが望ましく、特に好ましくは0.1〜10μmの範囲で
ある。
しかるに、このような粒径を有する無水マレイン酸共
重合体は、通常の方法では得難く、通常は粒径20μm〜
数ミリの凝集体又は塊状物として得られるため、これを
湿式又は乾式の粉砕法にて所望の粒径まで細粒化する必
要がある。しかしながら、かかる粒径まで粉砕を行うこ
とは、例えば湿式のサンドミル等でいかに効率良く、粉
砕が行われたとしても、多大のエネルギーを要し、製造
コストの増加要因となる。更には、粉砕法によって得ら
れる該共重合体粒子は不定形であり、また非常に広い粒
径分布を有するために、前述の徐放速度を一定に制御す
るのが困難である。また、添加剤として用いる際には、
例えば水スラリー状態で保存されるが、粒径の大きい粒
子が沈降を起こし、品質が不均一となる不都合を生じ
る。
このような理由から、該共重合体粒子としては、形状
が一定であり(例えば球状)、かつ粒径分布が狭いもの
が望まれている。
一方、上記のようなオレフィンやスチレン系単量体等
と無水マレイン酸との共重合体を得る方法として、沈澱
重合によるものが多数提案されている。これは、単量体
を溶解し得るが重合体は溶解しない溶媒中で重合を行わ
しめ、粉末、粒状あるいは塊状として重合体を得る方法
である。溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン
等の低級ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソ
プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等の低級エ
ステル類、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベン
ゼン、n−又はt−ブチルベンゼン、イソプロピルベン
ゼン等の芳香族系溶媒、ヘキサン、リグロイン等の炭化
水素系溶媒及びこれらの混合物などが用いられる。
本発明者らが、実際にこれらの溶媒を用いて検討した
ところによると、単にこれらの重合溶媒を用いた沈澱重
合では、それぞれ次のような欠点が見られた。
即ち、アセトン等の低級ケトン類を用いた場合には、
溶媒自体の極性が強く、生成する共重合体を一部溶解し
てしまう結果、収率が低く、反応器壁への付着物量が多
く、更に得られる粒子は30〜数100μmの不定形の凝集
体であった。
次に、特公昭49−6396号公報及び特開昭61−91208号
公報に見られるような、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル
等のエステル系溶媒を用いた場合には、やはり反応器壁
への付着物が多かった。この場合、平均分子量10万以上
の共重合体を得ようとした場合には粒径1μm前後の粒
子形成が見られたが、分子量を5万以下にすると、粒形
が全くくずれ、不定形の凝集体となってしまった。
また、特開昭60−99110号公報に見られるような、エ
チルベンゼン等の芳香族系溶媒を用いた場合、共重合体
の溶解性が低下するため、確かに反応器壁への付着量が
少なくなったが、得られる共重合体は20〜50μmの粒径
を有する不定形の凝集体で、前述のような用途に供する
には、やはり粉砕手段が必要であった。
更に、ヘキサン等の炭化水素系溶媒を用いた場合、無
水マレイン酸が溶解しないため、重合が均一に行われ
ず、不均一相のまま反応させたとしても塊状の重合物が
得られ、取り扱いが困難であった。
この他、混合溶媒を使用する方法(特公昭49−16551
号公報等)が提案されているが、本共重合体を一次粒子
で得ることは困難である。
一方、このような重合溶媒の中に分散剤を存在させて
沈澱重合を行う方法が提案されている。分散剤として
は、炭素数20以上のα−オレフィンと無水マレイン酸と
の共重合体(特公昭62−5927号公報)、炭素数2〜8の
α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体のハーフ
エステルまたはハーフアミド(特開昭51−95489号公
報)、エチレン−ビニルエステル共重合体(特開昭54−
156092号公報)などが挙げられ、確かに反応器壁付着量
は低減するものの、共重合体は10〜数10μmの粒径であ
り、10μm以下の微粒子のみを収率よく得るには至って
いない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、無水マレイン酸及びこれと共重合体
可能なビニル系単量体の共重合体を、球状で、しかも粒
径分布が単分散で、且つ凝集体を形成せず、粒径が約10
μm以下の一次粒子として得る方法を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、無水マレイン酸及びこれと共重
合可能なビニル系単量体との沈澱重合を行うに際し、反
応器壁、撹拌羽根等への重合体の付着が無く、該共重合
体粒子を高収率で得ることのできる方法を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の従来技術の課題を解決するため
に鋭意検討を重ねた結果、無水マレイン酸及びこれと共
重合可能なビニル系単量体を共重合させるに際し、特定
の化合物の存在下に沈澱重合させることによって、上記
目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
即ち、本発明は、無水マレイン酸と、スチレン又はイ
ソブチレン(以下、共単量体という)とを共重合させる
に際し、それらの単量体を溶解するが、得られる共重合
体は溶解しない溶媒中で、分散剤として使用するセルロ
ースエステル又はセルロースエーテルの存在下で、ラジ
カル重合を行うことを特徴とする、無水マレイン酸共重
合体粒子の製造方法を提供するものである。
本発明においては、上記共単量体として、主に油溶性
の単量体を用いるが、得られる共重合体粒子の特性を張
設する等の目的で、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、ビニルピロリドン等の親水性ビニル系単量体
を適宜共存させて重合を行うこともできる。
本発明において、無水マレイン酸と共重合体(2種以
上を用いる場合はそれらの合計量)とのモル比は、1/2
〜2/1の範囲であることが望ましく、より好ましくは1/
1.2〜1.2/1の範囲である。
本発明において用いられる、無水マレイン酸及び前記
共単量体を溶解するが、得られる共重合体は溶解しない
溶媒としては、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチル
ベンゼン、n−又はt−ブチルベンゼン、イソプロピル
ベンゼン等の芳香族系溶媒、及び酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル等の低級エ
ステル系溶媒が挙げられ、これらは単独でも2種以上を
混合しても用いうるが、特にトルエン、イソプロピルベ
ンゼン、エチルベンゼン等のアルキルベンゼン類が好ま
しい。これらの溶媒の量は、得られる共重合体の濃度が
5〜35重量%になるような量が好ましい。
本発明において分散剤として用いられる、セルロース
エステル又はセルロースエーテルとしては、セルロース
アセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブ
チレート、セルロースアセテートプロピオネート、セル
ロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフ
タレート、メチルセルロース、エチルセルロース、プロ
プルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ベンジ
ルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、シアノエチルセルロース等
が挙げられ、特に用いる溶媒に溶け易いものが好まし
く、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース等の油溶性セル
ロース誘導体、なかでもエチルセルロースが好ましい。
本発明は、上記のセルロースエステル又はセルロース
エーテルを分散剤として用いて、無水マレイン酸及びこ
れと共重合可能なビニル系単量体を沈澱重合法により共
重合させるものである。
上記セルロース誘導体としては、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィーで求めた重量平均分子量(ポリス
チレン又はポリステレンスルホン酸ソーダ換算)が1,00
0〜800,000のものが適しており、好ましくは10,000〜25
0,000のものである。分子量が1,000より小さいか、ある
いは800,000を越えるセルロース誘導体では、無水マレ
イン酸共重合体を合成する際に分散剤としての効果を示
さない。
上記セスロース誘導体の使用量は、無水マレイン酸10
0重合部に対して0.05〜20重量部が望ましい。0.05重量
部より少ない場合は分散剤としての効果が乏しく、一
方、20重量部より多く用いても分散剤としての効果は特
に向上せず、また得られた共重合体粒子の性能を損なう
ことになるので、好ましくない。
本発明においては、前述のような溶媒中で上記セルロ
ース誘導体及びラジカル重合開始剤の存在下で、常法に
従い、沈澱重合を行う。
ラジカル重合開始剤としては、キュメンヒドロパーオ
キサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネ
ート、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
などの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
などのアゾ系の開始剤等が挙げられるが、得にこれらに
限定されるものではない。
これら重合開始剤の使用量は、無水マレイン酸に対
し、0.1〜20モル%が好適である。
上記セルロース誘導体は、重合の初期から反応系中に
存在させておくのが良いが、重合開始剤及び単量体は、
重合の初期にまとめて一括添加しても良いし、重合の進
行に伴い、徐々に添加しても良い。
重合温度は、使用する重合開始剤の分解温度や、使用
する溶媒の沸点に合わせて選択されるが、通常は30〜15
0℃、好ましくは40〜100℃の範囲で行われる。重合温度
が低すぎると重合速度の低下をきたし、高すぎると生成
する共重合体が、反応器壁に付着し易くなったり、塊状
となり易くなる。
重合反応の時間は、通常1〜15時間の範囲で適宜設定
される。
また、反応は加圧状態で行ってもよいし、共単量体を
そのままもしくは溶液として滴下しながら、またはガス
上の単量体であればこれを吹き込みながら、常圧下で行
ってもよい。
このようにして、特定のセルロース誘導体の存在下に
沈澱重合を行うことにより、目的とする無水マレイン酸
共重合体粒子が得られる。
共重合体の平均分子量は通常約200,000以下である
が、分子量の調節はモノマー濃度、開始剤の使用量、重
合温度等の条件設定によっても行えるし、通常用いられ
る連鎖移動剤、例えばラウリルメルカプタン、イオウ等
のイオウ系化合物、芳香族アミン、脂肪族アミン等の窒
素系化合物、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化
合物などの存在下に重合を行う方法によっても可能であ
る。
本発明は、目的とする共重合体の分子量が比較的小さ
い場合、即ち、該共重合体の粒子形状のくずれや、反応
器壁への付着、収率の低下等が起こり易くなる、約50,0
00以下に設定したい場合において、特に有用となる。
本発明の方法により得られる無水マレイン酸共重合体
粒子は、電子顕微鏡により観察すると、どの部分も球状
であり、しかも粒径分布がほとんど単分散である。得ら
れる粒子の大きさは、溶媒の種類、用いるセルロース誘
導体の種類及び量、反応条件等によって変化するが、通
常0.1〜3μmの範囲内である。
また、本発明により得られる粒子は、ほとんど一次粒
子であり、そのまま目的の用途に供されるが、例えば高
温時に多少の凝集があったとしても、水に分散したり、
あるいはごく簡単な解砕により、もとの一次粒子に戻す
ことができる。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明した通り、本発明の方法によれば、
無水マレイン酸共重合体を、球状でしかも粒径分布がほ
とんど単分散であり、且つ凝集体を形成しない一次粒子
として得ることができる。
さらにまた本発明によって、反応器壁、撹拌羽根への
付着をなくし、高収率で該共重合体粒子を得ることがで
きる。これによって従来困難であった比較的低分子量の
該共重合体粒子の製造を容易に行うことができる。
従って収率向上によりコストダウンが図れる他、本発
明で挙げたところの、コンクリート用スランプロス防止
剤等としての用途に対して、従来行われていた粉砕法に
よる細粒化の煩雑さ、多大のエネルギーロスという問題
点を解決できる上に、優れた性能安定性を与えることが
できる。
更には、他の用途、例えば顔料の分散剤、エマルジョ
ンやラテックスの乳化安定剤、塗料・インキ用バインダ
ー、紙用サイズ剤、徐放性薬剤組成物などに対しても、
溶解、中和などが行い易くなり、作業性及び性能の安定
性の面で著しく改善することが可能となる。
〔実施例〕 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではな
い。尚、例中の「部」は「重量部」である。
実施例−1 撹拌装置、ガス導入管、温度計、冷却管を備え、冷却
管の先にはガスバッグのついた1セパラブルフラスコ
にトルエン607部、無水マレイン酸68.6部及びエチルセ
ルロース〔ハーキュレス社製 エチルセルロースN−7,
エトキシル含有率48%、分子量62,000(ポリスチレン換
算)〕3.4分を入れ、窒素雰囲気中撹拌下に70℃まで昇
温した。重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル6.8部を添加し、続いて別に用意したボンベか
ら、イソブチレンガスをガス導入管から溶液中に導い
た。反応温度を70℃に保ったまま、イソブチレンガスを
3時間で45部(無水マレイン酸に対するモル比1.14)を
連続的に吹き込んだ。イソブチレンガスの導入開始後、
溶液はすぐに白濁し、又ガスバッグは膨らまないため、
ガスが溶液に効率良く吸収され、重合反応が起こってい
ることがわかった。ガス吹き込み終了後、更にその温度
で2時間撹拌下に熟成した後、冷却した。ポリマーの沈
澱物を含んだスラリー状の反応液を取り出し、濾過、乾
燥して106部のポリマーの白色粉末を得た。仕込み無水
マレイン酸に対する収率は98.1%と高かった。尚、反応
液を取り出したセパルブルフラスコを点検したが、容器
の内壁や撹拌羽根にはほとんどポリマーの付着は見られ
なかった。
又、得られたポリマーを水に分散し、NaOHで当量中和
して水溶液とした後、ゲルパーミェーションクロマトグ
ラフィーで分子量を測定したところ、重量平均分子量1
4,200(ポリスチレンスルホン酸Na換算)であった。
一方、得られたポリマー粉末を電子顕微鏡で観察した
ところ、きれいな球状単分散粒子であった。更に、この
ポリマー粉末を水に分散し、光透過型遠心沈降粒度分布
測定器((株)島津製作所製SACP−3)で粒径及び粒径
分布を測定したところ、粒径0.35μmの位置に単一ピー
クが現れ、ほとんど凝集体を形成していないことがわか
った。
実施例−2 実施例−1のエチルセルロースN−7の代わりにハー
キュレス社製エチルセルロースN−200〔エトキシル含
有率48%、分子量216,000(ポリスチレン換算)〕を用
いる他は、実施例−1と同様の方法で重合を行った。
その結果、105部のイソブチレンと無水マレイン酸共
重合体粉末が得られ、収率は97.8%で、反応器内壁、撹
拌羽根にはポリマーの付着は全く見られなかった。又、
得られたポリマー粒子は0.2μmの単分散粒子であっ
た。
実施例−3 実施例−1のイソブチレンガスの代わりにスチレン7
2.8部(無水マレイン酸に対するモル比1.0)を3時間で
連続的に滴下する以外は実施例−1と同様の方法で行っ
た。
139部の白色粉末が得られ(収率985)、これはスチレ
ンと無水マレイン酸との交互共重合体であった。反応器
内壁や撹拌羽根へのポリマーの付着は全く見られなかっ
た。実施例−1と同様に分子量及び粒径の分析を行った
ところ、重量平均分子量13,100、粒径は0.4μmであ
り、ほとんど凝集物のない単分散粒子であった。
比較例−1 実施例−1において、エチルセルロースを添加しない
で、イソブチレンと無水マレイン酸の沈澱重合を行っ
た。重合終了後、スラリー状の反応液を取り出し、濾
過、乾燥して76.5部のポリマーの白色粉末を得た。仕込
み無水マレイン酸に対する収率は、71%で低かった。ま
た、反応液を取り出したセパラブルフラスコを点検した
ところ、溶液の内壁や撹拌羽根にポリマーが多量に付着
しており、この付着物をかき落として重量を測定したと
ころ、29部であった。
実施例−1と同様にして得られた粉末ポリマーの分子
量を測定したところ、重量平均分子量12,200で、分子量
については実施例−1とほとんど変わらなかったが、電
子顕微鏡で観察したところ、粒子形成は全く見られず、
ほとんど20〜100μmの不定形の塊であった。
比較例−2 実施例−1においてエチルセルロースの代わりに次式
で表されるイソブチレンと無水マレイン酸の共重合体の
ハーフエステル(重量平均分子量10,000)を用いて沈澱
重合を行った。
実施例−1と同様の操作を行った結果、反応器壁、撹
拌機への付着は比較的少なく、6.4部であった。しかし
ながら、得られたポリマー粉末を電子顕微鏡で観察する
と粒子形成は全く見られず、やはり30〜100μmの不定
形の塊であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−204910(JP,A) 特開 昭51−95489(JP,A) 特公 昭62−6567(JP,B1) 特公 昭62−5927(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸と、スチレン又はイソブチ
    レンとを共重合させるに際し、それらの単量体を溶解す
    るが、得られる共重合体は溶解しない溶媒中で、分散剤
    として使用するセルロースエステル又はセルロースエー
    テルの存在下で、ラジカル重合を行うことを特徴とす
    る、無水マレイン酸共重合体粒子の製造方法
  2. 【請求項2】無水マレイン酸と、スチレン又はイソブチ
    レンとを共重合させるに際し、それらの単量体を溶解す
    るが、得られる共重合体は溶解しない溶媒中で、分散剤
    として使用するエチルセルロースの存在下で、ラジカル
    重合を行うことを特徴とする、無水マレイン酸共重合体
    粒子の製造方法。
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